2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    8,199名(単体) 26,224名(連結)
  • 平均年齢
    42.4歳(単体)
  • 平均勤続年数
    15.2年(単体)
  • 平均年収
    10,005,041円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    23.0%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

①人財戦略に関する基本方針

 当社グループは、「技術をもって社会の発展に貢献する」「人材こそが最大かつ唯一の財産である」を経営理念に掲げています。「グループ経営方針2023」を踏まえた「グループ人財戦略2023」のもと、「良い+強い」会社と、個人の「成長+幸せ」の両立を将来の目指す姿として掲げ、変革への挑戦を評価する制度改革と風土醸成に取り組んできました。この大きな方向性は継続しつつ、今後は2040年に向けた当社グループの「中長期の方向性」と連動し次の3点を重視しながら、引き続き「良い+強い」会社と個人の「成長+幸せ」の両立を目指していきます。

 

・個人の可能性を最大限引き出し、持続可能な成長を牽引する人財を育成

・新たな価値につながる挑戦と応援が連鎖する組織文化の浸透・実現

・多様性を強みに変える新たなワークフォース(様々な人財やAIの協働体制)の実現

 

 また、社会環境や事業構造の変化に伴い、人財の価値そのものも変化する中で、事業の方向性に沿った人財マネジメントの新たな基盤づくりに着手することで、当社グループの持続的な価値づくりを加速させていきます。

 

 

 なお、当社グループでは、従業員の働きがいと成長実感を高める持続的な人への投資が不可欠と考えており、従業員の給与その他の給付の額及び内容については、当社グループの収益・成果、採用市場や物価の状況、「賃金改善」や「年間一時金」といった報酬に関する労使間での真摯な対話に基づき決定するほか、教育訓練等を含む必要な諸施策を立案・実行することで、従業員への持続的な還元を目指しています。

 

②人財戦略の重点領域と取り組み

 当社グループは、2025年度を人財戦略2023の最終年度と位置付けて「持続的な高成長を実現する事業の変革」の実現に向けて、人財の獲得・育成・配置、働きやすい環境の整備、自律的なキャリア形成の促進、多様性を尊重し挑戦・越境を後押しする組織風土の確立を相互に関連づけながら、変革を進めてきました。

 

a.戦略達成に向けた人財の獲得・育成・最適配置

 将来の事業変革を担う経営人財・高度専門人財の育成に向け、タフアサインを通じた計画的な育成プログラムを整備するとともに、成長領域へのリソースシフトや外部採用を通じて、事業戦略に即した人財構成への転換を進めてきました。また、職種・組織等の共通定義に基づく人財情報を可視化し、経営・人事判断に資する人員計画策定の確立を図りました。

 

b.働きやすい環境の整備と自律的なキャリア形成の促進

 多様な人財との双方向コミュニケーションによって大きな成果創出を目指すマネジメントスタイルへの変革を行なうため、マネージャーの育成力向上や、マネージャー360度フィードバックの導入、上司部下との1on1による対話を重視したマネジメントの浸透を進めるとともに、キャリア・デベロップメント・プログラムを軸に、従業員一人ひとりが主体的に成長し、能力を発揮できる環境整備を図りました。

 

 

c.多様性を尊重し、挑戦・越境を促す組織風土の確立

 当社グループでは、多様な人財のバックグラウンドや経験、個性が当社グループに新たな視点をもたらし、変革を進める原動力となるとの考え方のもと、重点施策に「DE&Iを自分事化する」を掲げて、DE&Iの理解浸透と実践を推進してきました。

 経営の方向性と従業員一人ひとりの行動や意識を結び付けていくため、経営と従業員との相互理解を重要な取り組みと位置付けています。経営層と従業員との対話や全社的なワークショップを通じて、経営ビジョンや人財戦略の共有・浸透を図るとともに、多様な価値観や背景を持つ人財が安心して活躍できる環境づくりを進めてきました。対話を通じて寄せられた声は経営幹部にフィードバックし、必要なアクションにつなげることで、戦略の浸透と従業員エンゲージメントの向上を図っています。

 あわせて、挑戦や越境につながる行動が促されるよう、評価制度を見直し、その運用を通じて、当該行動が評価に反映される仕組みの定着を図ってきました。こうした取り組みの一環として、女性リーダー層の継続的な輩出に向けた育成を進めるなど、将来的な登用を見据えた意識形成や経験付与に取り組んでいます。

 

③次なる成長に向けた人財戦略の重点テーマ

 次なる成長ステージへの移行にあたり、人財戦略の当面の重点を定め、持続的な成長を目指します。

 

 

(2)【従業員の状況】

① 連結会社の状況

 

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

資源・エネルギー・環境

5,733

社会基盤

1,741

産業システム・汎用機械

8,102

航空・宇宙・防衛

7,812

報告セグメント 計

23,388

その他

1,607

全社(共通)

1,229

合計

26,224

(注) 従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時従業員数については、従業員数の100分の10未満であるため記載していません。

 

② 提出会社の状況

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

8,199

42.4

15.2

10,005,041

23.0

 

セグメントの名称

従業員数(人)

資源・エネルギー・環境

1,611

社会基盤

51

産業システム・汎用機械

409

航空・宇宙・防衛

4,899

報告セグメント 計

6,970

その他

全社(共通)

1,229

合計

8,199

(注)1. 従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時従業員数については、従業員数の100分の10未満であるため記載していません。

2. 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。

 

③ 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異

 

 

 

 

会社名

管理的地位にある労働者に占める女性従業員の割合(%)

従業員の男女の賃金の額の差異(%)

男性従業員の育児休業等及び育児を目的とした休暇の取得率(%)

全従業員

従業員

臨時従業員

提出会社

6.1

68.4

79.9

28.4

333.2

IHI運搬機械㈱

1.9

78.1

79.9

50.5

366.7

㈱IHI原動機

1.1

73.7

76.3

19.0

600.0

㈱IHIビジネスサポート

6.7

68.7

84.3

57.1

600.0

㈱IHI回転機械エンジニアリング

4.6

68.8

73.0

44.7

450.0

㈱IHIエアロスペース(※)

365.6

㈱IHIジェットサービス

1.0

57.3

65.2

60.5

433.3

㈱IHIインフラシステム

65.8

67.1

58.5

66.7

㈱IHIエスキューブ

6.0

78.1

80.7

129.1

360.0

㈱IHIターボ

1.7

68.4

75.0

77.7

514.3

㈱IHIプラント

1.1

60.4

60.3

866.7

㈱IHI物流産業システム

1.5

80.1

82.4

49.3

433.3

㈱IHIキャスティングス

2.6

74.1

81.3

46.5

100.0

㈱IHI検査計測

6.2

77.1

74.9

79.9

100.0

(※):  常時雇用者は300名を超えないものの、出向者を含めた従業員数が300名を超えるため、

「男性従業員の育児休業等及び育児を目的とした休暇の取得率」のみ表示しています。

(注)1. 計算方法については下記のとおりです。

従業員の男女の賃金の額の差異:(女性従業員に対する当事業年度の支給給与総額/当事業年度の女性従業員延べ人数)÷(男性従業員に対する当事業年度の支給給与総額/当事業年度の男性従業員延べ人数)

男性従業員の育児休業等及び育児を目的とした休暇の取得率:(当事業年度に育児休業等を取得した男性従業員の人数)÷(当事業年度に配偶者が出産した男性従業員の人数)

2. 臨時従業員には、パート・アルバイト及び定年退職後の再雇用者等、有期雇用契約の従業員が含まれます。

3. 管理的地位にある労働者に占める女性従業員の割合については、出向者を出向元の従業員として集計しています。

4. 男性従業員の育児休業等及び育児を目的とした休暇の取得率については、出向者は出向先の従業員として集計しています。

5. 従業員の男女の賃金の額の差異については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しており、出向者は出向元の従業員として集計しています。

 

④ 労働組合の状況

当社の労働組合は、IHI労働組合と称し、連結子会社でそれぞれ組織された7つの労働組合と共にIHI労働組合連合会を組織し、国内8地区にそれぞれ支部を有しています。また、上部団体である日本基幹産業労働組合連合会(基幹労連)を通じて、日本労働組合総連合会(連合)に加盟しています。

IHI労働組合連合会の組合員数は、2026年3月31日現在、10,090名(IHI労働組合7,392名(他社への出向者を含む)、連結子会社の労働組合(7組合)2,698名)です。

当社と労働組合とは、相互理解に根ざす信頼関係に基づき労働協約を締結しているほか、安全衛生委員会、経営協議会、生産協議会を開催し、相互に隔意のない率直な意見交換により、職場の環境を整備する等労使関係は安定しています。

連結子会社では国内35社で8組合(上記IHI労働組合連合会を組織する7組合を除く、組合員数3,915名)、連結子会社以外では10組合(組合員数1,013名)が組織され、上部団体は基幹労連です。

また、IHI労働組合連合会と当社連結子会社等においてそれぞれ組織された26組合によりIHIグループ労働組合連合会(組合員数15,018名)が組織されています。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループは、「技術をもって社会の発展に貢献する」「人材こそが最大かつ唯一の財産である」を経営理念に掲げ、1853年の創業以来、時代時代における社会課題の解決に貢献してきました。2021年11月には、「IHIグループのESG経営」として、持続可能な社会の実現と企業として持続的に成長することを目指し、従前以上に自然環境や社会に配慮しながら、変わりゆく社会課題の解決に事業機会を見出すことを表明しました。2026年5月には、新たに「中長期の方向性」を発表し、2040年のありたい姿として「世界中の人々の安心・安全、豊かな暮らしを根幹から支える」ことを掲げ、それに伴いマテリアリティ(重要課題)の見直しを行ないました。新たなマテリアリティについては、当社コーポレートサイトにて後日公表予定です。

なお、文中では、2025年度までの重要課題としていた「気候変動への対策」、「人権の尊重」、「多様な人財の活躍」、「ステークホルダーからの信頼の獲得」に沿って報告します。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)ガバナンス

当社グループは、持続可能な社会を実現するために、環境と社会に対する貢献と責任、それらを実現するためのガバナンスに関して、明確な価値観を示した経営を行なう必要があると考えています。

経営において重要と考える事項を重要課題として特定し、取り組み方針、推進体制及び実行計画について協議・決定する場として、ESG経営推進会議を設置しています。ESG経営推進会議はCEOが議長を務め、取締役及び執行役員、統括本部長、本社本部長、本社部長のうち議長が指名する者を構成員として、原則年2回開催しています。

環境、人権やコンプライアンスなど、全社に通じる課題については、適宜、全社委員会を設置することで、委員会で審議・決定した方針が各部門の具体的な施策に反映される体制にしています。これら会議や委員会における議論のうち、経営上の重要な意思決定に関わるものについては、経営執行における意思決定機関である経営会議での審議を経て、取締役会に付議しています。

また、ESGを軸とした経営の推進を目的として、取締役(社外取締役を除く)の業績連動賞与の評価指標である役員ごとのミッションに応じた個別評価指標に、温室効果ガスの削減、従業員エンゲージメントの向上、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)の推進の取り組みを含めています。

 

<サステナビリティ推進体制図>

 

※2026年6月24日開催予定の第209回定時株主総会の議案として、「取締役11名選任の件」を提案しており、

 当該議案が承認可決された場合、取締役会の議長は独立社外取締役が選定される予定です。

 

<取締役会におけるサステナビリティに関する主な議題>

2019年4月

 TCFD提言の趣旨への賛同

2019年5月

 「IHIグループ基本行動指針」の改定

2020年11月

 「IHIグループ人権方針」の策定

2021年11月

 「IHIグループのESG経営」において、以下を設定

   ・気候変動対策に関しての目標「カーボンニュートラル2050」

   ・「社会」に関する最重要課題:人権の尊重、多様な人財の活躍

2021年12月

 国連グローバル・コンパクトへの署名

2023年4月

 気候変動対策におけるグループ中間目標の設定

2024年8月

 気候変動対策の取り組み進捗とScope3の削減ロードマップの開示

2026年3月

 マテリアリティ(重要課題)の見直し

なお、コーポレート・ガバナンスの状況については、第4「提出会社の状況」4「コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しています。

 

(2)リスク管理

当社グループは、2021年11月に「IHIグループのESG経営」を公表し、環境・社会・ガバナンスに関わる課題を経営上の重要なテーマとして捉えてきました。2026年度には2040年に向けた「中長期の方向性」を定め、ESGを重視する経営を継続しています。当社グループは、この考えのもと、ESGに関連するリスク(ESGリスク)を経営上の重要なリスクの一つとして、リスク管理会議並びにESG経営推進会議を中心とする社内組織・各種活動を通じて適切に管理しています。当社グループのリスク管理活動の中にはESGリスクも包含されており、取締役会によって監視・監督・評価されています。

 

<リスク管理体制図>

  

 

なお、リスク管理体制の詳細については、第2「事業の状況」3「事業等のリスク」に記載しています。

 

(3)気候変動に関する戦略並びに指標及び目標

①戦略

当社グループは、「気候変動への対策」は地球規模で取り組むべき社会課題であり、経営においてより重要な課題としています。

気候変動の緩和のための取り組みは、既存技術や現有設備を活用した温室効果ガス排出量の削減と、新しい技術や仕組みの構築による削減の2段階で進めています。バリューチェーン全体でカーボンニュートラルを実現することを事業機会と捉え、当社グループの製品を対象としたライフサイクルビジネスからお客さまのバリューチェーンを対象としたライフサイクルビジネスへと変革し、提供する環境価値を向上するとともに経済価値を創出していきます。お客さまのバリューチェーン視点でのライフサイクルビジネスを通じて創出した経営資源は、カーボンニュートラルに資する新技術・新システムの開発や成長・育成事業に投下し持続的な高成長につなげていきます。また、これらの新技術・新システムを当社グループ内に積極的に導入することで、当社グループの事業活動におけるカーボンニュートラルの早期実現につなげていきます。

気候変動への適応のための取り組みは、特に社会基盤分野において、保全・防災・減災の視点で、安全・安心な社会インフラの構築と実装を進めることを事業機会と捉えています。近年頻発する自然災害に対応した、流域利水・治水などの防災・減災事業により、社会課題の解決に貢献します。

 

当社グループでは、展開する事業のうち、特に気候変動の影響を著しく受ける4つの主要事業(エネルギー事業、橋梁・水門事業、車両過給機事業、民間向け航空エンジン事業)を対象として、簡易的にシナリオ分析を行ないました。設定したシナリオは、①カーボンニュートラルな世界におけるシナリオ(移行リスクの大きいシナリオ)と②気候変動の影響が甚大な世界におけるシナリオ(物理的リスクが大きいシナリオ)の二つです。これらのシナリオにおけるリスク・機会とその対応策を、それぞれの事業に特化しているものと、どの事業にも共通しているものに分類しました。

 

<事業に特化している主なリスク・機会とその対応策>

 

エネルギー事業

橋梁・水門事業

車両過給機事業

民間航空エンジン事業

「①カーボンニュートラルな世界」におけるリスク・機会及び主な対応策

リスク

・大型化石燃料発電設備関連の需要減少

・CO₂を大量に排出する素材(セメント、鋼材など)の調達コスト(炭素税など)増加

・脱炭素要求に対応できず、エンジン車需要が減少し、既存過給機需要も減少

・脱炭素要求や高速代替輸送手段の普及による航空機需要減少

機会

・燃料転換やCCUSなど脱炭素化技術の導入需要増加
・再エネ普及拡大に伴ったエネルギー需給安定化のための調整電源、蓄エネ、Power to Xの需要増加

・交通網の効率化に向けた道路需要の増加

(橋・トンネル)
・海外での鉄道網の強化に伴う建設需要の増加

・脱炭素に向けた電動化車両(PHEV、HEV、FCVなど)に対応する過給機新製品(既存型に加え電動型)の早期市場投入により、市場優位性を確保し、過給機需要が増加

・航空機の脱炭素要求に適合したエンジン開発への期待が高まり、電動化や先進材料技術を適用する機会が増大

主な対応策

・脱炭素化技術の社会実装の早期化
・エネルギー需給安定化技術の開発促進
・遠隔監視などIoT技術によるライフサイクルビジネスの拡大

・デジタルトランスフォーメーション(DX)推進による省人化/遠隔化や工法改善による工期及び工費の低減

・脱炭素要求の動向に対応する電動化車両向け過給機新製品の開発、商品化を加速

・電動化や先進複合材などの高度な技術の早期実用化

「②気候変動の影響が甚大な世界」におけるリスク・機会及び主な対応策

リスク

・気象災害多発による現場の工事停滞や被災により、工程が大幅に遅延

・気象災害多発による現場の工事停滞や被災により、工程が大幅に遅延

・気象災害多発によるサプライチェーン寸断により、生産活動が停滞

・気候災害多発によるサプライチェーン寸断により、生産活動が停滞

機会

・気象災害で損傷した設備の早期復旧への貢献
・省人化、遠隔化推進によるデジタル化需要の増加

・国土強靭化に向けたインフラ整備の需要が増加
・気象災害で損傷したインフラの早期復旧への貢献

・事業特有の機会はなし

・事業特有の機会はなし

主な対応策

・遠隔監視などIoT技術によるライフサイクルビジネスの拡大

・ライフサイクルビジネスのほか、防災にも視野を広げた事業展開
・インフラの保全や防災・減災、早期復旧に資する技術・体制の整備

・サプライチェーンの強靭化

・サプライチェーンの強靭化

 

 

<どの事業にも共通している主なリスクとその対応策>

「①カーボンニュートラルな世界」における移行リスクとその対応策

カテゴリー

主な内容

主な対応策及び機会への転換

政策・法規制

炭素税の導入、産業廃棄物の規制強化、再エネ導入・設備更新によるコスト増加など

生産、輸送などの効率化やエネルギー消費量の適切なマネジメントによって、事業活動に係るコストを低減する

技術

脱炭素化に向けた研究開発のためのコスト増加、技術開発の失敗など

政策・技術・市場などの社会動向を見極めながら、集中的な技術開発投資を行なう

市場

CO₂排出量の多い製品・サービスに対する需要の低下など

市場の構造の急激な変化に対応できるように、常に複数の事業シナリオを想定した事業計画の立案・推進に取り組む

評判

気候変動への対策が不十分などの評価による受注機会の喪失、社会的信用力の低下など

気候変動の緩和と適応に貢献できる製品・サービスに関する情報を、わかりやすく発信する

「②気候変動の影響が甚大な世界」における物理的リスクとその対応策

カテゴリー

主な内容

主な対応策

急性・慢性

台風や洪水などの自然災害で工場・拠点が被災することによる事業活動の停止など

・工場・拠点の事業継続計画において、気象災害への対応を組み込み、従業員の安全確保やサプライチェーンの強化を図る

・予測可能な風水害に対する事前対策の策定・実施・運用

 

なお、ライフサイクルビジネスや成長・育成事業などの詳細については、第2「事業の状況」1「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しています。

 

②指標及び目標

当社グループは、2050年までにバリューチェーン全体でカーボンニュートラルを実現することを「カーボンニュートラル2050」として宣言しました。自社の事業活動によって直接・間接に排出される温室効果ガス(Scope1・2)に加えて、私たちの上流及び下流のプロセスで排出される温室効果ガス(Scope3)の削減を図ることで、カーボンニュートラルを目指します。

温室効果ガス(Scope1・2)については、2030年度に「2019年度排出量からの半減」を目標として設定しました。

当社グループのCO₂排出量の推移は、2026年9月頃に発行予定の「IHI Sustainability Data Book 2026」を参照ください。

 

(4)人的資本に関する戦略並びに指標及び目標

①戦略

当社グループは、「グループ経営方針2023」を踏まえた「グループ人財戦略2023」のもと、「良い+強い」会社と、個人の「成長+幸せ」の両立を将来の目指す姿として掲げ、変革への挑戦を評価する制度改革と風土醸成に取り組んできました。この大きな方向性は継続しつつ、今後は2040年に向けたIHIグループの「中長期の方向性」と連動し次の3点を重視しながら、引き続き「良い+強い」会社と個人の「成長+幸せ」の両立を目指していきます。

(1)個人の可能性を最大限引き出し、持続可能な成長を牽引する人財を育成

(2)新たな価値につながる挑戦と応援が連鎖する組織文化の浸透・実現

(3)多様性を強みに変える新たなワークフォース(様々な人財やAIの協働体制)の実現

また、社会環境や事業構造の変化に伴い、人財の価値そのものも変化する中で、事業の方向性に沿った人財のあり方を改めて見直し、人財マネジメントの新たな基盤づくりに着手することで、当社グループの持続的な価値づくりを加速させていきます。

 

②指標及び目標

当社グループは、多様なステークホルダーと連携・協働して問題を解決する人財が活躍でき、事業を通じて関わるあらゆる人びとの人権が尊重される企業グループになることを目指しています。とりわけ経営幹部候補の多様化や、若い世代の多様な視点・発想を経営に活かしていく取り組みを進めています。

経営幹部候補の多様化は役員に占める女性比率を指標としています。日本経済団体連合会が掲げる「2030年30%へのチャレンジ」に賛同し、2030年までに役員に占める女性比率を30%以上にすることを目標に据えています。また、女性基幹職比率を指標としており、2030年までに15%を目標としています。

併せて、変革への挑戦を評価する制度改革と風土醸成の進捗を、従業員意識調査の結果などでモニタリングをします。

 

これらの指標の実績については、2026年9月頃に発行予定の「IHI Sustainability Data Book 2026」を参照ください。

なお、第4「提出会社の状況」5「従業員の状況等」にも関連する指標と実績を記載しています。

 

(5)人権に関する戦略並びに指標及び目標

①戦略

当社グループは、2020年12月に「IHIグループ人権方針」を定めました。国際規範と本方針に基づき、サプライチェーンも含めた事業活動全般にわたる人権尊重の取り組みを推進しています。当社グループは、当社グループの事業活動により影響を受ける人びとの人権を尊重し、人権リスクを低減するために、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に沿って、人権デュー・ディリジェンスのプロセスを進めています。

人権リスクの評価として、2021年に、まずは社外の専門家の助言を得ながら、当社及び国内外の当社グループ事業を対象に、人権リスクアセスメントを実施しました。そこで当社グループにとっての重要な6つの人権課題を特定し、最も優先度の高いライツホルダーとして、当社グループの社員とサプライヤーを選定しました。次に、「重要な人権課題」に関する実態把握のため、2021年12月から国内外の当社グループ拠点に対する人権インパクトアセスメントを開始しました。

また、2024年4月から、当社グループのバリューチェーンを含むあらゆるステークホルダーを対象として、人権侵害に関する苦情処理窓口を開設しています。

アセスメントや苦情処理窓口からの通報を通じて、当社グループの事業活動に起因して人権リスクが発生している、又は当社グループの事業活動がこれに関与していることが明らかになった場合には、関連するステークホルダーとの協議を行ない、適切な手続きを通じて是正・救済していきます。

 

<人権デュー・ディリジェンスの全体像>

 

 

 

<重要な人権課題>

 

 

②指標及び目標

当社グループは、「重要人権課題」を中心とした現状・実態把握のため、国内外のIHIグループ拠点に対する人権リスクアセスメントを、2022年度〜2024年度の3か年計画で実施しました。

人権リスクアセスメントにおいて、相対的にリスクが高いと考えられた海外関係会社から優先的に調査し、2022年度は59社、2023年度は37社、2024年度は47社を対象として実施しました。

2025年度は2022年度~2024年度の対策実施状況を確認するため、9拠点を対象に追跡評価を実施しました。追跡評価を通して、今回の確認範囲では、重要人権課題に関する深刻なリスクは発見されませんでした。今後の実施においては、確認範囲を拡大してリスクを深掘りしていきます。

サプライチェーンにおける対応状況は、お取引先のサステナビリティ評価の中で確認しています。