2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    941名(単体) 5,796名(連結)
  • 平均年齢
    40.4歳(単体)
  • 平均勤続年数
    16.5年(単体)
  • 平均年収
    6,401,000円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2024年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

コンデンサ

5,657

その他

139

合計

5,796

(注)従業員数は、就業人員であります。臨時雇用者は含みません。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

2024年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

941

40.4

16.5

6,401

 

セグメントの名称

従業員数(名)

コンデンサ

915

その他

26

合計

941

(注)1 従業員数は、就業人員であります。

2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3 従業員数、平均年齢、平均勤続年数及び平均年間給与には、臨時雇用者は含みません。

 

(3)労働組合の状況

 当社グループの労働組合は、各社が労働組合を組織し、ケミコン労働組合連合会を形成しております。2024年3月31日現在の連合会組合員総数は1,684名であります。

 なお、労使関係は安定しております。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

①提出会社

当事業年度

管理職に占める女性労働者の割合(%)

   (注)1

男性労働者の育児休業取得率(%)

   (注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1、3

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

3.7

39.1

76.1

76.0

92.6

(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3 臨時雇用労働者は有期の嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。

 

②連結子会社

当事業年度

名称

管理職に占める女性労働者の割合(%)

 (注)1

男性労働者の育児休業取得率

  (%)

 (注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1、3

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

ケミコン東日本㈱

1.0

18.8

83.5

82.2

99.3

ケミコン東日本マテリアル㈱

100.0

74.3

73.1

100.4

ケミコンデバイス㈱

66.7

86.0

87.3

87.3

(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3 臨時雇用労働者は有期の嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティに関する考え方

 当社は企業理念として「環境と人にやさしい技術への貢献」を掲げており、世の中を支える技術とその発展は環境や人を傷つけるものであってはならないこと、そして、電子部品の開発・製造を通じてモノづくりを支え確かな技術で社会に貢献することを存在意義としております。係る理念に基づくサステナビリティへの取組みは、中長期的には①レジリエンスの強化によるリスクの低減と②質の高い成長力によるキャッシュ・フローの増加をもたらし、持続的な企業価値の向上に資するものと考えております。特に、今般の不確実性の高い事業環境におきましては、変化にいち早く対応する適応力とイノベーションによる競争力の獲得が重要であり、企業価値の源泉である人的資本への投資や気候変動問題への対応等は注力すべき経営課題であると認識しております。

 

(2)サステナビリティに関する取組(ガバナンス及びリスク管理)

 サステナビリティ戦略を含む意思決定と監督は取締役会によって行われております。また、サステナビリティに関連する全社的リスクは、各専門的な知見を集約してリスクマネジメント委員会が行動計画を策定し、その実施状況をモニタリングしております。

 なお、委員会は年2回、取締役会及び経営委員会にリスク管理状況を報告しております。

 

(3)気候変動に関する取組(ガバナンス、戦略、リスク管理並びに指標及び目標)

 当社では、気候変動が事業継続に影響を及ぼす重要課題と認識し、2022年3月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(以下「TCFD」)」による提言への賛同を表明いたしました。この枠組みに沿って、気候変動が当社の事業に影響を及ぼすリスク・機会を分析し、経営戦略に反映するとともに、気候変動に関わる財務情報の開示に取り組んでまいります。

 なお、詳細につきましては、下記当社ウェブページ「気候変動への取り組み」をご参照ください(2023年度に係る情報の記載につきましては、2024年6月下旬に下記ページを更新予定であります。)。

 https://www.chemi-con.co.jp/company/sustainability/environment/tcfd.html

 

 ガバナンス

 当社ではリスクマネジメント委員会にて、気候変動に関わる議論や気候変動への取組み状況の評価・管理を行います。リスクマネジメント委員会から取締役会及び経営委員会へ、リスク及び機会を含めた事業に影響する可能性のある気候関連情報について年2回の報告を行い、取締役会が指示・監督を行います。また、気候変動をはじめとする環境リスクや環境課題に関する問題の解決に向けた取組みを環境委員会にて行います。環境委員会では、実行部門への取組み展開、脱炭素や省エネルギーへの取組みの進捗管理を行い経営委員会及びリスクマネジメント委員会へ報告いたします。

 

 

 戦略

 気候変動に関連した当社事業へのリスク・機会は、2021年度TCFD対応メンバーにて、リスク・機会の項目を選定し、2022年度には全執行役員により、リスク・機会の再度見直しを行ったうえで評価を行いました。2023年度は、リスクの影響度と期間について見直しを行い、識別・評価した結果、以下のようになりました。

リスク/機会

項目

影響度

期間

想定される事象と対策

移行リスク

市場

気候変動に関連する顧客要求を満たせない場合のリスク

短期

中期

(想定される事象)

 1.5℃シナリオでは、気候変動に関連する技術への対応、その他要求事項の増加が想定され、顧客要求を満たせない場合、当社の売上減少が想定される。

(対応策)

①現在当社の最重要戦略市場に含まれる車載市場、産業機器・エネルギー変換市場は、EV化をはじめとする気候変動の緩和へ大きく貢献する市場であり、今後もこれらの市場に対し、新製品を投入するとともに、そのスピードをさらに速めていくことで顧客要求を満たし、リスクへ対応していく。この指標として、研究開発費の売上高比4%を目指し、取り組んでいく。

②当社ではグリーン調達ガイドラインにて、気候関連リスクに関する取組みを行うようサプライヤーへ示している。新規取引及び更新の際に、物理的リスクが高いサプライヤーに対し、気候関連のリスクを考慮した事業継続計画への見直しや適応策の実施を促すことで、サプライチェーンを通じた取組みを進めていく。

政策/法規制/市況

カーボンプライシング導入/電力・燃料・材料費増加

短期

中期

(想定される事象)

 1.5℃シナリオでは、気候変動の対応策として、炭素税をはじめとするカーボンプライシングの導入が想定され、直接的・間接的に電力費、燃料費や材料費及び租税課金の増加が想定される。

(対応策)

 カーボンプライシングへの対応策として、当社では、環境委員会の傘下として、省エネルギー対策小委員会を設置しており、グループ全体での省エネ及び

CO排出量の削減に取組み将来の影響額の低減に努めている。

 2050年度カーボンニュートラル実現に向け、再エネ電力の導入を開始。さらなる活用についても検討を進めている。

物理的リスク

急性

異常気象による災害の激甚化

短期

長期

(想定される事象)

 4℃シナリオでは、異常気象による豪雨災害などの頻度が高くなることが想定される。

(対応策)

 2011年の震災以降、製品・材料ともに複数の事業所での生産体制を採用しており、また、材料においては他社からの購入体制も構築している。さらに、国内事業所の将来にわたる浸水リスクの年間影響額は、算定済みであり、各自治体が発行済みのハザードマップに変更がないか定期的に確認を行っている。国内事業所におけるリスクへの対応は、ハザードマップを基準として考え優先順位を決めた。影響を受ける恐れのある国内製造拠点については、BCP(事業継続計画)の見直しを行い、河川計画規模(L1、10~100年に1度)の災害を受ける可能性の高い事業所については、そのリスクを軽減する対策を開始。想定最大規模(L2、1000年に1度)の災害を受ける可能性がある事業所においても対応策を順次計画・開始し、リスクの低減に努めている。

機会

市場

顧客要求に対応した製品・サービスの提供

短期

中期

(想定される事象)

 1.5℃シナリオでは、温室効果ガスの排出抑制を図るため、設備の導入、機器仕様の変更が進められ、電化や省エネを推し進めていく世界の中で、当社製品の使用機会が増大することが考えられる。

 また、当社ではこれまでも電極箔生産における使用電力の積極的削減を進めており、CO排出量の観点から優位性の高い製品を提供することが可能になると考える。

(対応策)

①現在当社の最重要戦略市場に含まれる車載市場、産業機器・エネルギー変換市場は、EV化をはじめとする気候変動の緩和へ大きく貢献する市場であり、今後もこれらの市場に対し、新製品を投入するとともに、そのスピードをさらに速めていくことで、顧客要求に対応し、事業機会を拡大していく。この指標として、研究開発費の売上高比4%を目指し、取り組んでいく。

②製品の生産におけるCO排出量の削減を念頭においた、製品の開発や生産設備の開発・導入を進めていく。

技術

新技術の開発による競争優位性の向上

機会

レジリエンス

再エネプログラム・省エネ対策の推進

短期

中期

(想定される事象)

 1.5℃シナリオでは、再エネプログラムや省エネ対策を推進することが求められる。

(対応策)

 再エネプログラムや省エネ対策を推進しコスト等の低減をはかることで競争力の向上を図る。

 影響度:売上の5%以上の影響額のあるリスク及び機会を影響度:大として評価しております。

 期 間:短期:2025年度まで、中期:2030年度まで、長期:2050年度までを想定しております。

 

 なお、当社では以下のシナリオについて分析を行い、それぞれのシナリオで必要となる対応策の検討を進めております。

 

 1.5℃シナリオ(IPCC SSP 1-1.9及びIEA NZEに基づく)で想定する世界観:2050年又はそれ以降にカーボンニュートラルを達成する為、脱炭素/低炭素社会の実現に向けた社会経済が発展する世界。

 4.0℃シナリオ(IPCC SSP 3-7.0及びNGFS(NDCs)に基づく)で想定する世界観:現在行われている気候変動に関する政策が強化されることなく継続されることにより、自然災害の激甚化による社会の適応の必要性が高まる世界。

 一部SSP8.5のシナリオ数値を使用し国内事業所のリスク試算をしております。

 

 IPCC SSP:気候変動に関する政府間パネル 共有社会経済経路シナリオ

 IEA NZE:国際エネルギー機関におけるネットゼロシナリオ

 NGFS(NDCs):気候変動リスクに係る金融当局ネットワーク 各国が決定する貢献シナリオ

 

(当社グループ事業所における洪水災害の影響)

 当社グループで災害の影響を受ける事業所を特定するとともに対策を開始しております。2022年度は被災した場合、影響の大きな日本ケミコン㈱高萩工場、ケミコン東日本㈱宮城工場での対応策を策定。2023年度より順次対応を開始しております。

 

・日本ケミコン㈱高萩工場

 花貫川に隣接し、計画規模(50年に1度)の浸水深は、0.6m前後とされております。2022年度より計画規模の浸水に対し対応すべく土嚢、止水板等の設置を計画し、対策を進めているとともに、重要設備更新時に高所への設置を並行して進めております。

・ケミコン東日本㈱宮城工場

 大崎市ハザードマップによると想定最大規模(1000年に1度)の降雨で2mを超える浸水域に指定されております。当該事業所は過去に浸水被害はありませんが、これに対応するため、2022年度より計画を立て、2023年度より土嚢等の購入を開始いたしました。

 また、現在建設中の建屋は、一部防水構造となっており、重要設備は高所へ設置するレイアウトを採用しております。

 

 リスク管理

 当社グループでは、リスクマネジメント基本方針を策定し、「リスクマネジメント基本規程」及び各種関連規程に基づいたリスクマネジメント体制の整備・強化に努めております。当社グループは、リスクマネジメント総責任者のもとにリスクマネジメント委員会を設置し、グループ全体の見地から、リスクマネジメントに係わる行動計画の策定やその実施状況のモニタリングなどを行っております。そのなかで、気候変動リスクを事業のリスクとして捉えており、委員会の中で議論がされております。委員会は年2回開催するとともに、取締役会及び経営委員会にリスク管理状況を報告しております。なかでも気候変動リスクについては、担当部門から各事業所、各部門へリスクの低減と機会獲得に向けた方針を展開し、取組み状況のモニタリングを行っております。また、関連部門への支援も実施しております。

 

 

 

 指標及び目標

 当社では、気候関連のリスクを評価・管理するために、以下の指標と目標を使用いたします。なお、新たに2023年度の活動の中で、海外事業所の目標を決め、活動を開始いたしました。

 

 電機・電子業界で推進する「カーボンニュートラル行動計画」を踏まえ、2030年度に向けてエネルギー原単位改善率年平均1%以上を目標といたします。また、2050年カーボンニュートラル実現に向け、当社生産におけるCO排出量を2030年度に2013年度基準で、国内46%程度、海外平均29%の削減に挑戦いたします。

 

国内、海外CO排出量削減状況

 2023年度のCO排出量については、国内は2013年度35万7千トンでしたが、2023年度23万9千トンと約33%の削減となりました。海外は、2013年度15万2千トンでしたが、2023年度13万7千トンと約10%の削減となっております。

 

施策について

 下記のような取組みを進めてまいります。

  電力に関する省エネ  :照明のLED化、空調機器更新、生産設備の省エネ化、整流器・変圧器の更新など

  熱・燃料に関する省エネ:ボイラーの更新、燃料転換、保温、生産機の蒸気レス化など

  再エネ発電の導入   :事業所敷地内への太陽光発電設備を導入し使用するなど

  再エネ電力などの購入 :生産事業所での再エネ電力などの購入

 2023年より中国の貴弥功(無錫)有限公司にて太陽光パネルでの発電を開始、また2024年1月よりケミコン東日本㈱福島工場にてオンサイトPPA(Power Purchase Agreement:電力販売契約)による太陽光発電を開始いたしました。

 2024年度は、Chemi-Con(Malaysia)Sdn.Bhd.へのオンサイトPPAを導入いたします。

 

 CO排出量削減状況、施策の詳細については、当社ウェブページ「気候変動への取り組み」をご参照ください。

 

 当社の事業活動におけるGHG排出については下記ページをご参照ください。

 https://www.chemi-con.co.jp/company/sustainability/environment/data.html

 

 当社の気候変動に関する指標・目標に対する実績については、下記ページをご参照ください。

 https://www.chemi-con.co.jp/company/sustainability/environment/target.html

 

 

(4)人的資本に関する戦略

 上記「(1)サステナビリティに関する考え方」に記載の観点(①レジリエンスの強化によるリスクの低減と②質の高い成長力によるキャッシュ・フローの増加)は、人的資本への効率的な投資においても欠かせないと考えております。大まかな方向性と致しましては、「スキルや知見の獲得・向上・多様化による環境変化への適応力の強化」と「イノベーションの創出による売上の増加と高付加価値製品の開発による利益率の向上」を重要な人的資本戦略と位置付けております。係る戦略課題を解決するため、人材育成方針として「10年後を担う人財」を掲げ、「組織や仕組みの改革を行い境界を越えて挑戦できる人財」の育成を目指します。具体的には下記のような個別戦略を定めております。

個別戦略

概要

教育の充実化・柔軟な労働環境の整備

 新たな事業領域の創出や変化する環境に対応できる人財育成のためには、教育制度の拡充やそのベースとなる柔軟な労働環境の整備がカギとなると考えます。なぜなら、教育制度の拡充による新たな知見の獲得は、イノベーションによる事業領域の創出の可能性を高めると共に、高付加価値製品の開発によるキャッシュ・フローの向上と環境変化に即応した開発によるレジリエンス強化をもたらすものであるからです。

 そのためには、挑戦と変化を是とする仕組みや従業員の健康や満足度を向上させる柔軟な労働環境を整備することが肝要と考えております。

 現在、当社グループでは、階層別研修、日本ケミコンビジネススクール、海外駐在実習制度、ITマスター制度、新規事業推進制度並びに在宅勤務制度、フレックス勤務制度、ウェルカムバック制度、DX推進などの諸施策を実施しております。

 今後は「1on1ミーティング」等の選択肢を含めた組織活性化の諸施策の導入を検討してまいります。また、従業員が適切な評価を受けることができるよう、適切な人事ローテーションのあり方、360度評価の導入検討、評価者訓練の実施等、人事制度全般の見直しを実施してまいります。

ダイバーシティの推進

 ダイバーシティの推進はそれ自体社会的価値があるのみならず、知見の結合(イノベーション)を誘発するような多様なアイデアが生まれやすい環境を整備する上でも欠かせないものと考えております。また、多様なバックグラウンドを持つ従業員を活用することは、人的資本の補完性がより強化されることにつながり、意思決定の正確性向上やリスク発現時のコストを低減することも期待できます。

 当社はダイバーシティ推進委員会を設置しており、第1期の活動では、ダイバーシティ&インクルージョンの社内周知、ワークライフバランス支援、女性社員同士のネットワーク支援の3つを中心に活動しました。具体的には、以下の様な取組みを実施しました。

・社内掲示板にて委員会のウェブサイトを立ち上げ、社内報と合わせ社内広報活動に努めました。

・会社の制度紹介、育児経験談等の仕事と子育て両立支援情報の社内展開に努めました。

・女性社員座談会や異業種企業のダイバーシティ&インクルージョン推進活動の社外勉強会の実施をしました。

 しかしながら、当社のダイバーシティ推進の目標やゴールが不明確であったことや、全社的なダイバーシティ推進の意識・理解不足、現状課題把握のためのデータ・情報不足が課題として残りました。

 そのため、活動第2期に当たる今年度のダイバーシティ推進委員会では、第1期の課題を解消すべく、国内の各拠点・事業所から委員を選出し「現状分析」「意識向上」「周知啓蒙」の各ワーキング活動に着手しております。当社グループ内におけるダイバーシティ推進の風土醸成や人材戦略としてのダイバーシティ推進の中長期プラン策定に取り組んでまいります。

採用強化

 事業戦略に適した中核人材の獲得や優秀な学生の確保は、事業競争力を向上させるため急務と考えております。現在、当社グループでは積極的にインターンシップを推進しております。全国の各大学の研究室やキャリアセンターとのつながりを中心とした関係構築を継続しながらも、新たに若手社員による母校へのリクルーティング活動、特別支援学校との関係構築等、採用施策を更に多様化し、優秀な人材の確保に努めてまいります。

データ活用による人的資本経営

 人的資本戦略の策定・ブラッシュアップ並びにその開示と対話にはHRテクノロジーによるデータの取得と利活用が欠かせないと考えております。

 現在、当社グループでは人的リソースを有効活用するために新たにタレントマネジメントシステムを導入し、蓄積したデータを活用し、適切な人事ローテーションへの反映や従業員満足度調査内容を人事制度改革へ反映させ、各種課題解決に努めてまいります。

 

(5)人的資本に関する指標及び目標

項目

目標

実績

範囲

中核人材として活躍を期待する主任、係長、管理職補佐クラスの女性比率

2025年度末までに

2020年度末の1.5倍

2020年度末比で0.97倍

単体

新卒採用における外国人比率

8.0%

10.0%

単体

中途採用者管理職比率

2030年度末までに20.0%

18.1%

国内連結

 

 当社はグループ全体を通じて人的資本の活用について取組みを進めておりますが、現在、タレントマネジメントシステムの導入・拡大を進めている段階であり、必ずしも連結グループに属する全ての会社が指標のデータ管理を行えておりません。そこで、本社が率先して取組みを進めることを優先して、まずは単体ないし国内連結での開示とさせていただきます。今後は連結会社ベースでの開示を行えるよう取組みを進めてまいります。