2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    36,520名(単体) 149,134名(連結)
  • 平均年齢
    41.4歳(単体)
  • 平均勤続年数
    16.7年(単体)
  • 平均年収
    8,298,631円(単体)

従業員の状況

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

 

2024年3月31日現在

事業の種類別セグメントの名称

従業員数(人)

インフラ

22,033

インダストリー・モビリティ

31,593

ライフ

61,051

ビジネス・プラットフォーム

4,912

セミコンダクター・デバイス

5,848

その他

17,041

共 通

6,656

合計

149,134

 (注) 従業員数は就業人員です。

(2) 提出会社の状況

 

 

 

 

2024年3月31日現在

従業員数(人)

平均年令(才)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

36,520人

[6,636人]

41.4才

16.7年

8,298,631円

 

事業の種類別セグメントの名称

従業員数(人)

インフラ

11,713

インダストリー・モビリティ

11,434

ライフ

5,445

ビジネス・プラットフォーム

292

セミコンダクター・デバイス

2,245

共 通

5,391

合計

36,520

 (注) 1 従業員数は就業人員です。臨時従業員等は、[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しています。

2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。

(3) 労働組合

 三菱電機グループにおいては、労働組合は会社毎に組織されています。当社の労働組合は三菱電機労働組合と称し、労使の関係は組合結成以来今日まで安定しています。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

①提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に占める

女性労働者の割合(%)(注1)

男性労働者の

育児休業取得率*

(%)(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)

全労働者

うち正規雇用

労働者(注3)

うちパート・

有期労働者

3.1

85.1

62.4

64.4

61.8

 *育児休業等と育児目的休暇

  の取得割合

(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。労働者の男女の賃金差異は、退職金、及び通勤費補助等を除く年間賃金総額から算出しています。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。

3 正規雇用労働者には、正規雇用の従業員、及びフルタイムの無期化した非正規雇用の従業員を含んでいます。

 

(管理職に占める女性労働者の割合について)

 管理職に占める女性労働者の割合については、近年、若年層から業務経験の付与や研修機会の提供を計画的に行い、育成するとともに、社内に対して各種両立支援制度を積極的に情報発信する等の施策を策定・実施した結果、過去と比較し着実に割合は向上しており、2024年4月時点では、3.6%に向上しています。

 

2019年

2020年

2021年

2022年

2023年

管理職に占める女性労働者の割合

2.0%

1.9%

2.3%

2.6%

3.1%

(男性労働者の育児休業取得率について)

 男性労働者の育児休業取得率については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)に基づく行動計画で策定した「2025年度までに70%以上」とする目標値を超える取得率を達成しています。

(労働者の男女の賃金差異について)

 正規雇用労働者の男女の賃金差異については、正規従業員の中には、報酬水準が低い「補助的業務担当者」が含まれています。特に女性の正社員のうち、約半数が「補助的業務担当者」であり、その結果、平均賃金を押し下げています。

 パート・有期労働者の男女の賃金差異について、非正規社員は、主に有期雇用契約の「補助的業務担当者」が該当しますが、正社員の定年後再雇用者も約25%含まれています。定年後再雇用者の約95%が男性であり、かつ、「補助的業務担当者」と比較し報酬水準が高いため、構成比率の違い等により男女の乖離が生じています。

 

②連結子会社

常時雇用する労働者(注)が1,001人以上の国内連結子会社

当事業年度

補足説明

会社名

管理職に占める

女性労働者の割合

(%)

男性労働者の

育児休業取得率*

(%)

労働者の男女の賃金差異(%)

全労働者

うち正規雇用労働者

うちパート・有期労働者

三菱電機プラント

エンジニアリング㈱

0.7

104.9

62.7

69.9

65.0

*育児休業等と育児目的休暇の取得割合。前年度以前に誕生した子に対して育児休暇を取得した従業員が存在するため割合が超過している。

三菱電機

ディフェンス&

スペース

テクノロジーズ㈱

0.0

69.2

71.6

71.4

69.2

*育児休業等の取得割合

三菱電機ビル

ソリューションズ㈱

0.9

64.3

59.0

57.3

61.2

*育児休業等と育児目的休暇の取得割合

三菱電機住環境

システムズ㈱

1.6

32.0

62.5

61.4

83.5

*育児休業等と育児目的休暇の取得割合

三菱電機

インフォメーション

ネットワーク㈱

3.6

100.0

68.4

67.7

77.8

*育児休業等と育児目的休暇の取得割合

三菱電機

インフォメーション

システムズ㈱

4.0

66.7

80.8

80.8

74.8

*育児休業等と育児目的休暇の取得割合

メルコ

パワーデバイス㈱

0.0

6.7

69.7

70.8

82.7

*育児休業等の取得割合

三菱電機

エンジニアリング㈱

4.0

80.6

64.2

66.6

54.8

*育児休業等と育児目的休暇の取得割合

三菱電機

ソフトウエア㈱

3.7

43.3

77.7

78.1

68.4

*育児休業等の取得割合

三菱電機

ライフサービス㈱

1.1

39.1

61.2

66.6

70.8

*育児休業等の取得割合

三菱電機

システムサービス㈱

1.3

60.5

52.3

54.2

66.6

*育児休業等と育児目的休暇の取得割合

三菱電機

ロジスティクス㈱

2.4

72.4

60.3

64.1

56.3

*育児休業等と育児目的休暇の取得割合

㈱ダイヤモンド

パーソネル

0.0

60.0

73.4

70.8

72.0

*育児休業等の取得割合

(注) 常時雇用する労働者は、雇用契約の形態を問わず、下記のいずれかに該当する労働者を指します。

① 期間の定めなく雇用されている者

② 過去1年以上の期間について引き続き雇用されている者または雇入れの時から1年以上引き続き雇用されると見込まれる者

(管理職に占める女性労働者の割合について)

 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しています。

(男性労働者の育児休業取得率について)

① 補足説明に「育児休業等と育児目的休暇の取得割合」と記載している数値については、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。

② 補足説明に「育児休業等の取得割合」と記載している数値については、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

(労働者の男女の賃金差異について)

 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。労働者の男女の賃金差異は、退職金、及び通勤費補助等を除く年間賃金総額から算出しています。正規雇用労働者には、正規雇用の従業員、及びフルタイムの無期化した非正規雇用の従業員を含んでいます。

 各社により程度の差はあるものの、男女の賃金差異の背景は、概ね提出会社の状況と同様です。

 

常時雇用する労働者が301人以上1,000人以下の国内連結子会社

当事業年度

補足説明

会社名

管理職に占める

女性労働者の割合

(%)

男性労働者の

育児休業取得率*

(%)

労働者の男女の賃金差異(%)

全労働者

うち正規雇用労働者

うちパート・有期労働者

三菱電機

社会インフラ機器㈱

0.0

-

63.1

78.1

65.9

 

長崎菱電テクニカ㈱

0.0

-

63.1

63.8

81.7

 

名菱電子㈱

3.8

66.7

72.0

70.0

76.9

*育児休業等の取得割合

三菱電機

コントロールパネル

0.0

-

70.4

74.4

49.3

 

菱神テクニカ㈱

0.0

100.0

74.6

75.0

73.3

*育児休業等の取得割合

丸亀菱電テクニカ㈱

0.0

-

68.9

81.1

62.9

 

多田電機㈱

0.0

-

75.4

71.3

103.1

 

三菱プレシジョン㈱

1.6

-

71.3

77.1

76.0

 

菱栄テクニカ㈱

2.3

-

79.2

76.4

95.3

 

菱電湘南

エレクトロニクス㈱

1.9

-

69.2

76.5

96.6

 

名菱テクニカ㈱

0.0

46.2

59.1

63.1

51.1

*育児休業等の取得割合

三菱電機

メカトロニクス

エンジニアリング㈱

1.0

-

58.8

66.2

74.3

 

三菱電機

FA産業機器㈱

0.0

-

71.0

72.1

81.6

 

山菱テクニカ㈱

7.7

-

64.6

65.6

103.0

 

甲神電機㈱

0.0

-

66.0

67.5

74.6

 

姫菱テクニカ㈱

0.0

63.6

73.8

74.3

63.1

*育児休業等の取得割合

メルコモビリティー

ソリューションズ㈱

6.4

44.4

67.4

68.6

61.3

*育児休業等と育児目的休暇の取得割合

㈱デービー精工

1.7

84.6

69.0

69.0

84.2

*育児休業等と育児目的休暇の取得割合

菱電

エレベータ施設㈱

0.7

38.1

67.5

68.0

60.7

*育児休業等の取得割合

㈱菱サ・

ビルウェア

0.0

0.0

70.4

71.2

50.0

-

メルテック・

ビジネス㈱

10.9

-

64.4

71.1

44.5

 

稲菱テクニカ㈱

0.0

71.4

53.1

52.5

26.2

*育児休業等の取得割合

トーコー

ビルシステム㈱

0.0

-

73.1

71.5

104.7

 

三菱電機照明㈱

3.0

-

55.3

55.8

73.8

 

三菱電機

ホーム機器㈱

0.0

66.7

52.0

53.5

56.6

*育児休業等の取得割合

㈱三菱電機

ライフネットワーク

2.7

-

66.0

65.0

62.1

 

静菱テクニカ㈱

0.0

66.7

69.0

81.7

81.8

*育児休業等と育児目的休暇の取得割合

三菱電機

冷熱応用システム㈱

0.0

-

65.4

66.0

70.9

 

三菱電機

ITソリューションズ

3.9

55.6

79.8

79.5

77.4

*育児休業等の取得割合

メルコパワー

セミコンダクタ

チップ㈱

0.0

80.0

76.0

76.5

76.4

*育児休業等の取得割合

メルコ

セミコンダクタ

エンジニアリング㈱

0.0

-

70.0

71.9

60.2

 

メルコアドバンスト

デバイス㈱

0.0

-

63.8

67.1

56.8

 

㈱弘電社

3.1

23.1

67.4

66.1

69.4

*育児休業等の取得割合

MDロジスフィールド

サービス㈱

0.0

100.0

55.7

73.6

59.5

*育児休業等と育児目的休暇の取得割合

㈱アイプラネット

4.8

-

67.7

69.9

61.6

 

三菱電機

トレーディング㈱

5.1

76.9

67.3

72.2

37.9

*育児休業等の取得割合

(注)(管理職に占める女性労働者の割合について)

 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しています。

(男性労働者の育児休業取得率について)

 男性労働者の育児休業取得率を自主的に開示している国内連結子会社分について、掲載しています。計算手法としては下記のとおりです。

① 補足説明に「育児休業等と育児目的休暇の取得割合」と記載している数値については、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。

② 補足説明に「育児休業等の取得割合」と記載している数値については、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

(労働者の男女の賃金差異について)

 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。労働者の男女の賃金差異は、退職金、及び通勤費補助等を除く年間賃金総額から算出しています。正規雇用労働者には、正規雇用の従業員、及びフルタイムの無期化した非正規雇用の従業員を含んでいます。

 各社により程度の差はあるものの、男女の賃金差異の背景は、概ね提出会社の状況と同様です。

 

常時雇用する労働者が101人以上300人以下の国内連結子会社

当事業年度

補足説明

会社名

管理職に占める

女性労働者の割合

(%)

男性労働者の

育児休業取得率*

(%)

労働者の男女の賃金差異(%)

全労働者

うち正規雇用労働者

うちパート・有期労働者

菱彩テクニカ㈱

0.0

-

-

-

-

 

㈱東洋機工製作所

0.0

-

-

-

-

 

菱電化成㈱

3.3

-

-

-

-

 

菱三工業㈱

0.0

-

-

-

-

 

島田理化工業㈱

0.0

-

-

-

-

 

通菱テクニカ㈱

11.5

-

-

-

-

 

㈱ビーシーシー

0.0

-

-

-

-

 

三菱電機

メカトロニクス

テクノロジーズ㈱

3.3

-

-

-

-

 

㈱セツヨー

アステック

0.0

-

-

-

-

 

光菱電機㈱

0.0

-

-

-

-

 

摂菱テクニカ㈱

20.0

-

-

-

-

 

三和電気㈱

0.0

-

-

-

-

 

阪神輸送機㈱

0.0

-

-

-

-

 

沖縄菱電

ビルシステム㈱

6.3

-

-

-

-

 

三菱電機

冷熱プラント㈱

0.0

-

-

-

-

 

三菱電機

冷熱機器販売㈱

1.7

-

-

-

-

 

㈱ソーワテクニカ

0.0

-

-

-

-

 

㈱ハイパー

サイクルシステムズ

0.0

-

-

-

-

 

菱電旭テクニカ㈱

0.0

-

-

-

-

 

義勇海運㈱

0.0

-

-

-

-

 

三菱電機

保険サービス㈱

20.3

-

-

-

-

 

三菱電機

インダストリアル

ソリューションズ㈱

1.6

-

-

-

-

 

九州三菱電機販売㈱

5.1

-

-

-

-

 

山陽三菱電機販売㈱

0.0

-

-

-

-

 

(注)(管理職に占める女性労働者の割合について)

 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しています。

 

 なお、ジェンダーバランスの実現は今後グローバルでも改善に向けて取り組んでいく課題であり、2024年3月時点で海外の連結子会社のうち地域統括会社(三菱電機US社、三菱電機ヨーロッパ社、三菱電機アジア社、三菱電機(中国)有限公司、台湾三菱電機股份有限公司の計5社)における「管理職に占める女性労働者の割合(%)」の平均は、23.5%です。ジェンダーバランスの実現を含む各種取組みの詳細については「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人財/人的資本」を参照ください。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(1)サステナビリティ全般

①ガバナンス

ア.サステナビリティの考え方

三菱電機グループは、事業を通じた社会課題の解決という原点に立ち、サステナビリティの実現を経営の根幹に位置づけることを経営方針に掲げています。社会からの期待や要請・意見を活動に反映させ、社会や環境に与えるネガティブな影響を最小化し、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでいます。

 

イ.サステナビリティの実現に向けた推進事項

サステナビリティの実現に向け、以下の4点を推進事項としています。

価値創出

事業成長と社会の持続可能性を両立させる社会課題解決型事業の創出・発展

基盤強化

三菱電機グループの持続的成長を支える、環境、社会、ガバナンスをはじめとした経営基盤強化

リスク管理

長期的な社会や環境の変化に対するリスクの予測、及び企業経営に与える影響の抑制又は最小化

取組みの開示と対話

透明性の高い情報開示を通じた、社会・顧客・株主・従業員をはじめとするステークホルダーとのコミュニケーションにより、社会からの期待や要請・意見を企業経営に反映

 

ウ.サステナビリティ推進体制

三菱電機グループは、三菱電機の執行役会議から委嘱を受けたサステナビリティ委員会*でサステナビリティの取組みに関する方針・計画を決定しています。サステナビリティ委員会はサステナビリティを担当する上席執行役員が委員長を務め、コーポレート部門で機能別の役割を担当するチーフオフィサーの他、事業部門の執行役等で構成しています。

サステナビリティ委員会での議論の内容は、執行役会議及び取締役会に報告されます。取締役会では、サステナビリティ経営を三菱電機グループの「重要議題」(2023年7月から2024年6月においては、事業ポートフォリオ戦略、サステナビリティ戦略、人財戦略、ECM/SCM戦略、デジタル戦略(事業DX)、情報システム戦略(業務DX))とし、リスク管理及び収益機会としての観点から十分に議論するとともに、執行役のサステナビリティへの取組み状況についても監督しています。サステナビリティの取組み推進については、執行役の報酬指標の一つとしており、サステナビリティ・ESG関連領域等非財務事項での業績指標達成度はインセンティブ報酬へ反映しています。

複数部門に関わるサステナビリティ課題に対しては、サステナビリティ委員会の下に設置した部会やプロジェクトで取り組んでいます。倫理・遵法、品質の確保・向上、環境保全活動、社会貢献活動、ステークホルダーの皆様とのコミュニケーションなどの具体的な取組みについては、担当部門が責任を持って推進しています。

サステナビリティ委員会で定めた方針・計画や部会・プロジェクト等で推進する具体的な取組みについては、社内各部門・国内外関係会社に共有し、グループ全体で連携して課題解決に取り組んでいます。

なお、2024年4月には、サステナビリティの実現に向けて体制を強化しました。従来のサステナビリティ推進、環境推進、DE&I等を担当する部門を統合するとともに、社会課題を解決する新たな事業創出の機能を持つサステナビリティ・イノベーション本部を新設しました。

* 「価値創出」と「基盤強化」をより戦略的、統合的に強化すべく、2024年度から執行役を中心とする会議体へ刷新。

会議体名称

目的、主な議論等

サステナビリティ委員会

三菱電機グループにおけるサステナビリティの取組みに関する方針、計画の議論、情報共有(四半期毎に開催)

カーボンニュートラル部会

三菱電機グループのカーボンニュートラルに関する取組みの推進

人権部会

三菱電機グループにおける人権に関する取組みの改善、課題解決等の迅速な対応

法定開示プロジェクト

グローバルなサステナビリティ法定開示に対応するための活動の推進

 

サステナビリティ推進体制

 

②戦略

三菱電機グループは、経営レベルでサステナビリティに取り組み、長期的に推進していくため、「事業を通じた社会課題解決」「持続的成長を支える経営基盤強化」の2つの面から5つのマテリアリティを特定しています。マテリアリティへの取組みを通じて社会課題解決と事業成長を同時に成し遂げる「トレード・オン」で、サステナビリティの実現を追求します。マテリアリティへの取組みについては、目標/取組み指標(KPI)を設定し、PDCAサイクルによる継続的な改善活動を実施しています。

 

三菱電機グループのマテリアリティ(重要課題)

マテリアリティ

重要とした理由

持続可能な地球環境の実現

気候変動をはじめとする環境問題、資源・エネルギー問題は、世界的な課題です。三菱電機グループは、持続可能な地球環境の実現を目指し、これらの解決に貢献します。

安心・安全・快適な社会の実現

三菱電機グループは、創立以来、家電から宇宙まで幅広い分野にわたって製品やサービスを提供することにより、社会に貢献してきました。企業理念にある「活力とゆとりある社会」を実現するため、事業を通じて多様化する社会課題の解決を目指しています。

あらゆる人の尊重

人権は世界的な課題であり、あらゆる人を個人として尊重する必要があります。三菱電機グループは、すべての活動において人権を尊重します。また、すべての従業員がいきいきと働ける職場環境を実現します。

コーポレート・ガバナンスと

コンプライアンスの持続的強化

コーポレート・ガバナンスとコンプライアンスは、会社が存続するための基本です。三菱電機グループは、これらを持続的に強化します。

サステナビリティを志向する

企業風土づくり

三菱電機グループは、すべての活動を通じてサステナビリティの実現へ貢献します。そのために、ステークホルダーと積極的にコミュニケーションを行い、中長期視点で取組みを推進する風土を醸成します。

 

③リスク管理

三菱電機グループは、海外向け売上高比率が5割超を占め、幅広い事業分野で「循環型 デジタル・エンジニアリング企業」への変革を目指しています。また、顕在化した各種コンプライアンス事象を真摯に受け止め、内部統制システムの改善等に取り組んでいます。三菱電機グループは、社会、顧客、株主、従業員を始めとするステークホルダーへの責任を果たしサステナビリティを実現するために、予防重視の内部統制システムの強化を図りながら、事業遂行に伴うリスクを適切に管理しています。具体的には、リスク管理を事業遂行に組み込み、事業の規模・特性等に応じてリスクを管理するとともに、グループ全体に共通する重要なリスクについてはグループ全体の経営に与える影響度に応じた重点付けを行いながら管理しています。

また、経済安全保障、AI等の技術革新、サステナビリティなどの分野における新たなリスクへの対応についても、組織横断的で柔軟なチーム行動により効果的に取り組んでいきます。

リスク対応体制や認識している具体的なリスクについては「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」を参照ください。

 

④指標及び目標

マテリアリティへの取組みについては、目標/取組み指標(KPI)を設定し、PDCAサイクルによる継続的な改善活動を実施しています。

 

マテリアリティ

目標/取組み指標(KPI)

範囲

持続可能な

地球環境の

実現

2050年度

バリューチェーン全体での

温室効果ガス排出量実質ゼロを目指す

2030年度[Scope 1*1、2*2]

温室効果ガス排出量 実質ゼロを目指す

三菱電機グループ

2030年度[Scope 3*3]

温室効果ガス排出量を 2018年度比30%以上削減

三菱電機グループ

「カーボンニュートラル」へ貢献できる製品やサービス、ソリューションの提供

三菱電機グループ

サーキュラーエコノミー実現への貢献

2035年度

廃プラスチック 100%有効利用

三菱電機グループ

(国内)

安心・安全・

快適な社会の

実現

事業を通じた安心・安全、

インクルージョン、ウェル

ビーイングの実現

「安心・安全」へ貢献できる製品やサービス、ソリューションの提供

三菱電機グループ

「インクルージョン」、「ウェルビーイング」へ貢献できる製品やサービス、ソリューションの提供

三菱電機グループ

あらゆる人の

尊重

国際規範に基づく人権の取組み定着と責任あるサプライ

チェーンの実現

2027年度

国際規範に則った人権デューデリジェンスの実践

三菱電機

グループ

2027年度

RBA*4プロセスに基づくサプライチェーンにおける人権への負の影響低減

三菱電機

グループ

多様・多才な人財が集い、

活躍する職場環境の実現

2025年度従業員エンゲージメントスコア*5

70%以上(当社)、60%以上(国内関係会社の一部)

三菱電機

グループ

(国内)

2030年度

経営層*6に占める女性&外国人比率 30%以上

当社

2030年度

女性管理職比率 12%以上

当社

コーポレート・

ガバナンスと

コンプライアンスの持続的強化

3つの改革

3つの改革(品質風土改革、組織風土改革、ガバナンス改革)の推進、

取締役会による3つの改革のモニタリング及び適切な情報開示

三菱電機グループ

 

品質不適切行為の

再発防止

未然防止の品質体制構築

三菱電機グループ

 

取締役会の実効性の向上

社外取締役 50%超の継続

当社

 

“Always Act with Integrity”の理解と浸透

コンプライアンス研修の継続的実施

三菱電機グループ

サイバーセキュリティ成熟度の向上

2028年度

サイバーセキュリティ成熟度モデルのレベル2以上*7をグローバルで達成

三菱電機

グループ

サステナビリティを志向する企業風土づくり

従業員によるサステナビリティの理解と実践

2025年度

従業員意識サーベイ「企業理念・目標に沿った業務の実施」良好回答率 75%以上

当社

社内外のステークホルダーとのコミュニケーションの推進

統合報告書の公開、サステナビリティ説明会の開催、Web・リアルイベントによる当社サステナビリティ取組み紹介、社内向けサステナビリティワークショップの実施

三菱電機

グループ

*1 自社における燃料使用に伴う直接排出

*2 外部から購入した電力や熱の使用に伴う間接排出

*3 Scope 1、2 を除くバリューチェーン全体からの間接排出

*4 RBA(Responsible Business Alliance):グローバルサプライチェーンにおいて社会的責任を推進する企業同盟

*5 毎年実施する「従業員意識サーベイ」の対象5設問に対する良好回答割合の平均値。「当社で働くことの誇り」「貢献意欲」「転職希望」「他者に対する当社への入社推奨」「仕事を通じた達成感」

*6 取締役、執行役、上席執行役員

*7 米国防総省が発行するサイバーセキュリティ成熟度モデルの認証の枠組み(CMMC ver2)

 

人財/人的資本に関する実績は、「(3)人財/人的資本 ③指標及び目標」を参照ください。その他の2023年度実績や2024年度目標については2024年10月公開予定の「統合報告書2024」を参照ください。過去の目標や実績等についてはサステナビリティレポートのバックナンバーを参照ください。

https://www.MitsubishiElectric.co.jp/corporate/sustainability/download/index.html
 

 

(2)気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に基づく開示情報

三菱電機グループは、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)の提言への賛同を表明しており、TCFDの提言に従った取組みの推進、及び情報の開示を行っています。

 

①ガバナンス

ア.推進体制

三菱電機グループは2022年度、経営方針においてサステナビリティの実現を経営の根幹に位置づけました。2023年度からは気候変動への対応をはじめとする「価値創出」と「基盤強化」に向け、さらなるガバナンスの強化を図っています。

気候変動対応に関しては、サステナビリティ委員会の下に「カーボンニュートラル部会」を設置し、自社グループからの排出及びバリューチェーンでのカーボンニュートラル目標等に関して議論しています。短期・中期のリスク・機会とその財務影響等については、同委員会の下に設置されていた「TCFD検討プロジェクト」(2024年6月終了)からサステナビリティ・イノベーション本部に管轄を移し、分析しています。

 

イ.取組み方針

2050年までの長期環境経営ビジョンである「環境ビジョン2050」の下、2030年度までに工場・オフィスからの温室効果ガス排出量実質ゼロ、2050年度までにバリューチェーン全体で温室効果ガス排出実質ゼロとすることを目指しています。2024年2月には、「環境ビジョン2050」に基づく短期計画を更新し、同年同月にSBTイニシアチブから認定を取得した目標より達成レベルの高い計画として、「環境計画2025(2024~2025年度)」を策定しました。

 

②戦略

三菱電機グループは、脱炭素社会への移行を、事業のリスクではなく全ての事業において共通する機会と捉えています。この認識の下、「環境ビジョン2050」や「環境計画2025」、及びSBTに関する取組みを事業戦略に織り込み、技術開発や事業開発を進めています。

 

ア.事業戦略

三菱電機グループが展開する幅広い事業の中で、電化、再生可能エネルギーの普及促進、省エネルギー、エネルギーマネジメント、スマート制御を、社会が脱炭素に向かうための重要な要素としています。

 

イ.短期・中期・長期の気候変動のリスク及び機会

三菱電機グループでは、外部機関(IEA等)が示す気候シナリオや国や地域ごとの経済発展予測などを参考にし、各事業に影響を与えることが予想される気候関連のリスク及び機会を短期・中期・長期の視点で分類し、影響度を評価しています。

 

<期間>

短期:2025年度までの期間(「環境計画2025」や中期経営計画の期間)

中期:2030年度までの期間

長期:2050年度までの期間(「環境ビジョン2050」最終年)

 

<影響度の大きさ>

各事業において予想される事象が重大なリスク(影響度大)に該当するかどうかは、サステナビリティ担当上席執行役員のもと、関係する事業部門の執行役・部門長が判断しています。また、三菱電機グループの総合的なリスクマネジメントのプロセスにおいても確認しています。

 

短期・中期・長期の気候変動に係るリスクと機会

(ア) 気候変動に係るリスク

気候変動に係るリスクは、脱炭素社会への移行に関連するリスク(移行リスク)と、温暖化が進展した場合の物理的影響に関連するリスク(物理的リスク)に大別されます。これらのリスクは、費用の増加(生産・社内管理・資金調達コスト等)、収益の減少等を招くおそれがあります。

三菱電機グループの事業戦略の前提とする脱炭素社会への移行が進む場合は、あらゆる製品・サービスにおける温室効果ガス排出抑制に対する社会的要請の増大、エネルギー需給の変動、再生可能エネルギーの発電量の増加によるエネルギーミックスの変化、自動車の電動化(EV化)の進展などが予測されます。また、その実現に向けて温室効果ガス排出に対する法規制の強化や技術開発負荷の増大・技術開発の遅れといった移行リスクが、物理的リスクと比べて高くなると考えられます。

移行リスクに対して、例えば、温室効果ガスの排出抑制が法規制により強化されたとしても、三菱電機グループでは既に環境計画の推進及びSBTへの参画を通じた温室効果ガスの排出削減に取り組んでおり、その影響は軽微であると考えます。素材価格が高騰したとしても、既に取り組んでいる温暖化対策や省資源、リサイクル性の向上等を図る環境配慮設計をより一層推進していくことでその影響は軽微であると推測します。また、新技術の開発についても、空調の冷媒規制といった法規制の強化や低炭素・高効率技術の開発競争を見据え、短期・中期・長期の研究開発投資を戦略的に組み合わせています。加えて、省エネ等の温暖化対策を含む環境活動にかかる設備投資も実施しています。

一方、世界各国で気候変動対策よりも経済発展が優先された場合、大雨や洪水の多発や異常気象の激甚化、慢性的な気温上昇等が予測され、災害による操業停止やサプライチェーンの寸断といった物理的リスクが、移行リスクに比べて高くなると考えられます。

洪水等の物理的リスクに対しては、BCP(Business Continuity Plan)を策定し、年1回の見直しを行うとともに、生産拠点の分散化を進めています。また、サプライチェーンにおいても複数社からの購買に努め、サプライヤーにも複数工場化に取り組んでいただくよう要請するなど、生産に支障をきたす事態を避ける取組みを進めていきます。

 

(イ) 気候変動に係る機会

気候変動に係る機会としては、三菱電機グループは多岐にわたる事業を有し、気候変動に起因する社会課題の解決に貢献する製品・サービス・ソリューションを幅広く提供可能であることを強みとしていることから、短期から長期にわたる持続可能な成長機会を有していると考えています。

脱炭素社会に移行する場合、あるいは気候変動対策よりも経済発展が優先された場合のいずれにおいても、気候変動に起因する社会課題解決へのニーズがより顕在化していくものと予測されます。

三菱電機グループでは、脱炭素社会に向けた電力供給の多様化に備え、大容量蓄電池制御システム、スマート中低圧直流配電ネットワークシステム、分散型電源運用システム/VPP(Virtual Power Plant)システム、マルチリージョン型デジタル電力供給システム(マルチリージョンEMS)などを提供しています。これにより、再生可能エネルギー拡大や電源分散化に伴う電力の有効活用、系統安定化ニーズに応えることができます。また、自動車の電動化(EV化)の進展に起因する電動化製品の需要増加は、半導体デバイス事業における高効率パワー半導体であるSiC(Silicon Carbideの略:炭化ケイ素)の需要拡大及び製造コスト削減につながり、鉄道・電力、産業、民生などの分野でのSiCの適用拡大が見込めます。

気候変動対策よりも経済発展が優先された場合であっても、世界経済の発展と購買力増加による需要増や気候変動に対する適応需要の増加に対し、空調事業等のエネルギー効率の高い製品やサービス、ソリューションの提供を通じて、脱炭素社会実現へ貢献しつつ収益機会の拡大が期待できます。

 

ウ.カーボンニュートラル(CN)移行計画

三菱電機グループは、「2050年度までにバリューチェーン全体で温室効果ガス排出量実質ゼロ」および「2030年度までに工場・オフィスからの温室効果ガス排出量実質ゼロ」を目指し、CNへの移行計画を策定、推進しています。

 

工場・オフィスからの排出量削減に向けたロードマップ

 

工場・オフィスにおける温室効果ガス削減の取組みとしては、「省エネ・電化・非エネルギー用途の排出削減」、「太陽光発電等による自家発電拡大」、及び「グリーン電力証書・非化石証書等の調達」を推進しており、さらに「クレジット等の調達」も並行することで、上記目標の実現を目指します。

 

また、2050年の目標を踏まえた開発戦略として、バリューチェーンおよび社会全体のカーボンニュートラルの実現に貢献する事業の創出・拡大を目指し、「グリーン by エレクトロニクス」、「グリーン by デジタル」、「グリーン by サーキュラー」の3つのイノベーション領域の研究開発を加速します。

 

カーボンニュートラル達成に向けた開発ロードマップ

 

「グリーン by エレクトロニクス」では、三菱電機が強みとするコアコンポーネントであるパワーエレクトロニクスやモーターの高効率化・小型化等の研究開発を進め、FA機器、空調等の省エネや電動化に貢献します。また、ビルのZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化や地球温暖化係数の低い冷媒を用いた空調冷熱システム、新たな材料を用いたパワーデバイスの研究開発を進めます。

「グリーン by デジタル」では、先進デジタル技術の活用により、エネルギー効率向上や再生可能エネルギーの利用拡大を図ります。再生可能エネルギーを活用した発電と空調・給湯用ヒートポンプ等の使用電力量の電力需給バランスを取るエネルギー・マネジメント・システム(EMS)を欧州で実証する等研究開発を推進します。これらの活動を通じて、バリューチェーン全体における温室効果ガスの排出量削減に貢献します。

「グリーン by サーキュラー」では、CO2の回収・貯留・有効利用(CCUS)やカーボンリサイクルといった資源循環を中心とする研究開発を推進します。これまでリサイクルが難しかった複合材を含む廃棄プラスチックのリサイクルをはじめ、三菱電機製品のみならずリサイクルできるプラスチックの対象範囲を拡大する研究開発を進め、炭素の循環利用実現に貢献します。

これらのグリーン関連領域における事業の創出と拡大に向けて、グリーン関連の研究開発投資として、2024年度から2030年度までの7ヵ年で約9,000億円の投資を計画しています。

 

エ. シナリオ分析に基づく気候変動へのレジリエンス

(ア)概要

三菱電機グループでは、事業戦略で前提としている脱炭素社会に向かう場合(2℃以下シナリオ*1)と、気候変動対策よりも経済発展が優先される場合(4℃シナリオ*2)の2つのシナリオを想定し、長期的未来の不確実性を考慮したシナリオ分析を行いました。不確実な未来の時点として2040年度を設定し、ベースライン(事業計画の延長)を2℃以下シナリオとして、4℃シナリオに移行したときの財務影響を分析しました。

 

*1 脱炭素技術の要求が高まるとともに、規制強化による開発競争も激化。社会の電化が進み、電力総需要が増加し、再生可能エネルギーの比率も上昇。

<参照した公開シナリオ>

・IEA(International Energy Agency)のWorld Energy Outlook 2023、APS(Announced Pledges Scenario)

・IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)の第6次報告書(AR6)で採用されているSSP1(Shared Socioeconomic Pathway、SSP2を現状相当とし比較)

*2 現状程度あるいはそれ未満の脱炭素活動により物理的なリスクが顕在化。2℃以下シナリオよりも消費者の購買力は増加。一方、大雨や洪水といった異常気象は激甚化。

<参照した公開シナリオ>

・IEAのWorld Energy Outlook 2023、STEPS(The Stated Policies Scenario)

・IPCC 第6次報告書で採用されているSSP5(SSP2を現状相当とし比較)

 

(イ)シナリオ分析の結果

三菱電機グループのすべての事業セグメントで気候関連のリスクと機会の検討を行いました。移行リスクについては、「電力システム」、「電子デバイス」、「自動車機器」の3事業が、4℃シナリオにおいて気候変動による影響が相対的に大きいと評価し、財務影響を定量的に試算しました。

一方、物理的リスクは、異常気象の激甚化を異常気象の頻度上昇による不可避のリスクと捉え、全事業セグメントにわたる三菱電機グループの主要な製造拠点を対象に財務影響を試算しました。

 

4℃シナリオへの移行に伴い、財務へ影響する主な移行リスクは、「エネルギーミックスの変化」、「エネルギー需要推移の変化」、及び「EV化の遅れ」です。

電力システム事業は、「エネルギーミックスの変化」及び「エネルギー需要推移の変化」の影響を直接受けるため、再生可能エネルギー普及の遅れ、電化の遅れによる電力総需要の伸び悩みなどから、減益が見込まれます。自動車機器事業及び電子デバイス事業は、「EV化の遅れ」から、EV向け自動車機器の需要減や、SiCの製造コストが下がらないことによる他分野への普及鈍化等が懸念されますが、その影響は軽微と考えます。

3事業では4℃シナリオにおいて機会の減少による影響があるものの、当該事業を含む三菱電機グループの全事業において気候変動はリスクよりも機会としての側面の方が強いと捉えています。4℃シナリオ時は2℃以下シナリオ時と比較して各国において経済優先の施策が採られるため、高性能な製品・サービスが選択され需要の高まりは旺盛になります。例えば、「空調・家電」事業に関しては、温室効果ガス削減やエネルギー使用低減への性能上の要求は減らず、同時に気候変動への適応需要の増加も見込まれます。

また、物理的リスクの異常気象の激甚化による財務影響は、移行リスクの影響よりも小さいことが推測されます。

以上の分析により、電力システム事業における移行リスク、及び全事業での物理的リスクに起因する減益が見込まれるものの、空調・家電事業をはじめとする多くの事業において機会的側面での増益が見込め、結果として三菱電機グループへの影響は通常の事業運営で起こりうる想定の範囲内で、増益方向に軽微に変動すると推測されます。従って2℃以下シナリオから4℃シナリオへ移行したとしても「重大な財務影響」はないと考えます。

 

社会が4℃シナリオに進展した場合の三菱電機グループへの財務影響(営業利益への影響)

 

 

③リスク管理

ア.気候変動に係るリスクと機会を扱うプロセス

三菱電機グループの気候変動を含む地球環境に係るリスクと機会の選別・評価・管理は、事業戦略の意思決定プロセスと、三菱電機グループの総合的なリスクマネジメントプロセスによって行っています。

三菱電機各部門(各事業本部/コーポレート部門)/国内外関係会社は、自らに関連する気候変動に係るリスク項目を洗い出し、リスクへの対応と機会としての活用について検討し、事業戦略・部門戦略に主体的に織り込みます。

並行して、三菱電機グループの総合的なリスクマネジメントプロセスの中で、気候変動に係るリスク管理含め、さまざまなリスク分野について、経営に重大な影響を及ぼす事項を選別・評価し、適正な管理を行います。

 

イ.三菱電機グループのリスクマネジメント体制と地球環境リスクの位置づけ

三菱電機グループの気候変動に係るリスクを含む地球環境リスク等のリスクは、三菱電機各部門/国内外関係会社が主体的にリスクマネジメントを遂行することに加えて、リスクマネジメント担当執行役(CRO:Chief Risk Management Officer)の指示により、コーポレート部門(リスク所管部門)が各専門領域での知見に基づき、選別・評価・管理を行います。

リスク所管部門が選別・評価した各専門領域のリスクは法務・リスクマネジメント統括部が集約し、個別のリスク間の相対比較等を通じてグループ経営に及ぼす影響を評価し、CROが委員長を務めるリスク・コンプライアンス委員会で経営判断を行います。

上記のプロセスを経て総合的に評価されたリスクは経営層を含む関係者に共有されます。気候変動を含む地球環境リスクは、グループのマテリアリティの1つである持続可能な地球環境の実現に大きな影響を及ぼすことから、三菱電機グループでは地球環境リスクを重要性の高いリスクと位置付けています。

 

ウ.地球環境に関するリスクのマネジメントプロセス

気候変動を含む地球環境リスクは、上述の三菱電機グループリスクマネジメント体制に則り、CROの指示を受けてサステナビリティ担当上席執行役員及びリスク所管部門であるサステナビリティ・イノベーション本部が選別・評価・管理を行います。

サステナビリティ担当上席執行役員及びサステナビリティ・イノベーション本部は、総合的に評価されたリスクの結果を踏まえ、地球環境リスクに関する法規動向、技術動向、市場動向、社外評価等を考慮して細分化したリスクの選別・評価を行います。その結果を踏まえて、リスクを管理するための中期的な施策として環境計画を、単年度の施策として環境実施計画を策定します。

グループ内の各組織(事業本部、関係会社等)は、それらを基に自組織の環境実施計画を毎年策定し、サステナビリティ担当上席執行役員及びサステナビリティ・イノベーション本部にその成果を報告します。

サステナビリティ担当上席執行役員及びサステナビリティ・イノベーション本部は、各組織の成果及び社会動向等を考慮して地球環境リスクの選別・評価結果を見直し、結果を法務・リスクマネジメント統括室に報告するとともに、必要に応じて環境計画の修正及び次年度環境実施計画への反映を行います。

 

④指標及び目標

三菱電機グループは、バリューチェーンでの温室効果ガス排出量(Scope 1、2、3)を算定・把握しています。算定・把握に当たっては、「GHGプロトコル」や環境省の「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン」などを参考にしています。

 

ア.長期目標

三菱電機グループは、2050年までの長期環境経営ビジョンである「環境ビジョン2050」の中で、バリューチェーン全体で温室効果ガス排出の削減を推進し、2050年の排出量実質ゼロを目指すという目標を掲げています。

 

イ.中期目標

三菱電機グループは、「2030年度までに工場・オフィスからの温室効果ガス排出量実質ゼロを目指す」という目標を定めています。

 

<SBT(Science Based Targets)イニシアチブの認定を取得した三菱電機グループの削減目標>

なお、2030年度に向けた三菱電機グループの温室効果ガス排出量削減目標を以下の通り更新し、2024年1月にSBTイニシアチブの認定を取得しました。この新たな目標は、パリ協定の「1.5℃目標」を達成するための科学的根拠に基づいた目標であると認められています。Scope 1及びScope 2の目標は「1.5℃以内に抑える水準」として、またScope 3の目標は「2℃を十分下回る水準」としてそれぞれ認定されています。

・Scope 1及びScope 2:2030年度までに温室効果ガス排出量を2021年度基準で42%削減

・Scope 3*:2030年度までに温室効果ガス排出量を2018年度基準で30%削減

* Scope 3の対象は、従来のカテゴリー11(販売した製品の使用)のみから全てのカテゴリーに拡大

 

ウ.短期目標

三菱電機グループは、環境ビジョン2050で掲げた行動指針のもと、具体的な活動目標を定めた環境計画を策定しています。「環境計画2023(2021~2023年度)」では、「製品・サービスによる環境貢献」「事業活動における環境負荷低減」「イノベーションへの挑戦」「新しい価値観・ライフスタイルの発信」のそれぞれについて指標と目標を設定し、活動を推進してきました。

2024年度には新たに「環境計画2025(2024~2025年度)」を策定しました。「環境計画2025」では、前述の中期目標の達成に向けて2025年度の温室効果ガス排出量削減目標を設定した他、「カーボンニュートラル」「サーキュラーエコノミー」に貢献するLC-CO2*1排出量の簡易算定や、政府が掲げる「30by30*2」の実現に寄与する「ネイチャーポジティブ」領域での目標等を設定しました。

 

*1 ライフサイクル CO2。製品ライフサイクル全体を通して排出される全ての CO2

*2 2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする目標

 

エ.目標の進捗

GHG排出量のうち、Scope1、2の2023年度の会社算定値は、下表のとおりです。

ロケーションベースでは、三菱電機グループの生産規模拡大等により、2022年度から増加し1,064ktとなりましたが、環境計画2025で基準年度とした2013年度の排出量1,430ktに対しては、約26%の削減となりました。温室効果ガス排出量削減の取組みは、環境計画2025で掲げる、2025年度末「2013年度比 53%以上削減」という目標達成に向けて引き続き取り組んでいきます。

マーケットベースでも、再生可能エネルギーの利用が進み、削減が進んでいます。

Scope1、2の温室効果ガス排出量(三菱電機グループ) (単位:kt-CO2)

 

2021年度

2022年度

2023年度

Scope1、2

合計

ロケーションベース

1,161

1,046

1,064

マーケットベース

1,095

951

906

注)2021年度と2022年度は第三者検証を経た実績値。2023年度は、第三者検証を実施中のため、提出日現在の会社算定値。

 

第三者検証後の実績値は、2024年10月公開予定の「統合報告書2024」を参照ください。

https://www.MitsubishiElectric.co.jp/corporate/sustainability/download/index.html

 

(3)人財/人的資本

①ガバナンス

ア.人財に対する考え方

三菱電機グループは、2025年度に向けた中期経営計画において、経営基盤の強化とDXの推進等による統合ソリューションの提供拡大により、脱炭素化への対応等、活力とゆとりある社会の実現へ貢献することを掲げています。この持続的な成長実現の原動力は人であり、「人=将来の価値を生み出す資本」ととらえる「人的資本経営」を、より一層推進します。また、グローバル競争がますます激化する事業環境下、三菱電機グループが社会からの信頼を取り戻し、「循環型 デジタル・エンジニアリング企業」として発展するために、人財=多様・多才な「個」の力を総結集し、あらゆる変革を成し遂げていきます。

 

イ.推進体制

三菱電機グループはCHRO(Chief Human Resource Officer)を責任者とし、人財戦略を策定しています。その過程の中で、経営戦略と人財戦略の連動を意識し、まずは、経営戦略実現の障害となる人財面の課題を洗い出し、各Chief Officerや、ビジネスエリアオーナーとの議論を重ねて、自社固有の優先課題と対応方針を整理し、取締役会での監督も受けて策定しました。今後も、改善の進捗状況を定期的に取締役会で進捗/経過を報告しつつ、計画的に進めていきます。

 

②戦略

HRの基本理念とともに、「人財」「組織」「風土」に関する「ありたい姿」を掲げて、人財育成、および、社内環境整備(含む:組織風土の改善)に努めています。

 

 

ア.人財育成

「従業員の成長なくして事業の発展や社会貢献は成し得ない」との認識に立ち、全従業員を対象にした教育研修の投資によって、全体の底上げを図るとともに、自ら考え、主体的に行動し、挑戦し続けることで、「Changes for the Better」を実践する「多様・多才な人財」を育てます。

 

取組み事例

(ア)人と組織が共に成長する最適な人財マネジメント

「成長に繋がる適正評価の実現」と「自律的キャリア開発支援」をコンセプトに、等級・評価・報酬制度を 20年ぶりに刷新しました。これまで以上に従業員のキャリアオーナーシップを尊重した自律的な挑戦・成長を支援するとともに、年功的要素を廃し、実際に発揮されたパフォーマンスに直結した透明性・納得性の高い人事評価を徹底、若手優秀層の早期抜擢などを加速します。

なお、2023年4月に策定した「キャリア開発コンセプト」では、従業員一人ひとりが自分のキャリアについてより主体的・積極的に考え、行動することを促すとともに、会社が個々人の成長実現に伴走・支援していく姿勢を改めて明確化しました。

こうした多様・多才な人財が自律的にキャリアを構築しながら能力を存分に発揮し、活躍できる環境を整備することで、従業員と会社のさらなる成長を実現していきます。

 

 

キャリア開発コンセプト

 

(イ)一人ひとりの能力開発を支援する人財育成体系

三菱電機グループの育成制度では、OJTをベースに日常的な業務ノウハウとマインドを伝承していくとともに、OJTでは身につきにくい知識やスキルの習得、キャリア形成を、オンライン研修も積極的に活用しながら、Off-JTで補完しています。Off-JTでは、「倫理・遵法など社会人として身につけるべき知識の付与」「社内外の優れた講師による知識やスキル研修及び動機付け研修」「スキルアップのための検定や競技」「海外拠点や国内外の大学での実習や留学」を実施しており、これらを通して関係会社を含め、グループ従業員全体のレベルアップを図っています。

新卒者や経験者採用者に対しては、全員に研修を実施し、社会人としての意識付けを図るとともに、基礎知識の付与や、経営理念、コンプライアンスなどの初期教育を実施しています。

また、三菱電機では、個々人がそれぞれの役割・期待に応え活躍することを目的に、その各段階で求められる能力やスキルを付与する機会として、階層別研修を導入しています。本研修では特に、若手層に対してはコミュニケーション力強化、中堅層や管理職層に対してはリーダーシップ、後進(部下・後輩)の育成を含むマネジメント力強化に重きを置いており、職場全体での育成風土の醸成に取り組んでいます。

管理職については、自部門で仕事をする従業員一人ひとりに応じた支援を行えるよう、職場内でのコミュニケーションの活性化策や傾聴法、ストレス対処法などのスキルの習得支援を図っており、風通しよくコミュニケーションをとることができる職場を実現するために、その中核となる人財の育成を推進していきます。

また、「社内外の優れた講師による知識やスキル研修及び動機付け研修」関連では、技術・ビジネス強化を目的に、一人ひとりのニーズに応じて選択受講できるグループ共通講座「MELCOゼミナール」(約470講座)を展開すると共に、最上位講座として「技術系アドバンスコース」を設定して当該分野を担うキーパーソンの育成にも注力しています。

加えて、グループ内で各種「知の共有」ネットワークを構築しており、その最大組織である「技術部会」では、約2万名が参加して相互研鑽活動を行っています。

 

(ウ)デジタル人財の確保・育成

私たちが目指す「循環型 デジタル・エンジニアリング企業」に向け、DX(デジタルトランスフォーメーション)に関わる多様・多才な人財の強化に取り組みます。具体的には、上述の全社員教育をベースとした「育成」に加え、採用やM&A等の活用による「人財強化」、スキルレベルの見える化等による「評価」を実施し、三菱電機グループ全体のDX化を推進します。

 

イ.社内環境整備

持続的成長を実現していくためには、従業員一人ひとりが限られた時間の中でその能力を最大限発揮できる職場環境づくりが重要と考えているため、誰もが安心して、いきいきと働ける職場環境の実現に向けて、多様性の尊重やエンゲージメント向上を図り、環境の改善をとおして、組織としての一体感・連携を促進します。

 

取組み事例

(ア)多様性の尊重:ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン

a. ジェンダーバランス

三菱電機は、若年層から業務経験の付与や研修機会の提供を計画的に行い、育成するとともに、社内に対して各種両立支援制度の積極的な情報発信を実施する等の施策を策定しました。

また、若手女性社員向けに、ワーク・ライフ・インテグレーションを意識し、前向きなキャリアビジョンを形成するための気づきの機会を提供する「若手女性社員向けのキャリアフォーラム」や、育児休職者が円滑に職場復帰し、育児をしながら能力を最大限発揮できるよう、「上司と部下 仕事と育児の両立支援ハンドブック」を配布するとともに、2022年度には、育児休職復職者・上長ペア研修を導入し、復職前・復職後に定期的に上長面談の場を設けることをルール化しました。また、2023年度には、経営層及び全管理職向けにアンコンシャス・バイアス研修(=女性社員育成の阻害要因を学ぶ)を実施し、計画的・意図的な育成が行える組織状態を目指す等、女性がキャリアを積みやすい環境整備を進めています。

 

b. 障がい者

三菱電機グループでは、サステナビリティやダイバーシティ推進の観点から、各社で障がい者の積極的な活用を図っており、障がい者が働きやすい職場環境の整備を目指し、バリアフリー化などの取組みも進めています。

三菱電機では、2014年10月に主に知的障がい者の方に適した業務を社業とする特例子会社*「メルコテンダーメイツ株式会社」を設立しました。2024年3月15日時点で特例子会社を含めた雇用率は2.54%となっています。

メルコテンダーメイツ株式会社の社名は、健常者社員、チャレンジド社員(障がいがある社員)の双方が対等な職場のパートナーであることと、慈しみ合う仲間たちという意味を表現しています。同社はクリーンサービス事業、カフェ事業、名刺事業、給食事業、健康増進事業(マッサージ施術)などを中心に事業を展開しており、2024年3月15日時点で135名の障がい者を雇用しています。また、2017年度にクッキー工房を開設して以降、名古屋事業所、姫路事業所、伊丹事業所を開設しました。今後も徐々に事業を拡大し、チャレンジド社員の雇用を更に推進していく計画です。

* 「障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)」により一定の要件を満たしたうえで、厚生労働大臣の許可を受けて、親会社(三菱電機株式会社)の1事業所(親会社に雇用されている)とみなされ、特例として親会社の障がい者雇用率に含まれる会社。

 

c. LGBTQ

三菱電機では多様性を互いに尊重し、一人ひとりの能力を最大限に発揮し、いきいきと働ける職場環境の実現を目指して、性の多様性(LGBTQ)への理解を深める取組みを推進しています。2021年6月には、LGBTQ当事者にとっても働きやすい職場環境を整備することを社長メッセージとして発信しました。毎年6月を「三菱電機プライド月間」として位置付け、多様な性を理解する取組み(経営層・人事部門向けのLGBTQ理解のセミナーや従業員向けのeラーニング)を行っています。LGBTQ当事者だけでなく職場の上司や同僚等も相談できる「社外相談窓口」を設置しました。

これらの活動に対して、社外から様々な評価を獲得しています。

 

(イ)組織風土改革

三菱電機グループは、グループ内で2019年度までに複数の労務問題が発生したことを真摯に受け止め、「風通しよくコミュニケーションができる職場づくり」「メンタルヘルス不調者への適切なケアの徹底」等を目指し、「三菱電機 職場風土改革プログラム」に取り組んできました。本プログラムについては、2021年度に短期重点施策の適用を完了させ、2022年度は長期取組み施策とした「エンゲージメント向上」「コミュニケーション活性化」「組織文化・マインド醸成」に関する施策を展開してきましたが、今後は、それらの取組みを3つの改革の中の「組織風土改革」と一体化させ、より一層強力に実行しています。また、従業員がいきいきと活躍できる職場環境を実現するための指標として「働きがい」や「ワークライフバランス」等についての指標(KPI)を定め、定期的にモニタリングすることにより、更なる組織風土や職場環境の改善や定着に引き続き取り組んでいきます。

 

③指標及び目標

マテリアリティ「あらゆる人の尊重」の目標として、人財に関する目標/取組み指標(KPI)を「(1)④指標及び目標」に掲載しています。それらを含めた人財に関する当社の主な実績及び目標は下表のとおりです。なお、多様性に関する指標のうち、女性管理職比率、男性育児休業取得率、男女賃金格差については、「第1 企業の概況 5 従業員の状況」にも記載しています。

下表は提出会社の数値です。連結子会社についても、多様性推進に向けて取組みを進めています。

[単位は、従業員一人当たりの年間人財育成・研修投資額は千円/人、それ以外は]

区分

指標

分類

実績

目標

2019

年度

2020

年度

2021

年度

2022

年度

2023

年度

2025

年度

人財育成

自身のキャリア希望を当社で実現できると感じていると回答した従業員の割合

正規雇用*1

-

48.0

43.0

42.0

43.0

-

従業員一人当たりの年間人財育成・研修投資額*2

全従業員

-

-

86

124

147

-

社内環境整備

働きがいと働きやすさ

従業員エンゲージメントスコア(三菱電機で働くことの誇りややりがいを感じている従業員の割合)

正規雇用

-

63.0

54.0

54.0

55.0

70.0

仕事と生活のバランスが取れていると回答した従業員の割合

正規雇用

-

66.0

65.0

66.0

68.0

70.0

多様性

女性管理職比率

-

2.0

1.9

2.3

2.6

3.1

4.5

男性育児休業取得率

-

59.1

64.9

67.8

76.1

85.1

-

男女間賃金格差

全従業員

58.5

60.7

61.0

61.5

62.4

-

正規雇用

62.3

63.5

63.6

63.6

64.4

-

非正規雇用

66.5

63.5

62.4

63.2

61.8

-

障がい者雇用率

-

2.3

2.3

2.4

2.5

2.5

-

*1 正規雇用労働者には、正規雇用の従業員、及びフルタイムの無期化した非正規雇用の従業員を含む。

*2 研修費用及び研修主管部門における費用の合計額。従業員には臨時従業員等を含む。

 

 なお、上記における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年6月25日)現在において当社が判断したものです。 

 三菱電機グループのサステナビリティに関する最新の取組み状況については、2024年10月公開予定の「統合報告書2024」を参照ください。 

https://www.MitsubishiElectric.co.jp/corporate/sustainability/download/index.html