2025年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

コンデンサ その他
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
コンデンサ 118,022 96.2 3,302 88.3 2.8
その他 4,662 3.8 438 11.7 9.4

事業内容

3【事業の内容】

 当社の企業集団は当社と子会社19社、関連会社2社で構成され、電子部品等の製造・販売を主たる業務としております。当社の企業集団の事業に係わる位置付けは次のとおりであります。また、各事業毎の会社数は、複数事業を営んでいる会社をそれぞれ含めて記載しております。

 

 (コンデンサ) 国内において子会社であるケミコン東日本㈱、ケミコンデバイス㈱が製造しており、当社が仕入・販売をしております。海外では、United Chemi-Con,Inc.、P.T. Indonesia Chemi-Con、貴弥功(無錫)有限公司、他2社及び関連会社1社が製造・販売等をしており、Europe Chemi-Con (Deutschland)GmbH、Hong Kong Chemi-Con Ltd.他5社が販売しております。また、コンデンサ用材料につきましては、当社が製造・販売するほか、国内ではケミコン東日本マテリアル㈱、海外ではChemi-Con Materials Corporation 他1社にて製造しており、国内、海外ともにKDK販売㈱が販売しております。

 (その他) 国内子会社のケミコンデバイス㈱他1社、海外子会社1社が製造しており、当社が仕入・販売しております。

 

[事業系統図]

 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績

 当期における世界経済は、米国では個人消費が堅調に推移するなど景気は総じて回復基調で推移いたしました。一方、欧州経済は持ち直しの動きが見られましたが、ドイツを始めとした製造業の不振が長期化しており景気回復のペースは緩慢なものとなりました。また、中国においても不動産不況の継続や個人消費の停滞を背景に景気は緩やかな減速傾向が続きました。日本国内におきましても、景気は総じて緩やかな回復基調で推移したものの、企業の生産活動は弱含みで推移いたしました。なお、こうした状況の中で年明け以降、米国の通商政策の見直しにより世界経済の下振れリスクが高まり、先行きの不透明感も強まってまいりました。

 当社グループを取り巻く市場環境につきましては、ICT関連市場は米国IT大手等によるデータセンター投資が拡大し、生成AIサーバーを含むサーバー需要が高まり堅調に推移いたしました。一方、自動車関連市場は、世界的にEV市場の成長が減速したことから、自動車メーカー各社が相次いでEV戦略を見直したことに加え、部品の在庫調整の影響もあり総じて低調に推移いたしました。また、産業機器関連市場は、中国経済の低迷など景気の先行き不透明感により企業の設備投資マインドが減退したことで在庫調整も長期化し、依然として厳しい市場環境が継続いたしました。

 このような経営環境のもと、当社グループは成長が見込まれる車載市場、産業機器市場、ICT市場を戦略市場と位置づけ、ハイブリッドコンデンサ等の高付加価値品の拡販を積極的に進めてまいりました。また、インドに新たな販売拠点を開設し、2024年12月より本格的な営業を開始いたしました。生産面では、ケミコン東日本株式会社宮城工場にハイブリッドコンデンサの製造棟を新設し、同年10月より生産活動を開始いたしました。また、製品や材料の品質管理工程を一部自動化することで人為的ミスによる品質不良の低減を図るなど、引き続きスマートファクトリー化を進めてまいりました。

 当期の製品開発については、発熱量の大きいAIサーバーの普及に伴い、近い将来データセンターにおけるサーバーの冷却方式が「液浸冷却」に移行することをにらみ、液浸冷却に対応したアルミ電解コンデンサを業界で初めて開発いたしました。また、リフロー後の漏れ電流値を業界で初めて保証した導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ「PXYシリーズ」の開発や、導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサ「HXKシリーズ」の製品サイズ拡充などに取り組みました。

 これらの結果、当期の連結業績につきましては、売上高は1,226億84百万円(前期比18.6%減)となり、営業利益は37億40百万円(前期比60.3%減)、経常利益は15億68百万円(前期比80.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は37百万円(前期親会社株主に帰属する当期純損失212億91百万円)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(コンデンサ)

 産機関連の需要が減少したことなどにより、売上高は1,180億22百万円(前期比19.0%減)、セグメント利益は33億2百万円(前期比62.6%減)となりました。

(その他)

 車載関連市場における部品在庫の調整等もあり、主にインダクタ(コイル)の需要が減少したことなどにより、売上高は46億62百万円(前期比7.5%減)、セグメント利益は4億38百万円(前期比26.7%減)となりました。

 

 

 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

コンデンサ

119,277

△15.8

その他

3,438

0.1

合計

122,716

△15.4

(注)金額は販売価格によっております。

 

② 受注実績

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

コンデンサ

118,674

11.0

39,662

1.7

その他

4,893

13.5

1,131

25.7

合計

123,567

11.1

40,793

2.2

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

コンデンサ

118,022

△19.0

その他

4,662

△7.5

合計

122,684

△18.6

(注)総販売実績に対して10%以上に該当する得意先はありません。

 

(2)財政状態

 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末(以下前期末)比102億19百万円減少し、1,627億2百万円となりました。

 流動資産は、現金及び預金の減少を主な要因として、前期末比181億95百万円減少し、866億20百万円となりました。

 固定資産は、投資その他の資産が前期末比74億60百万円増加したことを主な要因として、760億82百万円となりました。

 当連結会計年度末の負債の合計は、前期末比132億75百万円減少し、1,060億34百万円となりました。

 流動負債は前期末比143億85百万円減少し606億31百万円、固定負債は前期末比11億9百万円増加し、454億3百万円となりました。

 有利子負債(短期借入金、長期借入金及びリース債務の合計額)は前期末比111億56百万円減少し、782億39百万円となりました。

 当連結会計年度末の純資産は為替換算調整勘定の増加、退職給付に係る調整累計額の増加などにより566億67百万円(前期末比30億56百万円増)となりました。

 これらの結果、自己資本比率は前期末30.7%から34.5%となり、1株当たり純資産額は1,776円97銭から1,902円11銭となりました。

 

(3)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ214億30百万円減少し、238億64百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、4億93百万円の支出となりました。

 主な収入は売上債権の増減額27億24百万円などであり、主な支出は棚卸資産の増減額37億73百万円などによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、97億54百万円の支出となりました。

 主な支出は、有形固定資産の取得による支出93億25百万円などであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、119億31百万円の支出となりました。

 主な収支は、借入金による収支105億72百万円などによるものであります。

 

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入、第三者割当による種類株式及び普通株式の発行などによるものであります。なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は782億39百万円となっております。

 

(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、期末時点の状況をもとに、各種の見積りと仮定を用いております。実際の結果につきましては、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りと仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

(繰延税金資産)

 当社グループは、繰延税金資産について、将来の課税所得見積額と実行可能なタックス・プランニングを考慮し、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合は、繰延税金資産を取崩し、税金費用が計上される可能性があります。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1 報告セグメントの概要

 当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

 当社は、コンデンサの製造販売を主体とした機能別の事業本部を本社に置き、国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。

 従って、当社は「コンデンサ」を報告セグメントとしております。

 「コンデンサ」では、主に材料から一貫したアルミ電解コンデンサの製造販売を行っております。

 

2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法

 報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、連結財務諸表を作成するために採用される会計方針に準拠した方法であります。報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。

 

3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報及び収益の分解情報

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

(注)1

連結財務諸表計上額

(注)2

 

コンデンサ

売上高

 

 

 

日本

26,745

3,743

30,489

中国

43,928

187

44,115

米州

20,625

55

20,681

欧州

22,606

2

22,608

その他

31,792

1,052

32,844

顧客との契約から生じる収益

145,698

5,041

150,740

その他の収益

外部顧客への売上高

145,698

5,041

150,740

セグメント間の内部売上高又は振替高

145,698

5,041

150,740

セグメント利益

8,824

597

9,422

その他の項目

 

 

 

減価償却費

6,663

99

6,762

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

11,056

138

11,195

(注)1 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、CMOSカメラモジュール、インダクタ(コイル)などを含んでおります。

2 セグメント利益の合計額は、連結損益計算書の営業利益と一致しております。

3 セグメント資産は、事業セグメントに資産を配分していないため、記載しておりません。

 

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

(注)1

連結財務諸表計上額

(注)2

 

コンデンサ

売上高

 

 

 

日本

22,547

3,676

26,224

中国

39,321

143

39,464

米州

13,917

40

13,957

欧州

13,080

10

13,090

その他

29,155

791

29,946

顧客との契約から生じる収益

118,022

4,662

122,684

その他の収益

外部顧客への売上高

118,022

4,662

122,684

セグメント間の内部売上高又は振替高

118,022

4,662

122,684

セグメント利益

3,302

438

3,740

その他の項目

 

 

 

減価償却費

6,943

145

7,089

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

7,582

49

7,631

(注)1 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、CMOSカメラモジュール、インダクタ(コイル)などを含んでおります。

2 セグメント利益の合計額は、連結損益計算書の営業利益と一致しております。

3 セグメント資産は、事業セグメントに資産を配分していないため、記載しておりません。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

1 製品及びサービスごとの情報

 セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2 地域ごとの情報

(1)売上高

(単位:百万円)

 

日本

中国

米州

欧州

その他

合計

30,489

44,115

20,681

22,608

32,844

150,740

(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

 

(2)有形固定資産

(単位:百万円)

 

日本

中国

米州

欧州

その他

合計

32,204

2,770

2,753

2,954

7,101

47,784

 

3 主要な顧客ごとの情報

 外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がいないため、記載はありません。

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

1 製品及びサービスごとの情報

 セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2 地域ごとの情報

(1)売上高

(単位:百万円)

 

日本

中国

米州

欧州

その他

合計

26,224

39,464

13,957

13,090

29,946

122,684

(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

 

(2)有形固定資産

(単位:百万円)

 

日本

中国

米州

欧州

その他

合計

33,947

2,905

2,585

2,776

6,114

48,330

 

3 主要な顧客ごとの情報

 外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がいないため、記載はありません。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

 該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

 該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

 該当事項はありません。