2025年3月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

当社グループでは、事業活動に関わるあらゆるリスクを的確に把握し、リスクの発生頻度や経営への影響を低減していくため、代表取締役社長を委員長とし、役員・部門長などで構成される「リスク管理委員会」を設置しております。委員会では全社リスク及び経営上重要なリスクを定め、グループ大での対策の進捗点検及び有効性評価を実施、結果を各種施策に反映しております。

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 製品・サービスの品質に関するリスク

当社グループでは、生産販売する製品について徹底した品質管理の下で製品の製造に努めております。しかしながら、調達品や生産品だけでなく、技術力の低下に伴う品質問題が発生した場合、不良品の回収や交換、賠償等による損失コストの発生や、競争力の低下による受注機会の損失により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当リスクについては「東光高岳品質方針」に基づき、自工程完結、再発防止活動、未然防止活動など、各種品質維持・向上施策を推進するとともに、計画的な人財育成と効率的な技術継承を進めることでリスク低減を図っております。

なお、当社グループでは一連の不適切事案の発生を受け、「安全・品質・コンプライアンスを最優先とする企業へ再生するための改革策」として、「SQCファースト改革」を策定、2024年10月28日に公表しております。本改革の確実な実行により、お客さまの求める品質に応えてまいります。

 

(2) 保有資産価値の変動に関するリスク

当社グループでは、事業用の資産や投資の際に生じるのれんなど、様々な有形・無形資産を保有しております。今後の経営環境変化に伴い、これらの資産の収益性が低下し、投資額の回収が見込めなくなった場合には減損損失を計上し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当リスクについては、定期的に将来キャッシュ・フロー及びその基礎となる事業計画の合理性をモニタリングし、兆候の把握とリスク低減に向けた対応を行っております。

 

(3) コンプライアンスに関するリスク

当社グループでは、事業を行ううえで、国内外の法令その他社会規範を遵守して事業を行っておりますが、国内外の法令や規制等に違反した場合や、役員・従業員がハラスメント等のコンプライアンス上の問題を発生させた場合には、社会的信用の失墜や事業活動が制限される等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当リスクについては、一連の不適切事案の再発防止策の展開のほか、代表取締役社長を委員長とする「企業倫理委員会」において法令遵守の徹底を図るとともに、「東光高岳グループ企業行動憲章」「東光高岳グループ行動指針」を制定し、規範意識の徹底を図っております。また、各職場への企業倫理担当の配置、企業倫理相談窓口の設置や各種研修の実施など、違法行為や不適切行為の防止および早期解決を図る枠組みを整備しております。

 

(4) 人財に関するリスク

当社グループでは、各事業における競争優位性を確保し持続的な成長を実現するためには、多種多様な人財の確保と育成が重要であると認識しております。しかしながら、人財の確保や育成が計画通り進まずに必要な人財が不足した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当リスクについては、「多様な人財が集い、挑戦・共創し続ける、活力ある組織の実現」に向け、成長を支える人財の確保と、OJT/OFF JT、ローテーション等による育成、人的投資の拡充、エンゲージメント向上など、人的資本への対応を強化しております。

 

 

(5) 資材調達に関するリスク

当社グループでは、主力製品の製造に鉄・銅・油・碍子などを使用しております。これらをはじめとした重要資材の市況が地政学的リスクなどの影響を受けて大きく高騰した場合には、価格上昇の影響を抑えきれず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当リスクについては、市況に応じた在庫の確保を行うとともに、価格上昇によるコストアップを吸収すべく、継続的な原価低減活動、購入先の多様化、設計変更、売価への反映によってリスクの低減を行っております。

 

(6) 特定事業への依存に関するリスク

当社グループでは、電力機器の生産販売をコア事業としており、東京電力パワーグリッド(株)向けの製品販売比率が42.2%となっているなど、電力会社向けの製品販売が売上高の過半を占めていることから、電力会社の投資動向が当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。当リスクについては、電力会社向けに加え、幅広い業種への売上を拡大するべく、コスト競争力の強化および新市場への展開を進めております。

 

(7) 技術開発に関するリスク

当社グループでは、様々な先端技術の開発及び製品化を進めておりますが、計画どおりに開発が進まず、適切な時期に製品の市場投入ができなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当リスクについては、経営による定期的な進捗管理を行うとともに、当社グループのほか、大学や研究機関、企業との連携を進めることで技術力の強化を図っております。

 

(8) 情報セキュリティに関するリスク

当社グループでは、各事業活動において多くの重要情報や情報機器を取り扱っており、ソフト・ハード両面において各種セキュリティ対策を講じておりますが、標的型攻撃やランサムウエアなど、増加・深刻化するサイバー攻撃により重要情報の漏洩や業務の停止が発生することで、当社グループにおける調達体制、生産体制、物流体制、営業体制等、事業活動の継続に影響が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当リスクについては、各種セキュリティ対策の実施、従業員への教育・訓練の実施等、リスク極小化に向けた諸施策を実施し、事業活動への影響低減を図っております。

 

(9) 気候変動に関するリスク

当社グループでは、環境配慮製品の開発や省エネルギーへの取り組み、再生可能エネルギーの有効活用等、事業活動を通じた製品ライフサイクル全体で気候変動の原因となる温室効果ガス排出量の削減に積極的に取り組んでおります。そうした中、カーボンニュートラル実現に向けた制度や法規制の強化が今後急激に進み、当社グループの対応が遅れた場合、事業活動の制約やコスト上昇によって当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当リスクについては、事業の状況「2サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)気候変動への取り組みとTCFDへの対応」の「TCFD提言に基づく気候関連の財務情報開示」に記載の通り対応を進めております。

 

(10) 自然災害に関するリスク

当社グループでは、各拠点において防災対策を実施しておりますが、拠点のいずれかが大規模災害により被災し、生産設備の損壊、原材料や部品の調達停止、物流販売機能の麻痺などによる操業停止などが生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当リスクについては、各拠点にて防災対策および防災訓練を行うとともに、サプライチェーンを含めたBCP構築を進めるなど、事業活動への影響低減を図っております。

 

(11) 安全に関するリスク

当社グループでは、「安全と健康の確保は、事業活動の全てにおいて優先する」を基本方針として、災害ゼロを目標に、安全で快適な職場づくりを推進していますが、生産現場やお客さま設備工事をはじめ、事業活動において重大事故が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当リスクについては、毎年「東光高岳グループ安全衛生活動基本計画」に基づき具体的な活動を展開しており、また、安全衛生活動の実施状況については、安全衛生ヒアリングなどを通じて確認・評価を行い、次年度の活動計画に反映することでPDCAを回し、リスクの未然防止に務めております。

 

配当政策

3 【配当政策】

当社は、安定的な配当の実施が株主各位のご期待に応える基本と認識しており、財務体質の強化等経営基盤の安定確保に努めながら、中間配当と期末配当の年2回の継続的かつ安定的な配当を実施することとしております。

また、内部留保につきましては、今後の競争力の維持・強化と積極的事業展開に備え、必要な設備投資や研究開発等に活用することとしております。

なお、配当の決定機関は、中間配当については取締役会、期末配当については株主総会であります。

当期の配当につきましては、この方針に基づき、業績の状況、経営環境等を勘案し、期末配当金を1株当たり25円といたしました。この結果、年間配当金は中間配当金25円と合わせた1株当たり50円としております。

 

当社は会社法第454条第5項に規定する中間配当をすることができる旨を定款に定めております。

 

(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額

(百万円)

1株当たり配当額

(円)

2024年10月28日

取締役会決議

405

25.00

2025年6月27日

定時株主総会決議(予定)

405

25.00