リスク
3 【事業等のリスク】
当社グループでは、事業活動に関わるあらゆるリスクを的確に把握し、リスクの発生頻度や経営への影響を低減していくため、社長を委員長とし、役員・部門長などで構成される「リスク管理委員会」を設置しております。委員会では全社リスク及び経営上重要なリスクを定め、グループ大での対策の進捗点検及び有効性評価を実施、結果を各種施策に反映しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 特定事業への依存について
電力機器の生産販売をコア事業とする当社グループは、東京電力パワーグリッド(株)向けの製品販売比率が42.5%となっているなど、電力会社向けの製品販売が売上高の過半を占めており、電力会社の設備投資・修繕費の増減と内容が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当リスクについては電力会社向け以外への売上を拡大するべく、コスト競争力の強化および新市場への展開を進めております。
(2) 資材調達
当社グループでは主力製品の製造に鉄・銅・油・碍子などを使用しておりますが、これら重要資材の価格の上昇リスクについては市況に応じた在庫の確保や、価格上昇によるコストアップを吸収すべく継続的な原価低減活動、購入先の多様化、売価への反映によってリスクの低減を行っております。
また、半導体を始めとした調達部品の長納期化については上記施策に加え代替品の使用、設計変更などの施策によりリスクの低減を行っております。
(3) 技術開発
当社グループは、様々な先端技術の開発及び製品化を進めておりますが、計画どおりに開発が進まず、適切な時期に製品の市場投入ができなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当リスクについてはリスク顕在化の未然防止、ならびに極小化に向け、経営による定期的な進捗管理を行っております。
(4) 製品品質
当社グループでは、生産販売する製品について徹底した品質管理の下で製品の製造に努めております。しかしながら、品質問題が発生した場合、不良品の回収や交換、賠償等の損失コストにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(不適切事案の影響)
当社グループでは、一連の不適切事案を踏まえて、グループ全体の再発防止策の策定と実行を進めております。現行の再発防止策は、4つの改革(①品質マネジメントシステム(QMS)の再構築②人財育成の強化③コミュニケーションの充実④意識・風土改革)を基本としており、今後、当社グループの品質総点検の進捗と調査・検証委員会の評価・提言内容を反映し、現行の再発防止策の見直し強化を進めてまいります。
これまでの社内調査及び検証において、一連の不適切事案に起因した、製品の品質・性能に影響する具体的な問題は現時点では確認されておりませんが、今後のお客さまとの協議や調査等の進捗次第では、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 保有資産価値の変動
当社グループでは事業用の資産や投資の際に生じるのれんなど、様々な有形・無形資産を保有しております。今後の経営環境変化に伴い、これらの資産の収益性が低下し、投資額の回収が見込めなくなった場合には減損損失を計上し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当リスクについては定期的に将来キャッシュ・フロー及びその基礎となる事業計画の合理性をモニタリングし、兆候の把握とリスク低減に向けた対応を行っております。
(6) 大規模災害
当社グループは、各拠点において防災対策を実施しておりますが、拠点のいずれかが大規模災害により被災し、生産設備の損壊、原材料や部品の調達停止、物流販売機能の麻痺などによる操業停止などが生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。本リスクについては各拠点にて耐震対策を計画的に実施、また、調達面では調達先の多様化を行っております。
(7) 情報セキュリティ
標的型攻撃やランサムウエアなど、増加・深刻化するサイバー攻撃により重要情報の漏洩や業務の停止が発生することで、当社グループにおける調達体制、生産体制、物流体制、営業体制等、事業活動の継続に影響が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当リスクについては各種セキュリティ対策の実施、従業員への教育・訓練の実施等、リスク極小化に向けた諸施策を実施し、事業活動への影響の低減を図っております。
(8) 気候変動リスク
当社グループは、環境配慮製品の開発や省エネルギーへの取り組み、再生可能エネルギーの有効活用等、事業活動を通じた製品ライフサイクル全体で気候変動の原因となる温室効果ガス排出量の削減に積極的に取り組んでおります。そうした中、カーボンニュートラル実現に向けた制度や法規制の強化が今後急激に進み、当社グループの対応が遅れた場合、事業活動の制約やコスト上昇によって当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当リスクについては、事業の状況「2サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)気候変動への取り組みとTCFDへの対応」の「TCFD提言に基づく気候関連の財務情報開示」に記載の通り対応を進めております。
(9) コンプライアンス
当社グループでは事業を行ううえで、国内外の法令その他社会規範を遵守して事業を行っておりますが、国内外の法令や規制等に違反した場合や、役員・従業員がハラスメント等のコンプライアンス上の問題を発生させた場合には、社会的信用の失墜や事業活動が制限される等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当リスクについては代表取締役を委員長とする「企業倫理委員会」において法令遵守の徹底を図るとともに、「東光高岳グループ企業行動憲章」「東光高岳グループ行動指針」を制定し、規範意識の徹底を図っております。さらに企業倫理相談窓口の設置や研修の実施など、違法行為や不適切行為の防止および早期解決を図る枠組みを整備しております。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、安定的な配当の実施が株主各位のご期待に応える基本と認識しており、財務体質の強化等経営基盤の安定確保に努めながら、中間配当と期末配当の年2回の継続的かつ安定的な配当を実施することとしております。
また、内部留保につきましては、今後の競争力の維持・強化と積極的事業展開に備え、必要な設備投資や研究開発等に活用することとしております。
なお、配当の決定機関は、中間配当については取締役会、期末配当については株主総会であります。
当期の配当につきましては、この方針に基づき、業績の状況、経営環境等を勘案し、期末配当金を1株当たり25円の普通配当に特別配当10円を加え1株当たり35円といたしました。この結果、年間配当金は中間配当金25円と合わせた1株当たり60円としております。
当社は会社法第454条第5項に規定する中間配当をすることができる旨を定款に定めております。
(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。