2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    7,459名(単体) 25,632名(連結)
  • 平均年齢
    41.6歳(単体)
  • 平均勤続年数
    16.2年(単体)
  • 平均年収
    7,412,487円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

     (2024年3月31日現在)

セグメントの名称

従業員数(人)

産業機械

12,896

(948)

自動車

9,436

(1,176)

全社(共通)・その他

3,300

(379)

合計

25,632

(2,503)

 

(注) 1 従業員数は就業人員です。

2 ( )内は直接雇用の臨時従業員数であり、年間の平均人員を外数で記載しています。

3 自動車事業において、前連結会計年度末に比べ従業員数が4,052名減少していますが、主として、2023年8月にNS&Cに対する支配を喪失し、NS&C及び同社の子会社が連結の範囲から除外されたことによるものです。

 

(2) 提出会社の状況

     (2024年3月31日現在)

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

7,459

41.6

16.2

7,412,487

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

産業機械

3,105

(229)

自動車

3,310

(438)

全社(共通)・その他

1,044

(127)

合計

7,459

(794)

 

(注) 1 従業員数は就業人員です。

2 平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含んでいます。

3 ( )内は直接雇用の臨時従業員数であり、年間の平均人員を外数で記載しています。

 

(3) 労働組合の状況

当社グループには労使関係について特に記載すべき事項はありません。

 

 

(4) 多様性に関する指標

①提出会社

女性管理職比率

(注1)

男性育児休業取得率

(注2)

男女間賃金差異(注1、3)

正規労働者

非正規労働者

全ての労働者

2.5

96.4

75.0

65.9

71.5

 

 

②連結子会社(注4)

会社名

男性

育児休業

取得率

(注2)

男女間賃金差異(注1)

正規労働者

非正規労働者

全ての労働者

 

日本精工九州㈱

60.0%

76.4%

67.1%

75.6%

㈱天辻鋼球製作所

70.6%

73.7%

70.2%

旭精機㈱

50.0%

NSK富山㈱

50.0%

 

 

(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

  なお、提出会社については、従来より当社基準(対象期間を出生日を起点とした1年間)で算出し、公表してきました。この当社算出基準では、83.3%です。

3 男女間賃金差異について

  当社において、賃金制度における性別の差異はありません。しかし、階層別の人員構成が男性と女性で異なるため、平均年間賃金に差が生じています。

  ・正規労働者:   それぞれの性別の管理職比率において、男性の比率が女性のそれに比べて高いことに

                    起因しています。

    ・非正規労働者: この分類の社員の多くは、定年退職後の再雇用者です。

            その賃金は再雇用以前の階層に基づいており、正規労働者と同様の理由に起因してい

            ます。

  当社では女性の活躍推進を経営課題として位置づけ、管理職候補の育成に力をいれています。

  当社の女性活躍推進及びダイバーシティ&インクルージョンの取り組みについては、当社ウェブサイト(https://www.nsk.com/jp/csr/hr/diversity/)に掲しています。

4 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)などにおいて、常用労働者数が101人以上の事業主は自社の女性の活躍に関する状況把握、課題分析、行動計画の策定、外部公表等が求められています。行動計画で公表した指標が「女性管理職比率」「男性育児休業取得率」「男女間賃金差異」である場合は、内閣府令に基づき有価証券報告書にも開示する必要があります(日本精工九州㈱、旭精機㈱、NSK富山㈱)。加えて、常用労働者数が301人以上の事業主は、男女間賃金差異の開示が義務化されました(日本精工九州㈱、㈱天辻鋼球製作所)。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。


(1)サステナビリティ全般

①ガバナンス

当社グループは、機関設計として指名委員会等設置会社を採用しています。取締役会は経営の基本方針などの重要な経営事項の決定にあたるとともに、業務執行の決定を執行機関へ積極的に委任し、執行状況を適切に監督します。

当社のコアバリューである「安全・品質・環境・コンプライアンス」を経営の意思決定や行動において最優先される共通の価値基準とし、執行機関は、『中期経営計画2026』に則り、3つの経営課題である「収益を伴う成長」「経営資源の強化」「ESG経営」に取り組みます。また、CEOを委員長とするコアバリュー委員会は、コアバリュー推進・強化のための方針の議論や関連リスクの共有を通して、全社的課題を設定し、それらの解決に向けた提言と進捗のモニタリングを行います。

 

②リスク管理

当社グループにおいて、全社及びサステナビリティ分野の主要なリスクを検討するプロセスは、「第2[事業の状況]3[事業等のリスク]」に記載のとおりです。

 

③戦略

当社グループは、重点的に取り組むべきサステナビリティの分野をマテリアリティ(重要課題)として、9項目を特定しました。企業理念のもと、これらの項目について取り組むことで、社会課題解決への貢献と企業としての持続的成長の両立を目指していきます。当社グループでは、社会課題などの外部環境の変化が事業に与える影響に加え、会社の活動が外部のステークホルダーや環境・社会に与える影響を評価するダブルマテリアリティの考え方に基づき項目を特定し、執行部門の代表者により構成される経営会議の審議を経てCEOが決定し、オフィサーズ・ミーティングを通じて当社グループ内に共有しました。

 


(注) 1 NPDS(NSK Product Development System):お客様の新規案件を、迅速、確実に安定生産に結びつけるため、品質を製品企画から開発・設計、試作、量産までのプロセスでつくりこむための活動

     2 NQ1(NSK Quality No.1):不良「ゼロ」の安定生産を目指した活動

 

 

④指標及び目標

『中期経営計画2026』の3つの経営課題と取り組みや非財務目標は、「第2[事業の状況]1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等](2)経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。

サステナビリティに関する取り組みは、当社グループウェブサイトをご参照ください。

https://www.nsk.com/jp/csr/

 

(2)気候変動

①ガバナンス

取締役会は業務の執行の決定を積極的に委任し、その執行状況を適切に監督するとともに、カーボンニュートラルの取り組みを含む中・長期的な経営課題・方向性等に関するテーマの討議を行っています。

また、コアバリュー委員会は、「安全・品質・環境・コンプライアンス」のコアバリューの推進・強化のための方針の議論や気候関連等のリスクの共有を通して、全社的課題を設定し、それらの解決に向けた提言と活動の進捗のモニタリングを行います。

 

②リスク管理

当社グループは、これまでも気候関連のリスクを重要性の高いリスクとして認識し、事業や部門を横断して対処してきました。さらに2020年度からは、気候関連財務情報開示タスクフォース(以下「TCFD」)の推奨するシナリオ分析も活用し事業環境の変化と当社の事業への影響を分析するとともに、課題の抽出及び対応策の実施等、取り組みを強化しています。

 

③戦略

気候変動が当社グループのバリューチェーンに将来的に与える影響及び気候変動対策の有効性の検証を目的に、最長2050年までの期間を想定し、1.5℃~2℃シナリオ、4℃シナリオの2つのシナリオ分析を実施しました。当社グループは持続可能な社会の構築のため、気温上昇を1.5℃~2℃以下に抑制できる社会の実現に貢献することを基本戦略とします。CO2排出規制に関連した移行リスクへの対応に取り組み、製品ライフサイクル全体での脱炭素化という社会的ニーズを当社グループの事業領域であるMOTION & CONTROL™の進化の機会と捉え、事業活動全体で気候変動対策を推進します。一方、気候変動に起因する自然災害に対しては、シナリオ分析結果を踏まえて対策を推進します。

具体的には、エネルギー使用量を可視化した上で、生産工程における標準的な省エネ活動に加えて、工程の変更も視野に入れた技術革新によるエネルギー削減を実施しています。同時に再生可能エネルギーの導入も積極的に進め、事業活動からのCO2排出量の最少化に取り組んでいます。また、低摩擦損失の製品や、風力発電用軸受などの再生可能エネルギー普及に対応した製品の開発・設計・生産・販売を通じて、お客様の使用段階におけるCO2排出削減貢献量の最大化を図ります。

 

④指標及び目標

当社グループは、事業活動、すなわち「つくる」時のCO2排出量の削減と、顧客における製品・サービスの使用段階、すなわち「つかう」時のCO2排出削減貢献量の拡大を両輪として、長期的な目標を設定し取り組みを進めています。特に事業活動からのCO2排出量の削減については、『中期経営計画2026』では、Scope1とScope2のCO2排出について、2035年度に実質ゼロを目指すカーボンニュートラルの目標を設定しました。

 

<目標>

2026年度Scope1+2 CO2排出量削減 △50%(対2017年度)

2035年度Scope1+2 カーボンニュートラル達成

 


 

なお、TCFD提言に基づく情報開示については、当社グループウェブサイトをご参照ください。

https://www.nsk.com/jp/csr/TCFD/

 

 

(3)人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針

①ガバナンス

取締役会は業務の執行の決定を積極的に委任し、その執行状況を適切に監督するとともに、人的資本経営の取り組みを含む中・長期的な経営課題・方向性等に関するテーマの討議を行っています。

また、CEOを委員長とする人材委員会を設置しています。人材委員会は、基幹ポストの後継者計画の策定と計画のモニタリングに加え、それらを担う人材の育成など人的資本の価値最大化の取り組みの推進を目的としており、当委員会において全社的な人材施策が報告、討議されています。

 

②リスク管理

「第2[事業の状況] 3[事業等のリスク] [代表的リスクと対応策] 6 人材・労務に係るリスク」に記載のとおりです。

対象リスクは全社リスクマネジメントの仕組みの中で、その取り組み状況を管理しています。

 

③戦略

企業理念を実現し、社会課題解決への貢献とNSKグループの持続的成長を両立していくためには、多様な人材の活躍が不可欠です。当社は「人材方針」で、経営姿勢で謳う「社員一人ひとりの個性と可能性を尊重する」(注)ことを明確にするとともに、従業員一人ひとりが企業の貴重な財産であるという考えに基づき、「多様な人材の活用」「成長に資する機会と場の提供」「いきいきと働き続ける職場づくり」という3つの柱で公平で個を活かす活力ある職場づくりを掲げています。

『中期経営計画2026』の経営課題の一つである「経営資源の強化」の主要施策の一つが「人的資本の価値最大化」です。経営戦略を確実かつタイムリーに実行していくためには、明確なKPIを伴った人材戦略との連動が不可欠です。当社は人的資本の価値の最大化は、多様な人材一人ひとりが個性を最大限に発揮し、さらには可能性を広げ成長し続けられる状態が生み出されることによって実現できると考えており、次の目指すべき3つの姿を掲げて取り組みを推進しています。

(注)社員とは、NSKグループで働くすべての人を指します。

 


 

 

1.多様な人材が集まる会社

当社の人材戦略のキードライバーは多様性です。性別、性自認・性的指向、年齢、国籍、生活様式、価値観、キャリア(知見・経験)など、多様なバックグラウンドを持った従業員がそれぞれの力を発揮し、互いに刺激し合うことで、新たな視点や考え方、アイデアが生まれ、競争力の強化やリスクの回避にも繋がっていくと考えています。特に意思決定層における多様性を重要視するとともに、女性活躍推進を経営課題の一つと捉え、各階層で取り組みを進めています。2023年からは若手女性社員が事業所を超えて先輩社員(ロールモデル)に話を聞き、それを記事として社内に発信する取り組みを開始しました。女性の係長層やその候補層を対象にしたキャリア・アドバンスメント研修も継続して実施しており、キャリア形成を支援しています。

 

2.多様な人材がスキル/能力を伸ばし成長できる会社

働き方やキャリアに対する考え方は多様化し、個々人の自律志向が拡大しています。個の成長・自己実現と企業の成長の相関関係が強くなり、従業員と企業は選び、選ばれる、より対等な関係になってきています。当社では、まず管理職を対象に、ロール型人事制度の導入に向けた準備を進めています。ロール型人事制度とは、従業員一人ひとりが担う役割や責任を明確にし、自らが能動的に未来志向の高い目標の達成に向けて挑戦することを求めていく人事制度です。個々の役割を「ロールディスクリプション(役割記述書)」として人材要件を明確にすることで、従業員は個々のキャリアを描きやすくなり、一人ひとりが自身の成長に向け、「自分で考え、自分で行動する」ことが可能になります。

また、早期育成施策としての若手育成ローテーションから始まり、経営人材候補を継続的に輩出するキャリア開発プログラムを構築しています。基幹ポストへの登用に関しては、人材委員会を最上位機関として、経営人材の後継者計画及び人材投資計画を承認しています。基幹ポストの定義を明確化することで、グローバルに融和性のある後継者管理を実現し、海外人材を含めた年齢、性別、国籍を問わない人材抜擢や戦略的登用を実施しています。

加えて、事業ポートフォリオ及び収益構造の転換のため、DXを推進しており、その中心となるデジタル人材の育成を進めています。デジタル変革本部が中心となり全社的な研修を実施、2023年にはレベル別に設けた育成プログラムの種類を増やし、より実践的なトレーニングや専門チームのハンズオン支援による現場適用を進めています。

 

3.安全で健全な職場

従業員のこころとからだの健康は事業活動の全ての基盤です。2022年に効果指標や経営課題への結びつきを可視化し、より効果的に施策を推進するため、健康経営戦略マップを見直しました。さらに、「健康宣言」、「健康取組3本柱」なども一部見直し、取り組みをステップアップさせています。健康意識向上のため、eラーニングや健康フェア、ストレスチェック後の組織診断結果説明会、禁煙推奨デーの呼び掛けなど、様々な活動を継続的に実施しています。また、これら施策の進捗や成果の第三者評価として、健康経営優良法人(ホワイト500)の認定継続を目標にしています。

 

 

④指標及び目標

人的資本経営の3つの目指す姿に向けて、全ての施策に、KPIとその目標を定めて取り組んでいます。施策には、エンゲージメント調査結果から抽出された課題に対する施策も含んでいます。「人的資本の価値最大化」は、これら一つひとつの取り組みの成果を積み上げることで実現できると考えており、目標に向けて、施策の進捗状況を定期的にモニタリングしています。

 

多様な人材が集まる会社

 

スコープ

2024年3月期

実績

2027年3月期
目標

従業員における多様性比率(女性、キャリア採用、外国籍社員) (注2、3)

日本

29%

35%

 

 

多様な人材がスキル/能力を伸ばし成長できる会社

 

スコープ

2024年3月期

実績

2027年3月期

目標

新人事制度の導入・運用

日本

制度策定、理解浸透のための説明会実施(管理職)

制度理解浸透、運用実践の向上

グローバルポストにおける現地化比率 (注4)

グローバル

72%

70%以上を維持

デジタル人材基礎プログラム受講人数 (注5)

日本

約4,000名

 大規模展開と

定着化
 実践研修によるスペシャリスト育成

デジタル人材中級プログラム受講人数 (注5)

日本

約1,100名

 

 

安全で健全な職場

 

スコープ

2024年3月期

実績

2027年3月期

目標

休業度数率 (注6)

グローバル

0.24

0.10

健康経営優良法人(ホワイト500)認定 (注3)

日本

認定

認定継続

 

(注) 1 特に記載がない限り、一部グループ会社を含みます。

     2 意思決定層における多様性を重視しており、管理職及びスタッフ層(総合職同等)での多様性比率です。

     3 対象は提出会社です。

 4 当社は、海外事業の拡大に伴い、各地域で現地主体の機動的な事業運営を可能とする体制の構築を目指し、マネジメント層の現地化を図ってきました。地域統括における事業運営上の重要なポストをグローバルポストと定め、その多くに現地の社員が就き、現地主導で事業拡大を展開しています。

          グローバルに活躍するマネジメント人材の育成を目的に2011年よりグローバル経営大学を実施しています。

       5 2023年3月期と2024年3月期に各プログラムを受講した合計人数です。

       6 休業度数率=休業災害発生件数÷延べ実労働時間×1,000,000

          休業1日以上の労働災害を休業災害と定義しています。