2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,679名(単体) 4,288名(連結)
  • 平均年齢
    40.3歳(単体)
  • 平均勤続年数
    16.6年(単体)
  • 平均年収
    5,676,581円(単体)

従業員の状況

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

 

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

日本

2,537

アジア

1,584

アメリカ

76

ヨーロッパ

91

合計

4,288

(注)従業員数は就業人員であります。

 

(2) 提出会社の状況

 

 

 

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

1,679

40.3

16.6

5,676,581

(注)1.従業員数は就業人員であります。

    2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

    3.提出会社の従業員数はセグメント区分「日本」におけるものであります。

 

(3) 労働組合の状況

 提出会社及び連結子会社2社において労働組合が結成されております。それぞれ上部団体の全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会に加盟して健全な歩みを続けており、労使関係は相互信頼の基盤のもとに安定しております。

 なお、2025年3月末における組合員数の合計は1,769人であります。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

① 提出会社

当事業年度

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注)1.3

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注)2.4

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.5

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

0.7

61.1

72.8

73.4

55.3

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.管理職に占める女性労働者の割合は2025年3月31日時点の実績です。

4.男性労働者の育児休業取得率は2024年4月1日~2025年3月31日の実績です。

5.労働者の男女の賃金の差異は2024年1月1日~2024年12月31日の実績です。

 

 なお、労働者の男女の賃金の差異は主に男女間の管理職比率等によるものであり、賃金制度・体系においては性別による差異はありません。

 

 

② 連結子会社

当事業年度

名称

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注)2.3

労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1.4

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

興亜エレクトロニクス㈱

0.0

70.9

70.7

0.0

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.男性労働者の育児休業取得率は2024年4月1日~2025年3月31日の実績です。

4.労働者の男女の賃金の差異は2024年4月1日~2025年3月31日の実績です。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 

(1) ガバナンスとリスク管理

 当社では、企業倫理の重要性を認識し、かつ経営の健全性向上を図ることを目的として、より一層株主価値を重視したコーポレート・ガバナンスの構築に取り組んでおります。経営上の意思決定、執行及び監督にかかる経営管理組織その他のコーポレート・ガバナンス体制は次のとおりであります。

 

 当社は、2025年6月21日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「取締役12名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決されますと、取締役は引き続き12名(うち5名は社外取締役)で構成されることになります。また、直後に開催される取締役会において執行役員を選任し、執行役員会は8名となる予定であります。

 

 当社グループのリスクマネジメントは、当社グループに物理的、経済的もしくは信用上の損失または不利益を生じさせるすべての可能性(リスク)を積極的に予見し、適切に評価するとともに、最小のコストで最良の結果が得られるよう、機会損失の低減やリスクの回避・軽減及び移転その他必要な措置を事前に講じるよう取り組んでいます。あわせて、物理的、経済的もしくは信用上の利益を生じさせるすべての可能性(機会)についても同時に把握・評価し、対応を行っています。

 KOAグループの全社的な機会とリスクを管理するため「リスク管理委員会」を設けています。委員長を社長執行役員とし、執行役員と委員長が指名したメンバーで構成されています。リスク管理委員会は、年2回開催しており、経営の重点テーマとなる機会とリスクの特定(見直し・更新)、対応方針の決定、活動進捗のモニタリングを実施しています。委員会で特定されたサステナビリティ関連を含む機会とリスクへの対応策は経営の重点テーマとして取締役会に報告され、中期経営計画などの経営方針・経営戦略の立案や見直しに反映しています。マテリアリティ評価の結果、気候変動および人的資本の重要性が高いため、(2)、(3)にて開示いたします。

 

(2) 気候変動への対応

 近年、世界中で異常気象や自然災害による被害が甚大化し、気候変動への対応は企業経営の大きな課題となっています。当社は、気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures : TCFD)提言に準じて、気候変動が当社の活動に影響を及ぼす気候変動の財務上の影響について分析を行い、リスクの低減と機会の獲得のための対応を進めています。

 

① ガバナンス

 取締役会の監督のもと、委員長を社長執行役員とし、執行役員と委員長が指名したメンバーで構成されたリスク管理委員会において気候変動を含むリスクと機会を特定しています。委員会で特定された機会とリスクへの対応策は経営の重点テーマとして取締役会に報告され、中期経営計画などの経営方針・経営戦略の立案や見直しに反映しています。

 あわせて、連結経営戦略会議の中で年2回環境委員会を開催し、関係部門や各拠点の責任者も参加して、目標進捗・設定及び脱炭素に向けたアクションを審議しています。

 

② 戦略

ⅰ.シナリオ分析

a.シナリオ分析の前提

当社は、気候変動が将来にわたって与えるリスク・機会とその影響を評価し、リスクへの対応策の柔軟性と戦略のレジリエンスを高めることを目的に、段階的にシナリオ分析に取り組んでいます。

シナリオ分析では、国際エネルギー機関(IEA)や、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表する複数の既存シナリオを参照し、パリ協定の目標である「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をすること」を想定した1.5℃シナリオ、および、不十分な気候関連政策・規制により気温上昇幅が最大となる3℃シナリオの2つのシナリオを想定しています。

その上で、事業環境に関わる重要なトレンド(自然環境や社会の変化、技術革新など)を踏まえた影響要因を抽出し、TCFD提言に沿って移行リスクや物理リスク、気候変動への対応による機会を特定しました。

 

参照した既存シナリオ

1.5℃シナリオ

「Net‐Zero Emissions by 2050 Scenario(NZE)」(IEA、2022年)

「Representative Concentration Pathways(RCP2.6)」(IPCC、2014年)

3℃シナリオ

「Stated Policy Scenario(STEPS)」(IEA、2022年)

「Representative Concentration Pathways(RCP8.5)」(IPCC、2014年)

 

 

b.シナリオ分析の結果

 

KOAとしての重要事項

環境規制

技術革新

地域・社会分断

社会状況とKOAへの影響

1.5 ℃シナリオ

・環境規制が高まり、自社・サプライチェーンの規制が強化され、再エネ需要拡大やEV移行も進む。

[機会]

・環境対応車関連部品の売上増加

・再エネ関連機器向け部品売上増加

[リスク]

・自社・サプライチェーンへの炭素税による事業運営(製造・原料調達)コストの増加

・EV移行に伴う中国国籍企業の販売割合拡大による日本製品の売上減少

・創エネ・蓄エネ・省エネを中心に革新技術が次々と導入される(例:水素・蓄電池)。

[機会]

・エネルギー関連機器向け部品売上増加

・再エネ普及・価格低下による自社・サプライチェーンの脱炭素化コスト減少

[リスク]

・希少資源の需要増加による再エネ関連資材の調達コスト増加

・国際的な分断の中で環境対策が進んだ場合、過度な国境炭素税の導入などが想定される。

[機会]

・激甚災害減少による自社のBCP対策コスト減少

[リスク]

・非効率な規制対策コスト(移行リスク)の増加

3℃シナリオ

・不十分な対策による激甚災害の多発。加えて、水資源の利用に対する制限も生まれる。

[機会]

・BCP関連機器向け部品売上増加

[リスク]

・サプライチェーン断絶リスクに備えたBCP対策コスト増加

・取水制限に伴う操業停止による売上減少

・エネルギー関連の既存技術が残り、再エネ新技術の普及・開発が遅れる。

[リスク]

・再エネ調達が困難になり自社脱炭素化コストの増加

・国際的な分断から、対応策が遅れて激甚災害が増加する。

[リスク]

・自社のBCP対策コスト増加

シナリオ共通影響

・CASE技術の進展やトリリオンセンサ社会への転換の中で、デジタル機器の需要が増加する。

[機会]

・車載センサなどの関連機器向け売上増加

[リスク]

・加速度的な技術革新による研究開発コスト増加

・国際的な分断が進んだ場合は経済成長が停滞する一方、国際協調が達成できた場合、南アジア・アフリカを含む世界全体での経済が成長する。

・国内でも、地方部の発展が達成された場合、地方企業でも人材・競争力が確保できる。

[機会]

・南アジア・アフリカなどでの市場発展で売上増加

・国内地方発展に伴う競争力確保で売上増加

[リスク]

・デカップリングによる市場縮小で売上減少

・国内都市集中に伴う地方の人材不足により、競争力が低下し売上減少

 

 

ⅱ.当社事業に重大な影響を及ぼすリスクと機会

 

種別

概要

影響の時間軸

影響額

対応

リスク

[物理的リスク:緊急性]

生産拠点の豪雨災害による道路の寸断、サプライチェーンの物流停止に伴う売上高減少

短期

6億~19億円

長野県南部の生産規模(約50%)・復旧期間1~3週間と想定

製品の複数拠点生産によるリスク分散

[移行リスク:規制]

エネルギーコスト増加、燃料調整費や再エネ賦課金など社会システム上避けられない負担の増加

中期

1億~4億円/年

炭素税($50~$150/t)が導入されることを想定

拠点ごとに最適な省エネ・創エネ施策の推進

機会

車の電動化による抵抗器の搭載数量の増加、ADASの拡大による高精度抵抗器の大幅な需要増加

中期

次期中期経営計画策定プロセスにおいて検討中

2030年に向けた供給体制を構築(生産能力の拡大)

影響を受ける時間軸は、 短期:0~3年、中期3~10年、長期10~30年程度と想定しています。

 

③ リスク管理

リスク管理委員会が実施する機会とリスクの管理プロセスにおいて、重要性評価や対応状況のモニタリングを実施しています。

 

④ 指標・目標

当社は、2030ビジョン実現のためGHG(温室効果ガス)排出量の削減に取り組み、カーボンニュートラル社会を実現し、地球との共生を目指しています。この取り組みの基本方針として、「カーボンフリー製品の実現に挑戦する取り組みを通じて、5つの主体との信頼関係を構築する」を掲げ、サプライチェーン全体のGHG排出量の削減、ガバナンス体制の強化、積極的な情報開示などに取り組んでいます。

 2024年度の実績は以下の通りとなる見通しです。

 

 

 

 

 

 

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

Scope1 (t-CO2)

3,090

4,304

4,311

3,762

4,519

Scope2 (t-CO2)

59,358

52,327

20,250

18,006

10,512

 

 

 

 

 

 

 

(3) 人的資本

 当社の人材に関する基本的な考え方は以下のとおりで、主にKOA単体での取組みとなります。

(戦略)

「人材育成方針」

 当社は、「人こそが持続的成長の源泉である」との考えのもと、経営戦略の実現に向けた人材戦略を人的資本経営の中核に位置付けています。以下の4つの経営課題に対応した人材育成を推進することで、組織の競争力と社会への価値提供力を高めてまいります。

 

1.新製品・新事業の事業化加速

─ 仮説立案・検証力の強化を目的としたイノベーション人材の育成、ならびに高度専門人材の獲得と育成に注力します。産学官との連携も推進し、先端技術・知見の社内展開を図ります。

2.成長市場へのビジネス拡大

─ DX推進・KPS改善を牽引できる人材の育成を通じて、業務革新およびグローバル市場への対応力を高めます。専門性と実践力を併せ持つ人材を継続的に育成します。

3.組織力の向上

─ 適所適材の実現に向けた人材ポートフォリオの見直しと、次世代リーダー育成を推進します。あわせて挑戦を評価する新たな人事制度の定着により、社員の成長と組織パフォーマンスの向上を目指します。

4.働きがい・多様性の実現

─ 多様な人材が活躍できる環境整備を進め、特に女性管理職比率の向上を重要目標として取り組んでいます。グローバル人材の採用・育成にも注力し、多様性と包摂性のある職場文化の醸成を進めます。

 

 当社は今後も、全ての社員が自律的に成長し、挑戦できる環境を整備することで、「未来を創造する人づくり」を強化し、持続可能な企業価値の向上に取り組んでまいります。

 

「社内環境整備の方針」

 当社は、すべての社員が多様な個性を活かし、最大限の能力を発揮できるよう、以下の整備に取り組みます。

 

1.柔軟な働き方

―社員の能力向上や能力発揮につながる柔軟な働き方の制度として、資格取得支援・フレックスタイム制度の導入や副業・在宅勤務・短時間勤務制度等の見直しを推進します。

2.心理的安全性の高い職場づくり

―エンゲージメントサーベイ、ハラスメント防止研修や1on1ミーティングを通じて、誰もが安心して意見を言え、失敗を恐れず挑戦できる職場環境を目指します。

3.ダイバーシティ推進

―性別・年齢・国籍・障がいの有無などに関係なく、多様な価値観を受け入れ誰もが活躍できる環境を整える取り組みを推進します。

4.健康で安全な労働環境

―社員の健康を守る健康経営と職場環境の改善により、安全に働ける職場づくりを推進します。

 

 これらを通じて、社員の自律と挑戦を後押しし、企業価値の持続的向上を実現します。

 

 

 

(指標・目標)

 人材育成の更なる強化のため、2024中期経営計画期間中の人材開発・育成への投資額は、2021年度実績額を100として、2024年度までに200へ増やしていく目標を置き、毎年新しい研修の開催や参加者数の増加への取り組みを強化してまいりました。しかし2024年度は業績悪化の影響を考慮し、止む無く一部の研修開催を抑制する措置を取らせていただきました。その結果、2021年度比で196と目標値に対し概ね達成の結果となりました。

 社員の働きがいや挑戦の進捗を図るための指標として、社員エンゲージメント・レーティング※1を導入しています。2025年3月期の目標をBB(52以上)と置き、職場内のコミュニケーションを高める等の活動を進めてまいりましたが、残念ながら目標値には届かない結果となりました。このエンゲージメント調査の結果を通じて、経営課題を再確認し、解決に向けて取り組むことで、社員が働きがいをもって仕事に取り組む環境を整えてまいります。

 

ESG

項目

2022年3月期

実績

2023年3月期実績

2024年3月期

実績

2025年3月期実績

Society

人的資本

(KOA単体)

・社員エンゲージメント・レーティング※1

・人材開発/育成投資※2

CCC(47.1)

 

100

B(49.7)

 

167

B(49.2)

 

173

CCC(47.7)

 

196

(注)提出会社を対象範囲としているため、連結子会社は含んでおりません。

 

※1 株式会社リンクアンドモチベーションの「モチベーションクラウド」によるエンゲージメント・レーティング。KOA株式会社(単体)の全社員。AAA~DDの全11段階に分かれており、「CCC」は上1から7番目。

※2 2022年3月期を100とした場合の比較数値。

 

 

 2025年度は多様な人材が活躍する環境を整えるため、2027年3月末までに課長級以上の管理職に対する女性管理職比率を3%とする目標を掲げました。今後、女性活躍推進に向けて社内環境の制度整備とともに社員への気づきの機会を数多く提供し、多様な人材が力を発揮できるように取り組んでいきます。

 

ESG

項目

2025年3月期

実績

2027年3月期

目標

Society 人的資本(KOA単体)

女性管理職比率

0.7%

3%

(注)提出会社を対象範囲としているため、連結子会社は含んでおりません。