2024年3月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

[リスク管理体制]

リスクを把握し事前に対応すること、またリスクが顕在化した場合、その影響を最小限にとどめ業務の早期復旧を図ることを目的として、リスク管理委員会を設置しています。同委員会は、取締役を委員長に部長職以上で構成され、グループリスク管理体制の整備や教育、情報の収集などを行うとともに、当社及びグループ各社のリスク評価を行い情報を共有し、その管理・低減に努めております。また、コンプライアンス委員会をはじめとする各種委員会を設置し、グループ全体のリスクを総合的にマネジメントする体制を構築しております。

 

〈リスク管理体制図〉


 

[個別のリスク]

当社グループの経営成績、株価及び財務状況に影響を及ぼす可能性のある主なリスクとして以下のとおり認識し、その発生の回避を図るとともに、発生した場合の影響を最小限にとどめるよう対処してまいります。

また、各事業における個別のリスク及び対応策は「第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)当社グループの中長期的な経営戦略及び対処すべき課題 ③家庭用機器事業 ④産業機器事業」をご参照ください。その他の各事業共通のリスクは、「(各事業共通のリスク)①~⑮」の記載のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(各事業共通のリスク)

①為替変動がもたらす影響について

当社グループでは、家庭用機器事業及び産業機器事業における海外市場での積極的な営業展開により、連結売上高に占める海外売上高比率が70%前後で推移しております。そのため為替先物予約ならびに当社・子会社間のネッティング決済によって為替リスクを軽減しておりますが、海外売上高の大部分を占める取引を外貨建てで行っておりますので、為替変動により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②仕入れコストの上昇について

当社グループでは、日本、台湾、タイに生産拠点を構え、世界市場の需要動向に応じた効率的な生産を行っており、グローバルな視点からの部品の調達により、仕入れコストの安定ならびに低減を図っております。また、当社生産管理本部が国内、海外の生産拠点を統括管理し、グループ全体で、仕入れコストへの影響を最小限に抑える努力を続けておりますが、鉄、アルミニウム、銅、プラスチック(樹脂)など原材料費の上昇により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③カントリーリスクについて

当社グループでは、生産及び販売活動を行っている各国におきまして、政治体制の変化、法規制の変更、政治・経済の変動、地震・台風等の自然災害、戦争・テロ等が発生し、事業活動の継続が困難になるなどの場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。ロシア・ウクライナ情勢の長期化に伴い、ロシア向けの販売は停止していることに重ねて中東情勢の緊迫化の影響から中東全域及びその周辺国においても販売に影響があり、売上が減少するだけでなく、工場の稼働率低下や生産調整などにも支障をきたす可能性があります。このような状況が継続した場合、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

④品質管理について

当社グループの製品に関しては長年に亘る製造ノウハウを有しております。また、PL(製造物責任)委員会を設置し、製品に関する安全性等について毎月審議するとともに、当社品質保証部を中心に当社グループ全体の品質保証活動の推進をしており、当社及び国内外の関係会社において生産するミシン、産業機器などに対する品質監査と品質状況の把握に努めております。万一、重大な品質問題が発生した場合、リコール費用の発生やブランドイメージの低下により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤法規制等について

当社グループは業務の適正化、財務情報の信頼性を確保するとともに、関連法規・定款等を遵守する経営を行うべく、内部統制の充実に向けた管理体制を確立しております。しかしながら、関連法規や規制を遵守できない事象が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥市場環境について

営業活動を展開するうえで競合他社との競争は避けられませんが、そのような状況に応えるべく開発・製造・販売が一体となって商品・サービスの品質向上に努めております。しかしながら、競争が激化するなど、市場環境が大きく変化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦個人情報の管理について

当社グループでは、「個人情報保護方針」及び「個人情報管理規定」等を策定し、個人情報管理委員会を設置するなど、個人情報保護法に基づく社内管理体制を確立しておりますが、万一、顧客情報をはじめ大量の個人情報が漏洩した場合は、当社グループの信用のみならず業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧金利変動について

当社グループの有利子負債には、金利変動の影響を受けるものがあり、金利上昇による金利負担の増加が当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨固定資産の減損について

当社グループが所有する有形固定資産、無形固定資産、投資その他の資産等について減損処理が必要となった場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩繰延税金資産について

当社グループは、繰延税金資産について適正な金額を計上しておりますが、将来の課税所得の見積り等に大きな変動が生じた場合、あるいは制度面の変更等があった場合には繰延税金資産が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑪退職給付債務について

当社グループは、退職給付債務について数理計算上で設定される割引率等の前提条件に基づき適正な金額を算定しておりますが、この前提条件が大きく変化した場合における退職給付債務の増加が、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑫借入金にかかる財務制限条項について

当社借入金の一部について、財務制限条項を付されているものがあり、抵触しますと金融機関から当該借入金の期限の利益喪失請求が行われる可能性があります。

 

⑬事業再編等について

当社グループは、不採算事業からの撤退や関係会社の整理等の事業再編を行うことがありますが、かかる事業再編が当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑭自然災害について

当社グループの工場などにおいて、万一大きな自然災害などが発生した場合には、工場設備の被災や原材料調達などサプライチェーンの障害に伴う生産活動の停止による機会損失などによって、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑮感染症等によるパンデミックについて

新型コロナウイルス感染症のようなパンデミックによるロックダウンにより、取引先、サプライチェーンや物流の停滞・混乱により、売上の消失や製品供給の停滞など、当社グループの財政状態や経営に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの従業員への集団的感染の場合は、操業の一時的停止など事業活動への影響を及ぼす可能性があります。

 

配当政策

 

3 【配当政策】

当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。

これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。

なお、当社は、取締役会決議により、毎年9月30日を基準日として、中間配当をすることができる旨を定款に定めております。

当社は、充実した自己資本を確保し、健全な財務基盤を強化するとともに、資本効率の向上を追求することにより、株主利益の最大化を目指しております。

なお、当事業年度に係る剰余金の配当については以下のとおりです。

決議年月日

配当金の総額(百万円)

1株当たり配当額(円)

2024年6月21日

定時株主総会決議

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