リスク
3【事業等のリスク】
OKIグループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(経営成績等)の状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクには以下のようなものがあります。なお、当該事項は2025年3月31日現在においてOKIグループが判断したものであります。
また、業績に影響を与える要因は、これらに限定されるものではありません。OKIグループはこれらのリスクを認識し、その影響の低減に取り組んでまいります。
(1)世界の政治経済の動向に係るもの
OKIグループの製品に対する需要は、製品を販売している日本国内、海外の各地域の政治経済状況の影響を受けます。
OKIグループの海外市場は米州、欧州、アジア等であり、当該地域における売上は当連結会計年度においては500億円(連結売上高比率11.1%)を占めております。これらの海外市場をはじめとする各地域においてエネルギー不足、物価上昇、サプライチェーンの混乱等が発生した場合、OKIグループ製品への需要縮小や、部品供給不足によるハードウェア製品の製造遅延等が発生し、OKIグループの経営成績等の状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、各国での急激な金融引き締めによる景気後退及びそれに伴う需要の縮小、製品に対する輸入規制、関税政策、世界的に強化されつつある環境規制や各国で施行される情報保護関係等の各地域の法律・規制等の変更により、OKIグループの経営成績等の状況に影響を及ぼす可能性があります。
なお、各事業における海外向け売上については、定期的に売上状況等をモニタリングするとともに、海外各国の政治経済の変動による影響を極力早期に認識するよう努め、また各種規制、法律の動向についても日本本社で把握、対応を行い、さらに売上が個別地域に過度に集中しないようにする等適切な対策が必要であることを認識しております。また、サプライチェーンリスクについては、調達先の拡大や設計変更による代替部材対応等によりその影響の低減を図っております。
(2)カントリーリスクに係るもの
OKIグループは海外に30の子会社を有しており、数多くの販売・生産拠点が存在しております。対象地域は、主な生産・製造拠点としてタイ、ベトナム、また、主な販売拠点として欧州、米国のほか、インド等があります。
それらの国、地域において、感染症等の疾病の蔓延に起因した社会的混乱、生産、物流の停滞等が発生する可能性があり、その影響を受け、原材料部品の調達の支障、生産の遅延等により事業そのものに影響が及ぶ可能性があることを認識しております。
さらには、クーデター・紛争・革命、または、暴動・テロ・自然災害等による社会的混乱、それらに関連して、OKIグループの資産の接収、収用、また、人的・物的被害が発生する可能性があることを認識しております。
そのようなリスクが高まる場合、または、具体的な危機事象が発生した場合は、代替の原材料部品・物流ルートの確保、また、関連する拠点の機能の移管、それらの影響により人財が不足する場合は、補完人員の確保等の代替手段の確保が必要であると考えております。
また、発生した事象を的確に分析し、採算性等から適切な事業運営が継続できないと判断した場合には、撤退も含めた対応の検討が必要であることを認識しております。
(3)外国為替の影響に係るもの
OKIグループは海外での事業展開、主要製品の生産を行っており、日本国内、海外の政治経済の状況に影響を受ける為替変動リスクにさらされております。その結果、OKIグループの経営成績等の状況に影響を及ぼす可能性があります。
しかしながら、外貨建て資産と負債のポジション不均衡に対して、一定の方針に基づき為替予約やマリー取引等によりリスクヘッジを実施しております。さらに、投機的な取引は原則禁止しております。これらにより、OKIグループとして外国為替の影響を極力抑制するよう努めております。
なお、当連結会計年度における具体的に為替レートが1円円安に変動した場合の各通貨が営業利益に与える影響は、ユーロは欧州での利益増により約1億円の良化、米ドルは調達・製造コスト増等により約2億円の悪化となっております。
(4)金融市場・金利変動に係るもの
OKIグループの有利子負債は、金融市場及び金利変動の影響を受けます。現在のOKIグループの長期・短期借入金残高の合計は982億円でありDEレシオは0.7倍となっております。また、当連結会計年度における支払利息は23億円となりました。金融市場、または、OKIグループの信用力の変動等により、借入金利の上昇、資金調達方法の制限等が発生した場合、OKIグループの経営成績等の状況に影響を及ぼす可能性があります。
しかしながら、借入には、金利スワップ取引を行う等さまざまな対策を講じるとともに、健全な借入レベルを維持することで、OKIグループとして金利上昇の影響を極力抑制するよう努めております。
また、株式市場の低迷や資産の運用環境が悪化した場合には、OKIグループが保有する上場株式や年金資産の価値が下落し、評価損の計上や純資産の減少により、OKIグループの経営成績等の状況に影響を及ぼす可能性があります。
保有する上場株式の縮減や年金資産の定期的なポートフォリオの見直しなどによりOKIグループとして金融市場の影響を極力抑制するよう努めております。
(5)法規制に係るもの
OKIグループは事業展開する日本国内、海外の各地域において、事業・投資の許認可、国家安全保障、環境関連法規制、情報保護関連規制、外国貿易及び外国為替法関連規制、競争法関連規制、贈収賄関連規制、経済制裁規制等の理由による輸出入制限、税務制度等といったさまざまな法規制の適用を受けております。
日本国内、海外において、これらの法規制(類似・同種の法規制含む)等を遵守できなかった場合、追加費用が発生し、事業活動に支障をきたす可能性があります。加えて、お客様の信用、社会の負託を失うこととなり、結果としてOKIグループの経営成績等の状況に影響を及ぼす可能性があります。
しかしながら、上記の法規制をはじめとしてOKIグループの事業に密接に関係する各法規制については、OKIグループ内にて法規制の遵守を徹底させるべく、統括する主体となる部署を指定し、社員教育の推進、遵守状況のモニタリング等、全社横断的に法規制の遵守を推進しております。
また、必要に応じ、弁護士、コンサルタント等の専門家並びに専門機関の協力を得て、対策を講じております。
(6)市場の動向・製品・サービスに係るもの
①市場動向・顧客需要の変動に係るリスク
防衛、民間航空、海洋の各事業領域においては、国内防衛予算の増加及び民間航空機市場の成長を背景とした外部市場環境を捉え、生産能力増強のための工場拡大、グループ内での技術者シフト、供給能力の向上に取り組んでおります。
この事業領域においては、地政学的リスクに伴う部材調達遅延、労働者不足による生産遅延等により、契約した製品の供給遅延が生じて、成長機会を捉えきれない可能性が考えられます。
部材調達の懸念に対しては、入手性と原価率とのバランスを考慮しつつも、お客様への製品供給責任を果たすことが重要と考え、内製化できる部分や代替品を採用できる部分を見極めてまいります。労働者不足に対しては、グループ内での技術者のシフトに加え、キャリア採用・新人採用の拡大も図りながら、中長期にわたる技術者の確保に努めております。
現金処理機、ATM、発券端末といったメカトロ製品とそのサービス提供の事業環境においては、少子高齢化・人口減少に伴う労働力不足、キャッシュレス・ペーパーレス等の現物レス化による市場縮小という2つのリスクがあります。
これらのリスクに対しては、環境変化を事業機会と捉え、セルフ化・省人化を実現する商品の品揃えを強化してまいります。さらにパートナーのお客様には組込みが容易なモジュールとして提供してまいります。
また、新規市場として医療分野での人手による作業、監査業務などの支援機器、空港のセルフ化・自動化機器、製造現場における組立支援ツールなど、各種業種における人手不足・労働力不足に対する課題解決をテーマに研究開発投資を行ってまいります。
プリンター、PBXは成熟から減少へ市場が変化しており、この分野は事業の縮小が避けられない状況にあります。プリンターは海外販売比率が高く、海外景況の悪化による販売減少の可能性があります。さらに商品をグローバルに展開する上では、各地域の規制に対応できない場合、市場から受け入れられない可能性があります。
これらのリスクに対してプリンター、PBXは販売力強化、市場シェア維持施策により影響の最小化・残存者利益の最大化を図ってまいります。同時に、残存者利益によって得た利益を積極的に今後成長が期待できる領域へ投資・育成することで、事業全体の規模維持・安定化を進めてまいります。
また、各国の規制情報を素早く把握し製品への適用を進めるとともに、省エネ・省資源といった環境性能を一段と高める製品を提供してまいります。
プリンター事業については、2025年10月から開発・生産に関する事業をエトリア株式会社に統合することを発表しました。当該事業の統合により開発力の強化やコストダウンを図りながら、お客様に付加価値の高い商品を安定して提供できるようエトリア株式会社と協力してまいります。
EMS/DMS事業(設計・製造受託サービス事業)や部品事業、エンジニアリング事業領域におけるリスクとしては、半導体製造装置(フラッシュメモリー関連)やFA・ロボット関連などの市況低迷が継続し、既存のお客様の需要が落込む可能性があります。また、部材・燃料費、人件費の高騰などによる原価圧迫による利益減少により経営成績等の状況に影響を及ぼす可能性があります。
EMS事業におけるビジネスリスクに対しては、市況好調な領域(AI半導体関連等)や海外チャネル拡大に向けたリソース強化によるポートフォリオの多角化に加え、タイムリーな価格転嫁等により収益減少リスクの解消を図り、事業成長を実現してまいります。
②競争激化に係るリスク
技術革新のスピードに追随できない場合や、顧客ニーズの変化に応える技術開発ができない場合には競争力の低下や市場シェアの縮小につながり、経営成績等の状況に影響を及ぼす可能性があります。
「中期経営計画2025」では、技術コンセプト「エッジプラットフォーム」を提唱し、AI・データ技術とコンポーネント技術の強化を重要な柱としていますが、この計画の実行に支障が生じた場合、計画した成長目標の達成が困難になる可能性があります。
また、道路・交通、消防・防災、官公といった社会インフラ事業におけるデジタル化は省エネルギーやCO2削減といった側面で重要な役割を担っております。社会インフラ市場におけるデジタル化の更なる加速に対応するためには、技術の進展と活用が不可欠であります。これらに遅れをとった場合、新領域における事業機会を逸する可能性があります。さらに、お客様のニーズの変化に迅速に対応できなかった場合、計画通りにビジネスを獲得できない可能性も考えられます。
対応策としては、研究開発への積極的な投資により、新製品や新サービス、革新的な技術開発を進め、競争優位性を高めるとともに、新たなビジネスチャンスを捉え事業拡大につなげてまいります。
③サプライチェーンに係るリスク
社会インフラ市場、及びキャリアネットワークを中心とする通信インフラ市場は、次世代社会インフラや次世代ネットワークなどへ大きく変化・発展していくものと予想されます。
この領域での主要なリスクとしては、世界的に需要が増加しているサーバー機器、半導体、光ファイバー、IoT機器などの製品や部材の供給不足や価格変動、過去に販売した製品の品質に関するトラブル、案件失注などによる売上・利益の減少が挙げられます。
これらのリスクに対応するため、主要製品や部品の調達先の多様化を進めるとともに、内製化を推進し、国内外のサプライチェーン環境の変化に対応する力を強化してまいります。また、開発製品の省電力化、クラウド化によるサーバーやストレージ機器共有の合理化を通じて、省電力化への貢献にも取り組んでまいります
メカトロ製品、プリンター、PBX、各種IoT製品は、部品・原材料についてサプライヤーと連携し安定調達に努めておりますが、天災や事故等によりサプライヤーの生産活動が停止した場合には、部品・原材料の調達に困難が生じる可能性があります。これに加えて、外国の関税政策の変更等により、輸入部品・原材料の価格上昇やサプライヤーからの供給そのものに支障が生じる可能性があります。サプライヤーの生産・供給能力に支障が生じる場合、部品・原材料の調達が困難となり、製造プロセスや納期に遅れが生じることが懸念されます。これらの事態が発生した場合、生産に影響が生じる可能性があります。
これらの部品・原材料の調達リスクに対し、サプライヤーとの連携を強化し調達課題を検知した際は影響の極小化に向けて代替部材の採用を促進する体制を組んでおります。
④新規事業に係るリスク
OKIは、イノベーション戦略2025において「物流」「ヘルスケア・医療」「高度遠隔運用」「CFB(Crystal Film Bondingの略)」の4領域をイノベーション注力領域と位置付け、パートナー各社との共創により市場参入を目指しています。
新規事業におけるリスクとしては、研究・開発投資が市場のニーズに合致せず想定ユーザー数を獲得することができない可能性や、開発遅延、品質問題等の発生により、ビジネス機会の逸失や売上が想定を下回る可能性があります。これらに対してはリスクに応じて技術開発の軌道修正、パートナー戦略の見直し等によりリスクを回避してまいります。
(7)調達に係るもの
国内外での自然災害・紛争・テロ等や調達先の事業方針転換等の不測の事態が発生することによる資材調達不足、それらの影響を受けてOKIグループ自体の工場稼働率が低下した場合、OKIグループの経営成績等の状況に影響を及ぼす可能性があります。また、サプライチェーンにおける人権侵害の発生も調達先の操業に影響を与え、資材調達の不足や遅延が生じる可能性があります。
OKIグループでは特定の製品、部品や材料を複数の調達先より調達する仕組みをとっております。資材不足、生産設備の非稼働が余儀なくされる場合は、資材調達先の代替確保、代替生産設備の確保や適切な在庫管理等に尽力する体制を構築しております。また、調達先へのサステナブル調査の実施等により、人権侵害等のリスクについても配慮した取組みを進めてまいります。
これらによりOKIグループとして調達に係るリスクの影響を極力抑制するように努めております。
(8)重要な特許知的財産関連契約及び技術援助契約に係るもの
OKIグループは、日本国内、海外の複数の企業との間で知的財産関連契約または技術援助契約を締結しております。これらの契約が適正に遂行されない場合の他、不公平な内容で契約が締結された場合、また、その知的財産、援助技術が適正に活用されない場合には、OKIグループの関連する日本国内、海外の事業に影響を及ぼす可能性があります。
なお、OKIグループの製品・サービスには、OKIグループ独自の技術を効果的に活用し、多方面にわたり、その性能に反映させております。他方で、他者の知的財産を尊重すると共に、OKIグループの製品・サービスに許可なく実施することのないように侵害予防調査を実施しております。
また、関連する契約に関しては、社内の知的財産及び法務に関連する専門部署による内容の精査等を実施しております。あわせて専門人財の育成、配置や経験豊富かつ知見ある国内外の弁護士との連携を積極的に行っております。
(9)品質に係るもの
OKIグループは、国内外の生産拠点及び生産委託先において厳格な品質管理を実施し、製品・サービスの品質向上に努めております。しかしながら、品質責任が十分に担保されない場合、その欠陥によりリコール対応費用やお客様への賠償責任が発生する可能性があります。さらに、欠陥への対応に多額の対策費用を必要とするほか、問題が企業ブランドや製品ブランドを損なうことで顧客の信頼を失い、OKIグループの経営に影響を及ぼす可能性があります。
こうしたリスクを抑制するために、OKIグループでは「品質理念」に基づき、事業ごとに品質責任と権限を定め、各事業の特性に応じた品質マネジメントシステムを構築しております。商品の企画から製造・保守・運用に至るまで、すべての業務プロセスにおいて品質向上を追求し、継続的な改善に努めております。
また、品質問題に関係する情報はグループ全体で一元管理され、適時かつ適切に関連部門と共有される体制を整備しております。これにより迅速な対応を可能とし、品質問題の早期解決につなげております。
特に安全性の確保については、法令遵守を基本としつつ、OKIグループが掲げる「商品安全基本方針」に基づき、安全・安心の確保に取り組んでおります。
さらに、品質不正の防止に向けた取り組みとして、教育・品質アンケート・現場調査などの施策を実施し、現場レベルでの運用徹底を図っております。これらの施策を通じ、OKIグループとして品質に関するリスクの影響を可能な限り抑えるための努力を継続しております。
(10)M&A、アライアンスに係るもの
OKIグループは、業容拡大、経営の効率化等を目的に、研究開発、製造、販売等、多岐にわたり他社とのアライアンス、事業買収、関係会社の統合等を国内、海外で適宜推進しております。これらの活動はグループの事業ポートフォリオ強化にとって有効な手段であると考えております。双方が有する技術、お客様基盤、人財等経営資源の有効活用につながり、持続的な事業成長の機会に直結するものと認識しております。
しかしながら、経営戦略、製品・技術開発、資金調達等について相手先と当初想定した協力関係が維持できない場合や、不公平な内容の契約締結、関連契約の相手先による一方的な反故、契約違反等が発生した場合、また、M&A、アライアンスにより参入を計画した市場において、当初想定した市場の開拓がなされない場合は、OKIグループの経営成績等の状況に影響を及ぼす可能性があります。
その対策として相手先との取引開始時には、先方についての信用調査、コンサルタントの活用、また、各種の契約締結時には、社内の知的財産、及び法務に関連する専門部署による内容の精査、市場調査等を実施し、M&A及びアライアンスに関するリスクの影響を極力抑制するよう努めております。
(11)環境保全に係るもの
OKIグループでは、生産活動において、大気・水質・土壌汚染等の原因となりうる化学物質等を使用・排出する工場があります。また、工場やオフィスにおける電力等のエネルギーの使用やお客様による製品使用を通じて間接的にCO2を排出しております。
気候変動に伴う社会変動リスク(移行リスク)としては、投資家やお客様等から、再生可能エネルギーの導入等による温室効果ガスの排出量の抑制等への要求が急速に高まりつつあり、こうした要求に応えられない場合や、OKIが得意とするIoT、AI、制御等の技術を気候変動に伴うビジネス機会に活かせない場合には、販売機会の逸失等につながる可能性があるものと考えられます。
OKIグループでは当該リスクを低減するために、ISO14001統合認証を取得し、環境法規制等の遵守、環境負荷の低減活動、環境関連データの監視、再生可能エネルギーの導入検討のほか環境貢献売上高の拡大等を推進しております。
これらの活動により、OKIグループに関連する環境リスクは限定的と考えております。
(12)情報セキュリティに係るもの
OKIグループでは、業務において多種多様なコンピューターシステムを利用、運用しております。システムの利用、運用については、適切な使用、システムトラブルの回避、情報の社外漏洩の防止等を実施すべく、各種マニュアル類の制定、システム機器の適切な取扱いの励行、情報の暗号化、多要素認証導入等、多方面にわたり様々な対応を行っております。
しかしながら、防御策を講じてもなお外部からのサイバー攻撃、コンピューターウイルスの感染、システム機器の不適切な取扱等により、システムの停止、データの紛失・改ざんや個人情報、機密情報といった情報漏洩の発生等の可能性があること、及びそれらの事象発生による企業価値やブランドの毀損、信用低下などのレピュテーションリスクを招く可能性があることを認識しております。
特に企業を狙ったサイバー攻撃が多発しておりますが、OKIグループにおいても、過去に海外子会社のサーバーを経由して第三者による日本のファイルサーバーへの不正アクセスを受けました。この事案を受け、OKIグループではエンドポイント・セキュリティツールの全端末への導入及び24時間365日の監視体制の構築等により対策を強化しております。
OKIグループでは、このような事態を極力抑制するため、社員教育の徹底、システムの運用状況のモニタリング、情報セキュリティの推進体制の整備を継続、推進しております。特に新たに認識した課題については、是正並びに強化策の対応を推進しております。
また、サプライチェーン全体における情報セキュリティレベルの向上を目指し、重要な秘密情報を取り扱うお取引先を対象に、情報セキュリティ施策に関する取り組み状況の確認を継続的に実施しています。この取り組みでは、OKIが作成したチェックリストを基にお取引先がセルフチェックを実施し、その結果を独自の評価指標で点数化しています。この取り組みを通じて、OKIとお取引先が課題を共有し、問題点の改善に向け、対策を進めています。
(13)人財に係るもの
OKIグループが、社会やお客様のニーズを理解し、最適な商品・サービスを提供し続けるために、経営から現場まであらゆる領域で多様性を持ちながら適材を確保し、一人ひとりが十分に力を発揮する必要があります。また、年齢構成に起因して今後離脱が増える可能性もあります。加えて、特に、ニーズを理解しDXにつなげていける人財、グローバルに活躍できる人財、競争力あるモノづくりを実現する人財等は労働市場での獲得競争が激しさを増すことが想定されております。
こうした背景のなか、離脱者の補完や事業計画で必要としている人財の確保ができない場合、今後のOKIグループの中長期的な事業推進に影響を及ぼす可能性があります。
OKIグループでは、質・量ともに十分な人財を確保するために、採用方法の見直し・強化、種々の採用形態・チャネル開拓等を推進しております。また、特に若手・中堅社員には、自らの意思で成長の場を獲得できる機会を増やしていくことで成長を促し、会社全体の人財の質を高め、事業場間の人員シフトやシニア人財の活用にもつなげてまいります。
さらに、多様な人財が自分らしく安心・安全に働くことができるよう、育休サポート報奨金制度の導入等、仕事とプライベートの両立支援制度などの拡充、社員の健康と安全の実現に向けた各種取り組みを推進しております。
(14)人権に係るもの
OKIグループでは、事業活動を行う国や地域における法規制を遵守しつつ、国際的な人権の原則の尊重に取り組んでおります。しかしながら、予期せぬ事態によりOKIグループで差別やハラスメント等の人権問題が発生した場合、行政罰や顧客との取引停止の可能性に加え、OKIグループの社会的信頼の失墜や企業価値を低下させるリスク等があり、事業活動全般に影響を与えるとともに、経営成績等の状況に影響を及ぼす可能性があります。
OKIグループは、「国連グローバル・コンパクト」の署名企業として、「国際人権章典」、「労働における基本的原則及び権利に関する国際労働機関(ILO)宣言」などの人権に関わる国際規範を尊重し、国連「ビジネスと人権に関する指導原則(UNGP)」に基づいた取り組みを推進しております。こうした考え方について、グループのすべての役員・社員、そしてOKIグループの事業、製品やサービスに直接関わるサプライヤーその他の関係者にも理解を得るため、UNGPを踏まえた「OKIグループ人権方針」を制定し、調達先に対しては「OKIグループサステナブル調達ガイドライン」に基づいた人権、労働などの取り組みに関する調査を計画的に実施する等、人権デュー・ディリジェンスの取り組みや、社内浸透のための教育にも力を入れております。
配当政策
3【配当政策】
当社は、株主の皆様に対する利益還元は経営の最重要施策の一つとして位置づけております。
配当については、安定的な配当の継続を基本としながら、業績及び将来の成長に不可欠な投資(設備投資、研究開発投資、人的資本投資)を踏まえたキャッシュ・フローの状況、内部留保の水準を総合的に勘案した上で配当金額を決定することとしております。今後とも財務基盤の強化を図りつつ、株主利益の増大に努めます。
なお、当社は会社法第454条第5項に規定する中間配当をすることができる旨を定款に定めており、剰余金の配当の決定機関は、期末配当につきましては株主総会、中間配当につきましては取締役会であります。
また、当社は連結配当規制適用会社であります。
当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
株式の種類 |
配当金の総額(百万円) |
1株当たり配当額(円) |
|
2025年6月25日 |
定時株主総会決議 (予定) |
普通株式 |
3,901 |
45.00 |