人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数1,431名(単体) 183,685名(連結)
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平均年齢44.1歳(単体)
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平均勤続年数18.6年(単体)
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平均年収9,880,585円(単体)
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平均年収の
対前年増減率3.0%(単体)
従業員の状況
人材戦略に関する基本方針等
(1)【人材戦略に関する基本方針等】
当社グループの創業者 松下幸之助は、「物をつくる前に人をつくる」という考えのもと、人を育て、人を活かすことに重きを置いた経営を進めてきました。その根底には「人間はダイヤモンドの原石であり、磨き方次第で異なる輝きを放つ」という思想があります。この考え方は、人の能力は固定するものではなく、経験や挑戦を通じて成長し続けることができるという、いわゆるグロースマインドセットの考え方に通じるものです。
私たちはそのDNAを受け継ぎ、経営基本方針という揺るぎない経営の軸の下で、社会からお預かりした大切な資本である人が活きる人的資本経営を実践します。
(ⅰ)人的資本経営の目指す姿
当社グループは「物と心が共に豊かな理想の社会」という使命達成に向け、その時代ごとの様々な社会課題に向き合ってまいりました。2032年に向けては、「エネルギーの有効活用」と「現場労働力不足の解消」の社会課題に向き合ってまいります。そして2028年度には、AIインフラを支える事業がけん引して調整後営業利益で7,500億円以上を達成し、2029年度以降は社会オペレーションを支える事業での更なるグループの成長を目指します。
この目標を達成するために、私たちは社員一人ひとりのポテンシャルをUNLOCK(解放)し、最大限発揮し成長できる会社を目指しています。これは前述した経営基本方針を高いレベルで実践している状態に他なりません。この実現に向けた進捗を可視化する独自の「UNLOCK指標」を設定し、グローバル60%(2028年度)を目標として掲げています。
(ⅱ)人材と組織に関する課題
(a) 高い競争力を有する強靭な人材ポートフォリオの実現
2025年度は他社と比較して高い水準であった固定費構造改革をグループの成長に向けた大きな課題と位置づけました。後述する人員の適正化等を通じて経営体質の強化を図りましたが、変化の激しい事業環境において今後も継続的にリーンな経営体質を維持・強化する必要があります。その上で、成長戦略の実現に向けては次のような人材ポートフォリオの変革も必要です。
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ソリューション領域 |
社会オペレーションを支える事業において労働力不足やエネルギー問題を課題とするビジネスのお客様に対し、持続的な価値創出を図ることが求められるため、ソリューションを提供できる人材の確保が不可欠 |
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デバイス領域 |
業界の進化を先読みした商品提案を行うことで、AIインフラに関連するお客様に貢献することが求められるため、高度な材料・プロセス技術をもつ人材の確保が不可欠 |
(b) 一人ひとりのポテンシャルを最大限発揮できる組織の実現
必要なポテンシャルをもつ人材を確保しても、それを最大限発揮できる環境がなければ事業の成長に活かすことができません。当社グループでは、毎年グローバル約15万人の社員を対象に従業員意識調査を実施しています。2024年度まで特に重視してきたのは、「社員エンゲージメント」(自発的な貢献意欲)と「社員を活かす環境」(適材適所、働きやすい環 境)に関する設問群です。肯定回答率は継続的に上昇傾向にありましたが、計9つの設問のうち「会社や上司により挑戦意欲が高まる」と「挑戦への阻害要因がない」という項目についてはスコアが低迷していました。
これは、社員一人ひとりのポテンシャルをUNLOCK(解放)し、最大限発揮し成長できる会社に向けた重要な課題です。そこで、これら2問がともに肯定回答の割合をUNLOCK指標とし、関連するその他5設問のスコアとともにモニタリングしながら向上を図っています。
当社グループの課題については当社ウェブサイトに掲載していますのでご参照ください。
https://holdings.panasonic/jp/corporate/sustainability/human-capital-management/infographic.html
(ⅲ)変革アクション(注)1
(a)人材ポートフォリオ変革
2025年度はグループ経営改革の一環として約12,000人の人員適正化を実施しました。今後はこれを成長領域への再配置及び必要ケイパビリティ獲得を含む長期の競争力強化につなげていきます。リーンな経営体質を維持・強化していくために、生成AIなどのデータ・テクノロジーも駆使した生産性の高い業務プロセスを構築すると同時に、事業会社ごとに設定した人員・人件費及び事業特性に応じた生産性指標の計画を、事業CEOも参加する経営会議であるGroup Transformation Round Tableにてモニタリングしながら厳格管理を実施していきます。
合わせて、人材ポートフォリオの変革も必要であると認識し、成長戦略に必要なケイパビリティを定義し、社員の保有スキル・経験の可視化を進めています。これにより人材ポートフォリオの目指す姿と現状のギャップを特定し、採用・育成(リスキリング)・配置転換・外部連携等の手段を組み合わせて計画的に解消していきます。
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ソリューション領域 |
ソリューションデリバリスキル獲得プログラム等の実行による前述したソリューション関連人材プールを形成 |
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デバイス領域 |
前述した高度な材料・プロセス技術をもつ人材のスキル強化とともに、柔軟なリソースアロケーションを通じた生産体制の強靭化に注力 |
(b)未来を創る変革型リーダーの開発・登用
グループの持続的な事業成長を実現するには、質の高い意思決定が欠かせません。そのためには変革型リーダーの育成と登用が不可欠です。当社グループは、経営ポストの後継者育成において、「Panasonic Leadership Principles(PLP)」のリーダーシップ行動に加え、多様な経験(事業経営、日本以外の拠点の経営、ビジネス創出など)や知見とスキル(意思決定・判断力、戦略立案・実行力など)を重視しています。
そして、こうしたリーダーを継続的に育成するため、「グループの全重要ポストの人材要件とサクセッションプランの策定」、「中長期かつ意図的な後継者の見出し・育成・モニタリング」を推進しています。ここで重要な役割を果たすのが、グループタレントマネジメントコミッティです。これは事業会社社長やPHD執行役員が後継者育成についてグループ&グローバル最適視点で議論し意思決定する機関です。
2025年度の成果と今後の取り組みは次のとおりです。
<強い経営チームづくり>
2025年度は継続して変革型リーダーによる強い経営チームづくりを進めてきました。2026年4月にはパナソニック コネクトグループCEOのKen Sain氏を事業CEOとしてPHD執行役員に迎えるなど、PHDの経営チーム(執行役員体制)は合計20人のうち、キャリア入社9人、女性4人、日本以外の国籍2人で多様性比率は55%(重複除く)となりました。今後も多様性比率50%以上を確保し強い経営チームづくりを推進していきます。
<後継者育成の仕組みづくり>
2025年度は後継者育成の実効性をさらに高めるため9ブロックの活用による人材可視化を強化しました。これは候補者を「パフォーマンス」と「バリュー(PLPに基づくリーダーシップ行動の発揮度)」の二軸で評価し、それぞれ3段階で計 9つのブロックに分類し可視化するものです。
継続的な取り組みの結果、2025年度には変革型リーダーの早期見出しと育成を加速させています。ただし、現時点では40歳代で登用された事業部長比率は35%に留まっており、今後、40歳代に登用された事業部長の比率(北米地域は対象外)を2028年度までに60%とすることを目標に、後継者候補に対するタフアサインメントを計画的に実行していきます。
<後継者のキャリアづくり>
2025年度は候補者本人のアスピレーション(志向・なりたい姿)を踏まえた成長支援としてオンボーディングや経営者との接点づくりに取り組みました。
今後はさらに、独自に開発した「パナソニック・トライアングル・ポテンシャルモデル」(注)2を活用し、特に「人を活かす」及び「違いを強みとして活かす」という行動特性を持つ変革型リーダーの育成を図っていきます。
後継者の準備状況
事業会社社長、分社社長、PHD執行役員の後継者の内、即時任命が可能な人材、5年以内に任命可能な人材及び10年以内に任命可能な人材の人数は次のとおりです。なお、2025年度は再編後の事業ポートフォリオを踏まえて後継者の人数を見直しました。
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2023年度 |
2024年度 |
2025年度 |
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即時任命可能 |
25人 |
24人 |
24人 |
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5年以内に任命可能 |
34人 |
35人 |
29人 |
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10年以内に任命可能 |
70人 |
66人 |
48人 |
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計 |
129人 |
125人 |
101人 |
(c)組織カルチャー変革
組織カルチャーは、事業の成果を最大化するために意図的にデザインすることが重要です。 そこでOrganization Performance Modelというフレームワークを活用してグループとしての 「組織デザイン:6つの原則」を作成し、組織カルチャーのありたい姿を明確化しています。6つの原則は互いに連動し、整合してこそ機能します。
一方で、100の組織があれば100の組織デザインがあります。上記の原則のもと、事業部長やBU長等の経営責任者が現場の組織カルチャーを変革しています。2025年度は主に経営責任者を対象に組織カルチャー変革に関わる事例共有やスキル習得等のためのプログラムを開催し、延べ564人が参加しました。
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取り組み |
概要 |
延べ参加人数 |
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グループ経営研究会 |
組織カルチャー変革の社内外の好事例研究 |
343人 |
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組織カルチャー変革 プログラム |
組織カルチャー変革の事例共有とスキル習得ワークショップ |
108人 |
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レジリエンスプログラム |
医学・心理学的知見をもとに、個人のパフォーマンス、逆境を自身と組織の成長に転換する知性、多様性を活かす知性の向上を目指す研修 |
113人 |
またグループ横断組織カルチャー変革コミュニティも立ち上がり、各事業会社から選抜されたメンバーが経営責任者の変革をサポートしています。
こうした取り組みを経て、さまざまな経営責任者が組織カルチャー変革をリードし、成果を生み出しました。例えばパナソニック㈱のIHクッキングヒーターSBUでは、意思決定スピードを上げて現場の実行力を高めることを狙い、縦割り組織の解消や毎日のミニ経営会議を通じて即断即決などに取り組みました。
また、パナソニック コネクト㈱のアビオニクスBUでは、HAPPY COLLEAGUES(社員の幸せ)を掲げ、タイムリーかつ共感を重視した戦略発信や手挙げによる挑戦の機会の創出などに取り組みました。
いずれもUNLOCK指標や関連する設問のスコアが大幅に向上すると同時に、生産・開発のリードタイムや在庫など事業経営に直結する指標が改善し成果につながっています。
<AIの利活用を促進する組織カルチャー>
前述のパナソニックグループの「組織デザイン:6つの原則」の一つに、「テクノロジーを徹底活用し、業務効率を向上し続ける」という原則があります。DX を軸に企業変革を進める「Panasonic Transformation(PX)」と連動し、グローバル各地域で取り組みを展開しています。
日本の取り組み
当社グループのAI基盤を活用しながら、職場でのAI利活用を推進しています。毎年日本地域の社員を対象に実施しているアンケート調査では2025年度における生成AIの業務での利用率は66%(対象者約7万人、回答率57%)で、対前年比+29%でした。今後も継続して組織カルチャーに関わる取り組みを推進し、さらなるAI利活用の促進を図っていきます。
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取り組み |
概要 |
実績 |
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PXアンバサダー |
自ら手を挙げた社員がアンバサダーとなり、職場からのリクエストに応じて、グループの現場課題の解決を支援 |
2025年度は62人のアンバサダーが活動し、現地訪問や、Teamsを中心としたオンラインの支援体制で計386件の現場課題を解決 |
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現場PXコンテスト |
生成AI等を活用した現場の先進事例を募集し、表彰する制度(審査はグループCEOや社外有識者が務める) |
2025年度は272件の応募テーマの中から、上位3件を表彰 <受賞例>パナソニック エレクトリックワークス㈱におけ るデータドリブンのチーム経営による営業モデル構築。 年間約5万時間の業務削減と、最大約21億円の粗利改善 の効果を創出 |
中国の取り組み
中国地域独自のAI基盤「OoKoO」を構築し、カルチャー醸成、業務へのAI活用、AIプラットフォーム構築及びガバナンス体制構築を一体的に推進しています。2025年度のOoKoOの利用者は8,500人、利用回数延べ292万回に至り、約73万時間の業務工数が削減されました。組織カルチャー醸成に関わる取り組みは次のとおりです。
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取り組み |
概要 |
実績 |
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AI推進アンバサダー |
現場の課題の解決するためAI推進アンバサダーが活用を推進 |
2025年度は70人のアンバサダーが活動し計32回のワークショップを開催し現場を支援 |
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AI教育プラットフォーム |
AI教育ツールを開発し中国のグループ社員に展開 |
2025年度は53社6,400人に展開。学習時間は延べ58,032時間 |
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AIコンテスト |
AIの取り組み事例を募集し優れた取り組みを表彰 |
2025年度は合計3回のコンテストを実施。 ・在華法人コンテスト1回/年:15社23テーマ、6社授賞 ・全社員コンテスト2回/年: 1回目:1,474人参加、受賞者134人 2回目:1,133人参加、受賞者86人 |
当社グループの組織カルチャー変革の取り組みは当社ウェブサイトに掲載していますのでご参照ください。
(d)DEI(Diversity, Equity & Inclusion)の推進(日本地域)
当社グループは、属性に関わらず一人ひとりの違いを強みとして活かす衆知経営の実現に向けて、Panasonic Group DEI Policy に基づき、DEIを推進しています。推進にあたっては、グループCEOがチェアパーソンを務め、各事業会社社長と社員が参加する「グループDEI推進委員会」を設け、各社独自の取り組み事例の共有に加え、グループ横断での主要なアクションを決定し、推進しています。(グループ各社は、各国・地域の法令を踏まえ具体的な取り組みを推進します)
なお、DEIは、社員のポテンシャルを解放し、事業成長と社会へのお役立ちを果たす「組織カルチャー変革」に必要不可欠なものと位置づけています。
DEI推進は多様な人材がそれぞれの力を発揮できる環境づくりにつながっています。例えば近年はグループのキャリア入社者の活躍が顕著です。2026年4月ではキャリア入社者が日本地域の社員に占める割合は24.6%(対2023年度比2.1%増)、管理職に占める同社員の割合も22.8%(対2023年度比5.6%増)となりました。これは多様な人材が活躍し意思決定に関わる機会が増加していることを示しています。
<ジェンダー平等>
性別による能力の差はないにもかかわらず、日本地域では当社グループの管理職に占める女性の割合が低い現状があります。これを日本地域において衆知経営を進める上での重要課題と位置づけ、女性管理職比率を重要指標の一つとしています。2031年に女性管理職比率を16%とすることを目標に取り組みを強化しています。
女性管理職比率の推移(単位:%)
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年度 |
2017 |
2018 |
2019 |
2020 |
2021 |
2022 |
2023 |
2024 |
2025 |
2026 |
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女性管理職比率 |
3.4 |
3.6 |
4.1 |
4.5 |
4.8 |
5.4 |
6.1 |
7.0 |
7.9 |
8.3 |
対象:日本地域(PHD,PEX(注)3,PCO及びその他事業会社)
当社グループの多様な働き方を含むDEIの取り組みは当社ウェブサイトに掲載していますのでご参照ください。
https://holdings.panasonic/jp/corporate/sustainability/diversity-equity-inclusion.html
(e)人事機能変革(AI利活用)
当社グループは企業変革プログラムである“PX:Panasonic Transformation”を通じて、デジタルを駆使し、長期的で持続的な成長をもたらす経営基盤の強化を進めています。
人事領域においては、人事データや生成AIを駆使して、すべての社員の体験価値を向上させるとともに、組織責任者の組織・人材マネジメントの高度化・効率化と人事機能の生産性向上を図っています。2025年度の新たな人事領域のAI利活用の取り組みは次のとおりです。
日本の取り組み
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取り組み |
概要 |
実績 |
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人事オペレーション業務の効率化(出向手続き) |
日本国内外の関係会社への出向に関し、出向先の制度調査や会社間の出向条件調整等の業務を複数のAIエージェントによって大幅に効率化 |
実証実験の結果、グループ内出向者(日本)約1,600人の出向関連業務の工数を年間約1,350時間削減可能となると試算。2026年上期の実運用開始に向け準備中 |
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幹部候補のCareer Development Plan作成 |
後継者候補が今後経験すべきポスト案を当社グループの後継者育成の考え方や過去のCareer Development Plan、個人の職務経歴などの情報をもとにAIが作成 |
対象者一人ひとりの強みやキャリア志向等に応じた質の高いCareer Development Planを提示することで個別の作成工数を削減できることを確認。2026年上期の実運用開始に向け準備中 |
北米の取り組み
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取り組み |
概要 |
実績 |
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PEXNA社におけるAIリテラシーと組織能力の向上施策 |
人事、法務、IT、マーケティング等の部門横断チームによる全社員のAI学習体験の推進 |
AIツールの業務利用率は96%に達し、中上級者の割合も66%(対前年+18%)に増加 |
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出向者人事サポートの迅速化・効率化 |
北米地域の出向者に対する生成AIチャットボットの開発・導入によるサポートの実施 |
導入後3ヶ月間で、約450人の出向者からの定型的問い合わせ約700件に対してAIが対応 |
このように人事機能の貢献領域においてデータ・テクノロジーの活用を進めることで、人事社員1FTE(注)4の社員数や、人事社員が「人事戦略や組織・人材開発の領域」を担当する割合をグローバル先進企業の水準に引き上げていきます。
人事機能の生産性向上に関する指標
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指標 |
2024年度 |
2025年度 |
2030年度(目標) |
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全社員に占める人事社員1FTE当たりの社員数 |
43人 |
44人 |
75人 |
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人事社員の戦略・専門業務比率 |
42% |
52% |
65% |
対象:日本地域(PHD,PEX,PCO及びその他事業会社)
当社グループの人事機能のAI活用の取り組みは当社ウェブサイトに掲載していますのでご参照ください。
(f)安全・安心・健康の取り組み
安全・コンプライアンスは事業運営の大前提です。労働安全衛生については、重篤・重大災害の撲滅に向けて、設備安全基準に基づく安全対策を推進。過去の重篤災害事例の分析結果を踏まえた災害の未然防止活動を展開するとともに、法令順守を基軸とした勉強会を16拠点で実施し、安全確保の徹底を図っています。また、衛生管理については化学物質管理基準に基づき、化学物質の自律的管理を推進するとともに、リスクアセスメント結果に基づくばく露低減対策を図っています。
健康な職場づくりについては、一人ひとりが心身ともに健康で、安全に安心して働くことができる職場環境の実現に向け、グループ全体に健康投資を強化する方針を発信しています。日本地域においては受動喫煙の防止を目的に2029年3月末までにグループ国内全事業場における敷地内禁煙の完了を目指し計画的に進めています。また、管理監督者向けにメンタルヘルスeラーニング研修を実施し96%が受講しました。
労働組合、健康保険組合が一体となった「健康パナソニック活動」に加え、各事業会社独自の取り組みも進んでおり、経済産業省が推進する「健康経営優良法人」認定制度において、2026年3月時点で全ての事業会社が健康経営優良法人として認定されました。さらに、ホワイト500(注)5には3社の事業会社が認定されています。
さらに、コンプライアンス遵守においては、あらためて社員自らの関わる事業・地域に関する法規制についての教 育を実施しています。加えて、グローバルホットライン「EARS」等を活用し、問題の早期発見・未然防止について周 知徹底を図ると同時に、あらゆるハラスメントの根絶に向けた教育・啓発活動を推進しており、日本地域ではグループ全従業員約9万人を対象にしたハラスメント防止研修を2023年度より毎年実施しています。2025年はどのような行為がハラスメントになるかを改めて教育しました。
(ⅳ)指標及び目標(注)6
当社グループの人的資本の取り組みを説明する上で中核となる指標として、基盤マテリアリティである「多様な人材・組織のポテンシャルの最大発揮」に紐づく指標(UNLOCK指標、経営チームにおける多様性比率、女性管理職比率、重篤災害・重大災害の発生、生産性指標)を設定しています。
これらの指標を用いて、前述のグループタレントマネジメントコミッティやグループDEI推進委員会等の会議体にて人材戦略の進捗を継続的にモニタリングするとともに、第2事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)ガバナンスに記載の体制の下で取締役会等が適切に監督しています。
中核となる指標の詳細(実績・目標・定義・算定方法)については前述の第2事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (4)戦略、指標及び目標、<マテリアリティ一覧>をご参照ください。
(ⅴ)給与等の決定方針
(a)基本的な考え方
当社グループは、社員の給与・報酬を重要な人的資本投資と位置づけ、事業成長の源泉は人材であるとの認識のもと、「優秀人材の獲得・定着」「社員の挑戦意欲と成果創出の最大化」「持続的な企業価値向上」の好循環を実現することを基本的な考え方としています。この考え方に基づき、グループ共通の報酬ポリシー・ガイドラインを踏まえ、事業戦略及び人材戦略と整合した形で給与・報酬制度を設計・運用するとともに、成果や役割に応じた公平・納得性のある処遇を行うことを重視しています。
(b)給与体系の概要
給与体系は主として月例賃金としての基本給及び手当と、半期に一度支給するインセンティブとしての賞与で構成されます。
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基本給 |
・本人の役割や保有するスキル等に応じて適用される役割等級ごとに報酬レンジを設定 ・目標達成度を測る実績評価と行動指針に基づく行動評価からなる総合評価を反映 |
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手当 |
・超勤手当(所定労働時間外の労働に対する手当) ・職務加給(特殊作業や特定の勤務条件に対して支給) ・その他通勤手当等 |
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賞与 |
・会社業績を反映した賞与原資をもとに、個人の実績評価に応じて支給 ・評価間の差を明確にし、挑戦と成果に報いる設計 |
(c)給与水準の決定プロセス
グローバルで信頼性の高い報酬サーベイを活用して等級別・職務別に市場水準を把握すると同時に、以下の観点を踏まえ、業界水準を踏まえた競争力のある水準に設定することに努めています。
・会社業績や物価動向等を踏まえた総合判断の実施
・評価プロセスや処遇決定に関し、経営層・労働組合・社員への丁寧な説明と対話を通じた透明性の高い運用
(注)1 変革アクション:DEIや多様性に関する記載は、主としてPHD及び日本を含む一部地域に関する方針、施策及び指標等を示すものであり、米国地域における雇用上の取扱いを対象としない。米国地域における雇用上の取扱いは、適用法令その他の要件に従って運用される
2 パナソニック・トライアングル・ポテンシャルモデル:パフォーマンスの発揮に加えて、「人を活かす」変革型リーダーシップ行動のポテンシャルの高い人物を見出すためのパナソニックグループ独自のモデル
3 PEX:パナソニック オペレーショナルエクセレンス㈱
4 FTE:組織の人員をフルタイムで勤務する社員に換算して表す単位
5 ホワイト500:大規模法人部門における健康経営優良法人の中で取り組みが優良とされる上位法人500社
6 指標及び目標:DEIや多様性に関する記載については、(注)1に同じ
(2)【従業員の状況】
①連結会社の状況
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2026年3月31日現在 |
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セグメントの名称 |
従業員数(人) |
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コネクト |
28,221 |
(1,476) |
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エレクトリックワークス |
28,562 |
(5,111) |
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HVAC & CC |
29,758 |
(4,844) |
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エナジー |
19,189 |
(2,204) |
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インダストリー |
32,318 |
(3,780) |
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スマートライフ |
33,981 |
(6,345) |
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その他 |
10,225 |
(768) |
|
全社 |
1,431 |
(175) |
|
合計 |
183,685 |
(24,703) |
(注)1 従業員数は就業人員数であり、臨時雇用者数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しています。
2 臨時雇用者数は嘱託契約、パートタイマー等の従業員を含み、人材派遣会社からの派遣社員を除いています。
3 従業員数は、前連結会計年度末に比べ23,863名減少していますが、その主な理由は、グループ経営改革に伴う人員の適正化を実施したことや、その他セグメントのパナソニック ハウジングソリューションズ㈱とフィコサ・インターナショナル㈱の株式譲渡により、両社とその傘下の会社が当社の連結子会社ではなくなったことによるものです。
②提出会社の状況
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2026年3月31日現在 |
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従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
平均年間給与の 対前事業年度増減率 (%) |
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1,431 |
(175) |
44.1 |
18.6 |
9,880,585 |
3.0 |
(注)1 従業員数は就業人員数であり、臨時雇用者数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しています。
2 臨時雇用者数は嘱託契約、パートタイマー等の従業員を含み、人材派遣会社からの派遣社員を除いています。
3 平均年齢、平均勤続年数及び平均年間給与は、当社から他社への出向者を含め、他社から当社への出向者を除いた人数を基に算出しています。
4 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。なお、2025年度の平均年間給与より、所得税法上課税対象となる給与等の金額により算出しています。上記の平均年間給与の対前事業年度増減率は2024年度の同じ条件で比較した場合の増減率を記載しています。
5 提出会社の従業員数は、すべて全社に所属しています。
③最大人員会社の状況
(a)当事業年度における従業員数が最も多い会社
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パナソニック㈱ |
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2026年3月31日現在 |
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従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
平均年間給与の 対前事業年度増減率 (%) |
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14,500 |
(1,510) |
43.6 |
19.5 |
8,616,392 |
3.7 |
(注)1 従業員数は就業人員数であり、臨時雇用者数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しています。
2 臨時雇用者数は嘱託契約、パートタイマー等の従業員を含み、人材派遣会社からの派遣社員を除いています。
3 平均年齢、平均勤続年数及び平均年間給与は、当該従業員数が最も多い会社から他社への出向者を含め、他社から当該従業員数が最も多い会社への出向者を除いた人数を基に算出しています。
4 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。なお、所得税法上課税対象となる給与等の金額により算出しています。
(b)上記(a)の会社の次に従業員数が多い会社
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パナソニック インダストリー㈱ |
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2026年3月31日現在 |
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従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
平均年間給与の 対前事業年度増減率 (%) |
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9,359 |
(1,245) |
43.1 |
19.1 |
8,294,005 |
9.2 |
(注)1 従業員数は就業人員数であり、臨時雇用者数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しています。
2 臨時雇用者数は嘱託契約、パートタイマー等の従業員を含み、人材派遣会社からの派遣社員を除いています。
3 平均年齢、平均勤続年数及び平均年間給与は、当該(a)の会社の次に従業員数が多い会社から他社への出向者を含め、他社から当該(a)の会社の次に従業員数が多い会社への出向者を除いた人数を基に算出しています。
4 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。なお、所得税法上課税対象となる給与等の金額により算出しています。
5 平均年間給与の対前事業年度増減率には給与制度改定による影響を含んでいます。
④労働組合の状況
パナソニックグループ労働組合連合会には119組合(2026年3月31日時点)が所属しています。
労使関係はきわめて安定しており、特記事項はありません。
⑤管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異
当社グループでは報酬体系上、性別等の属性による格差はありませんが、経営チームや管理職への女性登用は男性に比較して遅れているのが実態です。未来に向かって、より多様なメンバーの知恵を引き出し、イノベーティブな商品・サービスを生み出すために、採用の強化、働き方の選択肢の拡大やキャリア開発の支援などを通じて、女性リーダーの獲得と計画的な育成に取り組んでいます。
(a)提出会社
|
管理的地位にある 労働者に占める 女性労働者の割合(%) (注2) |
男性労働者の 育児休業取得率(%) (注3) |
労働者の男女の賃金の額の差異(%) (注2) |
||
|
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
||
|
14.2 |
84.0 |
84.4 |
84.7 |
78.7 |
(b)連結子会社
|
名称 |
管理的地位に ある労働者に 占める女性労働者の割合(%) (注2) |
男性労働者の 育児休業 取得率 (%) (注3) |
労働者の男女の賃金の額の差異(%) (注2) |
||
|
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・ 有期労働者 |
|||
|
パナソニック コネクト㈱ |
9.1 |
93.0 |
80.2 |
78.7 |
76.1 |
|
パナソニック エレクトリックワークス㈱ |
6.5 |
93.0 |
69.0 |
67.9 |
72.4 |
|
パナソニック HVAC & CC㈱ |
6.3 |
75.0 |
77.9 |
75.7 |
69.8 |
|
パナソニック エナジー㈱ |
6.6 |
88.0 |
79.4 |
79.8 |
61.1 |
|
パナソニック インダストリー㈱ |
5.5 |
95.0 |
77.0 |
76.8 |
74.1 |
|
パナソニック㈱ |
8.8 |
92.0 |
77.5 |
77.0 |
63.2 |
|
パナソニック オペレーショナルエクセレンス㈱ |
15.7 |
86.0 |
78.2 |
77.1 |
69.4 |
|
(注)
|
1
|
「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出した指標については、小数点以下第2位を四捨五入して、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき算出した指標については、小数点以下第1位を切り捨てて、それぞれ小数点以下第1位まで表示しています。 |
|
|
2
|
「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。(管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合算出の基準日は2026年4月1日です。労働者の男女の賃金の額の差異については、2025年度の給与・賞与に基づいて算出しています。) |
|
|
3
|
「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の2025年度の取得割合を算出したものです。なお、計算式は次のとおりです。「2025年度に育児休業等を取得した男性労働者の数及び小学校就学前の子を対象とした育児を目的とした休暇制度を利用した男性労働者の数の合計数÷2025年度に配偶者が出産した男性労働者の数」 |
|
|
4
|
上記以外の連結子会社については、「第7 提出会社の参考情報 2 その他の参考情報 (2)管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異」に記載しています。 |
|
|
5
|
上記の連結子会社については、2026年4月1日時点の新たなグループ体制で記載しています。 ・2026年4月1日に、パナソニック㈱ エレクトリックワークス社(社内分社)の主な事業について、当社の完全子会社として新規設立したパナソニック エレクトリックワークス㈱を承継会社とする吸収分割を実施しました。 ・2026年4月1日に、パナソニック㈱の空質空調社(社内分社)及びコールドチェーンソリューションズ社(社内分社)の主な事業について、パナソニック エコシステムズ㈱及び本体制変更後に同社が保有する子会社を承継先とする吸収分割を行い、パナソニック エコシステムズ㈱の商号をパナソニックHVAC & CC㈱へ変更しました。 ・2026年4月1日に、パナソニック㈱のくらしアプライアンス社(社内分社)及び中国・北東アジア社(社内分社)の主な事業について、承継会社をパナソニック エンターテインメント&コミュニケーション㈱とする吸収分割を行い、同社の商号をパナソニック㈱へ変更しました。 |
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日(2026年6月19日)現在において判断したものです。
(1)サステナビリティ経営に関する考え方
パナソニックグループの使命は、創業者 松下幸之助が追い求めた「物心一如の繁栄」、すなわち、「物と心が共に豊かな理想の社会」の実現です。1932年、松下幸之助は25年を1節とし、それを10節、250年かけて「理想の社会」の実現を目指すと宣言しました。
当社グループにとっての「サステナビリティ経営」とは、この使命の追求そのものです。
事業活動を通じて社会課題の解決に取り組み、より豊かで持続可能な社会への貢献を果たす。その結果として、持続的な企業価値の向上をはかる。これを積み重ねることによって、「物と心が共に豊かな理想の社会」の実現を目指していきます。
(2)ガバナンス
当連結会計年度において、パナソニックホールディングス㈱(以下、「PHD」)では、サステナビリティに関する重要テーマについての方針、戦略、指標及び目標などを議論・方向付け並びに管理を行うことを目的として、取締役会の監督のもとに設置しているサステナビリティ経営委員会を原則月1回開催しました。サステナビリティ経営委員会はグループCEOが委員長を務め、グループCHRO、グループCTO、グループGC、グループ CSO、グループCFO、グループCCO及びグループ会社の役員等で構成しています。また、PHDにサステナビリティに関連する機能横断のプロジェクトを設置するとともに、事業会社毎にサステナビリティの推進体制を整備することで、グループ全体の連携体制を構築しています。
サステナビリティに関する監督機能は取締役会が有しており、サステナビリティ経営委員会での審議・決定事項は内容に応じて取締役会へ報告されます。また、事業会社において対応が必要な事項は、グループ経営会議等を通してグループ全体に共有・徹底しています。一方、サステナビリティに関する事項に対する取締役会の監督の実効性を確保するため、取締役会として備えるべきスキル・知見の1つに「サステナビリティ経営」の項目を定めるとともに、役員報酬における業績連動部分の一部に非財務指標を設定しています。
なお、当連結会計年度におけるサステナビリティ経営委員会の主な審議事項は以下のとおりです。
・マテリアリティに関する指標及び目標の進捗
・サステナビリティ関連中期目標の検討
・国内外のサステナビリティ関連法令への対応
・サステナビリティに関するガバナンス体制の見直し
2026年度からは、グループ経営においてグループ戦略とサステナビリティを一体として取り組み、事業を通じた社会課題解決を一層進められるように、事業CEOも参加する経営会議であるGroup Transformation Round Table等にて、サステナビリティに関する方針、戦略、指標及び目標等の議論・方向付け等を引続き実施します。よって、従前のPHDにおけるサステナビリティ経営委員会については、当連結会計年度末を以って発展的に解消しました。Group Transformation Round Table等については、第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要 ②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由をご参照ください。
(3)リスク管理
当社グループは、2023年度に当社財務への影響及び社会に与える影響の2つの側面から、重要な機会とリスクをマテリアリティとして特定しました。この特定のプロセス(2023年度当時)は以下のとおりです。
1.社会からの要請や予見される将来課題等から、機会及びリスクになる課題を把握。
2.これらについて、当社グループ及びステークホルダー視点で重要度評価を行い、マテリアリティを抽出。
3.このプロセス及び抽出したマテリアリティについて複数の社外の専門家との対話を通じて妥当性を確認。
4.当社グループのサステナビリティ経営委員会、グループ経営会議、取締役会での議論を経て、マテリアリティとして特定。
その後、当社グループのサステナビリティ経営の考え方に基づき、マテリアリティを「社会に対する価値創造のための重要課題」に絞るとともに、事業の方向性や戦略と整合をとるための見直しを当連結会計年度に行いました。現在のマテリアリティについては、(4)戦略、指標及び目標の<マテリアリティ 一覧>をご参照ください。
また、当社グループでは、グループ全体の事業活動に影響を与える可能性のあるリスクを管理するエンタープライズリスクマネジメント(ERM)に取り組んでおり、その対象には、サステナビリティに関連するリスクも含まれています。詳細については、「3.事業等のリスク」をご確認ください。
(4)戦略、指標及び目標
当社グループは、使命である「物と心が共に豊かな理想の社会」の実現に向けて、事業を通じて創出する価値として「地球環境問題の解決への貢献」と「社会とくらしのウェルビーイング」を事業マテリアリティとし、また、持続的な価値創出を可能にする経営基盤の構築・強化の観点から、「責任あるAIの最大活用」「多様な人材・組織のポテンシャルの最大発揮」「人権の尊重」「ビジネスインテグリティ」「コーポレート・ガバナンス」を基盤マテリアリティとして定めています。当連結会計年度における、各マテリアリティの指標の実績及び目標は下表のとおりです。
2026年5月12日に公表したグループ成長戦略の通り、当社グループは2032年に向けて、「エネルギーの有効活用」と「現場労働力不足の解消」に向き合い、AIインフラと社会オペレーションを支えることで更なるお役立ちを進めると同時に、スマートライフ領域では、品質・信頼性に裏打ちされた製品・サービスの提供とお客様に明確に違いを感じて頂けるコア技術の強化により、生活の快適性・利便性の更なる向上に取り組みます。これらの取り組みを統合的に推進することで、社会全体と個々人の生活の両面から、「社会とくらしのウェルビーイング」の実現を目指してまいります。また、その指標については、グループ成長戦略に基づき引き続き検討を進めます。
「責任あるAIの最大活用」について、当社グループでは、責任あるAIの導入を「人間中心 ・人権を尊重したAI活用を実践する世の中との約束」と考え、適切なAI製品やサービスの開発運用・AI利活用を進めています。当連結会計年度においては、顧客課題の解決と内部オペレーションへのAI利活用の加速をグループ横断でリードするポジションとして、グループCAIO(Chief AI Officer)を2026年4月1日付にて新設しました。また、AIの利用・開発の現場でのAI倫理リスクのセルフチェックを支援するシステムにより、責任あるAIの導入を下支えしました。2026年度は当社グループのデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みであるPX(Panasonic Transformation)のAI利活用の領域において、グループCAIOのもと、「事業モデル」「業務プロセス」「組織カルチャー」の変革を加速させていきます。「責任あるAIの最大活用」の指標についてはこのような取り組みを進めるなかで、引続き検討を進めてまいります。
なお、生産性指標に関しては、各事業会社がそれぞれの特性に応じた指標を設定し、PHDがその進捗等についてモニタリングを進めています。その内容及び当社グループの人的資本に関する方針、取り組み等につきましては、第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等をご参照ください。
<マテリアリティ 一覧>
|
|
マテリアリティ |
指標 |
25年度 実績/(目標) |
目標 |
||
|
事 業 マ テ リ ア リ テ ィ (注)1 |
地球環境問題の解決への貢献 |
脱炭素への貢献 |
CO2削減 インパクト |
3億トン(2050年) |
||
|
自社バリューチェーンの CO2削減量(注)3 △3,900万トン/ (△4,012万トン) (2,500万トン/ (1,701万トン))(注)5,6 |
1,600万トン (2028年度) |
|||||
|
削減貢献量(注)4 4,750万トン/ (4,750万トン)(注)6 |
7,100万トン (2028年度) |
|||||
|
全拠点CO2排出量 (CO2実質ゼロ拠点)(注)7 |
累計60拠点 (注)6,7 |
累計86拠点 (2028年度) 全拠点 (2030年度) |
||||
|
サーキュラー エコノミー推進 |
再生材の使用量 |
再生樹脂 |
1.5万トン/ (2.5万トン) |
2.2万トン (2028年度) |
||
|
再生鉄 (電炉鉄) |
-(新設) |
2.5千トン (2028年度) |
||||
|
サーキュラーエコノミー型事業モデル/製品の創出 |
累計15事業/ (累計16事業) |
累計17事業 (2028年度) |
||||
|
社会とくらしのウェルビーイング |
社会のウェルビーイング |
新たなグループ成長戦略に基づき 引き続き検討 |
- |
|||
|
くらしのウェルビーイング |
||||||
|
基 盤 マ テ リ ア リ テ ィ (注)2 |
責任ある AIの最大活用 |
AIによる商品・ ソリューションの進化 |
||||
|
AIによる業務・ プロセス革新 |
||||||
|
多様な人材・組織のポテンシャルの最大発揮 |
組織カルチャー変革 |
UNLOCK指標(注)8 |
43%/(-) |
60% (2028年度) 70% (2031年度)(注)9 |
||
|
未来を創る変革型リーダーの開発・登用 |
経営チームにおける多様性比率(注)10 |
55%/(-) |
半数以上 |
|||
|
女性管理職比率(注)11 |
8.3%/(-) |
12%(2028年4月) 16%(2031年4月) |
||||
|
安全・安心・健康な 職場づくり |
重篤災害・重大災害の発生 |
8件/(0件) |
0件 |
|||
|
|
生産性指標 |
事業会社毎に指標を設定し モニタリングを実施 |
||||
|
人権の尊重 |
外国人移住労働者を雇用するグループ国内外拠点に対する強制労働防止への対面研修実施率 |
81%/(-) |
100% (2026年度) |
|||
|
各事業会社の人権推進リーダーを育成する「人権DD実践研修」の理解度(注)12 |
88%/(80%) |
80% |
||||
|
ビジネスインテグリティ |
重大なコンプライアンス違反の発生 |
0件/(0件) |
0件 |
|||
|
コーポレート・ガバナンス |
株主との建設的対話の促進 |
実施/(実施) |
実施 |
|||
|
PHD取締役会の 社外取締役比率 |
半数以上/(半数以上) |
半数以上 |
||||
|
取締役会議長を独立社外取締役が務めること |
実施/(実施) |
実施 |
||||
|
業績連動型役員報酬における非財務指標の採用 |
実施/(実施) |
実施 |
||||
(注)1 事業活動を通じた価値創出のための重要課題
2 持続的な価値創出を支える経営基盤の構築・強化のための重要課題
3 原材料調達から製造、流通、販売、使用、アフターサービス、廃棄にいたる企業の事業活動における全CO2排出量(スコープ1,2,3)を削減した量
4 事業活動を通じて、社会やお客様のCO2排出量の削減に貢献した量を示す指標。当社の製品・サービスの導入前後のCO2排出量の差分量
5 △は排出量の増加を示す。カッコ内は、2021年以降に算定可能となった2025年度の対象事業における、2020年度からのCO2削減量
6 第三者検証完了前の速報値(本有価証券報告書提出日(2026年6月19日)時点)であり、確定値は追って当社サステナビリティ・ウェブサイトにて開示いたします
https://holdings.panasonic/jp/corporate/sustainability/environment/vision.html
7 省エネルギーと再生可能エネルギー導入に加えて、電力証書やCO2クレジットの活用によりCO2排出量の実質ゼロを達成した拠点
8 従業員意識調査の設問「会社や上司により挑戦意欲が高まる」「挑戦への阻害要因がない」がともに肯定回答の割合(グローバル)
9 2025年度に実施したグループ経営改革を踏まえ、目標達成年度をそれぞれ1年後ろ倒しとしました
10 PHD執行役員の女性・日本以外の国籍・キャリア入社の割合(米国地域は対象外)
11 日本地域(PHD,PEX,PCO及びその他事業会社)が対象。
PEX:パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社
PCO:パナソニック コネクト株式会社
12 知識に対する理解度に加え、「ビジネスと人権」に対する共感度とその推進に対する意識の高さを研修後のアンケートにて調査
(5)サステナビリティに関する取り組み紹介
①地球環境問題の解決に向けた取り組み
当社グループは、「より良いくらし」と「持続可能な地球環境」の両立に向け、長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT」を制定しています。2030年までに全事業会社のCO₂排出量を実質ゼロとし、2050年には全世界の排出総量の約1%にあたる3億トン以上(注)1の削減インパクト創出を目指すとともに、循環経済の実現に向けた事業活動を進めています。この環境ビジョンのもと、当社グループは各事業分野において地球環境問題の解決に取り組んでおり、その一つとして、成長分野であるデータセンター領域に注力しています。
生成AIの普及やデジタル化の進展に伴い、データセンターは社会インフラとして不可欠な存在となる一方、電力消費量の増大という新たな環境課題が顕在化しています。データセンターの消費電力は、サーバーの演算処理だけでなく、電力の変換・供給時に生じるロスや、冷却設備に要する電力量にも大きく左右されます。当社グループは、データセンターにおける電力供給・計算基盤・冷却の各レイヤーに強みを持つ事業を展開しており、データセンターのエネルギー利用効率の向上を支えるシステム及びデバイス・材料の提供に加え、冷却負荷低減に寄与するシステムの提供の両面から、環境負荷低減に向けた取り組みを進めています。
・電源分野:分散型電源システム用の蓄電システムにより、集中型電源システムと比較してサーバーへ供給される電力の変換回数・ロスを低減するとともに、使用電力のピーク抑制による系統電力への負荷を低減
・デバイス分野:電源や半導体の性能を最大限に引き出し、電気信号品質を確保する高性能なデバイス・材料を提供
・冷熱技術分野:空冷及び液冷、廃熱利用等を組み合わせた高効率な冷却システムにより、冷却に必要な電力量を削減
これらの取り組みにより、当社グループはデータセンター全体を俯瞰した環境負荷低減に貢献しています。
Panasonic GREEN IMPACTがゴールと定める削減インパクトの2/3を占める削減貢献量は、自社の技術や製品、サービスを使用した場合にどれだけのCO2削減効果が見込めるかを推定する指標です。当社グループのサステナビリティデータブックでは、削減貢献量の事例や算定式などを開示しています。当社グループは、削減貢献量が資本市場で適切に評価される指標となるために、国際標準化から社会実装、金融との接続まで一体的に取り組み、財務価値化の促進と企業価値の向上を図っています。日本が主導して策定された国際規格IEC63372(削減貢献量)は、当社参画のもと2026年1月に発行されました。現在、当社はGHGプロトコル改訂への反映及びISOにおける標準化をWBCSDやIECとも連携して戦略的に推進しています。
私たちの次の世代、さらには未来の世代にわたって、人々が安心してこの地球で暮らしていけるよう、今後も事業活動を通じて、カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミー(注)2の実現に向けた取り組みをグループ一体となって加速していきます。
なお、当社グループは2019年5月にTCFD(注)3提言への賛同を表明しています。当社グループは、マテリアリティ特定プロセスを経て、地球温暖化の進行を当社グループにおける最重要課題とし、気候変動に関するリスクと機会の特定にあたっては、TCFD提言を踏まえ、シナリオ分析による戦略のレジリエンスを検証しています。また、投資家等とのエンゲージメントを実施することを想定し、TCFDが推奨する開示項目である「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」について情報開示を行っています。
<TCFD提言に基づく開示>
|
ガバナンス |
当社グループでは、環境経営推進体制のトップに取締役会が位置しており、グループ環境経営について取締役会への報告を実施しています。グループ長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT」は、本プロセスを経て、2022年4月に発信されました。GREEN IMPACT PLAN 2024+1では、社会に約束した環境目標の主要項目に対する進捗と実績について、グループCEOや事業会社社長などの経営幹部が出席するグループ経営会議で確認し、方向性・課題及び重要施策について意思決定を行ってきました。特に重要な内容は取締役会に諮られています。2026年4月より、Group Transformation Round Tableにおいて、事業CEO参画のもと、環境を経営に統合する議論を推進しています。 |
|
戦略 |
気候変動がもたらす影響について、当社グループの事業におけるリスクと機会を把握した上で、影響のある項目についてインパクト分析を行い、最も影響の大きい項目を軸に2030年を想定した社会シナリオを策定しました。そのシナリオに対応した戦略を検討し、当社グループの戦略のレジリエンスを検証しました。 |
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リスク管理 |
当社グループは、環境リスクを継続的に低減するためのマネジメント体制を整備し、事業会社ごとの環境リスク管理体制を組織しています。グループ全社のリスクマネジメントの基本的な考え方に則り、毎年度、環境リスクの洗い出しやグループ全社のリスクマネジメント推進、さらに環境リスクが発現した際の迅速な対応を進めています。また、当社グループでは、PHD及び事業会社で同一のプロセスに基づくリスクマネジメントを推進しています。PHDエンタープライズリスクマネジメント委員会では、当社グループの経営・事業戦略と社会的責任の観点から審議を行い、グループの重要リスクを決定します。2025年度には、グループの重要リスクのうち、戦略リスクとして気候変動や環境規制、サーキュラーエコノミーの進展、オペレーショナルリスクとして自然災害やサプライチェーンマネジメントが取り上げられています。 |
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指標と目標 |
当社グループは、温室効果ガス(GHG)削減目標を設定しています。2017年10月にSBT(注)42度目標として認定され、2023年5月にはパリ協定に沿って新たに設定したGHG削減目標が1.5度目標として認定されました。さらに、長期目標として、2024年9月にネットゼロ目標の認定を受けました。(下記の表を参照) |
|
GHG排出量目標(SBT1.5度目標認定) |
目標 |
目標進捗率 |
|
当社グループ事業活動における排出量 (スコープ1、2)(注)5 |
2030年に90%削減(2019年度比) |
45%(注)6 |
|
当社グループ製品使用における排出量 (スコープ3)(注)5 |
2030年に30%削減(2019年度比) |
― (注)7 |
|
GHG排出量目標(SBTネットゼロ目標認定) |
目標 |
目標進捗率 |
|
当社グループバリューチェーン 全体における排出量(スコープ1、2、3) |
2050年に90%削減(2019年度比) |
― (注)7 |
(注)1 全世界の排出総量の約1%にあたる3億トン以上:2020年の世界のエネルギー起源CO2排出量317億トン (出典:International Energy Agency)
2 サーキュラーエコノミー :循環経済。製品、素材、資源の価値を可能な限り長く保全・維持し、廃棄物の発生を最小限化するなど、モノのシェアリングやサービス化で資源の有効活用を図る経済システム
3 TCFD :Task Force on Climate-related Financial Disclosures の略で、G20財務大臣・中央銀行総裁会議の要請を受けて、金融安定理事会により設置された気候関連財務情報開示タスクフォースのことであり、2017年に提言を公開
4 SBT :Science Based Targetsの略で、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べ2度未満、できれば1.5度未満に抑えるという目標に向け、科学的知見と整合した削減目標
5 スコープ1~3 :国際的な温室効果ガス排出量の算定・報告の基準である「温室効果ガス(GHG)プロトコル」の中で設けられている排出量の区分。スコープ1は事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)、スコープ2は他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出、スコープ3はスコープ1、2以外の事業者の活動に関連する他社の排出
6 45% :第三者検証完了前のため、2024年度の確定値から算出。最新の値は、追って当社サステナビリティ・ウェブサイト(TCFDへの対応)にて開示
7 ― :算出対象製品拡大による排出量増加のため進捗率は算出せず
②人権の尊重に関する取り組み
パナソニックグループは、「企業は社会の公器である」という経営理念を掲げており、社員はもとより、お客様、お取引先様の従業員など事業に関わるすべての人々の権利を守り、心身の健康や幸せな人生に貢献する責任があると認識しています。グローバルに事業を展開している企業として、すべての人々の人権に配慮しながら、事業活動において適用されるすべての法令を順守するとともに、国際的に認められた人権を尊重します。
(i)方針について
当社グループは、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」 、同「国際人権章典」、国際労働機関(ILO) 「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」及び同、基本条約などの国際規範を参照し、社外の専門家の意見も踏まえた「パナソニックグループ人権・労働方針」(以下、人権・労働方針)を定めています。この方針には、国際規範や事業活動・取引に適用される各国法令の順守を前提として、国際的に認められた人権の尊重へのコミットメント、人権への負の影響の特定・予防・軽減・是正、被害者の救済などの推進、働きがいのある労働環境の実現、これらに関する様々なステークホルダーとの対話に取り組んでいくことを明記しています。
(ii)取り組み
当社グループは、この方針に従い、社内ルールを定め、推進体制の整備並びに人権の尊重や働きがいのある労働環境の実現に向けた具体的な取り組みを推進しています。当社グループは、当社グループ事業活動全体にわたって人権デュー・ディリジェンス(以下、人権DD)を実施しています。人権DDにおいて、人権に関する負の影響を特定・評価し、その結果を踏まえて重点的に対応すべき人権課題を明確にした上で、これらの人権課題に対し、予防、軽減及び是正に取り組んでいます。その効果を検証し、継続的に改善を行っています。また、苦情処理メカニズムを運用するとともに、人権の尊重に関する責任が社内で広く認知され、人権DDをはじめとする活動が効果的に運営されるよう、継続的な啓発活動や教育を行っています。
こうした取り組みの中で顕在化した人権課題については、当社のサステナビリティ経営委員会(注)1において報告、共有され、必要に応じて対策の妥当性、実効性、緊急時対応の即応性などについて評価し、意思決定を行っています。
(iii)人権デュー・ディリジェンスの推進
当社グループは、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、また、OECD「責任ある企業行動のためのOECDデュー・ディリジェンス・ガイダンス」を参照して人権DDを実施しています。
当社グループにおいては、事業会社ごとに事業内容が異なり、生じ得る人権リスクの種類や想定される深刻度なども異なります。よって、2024年度には、事業会社がそれぞれのバリューチェーンや事業特性を考慮し、主体的に人権DDを推進するための体制を構築しました。その上で、事業会社内の人権リスクの特定及び評価を実施し、当社グループにおける特に優先度の高い顕著な人権課題のひとつとして、強制労働を特定しています。
人権DDの仕組みやプロセスを継続的に改善するため、社外の専門家や社内外のステークホルダーと対話や協議・連携も行っています。さらに、欧州のコーポレート・サステナビリティ・デューディリジェンス指令(CSDDD)をはじめとする法制化の動きなどを踏まえ、グループ全体で一定水準の信頼性・実効性を担保した人権DDを可能とするため、2024年度に関連部門横断のプロジェクトを立ち上げ、体制整備や共通プロセス・ツールの構築・改善を継続的に行っています。
<強制労働禁止に向けた取り組み>
当社グループは人権・労働方針において、あらゆる形態の強制労働の禁止を明記しています。万一、当社グループまたは購入先様、取引先様などの第三者において、強制労働または強制労働が疑われる行為(ILOによる11の強制労働指標(注)2に該当または関連し得る行為を含む)が確認された場合、その中止・是正・軽減や被害者の救済を含めて、速やかに人権への負の影響に対処するよう、社内ルールで定めています。また、サプライチェーンにおいては、パナソニックサプライチェーンCSR推進ガイドラインを通じて購入先様に強制労働防止に取り組むよう要請しています。
強制労働に関しては、製造拠点やサプライチェーンにおいて、国や地域を越えて働く移住労働者が、脆弱な立場にあると認識し、そうした移住労働者を雇用する当社グループ拠点において、またその購入先様、取引先様に対して取り組みを進めています。
強制労働の根本原因への対応には政府、関係機関、企業が連携して取り組むことが不可欠であるとの認識のもと、当社グループは、2025年度より、Responsible Business Alliance(RBA)の190社以上が参加する責任ある労働イニシアティブ(Responsible Labor Initiative)のワーキンググループに参画し、倫理的な採用の促進に取り組んでいます。マレーシアの当社グループ事業拠点では、2025年度よりOn The Level(注)3プログラムで倫理的な採用基準を満たし、認証を取得した人材紹介業者を活用しています。高リスク国であるマレーシアやタイでは、政府関係当局、国連関係機関やNGO等との関係構築に努め、重要な情報入手や意見交換を行っています。
(a) 当社グループ拠点における取り組み
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国・地域 |
主な取り組み |
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マレーシア |
2017年度 ・世界の移住労働の課題に取り組む国際移住機関(IOM)と連携のもと「責任ある雇用プロジェクト」を設置。人権課題の特定や是正、教育などを推進。 2020年度 ・2020年4月に当社グループ拠点共通の「外国人労働者の責任ある採用と雇用に関する方針」を制定(2025年4月改訂)。 2021年度 ・2021年9月に当社グループ拠点共通の責任ある「採用と雇用に関する業務手順書」を制定(2025年4月改訂)。 2024年度 ・取り組みの有効性を検証するために、IOMの協力のもと、当社グループ拠点で働く外国人移住労働者の一部、約770人と面談を実施。社内ルールや苦情処理メカニズムに対する認知不足が明らかとなったため、外国人移住労働者と管理者に対し、労働者の権利や社内ルール等に関する再教育を実施。 ・当社グループ拠点の業務委託先との契約に人権の尊重に関する順守事項を追加し、それら委託先に対して、強制労働に関する国際規範、関連国内法令、当社グループの人権・労働方針に関する研修を実施(64社参加)。 2025年度 ・人事、法務等関連機能の責任者・実務担当者に対し、方針・手順書の浸透のためのワークショップを実施(グループ8社38名参加)。 ・当社グループ拠点の業務委託先に対して強制労働に関する国際規範、関連国内法令、当社グループの人権・労働方針に関する研修を実施(52社参加)。 |
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台湾 |
2024年度 ・当社グループの製造会社1社にて第三者監査を実施。雇用契約書の記載が不十分な項目の見直し、寮の衛生状態の改善と防災強化、苦情処理メカニズムの運用再徹底のための教育を実施。 |
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日本 |
2025年度 ・外国人技能実習生、特定技能外国人を雇用する13拠点に対し、啓発・研修と潜在的リスクのチェックを実施。 ・外国人技能実習生、特定技能外国人が勤務する職場の責任者を対象に人権セミナーを実施(103名参加)。 |
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タイ |
2025年度 ・業務委託先(約400社)との契約に人権の尊重のための順守事項を追加。 ・IOMの協力のもと、当社グループ12社と業務委託先73社に対し、人権に関する国際規範、強制労働リスクやその軽減措置などに関する研修を実施。 |
(b) 購入先様に対する取り組み
購入先様における強制労働を含む人権リスクを評価するためのテーブルを、外部の専門家の知見を得ながら、国際機関が公表しているリスク指標やインデックスを用いて策定しました。それに基づき、優先的に対応すべき購入先様を特定し、自社及び第三者機関による購入先監査を実施(2023年度以降、累計409社)、監査において指摘された事項については、購入先様に改善を要請し、改善状況について確認を行っています。
強制労働を予防する取り組みとしては、2023年度に、マレーシアにて国連開発計画(UNDP)と連携した人権デュー・ディリジェンス研修を6回開催し、在マレーシアの購入先様約500社のうち特に取引金額の多い購入先様207社(228名)が受講しました。2024年度は在マレーシア、インド、タイ、ベトナムの購入先様、各国280~630社に対して、ESG研修を開催しました。2025年度はシンガポール、インドネシア、フィリピン等にも展開し、計1,101社の購入先様への教育を実施しています。
(iv)苦情処理メカニズムの整備
当社グループは、人権侵害に関する苦情への対処が早期になされ、是正および救済につながるよう、各種チャネルを通じて苦情を受け付けています。また、人権侵害が確認された場合には、影響を受けた人々の救済に取り組みます。
通報窓口の一つとして、従業員およびお取引先様を含む社外のステークホルダーを対象とした「グローバルホットライン EARS」(32言語対応)を設置しており、人権・労働問題を含むコンプライアンス違反の被害を受けたり見聞きした場合、通報することができます。匿名での通報も可能で、通報者の情報や通報内容は機密に保持されるとともに、社内外の通報者が通報を理由に報復行為や不利益な扱いを受けることがないよう、社内規程で定めています。
加えて、当社グループ外からの人権に関する通報をより広く受け付けるため、業界横断的な苦情処理プラットフォームである「JaCER(一般社団法人ビジネスと人権対話救済機構)」に正会員として加盟 しています。このような第三者窓口も活用し、公平性・透明性の確保と対話の促進を通じて、人権に関する課題の解決に取り組んでいます。
(v)啓発・人材育成
当社グループは、すべての社員が「人権の尊重」を確実に実践できるよう、啓発と人材育成を推進しています。「人権の尊重」を含むコンプライアンス行動基準については、22言語に翻訳し、入社時・昇格時など定期的に教育する機会を設けています。
各事業会社が任命した人権推進リーダーに対しては、2日間の人権DD実践研修の受講を促しています。同研修では、各事業会社における人権DDを推進する人材の育成を目的に、人権リスクの特定・評価手法、人権リスクの軽減策等を実務に沿ったコンテンツで学ぶ演習や、受講者間のディスカッションに重点を置いたグループワークに加え、主な国際規範や事業を取り巻く様々な人権リスク、他社事例についての社外専門家による講義も実施しました(2025年度:1回実施。人事、法務・調達等の対象機能計45名参加)。
また、日本から海外会社に赴任する経営者を含むすべての新規出向者に対して、企業の人権尊重責任についての国際規範や各国法令、グループの人権・労働方針を含む当社グループの取り組みに関する理解を目的とした研修を実施しています(2025年度:12回実施。489名が参加)。
当社のモノづくりが集中するアジア各国の人事担当者等に対し「ビジネスと人権」に関する研修も実施しました(2025年度:1回実施。13名が参加)。
調達活動における人権の尊重を推進する人材を育成するため、調達機能においては、人権を含むCSRに関する考え方や調達活動におけるコンプライアンスの知識を習得するためのCSR調達研修を実施しています。日本においては、こうした研修の受講者が1,960名以上に上っています。また、購入先監査を担う監査員養成のための研修を実施しており、当社グループが認定した監査員数はグローバルで419名となっています(2025年度:13ヵ国で各1回実施)。
(vi)重要指標
当社グループは、人権DDを中心とした取り組みが実効性のあるものとなるよう、前述の、2.サステナビリティに関する考え方及び取り組み、(4)戦略、指標及び目標、<マテリアリティ一覧>のとおり、指標を定め、モニタリングを行っています。それぞれの指標を設定した背景は以下の通りです。
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重要指標 |
指標設定の背景 |
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各事業会社の人権推進リーダーを育成する「人権デュー・ディリジェンス実践研修」の理解度(注)4 |
・事業会社ごとに事業内容領域や活動の拠点などが異なり、生じ得る人権リスクやその深刻度なども異なるため、各事業会社がバリューチェーンや事業特性を踏まえて、主体的に人権DDに取り組むことが必要。 ・このためには、各事業会社において、人権DDを効果的に運用するための人材と体制が不可欠。 ・よって、「ビジネスと人権」を深く理解した上で、 現場で人権リスクを適切に特定し、改善につなげることのできる人材の育成を重要指標とした。 |
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外国人移住労働者を雇用するグループ国内外拠点に対する強制労働防止への対面研修実施率 |
・人権DDを通じて、優先度の高い顕著な人権課題のひとつとして強制労働を特定。 ・そのリスクに最もさらされている外国人移住労働者の採用・雇用業務に関わる担当者に対する確実な啓発と教育が不可欠であるため、対面研修を重要指標とした。 |
(注)1 2026年度以降は、グループ戦略とサステナビリティを一体として取り組むため、人権課題についても他の経営課題と同様に、Group Transformation Round Table等にて討議
2 ILOの11の強制労働指標:脆弱性の悪用、欺瞞、移動の制限、隔離、身体的・性的暴力、威嚇・脅迫、身分証明書の保持、賃金の留保、借金による束縛、虐待的な労働・生活環境、過度な時間外労働
3 On The Levelは、倫理的な採用プロセスの普及に取り組むフィリピンのNPO法人、Fair Hiring Initiativeが運営する、人材紹介業者等を対象とした認証プログラムで、国際的に認められた倫理的採用基準の普及及び定着を目的としている。
4. 知識に対する理解度に加え、「ビジネスと人権」に対する共感度とその推進に対する意識の高さを研修後のアンケートにて調査。