2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    182名(単体) 2,351名(連結)
  • 平均年齢
    50.5歳(単体)
  • 平均勤続年数
    26.7年(単体)
  • 平均年収
    9,772,000円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1)連結会社における従業員数

2024年3月31日現在

 

セグメントの名称

銀行業

リース業

その他

合計

従業員数(人)

2,311

[848]

14

[11]

26

[40]

2,351

[899]

(注)1.従業員数は、執行役員14人を含み、当社グループからグループ外への出向者20人、嘱託及び臨時従業員881人を含んでおりません。

2.臨時従業員数は、[ ]内に年間の平均人員を外書きで記載しております。

(2)当社の従業員数

 

 

 

2024年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

182

50.5

26.7

9,772

[-]

(注)1.当社従業員は、株式会社愛知銀行及び株式会社中京銀行からの兼務出向者であります。

      2.当社の従業員はすべて銀行業のセグメントに属しております。

3.臨時従業員数は、[ ]内に年間の平均人員を外書きで記載しております。

4.平均勤続年数は、出向元での勤続年数を通算しております。

5.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(3)労働組合の状況

 当社に労働組合はありません。また、当社グループには、愛知銀行従業員組合(組合員数1,205名)及び中京銀行従業員組合(組合員数598人)が組織されております。労使間においては特記すべき事項はありません。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

①提出会社

 

当事業年度

補足説明

管理職に占める女性労働者の割合(%)

 (注)1

男性労働者の育児休業取得率(%)

 (注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

5.5

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.提出会社の男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

 

②主要な連結子会社

当事業年度

補足説明

名称

管理職に占める女性労働者の割合

(%)

(注)1

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注)4

労働者の男女の賃金の差異

(%)(注)1、3

全労働者

うち正規雇用労働者

うちパート・有期労働者

 

全労働者

うち正規雇用労働者

うちパート・有期労働者

株式会社

愛知銀行

5.0

105.9

105.9

(注)2

47.8

57.1

53.1

株式会社

中京銀行

17.1

70.6

70.6

(注)2

43.6

57.7

55.3

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。

3.賃金は性別を問わず同一の基準を適用しておりますが、人員構成・勤続年数・資格の違い等により、賃金差異が生じております。

4.愛知銀行は、2022年度中に配偶者が出産した者が2023年度中に育児休業を取得したことにより100%を超過しております。

5.連結子会社のうち主要な連結子会社以外のものについては、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

 

 

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

 当社グループでは、気候変動や人的資本および多様性の確保への対応を含むサステナビリティへの取組みを経営の重要課題と捉え、2022年10月の当社設立と同時にサステナビリティ方針を制定いたしました。

 また、2023年11月には、当社グループの重要課題(マテリアリティ)として、「地域社会繁栄への貢献」、「金融サービスの高度化」、「環境保全対応」、「従業員のエンゲージメント向上と多様な人財の活躍推進」、「ガバナンスの強化」を特定いたしました。

 特定したマテリアリティに対して適切に対応し、当社グループのサステナビリティ経営の推進強化・中長期的な各種施策の実行性向上を図るためにサステナビリティ委員会を設置しております。サステナビリティ委員会は、サステナビリティに係る重要事項についての戦略立案や、取組みにおける統括・進捗管理などを、主な協議、報告事項としております。

 サステナビリティの取組みにおける統括・進捗管理などは、サステナビリティ委員会へ半期に1回以上、取締役会へ年1回以上の報告をしております。重要事項については、取締役会、経営会議に付議し、意思決定を行っております。

 

<サステナビリティ委員会の主な参加者>

・代表取締役社長 ・代表取締役副社長 ・取締役 ・社外取締役(監査等委員) ・本部各部の部長

 

<サステナビリティ委員会の主な協議・報告事項>

協議事項

・あいちフィナンシャルグループ人権方針の策定について[取締役会付議]

・TCFD開示項目の設定について[経営会議付議]

・TCFD提言への取組みに関する開示について[経営会議付議]

・サステナビリティの取組みにおけるマテリアリティの特定およびKPIの設定について[経営会議付議]

・TNFDへの賛同およびTNFDフォーラムへの参画について など

報告事項

・愛知銀行・中京銀行のサステナビリティの取組状況について

・あいちFGの気候変動対応オペの取組実績と今後の予定について

・TCFD提言に基づく開示内容の高度化について

・金融機関のサステナビリティの取組みについて など

 

(2)戦略

①気候変動への対応

<気候変動に関連する機会とリスク>

 当社グループでは、気候変動に関連する機会とリスクを分析しております。分析においては、短期・中期・長期の時間軸を設定しております。また、不確実性の高い気候変動の影響を捉えるため、IEA(国際エネルギー機関)の1.5℃シナリオ(NZEシナリオ)とIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の4℃シナリオ(RCP8.5シナリオ)を用いて影響の程度を大・中・小に分類し、各機会とリスクの影響度の把握に努めております。

機会・リスクの分類

内  容

リスク

カテゴリ

シナリオ

影響の程度

時間軸

短期:2025年

長期:2050年

1.5℃

4℃超

リスク

移行

リスク

政策と

法規制

炭素税の導入によるコスト増加などによる取引先の事業活動への影響

信用リスク

短期~長期

市場

脱炭素社会への移行に伴う原材料価格の上昇による取引先の事業活動への影響

信用リスク

短期~長期

脱炭素社会への移行の影響を受ける産業に関連する保有有価証券などの価値の変動

市場リスク

短期~長期

評判

気候変動や環境保全への適切な対応・開示の遅れによる企業価値の低下

オペレーショナルリスク

短期~長期

物理的

リスク

急性

台風や洪水などの気象現象の深刻化による取引先の事業活動への影響や担保資産の価値毀損

信用リスク

短期~長期

台風や洪水などの気象現象の深刻化による当社グループの営業拠点の被災

オペレーショナルリスク

短期~長期

台風や洪水などの気象現象により取引先の資金繰りが悪化し、あいちFGの預金が流出

流動性リスク

短期~長期

慢性

平均気温の上昇、海面上昇による取引先の事業活動への影響や担保資産の価値毀損

信用リスク

長期

機会

製品・サービス

環境保全への取組みを行う取引先に対し、ESGファイナンスを含む設備投資などの資金需要増加に対する金融仲介機能の発揮

短期~長期

脱炭素化・環境保全への対応に課題を抱える取引先に対するコンサルティング機能の発揮

短期~長期

資産効率

省エネルギー・再生エネルギー・新技術の活用による事業コストの低下

短期~長期

強靭性

気候変動や環境保全への適切な対応・開示に伴う企業価値の向上

短期~長期

 

<気候変動に関連するビジネス機会>

■脱炭素化に資するファイナンス提供

 お客さまの脱炭素化に向けた資金需要に対応するため、さまざまな融資商品を提供しております。

サステナビリティ・リンク・ローン

国際的な指針である「サステナビリティ・リンク・ローン原則」に基づいたSDGsやESGに関連した目標(サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット:SPTs)を設定し、SPTs達成状況に基づき金利のインセンティブを受けることができる融資商品です。

脱炭素化に向けた目標を貸付条件と連動させることで目標達成への動機付けとなり、お客さまの脱炭素経営の促進に貢献しております。

サステナ経営応援ローン

(愛知銀行)

SDGs/ESG目標設定付貢献型融資(中京銀行)

SDGsやESGに関連する経営目標(所定項目の中から1項目を選択)を設定し、経営目標達成状況に基づき金利のインセンティブを受けることができる融資商品です。

経営目標にGHG(温室効果ガス)排出量を設定することにより、お客さまの脱炭素化に向けた取組みの促進に貢献しております。

ポジティブ・インパクト・ファインナンス

国際的な金融原則の枠組みに沿った融資商品で、お客さまの企業活動が環境・社会・経済に及ぼす影響を包括的に分析・評価(以下、「インパクト評価」)いたします。インパクト評価により特定されたポジティブな影響の増大とネガティブな影響の低減に向けた取組みに対して、目標を設定し、モニタリングを実施することで、脱炭素化への取組みを継続的に支援いたします。

サステナビリティボンド、グリーンボンドへの投資

企業や地方自治体等が、調達資金の使途を①環境改善効果があるもの(グリーン性)、②社会的課題の解決に資するもの(ソーシャル性)に限定して発行する債券で、これらへの投資を通じて、社会の脱炭素化への取組みに貢献しております。

 

■お客さまの脱炭素化支援

 企業の脱炭素への取組みは、GHG排出量の①現状把握(可視化)、②削減目標の設定、③削減策の取組み、の3つのステップで進めていきます。当社グループでは、各ステップにおいてお客さまへの支援体制を整え、脱炭素化を支援しております。

ステップ

主な支援内容

①現状把握(可視化)

・GHG排出量可視化サービスの提供

②削減目標の設定

・削減目標設定のサポートやSBTs目標設定支援企業の紹介

③削減策の取組み

・再生エネルギー電力への切り替え支援

・省エネ設備への切り替え支援

・脱炭素関連の補助金・助成金申請支援

・各種融資商品による資金提供

・カーボンクレジット創出および調達サービスを提供する企業の紹介

 

■協働による脱炭素の取組み

 官公庁等との協働により、社会の脱炭素化に貢献しております。

株式会社脱炭素化支援機構(JICN)への出資

JICNは、国の財政投融資(産業投資)と民間からの出資を資本金としてファンド事業を行う株式会社で、資本金を基に、脱炭素に資する事業に対してエクイティ・メザニンなどのリスクマネー供給を行い、民間ESG資金を脱炭素投資に振り向ける呼び水となることを目的としております。

環境省 中部地方環境事務所との連携協定書の締結

中部地方における脱炭素・自然共生・循環型社会の構築を目指す「ローカルSDGs」の実現に資することを目的に、地方銀行では初めて環境省中部地方環境事務所と連携協定書を締結いたしました。

また、環境省中部地方環境事務所と共催で「脱炭素を通じたローカルSDGsの実現に向けて」と題しセミナーも開催いたしました。

環境省「地域ぐるみでの脱炭素経営支援体制構築モデル事業」への参画

環境省が実施する「地域ぐるみでの脱炭素経営支援体制構築モデル事業」に愛知県を代表申請者として、愛知県内の銀行および信用金庫とともに参画しております。

今年度は①ワンストップ相談窓口の設置、②伴走型省エネ診断、③脱炭素経営人材育成を主に活動しております。

支援メニューを通じて、愛知県内の中堅・中小企業に脱炭素経営を普及・浸透させてまいります。

 

<シナリオ分析>

 気候変動リスクが当社グループに及ぼす影響を把握することを目的に、移行リスクおよび物理的リスクについてシナリオ分析を実施しております。

 

■移行リスク

 移行リスクの分析対象として、TCFD提言で気候変動の影響を受けやすいとされている業種から、当社グループにおいて移行リスクの影響が大きいと考えられる「電力セクター」と「自動車セクター」を選定いたしました。分析の詳細は以下の通りとなります。

対象セクター

電力セクター・自動車セクター

選定理由

電力セクター

電力セクターのGHG排出量はセクター別でみた日本の排出量の約40%を占めているため

自動車セクター

当社グループの営業エリアである愛知県における主要産業であるため

シナリオ

IEAの1.5℃シナリオ

分析内容

脱炭素税の導入による費用増加が財務内容に与える影響を分析

対象期間

2024年3月末基準とし、2050年までを対象期間として試算

分析結果

与信コストへの影響額について、年間16億円程度の増加(2024年3月末基準)

 

■物理的リスク

 IPCCの4℃シナリオを参考に、洪水発生頻度の上昇を想定したうえで、浸水が想定される当社グループの営業拠点(ハザードマップ参照)の取引先の不動産担保毀損が与信コストに与える影響を分析しました。分析の詳細は以下の通りとなります。

シナリオ

IPCCの4℃シナリオを参考

分析内容

洪水発生頻度の上昇を想定したうえで、浸水が想定される当社グループの営業拠点(ハザードマップ参照)の取引先の不動産担保毀損が与信コストに与える影響を分析

分析対象

水害、事業性与信を対象に試算

対象期間

2024年3月末基準とし、2050年までを対象期間として試算

分析結果

与信コストへの影響額について、累計13億円程度の増加(2024年3月末基準)

 

 なお、シナリオ分析の結果は、一定の前提条件の下で試算しております。

 今回の前提条件での試算では、当社グループへの影響は限定的なものとなりましたが、分析手法を含む前提条件については、今後も継続的に見直しを検討し精緻化に努めてまいります。

 

②人事基本方針および社内環境の整備について

 当社グループでは、あいちフィナンシャルグループの経営理念に基づき「人事基本方針」を策定し、「経営統合の目的実現に向けて人財の観点から取り組むこと」、「あいちFGのめざす人財像」を示しております。

 経営統合の目的実現に向け、人財の観点からは、「高度化・多様化するお客様のニーズへの対応」、「チャレンジ精神旺盛な企業風土の確立」、「経営資源の最適な運用」、「最大限の統合効果の実現」、「地域経済の発展への貢献」に取り組んでまいります。また、あいちFGのめざす人財像を、「あいちフィナンシャルグループ経営理念に基づき、チャレンジし続ける人財」、「顧客体験を変えるプロフェッショナル人財」、「営業店を支援する本部専門人財」、「業務改革に挑戦する人財」と定義し、育成してまいります。

 社内環境の整備については、すべての社員が幸せを実感できるよう、ワークライフバランスを実現できる環境の整備とES経営・健康経営を実践するとともに、多様な人財が能力やスキルを最大限に発揮できる組織づくり(ダイバーシティ&インクルージョン)に取り組んでまいります。

 

(3)リスク管理

①気候変動への対応

<気候変動のリスク管理プロセス>

 当社グループの直面するリスクに関しては、リスクの種類毎に評価したリスクを総体的に当社グループの経営体力と比較・対照していく自己管理型のリスク管理である「統合的リスク管理」を行うことで、経営の健全性を確保しております。

 気候変動リスク及び機会は、事業活動や財務内容に影響を及ぼす可能性があることを認識のうえ管理してまいります。具体的には、気候変動がもたらす当社グループ取引先の事業活動への影響および業況の変化などによる信用リスクや当社グループ営業拠点の被災などによるオペレーショナルリスクを中心に管理し、必要に応じて各種対策を講じてまいります。

 

<気候変動に関連するリスク>

 当社グループでは、気候変動に関するリスクを「信用リスク」、「市場リスク」、「流動性リスク」、「オペレーショナルリスク」の4つに整理しております。気候変動により生じる可能性のある移行リスクおよび物理的リスクの事例は以下の通りとなります。

リスク分類

定義

移行リスクの事例

物理的リスクの事例

時間軸

短期:2025年

長期:2050年

信用リスク

信用供与先の財務状況の悪化などにより、資産の価値が減少ないし消失し、当社グループが損失を被るリスク

政策、規制、顧客の要請、技術開発の変化に対応できないことによる取引先の事業活動や財務への影響

異常気象による顧客資産への直接的な損害や、サプライチェーンへの間接的な影響に伴う、顧客の事業や財務への波及

短期~長期

市場リスク

金利、有価証券などの価格、為替などの様々な市場のリスク・ファクターの変動により、保有する資産・負債の価値が変動し当社グループが損失を被るリスク、および資産・負債から生み出される収益が変動し当社グループが損失を被るリスク

脱炭素社会への移行の影響を受ける産業に関連する保有有価証券の価値の変動

異常気象の影響による市場の混乱、それに伴う保有有価証券の価値の変動

短期~長期

流動性リスク

運用と調達の期間のミスマッチや予期せぬ資金の流出により、必要な資金確保が困難になる、また通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより損失を被るリスク、市場の混乱などにより市場において取引ができなかったり、通常よりも著しく不利な価格での取引が余儀なくされることにより損失を被るリスク

脱炭素社会への移行への対応の遅れに伴うレピュテーションの低下による市場調達環境の悪化

異常気象で被災した取引先の復旧・復興に向けた預金引出に伴う資金流出の増加

短期~長期

オペレーショナルリスク

内部プロセス、役職員の行動が不適切であること、もしくはシステムが正しく機能しないこと、または外生的事象により、直接的または間接的に当社グループが損失を被るリスク

脱炭素社会への移行への対応の遅れに伴うレピュテーションの悪化

異常気象による被災に伴う営業拠点やデータセンターにおける業務の中断

短期~長期

 

<持続可能な社会の実現に向けた投融資方針>

 当社グループは、環境・社会に影響を与える可能性のある特定の事業・セクターへの投融資に関し、以下の取組方針に基づき、適切に対応することで持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 

・環境・社会にポジティブな影響を与える事業などに対する取組方針

(イ)脱炭素化社会への移行・省エネルギー・再生可能エネルギーに係る事業活動を積極的に支援します。

(ロ)高齢化・少子化などの課題に対応する医療・福祉・教育の充実に係る事業活動を積極的に支援します。

(ハ)事業承継、地域社会の発展に寄与する創業、イノベーション創業など持続的な社会形成にポジティブな影響を与える事業活動を積極的に支援します。

(ニ)社会インフラの維持・発展、地域の防災・減災に資する事業活動を積極的に支援します。

 

・環境・社会にネガティブな影響を与える可能性が高い特定の事業・セクターに対する取組方針

[セクター横断的]

(イ)児童労働・強制労働・人身取引などに関する事業

 当社グループ人権方針や国際的な人権基準(世界人権宣言、ビジネスと人権に関する指導原則など)の主旨に反する児童労働や強制労働・人身取引など、人権侵害が行われている事業への投融資は取り組みません。

(ロ)紛争地域における人権侵害に関する事業

 紛争地域においては、人権に関する重大な負の影響を及ぼす可能性があることを認識しています。紛争地域における人権侵害を引き起こす、または助長する事業、あるいは人権侵害と直接的に結びついている事業について、十分注意したうえで慎重に対応します。

(ハ)その他の事業

 違法または違法目的の事業、公序良俗に反する事業、ワシントン条約に違反する事業への投融資は取り組みません。

 

[特定セクター]

(イ)石炭火力発電事業

 石炭火力発電所の新規建設資金および温室効果ガスの増加に繋がる拡張案件の投融資は取り組みません。ただし、災害時対応や日本政府のエネルギー政策に沿った案件などを例外的に検討する場合は、慎重に対応します。

(ロ)非人道兵器製造・開発事業

 クラスター弾、核兵器、生物・化学兵器、対人地雷の製造・開発を行う企業への投融資は取り組みません。

(ハ)森林伐採事業・パーム油農園開発事業

 木材、パーム油などは日常生活や社会の維持に欠かせない重要な原料である一方、違法伐採などの大規模な森林破壊は気候変動や生態系へ重大な負の影響を及ぼす可能性を認識しています。環境および社会配慮の状況に十分注意したうえで慎重に対応します。

 

<炭素関連資産>

 TCFD提言が開示を推奨する炭素関連資産について、セクター毎の融資残高および全セクターに占める割合は、以下の通りです。

(単位:百万円、%)

 

セクター

融資残高

シェア

エネルギー

石油・ガス

40,090

1.40

3.38

石炭

0

0

電力・ユーティリティ

56,509

1.98

運輸

航空貨物

3,701

0.13

9.19

旅客運輸

917

0.03

海上輸送

2,665

0.09

鉄道輸送

38,888

1.36

トラックサービス

106,703

3.73

自動車及び部品

109,921

3.85

素材・建築物

金属・鉱業

54,826

1.92

42.28

化学

66,785

2.34

建設資材

37,368

1.31

資本財

565,845

19.80

不動産管理・開発

483,492

16.92

農業・食料・林産物

飲料

20,233

0.71

3.17

農業

2,092

0.07

加工食品・加工肉

43,258

1.51

製紙・林業製品

24,928

0.87

合計

1,658,229

58.02

*対象アセット:愛知銀行・中京銀行の法人・個人事業主向け一般事業性融資

(リパッケージローンなどの政策的貸出除く)

*対象残高:2024年3月末時点の融資残高

*セクター分類方法:当社グループにおける業種分類を環境省が公表している日本標準産業分類とTCFD18分類の紐づけ表により、TCFDが定義するセクター分類へ割り振り

 

(4)指標及び目標

①気候変動への対応

(イ)GHG排出量(SCOPE1、2)及びGHG削減目標(SCOPE1、2)

 ・GHG排出量(SCOPE1、2)

(単位:t-CO、%)

 

あいちフィナンシャルグループ

2013年度

2018年度

2019年度

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

SCOPE 1

342

879

852

825

777

800

860

SCOPE 2

8,786

7,513

7,121

6,668

4,527

2,851

2,892

合計削減率

0

-8.1

-12.7

-17.9

-41.9

-60.0

-58.8

*SCOPE1(直接排出)ガソリン、ガス、軽油等

*SCOPE2(間接排出)電気

*2022年10月のあいちフィナンシャルグループ設立までの期間は愛知銀行と中京銀行の合算となっております。

*前年度対比における2023年度GHG排出量増加要因は、コロナ禍の影響がなくなり営業活動が本格化したことに伴いガソリン使用による排出(SCOPE1)が増加したこと、システム統合を進めるための拠点確保により電気利用による排出(SCOPE2)が増加したことによるものです。

・GHG排出量削減目標(SCOPE1、2)

GHG排出量を2030年度までに2013年度比70%削減いたします。また2050年度までのカーボンニュートラルを目指します。

 

(ロ)GHG排出量(SCOPE3)

(単位:t-CO

 

算定項目

2023年度

カテゴリ1

購入した製品・サービス

17,907

カテゴリ2

資本財

9,678

カテゴリ3

SCOPE1・2に含まれない燃料およびエネルギー関連活動

897

カテゴリ4

輸送・配送(上流)

1,717

カテゴリ5

事業活動から出る廃棄物

15

カテゴリ6

出張

449

カテゴリ7

雇用者の通勤

1,011

カテゴリ15

投融資

8,037,060

合計

8,068,734

*各カテゴリの主な算定内容および算定方法

・カテゴリ1:通帳、カード、事務用品、修繕代、メンテナンス代など

・カテゴリ2:建物、動産、ソフトウエア

・カテゴリ3:SCOPE1・2に含まれない電力

・カテゴリ4:行内メール便、郵便代など

・カテゴリ5:産業廃棄物、雑誌、新聞など

・カテゴリ6:GHG排出量=Σ(従業員数×排出原単位)

・カテゴリ7:GHG排出量=(勤務形態・都市階級別)Σ(従業員数×営業日数×排出原単位)

*カテゴリ1~5は、パーセフォニ社が提供する炭素会計プラットフォームを活用し算定

 

(ハ)GHG排出量(SCOPE3 カテゴリ15:ファイナンスド・エミッション)

(単位:t-CO

 

セクター

2023年度

石油・ガス

708,849

石炭

0

電力・ユーティリティ

604,398

航空貨物

2,066

旅客運輸

2,975

海上輸送

11,538

鉄道輸送

38,647

トラックサービス

169,643

自動車及び部品

1,129,122

金属・鉱業

587,727

化学

235,722

建設資材

478,241

資本財

2,383,406

不動産管理・開発

138,695

飲料

17,639

農業

8,414

加工食品・加工肉

170,790

製紙・林業製品

160,441

その他

1,188,747

合計

8,037,060

*対象アセット:愛知銀行・中京銀行の法人・個人事業主向け一般事業性融資

(リパッケージローンなどの政策的貸出除く)

*対象残高:2024年3月末時点の融資残高

*データソース:排出量は企業開示データおよびCDPデータ、財務情報は社内データ、企業開示データを使用

*算定方法:ファイナンスド・エミッション=各融資先の排出量×帰属係数

・各融資先の排出量

各融資先の開示値を使用、得られない場合は推計値を使用

・帰属係数

融資額÷(各融資先の負債+資本)

2023年度は、PCAFスコア5による算定は行っておりません。

*データクオリティスコア:3.54

*算定カバー率:64.2%

・2023年度は、上記対象アセットのうち、愛知銀行・中京銀行の上場企業向け融資および愛知銀行の非上場企業・個人事業主向け融資の算定を行いました。

・中京銀行の非上場企業・個人事業主向け融資については、現在、合併作業中につき、来年度に算定を行う予定です。

・また、設立後1期を経過していないなどの理由により、財務データが不十分な場合は算定を行っておりません。

 

(ニ)サステナブルに関する投融資の目標および実績

・サステナブルに関する投融資の目標

2022年度から2030年度までに、サステナブルに関する投融資を累計1兆円実行(うち環境関連で5,000億円実行)いたします。

 

・サステナブルに関する投融資の実績

2023年度実績

(単位:億円)

 

 

あいちFG

うち愛知銀行

うち中京銀行

サステナブルに関する投融資

1,445

778

667

 

うち環境関連

596

442

154

 

2022~2023年度累計実績

(単位:億円)

 

 

目標

あいちFG

(達成率)

うち愛知銀行

うち中京銀行

サステナブルに関する投融資

10,000

2,105

(21.1%)

1,373

732

 

うち環境関連

5,000

923

(18.5%)

721

202

*サステナブルに関する投融資とは、環境や社会課題の解決に繋がる投融資などであり、お客さまのESGやSDGsへの取組を支援する投融資などであります。なお、「うち環境関連」とは、環境課題の解決に繋がる投融資などであります。

*投融資実績は2022年度まで各子銀行の基準で集計、2023年度分より両行同一基準で集計しております。

 

②人的資本および多様性の確保への対応

(イ)人財育成

・あいちFGのめざすコンサルティング・ソリューション型ビジネスモデルで必要とされる人財像を「戦略人財」として定義し、第1次中期経営計画期間中の戦略人財創出数450人を主要KPIとして定め人財育成に取り組んでおります。2024年3月末時点の「戦略人財」創出数は、目標450人に対して410人(進捗率91.1%)であり、目標に対して順調に推移しております。

(単位:人)

 

めざす人財像

あいちFG

 

 

目標

(KPI)

進捗率

 

愛知

中京

①営業店プロフェッショナル人財〔RM〕

173

108

65

200

86.5%

②本部ソリューションエキスパート〔SE〕

76

51

25

100

76.0%

③業務改革社内コンサルスタッフ〔CS〕

58

33

25

50

116.0%

④戦略リスキリング人財〔RS〕

103

60

43

100

103.0%

累計(①~④合計)

410

252

158

450

91.1%

 

(ロ)健康経営目標および実績

・経営理念の実現には、行員とその家族の心身の健康こそが重要であると考え、行員一人ひとりの健康意識の向上、心身の健康増進、働きやすい職場づくりに取り組んでおります。

 

<愛知銀行>

 愛知銀行では、2021年10月に策定した「戦略マップ」で掲げる健康経営で解決すべき経営課題である「人財の強化」と「地域社会の繁栄への貢献」を達成できるよう、年度ごとに「重点項目および具体的な施策」と「健康経営目標」を決定し、取組方針として公表しています。また、健康経営の取組が評価され、経済産業省及び日本健康会議が共同で実施する健康経営優良法人認定制度で、「健康経営優良法人(ホワイト500)」に6年連続で認定されました。

 

具体的な指標

2025年度末目標

2023年度実績

人間ドック受診率(40歳以上)

70.0%以上

54.8%

特定保健指導の実施率※1

45.0%以上

61.3%

要観察者の医療機関受診率※2

80.0%以上

95.6%

睡眠時間(平日)6時間以上の者の割合

70.0%以上

50.2%

1日平均の歩数8,000歩以上の者の割合

50.0%以上

24.7%

※1 40~74歳のすべての被保険者・被扶養者のうち、メタボリックシンドロームの該当者と予備軍を対象とした特別保健指導

※2 定期健康診断の結果で、再検査または精密検査が必要とされた人のうち緊急度の高い人

 

<中京銀行>

 中京銀行では、2019年10月1日に「健康経営宣言」を制定し、従業員とその家族の健康が重要な財産と位置づけ、健康経営の取組を強化しています。この取組を継続的かつ効率的に実施していくため、2022年10月に「戦略マップ」を新たに制定・公表し取組んでいます。

 また、健康経営の取組が評価され、経済産業省及び日本健康会議が共同で実施する健康経営優良法人認定制度で、「健康経営優良法人」に5年連続で認定されました。

 

具体的な指標

2025年度末目標

2023年度実績

要観察者の医療機関受診率※1

70.0%以上

82.8%

ストレスチェック受検率

95.0%以上

99.7%

喫煙者の割合

12.5%未満

14.7%

有給休暇取得率

80.0%以上

83.9%

※1 定期健康診断の結果で、再検査または精密検査が必要とされた人のうち緊急度の高い人

 

(ハ)ダイバーシティ&インクルージョンの推進

 当社グループが持続的に成長し続けるためには、行員一人ひとりの多様な視点や考え方を業務推進や意思決定に積極的に取り入れ、新たな企業価値を創造していくことが必要と考えており、多様な人財を受け入れ、誰もがいきいきと働き続けることのできる組織づくりに積極的に取り組んでおります。

・「あいちーむ」の活動

 ダイバーシティ推進のワーキンググループとして愛知銀行で2019年に創設した「ダイバーシティ推進委員会(通称:あいちーむ)」の活動は、2023年度より中京銀行の行員もメンバーに加わり合同開催しております。女性活躍推進のほか、若年層育成、有給休暇取得率向上、合併に向けた融和策など幅広いテーマについて話し合い、実際に施策展開するなど、貴重な意見交換ができる有効な機会となっております。

・長く安心して働き続けられる取り組み

 両行合同で育児休業者を対象とした「育休者職場復帰支援セミナー」(3月)を開催し、安心して出産、育児、職場復帰できるようサポートを行っております。また、仕事と介護の両立支援として、介護制度や介護で悩まないための心得等をテーマとした「仕事と介護の両立支援セミナー」(11月)を開催しております。

・女性活躍に向けた取り組み

 女性管理職の更なるキャリアアップ意識を醸成するため、両行合同で「女性管理職キャリアアップ研修」(3月)を開催しました。

・その他の取り組み

 愛知銀行では、「あいちーむ」をはじめとしたさまざまな活動内容が評価され、あいち女性輝きカンパニーの「2023年度優良企業」として表彰されました。また、男性育休の取得促進にむけ、「男性育休100%宣言」に東海3県に本店を置く地域金融機関として初めて賛同しております。

 中京銀行では、育児休業中の従業員がスムーズに職場復帰できるよう「パパママセミナー」(復職前セミナー)を年1回開催しております。また、自宅のパソコン・スマートフォンなどで学習できる「自宅用eラーニング」により、育児休職中でも自己啓発に取組むことができる環境を整備しております。

 

<女性管理職比率>

連結子銀行

2021年度

2022年度

2023年度

愛知銀行※

4.2%

4.8%

5.0%

中京銀行※

14.2%

15.5%

17.1%

あいちFG

9.7%

※ 愛知銀行は、副長職以上を管理職と定義しております。

※ 中京銀行は、「マネージャー」以上を管理職と定義しております。

 

<参考:女性役職者比率>

連結子銀行

2021年度

2022年度

2023年度

愛知銀行※

12.3%

13.6%

16.1%

中京銀行※

14.2%

15.5%

17.1%

あいちFG

16.4%

※ 愛知銀行は、「資格等級」における『指導監督職階』以上を役職者と定義しております。

※ 中京銀行は、「マネージャー」以上を役職者と定義しております。

 

<男性育休取得率>

連結子銀行

2021年度

2022年度

2023年度

愛知銀行

47.7%

88.4%

105.9%

中京銀行

16.7%

62.5%

70.6%

あいちFG

94.1%

※ 愛知銀行は、2022年度中に配偶者が出産した者が2023年度中に育児休業を取得したことにより100%を超過しております。

 

(ニ)雇用者の資産形成を支援する取組み(ファイナンシャル・ウェルネス)

・当社グループでは、行員の資産形成支援を強化しており、財産形成預金、従業員持株会、企業型確定拠出年金制度等を導入しております。また、行員を対象とした、金融商品知識向上の教育を提供する等、金融リテラシー向上と中長期的な資産形成を促進しております。

 

<資産形成の状況>

加入率

財産形成預金

持株会

選択制DC

DCマッチング

愛知銀行

64.8%

76.2%

26.7%

中京銀行

22.5%

79.0%

24.7%