2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    10,865名(単体) 72,572名(連結)
  • 平均年齢
    40.1歳(単体)
  • 平均勤続年数
    14.1年(単体)
  • 平均年収
    8,031,000円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2025年3月31日現在

 

従業員数(人)

コンポーネント

40,762

デバイス・モジュール

25,625

その他

2,171

本社部門

4,014

合計

72,572

(注)1.従業員数は就業人員(当社グループ外への出向者を除く)であり、臨時雇用者・パート・嘱託者(1,874人)は含めておりません。

2.各セグメントに帰属しない全社的な管理及び基礎研究を行う従業員は、「本社部門」として分類しております。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

10,865

40.1

14.1

8,031

 

 

2025年3月31日現在

 

従業員数(人)

コンポーネント

3,329

デバイス・モジュール

2,797

その他

725

本社部門

4,014

合計

10,865

(注)1.従業員数は就業人員(関係会社等への出向者を除き、関係会社等からの出向者を含む)であり、臨時雇用者・パート・嘱託者(484人)は含めておりません。

2.平均年間給与(概算額)は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.各セグメントに帰属しない全社的な管理及び基礎研究を行う従業員は、「本社部門」として分類しております。

 

(3)労働組合の状況

 当社及び一部の連結子会社において、労働組合が結成されております。2025年3月31日現在の国内の組合員数は15,270人で、いずれの労働組合も全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会に加入しております。

 なお、会社と労働組合との間には、特記すべき事項はありません。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 当連結会計年度における多様性に関する指標は、以下のとおりであります。なお、各指標の算出に際して、出向者は出向先の従業員として集計しております。

 

①提出会社

管理職に占める

女性労働者の割合(%)

(注1、2)

男性労働者の

育児休業取得率(%)

(注3)

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注1、6)

全労働者

(注4)

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

(注5)

4.0

72

64.5

63.7

75.9

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.当社グループの管理職に占める女性労働者の割合は以下のとおりです。

  ・当社及び国内連結子会社      3.1%

  ・海外連結子会社         13.1%

  ・当社及び連結子会社        5.6%

3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであり、育児目的休暇の利用者は含んでおりません。

4.全労働者は、正規雇用労働者とパート・有期労働者を含んでおります。

5.パート・有期労働者は、臨時雇用者・パート・嘱託者を含み、派遣社員を除いております。

6.労働者の男女の賃金の差異については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。同一労働の賃金に差は無く、正規雇用労働者の男女の賃金の差異は職種別人員構成の差が主な要因です。提出会社の正規雇用労働者の男女の職種別人員構成は以下のとおりです。

 

正規雇用労働者の

男女の職種別人員構成(%)

男性

女性

現業職

11.8

2.7

一般職

5.9

55.4

技能職

7.1

0.6

総合職

75.2

40.5

その他

0.8

合計

100.0

100.0

※「-」は該当者なしを示しております。

 

なお、同一年齢かつ同一職種であれば、男女の賃金の差異は縮小します。30歳の正規雇用労働者について男女の賃金の差異を算出した場合、以下のとおりとなります。現業職における賃金差は交替勤務従事者に男性が多いことによるものです。

 

30歳正規雇用労働者

男女の賃金の差異(%)

現業職

74.3

一般職

85.8

技能職

総合職

87.8

その他

合計

80.2

※「-」は該当者なしを示しております。

②連結子会社

法人名

管理職に占める

女性労働者の

割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)

全労働者

(注3)

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

(注4)

㈱出雲村田製作所

1.5

70

76.5

75.8

95.6

㈱福井村田製作所

1.0

64

74.3

73.8

93.1

㈱金沢村田製作所

0.0

82

72.2

71.4

111.6

㈱岡山村田製作所

2.4

89

69.6

69.9

42.9

㈱東北村田製作所

5.0

47

71.0

70.3

108.2

㈱富山村田製作所

0.0

108

72.4

71.8

88.2

㈱小諸村田製作所

0.0

0

72.8

71.0

87.3

㈱鯖江村田製作所

0.0

75

71.3

71.4

76.2

㈱仙台村田製作所

0.0

35

76.2

76.1

㈱小松村田製作所

0.0

84

69.6

69.0

82.9

㈱岩手村田製作所

0.0

66

65.7

65.9

30.2

㈱ハクイ村田製作所

0.0

33

75.4

76.7

88.0

㈱登米村田製作所

0.0

54

76.5

76.4

101.0

㈱アズミ村田製作所

0.0

54

71.2

70.8

99.0

㈱金津村田製作所

0.0

50

73.1

73.0

88.2

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであり、育児目的休暇の利用者は含んでおりません。

3.全労働者は、正規雇用労働者とパート・有期労働者を含んでおります。

4.パート・有期労働者は、臨時雇用者・パート・嘱託者を含み、派遣社員を除いております。なお、「-」は該当者なしを示しております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループでは、持続可能な社会の実現に向けて、CSRに関する各事項の取り組み(環境、社会、従業員、人権の尊重、腐敗防止、贈収賄防止、ガバナンス、サイバーセキュリティ、データセキュリティなど)を行っています。これらの取り組みを通じて、社会価値を向上させ、さらには経済価値との好循環を生み出すことで、ステークホルダーの皆様に信頼され、選ばれ続ける存在であることを目指しています。

 

(1)サステナビリティへの対応

Ⅰ ガバナンス

 当社グループでは、CSRに関する各事項の取り組みを経営における重要な課題の一つと位置付けており、ガ

バナンス体制を強化しています。取締役会は、すべてのリスクと機会について説明責任を負っています。

 また、当社グループのCSR活動の方向付けを行うために、取締役会監督のもと、CSR統括委員会を設置しています。当委員会の委員長を務める代表取締役社長は、CSRを監督する責任を負っています。

 当委員会では、整合性の取れた全社的なCSR経営を継続的かつ計画的に推進するため、次に掲げる事項を実施し、活動状況などについては、定期的に取締役会に報告を行っています。

 

 ①CSRの理念・方針・ガイドライン等の策定と決定

 ②CSRに関わる全社的に重要な事項(課題)の抽出と取り組みの指示

 ③下部委員会活動(下記にて記載)の枠を越えた重要事項(課題)に対する会社としての方向付けと活動結果の

  共有

 ④全社で共有すべき下部委員会が担うCSRテーマの方針とその目標及び活動結果の共有

 ⑤CSRに関わる顧客対応結果、顧客要求の状況把握と顧客対応への助言

 

 さらに、CSR統括委員会には、コンプライアンス推進委員会、環境委員会、気候変動対策委員会、社会・地域貢献委員会、健康安全推進委員会、人権委員会の6つの下部委員会を設置し、組織横断的な活動を必要とするCSRテーマについて議論を進めています。

 

<CSR推進体制>

 

 

 

Ⅱ 戦略

 先述のとおり、当社グループでは、ステークホルダーとの共創を通じて、今を支え、未来を切りひらき、社会と調和することで、社会価値と経済価値の好循環を生み出し、豊かな社会の実現に貢献することを「Vision2030」のありたい姿として掲げています。Vision2030の実現にむけて第2フェーズである「中期方針2027」でも引き続き経営変革の一環として社会価値と経済価値の好循環を生み出す経営を掲げています。この好循環を実現するために、当社はマテリアリティを定め、製品・サービス及び事業プロセスの両面から取り組みを推進してまいります。

 

Ⅲ リスク管理

 当社グループでは、CSRに関する各事項(環境、社会、従業員、人権の尊重、腐敗防止、贈収賄防止、ガバナンス、サイバーセキュリティ、データセキュリティなど)においてリスク及び機会を識別しています。マテリアリティとして特定した環境・社会課題については、CSR統括委員会のもと、構造化したプロセスで定期的に評価しています。

 また、オペレーション面においては、事業所で環境や安全、人権などのマネジメントシステムを構築・運用し、CSRに関するリスクを評価しながら継続的な改善を推進しています。なお、これらのリスクはCSR統括委員会のみならず、リスク管理委員会のもと全社的な管理項目に組込まれています。包括的に評価を行い、必要に応じて追加対策を講じるなど、さらなるリスク低減へと努めております。

 

Ⅳ 指標と目標

 当社グループでは、中期方針2027において経営変革の一環として社会価値と経済価値の好循環を生み出す経営を掲げています。重要な環境・社会課題(マテリアリティ)を特定し、それぞれの課題について目標を掲げ、取り組みを推進しています。詳細は前掲「第2 事業の状況1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)当社グループのマテリアリティ」に記載しております。

 

(2)気候変動への対応

 当社グループは気候変動の課題に向き合う企業のひとつとして、世界の気候変動対策に向けて果たすべき重要な役割があると考えています。気候変動は、コストの増加や事業の中断といったリスクをもたらす一方、社会に新たなニーズを生み、当社グループとして新たな価値を創出する機会でもあると認識しています。そのため、Vision2030に向けた期間は、「文化の発展に貢献する」という当社グループの使命を果たしながら、革新的な技術やソリューションを生み出し、新しい領域に事業を拡大する機会であると捉えています。

 

 以下内容において、気候変動関連の財務情報開示に関するタスクフォース(TCFD)が推奨するフレームワークを活用し、気候変動がもたらすリスクと機会及びそれぞれに対する取り組みについて説明します。

 

Ⅰ ガバナンス

当社グループのアプローチ

●取締役会は、気候変動を含むすべてのリスクと機会について説明責任を負っており、気候変動対策委員会等からの施策や判断に関する報告を受けて監督

●代表取締役社長を委員長としたCSR統括委員会に、代表取締役専務執行役員が委員長を務める気候変動対策委員会より年2回の報告による、気候変動対策について経営レベルでの監督

●環境目標の進捗管理、脱炭素関連の投資判断の審議

●気候変動対策委員会での決定に基づき主管部門が全社の気候変動施策推進

●役員報酬の株式報酬の一部において、社会価値目標の達成状況に応じて変動する報酬体系を導入(監査等委員を除く)

2024年度

取り組み状況

●気候変動対策委員会(臨時開催含む)を4回実施

 取り組み実績:

▶事業所へのオンサイト再エネ導入・PPA等オフサイトからの再エネ調達

▶次期中期目標の気候変動対策にまつわるマテリアリティを設定

▶再エネ導入比率100%達成時期の前倒しと、Scope1,2,3含めたカーボンニュートラル目標を設定

▶省エネ施策の創出を目的とした製品CFP※算出および顧客開示

▶Scope3の削減にむけた仕入先様を対象にした説明会やヒアリングの継続実施、モーダルシフトの取り組み推進

 

 取締役会での気候変動対策に関する審議事項:

▶2024年度までのマテリアリティ「気候変動対策の強化」に関する目標達成状況、2025年度からのマテリアリティ「脱炭素社会の実現」の設定と、その評価指標・目標の報告

▶再エネ導入比率100%の達成時期前倒しやカーボンニュートラルにむけたアプローチ

 

 当社グループでは気候変動対策委員会を中心に議論を進め、RE100やSBT等のイニシアティブへの対応やカーボンプライシング制度導入の意思決定を行っております。今後も中長期的な視点で企業価値を高めていくために、ガバナンス体制を強化してまいります。気候変動対策委員会では、イニシアティブ・Scope3推進部会・再エネ推進部会・省エネ推進部会の3つの下部組織と連携して当社の気候変動対策の方針について議論しています。2024年度は委員会を臨時開催含む4回実施し、当社拠点内外での再エネ調達、2025年度から始まる中期の気候変動対策にまつわるマテリアリティ設定、また、再エネ導入比率100%達成時期の前倒しやScope1,2,3含めたカーボンニュートラルの目標設定について議論を行いました。

 

※ Carbon Footprint of Productの略。ライフサイクル全体を通して排出されるGHGの排出量を算出したもの

 

Ⅱ 戦略

 当社グループは気候変動対策をモノづくりの企業として極めて重要な課題と考えており、Vision2030及び中期方針2027においても「脱炭素社会の実現」をマテリアリティのひとつに設定しています。気候変動を「機会」と「リスク」の両面で捉え、企業としての社会的責任の実践とさらなる競争優位性の構築を図ります。

 

 当社グループは、IPCC※1やIEA※2などが発表する「世界の平均気温が4℃以上上昇する」「世界の平均気温がパリ協定で合意した2℃未満の上昇に抑えられる(一部1.5℃以内)」の2つのシナリオでリスクと機会を分析しました。その結果、2024年まで重点課題としていた「気候変動対策の強化」を、自社だけではなく世の中の脱炭素化にも貢献する意図で、「脱炭素社会の実現」として改定いたしました。具体的な取り組みとしては、省エネ・再エネニーズの高まり、EV転換に伴う自動車産業の変容、情報通信インフラのさらなる高速化・大容量化等の社会変化に要求される高効率部品の需要に応えるため、軽薄短小・高効率・長寿命を競争優位とした製品開発を継続的に推進してまいります。また、自社拠点に導入している太陽光発電システムと自社製品の蓄電池やエネルギーマネジメントシステムを組み合わせた省エネ・再エネ施策を社外にも展開することによる脱炭素社会への貢献と新規事業の探索を目指します。

 2023年度は当社の主要な製造拠点及び事業所(当社グループ従業員数の8割をカバー)を対象とした物理リスク分析のさらなる深掘り、2024年度は移行リスク、移行機会について最新の前提条件に基づいた影響度の見直しを行っております。当該分析結果については、今後の経営計画の戦略に反映し、対応を具体的に計画してまいります。

 

 

<移行リスクとその対応方針(1.5℃シナリオ)※3 ※4 ※5>

 

 

 

<移行機会とその対応方針(1.5℃シナリオ) ※4 ※5>

 

 

<物理リスクとその対応方針(4℃シナリオ)※5>

 

※1 IPCC (Intergovernmental Panel on Climate Change): 気候変動に関する政府間パネル

※2 IEA (International Energy Agency): 国際エネルギー機関

※3 CFP:Carbon Footprint of Productの略。ライフサイクル全体を通して排出されるGHGの排出量を算出したもの。

※4 短期:直近3年以内、中期:直近3年以上5年以内、長期:直近5年以上10年以内

※5 影響度 大:200億円以上、中:100~199億円、小:100億円未満 移行分析は事象に対しトータルの金額影響、物理分析は災害発生頻度を加味した年間影響の金額を表している

 

Ⅲ リスク管理

 CSR統括委員会が、社会、環境、経済の様々なマテリアリティ(重点課題)を、構造化されたプロセスで定期的に評価しています。最新のマテリアリティ評価では、気候変動による影響は重大なリスクとして認識しており、それに対しての監督や取組みを経営の重要課題として取締役会で承認しています。戦略面においては、気候変動対策委員会が変化する気候関連リスクを継続的に注視し、当社グループの気候変動に関する課題を設定し、その対応状況を管理しています。

 将来の気候変動がもたらす潜在的なリスクと機会及び事業戦略のレジリエンスを評価するために、2021年度から物理シナリオ・移行シナリオの分析と継続的な深掘りを行っています。そのほかにも、サステナビリティ投資促進制度を2022年度より本格導入、社内カーボンプライシング制度活用を含むこれまでにない非連続なチャレンジも視野に入れた脱炭素化に取り組みます。Scope3の精緻化/削減に向けて国内250社以上を対象とした脱炭素に向けた説明会や、仕入先様へのヒアリングも継続して実施しており、結果としてカテゴリ1CO2排出量の1次データ比率を16.8%※まで引き上げることができました。

 オペレーション面においては、事業所でISO14001認証を取得し、環境及び気候変動リスクを評価しながら継続的な改善を推進しています。

 気候変動に起因するリスクは、リスク管理委員会のもと全社的なリスク管理の項目に組込まれています。

たとえば、悪天候時の対応のガイドラインは、事業の中断を最小限に抑えるために事業継続計画(BCP)に定められています。

 また、日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)などの業界団体や、RE100などのグローバルアライアンスに加盟し、気候変動に関連する新たなリスクや機会を含む最新動向の把握に努め、自社の取り組みや対応に活用しています。

当社グループのアプローチ

●気候変動に起因するリスクは、リスク管理委員会のもと全社的なリスク管理の項目に組込み、グループ重要リスクと識別・評価。シナリオ分析によるリスクと整合させ、取組みのモニタリングを実施していく

●気候変動影響による「移行リスク」「物理リスク」を網羅的に抽出。それぞれの影響度を評価

●オペレーション面においては、事業所でISO14001認証を取得し、環境リスクを評価しながら継続的な改善を推進

2024年度

取り組み状況

●移行リスク、移行機会について最新の前提条件に基づいた影響度の見直しを実施

●世界の気候変動を取り巻くトレンドをキャッチし、自社の取り組み・対策に活用

※ 2024年度のエネルギーデータは2025年6月時点での暫定値です。確定値につきましては当社ホームページにて2025年8月頃に掲載予定です。

https://corporate.murata.com/ja-jp/csr/environment_murata/climate_change

 

 

 

Ⅳ 指標と目標

 当社グループは気温上昇を1.5℃に抑える世界的な取り組みに貢献するため、SBT認証取得やRE100への加盟を進めてきました。当社グループの事業規模は拡大する見込みですが、GHG排出削減や再エネ導入比率向上を目指し、バリューチェーン全体での脱炭素化を加速させてまいります。2024年度のGHG排出量(Scope1,2)は104万t-CO2e※、再エネ導入比率は39.1%※であり2024年度GHG排出量(Scope1,2)目標・再エネ導入目標ともに中期目標を達成いたしました。

 

考え方

・省エネ/再エネ/再エネ証書を自社の脱炭素を進める3本柱とし、CO2排出量の削減を行ってまいります。またサプライチェーン全体を通じたCO2排出量の削減も進めるべく、取引先とも今まで以上に連携に努め、対策を講じられるよう検討しています。

 

 

 

 

      ムラタグループ 環境目標(脱炭素化社会の実現)

    

 

 GHG総排出量・再エネ導入比率の推移と中長期目標

 

  

 

※   2024年度のエネルギーデータは2025年6月時点での暫定値です。確定値につきましては当社ホームページにて2025年8月頃に掲載予定です。

https://corporate.murata.com/ja-jp/csr/environment_murata/climate_change

 

 

(3)人的資本に関する取り組み

 当社グループの経営資本は社是の実践を通じて培われてきたものです。「組織・人的資本」は、ほかの資本を繋ぐ役割を担い、価値の最大化(=総合力の発揮)を実現するための重要な資本であるという考えのもと、すべての経営資本の中核に位置付けています。

 全社経営戦略である中期方針2027では、「人・組織力の強化」を重要経営課題のひとつとして掲げております。そこでこの度、組織・人的資本強化の方向性を示すものとして「個と組織のグローバルビジョン」および「グローバル重点テーマ」を新たに掲げ、当社グループの人材戦略を明確にいたしました。これまでの取り組みに加え、今後はこの戦略に沿った施策を具体化、実行し、Vision2030の実現に向けた取り組みを加速してまいります。

 

Ⅰ ガバナンス

 当社では、組織・人的資本に関わる取り組みについて、人事担当執行役員の責任のもと、人事グループが戦略・方針策定および推進を図り、経営会議および取締役会に報告しています。具体的には、Japan HR会議やGlobal HR会議の開催を通して国内外人事機能と連携し、戦略に関わる議論や施策の進捗状況、課題の共有等を行っています。また、人材戦略に関わるKPIの一部は重要な環境・社会課題(マテリアリティ)とも連動しており、管理体制を強化しながら取り組みの充実と加速を促しています。

 

 

 

Ⅱ リスク管理

 当社の経営資本は、経営理念である社是の実践を通して培われてきたものであり、リスク軽減においては、どれだけ規模が拡大し、人材が多様化してもなお、社是に込められた思いがグローバル全従業員に浸透していることが欠かせません。そのため役員も参画しながら、浸透のためのアクションを過去から変わらず実施しています。また理念浸透含め、資本強化の取り組み結果を図る指標として、エンゲージメントスコアをモニタリングしています。グローバルサーベイを毎年実施し、組織を良くするためのアクションが各職場で自律的に行われるようにしています。さらに主要なリスクについては、リスク管理委員会のなかで全社リスクとして認識、管理され、必要に応じて事業リスクと連携して適切に対応できる体制としています。いずれの取り組みも、取締役会及び経営会議で定期的に報告・審議されています。

 

Ⅲ 戦略

①個と組織のグローバルビジョン

 当社が未来に向けて飛躍的に成長していくためには、エレクトロニクスの波を捉えたイノベーションの創出が不可欠です。強い一体感や組織間連携を活かして課題解決していくというこれまでに培ってきた強みは引き続き大事にしながら、今後はもっと多様な個の力を活かし、侃々諤々の議論を行うことができる組織へと変容していく必要があると考えています。これが次のイノベーションを生み出していくための挑戦であると考え、個はおもしろい挑戦をし、組織はそれを価値創造につなげていく「個と組織の好循環」をめざすグローバルビジョンを打ち出しました。

 なお、個と組織の好循環を生み出していくことは、当社がVision2030で掲げる経営変革のひとつである「自律分散型の組織経営の実践」そのものです。自律分散経営は、個人と組織それぞれに、自律性・進歩性・全体性を求めるものであり、それぞれの役割や期待を明確にしたものが「個と組織の好循環モデル」です。従業員一人ひとりがその意味を理解し、体現していくことで、組織・人的資本がさらに強固なものになっていくと考えています。

 

・個と組織のグローバルビジョン

 

・「個と組織の好循環」モデル

 

②グローバル重点テーマ

 個と組織のグローバルビジョン実現していくための重点テーマとして「ダイナミックな適所適材」「未来変革リーダーの育成」「個と組織の好循環の実現」を掲げています。

 

・「ダイナミックな適所適材」

 経営戦略と連動した人材ポートフォリオの再構築および、ポートフォリオを活用できる仕組みの強化を図っていきます。事業の規模やスピードに対応した人材の獲得・配置を実行し、これまでのやり方や考え方といった前例にとらわれずに、事業や機能、国を超えて多様な経験ができる機会を積極的に提供していきます。また、さまざまなライフステージに柔軟に対応したキャリア形成支援を充実させるなど、世の中の変化を先読みしながら“ダイナミック”に人を活かしきることができる状態をめざしていきます。

取り組み事例

  ・多様な専門性と経験を活かす人事制度

  ・リスキル付き社内公募制度

  ・新卒学生むけ実務実践型インターンシップの充実

  ・グローバルローテーションの推進、等

 

※取り組み詳細についてはこちらをご参照ください。

https://corporate.murata.com/ja-jp/company/hr/resource

 

・「未来変革リーダーの育成」

 当社にはこれまでに構築してきた強固な人材育成基盤があります。これに加え今後は、未来に向かって誰もが変革リーダーになることができるという考えのもと、さらなる人材育成の強化を図っていきます。好循環の実現において重要な役割を果たすマネジメントの改革、イノベーション創出をリードしていくことを期待するモノづくり人材やDX人材、技術・専門系人材への育成強化、さらに次世代経営リーダーの継続輩出のための施策充実など、より戦略的に取り組みを進めてまいります。

取り組み事例

  ・次世代経営リーダーの育成(管理職と一般中堅層向け選抜教育プログラムの提供)

  ・モノづくり人材の育成(現場改善士、保全技能者、製造監督者向け施策)

  ・ベンチャー留学プログラムによる異文化・実践経験の提供、等

 

※取り組み詳細についてはこちらをご参照ください。

https://corporate.murata.com/ja-jp/company/hr/development

 

・「個と組織の好循環の実現」

 好循環モデルの実現にはまず、当社の組織・人的資本の根底にある経営理念(社是)への理解・共感を促していくことがこれまでと変わらず重要です。さらに、今後より多様な個の力を生かして、侃々諤々の議論を行うことができる組織へと進化していくために、好事例を共有できる機会や、対話する場の創出、それを促進していくための仕組みや仕掛けを構築するなど、コミュニケーションの強化を図っていきます。これに加え、制度変革や環境整備も進めながら、好循環をイノベーションにつなげていくための文化・風土を醸成してまいります。

取り組み事例

  ・多様なキャリアパスの構築

  ・社内共創を推進する“有識者紹介サービス”の提供

  ・M-DIP(Murata Diversity & Inclusion Plaza)を通じたD,E&Iの推進、等

 

※取り組み詳細についてはこちらをご参照ください。

https://corporate.murata.com/ja-jp/company/hr/vision

 

 

 

 

Ⅳ 指標と目標

 重点テーマに関連する指標として以下を設定し、組織・人的資本の強化を図ってまいります。

 

 ※1:2025年以降に、自国以外への異動や研修・リモートアサインメントでグローバルな経験をした国内外社員の累積数。

 ※2:提出会社

 ※3:「経営幹部ポジション数」に対する「後継者候補プール数」の割合