人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数32,224名(単体) 99,203名(連結)
-
平均年齢42.7歳(単体)
-
平均勤続年数17.6年(単体)
-
平均年収10,122,665円(単体)
-
平均年収の
対前年増減率9.0%(単体)
従業員の状況
人材戦略に関する基本方針等
(1)【人材戦略に関する基本方針等】
当社グループは、パーパスに基づく経営のもと、企業価値向上の駆動力を人的資本に求め、人材戦略を経営戦略の中核に位置付けています。人的資本経営の実践にあたっては、事業ポートフォリオと連動した人材ポートフォリオの最適化を通じ、戦略実現に必要な人材の確保・育成・配置を一体的に推進し、市場競争力の源泉として人的資本の質と配分の最適化を図っています。
これらの人材戦略及び人的資本への投資については、経営会議及び取締役会における議論や、投資対効果及び株主価値への貢献の観点から継続的に見直しを行うことで、経営としてのコミットメントのもと高度化を推進しています。
その基盤として、ジョブ型人材マネジメントをグローバルに展開しています。各事業戦略に基づき、組織・ポジション・役割を明確化したうえで、職務及び成果責任に応じて人材を配置・評価・処遇することで、戦略と実行の連動性を高め、人的資本の生産性向上と価値創出への貢献を最大化しています。
また、社員一人ひとりのキャリアオーナーシップの向上を重要な柱と位置付け、自律的なキャリア選択を支援することで、挑戦と成長を通じた付加価値創出を促進しています。
さらに、リスキリングや人材の流動化を通じて事業構造変革への適応力を高めるとともに、多様な人材が能力を最大限発揮できる環境整備を推進しています。加えて、人事データの活用により人的資本投資の効果を可視化し、KPIに基づくマネジメントの高度化を通じて、投資リターンの最大化を図っています。
これらの取り組みにより、人的資本の価値最大化と事業成果の創出を両立し、中長期的な企業価値及び株主価値の持続的向上につなげていきます。
なお、人材育成や社内環境整備に関する具体的な取組内容、ならびに当該方針に基づく指標及び目標については、「第2 事業の状況 2サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本及び多様性」において記載しています。
当社グループにおける従業員の給与その他の給付の額及び内容の決定に関する方針としては、事業成長を牽引する人材の獲得・定着に向け、労働市場における競争力を重視した報酬設計を基本方針としています。具体的には、「労働市場」を第一義とし、各人が担う職務・ポジションの価値に基づき、マーケットベンチマークを踏まえた適切な報酬水準を設定することで、グローバル水準での人材競争力の確保を図っています。
この方針のもと、2023年4月にはグローバル企業を対象としたベンチマーク結果を踏まえ、従業員の年収ベースの報酬額を平均7%引上げ、グローバル企業に伍する報酬水準を実現、維持しています。
また、職責や役割の特性に応じた多様な報酬制度を導入しています。具体的には、一定以上の職責を担う幹部社員を対象とした株式報酬制度に加え、中長期的な当社のビジネスへの貢献度が極めて高い領域(注1)における人材獲得競争力の強化を目的として、高度な専門性を有する従業員を対象に報酬を加算する「高度専門職系人材処遇制度」を導入しています。さらに、受注獲得等の営業成績に対して責任を持つ社員を対象とした「セールスインセンティブ制度」を整備するなど、職種の特性に応じた報酬の仕組みを構築し、従業員の納得性と当社で働く魅力の向上を図っています。
加えて、社員一人ひとりが株主として会社と向き合い、主体的な挑戦と成長を通じて企業の成長や社会・お客様へのインパクトをもたらし、その成果を分かち合える仕組みとして、従業員持株会制度を大幅に見直しました。奨励金の適用方法や上限率引き上げ等を行った結果、加入率が65%(注2)(前年度比+33%増)まで大きく向上しており、従業員と企業・株主との価値共有の強化につながっています。
また、2026年度より新卒採用においても入社後に担うジョブや職責をベースとした「ジョブ型人材マネジメント」に基づく採用形態へと移行しました。これまでは学歴に基づく一律の初任給で処遇していましたが、今後はジョブや職責の高さに基づき処遇を行います。これにより、高い専門性を発揮する人材や多様なバックグラウンドを持つ人材に対し、入社時から市場価値に即した適切な処遇を提示することが可能となり、事業成長を牽引する優秀な人材の獲得を加速させています。
(注)1.サイバーセキュリティ、AI、データサイエンティスト、重点オファリング(SAP, Salesforce, ServiceNow(3S)、社内弁護士)等を適用領域としています。
2.従業員持株会国内導入会社の社員総数に対する比率
(2)【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
2026年3月31日現在
|
区 分 |
従業員数(人) |
|
|
継 続 事 業 |
サービスソリューション |
73,100 |
|
ハードウェアソリューション |
15,303 |
|
|
ユビキタスソリューション |
291 |
|
|
消去・全社 |
10,509 |
|
|
非継続事業 |
0 |
|
|
合計 |
99,203 |
|
(注)1.従業員数は就業人員(当社グループ(当社及び連結子会社)からグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)です。
2.上表のほか、当連結会計年度における平均臨時雇用人員は8,405人です。
3.当社グループの従業員数は、当連結会計年度末までの1年間において13,540人減少し、99,203人となりました。これは主として、新光電気工業株式会社及び富士通オプティカルコンポーネンツ株式会社(現 古河ファイテルオプティカルコンポーネンツ株式会社)の株式を譲渡し、これら2社が当社の連結子会社でなくなったことに加え、欧州地域及びアジアパシフィック地域における構造改革の影響等によるものです。
4.当社は、前連結会計年度より「デバイスソリューション」を非継続事業に分類しております。
(2)提出会社の状況
|
|
|
|
|
2026年3月31日現在 |
|
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
平均年間給与の 対前事業年度増減率 (%) |
|
32,224 |
42.7 |
17.6 |
10,122,665 |
9.0 |
|
区 分 |
従業員数(人) |
|
|
継 続 事 業 |
サービスソリューション |
23,083 |
|
ハードウェアソリューション |
1,007 |
|
|
ユビキタスソリューション |
85 |
|
|
消去・全社 |
8,049 |
|
|
合計 |
32,224 |
|
(注)1.従業員数は就業人員数(当社から当社外への出向者を除き、当社外から当社への出向者を含む。)です。
2.平均年間給与は、税込額で時間外勤務手当等及び賞与その他の臨時給与を含んでおります。なお、就業人員数から、当社外から当社への出向者を除いて算出しております。
3.当社の従業員数は、当事業年度末までの1年間において2,626人減少し、32,224名となりました。これは主として、新設分割により1FINITY株式会社を設立したことに伴いハードウェアソリューションの従業員数が減少したことに加え、事業ポートフォリオと連動した人材ポートフォリオの変革に伴う人材の流動化によるものです。
4.平均年齢及び平均勤続年数は、就業人員の平均です。
(3)労働組合の状況
当社グループには、全富士通労働組合連合会等が組織されており、同組合員数は約43,000人です。なお、春季交渉など同組合との主要な交渉事項については、いずれも解決しており、労使関係は引き続き安定しております。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
|
当事業年度 |
||||
|
管理職に占める女性労働者の割合(%) ※1 |
男性労働者の育児休業取得率(%) ※2 |
労働者の男女の賃金の差異(%) ※1、※3、※4、※5 |
||
|
全労働者 |
うち正規雇用労働者 |
うちパート・有期労働者 |
||
|
13.1 |
94.1 |
79.2 |
78.2 |
81.4 |
(注)1.※1は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
2.※2は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。
3.※3は男性労働者の賃金に対する女性労働者の賃金の割合を示しております。
なお、同一労働の賃金に差はなく、ジョブ(職責)レベル毎の人数構成の差によるものです。
4.※4の賃金は、基本給、賞与、各種手当等の労働の対償として期間中に労働者に支払ったものとしています(ただし、通勤手当及び退職手当は除いています。)。
5.※5の賃金は、当社グループ会社から他社への出向者、及び他社から当社グループ会社への出向者のうち当社グループ会社からの賃金の支払いがない者かつ給与データを当社グループ会社で管理していない者を除きます。
② 連結子会社
|
当事業年度 |
|||||
|
名称 |
管理職に占める女性労働者の割合(%) ※1 |
男性労働者の育児休業取得率(%) ※2 |
労働者の男女の賃金の差異(%) ※1、※3、※4、※5 |
||
|
全労働者 |
うち正規雇用 労働者 |
うちパート・有期労働者 |
|||
|
富士通Japan㈱ |
11.1 |
86.4 |
76.3 |
75.8 |
75.6 |
|
富士通ネットワークソリューションズ㈱ |
3.0 |
93.3 |
76.2 |
72.6 |
89.3 |
|
富士通ディフェンス&ナショナルセキュリティ㈱ |
4.4 |
50.0 |
78.0 |
72.0 |
113.9 |
|
Ridgelinez㈱ |
18.3 |
72.7 |
71.9 |
74.1 |
40.9 |
|
㈱トランストロン |
0.0 |
82.4 |
65.1 |
64.8 |
38.1 |
|
エフサステクノロジーズ㈱ |
5.4 |
90.5 |
78.4 |
78.2 |
78.9 |
|
富士通フロンテック㈱ |
6.5 |
100.0 |
71.5 |
70.1 |
53.6 |
|
1FINITY㈱ |
5.1 |
84.6 |
80.0 |
79.5 |
92.2 |
|
㈱富士通パーソナルズ |
0.0 |
0.0 |
78.7 |
72.5 |
131.7 |
(注)1.※1は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
2.※2は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。
なお、該当事業年度以前に配偶者が出産した男性労働者で該当事業年度中に休職または育児目的休暇を取得した人も含むため、取得割合は100%を超過する場合があります。
3.※3は男性労働者の賃金に対する女性労働者の賃金の割合を示しております。
なお、同一労働の賃金に差はなく、ジョブ(職責)レベル毎の人数構成の差によるものです。
4.※4の賃金は、基本給、賞与、各種手当等の労働の対償として期間中に労働者に支払ったものとしています(ただし、通勤手当及び退職手当は除いています。)。
5.※5の賃金は、当社グループ会社から他社への出向者、及び他社から当社グループ会社への出向者のうち当社グループ会社からの賃金の支払いがない者かつ給与データを当社グループ会社で管理していない者を除きます。
6.連結子会社のうち主要な連結子会社以外のものについては、「第7 提出会社の参考情報 2 その他の参考情報 (2)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しております。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)サステナビリティに対する考え方及び対応
当社グループでは、「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」をパーパスとし、その実現のための2030年に向けたビジョンとして「デジタルサービスによってネットポジティブを実現するテクノロジーカンパニーになること」を掲げています。
また、優先的に取り組むべき重要課題として、「経営におけるマテリアリティ」を2023年に設定しました。このマテリアリティの考え方を、事業戦略に組み込むことを通じて、サステナビリティへの取り組みを推進しております。経営戦略の全体像の詳細については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
<マテリアリティ>
中長期的な視点で2030年を見据え、優先的に取り組むべき重要課題を、「必要不可欠な貢献分野」、「持続的な発展を可能にする土台」の2つのカテゴリーに分類し、具体的には、6つのテーマとそれに基づく重点項目を2023年度に特定しました。
詳細については、下記「②戦略<マテリアリティ>」をご参照ください。
①ガバナンス
<取締役会による監督体制>
当社グループはサステナビリティ経営委員会において、サステナビリティに係るリスクと機会の共有、中長期的な課題の検討及び方針の策定を行っています。これらの結果は、経営会議を通じて取締役会に報告されます。
サステナビリティ推進体制
また、当社グループは、全社レベルのリスクマネジメント体制において、取締役会の監督の下、代表取締役社長を委員長としたリスク・コンプライアンス委員会が、サステナビリティ課題を含むグループ全体のリスク分析と対応を行っています。同委員会は、グループ全体のリスクマネジメント及びコンプライアンスに関わる意思決定機関であり、抽出・分析・評価された重要リスクについて、定期的に取締役会に報告しています。詳細については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
<リスクと機会の評価・管理における経営者の役割>
代表取締役社長は、サステナビリティ経営委員会及びリスク・コンプライアンス委員会の委員長を務め、最高位の意思決定の責任と業務執行の責任を担っています。取締役会は、経営会議及びリスク・コンプライアンス委員会を通じた報告をもとに監督する責任を有します。また、CSSOはサステナビリティの最高責任者として、取締役会、経営幹部への変革提案とサステナビリティ関連業務の執行を推進しています。加えて、業務執行取締役の賞与の評価指標に、ESGに関する第三者評価が含まれています。
(注)CSSO:Chief Sustainability & Supply chain Officerの略。富士通グループとして事業と連動したサステナビリティを起点とした重点施策を実行し、更にサプライチェーン全体で環境・社会課題の解決を目指す。
②戦略
当社グループでは、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に向けて、事業全体でのマテリアリティを特定し、サステナビリティ経営を推進しています。
<マテリアリティ>
・マテリアリティ 2つのカテゴリー、6つのテーマ
これまで当社グループでは、CSRに限定した重要課題(マテリアリティ)を定めておりましたが、2023年度にビジネスを通じたお客様・社会への価値提供という観点も取り入れ、社内外の様々なステークホルダーの声を反映し、事業活動として優先的に取り組むべき重要課題としてマテリアリティを設定しました。
2030年を見据え、「自社」及び「ステークホルダー」の観点から評価を行い、優先的に取り組むべき重要課題を、「必要不可欠な貢献分野」、「持続的な発展を可能にする土台」の2つのカテゴリーとして特定しました。必要不可欠な貢献分野について、Uvanceを中心とした事業展開により、「地球環境問題の解決」、「デジタル社会の発展」、「人々のウェルビーイングの向上」に貢献する価値をお客様・社会に提供します。また、持続的な発展を可能にする土台について、富士通グループの価値創造の源泉として、「テクノロジー」、「経営基盤」、「人材」を強化し、新たなビジネスモデルやイノベーションの創出を支えます。2025年度にはこれらの項目について、「富士通らしさ」、「提供価値」の観点からマテリアリティの一部項目を見直し、18項目から25項目に変更しました。
・マテリアリティの特定プロセス
当社グループでは、ダブル・マテリアリティの原則に基づき、企業と環境・社会の相互影響(環境・社会課題が当社に与える財務的な影響、当社活動による環境・社会に与える影響)を考慮しマテリアリティを特定しました。
|
実施ステップ |
実施内容 |
|
Step1 社会課題の整理・抽出 |
・2030年の未来を見据えたメガトレンドを踏まえ、様々な社会課題を整理したロングリストを作成(163課題) ・ロングリストから、類似項目の統合や、事業と関連性の少ない項目を削除し、最終的に40個の社会課題を抽出 |
|
Step2 優先順位付け |
・抽出された社会課題をもとに、幅広く社内外のステークホルダーに対するアンケートやインタビュー、及びデスクトップ調査を実施。2030年の未来を見据え、各課題をリスク・機会両方の側面で、「当社にとっての重要度(環境・社会課題が当社に与える財務的な影響)」及び「ステークホルダーにとっての重要度(当社活動による環境・社会に与える影響)」の視点から包括的に評価・採点を行い、社会課題の優先順位を示すマテリアリティ・マトリックス案(40課題から25課題に絞り込み)を作成 ・個別インタビュー、サステナビリティ経営委員会等を通じて、マテリアリティ・マトリックス案について富士通の独自性(富士通らしさ)といった観点から妥当性に関する評価・討議を実施し(執行役員・業務執行取締役による評価・討議に加え、非執行取締役、監査役によるレビューを含む)、マテリアリティ・マトリックスを最終化(25課題から18課題に集約) ・マテリアリティのコンセプト整理を行い、18課題を2つのカテゴリー、6つのテーマに分類・構造化
マテリアリティ・マトリックス
|
|
Step3 マテリアリティの決定 |
・サステナビリティ経営委員会を経て、特定したマテリアリティ及び全社的な取り組み推進の方向性について審議、承認 ・マテリアリティを含む中期経営計画を取締役会にて審議、承認 |
|
Step4 レビュー、見直し |
・定期的にレビュー・討議を実施予定 |
・マテリアリティへのアプローチ
マテリアリティに対するリスク・機会の認識を踏まえ、2025年度までのアプローチを検討・整理しました。リスクについては富士通自身の社内における取り組みを中心に施策を実施し、機会についてはUvanceをはじめとしたビジネスを拡大することによって社会課題を解決し、お客様・社会に価値を提供しております。マテリアリティへのアプローチの推進により、当社事業、社会に対するネガティブなインパクトの縮小、ポジティブなインパクトの拡大を促進し、ネットポジティブの実現に貢献するものです。
(凡例)●:社内の取り組み、□:お客様・社会への事業展開
|
マテリアリティ |
2025年度までのアプローチ (主な取り組み) |
|
|
地球環境問題の解決 Planet |
気候変動 |
●事業拠点のGHG排出量の削減(省エネルギーの推進と再生可能エネルギー使用量の拡大) ●製品の省電力設計の推進、サプライチェーンにおけるGHG排出量の削減 |
|
□サプライチェーンのGHG排出量の可視化・削減 □工場等設備のエネルギー使用量の可視化(一次データの収集自動化) 等 |
||
|
資源循環 |
●事業拠点の水使用量削減、サプライチェーン上流における水資源保全意識の強化 ●製品の省資源化・資源循環性向上の推進 等 |
|
|
□ブロックチェーン活用やリサイクルによるトレーサビリティの強化とロスの削減 □生産品質等の可視化による材料の有効活用の促進 等 |
||
|
自然共生 |
●サプライチェーンを含む自社の企業活動の領域における、生物多様性への負の影響低減、正の影響増加 |
|
|
□生物多様性に配慮した事業活動において、事業計画シミュレーションによる環境保全と影響度の可視化 □新たな生産方式の採用・材料開発による水、森林資源の保護・過剰消費の抑制 |
||
|
デジタル社会の発展 Prosperity |
情報セキュリティ確保 |
●ガバナンス強化:経営の能動介入及び現場セキュリティ体制強化による施策実行の迅速性・実効性の向上 ●サイバー脅威への対策強化:予兆を含むセキュリティリスク可視化・対処、情報管理の強化 等 |
|
□セキュアなHybrid IT基盤の提供により、顧客システム/事業の信頼性確保 □公共/金融機関などミッションクリティカル領域に対し、レジリエントなHybrid IT基盤の提供と、ITガバナンス、セキュリティガバナンスの強化 等 |
||
|
デジタル格差の解消 |
□先端医療の民主化と、患者に合わせた最適化 □原材料トレーサビリティ・証明に関する課題解決、意思決定の高度化 等 |
|
|
労働力不足 解消 |
□自動化技術あるいはAR/VR及びリモートコミュニケーション技術を活用した、生産・配送・出荷・販売等の作業の効率化と安全性の両立 □お客様の業務変革のための最適なワークスペースの計画立案とデジタル技術を活用した運用の効率化・高度化 等 |
|
|
責任ある サプライチェーンの推進 |
●サプライチェーンにおける人権リスクの予防・軽減 ●サプライチェーンにおけるGHG排出量の削減の推進 等 |
|
|
□サプライチェーンのトレーサビリティ向上による管理強化 □災害、パンデミック、国際政治リスクなど、多面的なサプライチェーンリスクの検知 等 |
||
|
顧客・生活者体験の向上 |
□マーケティング/プロモーションのパーソナライズ化、新たなオンライン・オフライン購買の実現 □あらゆるブランドチャネルと消費者との接点における、一貫性があり、かつ流動的でパーソナライズされたショッピング体験の実現 等 |
|
|
人々のウェルビーイングの向上 People |
Career & Growth Well-being |
□AIによる個人最適化された教育の提供や時間や場所を選ばないマイクロラーニング環境実現 □DX実現に向けて求められる人材像の定義、人材戦略・人材開発計画の策定支援 等 |
|
Social Well-being |
□労働環境の変化に応じた、働く人を中心とした働き方の改革・エンゲージメント向上のための業務状況や社員の声の可視化、分析による戦略立案と実行 |
|
|
Health Well-being |
□医療機関と外部機関・サービスをつなぎ、生活者・患者の診療情報と生活情報の相互流通の実現 □予防、治療から予後までのEnd-to-endのヘルスケア・ジャーニーの個別化・最適化(パーソナルヘルスケアの実現) |
|
|
スポーツ |
□高精度な骨格分析技術により、人の動きをデジタル化するデータ解析プラットフォームの提供 |
|
|
テクノロジー Technology |
最先端技術の開発及びイノベーションの創出 |
●量子:量子HPCハイブリッド技術によるお客様との新アプリケーションの開拓、世界をリードするエラー訂正技術の開発。1,000量子ビット機とさらなる大規模化技術の開発 ●Computing:Computing Workload Broker技術を強化し、グラフAIを加速するフレームワークを開発、HPCをデジタルツイン等の新領域に拡大 等 |
|
経営基盤 Management foundation |
ガバナンス・コンプライアンス |
●コーポレートガバナンス:コーポレートガバナンスの不断の見直し、株主を含む全てのステークホルダーとの協働に資する会社情報開示の充実、株主との建設的な対話の促進 ●コンプライアンス:コンプライアンス意識向上、Global Compliance Programの展開、お取引先へのコンプライアンス教育提供 |
|
情報・AI倫理の推進 |
●AI倫理の社内実践の制度化や、従業員やお客様へのAI倫理教育の提供など、AI倫理浸透に向けた活動 ●AI開発者やお客様自身によるAI倫理リスクの発見を容易にし、解決案を提示する技術・エコシステムの提供 |
|
|
□AI倫理ガイドラインを遵守したAIの提供や、説明可能なAIの提供による、AIへの信頼性・透明性の確保 等 |
||
|
リスク マネジメント |
●潜在リスクに関するツールを活用した社内アセスメント検討、顕在化したデータを活用したインパクトの可視化、再発防止策の立案・実行 ●Data Driven Risk Managementシステムの構築 等 |
|
|
経済安全保障対応 |
●経済安全保障や地政学上の観点によるビジネス継続リスクの評価と、BCPへの反映等を通じたビジネス・レジリエンスの強化 ●重要な先端領域を含む技術の全社横断的な管理強化 等 |
|
|
デジタルトランスフォーメーション(DX) |
●One Fujitsuプログラム推進によるデータドリブン経営の実現、及びオペレーショナルエクセレンスの追求:合理的・迅速な意思決定を支えるリアルタイムマネジメント、経営資源のEnd-to-endでのデータ化・可視化、グローバルでのビジネスプロセス標準化 |
|
|
人材 Human capital |
DE&I |
●多様性: ・誰もが一体感をもって、自分らしくいられるインクルーシブで公平な組織文化の構築 ・リーダーシップにおける女性の参画強化 ・グローバルに通用する文化・民族の総合戦略の構築 等 |
|
Career & Growth Well-being |
●一人ひとりの主体的な挑戦・成長を後押しするための環境を整備していく ●ライフやキャリアの節目に、キャリア意識を高め、自身のキャリアと向き合う場の提供 等 |
|
|
Social Well-being |
●業務の目的に応じたリアルとバーチャルを組み合わせるHybrid Workを実践することで、プロダクティビティ・クリエイティビティを向上させ、新しい価値を創出する ●社員が相互の信頼によってつながり、挑戦できる組織環境を整備 等 |
|
|
Health Well-being |
●社員一人ひとりが自身の健康を自律的に管理する意識の醸成 ●幅広い健康教育や健康イベント、健康アプリの提供等を通じ個人・組織のヘルスリテラシーを高め、行動変容を促進 |
|
|
Financial Well-being |
●マーケット水準(グローバル)の変動を踏まえた適切な報酬水準の設定 ●報酬制度や財産形成の施策を通じた社員の資産形成の意識向上 等
|
|
|
人権 |
●継続的な人権教育の実施 ●有識者ダイアログの実施 |
|
マテリアリティ(2026年3月末時点)に関して、特に当社グループの価値創造の源泉に深く関わり、社会的責任を果たすための取り組みを下表のとおり、6つの項目ごとにありたい姿と目標を定めておりました。なお、目標に対する実績は「指標と目標」に示します。
|
項目 |
ありたい姿と2025年度目標(KPI) |
|
人権・多様性
|
◆人権 <ありたい姿> 実社会/デジタル社会において、「人間の尊厳」への配慮がすべての企業活動に反映され、「人を中心とした価値創造」が恒常的に行われている。 <KPI> 当社バリューチェーン全体における人権リスクを予防・軽減する。 ・継続的な人権教育の実施(受講率90%以上を維持) ・有識者ダイアログの実施(毎年) ・パートナー、お客様、NGOと連携し、富士通の知見・テクノロジーで人権尊重の促進と保護へ貢献 |
|
◆ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I) <ありたい姿> 多様性を尊重した責任ある事業活動(レスポンシブルビジネス)に取り組む。誰もが一体感をもって自分らしく活躍できる、公平でインクルーシブな企業文化を醸成する。個人のアイデンティティに関わらず、誰もが違いを認め合い、活躍できるようにする。インクルーシブなデザインやイノベーションを通じて、社会により良いインパクトをもたらすよう努め、エンパワーし合うことで、持続可能な世界の実現を目指す。 <KPI> ・従業員エンゲージメント・サーベイの 「個人の尊重」に関する質問に対する回答結果の平均を7ポイント向上(80ポイント) <KPI> 誰もが一体感をもって、自分らしくいられるインクルーシブで公平な企業文化を構築する。 ・従業員エンゲージメント・サーベイの「機会の均等」に関する質問に対する回答結果の平均を4ポイント向上(74ポイント) <KPI> リーダーシップの役割にも重点を置き、女性の参画を同等にする。 ・リーダーシップレベルの女性比率を20%に向上 <KPI> 文化に配慮した偏見のない職場環境を実現するために、尊敬と寛容を促進し、私たちが働く社会の中で経営者レベルから下位層へと反映する。 ・地域やグローバルな取り組みをしつつ、グローバルに通用する文化・民族の総合戦略を構築 <KPI> LGBTI+を受け入れるベストプラクティスを推進し、富士通のすべての拠点で社員とその家族をサポートする。 ・LGBTI+の社員に平等な機会と一体感をもたらすため、FWEI(富士通ワークプレイス平等指数)を導入 <KPI> すべての社員、お客様、及び社会のステークホルダーが、当社のソリューション、製品、サービス、システムを使用し、 当社のコミュニケーションを理解できるようにする。 ・デジタルアクセシビリティをブランドコミュニケーション、顧客エクスペリエンス、ワークプレイスを含む企業戦略の一つとして推進及び提唱 |
|
|
ウェルビーイング |
<ありたい姿> 一人ひとりが、自身の大切にしている価値観に向き合い、 仕事と生活を通じて、未来の幸せに日々向かっている。
<KPI> 自身のウェルビーイング実現に向けて、具体的に行動している。
◆ウェルビーイング ・理解浸透に向けて、ウェルビーイングに関するメッセージの発信 ・本人行動を促すためのウェルビーイングに関するメッセージの社内発信 ・富士通のウェルビーイングに関する実践と知見の社外発信 ・ウェルビーイングに関する指標開発 ・サーベイ結果を踏まえ、ウェルビーイング実現に向けた地域・国単位での指標開発と施策への反映
◆安全衛生 ・重大な災害発生件数:ゼロ
|
|
環境 |
<ありたい姿> グローバルなSustainability Transformation(SX)リーディング企業として社会的責任を果たす。自らのカーボンニュートラル実現に加え、お客様との共創により、革新的なソリューションを提供することで様々な環境課題を解決する。 <KPI> 社会的責任の遂行と環境課題解決への貢献 ・自社・サプライチェーンにおけるSBT(Science Based Targets)ネットゼロを目指したGHG排出削減 (注)SBT基準に沿った当社の目標(温室効果ガス排出量ネットゼロ):温室効果ガス排出量を目標年度に基準年度の90%以上を削減し、10%以下となった残存排出量を大気中のCO2を直接回収する技術(DAC)の活用や、植林などによる吸収で除去すること ・事業活動に伴うリスクの回避と環境負荷の最小化 ・ビジネスを通じたお客様・社会の環境課題解決への貢献 |
|
コンプライアンス |
<ありたい姿> 当社グループ内の役職員が高いコンプライアンス意識をもって、事業活動を行うことにより、社会の規範としての役割を果たしつつ、ステークホルダーから投資や取引、就業の対象として選択される、信頼される企業グループである。 <KPI> コンプライアンスに係るFujitsu Way「行動規範」の組織全体の周知徹底を図るために、グループ全体にGlobal Compliance Program を展開することで、高いコンプライアンス意識を根付かせるとともに、経営陣が先頭に立って、従業員一人ひとりがいかなる不正も許容しない企業風土(Zero Tolerance)を醸成する。また富士通のビジネスに携わるすべての人に活動を広げ、理解を求める。 ・倫理観サーベイにおける「低リスク」部門の従業員の割合を、現状から10%以上向上させる ・贈賄、カルテルを起こさせない |
|
サプライチェーン |
<ありたい姿> 当社グループは、人権・安全衛生、環境に配慮し、多様性を確保した責任あるサプライチェーンを実現する。 <KPI> サプライチェーンにおける、人権リスクの予防・軽減。 ・調達指針の遵守要請と並行して、お取引先の可視化・課題の特定を推進し、問題を起こさない仕組みを構築 <KPI> サプライチェーンにおけるGHG排出削減の推進 ・GHG排出削減をお取引先とともに推進するため、主要取引先に対して、国際基準に沿った数値の目標設定を要請 (注)SBT WB2℃:産業革命前からの気温上昇を2℃未満に抑制することを規定するとともに、1.5℃までへの抑制に向けた努力を継続 <KPI> サプライチェーン多様性の確保 ・各リージョン・国での社会的要請に基づき、多様性の指標を定め活動 ・日本での活動を女性活躍とし、お取引先の取組状況を測定する仕組みを構築 |
|
コミュニティ |
<ありたい姿> 社員一人ひとりが幅広いステークホルダーとの共働・共創を通して社会課題への共感性を高めて活動に取り組み、社会にスケールあるインパクトをもたらすことで、富士通の成長機会を創出し、パーパス実現に貢献している。 <KPI> ・コミュニティ活動に参加した社員(従業員数の20%) (注)コミュニティ活動:重要なステークホルダーの1つである地域社会とグローバルで協力し、社会が抱える課題解決に取り組み価値創造をめざす活動 |
③リスク管理
当社グループでは、サステナビリティ経営委員会において、サステナビリティに係るリスクと機会の共有、中長期的な課題の検討及び方針や目標を策定するとともに、進捗を確認しています。また、リスク・コンプライアンス委員会は、国内外の各部門及び各グループ会社の事業活動と、それに伴う重要リスクの抽出・分析・評価を行い、これらに対する対策状況を確認したうえで、対策の策定や見直しを図っています。また、様々な対策の実行にもかかわらずリスクが顕在化した場合に備え、対応プロセスを整備しています。
マテリアリティ評価プロセスでは、富士通グループ全社で行われる潜在リスクアセスメントの結果を活用し、全社リスクマネジメントとの整合性を確保しながら評価を実施しています。また、マテリアリティ分析から抽出された気候変動や人権、セキュリティなどの課題を、当社グループ全社で行われる潜在リスクアセスメントにおいて重要リスク項目として連動させ、その一部は「事業等のリスク」として公表しています。
事業活動に伴う主なリスクの詳細及び対応プロセスについては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
④指標及び目標
「戦略」で示したとおり、マテリアリティ(2026年3月末時点)のうち特に当社グループの価値創造の源泉に深く関わり、社会的責任を果たすための6つの項目ごとにありたい姿と目標を定めています。この達成に向けて実効力のあるマネジメント体制を構築し、また各国の国内法や労働市場など国・地域ごとの違いを踏まえつつ、グローバルでより高いレベルの活動が実施できるよう、具体的なアクションを定め、目標達成に向けた取り組みを推進しております。なお、一部の項目は実績データ集計中のため、2024年度実績を記載しています。
|
項目 |
2025年度目標 |
2025年度実績 |
||
|
人権・ 多様性 |
<人権> 当社バリューチェーン全体における人権リスクの予防・軽減 |
継続的な人権教育の実施 (受講率90%以上を維持) |
グローバルグループ全社員対象「ビジネスと人権」eラーニングを実施(受講率:96%) |
|
|
有識者ダイアログの実施 (毎年) |
社内外のステークホルダーと外部有識者を交えてダイアログを実施 |
|||
|
パートナー、お客様、NPOと連携した人権尊重と保護への貢献 |
お取引先(パートナー)・各種団体様等と連携した人権尊重の取り組みの実施 |
|||
|
<ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)>
|
年齢、性別、文化、民族、性的指向、アイデンティティ、能力に関係なく、すべての社員がサポートされ、尊敬されていると感じられるようにする |
従業員エンゲージメント・サーベイの「個人の尊重」に関する質問に対する回答結果の平均を7ポイント向上(80ポイント) |
「個人の尊重」 77ポイント(前年比+4) 「機会の均等」 75ポイント(前年比+3) |
|
|
誰もが一体感をもって、自分らしくいられるインクルーシブで公平な企業文化を構築する |
従業員エンゲージメント・サーベイの「機会の均等」に関する質問に対する回答結果の平均を4ポイント向上(74ポイント) |
|||
|
リーダーシップの役割にも重点を置き、女性の参画を同等にする |
リーダーシップレベルの女性比率を20%に向上 |
17.5% |
||
|
文化に配慮した偏見のない職場環境を実現するために、尊敬と寛容を促進し、私たちが働く社会の中で経営者レベルから下位層へと反映する |
地域やグローバルな取り組みをしつつ、グローバルに通用する文化・民族の総合戦略を構築 |
各国・地域の実態に即し、文化・民族的背景を考慮したイベントを実施 |
||
|
LGBTI+を受け入れるベストプラクティスを推進し、富士通のすべての拠点で社員とその家族をサポートする |
LGBTI+の社員に平等な機会と一体感をもたらすため、FWEI (富士通ワークプレイス平等指数)を導入 |
トップメッセージ発信、及びグローバル各地域で「プライド月間」を開催 |
||
|
すべての社員、お客様、及び社会のステークホルダーが、当社のソリューション、製品、サービス、システムを使用し、当社のコミュニケーションを理解できるようにする |
デジタルアクセシビリティをブランドコミュニケーション、顧客エクスペリエンス、ワークプレイスを含む企業戦略の一つとして推進及び提唱 |
アクセシビリティステートメント策定 |
||
|
ウェルビーイング |
一人ひとりが、自身の大切にしている価値観に向き合い、 仕事と生活を通じて、未来の幸せに日々向かっている |
理解浸透に向けて、グローバルにウェルビーイングに関するメッセージの発信 |
対談記事「AI時代を生き抜く私たちのウェルビーイング」発信 (11月6日) |
|
|
ウェルビーイングに関する指標開発 |
ウェルビーイングサーベイの実施 |
|||
|
重大な災害発生件数:ゼロ |
重大な災害発生件数:ゼロ |
|||
|
環境 ※ |
社会的責任の遂行と環境課題解決への貢献
|
自社・SCにおけるSBTネットゼロを目指したGHG排出削減 |
・目標40.0%以上削減、338千トン以下に対し実績45.8%削減、305千トン(2020年度比 毎年 約10.0%削減) ・再生可能エネルギー使用率:目標44%以上に対し実績47.5% |
|
|
事業活動に伴うリスクの回避と環境負荷の最小化 |
・水の使用量:目標3.8万㎥以上の削減に対し実績4.6万㎥削減 ・サーキュラーエコノミー型ビジネスモデルに資する製品・サービスの開発:国内フロント部門向けに、サーキュラーエコノミーに関するeラーニングを実施(約2.5万人受講)。さらに希望者を対象に、サステナビリティをビジネスチャンスに変えるワークショップ「Sustainability for me」の体験会を社内外で開催し、より深い議論を行い商談機会創出に貢献
・製品の使用時消費電力によるCO2排出量:目標10%削減に対し実績42.9%削減(2020年度比) ・サプライチェーンにおけるGHG排出量削減の推進:主要取引先への排出削減目標設定(SBT WB2℃目標)2022年度排出量ベースで68%を占める取引先において、排出削減目標の設定が完了 ・サプライチェーン上流におけるCO2排出量削減及び水資源保全:主要取引先への取組依頼を100%完了 |
|||
|
ビジネスを通じたお客様・社会の環境課題解決への貢献
|
グローバルサプライヤー15社と、実データを活用したCO₂排出量の企業間データ連携による脱炭素に向けた実践を開始 |
|||
|
コンプライアンス |
コンプライアンスに係るFujitsu Way「行動規範」の組織全体の周知徹底を図るために、グループ全体にGlobal Compliance Program を展開することで、高いコンプライアンス意識を根付かせるとともに、経営陣が先頭に立って、従業員一人ひとりがいかなる不正も許容しない企業風土(Zero Tolerance)を醸成する。また富士通のビジネスに携わるすべての人に活動を広げ、理解を求める |
倫理観サーベイにおける「低リスク」部門の従業員の割合を、現状から10%以上向上させる |
初回サーベイを国内4社で行い、結果をダッシュボード化。全体傾向では良好である一方、一部で課題も特定。今後課題の改善を図るとともに、定期的にサーベイを行いモニタリングする |
|
|
贈賄、カルテルを起こさせない |
贈賄、カルテルの確認件数0件 |
|||
|
サプライチェーン ※ |
サプライチェーンにおける、人権リスクの予防・軽減 |
調達指針の遵守要請と並行して、お取引先の可視化・課題の特定を推進し、問題を起こさない仕組みを構築 |
サステナブル調達指針の内容に関し482社から同意書を取得 |
|
|
サプライチェーンにおけるGHG排出削減の推進 |
GHG排出削減をお取引先とともに推進するため、主要取引先に対して、国際基準に沿った数値の目標設定を要請 (主要取引先において、SBT WB2℃相当の排出削減目標が設定されることを目標とする) |
・2022年度排出量ベースで68%を占める取引先において、排出削減目標の設定が完了 ・グローバルサプライヤー15社と、実データを活用したCO₂排出量の企業間データ連携による脱炭素に向けた実践を開始 |
||
|
サプライチェーン多様性の確保 |
各リージョン・国での社会要請に基づき、多様性の指標を定め活動 |
UK・Americas・オセアニアにおいて、中小企業(SME)・女性経営・少数民族企業等、多様な属性を持つ企業からの調達KPIを達成 |
||
|
日本での活動を女性活躍とし、お取引先の取組状況を測定する仕組みを構築 |
女性活躍推進に関する説明会を開催し、厚生労働省「女性の活躍推進企業データベース」への登録を依頼(約400社参加、279社登録済) |
|||
|
コミュニティ ※ |
コミュニティ活動※に対する社員のマインドセット変革・組織風土醸成、及び社会へのインパクト創出
※コミュニティ活動とは:重要なステークホルダーの1つである地域社会とグローバルで協力し、社会が抱える課題解決に取り組み価値創造をめざす活動 |
コミュニティ活動に参加した社員(従業員数の20%) |
従業員数の30.7% |
|
※「環境」「サプライチェーン」「コミュニティ」は、2024年度実績を記載しています。
なお、当社グループは2023年度から2025年度中期経営計画の期間において、マテリアリティ(必要不可欠な貢献分野)の3つのテーマ(地球環境問題の解決、デジタル社会の発展、人々のウェルビーイング)に対応する2030年の非財務指標(「世界のGHG排出量削減への貢献」「デジタルアクセシビリティ」「ICTスキル、教育提供数」)を掲げて取組みを推進してきました。しかしながら、マテリアリティ見直しに伴い、これに整合した目指す姿を再設定するとともに進捗を表す指標の整備に取り組むことといたしました。
今後は、2026年度から適用する新しいマテリアリティのもとで、事業との関連性や進捗管理の実行可能性等を踏まえた指標及び目標について検討を進め、適切に設定のうえ、その達成に向けた取組みを推進していく予定です。
<新マテリアリティについて>
当社グループは、SSBJ・CSRDといったサステナビリティ開示基準を踏まえた対応、2026年度からの新中長期経営ビジョンとの整合、及び外部環境の変化への適合を目的として、2025年度よりマテリアリティの見直しに着手し、2026年度より新しいマテリアリティでの運用を行います。新マテリアリティに関する施策や指標・目標等の詳細は計画中であるため、策定次第、当社ウェブページ(https://www.fujitsu.com/jp/about/csr/materiality/)で開示します。
(注)SSBJ:Sustainability Standards Board of Japan(サステナビリティ開示基準)の略
CSRD:Corporate Sustainability Reporting Directive(企業サステナビリティ報告指令)の略
(2)気候変動への対応
気候変動は国・地域を超えて世界に影響を与える問題であり、グローバルに活動する当社にとっても重要な課題であると認識しています。たとえば、気候変動によりもたらされる災害は調達・物流・エネルギー供給網を寸断し、各事業所への部品調達やエネルギー調達を困難にします。また、GHG排出量に関する法規制は、製品・サービスの製造、開発等に影響を与え、対応への遅れはビジネスチャンスの損失を招く恐れもあります。
当社グループでは、環境行動計画を策定し、環境活動を継続的に拡大してきました。特にGHG排出量の削減を重要課題と捉え、環境行動計画の当初(1993年)から目標に掲げて取り組んでいます。これからも当社グループは時代の変化をとらえ、持続可能で豊かな社会の実現を目指して環境活動を深化・発展させていきます。
第11期富士通グループ環境行動計画(2023年度から2025年度)では、環境・社会課題の解決に向け、「お客様・社会」及び「自社・サプライチェーン」の2つの軸で、世界経済フォーラムのグローバルリスクである「気候変動」、「資源循環」、「自然共生」の3つにおいて8項目の目標を設定しました。そのうち、4項目は気候変動に関するものです。お客様・社会へのデジタル技術貢献に向けた取り組みや、自社の再生可能エネルギー使用率拡大など、当社グループの環境ビジョンの実現に向け足元を固めた取り組みを展開していきます。
なお、第12期富士通グループ環境行動計画(2026年度から2030年度)は、当社ウェブページ(https://www.fujitsu.com/jp/about/environment/action-plan/)で2026年8月に開示予定です。
①ガバナンス
当社グループでは、サステナビリティ経営委員会やリスク・コンプライアンス委員会において、気候変動に関するリスクと機会の共有、方針策定、重要リスクに関する特定等を行い、取締役会へ報告しています。詳細については、上記の「(1)サステナビリティに対する考え方及び対応 ①ガバナンス」の項をご参照ください。
②戦略
<富士通グループ環境ビジョン>
グローバル社会におけるカーボンニュートラルへの取り組みが加速する中、当社グループが果たすべき社会的役割を再検討し、「2050年度に富士通グループ自らが排出するCO2をゼロエミッション」としてきたこれまでのビジョンを20年前倒しして2030年度にゼロエミッション達成を目指すこととしました。さらにバリューチェーン全体の温室効果ガス排出量を2040年度にネットゼロ※とする目標を定めました。
富士通グループ環境ビジョンは、「バリューチェーンでのネットゼロ」「緩和:カーボンニュートラル社会への貢献」「適応:気候変動に対する社会の適応策への貢献」という3つの柱で構成されています。先進のDX技術を効果的に活用して当社グループ自らのネットゼロにいち早く取り組むとともに、そこで得られたノウハウを当社グループのソリューションとしてお客様・社会に提供します。それにより、ビジネスを通して気候変動の緩和と適応に貢献することを目指しています。
※温室効果ガス排出量ネットゼロ:温室効果ガス排出量を目標年度に基準年度の90%以上を削減し、10%以下となった残存排出量を大気中のCO2を直接回収する技術(DAC)の活用や、植林などによる吸収で除去すること。
詳細については、以下のウェブサイトをご参照ください。
https://www.fujitsu.com/jp/about/environment/climate-energy-vision/
<TCFDに基づいたシナリオ分析>
また、当社グループでは、気候変動戦略のレジリエンスを確保するため、2018年度に「2℃」シナリオ、2021年度にIPCC、IEA、環境省・気象庁等政府機関、各種民間調査機関の公開情報を参照し、「1.5℃」及び「4℃」の外部シナリオを用いて、気候変動による事業インパクトを分析し、当社グループの気候関連リスク・機会を特定するとともに対応策を検討しました。自社オペレーション、サプライチェーンにネガティブな影響を及ぼす移行・物理リスクに対応するとともに、お客様の気候関連リスクを理解することで価値創造の提案につなげ、ビジネス機会の獲得を目指します。
・シナリオ分析
当社は、ビジネスを加速し、社会課題に挑むソリューション「Uvance」において、クロスインダストリーな重点分野を定めています。そのうち、特に気候変動の影響が大きいと考えられるSustainable Manufacturing(検討領域:石油化学、自動車、食品、電子機器関連ビジネス)、Trusted Society(検討領域:公共、交通、エネルギー関連ビジネス)、Hybrid IT(検討領域:データセンター関連ビジネス)に対し、「1.5℃」及び「4℃」の外部シナリオを用いて2050年までを考慮したシナリオ分析を実施しました。分析は「リスク重要度の評価」、「シナリオ群の定義」、「事業へのインパクト評価」、「対応策の検討」という4つのステップにて行いました。Sustainable Manufacturing及びTrusted Societyはお客様の気候関連リスクへの対応を支援するなど、当社におけるビジネスの「機会」を中心とした分析を行い、Hybrid ITは、自社事業及びお客様の気候関連リスクへの対応など、「リスク」と「機会」の両面で分析しました。分析結果として、シナリオで分析した機会についてオファリングの検討・開発方向と一致していること、また、リスクについても対応策を整備できていることを確認し、中長期的な観点から当社の事業は戦略のレジリエンスがあると評価しました。現在、顧客のGHG排出量の削減、エネルギー効率向上などをデジタルリハーサルによりお客様のESG経営を支援するオファリングを提供しています。また、サプライチェーン全体の環境変化を可視化し、データドリブンの施策実行によりScope3までを含むGHG排出量削減など環境への影響を最小限に抑え、各企業のESG経営に繋がるサプライチェーンマネジメントの実現に向けた「Dynamic Supply Chain Management」のオファリングを準備しています。
詳細については、以下の当社ウェブサイトに掲載している「TCFDに基づく情報開示」、「 Uvance」をご参照ください。
https://global.fujitsu/ja-jp/sustainability/environment
https://global.fujitsu/ja-jp/uvance
機会
|
機会分類 |
対象期間 |
内容 |
主な対応策 |
|
製品・サービス |
短~長期 |
高エネルギー効率製品・サービスの開発・提供による売上増加 |
高性能・低消費電力の5G仮想化基地局、高性能・省電力のスーパーコンピュータ等の開発・提供 |
|
市場 |
短~長期 |
ICT活用により創出される気候変動対策に向けた新規市場機会の獲得 |
サプライチェーンのCO2排出量算定・可視化、ゼロエミッションに向けた新材料探索を効率化するシステム等の開発・提供 |
|
レジリエンス |
短~長期 |
レジリエンス強化に関する新製品及びサービスを通じた売上の増加 |
防災情報システム、洪水時の河川水位を予測するAI水管理予測システム等の開発・提供 |
リスク
|
リスク分類 |
対象期間 |
内容 |
主な対応策 |
|
|
移行 |
政策/ 規制 |
短~長期 |
・温室効果ガス排出やエネルギー使用に関する法規制強化(炭素税、省エネ政策等)に伴い、対応コストが増加 ・上記法規制に違反した場合の企業価値低下のリスク |
・温室効果ガス排出量の継続的な削減(再生可能エネルギーの積極的な利用拡大、省エネルギーの徹底) ・EMSを通じた法規制遵守の徹底 |
|
市場 |
中~長期 |
・カーボンニュートラルの推進(電動化などの普及)に伴った電力価格の高騰 |
・社内基準の策定、革新的な技術開発などによる電力消費量の削減 |
|
|
技術 |
中~長期 |
・熾烈な技術開発競争(省エネ性能、低炭素サービス等)で劣勢になり、市場ニーズを満たせなかった場合、ビジネス機会を逸失するリスク |
・顧客の気候変動課題解決に対応する製品・サービス開発、イノベーション推進 |
|
|
評判 |
短~長期 |
・投資家・顧客等のステークホルダーからの要請へ対応することによるコストの増加 ・外部要請への対応遅れによる評価・売上に対するネガティブ影響が発生 |
・中長期環境ビジョン、環境行動計画の策定・推進 ・気候変動戦略の透明性確保に向けた積極的な情報開示 |
|
|
物理 (自然災害等) |
慢性、急性 |
短~長期 |
・降水・気象パターンの変化、平均気温の上昇、海面上昇、渇水などへの対応コストが増加 ・異常気象の激甚化によるサプライチェーンを含む操業停止、復旧コストが増加 |
・BCP対策強化、お取引先の事業継続体制の調査やマルチソース化などの対策実施 ・潜在的水リスクの評価とモニタリングの実施 |
③リスク管理
気候変動を含むリスク管理プロセスは、リスクマネジメント・コンプライアンス体制によるプロセスに組み込まれています。詳細については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」を参照ください。
また、気候変動を含む環境課題に関するマネジメントについては、前述の仕組みに加え、ISO14001に基づく環境マネジメントシステムを構築しています。気候変動対策の方針策定及び進捗管理は、サステナビリティ経営委員会が担当しています。
④指標及び目標
GHG排出量に関しては基準年に対する排出削減比率、再生可能エネルギー導入比率を指標として管理しています。
カーボンニュートラルに向けた動きを加速するため、自社事業活動における排出量を2030年度に、またバリューチェーン全体の排出量を2040年度にネットゼロとする目標を策定し、2023年6月にSBTi(Science Based Targets Initiative)より「ネットゼロ」の認定を取得しました。
なお、2025年度の主な実績については、本有価証券報告書提出日現在においてデータ収集及び一部のデータにおいては、第三者審査機関による審査の過程にあるため、以下では2024年度の実績を記載しております。
<Scope 1、2及び該当する Scope 3のGHG排出量>
|
項目 |
GHG排出量実績(2023年度) |
GHG排出量実績(2024年度) |
|
Scope 1 |
64千トン-CO2 |
69千トン-CO2 |
|
Scope 2(Market-based) |
266千トン-CO2 |
237千トン-CO2 |
|
Scope 3(Category 1) Scope 3(Category 11) |
1,086千トン-CO2 2,283千トン-CO2 |
2,748千トン-CO2 1,982千トン-CO2 |
<目標と実績>
|
項目 |
目標 |
実績(2024年度) |
|
|
自らのGHG排出量削減(※1) |
Fujitsu Climate and Energy Vision |
2030年までに100%削減(※2) |
45.8%削減 |
|
バリューチェーンのGHG排出量削減(※3) |
SBTネットゼロ認定 |
2040年度までに90%削減(※2) |
27.8%削減 |
|
再生可能エネルギー使用率 |
RE100加盟 |
2030年度までに100%導入 |
47.5%導入 |
(注)1.※1 Scope1+Scope2
2.※2 2020年度比
3.※3 Scope1+Scope2+Scope3
(3)人的資本及び多様性
サステナブルな企業として、社会に価値を提供していくための最大の経営資源、そして顧客価値の源泉は「人」 です。「多才な人材が、エンゲージメント高く、一人ひとりのウェルビーイングを実現しながら、社会やお客様の課題を解決するためにパーパスを共有して俊敏に集い、社会のいたるところでイノベーションを創出する企業」となることを目指し、企業価値向上に向けた中長期的な人的資本の強化に取り組んでいます。
①ガバナンス
当社グループは、事業戦略の実行に連動した最適な人材ポートフォリオの実現に向けて、CHRO(最高人事責任者)が中心となり、国内外で人事及び人材開発・育成を担う責任者と連携しながら、各種人材施策を策定・実行しています。
また、経営層が人材マネジメントに関する重要事項について議論する場を定期的に設けています。具体的には、当社代表取締役社長、副社長、CHROが参加するGlobal Talent Committeeを年1回開催し、グローバルで重要なポジションに関するサクセッションプランの共有や個別アサインメントの検討に加え、経営者育成を含む人材施策全般について議論しています。さらに、Talent Acquisition(人材獲得)、Learning & Development(人材開発)、Performance Management(パフォーマンスマネジメント)、Engagement(エンゲージメント)等、人事・人材育成に関する主要な課題や方針、施策についても検討しています。人的資本や多様性を含む重要な人事・人材育成に関わる事項については、経営会議及び取締役会に報告しています。
加えて、各リージョンの人事責任者を含む人事部門の各領域の責任者が参加するグローバルHRカンファレンスを年2回開催し、グローバルレベルでの人事戦略や人事施策の検討、各リージョンにおける人事施策の進捗及び課題の共有等を行っています。
②戦略
「多彩な人材が、エンゲージメント高く、一人ひとりのウェルビーイングを実現しながら、社会やお客様の課題を解決するためにパーパスを共有して俊敏に集い、社会のいたるところでイノベーションを創出する企業」を実現するため、以下3点を人事部門のグローバル戦略テーマとしています。
“Empowerment”
多様性を享受しオープンかつエンゲージメントの高い、信頼を基にした強固な文化を醸成します。
“Growth”
常にすべての従業員が魅力ある仕事に挑戦し、学び、成長する機会を提供します。
“Impact”
国境や組織の枠組みを越えてコラボレーションし、ビジネスと社会に強いインパクトをもたらす多様性あふれる集団を形成します。
上記を実現するために、2025年度は主に以下の取り組みを進めました。
(ⅰ)事業戦略と一体化した人材ポートフォリオの策定
事業戦略を実現するためには、その戦略と一体となった人材ポートフォリオの策定が不可欠です。事業戦略に基づいて将来必要とされる人材のロールやスキルを定義するとともに、人数等の規模感を特定し、現有人材とのギャップ分析を行い、そのギャップを充足する計画の立案が必要です。
そのため2023年度から2025年度までの中期経営計画の中で、事業のポートフォリオと連動したロール別の人員数をマッピングし、成長領域への戦略的な人材の採用・配置や、リスキリング・アップスキリングを含めた人材育成施策を実行することで、Uvanceやモダナイゼーション事業の成長を支えました。また、その他の領域でもAIを活用した効率化や自動化を推進することで生産性の向上に継続的に取り組み、2022年度と比較して、2025年度の従業員一人当たり調整後営業利益(注1)は約89%上昇の見込みであり、大きく伸長しています。
また2025年度より、グローバル統一の人材情報プラットフォームを日本及びグローバルの一部地域で稼働開始し、2026年度中には全リージョンに展開予定です。これによって、データドリブン経営・事業戦略と連動した人材ポートフォリオ変革をより強力に推進し、グローバルな人材の最適配置を実現します。
(注1)正規従業員のみを母数とした一人当たり調整後営業利益、デバイスソリューションを除く
(ⅱ)人材ポートフォリオの質的変革
事業戦略と連動した人材ポートフォリオの実現に向け、2020年より導入しているジョブ型人材マネジメントの考え方に沿って、社内の人材流動化の促進、より質の高い人材の採用、リスキリング・アップスキリングの強化に取り組んでいます。
・社内の人材流動化
社内公募制度であるポスティングをグローバル・グループワイドに展開しています。国内(グループ会社含む)を対象に実施しているグループワイドポスティングでは、2025年度は6,694名が応募し、うち2,143名が合格し異動しました。また、当社リージョン横断のグローバルポスティングでは50名が合格し、一貫して社内における適所適材の推進が進んでいます。このほか、従業員自身が希望する部署に期間限定で異動し、異なる業務を経験できる、社内インターンシップ制度「Jobチャレ!!」や、所属組織や業務を超えて、スキルや経験を活かして挑戦できる社内副業制度「Assign Me」等、社員が主体的に挑戦できる機会の拡充にも取り組んでいます。
・より質の高い人材の採用
新卒採用については、変化の激しい環境下で社会課題の解決やお客様のニーズに応えるために、求められるソリューションやテクノロジーに即応しながら、必要な役割を自律的に遂行できる人材の採用を加速するため、2026年度入社者より、新卒一括採用の廃止と新卒入社者へのジョブ型人材マネジメントの拡大を行うことを決定しました。毎年計画数を定めて一斉のタイミングや学歴別一律の初任給で採用する考え方を改め、新卒採用・キャリア採用の区分にこだわらず、必要な職務を担う人材を、計画数を定めずに通年でフレキシブルに採用しています。処遇については、入社時よりジョブレベルに応じた処遇を適用し、高度な専門性等が必要なジョブを担うことができる人材には、入社時からそれに応じた処遇とすることで、博士人材を含め、より優秀で多様な人材の獲得を推進していきます。また、応募者がジョブへの理解を高め、入社後の自身の活躍をイメージすることが重要との観点から、当社の各領域におけるスペシャリストとともに実ビジネスに挑戦できる数か月にわたる長期の有償インターンシップを実施しています。2025年度は約400名が当社のインターンシップを経験し、富士通への理解や参加者自身のキャリア形成に繋げることができました。
また、引き続き2023年度より、グローバル共通のEmployee Value Proposition(EVP)(注2)を展開し、新卒採用とキャリア採用の訴求力向上に努め、各種オンボーディング施策を実践する等、採用力強化に加え、新規入社者の定着率向上についても実践しています。
(注2) 当社では、会社が社員に提供できる価値を明文化し、グローバルに統一されたEVPとして5つのPeople Promisesを定めています。①Do the right thing ②Trusted to transform ③Work Your Way ④Global reach, local impact ⑤Achieve together
・リスキリング、アップスキリングの実践
事業戦略に沿って、必要となるスキルを有する人材の育成に向け、リスキリングやアップスキリングに継続して取り組んでいます。
Uvanceの拡大に向けては、「Business Application」領域のソリューションであるSAP、Salesforce、ServiceNowや「Hybrid-IT」領域のAmazon Web Services(AWS)、Microsoft Azureのスキル向上に注力しています。これらの重点領域に人材育成投資を集中し、資格取得の総数は前年度と同水準となる合計1万件超を維持しました。あわせて、AI分野においては事業成長を支える重要領域として位置付け、主要ベンダーのAI関連資格を中心に昨年度比2倍の2,500件超の取得が進み、専門性の高度化を推進しています。
また、資格取得に留まらず、人材最適配置と生産性向上を加速するため、当社コンサルティング事業「Uvance Wayfinders」の展開に向けたコンサルタントの育成や、デリバリー力強化に向けたデリバリー人材の育成に取り組み、当社重点強化領域へのリソースやスキルのシフトを推進しています。
加えて、2025年度は継続的な需要が見込まれるモダナイゼーションビジネスへの対応力強化を目的に、プロジェクトマネージャー育成を全社横断的な施策として実施しました。ケイパビリティの可視化に加え、レベル別育成プログラム及びOJTを通じた計画的なスキル向上を推進しています。これにより、高品質なプロジェクト遂行力の強化と、次世代人材の計画的な育成を進めています。
(ⅲ)キャリアオーナーシップの浸透
当社のジョブ型人材マネジメントにおいては、従業員一人ひとりが自らのキャリアを考え、成長に向けて主体的に行動していく「キャリアオーナーシップ」の考え方を重視しています。
人材育成においては、「キャリアオーナーシップ」マインドを醸成し、行動変革を促進するための施策と、自ら主体的に選択して受講できる教育機会の拡充に取り組んでいます。
多様な従業員と互いのキャリアを語り合う「キャリアCafe」は、国内(グループ会社含む)を対象に2021年度より実施しており、2025年度までに延べ28,915名が参加しています。2022年度までは幅広い世代に実施をしていましたが、2023年度からは、キャリア資本を戦略的に考えてもらうために、特に若手・ミドルシニア世代に注力し実施しています。2025年度は、2023年度からの継続及び新たに対象となる従業員を中心に実施しています。
また、いくつかの質問に答えることで、個人のキャリアオーナーシップの状況を診断できる「キャリアオーナーシップ診断」は2022年度に導入し、キャリアCafeとも連携しながら提供しており、日本では延べ46,102名の従業員が活用しています。
学びの機会の拡充については、教育プラットフォーム「Udemy Business」や 「LinkedIn ラーニング」を導入・継続利用し、自律的な学びの文化の醸成を促進しています。「Udemy Business」は、生成AI等の最新技術動向やデジタルリテラシー、お客様のDX戦略の加速とビジネス変革を支援するためのテクノロジー関連スキルの早期獲得を目的とし、2020年度より導入し、2026年度より全従業員(グローバル含む)に展開しています。「LinkedInラーニング」は、ビジネススキルの習得を目的に、2023年度より導入しています。
加えて、プログラムの提供だけでなく、職場・社員のキャリア形成を支援するキャリアカウンセラーの設置や、2025年度に約1,000名が参加した社内キャリアカウンセラーによるキャリア面談についても2022年度より全社展開を開始し、一人ひとりのチャレンジを後押しする取り組みも進めています。
(ⅳ)人材マネジメントの基本コンセプト「Connect」
2021年より順次、社員が自律的に考え、行動を起こしていくためのグローバル共通の人材マネジメントの基本コンセプト「Connect」を導入しました。
「Connect」では、当社のパーパスと個人のパーパスを起点にそれらを結び付け、社員一人ひとりの主体的な挑戦を後押しし、組織や個人の成長を最大化することと、社会やお客様に大きなインパクトをもたらすことをねらいとしています。
また、評価制度としては社員一人ひとりがビジョン実現に向けて生み出したインパクトの大きさ(Impact)、Fujitsu Wayの大切にする価値観「挑戦」「信頼」「共感」の体現度(Behaviors)、パーパスやビジョンを基にした自身とチームの成長(Learning&Growth)を評価します。
2024年度からは、毎月の1on1ミーティングのうち、3か月に1度の振り返りと未来に向けたアクションについて上司部下間で対話する「Connect Conversations」を全リージョンに導入しています。また、評価の決定と評価結果に基づいた個人のアサインメント・各種成長支援等の検討という一貫したアプローチを実施するための、組織全体の人材にまつわる議論の枠組みである「People discussions」についてもグローバルで考え方を統一しました。評価結果を報酬やアサインメント、スキル向上支援の検討にも活用することで、一貫性のある人材マネジメントを行うことができる仕組みとしています。加えて、2026年度の期初からはグローバル統一のシステム、スケジュールでのConnectプロセスの運用となります。これにより、国やリージョンを越えた、上司部下間の対話のサポートやデータの共有、同じ基準・仕組み・スケジュールでの評価の運用が可能となり、社員のロケーションに関係なく、全社員のより一層の挑戦と成長を後押ししていきます。
(ⅴ)エンゲージメントの向上
当社グループの持続的な成長を測る一つの指標として、2020年度より従業員エンゲージメントを非財務指標に設定し、グローバルIT企業と同等の数値(75ポイント)以上に引き上げることを目標に掲げ、様々な取り組みを推進しています。
社員一人ひとりが、パーパス実現に向けて活き活きと活躍できるよう、年2回のエンゲージメントサーベイを通じて社員の声を集め、組織の風土を「見える化」し、各組織へフィードバックすることで組織活性化に取り組んでいます。
2025年度の従業員エンゲージメントスコアは71ポイントとなり、前年度から3ポイント上昇しました。特に日本国内では5ポイントの改善が見られ、目標達成に向けた確かな進展が確認されています。また、組織別に見ると、約3割の組織が目標である75ポイントをクリアしており、半数以上の組織が70ポイントを超えて目標の一歩手前まで来ています。サーベイ結果及びフリーコメントの分析から、スコア向上の背景として、経営層からの情報発信の質の向上、上司と部下の信頼関係の強化、社員一人ひとりのオーナーシップや自己成長意欲の高まりといった、各組織における主体的な取り組みの広がりが確認されています。
これまでは、タウンホールミーティングやコミュニケーションツール「オープントーク」を活用し、組織のトップとメンバーが率直な対話を行う機会の充実等、対話や信頼を軸とした全社共通のエンゲージメント向上の基盤づくりを進めてきました。そのうえで、2025年度からは、こうした基盤を土台に、サーベイ結果の分析に基づいて各組織固有の課題を可視化し、組織の状況に応じた支援へと取り組みを深化させています。この結果、支援件数は前年より50件増加しました。また、重点的に支援を行った代表的な12組織においては、エンゲージメントスコアが平均で4ポイント向上しました。こうした成果は、当社の研究所が持つテクノロジー(Fujitsu因果AI)やAIを用いた課題可視化ツールを活用し、相関分析だけでは捉えきれなかった課題の根本構造を明らかにすることで、経験や勘に頼らないデータドリブンな改善につなげていることによるものです。加えて、現場起点の改善にとどまらず、制度や仕組みといった職場単位では解決が難しい経営レベルの課題へもアプローチを開始しています。
今後は、こうした取り組みを通じて得られた知見や成功事例を蓄積・展開し、テクノロジーやAIを活用したデータドリブンな改善サイクルをより一層進化させるとともに、全社共通の制度・仕組み・システム等働く環境に関する課題解決にも継続的に取り組み、従業員エンゲージメントのさらなる向上を目指していきます。
(ⅵ)多様性・インクルージョンの推進
当社グループが目指すダイバーシティ&インクルージョンの姿は、Fujitsu Wayを礎とし、「誰もが一体感をもって自分らしく活躍できる、インクルーシブな企業文化」としています。この考え方のもと、社員一人ひとりの多様な経験や専門性、そして多彩な個性と能力、可能性を当社の持続的成長に不可欠な人的資本と捉え、その価値を最大限に引き出すことを通じて、持続的な企業価値向上とイノベーションの創出を実現し、社会に信頼をもたらしていくことを目指しています。
また、当社グループでは、性別を含む属性の違いにかかわらず、社員一人ひとりが異なる価値観や能力を活かし合い、共に挑戦し成長するインクルーシブな組織文化の醸成を重視しています。中でも、非財務指標のKPIの一つとして、リーダーシップレベルにおける女性比率の目標は2030年度で30%と策定し、2025年度末時点では17.5%見込みとなっています。
さらに、具体的な取り組みとして、全社員の意識やマネジメントスタイルの変革を目指すカルチャー変革の取り組み(注3)に加え、戦略的な採用・育成・登用、学び直しの機会拡充、多様なキャリア形成支援等を通じて全社員の活躍を支援する取り組み(注4)を推進しています。加えて、当社が提唱する「Work Life Shift」のもと、多様で柔軟な働き方を進化させるとともに、AIの活用を前提とした働き方への変革も見据えながら、社員のキャリア形成やライフイベントとの両立支援を充実させ、ウェルビーイングの向上を図っています。障がい者に関する取り組みにおいては、特例子会社富士通ハーモニー株式会社が運営するカフェを4拠点に開設する等、障がいのある社員の活躍の場を拡大しています。
こうした取り組みを通じて、社員一人ひとりの挑戦と成長を支え、多彩な知見と力が組織の中で共鳴し、人的資本の価値最大化とウェルビーイングが好循環を生み出し、持続的に実現される企業文化の形成を推進しています。
(注3) カルチャー変革の取り組みの例:グローバルウェルビーイングサーベイ及びエンゲージメントサーベイの分析と活用、マネジメント変革
(注4) 活躍支援の取り組みの例:多様なキャリア・キャリアオーナーシップの支援、メンター制度、コミュニティの充実
(ⅶ)健康経営と労働安全衛生の遵守
当社では、健康に関する評価指標として「生産性向上」「個人・組織活性化」「人材リテンション強化」に関わる指標を設定し、下記5つの重点施策領域において、それぞれの指標を改善・向上させるためにPDCAサイクルを回しながら取り組んでいます。
1.生活習慣病・がん対策 2.メンタルヘルス対策 3.口腔・歯の健康施策
4.ヘルスリテラシー・健康意識向上、生活習慣の改善 5.職場環境の整備
また、安全衛生においては、「富士通グループ労働安全衛生基本方針」をグローバル全体で以下のとおりに定めています。本方針に基づき、各リージョン主導による安全衛生活動を実施するとともに、安全・快適な労働環境の整備と職場風土づくりをグループ一体となって推進し、社員の健康・安全の確保を図っています。
<富士通グループ労働安全衛生基本方針>
●基本理念
富士通グループは、すべての事業活動において心とからだの健康と安全を守り、持続可能な未来の実現に貢献する。
●行動指針
1.各国各地域の労働安全衛生に関する法令・指針・コンプライアンスを遵守し、安全衛生情報の開示および社員の意見を取り入れた安全衛生活動を実施する。
2.安全衛生管理推進体制を継続的に改善し、各国各地域の状況に応じて安全・健康・心理社会的リスクへ配慮した職場環境を維持増進することで、社員一人ひとりのウェルビーイングの実現を目指す。
3.「重大な労働災害ゼロ」および予防可能な業務上の災害によるビジネス機会の損失をゼロにする。
4.職場点検やリスクアセスメント等の実施を通して、危険箇所および健康障害となり得る要因を特定し、優先順位を付けて課題の改善に取り組む。
●本方針の適用範囲
本方針は、富士通グループの全社員に適用されます。また、富士通グループのすべてのお取引先およびパートナーに対しては、富士通グループサステナブル調達指針にて「2. 安全衛生」を制定し、理解と遵守を求めています。
●本方針の承認先
本方針は、CHRO(最高人事責任者)によって承認されました。
(ⅷ)ウェルビーイングの実現
当社グループでは、マテリアリティ(組織が優先して取り組んでいく重要課題)の1つとして「人々のウェルビーイングの向上」を定めています。
当社ではウェルビーイングの定義を「一人ひとりが自らの志を胸に、より良い未来のために挑戦し続けている状態」と定めました。社員一人ひとりのウェルビーイング向上に向けて以下4つのカテゴリにまとめ、カテゴリごとに方針を定めてグローバルで活動を実践しています。
近年、人間の活力、意欲、エネルギーが世界的に低下していることを示唆するHuman Energy Crisisと呼ばれる世界的に静かに進行する異変が問題視されています。OECD(経済協力開発機構)の調査(注5)では、コロナ禍以降、加盟国における主観的ウェルビーイングや社会的つながりが下降リスクの兆候を示しており、将来のウェルビーイングに対する脅威が依然として存在することに言及しています。その一方で当社は今、AI時代を迎え、AI分野における先進的な企業として大きな変革期にあります。
このような時代において、社員一人ひとりが自律的に成長し、内側から湧き上がるような意欲を持って取り組める環境へと変革していくことが不可欠です。そうした背景も踏まえ、2025年度に実施したウェルビーイングサーベイ(注6)の中では「成長」に焦点を当て、新たに「成長意欲」の大きさを成長行動の頻度で問う設問を設けました。分析結果(注7)からは、成長意欲の水準が高い層ほど、ウェルビーイング実感値の平均が高い傾向が明らかになった一方、ウェルビーイング実感値が高くても成長意欲の水準は低、中程度である層も一定数確認できました。これらの結果を受けて、当社では、成長意欲とウェルビーイング実感値の双方が高い状態を目指していくことが重要であると考えています。
(注5)OECD (2024). How’s Life? 2024: Well-being and Resilience in Times of Crisis. OECD Publishing, Paris. https://www.oecd.org/en/publications/how-s-life-2024_90ba854a-en.html
(注6:2025年度ウェルビーイングサーベイ実施概要)
|
目的 |
・社員のウェルビーイング実感値を把握する。 ・サーベイ結果を基に、ウェルビーイング向上のための施策を企画・実行する。 |
|
対象者 |
海外含む全富士通グループ社員に任意調査(有効回答数72,393人※全設問回答者数) |
|
回答期間 |
2025年11月~12月 |
(注7)データ分析範囲は提出会社のみ
(ⅸ)人的資本価値向上とデータ検証
当社は2022年度より、人的資本経営の実践に向けて他社のCHROと協働する「CHRO Roundtable」(注8)を主催しています。人的資本経営の実践において、人材に関する取り組みが企業戦略の実現にどのように関わるかを伝える一貫性のあるストーリー構築の重要性と、その裏づけとなる自社固有のKPIの特定、そして取り組みの推進が不可欠との認識のもと運営しています。2022年度に実施した第1回CHRO Roundtableでは、各社が人的資本経営を検討するにあたっての共通の構想フレームである「人的資本価値向上モデル」を策定し、社外に公開いたしました。各社が人的資本経営を実践するにあたり、自社の施策を当該モデル図に落とし込んで整理していくことで、企業価値向上につながる全体構造を捉えることが可能になります。
2024年から2025年にかけて実施した第3回CHRO Roundtable(注9)では、人的資本経営が事業成長につながる実践フェーズへと移行しつつあるという現状を踏まえ、事業部責任者のパートナーとして、人的な側面から事業戦略の実現をサポートする機能・役割を担うHR Business Partner(以下、「HRBP」)と連携し、データドリブンに組織の課題解決を図る試みに着手しました。本Roundtableでは、HRBPが当該事業部門のDXO(注10)に対して行った実態把握のヒアリングをもとに、「仕事のやりがいや意義、業務の進め方」に関して多くの課題感が存在するということを本質的なテーマ(論点)として特定しました。当該テーマに対し、「Fujitsu Data Intelligence PaaS」を活用した因果分析を実施し、従業員の感じている業務遂行の障壁と密接な関係があることを科学的に特定しました。具体的には、業務の進め方に関する課題が、社員のエンゲージメントにネガティブな影響をもたらす可能性があるとの示唆が得られました。さらに、同分析手法により、業務遂行の障壁の度合いがどのような環境下で影響を受けるのかについて、管理職と非管理職で異なる結果となる示唆を得ました。これらの分析結果とそこから導出される仮説をもとに、HRBPと事業部門が再度深く対話し、組織全体への方針浸透、マネジメント層の意識改革、そして組織の特性や階層ごとのニーズに合わせた具体的な施策の検討に着手しています。
(注8)第1回CHRO Roundtableの概要については、下記リンク先参照
https://info.archives.global.fujitsu/jp/news/2023/04/20.html
(注9)第3回CHRO Roundtableについては、「CHRO Roundtable Report 2025」参照
(下記リンク先よりダウンロード可)
https://global.fujitsu/ja-jp/insight/tl-chro-roundtable-20250728
(注10)DX Officer(各部門のデジタル変革の責任者)
③リスク管理
人的資本を含むリスク管理プロセスは、リスクマネジメント・コンプライアンス体制によるプロセスに組み込まれています。詳細については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」を参照ください。
また、CHROを人事部門の最高責任者として、全社経営・事業戦略とアラインした人材戦略を策定して事業への貢献を確実なものとするため、”経営トップが参画し、次世代経営リーダー候補者の選抜・育成を筆頭に人事・人材育成に関する具体的な課題や方針、施策に関する検討、議論、決定を行う場である「Global Talent Committee」”、”グローバルで一気通貫の人事戦略・施策を促進する「グローバルHR カンファレンス」” において人的資本に関する議論のサイクルを定期的に回すことで、優秀人材の離職や人材獲得競争が激化するリスクにスピーディに対応できる体制を構築しております。
④指標及び目標
組織・人材の活性化の観点において重要とされる、従業員エンゲージメントスコア、女性管理職比率について、それぞれ中長期的に目標を定めマネジメントしております
|
項番 |
指標 |
目標 |
2023年度実績 |
2024年度実績 |
2025年度実績 |
|
(ⅴ) |
従業員エンゲージメントスコア(注1) |
75以上 |
23年度11月時点で69 |
24年度11月時点で68 |
25年度11月時点で71 |
|
(ⅵ) |
管理職に占める女性労働者の割合(注1)(注2) |
26年度 20% |
15.8% |
16.8% |
17.5%(見込み) |
(参考)人事戦略に関する指標
人事戦略の重要なテーマに関する参考指標は、以下のとおりです。
|
項番 |
指標 |
2023年度 実績 |
2024年度 実績 |
2025年度 実績 |
|
(ⅱ) |
新規採用数(注3) |
2,131名 |
1,686名 |
1,187名 |
|
(ⅱ) |
高度専門人材認定者数(内3S認定)(注3) |
143名 (128名) |
178名 (159名) |
212名 (191名) |
|
(ⅱ) |
SAP資格取得件数(注3) |
452件 |
438件 |
379件 |
|
(ⅱ) |
ServiceNow資格取得件数(注3) |
430件 |
1,114件 |
1,424件 |
|
(ⅱ) |
Salesforce資格取得件数(注3) |
950件 |
1,674件 |
1,195件 |
|
(ⅱ) |
AWS資格取得件数(注3) |
2,985件 |
3,016件 |
3,983件 |
|
(ⅱ) |
Microsoft Azure資格取得件数(注3) |
3,100件 |
3,237件 |
3,932件 |
|
(ⅱ) |
新卒入社三年後定着率(注3) |
90% |
90% |
95% |
|
(ⅱ) |
社内ポスティング異動人数(注4) |
2,725名 |
2,826名 |
2,143名 |
|
(ⅱ) |
グローバルポスティング異動人数(注1) |
65名 |
59名 |
50名 |
|
(ⅲ) |
Jobチャレ!!利用者数(注4) |
71名 |
73名 |
79名 |
|
(ⅲ) |
キャリアCafe参加者数(注4) |
7,255名 |
2,849名 |
3,277名 |
|
(ⅲ) |
キャリアオーナーシップ診断(注4) |
11,813名 |
9,979名 |
9,123名 |
|
(ⅲ) |
Udemy Business 利用者割合(注1) |
24.4% |
26.5% |
28.9% |
|
(ⅲ) |
LinkedIn ラーニング 利用者割合 (注1) |
76.6% |
81.1% |
86.3% |
|
(ⅴ) |
1on1平均実施回数(注4) |
1人当たり 年間平均 11.7回実施 |
1人当たり 年間平均12.8回実施 |
1人当たり年間平均11.9回実施 |
(注)1.当社グループ全体の数値
2.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)又は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)における算定方法による算出
3.提出会社のみ
4.日本の連結対象会社のみ