2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    6,043名(単体) 19,381名(連結)
  • 平均年齢
    43.6歳(単体)
  • 平均勤続年数
    21.5年(単体)
  • 平均年収
    7,526,286円(単体)

従業員の状況

(2)【従業員の状況】

①連結会社の状況

 

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

日本

7,772

(1,095)

北米

4,106

(213)

アジア

6,282

(1,205)

 報告セグメント計

18,160

(2,513)

その他

1,221

(48)

合計

19,381

(2,561)

 (注)従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、休職者は含めておりません。臨時雇用者数(期間従業員、人材会社からの派遣社員、パートタイマーを含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

 

②提出会社の状況

 

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

6,043

(733)

43.6

21.5

7,526,286

3.8

 (注)1 従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、休職者は含めておりません。臨時雇用者数(期間従業員、人材会社からの派遣社員、パートタイマーを含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。また、セグメントは日本であります。

2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

③労働組合の状況

 当社の労働組合は、全トヨタ労働組合連合会に加盟し、全トヨタ労働組合連合会を通じて全日本自動車産業労働組合総連合会に所属しております。

 労使間の交渉は円滑であり特記すべき事項はありません。

 2026年3月31日現在の当社の組合員数は5,355人であります。

 

④ストックオプション制度の内容

 該当事項はありません。

 

⑤従業員株式所有制度

 当社の従業員株式所有制度の導入状況は、従業員の中長期的な企業価値向上への参画意識を高め、企業の持続的な成長と従業員の利益が連動する関係の構築を目的として、以下の制度を導入しています。

 

<譲渡制限付株式報酬制度>

a) 制度の概要

 当社は、基幹職以上の従業員を対象に、RS信託(譲渡制限付株式報酬制度)を活用した株式報酬制度を導入しています。本制度は、基幹職以上の中長期的なインセンティブを強化し、企業の持続的な成長及び中長期的な企業価値向上に対する意識を高めることを目的としており、経営者・株主視点(オーナーシップ意識)の醸成や、人材の確保・定着を図ることを狙いとしています。本制度では、一定期間の在籍要件等を満たした従業員に対し、原則として年1回、自社株式を交付する仕組みに加え、基幹職以上への昇格時にも株式を交付する仕組みを設けています。これにより、単年度の成果に偏ることなく、継続的な貢献や中長期的な成長に向けた取組を評価するとともに、職責の拡大や役割期待の高まりに応じたインセンティブとして機能する制度としております。当該制度は、基幹職以上の報酬体系の一部に位置付けられており、株式の交付を通じて、企業の成長と従業員の利益が連動する関係の構築を図っています。

b) 取得させる予定の株式の総数

 260,800株(有価証券報告書提出日時点で信託が保有する株式数)

c) 当該制度による受益権その他の権利を受けることができる者の範囲

 従業員のうち受益者要件を満たす者

 

<社員持株会制度>

a) 制度の概要

 当社は、国内在籍の正社員を対象に、社員の自発的な参加に基づき自社株式を取得・保有する仕組みとして、社員持株会制度を導入しています。本制度は、社員が自社株式を継続的に保有する機会を提供することにより、企業価値向上や経営参画意識(オーナーシップ意識)の醸成を図るとともに、中長期的な資産形成を支援することを目的としており、社員と企業との価値共有を通じたエンゲージメント向上を図るものです。社員は、毎月一定額を給与から拠出し、これに会社から支給される奨励金を加えた資金により、持株会を通じて定期的に当社株式を取得します。取得した株式は持株会において管理され、一定の株数に達した後は社員個人名義の証券口座へ移管することが可能です。また、配当金は再投資される仕組みとしており、長期かつ継続的な株式保有を通じて、企業の中長期的な成長と社員の利益が連動する関係の構築を図っています。

b) 取得させる予定の株式の総数

 特段の定めは設けておりません。

c) 当該制度による受益権その他の権利を受けることができる者の範囲

 従業員のうち受益者要件を満たす者

 

⑥管理的地位にある労働者に占める女性従業員の割合、男性従業員の育児休業取得率及び従業員の男女の賃金の額の差異

 当事業年度の管理的地位にある労働者に占める女性従業員の割合、男性従業員の育児休業取得率及び従業員の男女の賃金の額の差異に関する指標は、以下のとおりであります。

a) 提出会社

管理的地位にある労働者に占める女性従業員の割合(%)

男性従業員の

育児休業取得率(%)

従業員の男女の賃金の額の差異(%)

全従業員

正規雇用者

臨時雇用者

2.1

96.5

69.1

68.2

71.5

 (注)1 従業員は、正規雇用の従業員及びフルタイムの無期化した非正規雇用の従業員を含んでおります。

2 臨時雇用者は、パートタイマー及び有期の嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。

3 全従業員は、従業員と臨時雇用者を含んでおります。

4 管理的地位にある労働者に占める女性従業員の割合については、出向者を出向元の従業員として集計しております。

5 男性の育児休業取得率については、育児・介護休業法に基づき「育児休業等の取得割合」にて算出しており、出向者は出向元の従業員として集計しております。

6 男女の賃金格差については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。当社においては、同一労働・同一役割資格における賃金水準に性別による差はありません。当該割合は、主として役割資格別の人員構成の差に起因しており、現時点では管理的地位にある労働者を含む上位資格における女性比率が相対的に低いことが影響しております。一方で、近年は女性社員の採用拡大や育成施策を進めるとともに、仕事と育児の両立支援策の充実にも取り組むことで、女性が継続的にキャリア形成し、上位資格へとステップアップできる環境整備を推進しております。今後も、女性の登用機会の拡大及び管理的地位にある労働者比率の向上に向けた取組を継続することで、構造的な賃金差の解消につなげていく方針です。なお、賃金には基本給及び賞与等を含んでおり、出向者については出向先の従業員として集計しております。

 

b) 連結子会社

名称

管理的地位にある労働者に占める女性従業員の割合(%)

男性従業員の育児休業取得率

(%)

従業員の男女の賃金の額の差異(%)

全従業員

正規雇用者

臨時雇用者

東海理化NExT㈱

5.6

87.5

65.7

70.4

90.8

㈱サン電材社

0.0

0.0

52.5

67.7

40.5

東海理化エレテック㈱

0.0

77.8

81.5

54.7

51.4

㈱東海理化クリエイト

8.9

25.0

61.0

61.3

32.7

東海理化サービス㈱

0.0

100.0

41.7

57.2

26.9

東海理化Smart Craft㈱

0.0

100.0

64.0

72.8

41.6

㈱東海理化アドバンスト

0.0

100.0

68.9

68.9

㈱東海理化トウホク

20.0

80.0

79.5

79.5

 (注)1 従業員は、正規雇用の従業員及びフルタイムの無期化した非正規雇用の従業員を含んでおります。

2 臨時雇用者は、パートタイマー及び有期の嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。

3 全従業員は、従業員と臨時雇用者を含んでおります。

4 管理的地位にある労働者に占める女性従業員の割合については、出向者を出向元の従業員として集計しております。

5 男性の育児休業取得率については、育児・介護休業法に基づき「育児休業等の取得割合」にて算出しており、出向者は出向元の従業員として集計しております。

6 (-)は対象となる女性従業員が無いことを示しております。

 

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(1)考え方

 当社グループは、マテリアリティを以下のようなプロセスで策定し、2024年9月に取締役会決議を経てマテリアリティを改訂しました。

プロセス

内容

STEP1

GRI36項目とSDGs1項目、合計37項目について当社にとっての重要度の観点から社内関係部署にヒアリングし点数化(3段階評価)

STEP2

外部評価機関が着目する課題とベンチマーク4社がマテリアリティとしている項目の会社数を加点し、3段階に層別(第三者機関にて評価)

STEP3

当社にとっての重要度とステークホルダーの関心度が「特に高い領域」に位置する項目を最重要視すべき課題と判定

STEP4

5つの重要テーマと重要課題11項目(14項目を集約)を決定

 

 

 策定されたマテリアリティを反映し、2021年に経営に社会課題の解決を取り込む「将来の成長に向けて(SDGs経営)」を発表し、全社年度方針及び中期経営計画に反映してきました。

 また、2025年に発表した中期経営計画「TRV2030」においても、サステナビリティに関する取組を経営戦略に組み込み、継続的に推進しています。

 

(2)ガバナンス

 当社グループは取締役会が経営の最高意思決定機関であり、業務執行を監督しています。

 なお、取締役会の構成員が必要なスキル及びコンピテンシーを保有していることは、「第4 提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレートガバナンスの概要 (ご参考)取締役・監査役のスキルマトリクス」をご参照ください。

 経営会議が業務執行の意思決定、伝達機関であり、業務執行の中でサステナビリティに関連する議題を取り上げることがあり、取締役会への付議又は報告をします。

 コンプライアンス委員会では公正な取引(腐敗防止・反競争的行為)などを、全社環境委員会では気候変動への対応、持続可能な資源利用などマテリアリティを中心とした個別テーマを扱い、定例に加え必要に応じ、取締役会に適宜報告し、指示を受けています。

 「サステナビリティ推進と経営の同期」をさらに推進する目的で、2025年5月には代表取締役社長を委員長とし、取締役(外部有識者としての知見を活かすため社外取締役を含む)、執行役員及び常勤監査役で構成されるサステナビリティ委員会を設置しております。サステナビリティ委員会規程では、次の事項を議論し、業務執行へ提言・提案することを定めています。

(a) マテリアリティ及びサステナビリティガイドラインに関する事項

(b) サステナビリティの開示に関する事項

(c) リスク及び機会に関する事項

 

①サステナビリティガバナンス体制図

 

②サステナビリティ関連委員会の概要

組織体

構成員

役割

2025年度開催実績

サステナビリティ委員会

・代表取締役社長(委員長)

・代表取締役副社長(副委員長)

・取締役(社外取締役を含む)

・執行役員

・常勤監査役

・サステナビリティ経営の提言・提案

・マテリアリティの検討

・リスクと機会の検討

・開示内容の検討

4回

コンプライアンス委員会

・代表取締役社長(委員長)

・執行役員

・監査役(オブザーバー参加)

・必要と認められる者(本部長、センター長等)

・基本方針の審議

・社員行動指針等の審議

・取組に関する審議・承認

・活動状況の評価

・重大な違反への対応方針・対応策の審議・決定

3回

全社環境委員会

・代表取締役社長(委員長)

・代表取締役副社長(副委員長)

・製品環境委員会委員長、副委員長

・生産環境委員会委員長、副委員長

・グリーン調達委員会委員長

・各地区委員会委員長

・環境方針、中長期目標の決定

・重要な変化点への対応方針の決定

・EMS(環境マネジメントシステム)の有効性に対するレビュー

2回

 

 

③サステナビリティに関する取締役会報告内容:2025年度

開催時期

議題

内容

毎月

健康経営指標(KPI)

「健康方針」KPIに対する実績報告

2025年4月

コンプライアンス委員会開催報告の件

左記委員会開催内容の報告

2025年4月

サステナビリティ委員会設置の件

全社的な取組強化のため委員会を設置

2025年4月

カーボンニュートラル戦略費用の件

全社戦略費用の包括決議

2025年8月

TRV2030人事諸施策についての件

挑戦と変革を実現する人的資本経営の推進内容報告

2025年9月

統合レポート発行の件

2025年10月発行の統合レポート内容の最終報告

2025年10月

コンプライアンス委員会開催報告の件

左記委員会開催内容の報告

2026年3月

カーボンニュートラル戦略費用の件

全社戦略費用の包括決議

2026年3月

カーボンニュートラル戦略費用進捗の件

進捗状況報告

2026年3月

コンプライアンス委員会開催報告の件

左記委員会開催内容の報告

 

(3)戦略

 当社グループでは、事業活動に影響を与える重要課題であるマテリアリティを策定し、中期経営計画「TRV2030」における成長戦略・経営基盤強化に影響を与えるものに対し、リスク及び機会、指標と目標を管理・監督しています。

 

<マテリアリティ及びTRV2030での対応項目>

マテリアリティ

TRV2030での対応項目

社会課題型商品開発

成長戦略

・新領域・新事業

顧客の安全・品質保証

経営基盤強化

・品質で選ばれる東海理化の実現

健康経営の推進

経営基盤強化

・挑戦と変革を実現する人的資本経営の推進

ダイバーシティ&インクルージョン

人財育成

気候変動への対応

経営基盤強化

・カーボンニュートラル戦略

公正な取引(腐敗防止・反競争的行為)

経営基盤強化

・ガバナンス

 

 

(4)リスク管理及び指標と目標

 当社グループは、マテリアリティに対してリスクと機会を評価し、指標及び目標を設定のうえ取締役会が管理・監督しています。

 事業全体のリスクは「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」、気候変動のリスクは「(6)気候変動への対応」をご参照ください。

 

<リスクと機会及び目標>

マテリアリティ

リスク

機会

2030年に目指す姿、指標及び目標

社会課題型商品開発

・競争力の低下

・事業機会の損失

・既存事業の枠組みを超えた価値創造

・「安全・安心で豊かな社会の実現に貢献」するため、グローバルでの社会課題を把握し、解決に貢献する

・交通弱者救済、車両盗難防止等の社会課題解決に資する商品・サービス

・売上150億円

顧客の安全・品質保証

・お客さまへの被害

・生産性の低下

・お客さまの信頼獲得

・お客さま(エンドユーザー・自動車メーカー/サービサー)へ安全・安心な製品・サービスの提供により、品質でお客さまに選ばれる

・既販車処置、納入不良(法規・機能)、重大インシデント 0件

健康経営の推進

・社員のモチベーション低下

・人材確保困難

・優秀な人材の育成・確保

・健康経営の実現(社員一人ひとりが自らの能力を最大限に発揮するため健康リスクによる損失を低減出来ている)

・疾病における休務発生率 2.0%

・プレゼンティーイズム 12.4%

・有所見者率 35%

人財育成

・次世代を担う人材の枯渇

・持続可能な成長

・挑戦と変革を推進する人的資本経営の実現(挑戦を引き出す職場風土の醸成、主体的なキャリア形成の促進、全員が気持ちよく働ける職場環境づくり)

・今の会社で働くことができて本当に良かったと思う回答率 80%以上

・チャレンジングな目標設定ができている回答率 80%以上

ダイバーシティ&インクルージョン

・画一的な思考・判断

・イノベーションの促進

・イノベーション創出に向けて多様な人財が活きる組織の実現

・女性管理職比率 5.1%

・女性主任職比率 8.5%

・ダイバーシティ推進に関わる活動への参加率(累計) 100%

気候変動への対応

(6)気候変動への対応参照

公正な取引(腐敗防止・反競争的行為)

・権力と地位の濫用への加担

・不健全な市場の助長

・健全な官民・民民の交流を促進

・公正な自由競争市場の確立

・腐敗がなく公正な事業活動の実施

・贈収賄、競争法違反件数 0件

 

 

(5)人的資本に関する考え方及び取組

(基本的な考え方)

 当社は、中期経営計画「TRV2030」において、成長戦略の実現を加速させる基盤として「挑戦と変革を実現する人的資本経営の推進」を掲げています。不確実性が高まる経営環境の中で、持続的に企業価値を向上させていくためには、従業員一人ひとりが主体的に挑戦し、変革を生み出し続けることが不可欠であるとの認識のもと、人的資本を最重要の経営資源と位置づけ、戦略的な投資を進めています。

 当社の人的資本経営は、3つの重点取り組み「健康経営の推進」「変革をリードする人財の育成」「挑戦・成長・活躍機会のさらなる拡大」を軸に展開しています。これらを通じて、東海理化ならではの次世代製品・新事業を具現化できる人財を育成し、従業員の挑戦と変革を後押しすることで、持続的な成長を実現していきます。

 

①健康経営の推進(全員活躍を実現する基盤づくり)

 従業員の健康は、良い仕事を生み出す源泉であり、会社の持続的発展に不可欠な経営基盤であると考えております。当社では、従業員一人ひとりが将来にわたり心身ともに健康で、活力をもって働き続けられることを目指し、全社を挙げて健康経営に取り組んでいます。

 2030年に向けた健康経営の目標値を定め、健康リスクと相関の高い生活習慣の改善を重点テーマとして設定しています。また、健康方針を策定し、「従業員が自ら健康維持・増進に努める(自己保健義務)」と「会社が従業員の心身の健康と安全に配慮する(安全配慮義務)」の両輪で健康活動を推進しています。

 具体的には、定期健康診断の結果を活用し、安全配慮が必要な基準を設定したうえで、基準に該当する従業員に対して改善に向けた継続的なフォローを行い、健康意識の向上を図っています。加えて、健康経営に関する有識者を招いた講演会を開催することで、従業員及び管理職の理解を深め、組織全体として健康を重視する風土の定着を進めています。

 

②変革をリードする人財の育成(将来価値を担う人財への投資)

 当社は、次世代を担う経営幹部候補・幹部職候補・リーダー候補を対象とした選抜型の人財育成を通じ、将来の企業価値創出を担う人財の育成を進めています。2025年度より開始した「経営人財育成プログラム」では、TPSの実践を通じた経営改革の体感や、修羅場経験を通じた実践力の強化など、役割に応じた育成を行っています。また、ライン長(マネジャー層)を対象としたマネジメント力強化研修を実施し、メンバーの挑戦を引き出す組織への変革を進めることで、人的資本投資の成果を職場レベルで最大化していきます。

 

③挑戦・成長・活躍機会のさらなる拡大

a) 人財育成・キャリア自律支援

 当社では、従業員一人ひとりが自律的に挑戦し、成長し続けることが、企業価値向上につながるとの考えのもと、人財育成及びキャリア自律支援に積極的に投資しています。年3回の上司部下間の定期面談や、階層別・職能別・職場別教育を通じて、「活躍・成長のサイクル」を回し、昇格後の円滑な役割発揮を支援する準備研修も実施しています。また、市場ニーズの変化に対応するため、リスキルの機会を提供し、東海理化学園の教育カリキュラムについてもソフト領域を重視した内容へ転換しています。キャリア自律支援としては、3年連続で異動希望を提出した従業員に対し、計画的な異動・育成を行う制度を導入しています。加えて、挑戦意欲の高い高評価者・昇格者を対象としたFA制度を新設し、従業員自らが新たな活躍の場を選択できる仕組みを整備しています。

 

b)全員活躍を支える制度整備

 人生のステージや価値観が多様化する中、従業員が長期にわたって能力を発揮し続けるためには、仕事と生活の両立を支える環境づくりが重要であると考えています。当社では、育児や介護、治療期に限らず、全ての従業員を対象に、多様な働き方を支援する制度の整備と拡充を進めています。具体的には、社外チャレンジ(副業)制度の整備や、2025年からの年次有給休暇の有効期限延長(2年から3年への変更)などを実施しています。これらの制度を通じて、従業員が自身のライフイベントや価値観に応じて時間の使い方を主体的に選択し、働きがいを感じながら活躍できる環境の実現を目指しています。

 

 

c)ダイバーシティの推進

 当社は、ダイバーシティ&インクルージョンを経営基盤を支える重要な柱の一つと位置づけ、多様な人財がその個性や能力を最大限に発揮できる組織風土の醸成に取り組んでいます。全員活躍を実現するためには、従業員個人のみならず、それを取り巻く組織やマネジメントのあり方を含めた風土改革が必要であるとの考えのもと、2025年度よりマネジメント層を対象とした研修を導入しました。多様な価値観を前提に、従業員一人ひとりの個性を活かすマネジメントを通じて、組織の成果につなげていく風土の定着を進めています。また、異業種リーダーによる講演会や異業種交流会を通じ、業界や職種を越えた知見に触れる機会を継続的に提供しています。さらに、特別支援学校や特例子会社への訪問などを通じ、障がいに対する理解を深める活動にも取り組んでいます。

 

 当社は、健康、働きがい、多様性、育成・キャリア支援への人的資本投資を通じて、従業員一人ひとりの挑戦と

変革を引き出し、その積み重ねにより企業価値の持続的向上を実現していきます。

 

(指標及び目標)

 当社では、人的資本への投資を人財戦略と一体で推進しています。人的資本経営に関する考え方については、本項において示しており、これに基づく人財戦略の具体的内容並びに、指標及び目標については、「5 従業員の状況等」において記載しています。

 

 

(6)気候変動への対応

 当社は、気候変動への対応をマテリアリティの1つとして掲げ、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の考え方に基づいて抽出したリスクと機会に対して、対応の方針・計画を策定することで、リスクの低減及び機会の拡大を確実に行っていきます。

 

a.ガバナンス

<リスクと機会に対する取締役会の監督体制>

 取締役会は、カーボンニュートラル戦略の進捗状況について、定期的に報告を受け、レビューを実施しています。戦略実行のための予算については、年度ごとに包括決議を行い、年間の計画に対する判断・監督をしており、高額投資案件に対しては、個別に報告を受け、決議を行っています。

<リスクと機会の評価と管理における経営者の役割>

 代表取締役社長を委員長とする全社環境委員会にて、リスク及び機会に対する対応方針となるカーボンニュートラル戦略の決定と目標・実行計画の承認、計画に対する進捗管理とレビューを行っています。

 

b.戦略

 気候変動に対しては、移行リスク、物理リスクがそれぞれ最大となる2種類のシナリオを設定し、シナリオ分析によりリスクと機会を抽出しています。リスクに対しては、レジリエンスを強化するための取組を環境委員会にて検討し、カーボンニュートラル戦略として中期経営計画に織り込むことで、確実かつ計画的に対応を進めていきます。これにより各シナリオで想定する社会において、当社の事業活動は適応できると考えています。

<シナリオの設定>

①1.5シナリオ

 地球温暖化の抑止が社会基盤となり、温室効果ガス排出抑制・再生可能エネルギー関連の政策や、技術革新・インフラ整備により脱炭素化が加速し、気温上昇を1.5以内に抑えることが実現している社会。気温上昇による物理リスクは低減されるが、規制強化やステークホルダーからのニーズの変化など、社会変化に対する対応が求められるため、移行リスクが最大となるシナリオとして設定しています。

②4シナリオ

 地球温暖化を食い止めることができず、気温が4℃上昇してしまった社会。気温の上昇に伴う気候変動により、集中豪雨・台風などの自然災害による急性リスク増加や降雨パターンの変化による水不足などの慢性リスク発生により、物理リスクが最大となるシナリオとして設定しています。

<リスクと機会>

種類

短期・中期・長期のリスクと機会

事業・戦略・財務に及ぼす影響

区分

説明

時間軸

可能性

影響額

移行

(1.5)

規制

リスク

炭素税の導入による操業費用の増加

中期

10億円

機会

温室効果ガスの削減によるコスト低減(炭素税、電力料金等)

中期

15億円

評判

リスク

脱炭素化を目指さないことによる、お客さまからの取引解消

長期

200億円

機会

カーボンニュートラル対応の情報開示による資金調達の安定化

長期

技術

リスク

低炭素化へ向けた材料変更による、材料コストの増加

長期

50億円

機会

低CO2製品開発による受注拡大

長期

10億円

物理

(4)

急性

リスク

自然災害の激甚化による工業操業停止、サプライチェーン分析による売上減少

長期

100億円

慢性

リスク

平均気温の上昇による空調コストの増加

長期

1億円

リスク

降水量の変化による水供給不足

長期

30億円

 (注) 時間軸は、短期を5年未満、中期を5~10年未満、長期を10年以上としています。

 

 

<レジリエンス強化の取組>

リスク

レジリエンス強化の取組

炭素税の導入による操業費用の増加

・省エネの徹底、温室効果ガスの代替化による工場CO2排出量の低減

・再エネの導入拡大による、再エネ率向上

・物流効率改善、FCV導入による輸送CO2排出量低減

脱炭素化を目指さないことによる、

お客さまからの取引解消

・中長期戦略の策定と開示

・仕入先との連携強化

低炭素化へ向けた材料変更による、

材料コストの増加

・低CO2材料の開発

自然災害の激甚化による工場操業停止、

サプライチェーン分断による売上減少

・事業継続計画(BCP)の策定

平均気温の上昇による空調コストの増加

・空調設備のトップランナー設備への更新

降水量の変化による水供給不足

・製造工程の水再利用により取水量抑制

 

c.リスク管理

<リスクと機会の特定・評価プロセス>

 IEA(国際エネルギー機関)Net Zero by 2050やIPCC(気候変動に関する政府間パネル)RCPなどの気候変動シナリオを参考に分析を行い、リスクの特定・影響評価を行っています。影響評価は金額での定量化に努め、財務に対する影響の把握を行っています。

<リスクと機会の管理プロセス>

 特定したリスクと機会に対しては、具体的な対応と目標を環境取組の対応方針・計画に織り込み、進捗管理を行っています。また、リスクと機会は、最新のシナリオや社会動向により定期的に評価の見直しを行い、評価制度の向上を図ることとしています。

<組織全体のリスク管理への統合・伝達状況>

 組織全体のマテリアリティ分析では、社会の土台である自然環境の保全を分析項目として取り上げ、その中から「気候変動への対応」を重要課題として特定しています。そして、全社年度方針では、6つの経営の柱の1つとして環境経営を位置づけており、その中で課題に対する取組としてカーボンニュートラルの実現を挙げています。

 

d.指標と目標

KPI

対象

目標

実績

基準年

最終年

目標値(基準年比)

2024年度

2025年度

SCOPE1,2

(t-CO2)

連結

2013

2030

96,055(60%)

176,399

143,552

2035

72,041(▲70%)

2023

(SBT認定)

2030

109,606(▲50%)

SCOPE3

(t-CO2)

連結

2023

(SBT認定)

2030

11,312,085(▲25%)

1,497,524

1,278,286

再エネ率

連結

70%

19%

22%

単独

100%

13%

18%

取水量

(千㎥)

単独

2019

2030

551(基準年以下)

464

470

 

<SCOPE1,2 低減シナリオ>

<温室効果ガス排出量(連結)>                               単位:t-CO2

区分

2024年度

2025年度

SCOPE1

自らによる直接排出

95,211

66,706

SCOPE2

他社からの電気等の供給に伴う間接排出

81,188

76,846

SCOPE3(上流)

事業活動に関する他社の排出量

1,497,524

1,278,286

CATEGORY1

購入した製品・サービス

1,290,642

1,081,243

CATEGORY2

資本財

115,708

105,767

CATEGORY3

SCOPE1,2に含まれない燃料

12,968

16,013

CATEGORY4

輸送・配送(上流)

49,068

51,125

CATEGORY5

事業から出る廃棄物

1,498

1,473

CATEGORY6

社員の出張

3,327

3,184

CATEGORY7

社員の通勤

10,603

10,227

CATEGORY8

リース資産(上流)

SCOPE1,2及びCATEGORY1に含まれる

CATEGORY9

輸送・配送(下流)

非該当

CATEGORY10

販売した製品の加工

6,738

7,034

CATEGORY11

販売した製品の使用

44

58

CATEGORY12

販売した製品の廃棄

6,928

2,162

CATEGORY13

リース資産(下流)

SCOPE1,2及びCATEGORY1に含まれる

CATEGORY14

フランチャイズ

非該当

CATEGORY15

投資

SCOPE1,2及びCATEGORY1に含まれる

合計

1,673,923

1,421,838

 (注) 当連結会計年度より温室効果ガス排出量の算定方法を変更しております。これに伴い、前連結会計年度の数値についても当該変更後の方法により再計算しております。

 

<SCOPE1,2算定の基準>

 温室効果ガス排出量算定・報告マニュアルver6.0、サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドラインver2.6、同算定のための排出原単位データベースver3.4、LCIデータベースIDEA ver3.3を用いて算定しています。算定範囲は支配力基準に基づく連結とし、CO2の排出係数は、日本国内拠点はマーケット基準、海外拠点はロケーション基準を採用しています。そして、信頼性のあるデータ開示を行うためSGSジャパン株式会社による第三者保証を受けております。