2026年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

保守サービス事業 ソリューション事業 人材サービス事業
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
保守サービス事業 5,140 26.5 1,018 44.8 19.8
ソリューション事業 11,974 61.8 938 41.3 7.8
人材サービス事業 2,270 11.7 316 13.9 13.9

3【事業の内容】

 当社は、保守サービス事業、ソリューション事業、人材サービス事業の3事業を柱に、全国60超の拠点より24時間365日エンジニアが機器の保守、導入設計、設置展開サービスを提供しております。

 なお、上記3事業は、本書の「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント区分と同一であります。

 

保守サービス事業

 システムのサポート、機器の保守、コールセンター、ヘルプデスクサービスを提供しております。

 全国の病院、クリニックに導入されているウィーメックス株式会社製電子カルテシステム、レセプトコンピュータ(診療報酬明細書発行システム)を始め、調剤薬局に導入されているPHC株式会社製電子薬歴システム、薬剤情報システム、自動錠剤包装機、一包化監査システム、医事コンピュータ、注射薬払出システム、適温配膳車等の保守サービスを受託しております。

 全国の病院・一般診療所の数は、厚生労働省の調査によると現在約11万3千件(厚生労働省ホームページhttps://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/m26/dl/is2602.pdf 2026年2月末時点データ)でほぼ横ばいとなっております。また、調剤薬局は、全国約6万3千件(厚生労働省ホームページhttps://www.mhlw.go.jp/toukei/youran/datar07k/2-77.xlsx 2024年時点デタ)であります。そのうち当社では病院・一般診療所へ導入されている電子カルテシステムやレセプトコンピュータ、調剤薬局に導入されている電子薬歴システム等の機器を合わせて、約3万6千件の保守契約を締結し保守サービス業務を行っております。

 電子カルテシステム及びレセプトコンピュータの保守は、顧客と直接保守契約を締結する「ハードウェア保守契約」と機器のメーカーであるウィーメックス株式会社と顧客がハードウェア機器契約を締結した後、当社が顧客に対してサービスを提供し、ウィーメックス株式会社からハードウェア保守料を受領する「システムサポート契約」の2つのパターンがあります。現在ウィーメックス株式会社により、システムサポート契約の締結が促進されており、既存顧客は機器のリプレースのタイミングで順次ハードウェア保守契約からシステムサポート契約へ契約形態を変更しております。また、従来契約を締結しないまま障害発生の都度修理対応をしていた顧客に対しても契約締結を促す意向であることから、毎年契約件数は増加してまいりました。

 ウィーメックス株式会社によれば、同社製の電子カルテシステム、レセプトコンピュータは、クリニック(診療所)向けの機器としては高い国内シェアを維持しているとのことですが、顧客がウィーメックス株式会社製の機器を選ぶ理由の一つとして、当社の保守サービスの品質への高い評価も存在すると当社では考えております。

 当社は、メーカーに属さない独立系の保守会社であることが強みであり、医療機器やIT機器、非IT機器を問わず様々なメーカー機器の保守対応が可能であり、24時間365日オンサイトサービスを提供しております。

 この点が評価され、ウィーメックス株式会社及びPHC株式会社以外にも多くのベンダーから多種多様な機器の保守サービスを委託されており、緊急対応の要否、駆けつけ時間と部品在庫管理等の細かな修理対応サービスレベルに合わせた保守契約を各ベンダーと締結しております。

 保守サービス事業の多くは保守契約に基づき継続的に収益が入るストック型ビジネスであることから、経済状況の変動に左右されにくいという特長があります。新型コロナウイルス感染症が拡大し、経済が低迷した2020年以降においても、大きな影響を受けることなく安定した収益を確保できておりました。

 2025年には、新たな取組としてパソコン等のIT機器の調達、導入、運用、保守、廃棄までをサポートするLCM(Life Cycle Management)サービスの提供を開始し、ソリューション事業で調達、導入支援した機器の運用、保守を保守サービス事業にて受託し、ワンストップで対応しております。

 また、コールセンターやヘルプデスク業務、機器の稼働状況を継続的にチェックする死活監視業務についても、近年需要が増えております。2024年2月にはIPOで調達した資金を充当し、保守及びソリューションサービスの全社サポート拠点であるテクニカルセンターを東京都台東区から東京都江戸川区に移転、拡充いたしました。

 テクニカルセンターはオンサイトサービスの中枢拠点でもあり、障害発生の一次連絡を受付けております。連絡受付後、障害内容を踏まえて対応方法をジャッジし、現地対応が必要な案件については、拠点の管理者(通称ディスパッチャー)へ連絡します。ディスパッチャーはエンジニアを手配したり、訪問前準備をしたり、各種サービスの司令塔として機能し、迅速なトラブル対応を可能にしております。そのほかテクニカルセンターでは、ネットワークやPCの遠隔監視や診断を行っており、障害発生時にも自動的にアラートが上がる仕組みになっております。また、遠隔監視により、システムの利用が不可能となるような重度の障害を未然に防ぐ等の予防保守にも繋がっております。

 2024年以降は遠隔作業支援システム(スマートグラス)を導入し、エンジニアの技術支援及び効率的なアサインの実現を目指して取り組んでおります。また、スマートグラスやWeb会議を活用したリモート研修を実施することで、エンジニアが研修に参加する機会の拡大を図っております。2025年からは新たにIT機器や医療機器のリペア業務も開始しました。

 テクニカルセンターは、移転に際して当社のサービスを可視化したショールームのような仕様としており、随時見学会を開催しており、新たな保守等の受託に繋がっております。現在は81の企業より業務を受託しております(2026年3月31日時点)。

 当社では、ヘルスケア市場における保守サービス事業の拡大を目指し、2016年に東京都、2020年には大阪府、2021年には宮城県、2022年には北海道、2024年には長野県において医療機器修理業の許可を取得しました。2025年にはテクニカルセンター、愛知県においても医療機器修理業の許可を取得し、対応拠点を拡大しました。医療分野における保守実績のある当社へは、毎年多くのメーカーから医療機器の保守依頼や、同業他社からの協業依頼がきております。

 

ソリューション事業

 医療機関、福祉施設、一般企業、官公庁向けにシステムの設計、構築、設置工事、展開管理等のICTサービスを提供、また顧客の要望に合わせた機器の提案、販売をしております。

 本社におけるソリューション営業活動では、KDDI株式会社、日本電気株式会社といった大手企業との協業により、ネットワーク機器やPC関連の設定サービス、電気通信工事等を提供するほか、大手総合重工業メーカー物流部門との協業による自動倉庫システムサービスの展開等、様々なサービスメニューを開発、展開しております。これらの案件は本社が全国拠点をマネジメントすることにより、全エリアにおいて同一品質のサービスを提供しております。

 また、当社テクニカルセンターは機器の設定から現地配送までを一括管理するキッティングセンターとしての機能も備えており、東京都八王子市、北海道支店、東北支店、中部支店、関西支店に設置しているキッティングスペースと併せて、品質の平準化を図るべくその体制を強化しております。

 全国の支店及び営業所においてもそれぞれソリューション営業の活動をしております。特に地元企業とのリレーションに力を入れ、例えば北海道支店における家畜セリシステムといった地元ならではの機器に関わるソリューション案件も獲得しております。

 顧客からの情報収集、営業提案、ネットワークの設計、構築、機器の設置展開、さらに保守サービス事業へ引継いでの運用管理、オンサイトサービスという一連の流れをワンストップで提供できることが当社の強みであります。2023年には古物商(事務機器商)の許可を取得し、IT資産の選定から廃棄までのライフサイクルを各プロセスに応じてサポートするLCMサービス事業の展開が可能となり、2025年より本格的にサービスの提供を開始しました。

 

人材サービス事業

 IT機器の保守、点検、修理を行うカスタマエンジニア(以下、「CE」といいます)、システムの設計や、ネットワークの設計・構築、派遣先企業のフロント営業のサポートを行うシステムエンジニア(以下、「SE」といいます)を派遣しており、人材サービス事業は保守サービス事業同様、派遣契約に基づくストック型のビジネスが主であります。

 主要取引先であるNECフィールディング株式会社へはCEを、KDDIグループへはSEを派遣しております。

 NECフィールディング株式会社とは1967年のプリンター保守サービスの提供をきっかけに、以来長期にわたる取引の中で当社のエンジニアの技術力が評価され、現在は130名を超えるCEを派遣しております(2026年3月31日時点)。

 KDDIグループからは、2005年の日本国際博覧会におけるSE派遣以来、継続して派遣の要請があり、現在は50名以上のSEを派遣、また25名が準委任契約又は請負契約による業務に従事しております(2026年3月31日時点)。上記2社からは、毎年増員要請を受けております。

 また、そのほか複数の企業や空港にもエンジニアを派遣しており、派遣を契機にソリューションや保守案件を受託するケースが増えております。

 人材サービス事業全体の各期末時点における派遣人員数は、2022年3月期262名、2023年3月期254名、2024年3月期257名、2025年3月期263名、2026年3月期259名と推移しております。2026年3月期に派遣人員が減少したのは、ソリューション事業で受注した大型案件対応のために、戦略的に人事ローテーションを図ったことによるものです。IT人材不足という市場環境において、派遣の需要が毎年増え続けていることから、今後も機会損失が無いよう、毎年計画的に派遣人員を採用し、社内研修による資格取得推進を始め、スキルアップを図っております。

 

 当社の社員は入社後、CEあるいはSEとしての教育を受け、必要な資格を取得したうえでそれぞれ拠点へ配属されます。エンジニアは各配属先において現場経験を積むことや、資格取得講習等を受講することにより、必要なスキルを身に付けていきます。その後、ジョブローテーションにより、新たな部署で経験を積むことで、マルチな対応が可能なエンジニアへとスキルアップしていく、そのような環境が当社にはあります。

 当社には現在750名を超えるエンジニアがおり(2026年3月31日時点)、その多くはCEとSEの両スキルを保有しております。特定の時間に集中していることが多い保守サービス業務の前後の時間に機器の設定や設置等作業を行うことにより、業務効率が上がり、生産性の向上に繋がっております。

 このように、保守サービス事業、ソリューション事業、人材サービス事業全てに対応でき、各事業の知見があるエンジニアが、自身の配属先あるいは派遣先での業務に従事する中で、取引先企業の抱える課題や需要を把握し、当社の3事業の特長を活かした提案をすることで、新たなビジネスが生まれております。他にも当初機器の導入展開案件を受託した取引先から、その次のステップである運用管理まで依頼されるケースも増えてきております。このように、事業間シナジーにより新規案件を獲得できること、3事業を通じて様々な市場に参画できるといった強みがあります。

 

[事業系統図]

以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

 

 

 

業績状況

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態の状況

(資産)

 当事業年度末における流動資産は7,392,076千円となり、前事業年度末に比べ2,330,401千円増加いたしました。これは主として、官公庁長期案件による売上高増加に伴う売掛金が1,799,145千円、ソリューション事業で大型案件提供に当たって手配した機器等のリース資産の増加等によりリース投資資産が365,201千円、官公庁長期案件対応に伴う仕掛増加に伴い棚卸資産が178,609千円増加したことによります。固定資産は1,376,626千円となり、前事業年度末に比べ68,671千円増加いたしました。これは主として、長期サービス提供案件の受託増加に伴う外部委託費用の前払いの増加により長期前払費用が53,569千円増加したことによります。

 この結果、総資産は8,768,702千円となり、前事業年度末に比べ2,399,073千円増加いたしました。

 

(負債)

 当事業年度末における流動負債は4,706,927千円となり、前事業年度末に比べ1,643,065千円増加いたしました。これは主として、官公庁長期案件対応に伴う商品等の支払のための借入により短期借入金が700,000千円、同案件対応に伴う商品等の調達増加により買掛金が650,261千円増加したことによります。固定負債は1,787,890千円となり、前事業年度末に比べ232,948千円増加いたしました。これは主として、退職給付債務の見積りの見直しに伴い退職給付引当金が66,431千円減少したものの、ソリューション事業で大型案件提供に当たって手配した機器等のリース負債の増加等によりリース債務が315,346千円増加したことによります。

 この結果、負債合計は6,494,818千円となり、前事業年度末に比べ1,876,013千円増加いたしました。

 

(純資産)

 当事業年度末における純資産合計は2,273,884千円となり、前事業年度末に比べ523,059千円増加いたしました。これは主として、当期純利益675,152千円及び剰余金の配当152,092千円によるものであります。

 この結果、自己資本比率は25.9%(前事業年度末は27.5%)となりました。

 

②経営成績の状況

  わが国経済は、2026年3月の政府の月例経済報告によると、「景気は、緩やかに回復しているが、中東情勢の影響を注視する必要がある。」とあります。企業の設備投資や個人消費は持ち直しの動きがみられ、先行きについては雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されるものの、2026年2月にアメリカとイスラエルによるイランへの軍事攻撃をきっかけにイラン紛争が勃発し、ホルムズ海峡の封鎖によりエネルギー供給や物流に深刻な混乱が発生し、その影響は全世界へと波及しています。中東情勢悪化により、原油・LNG価格は高騰し、そこから燃料費の高騰、物流コストの上昇、原材料価格の高騰という形で企業活動に影響を与えておりますので、今後の動向を注視していく必要があると感じております。

 一方、2026年の春季労使交渉においては、近年の高い賃上げの勢いを保ち、平均賃上げ率は5%を超え、2024年から3年連続の5%台を維持する見込みとなっております。2026年1月に取適法が施行され、中小企業の交渉力が強化された結果、人件費の上昇を理由とする価格転嫁が進展した中小企業と大企業の企業規模間格差は縮小してまいりました。

 当社を取り巻くIT市場では、Windows10のサポート終了、「NEXT GIGA」やガバメントソリューション等、政府による大規模な投資が行われた一年でした。

 当社の2026年3月期は2025年4月に70名の新卒社員を迎えスタートしました。

 当初2025年10月にサポートの終了を迎えるWindows10からWindows11へのパソコンの入れ替えや新規購入による需要が大幅に伸びると予測しておりましたが、期中で有償によるサポート期間の延長を選択する取引先が複数でてまいりました。一方、医療機関においては、11月以降も引き続き需要が伸び、件数はわずかですが2026年4月以降に持ち越す案件が出ております。

 文部科学省が推進するGIGAスクール構想の第2期「NEXT GIGA」では、第1期において配備された1人1台端末の入れ替えや、ICT環境の整備が進み、当社が提供する教育機関専用インターネット回線プロバイダーサービス「MSK@ひかり」の導入件数が伸びております。

 その他、デジタル庁によるデジタルガバメント政策の推進に伴い、官公庁のネットワーク関連の工事の受注と作業が大幅に増加しました。

 また、介護施設における人材不足解消のための見守りセンサー、インカム、介護記録ソフト等の導入を支援する補助金であるIT導入補助金2025等を利用したシステムの導入が進みました。加えて、2028年4月に本格運用を開始する介護情報基盤を活用した情報共有のためのカードリーダー等の導入やWebサービスのアカウント設定等の対応が、介護事業所や医療機関において徐々に開始し、導入支援事業者としての活動がスタートしました。

 この結果、当事業年度の業績は、売上高19,383,783千円(前事業年度比14.7%増)、営業利益913,401円(同32.8%増)、経常利益926,342千円(同33.9%増)、当期純利益675,152千円(同31.6%増)となりました。

 当事業年度は、下期において北関東支店の移転を決定したため、移転後継続使用しない資産を減損損失として特別損失に計上いたしました。

 複数の大型案件受注による売上高の大幅な成長と、価格転嫁交渉等の取組による利益率向上によって、2024年7月に発表した新中期経営計画において最重要テーマとした「成長と収益力向上」の実現に一歩近づきました。

 当社はこの3年間を事業基盤拡大の3ヶ年と位置付けております。2年目である当事業年度においては、医療DX、教育DX、自治体DX、企業DX等の推進に伴う需要に積極的に対応していくことで、前年に引き続き着実に事業基盤を拡大してまいりました。

 当社の成長は人材が鍵を握ることから、当事業年度においても新卒及び中途社員の採用、教育、エンジニアの育成に注力しながら、賞与支給額を従来の3か月から4か月に増やし、従業員満足度の向上にも努めてまいりました。この結果、当事業年度の離職率は6.5%と、日本全体の常用労働者の平均離職率や産業別離職率と比較して低く抑えられております。

 また、当事業年度よりサステナビリティやESGへの取組にも注力し、EcoVadisバッチの取得や、SBT認定取得に向けてGHG排出量(Scope1、2、3)を算定いたしました。

 

 セグメントの業績は、次のとおりであります。

 なお、「セグメント利益」は、本源的な事業の業績を図るために、本社管理部門の販売費及び一般管理費配賦前の営業損益を示しており、各報告セグメントの全社への貢献を明確化した利益指標であります。

 

保守サービス事業

 保守サービス事業では、システムのサポート、機器の保守、コールセンター、ヘルプデスクサービス等を提供しております。

 事業の主軸であるウィーメックス株式会社製電子カルテシステム、レセプトコンピュータの保守は、既存顧客の機器リプレース時に契約形態を当社と顧客がメディコムハード保守契約を直接締結する方式から、顧客とウィーメックス株式会社が保守契約を締結し、ウィーメックス株式会社から当社がハードに係る保守を受託し保守料を受領するシステムサポート契約方式への切り替えが、当事業年度においても進みました(図1)。一方でこの契約方式になることで、これまで未契約であった顧客との契約締結が促進されていることから、契約件数は増加傾向にあります。

 

(図1)

 また、ウィーメックス株式会社以外では、医療機関・保険薬局及び訪問看護ステーション向けオンライン資格確認導入後の保守や、オンライン請求の開始に伴うネットワークの保守が引き続き増加しております。さらにソリューション事業において小売店の新店開店や出店エリア拡大に伴うネットワーク工事案件が増加し、工事完了後引き続き保守を受託することで契約数が増加しております。その他、銀行、病院等のネットワーク機器の保守、空港内システムの保守拡大、プリンターのサブスクリプションサービスである「フラット12」も導入件数を伸ばしております。

 9月から開始したテクニカルセンターにおける新たな取組である電子黒板のリペア運用業務に加えて、医療機器のリペアも受託する等、事業は引き続き堅調に成長しております。

 この結果、当事業年度の業績は、売上高5,140,314千円(前事業年度比4.4%増)、セグメント利益1,017,902千円(同16.6%増)となりました。

 

 ソリューション事業

 ソリューション事業では、主要取引先であるKDDI株式会社をはじめ、全国の企業、官公庁からの依頼により、IT機器の販売、設計・構築、設置展開作業を受注しております。

 当事業年度は、2025年10月のWindows10サポート終了に伴う、パソコンのWindows11への移行や新規導入に係るマスタ作成、キッティング等の案件が増加しました。特に医療機関向けのパソコン導入案件に多く対応してまいりました。

 また、医療機関・薬局向けオンライン資格確認用機器は、開業による新規設置と以前導入した機器の更改のタイミングにより、全国で対応案件が増加しました。病院向けネットワーク配線作業や電子カルテ導入等の作業も順調に進みました。

 また、GIGAスクール構想第2期の開始に伴い教育機関専用インターネット回線プロバイダーサービス「MSK@ひかり」の導入件数も順調に伸長し、教育委員会による大型導入案件にも対応いたしました。

 その他、小売店の新店開店に伴うネットワーク構築、官公庁案件等、期初の想定以上に対応してまいりました。

 官公庁のシステム更新等に係る案件は、第4四半期から本格的に工事を開始し、3月末までに完成図書の納品が完了した案件については当事業年度の実績として計上しました。本件については、来年度も継続して対応してまいります。

 この結果、当事業年度の業績は、売上高11,973,870千円(前事業年度比22.0%増)、セグメント利益938,125千円(同18.8%増)となりました。

 

 人材サービス事業

 人材サービス事業では、2026年3月31日時点で259名が従事しております。2025年3月31日時点と比較して人員数が4名減少しております。これは、ソリューション事業における複数の大型案件の対応に向けて、社内の人員体制整備のためにジョブローテーションを図ったことが一つの要因です。派遣者数は減少したものの、派遣単価交渉と請負案件受託のために積極的な営業活動を図った結果、前事業年度と比較して事業は成長いたしました。

 定期的な若手社員のスキルアップのための勉強会開催や個別面談、派遣者の要望に応えたローテーションの実施等の取組が功を奏し、離職者は減少傾向にあります。

 この結果、当事業年度の業績は、売上高2,269,598千円(前事業年度比4.8%増)、セグメント利益315,622千円(同3.8%増)となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は1,495,527千円となり、前事業年度末に比べ38,885千円減少いたしました。

 なお、当事業年度における各活動によるキャッシュ・フローは以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動による資金は、435,933千円の減少(前事業年度は、921,745千円の増加)となりました。これは主として、税引前当期純利益924,098千円の収入、全国の企業、官公庁等へのIT機器の販売、設計・構築、設置展開作業等に伴う売上債権の増加による支出1,844,148千円、仕入債務の増加による収入650,261千円、法人税等の支払に伴う支出216,349千円があったことによります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動による資金は、64,865千円の減少(前事業年度は、186,750千円の減少)となりました。これは主として、中部支店の移転及び保守用部材等の購入に伴う有形固定資産の取得による支出27,496千円、会計システムの入れ替え及び勤怠管理システムの改修等に伴う無形固定資産の取得による支出18,463千円があったことによります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金は、461,914千円の増加(前事業年度は、709,963千円の減少)となりました。これは主として、運転資金調達のための短期借入金増加に伴う収入1,400,000千円、返済による支出700,000千円、株主への配当金支払151,760千円があったことによります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

該当事項はありません。

 

b.受注実績

 当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2025年4月1日

至 2026年3月31日)

前年同期比(%)

保守サービス事業(千円)

5,140,314

104.4

ソリューション事業(千円)

11,973,870

122.0

人材サービス事業(千円)

2,269,598

104.8

合計(千円)

19,383,783

114.7

 (注)1.セグメント間の取引については発生しておりません。

2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 2024年4月1日

 至 2025年3月31日)

当事業年度

(自 2025年4月1日

 至 2026年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

KDDI株式会社

1,270,444

7.5

3,285,318

16.9

ウィーメックス株式会社

2,547,366

15.1

2,854,632

14.7

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりましては、経営者が採用した会計方針及びその適用方法並びに経営者によって行われた見積りや評価が含まれております。これらの見積りにつきましては、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、不確実性を伴うため、実際の結果はこれらとは異なる場合があります。
 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」及び「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。

 

②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等に関する分析

イ.経営成績

 当該事項につきましては、本書の「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

ロ.財政状態

 当該事項につきましては、本書の「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

ハ.キャッシュ・フローの状況

 当該事項につきましては、本書の「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

 

③資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社の運転資金、設備資金等の所要資金につきましては、営業活動で得られた資金を財源としております。大規模なシステム・整備への投資に伴い資金の不足が見込まれる場合には金融機関からの借入による手当を想定しております。また、ソリューション事業の拡大に伴い、大型案件の商品調達に係る資金需要が見込まれますが、こちらについても金融機関からの借入により所要資金の確保を行ってまいります。

 季節的な変動に伴う資金需要に機動的に対応するため、取引先金融機関2行と当座貸越契約を締結しております。当座貸越枠の合計は1,000,000千円であり、当事業年度において、本契約に基づく当座貸越残高は300,000千円となっております。

 また、当社の現金及び現金同等物により、現在必要とされる資金水準を満たす流動性を保持していると考えております。

 

④経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑤経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析について

 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりです。

当社の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としては、売上高、セグメント利益及び営業利益率を設定し、経営上の目標としております。

 売上高は保守サービス事業においてはソリューション事業におけるDX推進に伴う機器の販売案件の増加に付随して保守案件が増加しており、事業は堅調に成長しております。ソリューション事業は、医療機関、企業、官公庁のIT投資の拡大に伴い、事業が大きく成長いたしました。人材サービス事業は派遣単金アップの交渉の成功と、請負案件の積極的な獲得により、こちらも堅調に伸長しております。

 価格転嫁の交渉、経費削減等の効果もあり、営業利益率は前年同期比で0.6%向上し、4.7%となりました。