人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数186名(単体) 2,575名(連結)
-
平均年齢49.9歳(単体)
-
平均勤続年数26.3年(単体)
-
平均年収10,439,000円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1)連結会社における従業員数
2025年3月31日現在 |
セグメントの名称 |
銀行業 |
リース業 |
その他 |
合計 |
従業員数(人) |
2,304 [796] |
13 [19] |
258 [78] |
2,575 [893] |
(注)1.従業員数は、執行役員15人を含み、当社グループからグループ外への出向者17人、嘱託及び臨時従業員833人を含んでおりません。
2.臨時従業員数は、[ ]内に年間の平均人員を外書きで記載しております。
(2)当社の従業員数
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|
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2025年3月31日現在 |
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(千円) |
186 |
49.9 |
26.3 |
10,439 |
[-] |
(注)1.当社従業員は、株式会社あいち銀行からの兼務出向者であります。
2.当社の従業員はすべて銀行業のセグメントに属しております。
3.臨時従業員数は、[ ]内に年間の平均人員を外書きで記載しております。
4.平均勤続年数は、出向元での勤続年数を通算しております。
5.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
(3)労働組合の状況
当社に労働組合はありません。また、当社グループには、あいち銀行従業員組合(組合員数1,826名)が組織されております。労使間においては特記すべき事項はありません。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
①提出会社
当事業年度 |
補足説明 |
||||
管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1 |
男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2 |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1 |
|||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
|||
5.4 |
100.0 |
- |
- |
- |
- |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.労働者の男女の賃金の差異については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
②主要な連結子会社
当事業年度 |
補足説明 |
||||||||
名称 |
管理職に占める女性労働者の割合 (%) (注)1 |
男性労働者の育児休業取得率(%) (注)4 |
労働者の男女の賃金の差異 (%)(注)1、3 |
||||||
全労働者 |
うち正規雇用労働者 |
うちパート・有期労働者 |
|
全労働者 |
うち正規雇用労働者 |
うちパート・有期労働者 |
|||
株式会社 あいち銀行 |
11.8 |
100.0 |
100.0 |
- |
(注)2 |
48.5 |
60.3 |
52.3 |
― |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。
3.賃金は性別を問わず同一の基準を適用しておりますが、人員構成・勤続年数・資格の違い等により、賃金差異が生じております。
4.連結子会社のうち主要な連結子会社以外のものについては、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループでは、特定したマテリアリティに対して適切に対応し、当社グループのサステナビリティ経営の推進強化・中長期的な各種施策の実効性向上を図るため、当社にグループサステナビリティ委員会を設置しております。グループサステナビリティ委員会は、サステナビリティに係る重要事項についての戦略立案や、取組みにおける統括・進捗管理などを、主な協議、報告事項としております。2025年4月には、サステナビリティ経営の専門性を高め、サステナビリティに関するさまざまな課題への対応を強化するため、当社にグループサステナビリティ経営統括部、あいち銀行の総合企画部内にサステナビリティ推進グループを新設いたしました。
また、サステナビリティの取組みは、取締役会の監督を受け、強固なガバナンス体制のもとで運営されております。
サステナビリティの取組みにおける統括・進捗管理などは、グループサステナビリティ委員会へ半期に1回以上、取締役会へ年1回以上報告しております。重要事項については、取締役会、グループ経営会議に付議し、意思決定を行っております。
<グループサステナビリティ委員会の主な参加者>
・代表取締役社長 ・取締役 ・執行役員 ・各部の部長 ・社外取締役(監査等委員)
<2024年度のグループサステナビリティ委員会の主な協議・報告事項>
協議事項 |
・TCFD提言に基づく開示内容の高度化について[グループ経営会議付議] ・カーボンニュートラル達成年度の見直しについて ・TNFDへの賛同およびTNFDフォーラムへの参画について |
|
報告事項 |
サステナビリティ全般 |
・サステナビリティの取組状況について ・サステナビリティの取組みに関する課題について ・2024年度統合報告書の総括と2025年度に向けた課題について |
気候変動対応 |
・パーセフォニとの協業状況と取引先の脱炭素化支援の取組状況について ・CO2フリー電力利用拡大の取組みについて |
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自然資本・生物多様性の保全 |
TNFDの情報開示に向けた今後の取組みについて |
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人権尊重 |
人権課題マップの作成について |
|
人的資本経営 |
2024年度ESアンケートの結果分析について |
<マテリアリティと中期経営計画との関連性>
当社グループは、事業を通じて地域における社会課題の解決に貢献し、サステナブルな地域社会を実現するため、社会の課題を当社グループの事業機会として捉えながら、自社の経営課題とのさらなる同期化=“SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)”を目指しております。このような考えのもと、社会・当社グループいずれにとっても重要な課題(マテリアリティ)として、「地域社会繁栄への貢献」、「金融サービスの高度化」、「環境保全対応」、「従業員エンゲージメント向上と多様な人財の活躍推進」、「ガバナンスの強化」を特定しております。
また、2025年度よりスタートした第2次中期経営計画における基本戦略「コンサルティング・ソリューション型ビジネスモデルの深化」、「グループ経営基盤の強化」、「DX戦略の加速化」は、それぞれ5つのマテリアリティに紐づいており、3つの基本戦略を推進することで、マテリアリティの解決につなげてまいります。
<サステナビリティに関する方針>
当社グループでは、経営ビジョンのパーパスに“金融サービスを通じて、地域社会の繁栄に貢献します”を掲げ、その理念のもと、事業活動を通じ「持続可能な社会の実現」と「当社グループの持続的な成長」を目指しております。また、サステナビリティを巡るさまざまな課題への取組みに対し、当社グループ一体で推進していくため、サステナビリティ方針を策定しております。サステナビリティ方針は、「環境課題への対応方針」、「社会課題への対応方針」、「サステナビリティ推進体制」で構成されており、環境課題への対応方針では、事業活動を通じた環境負荷の低減や生物多様性の保全などに取り組むことを掲げております。
<あいちフィナンシャルグループ人権方針>
当社グループでは、2023年11月に「世界人権宣言」、「労働における基本的原則及び権利に関する国際労働機関(ILO)宣言」、「ビジネスと人権に関する指導原則」などの人権に関する国際的な基準に則り、あいちフィナンシャルグループ人権方針を制定しております。さまざまな活動を進めるうえで人権尊重を取り組むべき重要課題と認識するとともに、すべての事業活動において人権尊重の責任を果たしてまいります。
(2)戦略
①気候変動への対応
<気候変動に関連する機会とリスク>
当社グループでは、気候変動に関連する機会とリスクを分析しております。分析においては、短期・中期・長期の時間軸を設定しております。また、不確実性の高い気候変動の影響を捉えるため、IEA(国際エネルギー機関)の1.5℃シナリオ(NZEシナリオ)とIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の4℃シナリオ(RCP8.5シナリオ)を用いて影響の程度を大・中・小に分類し、各機会とリスクの影響度の把握に努めております。また、把握した各機会とリスクに対し、サステナビリティ方針に基づいた取組みを行っております。
機会・リスクの分類 |
内 容 |
リスク カテゴリ |
シナリオ 影響の程度 |
時間軸 短期:2028年 中期:2030年 長期:2050年 |
当社グループの 取組み |
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1.5℃ |
4℃超 |
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リスク |
移行 リスク |
政策と 法規制 |
炭素税の導入によるコスト増加などによる取引先の事業活動への影響 |
信用リスク |
大 |
小 |
短期~長期 |
当社グループの営業基盤である愛知県の主要産業である自動車産業をはじめとした製造業の投融資先とのエンゲージメント強化や脱炭素化支援推進 |
市場 |
脱炭素社会への移行に伴う原材料価格の上昇による取引先の事業活動への影響 |
信用リスク |
大 |
小 |
短期~長期 |
|||
脱炭素社会への移行の影響を受ける産業に関連する保有有価証券などの価値の変動 |
市場リスク |
大 |
小 |
短期~長期 |
||||
評判 |
気候変動や環境保全への適切な対応・開示の遅れによる企業価値の低下 |
オペレーショナルリスク |
大 |
小 |
短期~長期 |
・社会的要請などへの適切な対応 ・非財務情報開示の充実 |
||
物理的 リスク |
急性 |
台風や洪水などの気象現象の深刻化による取引先の事業活動への影響や担保資産の価値毀損 |
信用リスク |
中 |
大 |
短期~長期 |
投融資先および当社グループに及ぼす影響額の算定 |
|
台風や洪水などの気象現象の深刻化による当社グループの営業拠点の被災 |
オペレーショナルリスク |
中 |
大 |
短期~長期 |
当社グループの防災・BCP対策の実施 |
|||
台風や洪水などの気象現象により取引先の資金繰りが悪化し、あいちFGの預金が流出 |
流動性リスク |
中 |
大 |
短期~長期 |
投融資先へ物理的リスクの啓蒙、BCP対策の啓発 |
|||
慢性 |
平均気温の上昇、海面上昇による取引先の事業活動への影響や担保資産の価値毀損 |
信用リスク |
小 |
大 |
長期 |
投融資先へ物理的リスクの啓蒙、BCP対策の啓発 |
||
機会 |
製品・サービス |
環境保全への取組みを行う取引先に対し、ESGファイナンスを含む設備投資などの資金需要増加に対する金融仲介機能の発揮 |
- |
大 |
小 |
短期~長期 |
・投融資先への脱炭素への取組啓発 ・投融資先への脱炭素支援の推進 ・サステナブルファイナンスの拡大 ・投融資先への補助金支援 |
|
脱炭素化・環境保全への対応に課題を抱える取引先に対するコンサルティング機能の発揮 |
- |
大 |
小 |
短期~長期 |
||||
資産効率 |
省エネルギー・再生エネルギー・新技術の活用による事業コストの低下 |
- |
大 |
中 |
短期~長期 |
当社グループの新店舗などのZEB化、省エネ化促進 |
||
強靭性 |
気候変動や環境保全への適切な対応・開示に伴う企業価値の向上 |
- |
大 |
中 |
短期~長期 |
非財務情報開示の充実 |
<気候変動に関連するビジネス機会>
■脱炭素化に資するファイナンス提供
お客さまの脱炭素化に向けた資金需要に対応するため、さまざまな融資商品を提供しております。
商品名 |
概要 |
取組金額※ |
サステナビリティ・リンク・ローン |
国際的な指針である「サステナビリティ・リンク・ローン原則」に基づいたSDGsやESGに関連した目標(サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット:SPTs)を設定し、SPTs達成状況に基づき金利のインセンティブを受けることができる融資商品であります。 脱炭素化に向けた目標を貸付条件と連動させることで目標達成への動機付けとなり、お客さまの脱炭素経営の促進に貢献しております。 |
73億円 |
サステナ経営応援ローン |
SDGsやESGに関連する経営目標(所定項目の中から1項目を選択)を設定し、経営目標達成状況に基づき金利のインセンティブを受けることができる融資商品であります。 経営目標にGHG(温室効果ガス)排出量を設定することにより、お客さまの脱炭素化に向けた取組みの促進に貢献しております。 |
1,153億円 |
ポジティブ・インパクト・ファイナンス |
国際的な金融原則の枠組みに沿った融資商品で、お客さまの企業活動が環境・社会・経済に及ぼす影響を包括的に分析・評価(以下、「インパクト評価」)いたします。インパクト評価により特定されたポジティブな影響の増大とネガティブな影響の低減に向けた取組みに対して、目標を設定し、モニタリングを実施することで、脱炭素化への取組みを継続的に支援いたします。 |
90億円 |
グリーンローン |
環境改善を目的とする事業(グリーンプロジェクト)に資金使途が限定される融資商品であります。実行後の資金の追跡管理およびレポーティングによる資金使途の透明性確保を通じて、お客さまの環境に配慮した事業活動を支援いたします。 |
64億円 |
グリーンボンド、トランジションボンド、トランジションリンクボンドへの投資 |
企業や地方自治体などが、環境に配慮した事業(グリーンプロジェクト)に資金を投じるために発行されるグリーンボンドや、脱炭素社会移行(トランジション)のための資金調達を目的として発行されるトランジションボンド、脱炭素社会の実現に向けて企業が設定した目標の達成状況に応じて条件等が変動するトランジションリンクボンドへの投資を通じて、社会の脱炭素化への取組みに貢献しております。 |
337億円 |
※2022年4月からの累計金額
■お客さまの脱炭素化支援
企業の脱炭素への取組みは、GHG排出量の①知る、②測る、③減らす、の3つのステップで進めていきます。当社グループでは、各ステップにおいてお客さまへの支援体制を整え、脱炭素化を支援しております。
ステップ |
主な支援内容 |
|
①知る |
①-1情報の収集 気候変動に関する情報や潮流、取引先の動向を把握する ①-2方針の検討 自社の状況を踏まえ、脱炭素で目指す方向性を検討する |
・お客さま向けセミナーの開催 ・渉外行員による情報提供 ・専門コンサルタント(外部提携先)の紹介 ・「あいぎん脱炭素宣言サポート」の提供 取引先の脱炭素への取組状況を確認し、見える化した結果をフィードバック、脱炭素経営に向けたソリューション提案を行います。また、「脱炭素経営宣言」の策定を支援いたします。 |
②測る |
②-1排出量の見える化 事業活動におけるGHG排出量を算定する ②-2削減ターゲットの特定 主な排出源となる事業活動や設備を特定し、優先的に取り組む範囲を決める |
・取引先のGHG排出量算定サポート 炭素会計プラットフォーム「Persefoni Pro」を活用し、取引先のGHG排出量算定を支援いたします。 |
③減らす |
③-1削減計画の策定 削減対策および実施計画を策定する ③-2削減対策の実行 削減対策を実行し、定期的に取組みの見直しを行う |
<削減計画策定> 外部提携先コンサルタントとの連携による計画策定支援 <省エネ化> ・社内カンパニー「栄町コンサルティング」による生産現場改善支援 ・省エネ設備・生産設備メンテナンスを取り扱う企業の紹介 ・補助金申請支援 <再エネ化> ・PPA(電力購入契約)の紹介 ・CO2フリー電力の紹介 ・再エネ設備(太陽光発電など)を取り扱う企業の紹介 ・蓄電池を取り扱う企業の紹介 ・脱炭素関連の補助金・助成金申請支援 <カーボンオフセット> カーボンクレジット創出および調達サービスを行う企業の紹介 <資金調達> サステナブルファイナンスによる資金調達支援 |
■協働による脱炭素の取組み
企業や官公庁などとの協働により、社会の脱炭素化に貢献しております。
<2024年度の主な取組み>
省エネ・地域パートナーシップへの参加 |
地域で中小企業等の省エネを支援するため、経済産業省 資源エネルギー庁が立ち上げた枠組み「省エネ・地域パートナーシップ」にパートナー機関として参加いたしました。経済産業省資源エネルギー庁及び省エネ・地域パートナーシップ事務局と、中小企業の身近な相談先であるパートナー機関などとの間で、省エネ政策・取組みなどに関する各種情報の提供や交換を行いながら、中小企業の省エネ支援を実践しております。 |
合同の自動車サプライヤー向けセミナーの開催 |
あいち銀行では、百五銀行、三菱UFJ銀行とともに、自動車サプライヤー向けセミナーとして「自動車業界の“今”とカーボンニュートラルの実現に向けた“未来”への取り組み」を開催いたしました。自動車サプライヤーの取引先企業を対象に、自動車業界の最新動向を伝えるとともに、カーボンニュートラルへの取組事例をご紹介いたしました。 |
脱炭素経営セミナー豊橋の共催 |
リコージャパン株式会社、三井住友信託銀行とともに「脱炭素経営セミナー豊橋」を開催いたしました。 脱炭素に関心を持つ地域の企業を対象に、2050年に向けた脱炭素社会の具体的な設計と実装について、実践事例を交えてご紹介いたしました。 |
西尾市、東邦ガス株式会社、株式会社バイウィルとの連携協定の締結 |
あいち銀行では、西尾市、東邦ガス株式会社、株式会社バイウィルと「カーボンニュートラルの実現に向けた取組に関する連携協定」を締結いたしました。本協定は、家庭用燃料電池システムや太陽光発電システムの導入、LED化や水稲栽培による温室効果ガスの削減効果をJ-クレジットに換え、それを有効利用することで、西尾市のカーボンニュートラルに向けた取組みを加速させることを目的とするものであります。それぞれが持つ知見やノウハウを活用して相互に連携・協力することにより、西尾市の2050年カーボンニュートラル実現に向けた取組みを推進してまいります。 |
蒲郡市及び株式会社バイウィルとの連携協定の締結 |
あいち銀行では、蒲郡市、株式会社バイウィルとゼロカーボンシティの実現に向けた連携協定を締結いたしました。本協定は、3者がJ-クレジットをはじめとした各種環境価値に関する情報共有や事業の推進等を通じて相互の連携を強化し、地域におけるカーボンニュートラル及びサーキュラーエコノミーの実現に寄与することを目的とするものであります。相互の連携を強化し、蒲郡市におけるカーボンニュートラル、サーキュラーエコノミーの実現に向けた取組みを推進してまいります。 |
<シナリオ分析>
気候変動リスクが当社グループに及ぼす影響を把握することを目的に、移行リスクおよび物理的リスクについてシナリオ分析を実施しております。
■移行リスク
移行リスクの分析対象として、TCFD提言で気候変動の影響を受けやすいとされている業種から、当社グループにおいて移行リスクの影響が大きいと考えられる「電力セクター」「自動車セクター」「不動産セクター」を選定いたしました。分析の詳細は以下の通りであります。
対象セクター |
電力セクター・自動車セクター・不動産セクター |
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選定理由 |
電力セクター |
電力セクターのGHG排出量はセクター別でみた日本の排出量の約40%を占めているため |
自動車セクター |
当社グループの営業エリアである愛知県における主要産業であるため |
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不動産セクター |
あいち銀行の総貸出残高に対する不動産業の融資残高の占める割合が高いため |
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シナリオ |
IEAの1.5℃シナリオ |
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分析内容 |
炭素税の導入による費用増加が財務内容に与える影響を分析 |
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対象期間 |
2025年3月末基準とし、2050年までを対象期間として試算 |
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分析結果 |
与信コストへの影響額について、単年度53億円程度の増加(2025年3月末基準) |
■物理的リスク
IPCCの4℃シナリオを参考に、洪水発生頻度の上昇を想定したうえで、浸水が想定される当社グループの営業拠点(ハザードマップ参照)の取引先の不動産担保毀損が与信コストに与える影響を分析いたしました。分析の詳細は以下の通りであります。
シナリオ |
IPCCの4℃シナリオを参考 |
分析内容 |
洪水発生頻度の上昇を想定したうえで、浸水が想定される当社グループの営業拠点(ハザードマップ参照)の取引先の不動産担保毀損が与信コストに与える影響を分析 |
分析対象 |
水害、事業性与信を対象に試算 |
対象期間 |
2025年3月末基準とし、2050年までを対象期間として試算 |
分析結果 |
与信コストへの影響額について、累計12億円程度の増加(2025年3月末基準) |
なお、シナリオ分析の結果は、一定の前提条件の下で試算しております。
今回の前提条件での試算では、当社グループへの影響は限定的なものとなりましたが、分析手法を含む前提条件については、今後も継続的に見直しを検討し精緻化に努めてまいります。
②自然資本・生物多様性の保全について
<当社グループと自然資本との関係性>
近年、持続可能な社会を実現するために、気候変動への対応に加え、自然資本・生物多様性の適切な保全に対する重要性が高まっております。 当社グループの事業基盤である愛知県は、山地帯の奥山生態系、丘陵地の里地里山生態系、農地や都市のひろがる平野生態系、海辺の藻場や干潟といった里海・沿岸生態系、河川・水辺生態系、湿地湿原生態系といった多種多様な生態系が存在する地域であります。また、県内では、動物約12,450種、植物約4,490種が確認され,うち動物364種、植物529種が絶滅のおそれがあると評価されております。(※愛知県 あいち生物多様性戦略2030(概要版)より)
当社グループでは、マテリアリティに「環境保全対応」を掲げており、愛知県を事業基盤とする地域金融機関として、県内の自然資本・生物多様性の保全に取り組んでいくことは不可欠と認識しております。TNFDフォーラムへの参画により、自然資本・生物多様性の適切な保全に関する取組みを推進することで、地域の持続可能な環境・社会の実現を目指してまいります。
また、TNFD提言ではLEAPアプローチに基づいて、自社の事業活動に関する自然資本への「依存」や「影響」を把握し、リスクや機会を特定し開示することが推奨されております。
企業の事業活動は、原材料調達・製造・販売・消費・廃棄などのバリューチェーン全体で、自然資本に依存し、影響を及ぼしております。当社グループを含む金融機関は、自社の事業活動において自然資本に依存し、影響を与えるだけでなく、投融資を通じ、取引先の事業活動とのつながりを持っております。そのため、金融機関は、お客さまの自然資本への依存や影響を把握し、適切なリスク管理を行う必要があり、また、自然資本に関連するビジネス機会につなげることができると考えております。
<LEAPアプローチに基づく取組状況>
LEAPアプローチは、自然への配慮を企業のバリューチェーンや金融機関などのポートフォリオのリスク管理プロセスに組み込むための実践的なガイダンスであります。
当社グループでは、LEAPアプローチに基づき、「①発見する」における自然資本との接点の把握、「②診断する」における依存関係と影響の特定、依存度・影響度の分析を行いました。
2025年度以降、「③評価する」に該当するリスクと機会の特定・評価を進めるとともに、分析の高度化・開示の充実を図ってまいります。
<ENCORE分析の結果>
当社グループでは、TNFD提言で推奨されているセクターや地理情報に基づいて自然への依存や影響の大きさを把握するツールである「ENCORE」を活用し、自社の事業活動と自然資本の依存関係・影響について分析を行いました。ENCORE分析の結果、「依存」については、多くのセクターの企業活動が「水」に依存していることが示され、 「影響」については、多くのセクターの企業活動において、「撹乱(騒音・光害)」、「有害土壌・水質汚染物質の排出」に対する影響が大きいことが示されました。また、セクター別で見ると、特に「素材」と「食品・飲料」が自然資本に依存し、影響を与えている結果となりました。
今後、分析の高度化および分析結果を踏まえ、投融資残高や地域における重要性などを考慮の上、重点セクターの特定などの分析を進めてまいります。
<自社拠点の依存・影響の分析>
TNFD提言では、企業に対して自社が直接操業する拠点が自然資本関連の重要な地域であるかどうか特定し、自然関連の依存と影響、リスクと機会を特定し、評価、優先順位付け、モニタリングすることを求めております。
当社グループでは、自然資本に影響を与えている可能性のある自社拠点を把握するため、当社グループの拠点が最も多い愛知県名古屋市内の店舗について、名古屋市環境局が公表しております「生物多様性重要エリアマップ」を活用し、生物多様性保全上の重要なエリアとの接点を調査いたしました。
その結果、庄内川の河川沿岸、大高緑地周辺など、名古屋市内の16店舗の近隣に希少種が生息・生育しているなど生物多様性保全上の重要なエリアが存在していることを確認いたしました。
今後、自社のオペレーションが生物多様性に与える影響の大きさや、自然資本との依存と影響の分析を検討してまいります。
<当社グループの自然資本・生物多様性への取組み>
当社グループでは、地域の自然資本・生物多様性の適切な保全を図るため、さまざまな取組みを実施しております。
「あいち生物多様性企業認証制度」の認証取得 |
あいち銀行では、愛知県より「あいち生物多様性認証企業」に認証されました。愛知県では、「あいち生物多様性戦略2030」(2021年2月策定)に基づき、各地域において、企業、大学、環境保全団体、行政などの多様な主体の連携による生物多様性保全に関する取組みを推進しております。企業の生物多様性保全に関する取組みを促進するため、本制度を通じて優れた取組みを実践している企業を愛知県が認証し、取組意欲の醸成と他企業への波及を図り、優良な取組みが県内に広がることを目指してまいります。 |
竹島水族館との清掃活動 |
海洋生物の生態環境のため、竹島水族館の指導の下、近隣にて清掃活動を実施いたしました。また、竹島水族館のSDGs取組みの推進に向けて、ノベルティ配布を行い来場者における生態環境の保護に向けた意識醸成・普及啓発を行いました。(参加人数89名) |
藤前干潟の清掃活動 |
市民団体によって実施される「藤前干潟クリーン大作戦」に参加いたしました。本企画の目的である①ラムサール条約に恥じない藤前干潟にする、②子供たちが安心して遊べる干潟や川を取り戻す、③流域全体のごみや水のことを考えるネットワークを形成する、に賛同し、生態環境の保護意識の醸成を目的に参加いたしました。(参加人数45名) |
海洋生物の生態環境や保護活動に関する勉強会 |
海洋生物の生態環境や保護活動についての知見を深める勉強会を開催いたしました。南知多ビーチランドの職員を講師に迎え、生態環境の保護について行員が考える機会を創出いたしました。(参加人数65名) |
堀川の清掃活動 |
堀川における生態環境の保護のため、清掃活動を実施いたしました。(参加人数60名) |
③人事基本方針および社内環境の整備について
(イ)人財育成方針
・当社グループは、「人事基本方針」に基づいて「あいちFGのめざす人財像」を定め、経営統合の効果最大化に向けて人財育成に取り組んでいます。
・具体的な取組みとして、期初に支店長が所属行員全員と話し合ったうえで自店の人財育成上の課題を踏まえた「人財育成方針」を策定し、人財育成に取り組んでいます。
(ロ)社内環境整備方針
・すべての社員が幸せを実感できるよう、人財育成に加えて、ワークライフバランスの実現と、能力やスキルを最大限に発揮し働きがいを実感できる環境の整備を進めています。
具体的には、誰もがいきいきと働き続けられる環境を目指すための「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン推進」、「健康経営・働き方改革」に取り組み、従業員エンゲージメント向上につなげることで「ES経営」を実践します。
・従業員エンゲージメント向上については、第2次中期経営計画において、2027年度までに「ESアンケート(従業員エンゲージメント調査)満足度80%」をマテリアリティKPIに掲げて取り組みます。
<人的資本経営の強化>
<社内環境整備に関する指標>(あいち銀行)
|
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
従業員満足度スコア(※1) |
78.9P |
77.5P |
78.3P |
研修投資(年間研修費用)(※2) |
99,056千円 |
127,703千円 |
98,370千円 |
(※1)全職員に実施した「ESアンケート」(50問)の回答結果を数値化し、最大値は100
(※2)2024年10月~2025年2月の5ヵ月間は、合併に伴う「研修凍結期間」とし研修を自粛
(3)リスク管理
①気候変動への対応
<気候変動のリスク管理プロセス>
当社グループの直面するリスクに関しては、リスクの種類毎に評価したリスクを総体的に当社グループの経営体力と比較・対照していく自己管理型のリスク管理である「統合的リスク管理」を行うことで、経営の健全性を確保しております。
気候変動リスク及び機会は、事業活動や財務内容に影響を及ぼす可能性があることを認識のうえ管理してまいります。具体的には、気候変動がもたらす当社グループ取引先の事業活動への影響および業況の変化などによる信用リスクや当社グループ営業拠点の被災などによるオペレーショナルリスクを中心に管理し、必要に応じて各種対策を講じてまいります。
<気候変動に関連するリスク>
当社グループでは、気候変動に関するリスクを「信用リスク」、「市場リスク」、「流動性リスク」、「オペレーショナルリスク」の4つに整理しております。気候変動により生じる可能性のある移行リスクおよび物理的リスクの事例は以下の通りとなります。
リスク分類 |
定義 |
移行リスクの事例 |
物理的リスクの事例 |
時間軸 短期:2028年 中期:2030年 長期:2050年 |
信用リスク |
信用供与先の財務状況の悪化などにより、資産の価値が減少ないし消失し、当社グループが損失を被るリスク |
政策、規制、顧客の要請、技術開発の変化に対応できないことによる取引先の事業活動や財務への影響 |
異常気象による顧客資産への直接的な損害や、サプライチェーンへの間接的な影響に伴う、顧客の事業や財務への波及 |
短期~長期 |
市場リスク |
金利、有価証券などの価格、為替などの様々な市場のリスク・ファクターの変動により、保有する資産・負債の価値が変動し当社グループが損失を被るリスク、および資産・負債から生み出される収益が変動し当社グループが損失を被るリスク |
脱炭素社会への移行の影響を受ける産業に関連する保有有価証券の価値の変動 |
異常気象の影響による市場の混乱、それに伴う保有有価証券の価値の変動 |
短期~長期 |
流動性リスク |
運用と調達の期間のミスマッチや予期せぬ資金の流出により、必要な資金確保が困難になる、また通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより損失を被るリスク、市場の混乱などにより市場において取引ができなかったり、通常よりも著しく不利な価格での取引が余儀なくされることにより損失を被るリスク |
脱炭素社会への移行への対応の遅れに伴うレピュテーションの低下による市場調達環境の悪化 |
異常気象で被災した取引先の復旧・復興に向けた預金引出に伴う資金流出の増加 |
短期~長期 |
オペレーショナルリスク |
内部プロセス、役職員の行動が不適切であること、もしくはシステムが正しく機能しないこと、または外生的事象により、直接的または間接的に当社グループが損失を被るリスク |
脱炭素社会への移行への対応の遅れに伴うレピュテーションの悪化 |
異常気象による被災に伴う営業拠点やデータセンターにおける業務の中断 |
短期~長期 |
<持続可能な社会の実現に向けた投融資方針>
当社グループは、環境・社会に影響を与える可能性のある特定の事業・セクターへの投融資に関し、以下の取組方針に基づき、適切に対応することで持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
・環境・社会にポジティブな影響を与える事業などに対する取組方針
(イ)脱炭素化社会への移行・省エネルギー・再生可能エネルギーに係る事業活動を積極的に支援します。
(ロ)高齢化・少子化などの課題に対応する医療・福祉・教育の充実に係る事業活動を積極的に支援します。
(ハ)事業承継、地域社会の発展に寄与する創業、イノベーション創業など持続的な社会形成にポジティブな影響を与える事業活動を積極的に支援します。
(ニ)社会インフラの維持・発展、地域の防災・減災に資する事業活動を積極的に支援します。
・環境・社会にネガティブな影響を与える可能性が高い特定の事業・セクターに対する取組方針
[セクター横断的]
(イ)児童労働・強制労働・人身取引などに関する事業
当社グループ人権方針や国際的な人権基準(世界人権宣言、ビジネスと人権に関する指導原則など)の主旨に反する児童労働や強制労働・人身取引など、人権侵害が行われている事業への投融資は取り組みません。
(ロ)紛争地域における人権侵害に関する事業
紛争地域においては、人権に関する重大な負の影響を及ぼす可能性があることを認識しています。紛争地域における人権侵害を引き起こす、または助長する事業、あるいは人権侵害と直接的に結びついている事業について、十分注意したうえで慎重に対応します。
(ハ)その他の事業
違法または違法目的の事業、公序良俗に反する事業、ワシントン条約に違反する事業、ラムサール条約指定湿地へ負の影響を与える事業への投融資は取り組みません。
[特定セクター]
(イ)石炭火力発電事業
石炭火力発電所の新規建設資金および温室効果ガスの増加に繋がる拡張案件の投融資は取り組みません。ただし、災害時対応や日本政府のエネルギー政策に沿った案件などを例外的に検討する場合は、慎重に対応します。
(ロ)非人道兵器製造・開発事業
クラスター弾、核兵器、生物・化学兵器、対人地雷の製造・開発を行う企業への投融資は取り組みません。
(ハ)森林伐採事業・パーム油農園開発事業
木材、パーム油などは日常生活や社会の維持に欠かせない重要な原料である一方、違法伐採などの大規模な森林破壊は気候変動や生態系へ重大な負の影響を及ぼす可能性を認識しています。環境および社会配慮の状況に十分注意したうえで慎重に対応します。
■2025年度の変更点
当社グループは2024年5月にTNFDフォーラムに参画しており、自然資本・生物多様性の適切な保全に関する取組みを推進しております。当社グループが営業基盤とする愛知県には、藤前干潟や東海丘陵湧水湿地群といったラムサール条約に登録されている湿地が存在しており、これらの自然の保全を図るため、投融資の禁止事業としてラムサール条約指定湿地へ負の影響を与える事業を追加いたしました。
■投融資方針の準拠状況の確認プロセスについて
あいち銀行では、融資取り上げ時に「持続可能な社会の実現に向けた投融資方針」に則していることを確認するプロセスを導入しております。この確認プロセスの適切な運用により、地域の持続可能な社会の実現を目指してまいります。
<炭素関連資産>
TCFD提言が開示を推奨する炭素関連資産について、セクター毎の融資残高および全セクターに占める割合は、以下の通りであります。
(単位:百万円、%) |
セクター |
融資残高 |
シェア |
||
エネルギー |
石油・ガス |
28,724 |
1.00 |
2.82 |
石炭 |
224 |
0.01 |
||
電力・ユーティリティ |
51,902 |
1.81 |
||
運輸 |
航空貨物 |
2,505 |
0.09 |
9.48 |
旅客運輸 |
799 |
0.03 |
||
海上輸送 |
3,864 |
0.13 |
||
鉄道輸送 |
38,107 |
1.33 |
||
トラックサービス |
109,581 |
3.83 |
||
自動車及び部品 |
116,476 |
4.07 |
||
素材・建築物 |
金属・鉱業 |
47,930 |
1.67 |
42.23 |
化学 |
65,683 |
2.29 |
||
建設資材 |
38,945 |
1.36 |
||
資本財 |
555,848 |
19.42 |
||
不動産管理・開発 |
500,680 |
17.49 |
||
農業・食料・林産物 |
飲料 |
20,406 |
0.71 |
3.22 |
農業 |
3,141 |
0.11 |
||
加工食品・加工肉 |
44,050 |
1.54 |
||
製紙・林業製品 |
24,443 |
0.85 |
||
合計 |
1,653,309 |
57.75 |
*対象アセット:法人・個人事業主向け一般事業性融資
(リパッケージローンなどの政策的貸出除く)
*対象残高:2025年3月末時点の融資残高
*セクター分類方法:当社グループにおける業種分類を環境省が公表している日本標準産業分類とTCFD18分類の紐づけ表により、TCFDが定義するセクター分類へ割り振り
②人権尊重の取組み
当社グループでは、事業活動に関わる人権リスクを特定・評価し、重要な課題に優先的に対応することで人権尊重の取組みをより効果的かつ持続的に推進するため、人権課題マップを作成いたしました。なお、作成した人権課題マップは、内外の事業環境の変化を踏まえて今後、継続的に見直してまいります。
<人権課題マップ>
[作成プロセス]
1.人権課題の抽出 |
国際的な人権基準であるILO宣言・国際人権章典等における人権課題を参考に、当社グループにとって顕著な人権課題を抽出。 |
2.ステークホルダー別(自社・投融資先・サプライヤー)に想定される人権課題の整理 |
ステークホルダー別に抽出した人権侵害リスクが発生し得るか整理。 |
3.人権侵害リスクの発生過程の特定(具体的な人権侵害例) |
整理した人権侵害リスクの具体的な事例を特定。 |
4.抽出した人権課題を深刻度と発生可能性の2軸で評価 |
整理した人権課題・人権侵害リスクについて、負の影響の規模(影響がどれくらい重大あるいは深刻であるか)、負の影響の及ぶ範囲(影響を受けた人々の数)、是正不能性(影響を受けた人々について負の影響を受ける前の状況と少なくとも同一または同等の状況に回復させることができる限界)の3つの基準で各人権課題の深刻度を評価するとともに、当社グループが関与した人権侵害の発生可能性の評価を実施。 |
<人権尊重に関する取組内容>
当社グループの人権尊重に関する主な取組みは、以下の通りであります。今後、人権課題マップの結果を踏まえて、優先的に対応すべき人権課題への対応強化を検討してまいります。
・お客さまに対する取組み
高齢者や障がいのあるお客さまへの取組み |
あいち銀行では、「認知症サポーターの配置」や「筆談対応窓口の設置」などにより、高齢者や障がいのあるお客さまが安心・安全に来店いただけるようにしております。 「成年後見制度」や「日常生活自立支援事業」を利用されていないお客さまが、預金取引行為が困難となった場合に備え、日常生活資金の出金などの預金取引について、お客さまが指定した代理人による手続きが可能です。 |
ジェンダー平等に関する取組み |
あいち銀行では、働きやすい社会づくりの一環として、希望されるお客さまに旧姓による預金口座の開設を行っております。 |
LGBTQに対する取組み |
あいち銀行では、住宅ローンにおける配偶者の定義に「同性パートナー」を追加し、同性パートナーとのペアローンや収入合算による申込が可能となっております。 |
融資取引先に対する取組み |
あいち銀行では、融資取上げ時にお客さまの「あいちフィナンシャルグループ人権方針」の準拠状況を確認するプロセスを導入しております。確認の結果、準拠していないことが判明した場合には、当社グループとして適切に対応し、お客さまとの対話を通じて、適切な対応をとるよう働きかけてまいります。また、愛銀リースでもリース取組み時に同様の確認プロセスを導入しております。 |
・役職員に対する取組み
長時間労働防止の取組み |
役職員の長時間労働を防止する取組みとして、36協定違反の有無や、時間外労働時間のモニタリングにより労働時間の管理と改善に努めております。 |
結社の自由・団体交渉権の尊重について |
あいち銀行では従業員組合が組織されております。銀行と組合がお互いの立場を考え、尊重しながら、さまざまなテーマについて定期的に協議しております。 |
・救済窓口の設置
役職員向けのハラスメント相談窓口の設置 |
あいち銀行では、セクシャルハラスメントやパワーハラスメントなどの相談窓口を設け、メールや電話など、さまざまな手段を通じて相談に対応し、働きやすい職場づくりに取り組んでおります |
お客さま・サプライヤー向けの人権相談窓口の設置 |
あいち銀行では、「お客さま相談窓口」において、お客さま・サプライヤーからの人権侵害に関する相談を受付しております。 |
(4)指標及び目標
①気候変動への対応
(イ)GHG排出量削減目標(Scope1、2)及びGHG排出量(Scope1、2)
・GHG排出量削減目標(Scope1、2)
当社グループのGHG排出量 (Scope1,2)については、当初「2030年度のGHG排出量を2013年度比70%削減し、2050年度までのカーボンニュートラルを目指す」ことを目標に掲げておりました。しかし、GHG排出量の削減に向けた取組みを進めた結果、2025年2月に目標の上方修正を行い、「2030年度までにカーボンニュートラルを達成する」としております。以下の取組みを進めることで、2030年度までのカーボンニュートラル達成を目指してまいります。
Scope1 |
営業車両のガソリン車からハイブリッド車・EV車への切り替え |
Scope2 |
・既存建物の省エネ化促進(老朽化した空調設備の更新、照明のLED化拡大など) ・CO2フリー電力の導入拡大 ・太陽光発電設置・PPA活用などの検討・実施 ・新築建物における省エネ対策(ZEB対応の店舗など) |
カーボンオフセット |
カーボンオフセット導入に向けた調査・検討・実施 |
・GHG排出量(Scope1、2)※2024年度は速報値
(単位:t-CO2、%) |
|
2013年度 |
2018年度 |
2019年度 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
Scope1・2 |
9,222 |
8,484 |
8,052 |
7,581 |
5,395 |
3,722 |
3,832 |
4,193 |
Scope 1 |
390 |
913 |
880 |
848 |
797 |
821 |
881 |
852 |
Scope 2 |
8,832 |
7,571 |
7,171 |
6,733 |
4,598 |
2,901 |
2,950 |
3,341 |
削減率 |
0 |
-8.0 |
-12.6 |
-17.7 |
-41.4 |
-59.6 |
-58.4 |
-54.5 |
*Scope1(直接排出)ガソリン、ガス、軽油など
*Scope2(間接排出)電気
*Scope1、2については、2023年度まで合併前の愛知銀行、中京銀行のGHG排出量のみを算定範囲としてまいりましたが、2024年度より算定範囲を当社グループの連結子会社まで拡大いたしました。これに伴い、今年度より、基準年度の2013年度および2018~2023年度のGHG排出量についても、連結子会社のGHG排出量を合算した数値としております。
*前年度対比における2024年度GHG排出量実績の増加要因は、Scope2(電気)の算定で使用している排出係数が昨年度より引き上げられたことによるものであります。
<GHG排出量削減に向けた主な取組み>
・2025年4月よりあいち銀行の店舗および店外ATM、諸施設にCO₂フリー電力を拡大
これにより、あいち銀行の本店、愛知県・岐阜県・三重県・静岡県の店舗および諸施設(テナント店舗・諸施設は除く)においてCO₂フリー電力を利用していることになります。
・ガソリン車からハイブリッド車、EV車への切り換え
2024年度実績:ガソリン車からハイブリッド車へ32台入れ替え
(ロ)GHG排出量(Scope3)※速報値
(単位:t-CO2) |
算定項目 |
2024年度 |
|
カテゴリ1 |
購入した製品・サービス |
19,185 |
カテゴリ2 |
資本財 |
6,648 |
カテゴリ3 |
Scope1・2に含まれない燃料およびエネルギー関連活動 |
917 |
カテゴリ4 |
輸送・配送(上流) |
2,249 |
カテゴリ5 |
事業活動から出る廃棄物 |
10 |
カテゴリ6 |
出張 |
448 |
カテゴリ7 |
雇用者の通勤 |
1,008 |
カテゴリ15 |
投融資(事業性融資) (上場株式・社債) |
9,191,858 4,070,517 |
合計 |
13,292,840 |
*Scope3の算定対象はあいち銀行のみ
*各カテゴリの主な算定内容および算定方法
・カテゴリ1:通帳、カード、事務用品、修繕代、メンテナンス代など
・カテゴリ2:建物、動産、ソフトウエア
・カテゴリ3:Scope1・2に含まれない電力
・カテゴリ4:行内メール便、郵便代など
・カテゴリ5:産業廃棄物、雑誌、新聞など
・カテゴリ6:GHG排出量=Σ(従業員数×排出原単位)
・カテゴリ7:GHG排出量=(勤務形態・都市階級別)Σ(従業員数×営業日数×排出原単位)
*カテゴリ1~5は、パーセフォニ社が提供する炭素会計プラットフォームを活用し算定
(ハ)GHG排出量(Scope3 カテゴリ15:ファイナンスド・エミッション)※速報値
当社グループでは、2023年度よりPCAFに厳密に準拠するパーセフォニ社が提供する炭素会計プラットフォームを活用し、ファイナンスド・エミッションの算定を行っております。2024年度は、従来の事業性融資に加え、保有する上場株式・社債を算定対象に含めることで、算定対象範囲を拡大いたしました。また、算定の網羅性を高めるため、データクオリティスコア5による算定を行ったことで、算定カバー率は100%となりました。
なお、今回の算定結果は、お客さまによる開示の拡大や推計メソドロジーの進化、業種分類の変更などにより今後大きく変化する可能性があります。
・事業性融資(2024年度)
|
セクター |
Scope1・2 |
Scope3 |
算定 カバー率 |
|||
GHG排出量 (t-CO2) |
DQ スコア |
GHG排出量 (t-CO2) |
DQ スコア |
|||
エネルギー |
石油・ガス |
109,828 |
3.30 |
264,013 |
3.30 |
100% |
石炭 |
6,253 |
4.00 |
1,537 |
4.00 |
100% |
|
電力・ユーティリティ |
81,552 |
2.87 |
505,693 |
2.87 |
100% |
|
運輸 |
航空貨物 |
806 |
3.52 |
1,750 |
3.52 |
100% |
旅客運輸 |
2,653 |
2.10 |
794 |
2.10 |
100% |
|
海上輸送 |
18,720 |
3.74 |
20,046 |
3.74 |
100% |
|
鉄道輸送 |
13,644 |
2.52 |
24,360 |
3.09 |
100% |
|
トラックサービス |
10,055 |
3.99 |
212,170 |
3.99 |
100% |
|
自動車及び部品 |
53,362 |
2.83 |
677,737 |
3.02 |
100% |
|
素材・ 建築物 |
金属・鉱業 |
167,389 |
3.45 |
325,150 |
3.45 |
100% |
化学 |
80,354 |
3.50 |
262,445 |
3.50 |
100% |
|
建設資材 |
522,608 |
2.73 |
157,457 |
2.73 |
100% |
|
資本財 |
286,515 |
3.89 |
2,545,730 |
3.89 |
100% |
|
不動産管理・開発 |
20,408 |
4.05 |
184,493 |
4.05 |
100% |
|
農業・食料・林産物 |
飲料 |
6,285 |
3.35 |
29,731 |
3.35 |
100% |
農業 |
6,347 |
4.03 |
23,014 |
4.03 |
100% |
|
加工食品・加工肉 |
37,367 |
3.83 |
213,384 |
3.83 |
100% |
|
製紙・林業製品 |
73,263 |
3.18 |
100,783 |
3.18 |
100% |
|
その他 |
409,934 |
3.86 |
1,734,231 |
3.87 |
100% |
|
合計 |
1,907,340 |
3.77 |
7,284,518 |
3.79 |
100% |
・上場株式・社債(2024年度)
セクター |
Scope1・2 |
Scope3 |
算定 カバー率 |
|||
GHG排出量 (t-CO2) |
DQ スコア |
GHG排出量 (t-CO2) |
DQ スコア |
|||
エネルギー |
石油・ガス |
21,299 |
1.00 |
290,988 |
1.00 |
100% |
石炭 |
0 |
- |
0 |
- |
100% |
|
電力・ユーティリティ |
268,802 |
2.42 |
195,429 |
2.42 |
100% |
|
運輸 |
航空貨物 |
0 |
- |
0 |
- |
100% |
旅客運輸 |
3,381 |
1.00 |
720 |
1.00 |
100% |
|
海上輸送 |
12,795 |
1.00 |
3,845 |
1.00 |
100% |
|
鉄道輸送 |
1,953 |
3.72 |
4,602 |
3.72 |
100% |
|
トラックサービス |
1,831 |
2.11 |
7,441 |
2.58 |
100% |
|
自動車及び部品 |
8,394 |
1.17 |
300,873 |
1.17 |
100% |
|
素材・ 建築物 |
金属・鉱業 |
66,212 |
2.33 |
136,352 |
2.33 |
100% |
化学 |
40,395 |
1.57 |
98,164 |
1.57 |
100% |
|
建設資材 |
21,024 |
2.02 |
39,945 |
2.02 |
100% |
|
資本財 |
25,196 |
1.69 |
2,005,159 |
1.70 |
100% |
|
不動産管理・開発 |
630 |
1.24 |
9,544 |
1.24 |
100% |
|
農業・食料・林産物 |
飲料 |
2,067 |
1.15 |
14,343 |
1.15 |
100% |
農業 |
407 |
1.00 |
23,215 |
1.00 |
100% |
|
加工食品・加工肉 |
4,617 |
2.24 |
32,900 |
2.24 |
100% |
|
製紙・林業製品 |
6,821 |
1.56 |
7,712 |
1.56 |
100% |
|
その他 |
35,548 |
2.48 |
377,913 |
2.48 |
100% |
|
合計 |
521,372 |
2.14 |
3,549,145 |
2.15 |
100% |
*対象アセット:・事業性融資
法人および個人事業主向け一般事業性融資(リパッケージローンなどの政策的貸出を除く)
・上場株式、社債(金融債、事業債、外国債を対象とし、リパッケージ債、私募債を除く)
*対象残高:2025年3月末時点の投融資残高
*データソース:排出量は企業開示データおよびCDPデータ、財務情報は社内データ、企業開示データを使用
*算定方法:ファイナンスド・エミッション=各投融資先の排出量×帰属係数
・各投融資先の排出量
各投融資先の開示値を使用、得られない場合は推計値を使用
・帰属係数
投融資額÷(各投融資先の負債+資本)
*算定カバー率:・事業性融資
算定先の融資残高÷融資残高の合計
・上場株式、社債
算定先の上場株式、社債÷上場株式、社債の合計
※2024年度のGHG排出量Scope1・2・3の実績は速報値であり、今後独立した第三者からの保証を取得する予定であります。
(ニ)サステナブルに関する投融資の目標および実績
・サステナブルに関する投融資の目標
2022年度から2030年度までに、サステナブルに関する投融資を累計1兆円実行(うち環境関連で5,000億円実行)いたします。
・サステナブルに関する投融資の実績
2022~2024年度実績
(単位:億円、%) |
|
2030年目標 |
2022~2024年度 累計実績(達成率) |
2024年度実績 |
|
サステナブルに関する投融資 |
10,000 |
3,197 (31.97%) |
1,092 |
|
|
うち環境関連 |
5,000 |
1,545 (30.90%) |
622 |
*サステナブルに関する投融資とは、環境や社会課題の解決に繋がる投融資などであり、お客さまのESGやSDGsへの取組みを支援する投融資などであります。なお、「うち環境関連」とは、環境課題の解決に繋がる投融資などであります。
*投融資実績は、あいち銀行の2022年4月1日から2025年3月31日までの実績と、旧中京銀行の2022年4月1日から2024年12月31日までの実績を合算しています。
②人的資本および多様性の確保への対応
(イ)戦略人財の創出に向けた取組み (あいち銀行)
・あいちFGの目指すコンサルティング・ソリューション型ビジネスモデルで必要とされる人財像を「戦略人財」として定義し、第1次中期経営計画期間中の「戦略人財」創出目標450名に対し、515名(達成率114.4%)を創出しました。
・第2次中期経営計画においても、「戦略人財」の創出を継続します。主なKPIとしては、「戦略リスキリング人財」を毎年100名ずつ創出し、2030年度までに700名以上の創出を目指します。
(単位:名) |
めざす人財像 |
目標 (KPI) |
実績 (2025年3月末) |
達成率 |
①営業店プロフェッショナル人財〔RM〕 |
200 |
225 |
112.5% |
②本部ソリューションエキスパート〔SE〕 |
100 |
71 |
71.0% |
③業務改革社内コンサルスタッフ〔CS〕 |
50 |
58 |
116.0% |
④戦略リスキリング人財〔RS〕 |
100 |
161 |
161.0% |
累計(①~④合計) |
450 |
515 |
114.4% |
(ロ)DX人財の創出に向けた取組み (あいち銀行)
・2023年7月に「DX推進計画」を策定し、その人財育成・確保プランに基づき取り組みました。ITパスポートまたは金融業務検定3級・DXコース資格取得者を「IT・デジタル基礎人財」と定義し、2025年3月末までに1,000名の創出に向けて取り組み、1,146名(前期比+189名)を創出しました。
・休日セミナー「Excelパソコン教室」、「情報収集力向上講座」等を開催し、学習機会を提供しました。なお、「Excelパソコン教室」については、グループである(株)エイエイエスティが講師を務め、人財育成における初のグループ連携事例となりました。
・今後もグループ連携を更に強化し、顧客にDXコンサルができる職員の育成や(株)エイエイエスティへのトレーニー派遣に取り組みます。
[IT・デジタル基礎人財数]
(単位:名)
|
目標 |
2024/3末 |
2025/3末 |
前期比 |
①ITパスポート |
- |
928 |
1,115 |
+187 |
②金融業務検定3級DXコース |
- |
29 |
31 |
+2 |
IT・デジタル基礎人財(①+②) |
1,000 |
957 |
1,146 |
+189 |
(ハ)健康経営目標および実績(あいち銀行)
・当社グループは、経営ビジョンのひとつである「すべての役職員の幸せを実現します」を達成するため、「あいぎん健康宣言」を策定し、行員一人ひとりの健康意識の向上、心身の健康増進、働きやすい職場づくりに取り組んでいます。
・健康経営の推進体制として、健康経営の取り組みを組織的かつ戦略的に実践するため、銀行トップである代表取締役頭取執行役員を健康経営最高責任者としています。
銀行・健康保険組合・診療所スタッフ・従業員の代表者で構成される「健康会議」が中心となり、従業員の健康課題を改善するための健康施策を企画・立案しています。企画・立案にあたっては、専門的な知見を取り入れるため関連部署と連携しています。
また、健康経営の取組方針や取組状況等については、役員で構成される「健康経営会議」で協議・報告を定期的に行っています。
・あいち銀行では、2025年4月に策定した「戦略マップ」で掲げる健康経営で解決すべき経営課題である「企業の持続的成長と企業価値の向上」「人財の強化」「地域社会の繁栄への貢献」を達成できるよう、年度ごとに「重点項目および具体的な施策」と「健康経営目標」を決定し、取組方針として公表しています。また、健康経営の取組みが評価され、経済産業省及び日本健康会議が共同で実施する健康経営優良法人認定制度で、「健康経営優良法人(大規模法人部門)」に7年連続で認定されました。
|
具体的な指標 |
2030年度末目標 |
2024年度実績 |
① |
人間ドック受診率(40歳以上) |
70.0%以上 |
56.4% |
② |
特定保健指導の実施率※1 |
75.0%以上 |
64.7% |
③ |
要観察者の医療機関受診率※2 |
95.0%以上 |
92.3% |
④ |
睡眠時間(平日)6時間以上の者の割合 |
60.0%以上 |
55.5% |
⑤ |
1日平均の歩数8,000歩以上の者の割合 |
50.0%以上 |
21.4% |
※1 40~74歳のすべての被保険者・被扶養者のうち、メタボリックシンドロームの該当者と予備軍を対象とした特別保健指導
※2 定期健康診断の結果で、再検査または精密検査が必要とされた人のうち緊急度の高い人
(ニ)ダイバーシティ&インクルージョンの推進 (あいち銀行)
当社グループが持続的に成長し続けるためには、行員一人ひとりの多様な視点や考え方を業務推進や意思決定に積極的に取り入れ、新たな企業価値を創造していくことが必要と考えており、多様な人財を受け入れ、誰もがいきいきと働き続けることのできる組織づくりに積極的に取り組んでいます。
・「ES経営」の取組み
経営理念の実現に向けた企業風土改革を目的に、ES経営の実践により全役職員のエンゲージメント向上を目指しています。また、現場の実態を把握する取組みとして、2021年より全職員を対象とした「ESアンケート(従業員エンゲージメント調査) 」を毎年1回実施し、本部各部がES向上策を展開するなどエンゲージメント向上に努めています。
・「あいちーむ」の活動
ダイバーシティ推進のためのワーキンググループとして2019年に「ダイバーシティ推進委員会(通称:あいちーむ)」を創設し、毎年メンバーを入れ替えて継続運用しています。性別・階層など様々な立場の職員でメンバーを構成し、女性活躍、若年層育成、有給休暇取得率向上など幅広いテーマで意見交換し、実際に施策へ展開しています。貴重な意見交換の場として有効な機会となっています。(2024年度開催回:4回)
・女性活躍に向けた取組み
女性管理職の更なるキャリア意識の醸成を目的とした「女性管理職キャリアアップ研修」の開催や、入行5年次を対象としたキャリア研修では人事部との面接を実施し、女性職員がキャリアアップに前向きに取り組めるようサポートしています。
また、女性活躍に関するさまざまな活動内容が評価され、「あいち女性輝きカンパニー」の2023年度優良企業として表彰されました。この他にも、プラチナくるみん(厚生労働省)、えるぼし(同)の認定を受けています。
・「タレントマネジメントシステム」の導入
2025年4月、行員同士のコミュニケーション促進や戦略的な人財育成、エンゲージメントの向上を目的として「タレントマネジメントシステム(タレントパレット)」の運用を開始しました。銀行合併における早期融和を確立させ、さらなる人財交流につなげるツールとして積極的に活用していきます。また、さまざまなスキルチェックを同システムで実施・一元管理することで、「スキルの見える化」による効率的・効果的な人財育成と個々のスキルを活かした戦略的な人財配置に取り組み生産性向上につなげます。今年度は、同システムで「パルスサーベイ」(定点チェック)を実施し、その結果を上席がリアルタイムで把握することで、配下職員の気持ちの変化に迅速にアプローチできるようになり、モチベーション向上につなげます。
・「ドレスコードフリー」の導入
2025年1月、従業員の自律性を高め、柔軟な発想によりイノベーションを創出する組織風土づくりを図ることや、多様性を尊重し働きがいを向上させることを目的として「ドレスコードフリー」を導入しました。
<各種指標>(あいち銀行)
|
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
女性管理職比率(*1) |
9.2% |
9.7% |
11.8% |
女性役職者比率(*2) |
14.2% |
16.4% |
18.5% |
男性育休取得率 |
78.6% |
94.1% |
100.0% |
※2022、2023年度については、旧愛知銀行と旧中京銀行の管理職の定義に基づいた数値を合算し、算出しています。
(*1)副長職以上を管理職と定義しています。
(*2)「資格等級」における『指導監督職階』以上を役職者と定義しています。
(ホ)雇用者の資産形成を支援する取組み(ファイナンシャル・ウェルネス)
・当社グループでは、行員の資産形成支援を強化しており、財産形成預金、従業員持株会、選択制企業型確定拠出年金制度等を導入しています。また、行員を対象とした、金融商品知識向上の教育を提供する等、金融リテラシー向上と中長期的な資産形成を促進しています。
<資産形成の加入状況(2024年度)>(あいち銀行)
|
財産形成預金 |
持株会 |
選択制DC |
加入率 |
45.0% |
71.7% |
16.2% |