2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    164名(単体) 2,562名(連結)
  • 平均年齢
    47.2歳(単体)
  • 平均勤続年数
    23.0年(単体)
  • 平均年収
    10,671,000円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    2.2%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人財戦略に関する基本方針等】

 第1次中期経営計画から進めてきた統合シナジーの創出や、戦略人財の創出、DX人財の育成を土台として、グループ一体経営を確立し、第2次中期経営計画において「銀行業を超えたトータルサポートグループ」の実現を目指すため、人財ポートフォリオの最適化とエンゲージメント向上を主な取組方針とする人財戦略を着実に取組んでいきます。

① 経営戦略と人財戦略の連動性

 

② 人的資本経営に関する取組み

 当社グループは従業員を貴重な資本(Human Capital)と捉え、その価値の最大化に向け、人財ポートフォリオの最適化とエンゲージメントの向上を取組方針に掲げ、「人財育成」、「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン」、「健康経営・働き方改革」へ取り組んでいきます。

 特に、女性やシニア層の活躍の重要性はこれまで以上に高まっており、キャリア研修やリスキリング研修、適材配置を実施しモチベーション向上を図るとともに、働き方改革を推進することで、活躍の場の拡充を図っていきます。

 また、第1次中期経営計画から取り組んでいる「戦略人財の創出」を一層進め、磨かれたスキルを銀行だけにとどまらず、グループ各社で発揮できるように、これまで以上に育成・強化を図っていきます。

 

③ 人財育成方針および社内環境の整備について

(イ)人財育成方針

・当社グループは、「人事基本方針」に基づいて「あいちFGのめざす人財像」を定め、経営統合の効果最大化に向けて人財育成に取り組んでいます。

・具体的な取組みとして、期初に支店長が所属行員全員と話し合ったうえで自店の人財育成上の課題を踏まえた「人財育成方針」を策定し、人財育成に取り組んでいます。

 

(ロ)社内環境整備方針

・すべての社員が幸せを実感できるよう、人財育成に加えて、ワークライフバランスの実現と、能力やスキルを最大限に発揮し働きがいを実感できる環境の整備を進めています。

具体的には、誰もがいきいきと働き続けられる環境を目指すための「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン推進」、「健康経営・働き方改革」に取り組み、従業員エンゲージメント向上につなげることで「ES経営」を実践します。

・従業員エンゲージメント向上については、第2次中期経営計画において、2027年度までに「ESアンケート(従業員エンゲージメント調査)満足度80%」をマテリアリティKPIに掲げて取り組んでいます。

 

<社内環境整備に関する指標>(あいち銀行)

 

2024年度

2025年度

対比

従業員満足度スコア(※1)

78.3P

78.5P

+0.2P

人的資本投資額(※2)

284,065千円

398,970千円

+114,905千円

うち、研修投資(年間研修費用)

98,370千円

159,640千円

+61,270千円

 (※1) 全職員に実施した「ESアンケート」(50問)の回答結果を数値化し、最大値は100

 (※2) 「人づくり」「組織づくり」「環境づくり」の観点より、能力開発投資、健康経営投資、DE&I推進投資、人財採用投資、従業員エンゲージメント向上投資などの計

 

(ハ)ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進(あいち銀行)

 当社グループは「ES経営」をビジョンに掲げ、従業員満足度(ES)の向上を通じて、職員一人ひとりが能力を最大限に発揮し、働きがいのある組織づくりを目指しています。このビジョンの実現に向け、あいち銀行人事部にDE&I推進グループを設置し、社員の多様な声を経営層へ届けるとともに、DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)に関する各種研修の実施や、柔軟な働き方を支援する制度の整備を進め、グループ全体でのDE&Iを推進しています。多様なバックグラウンドを持つ人財が安心して協働することで、それぞれの視点や発想がイノベーションに繋がり、企業価値を向上させていきたいと考えています。

・「ES経営」の取組み

 経営理念の実現に向けた企業風土改革を目的に、社員のエンゲージメント向上のために「ESアンケート(従業員エンゲージメント調査)」を毎年1回実施しています。結果はグループサステナビリティ委員会で報告するとともに、全社員へ開示することで透明性を高めています。さらに本部各部門においては、結果を踏まえてES改善施策を検討・実行してPDCAを回しています。ES経営の実践により、社員一人ひとりにとって働きがいのある、エンゲージメントの高い企業風土の醸成に取り組んでいきます。

・ダイバーシティ推進委員会(通称:「あいちーむ」)の活動

 ダイバーシティ推進委員会として2019年に創設された「あいちーむ」は、職位・年齢など多様なメンバーで構成され、継続的に活動しています。2025年度は「リスキリング」「エンゲージメント向上」「多様な人財の活躍」をテーマに15名が3つのチームに分かれて、それぞれに課題と解決策を検討してきました。あいちーむの意見を社員の声と受け止めて今後の人事施策検討に反映させることで、働きやすい職場環境の実現に努めていきます。(2025年度回数 3回)

・女性活躍に向けた取り組み

 能力・意欲のある女性職員のチャレンジ機会を拡大するため、階層別に適した研修プログラムを整備し、マインドセットとスキルセット両面の強化を図っています。公募制の女性リーダー育成研修「Wing」は、8か月間のインターバル研修として実施しており、プログラムではキャリア面談を通じて不安や課題を把握し、固定観念にとらわれないストレッチ目標を設定できるよう支援することで、キャリア自律を後押ししています。

 また、全行的に女性活躍を推進するため、部店長・次席者を対象とした女性活躍推進に関する講演も実施しています。性別に対するバイアスの解消を図るとともに、女性部下の育成に向けた取組みを推進しています。

 女性活躍に関するさまざまな活動内容が評価され、「あいち女性輝きカンパニー」の2023年度優良企業として表彰されました。この他にも、プラチナくるみん(厚生労働省)、えるぼし(同)の認定を受けています。

・シニア人財の活躍推進

 多様な人財が、担っている役割や果たした成果に応じて報いられる仕組みを一層強化するため、専任職(55歳以降の職員)と嘱託員(定年再雇用者)の処遇見直しを実施しています。

 役割・責任の大きさを反映させた給与制度へ見直しを実施し、嘱託員においては、定年再雇用後もライン職への登用を可能とする等、年齢に関わらず、多様な人材が高い意欲をもって挑戦できる職場風土を醸成しています。

・「タレントマネジメントシステム」による人財情報の一元管理

 戦略的な人財育成や行員同士のコミュニケーションを促進するため、タレントマネジメントシステムを導入しています。スキルや勤怠情報、研修受講・資格保有情報の「見える化」を通じて、効率的かつ効果的な人財育成と、個々のスキルを活かした戦略的な人財配置を通して生産性向上につなげています。

 

④ 指標及び目標

 金融機関においては、提供するサービスの幅が広がり、仕事やキャリア形成の選択肢が増えることで、従業員の活躍する場は拡大しています。当社グループが掲げるES経営の実践により、従業員のエンゲージメント向上を図り、全役職員が毎日やりがいを持って働くことができる組織を創造することで、多様な人財の活躍を目指す上で、第2次中期経営計画において、次のKPIを掲げております。

KPI

2025年度実績

従業員エンゲージメント調査満足度スコア(※1)

2027年度までに80P

78.5P

戦略リスキリング人財

2027年度までに300名創出

107名

女性管理職比率(※2)

2027年度までに18%

13.3%

 (※1) 全職員に実施した「ESアンケート」(50問)の回答結果を数値化し、最大数値を100Pとしております。

 (※2) 副長以上を管理職と定義しております。

 

(イ)戦略人財の創出に向けた取組み(あいち銀行)

・あいちFGの目指すコンサルティング・ソリューション型ビジネスモデルで必要とされる人財像を「戦略人財」として定義し、第1次中期経営計画より創出目標を掲げて取り組み、KPI450名に対して515名(達成率114.4%)を創出しました。

・第2次中期経営計画も引き続き創出目標を掲げて取り組んでおり、2025年度実績は、KPI460名に対して512名(達成率111.3%)を創出しました。

(単位:名)

 

めざす人財像

目標

(KPI)

実績

(2026/3末)

達成率

① 営業店プロフェッショナル人財〔RM〕

230

251

109.1%

② 本部ソリューションエキスパート〔SE〕

80

86

107.5%

③ 業務改革社内コンサルスタッフ〔CS〕

50

68

136.0%

④ 戦略リスキリング人財〔RS〕

100

107

107.0%

累計(①~④合計)

460

512

111.3%

 

(ロ)DX人財の創出に向けた取組み(あいち銀行)

・2023年7月に策定した「DX推進計画」がフェーズ2「DX企業への変革期」に入り、その取り組みを具現化するため、2026年4月に「デジタル人財育成計画」を新たに策定しました。

・「デジタル人財育成計画」では、2027年度末までにITパスポート取得者目標を1,400名とするKPIを公表して取り組んでおり、2026年3月末時点で1,178名(前年比+63名)となりました。

・グループ会社である(株)エイエイエスティが主催する休日セミナー「Excelパソコン教室」を年6回開催し、延111名が参加しました。2026年度以降も引き続き継続開催します。

・今後もグループ連携を更に強化し、顧客にDXコンサルできる職員の育成や(株)エイエイエスティからの人財受け入れなどに取り組みます。

 

[ITパスポート]

(単位:名)

 

資格名

2024/3末

2025/3末

2026/3末

前期比

ITパスポート

928

1,115

1,178

+63

 

(ハ)健康経営目標および実績(あいち銀行)

・当社グループは、経営理念(経営ビジョン)のバリューに掲げる「ES経営・健康経営の実践により、すべての役職員の幸せを実現します」を達成するため、「あいぎん健康宣言」を策定し、行員一人ひとりの健康意識の向上、心身の健康増進、働きやすい職場づくりに取り組んでいます。

・健康経営の推進体制として、健康経営の取り組みを組織的かつ戦略的に実践するため、銀行トップである代表取締役頭取執行役員を健康経営最高責任者としています。

銀行・健康保険組合・診療所スタッフ・従業員の代表者で構成される「健康会議」が中心となり、従業員の健康課題を改善するための健康施策を企画・立案しています。企画・立案にあたっては、専門的な知見を取り入れるため関連部署と連携しています。

また、健康経営の取組方針や取組状況等については、役員で構成される「健康経営会議」で協議・報告を定期的に行っています。

・あいち銀行では、2026年4月に「戦略マップ」の内容を見直し、健康経営の目標である「従業員の健康意識の向上」「従業員の心身の健康増進」「ワークエンゲージメントの向上」「働きやすい職場環境の整備」を達成できるよう、年度ごとに「重点項目および具体的な施策」と「健康経営目標」を決定し、取組方針として公表しています。また、健康経営の取組みが評価され、経済産業省及び日本健康会議が共同で実施する健康経営優良法人認定制度で、「健康経営優良法人2026(大規模法人部門(ホワイト500))」に認定されました。

 

具体的な指標

2030年度末目標

2025年度実績

人間ドック受診率(40歳以上)

80.0%以上

78.9%

特定保健指導の実施率※1

85.0%以上

82.5%※3

要観察者の医療機関受診率※2

95.0%以上

92.9%

睡眠時間(平日)6時間以上の者の割合

70.0%以上

54.2%

1日平均の歩数8,000歩以上の者の割合

50.0%以上

24.2%

有給休暇取得率

82.0%以上

87.9%

 ※1 40~74歳のすべての被保険者・被扶養者のうち、メタボリックシンドロームの該当者と予備軍を対象とした特別保健指導

 ※2 定期健康診断の結果で、再検査または精密検査が必要とされた人のうち緊急度の高い人

 ※3 特定保健指導の実施率は2024年度に指導対象となった人の実績

 

⑤ 従業員の給与その他の給付の額及び内容の決定に関する方針

 当社グループは、持続的な企業価値向上と職員一人ひとりの成長・働きがいの実現を目指し、経営戦略および人財戦略と連動した公正かつ透明性の高い給与制度の構築に努めています。

 職員の給与は、職務内容、役割、能力、経験、勤務成績等を総合的に勘案して決定しており、基本給、役割給、賞与等により構成しています。

 基本給は、各職員の職種、職務遂行能力および経験等に応じて決定しています。役割給は、各職員に求められる役割責任や職責等に応じて、人事考課に基づき決定しています。

 賞与については、当社グループの業績および各職員の成績等を勘案して支給しています。

 また、水準については、金融環境、地域経済動向、物価動向および当社グループの業績等を総合的に勘案するとともに、労使間で継続的に協議を行い、適切な運営に努めています。

 このほか、各種手当、退職金制度、育児・介護支援制度等の福利厚生制度を整備し、多様な人財が安心して働き続けられる環境づくりを推進しています。

 当社グループは、人事制度の適切な運用を通じて、自律的な能力開発、人財育成、多様なキャリア形成および挑戦を促進し、人財戦略の実現につなげてまいります。

 

(2)【従業員の状況】

①連結会社における従業員数

2026年3月31日現在

 

セグメントの名称

銀行業

リース業

その他

合計

従業員数(人)

2,231

[716]

19

[19]

312

[64]

2,562

[799]

(注)1.従業員数は、執行役員11人を含み、当社グループからグループ外への出向者31人、嘱託及び臨時従業員790人を含んでおりません。

2.臨時従業員数は、[ ]内に年間の平均人員を外書きで記載しております。

②当社の従業員数

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

164

47.2

23.0

10,671

2.2

[-]

(注)1.当社従業員は、株式会社あいち銀行からの兼務出向者であります。

      2.当社の従業員はすべて銀行業のセグメントに属しております。

3.臨時従業員数は、[ ]内に年間の平均人員を外書きで記載しております。

4.平均勤続年数は、出向元での勤続年数を通算しております。

5.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

③最大人員会社の従業員数

当事業年度における従業員数が最も多い会社

株式会社あいち銀行

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

2,231

40.2

16.8

6,639

2.8

[716]

(注)1.従業員数は執行役員11名を含み、嘱託及び臨時従業員703名並びに出向者114名を含んでおりません。

      2.株式会社あいち銀行の従業員はすべて銀行業のセグメントに属しております。

3.臨時従業員数は、[ ]内に年間の平均人員を外書きで記載しております。

4.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

④労働組合の状況

 当社に労働組合はありません。また、当社グループには、あいち銀行従業員組合(組合員数1,819名)が組織されております。労使間においては特記すべき事項はありません。

 

⑤管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異

a.提出会社

当事業年度

補足説明

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)

 (注)1

男性労働者の育児休業取得率(%)

 (注)2

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)1

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

8.9

100.0

53.1

51.9

86.4

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.賃金は性別を問わず同一の基準を適用しておりますが、人員構成・勤続年数・資格の違い等により、賃金差異が生じております。

 

b.主要な連結子会社

当事業年度

補足説明

名称

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合

(%)

(注)1

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注)4

労働者の男女の賃金の額の差異

(%)(注)1、3

全労働者

うち正規雇用労働者

うちパート・有期労働者

 

全労働者

うち正規雇用労働者

うちパート・有期労働者

株式会社

あいち銀行

13.3

100.0

100.0

(注)2

48.5

61.6

52.4

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。

3.賃金は性別を問わず同一の基準を適用しておりますが、人員構成・勤続年数・資格の違い等により、賃金差異が生じております。

4.連結子会社のうち主要な連結子会社以外のものについては、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

 

 

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ全般

① ガバナンス

(イ)サステナビリティに関する方針

 当社グループでは、経営ビジョンのパーパスに“金融サービスを通じて、地域社会の繁栄に貢献します”を掲げ、その理念のもと、事業活動を通じ「持続可能な社会の実現」と「当社グループの持続的な成長」を目指しております。また、サステナビリティを巡るさまざまな課題への取組みに対し、当社グループ一体で推進していくため、サステナビリティ方針を策定しております。サステナビリティ方針は、「環境課題への対応方針」、「社会課題への対応方針」、「サステナビリティ推進体制」で構成されており、環境課題への対応方針では、事業活動を通じた環境負荷の低減や生物多様性の保全などに取り組むことを掲げております。また、環境・社会に影響を与える可能性のある特定の事業・セクターへの投融資に対して責任ある金融機関としての役割を果たすため、「持続可能な社会の実現に向けた投融資方針」を策定しているほか、当社グループとしての人権尊重の基本姿勢を明確にするために「あいちフィナンシャルグループ人権方針」を制定しております。

 

(ロ)サステナビリティに関する推進・ガバナンス体制

 当社グループでは、特定したマテリアリティに対して適切に対応し、当社グループのサステナビリティ経営の推進強化・中長期的な各種施策の実効性向上を図るため、当社にグループサステナビリティ委員会を設置しております。グループサステナビリティ委員会は、サステナビリティに係る重要事項についての戦略立案や、取組みにおける統括・進捗管理などを主な協議・報告事項としております。2025年4月より、サステナビリティ経営の専門性を高めるとともに、企業価値向上に向けた取組みを推進するため、当社にグループサステナビリティ経営統括部を設置しております。

 また、ESG・サステナビリティ(気候変動・生物多様性・人権尊重に関する機会・リスクへの対応など)の取組みは、取締役会の監督を受け、強固なガバナンス体制のもとで運営されております。

 サステナビリティの取組みにおける統括・進捗管理などは、グループサステナビリティ委員会へ半期に1回以上、取締役会へ年1回以上報告しております。重要事項については、取締役会、グループ経営会議に付議し、意思決定を行っております。

 

<グループサステナビリティ委員会の主な参加者>

代表取締役社長、取締役、執行役員、各部の部長、グループ会社社長、社外取締役、監査等委員など

 

<2025年度のグループサステナビリティ委員会の主な協議・報告事項>

サステナビリティ全般

サステナビリティの取組状況および課題[取締役会付議]

マテリアリティKPIの設定・見直し[グループ経営会議付議]

気候変動対応

・投融資ポートフォリオのGHG排出量削減における長期目標の策定、移行計画の策定[グループ経営会議付議]

・GHG排出量(Scope1・2)の見込みと車両のエコカーへの切替計画

・TCFDに基づく取組みの高度化[グループ経営会議付議]

気候変動に関する機会とリスク、シナリオ分析結果

持続可能な社会の実現に向けた投融資方針の見直し

GHG排出量の算定開示

サステナブルに関する投融資実績の進捗

自然資本・生物多様性の保全

TNFD提言に基づく分析結果

(融資ポートフォリオにおける依存・影響分析など)

人権尊重

あいちFG人権方針の見直し[取締役会付議]

人権尊重の基本規程の制定[グループ経営会議付議]

人的資本経営

ESアンケート(従業員エンゲージメント調査)の結果

 

(ハ)役員報酬制度へのESG関連項目の反映

 当社グループでは、サステナビリティ経営と役員報酬の連動性を高めることにより、中長期的な企業価値向上を図るべく、役員報酬のうち一部についてESG関連項目を評価に反映しております。詳細については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4)役員の報酬等」をご参照ください。

 

② 戦略

(イ)マテリアリティ

 当社グループは、事業を通じて地域における社会課題の解決に貢献し、サステナブルな地域社会を実現するため、社会の課題を当社グループの事業機会として捉えながら、自社の経営課題とのさらなる同期化=“SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)”を目指しております。このような考えのもと、社会・当社グループいずれにとっても重要な課題(ダブルマテリアリティ)の観点から、「地域社会繁栄への貢献」、「金融サービスの高度化」、「環境保全対応」、「従業員エンゲージメント向上と多様な人財の活躍推進」、「ガバナンスの強化」をマテリアリティとして特定しております。

 

(ロ)マテリアリティと中期経営計画との関連性

 2025年度よりスタートした第2次中期経営計画における基本戦略「コンサルティング・ソリューション型ビジネスモデルの深化」、「グループ経営基盤の強化」、「DX戦略の加速化」は、それぞれ5つのマテリアリティに紐づいており、3つの基本戦略を推進することで、マテリアリティの解決につなげてまいります。

 

③ リスク管理

 当社グループの直面するリスクに関しては、リスクの種類毎に評価したリスクを総体的に当社グループの経営体力と比較・対照していく自己管理型のリスク管理である「統合的リスク管理」を行うことで、経営の健全性を確保しております。

 気候変動リスクおよび機会は、事業活動や財務内容に影響を及ぼす可能性があることを認識のうえ管理してまいります。具体的には、気候変動がもたらす当社グループ取引先の事業活動への影響および業況の変化などによる信用リスクや当社グループ営業拠点の被災などによるオペレーショナルリスクを中心に管理し、必要に応じて各種対策を講じてまいります。

 また、当社グループでは自然関連のリスク・機会の分析を進めており、2025年度は、優先セクターにおける自然関連のリスク・機会を特定しました。今後も、当社グループ自身の自然関連の機会・リスクの特定など分析を進めることで、適切なリスク管理に努めてまいります。

 

④ 指標および目標

 当社グループでは、第2次中期経営計画に合わせ、事業・財務への影響度を踏まえたマテリアリティKPIを設定いたしました。マテリアリティKPIは、グループサステナビリティ委員会において定期的な進捗確認を行った後、取締役会へ報告しております。

マテリアリティ

マテリアリティKPI

達成年度

目標

2025年度

実績

(累計)

進捗率

地域社会繁栄への貢献

サステナブルに関する投融資

(うち環境関連)

2030年度

10,000億円

4,220億円

42.2%

5,000億円

2,356億円

47.1%

当社グループが直接受託するコンサルティング支援件数

2027年度

300件

120件

40.0%

スタートアップ支援件数

70件

25件

35.7%

金融サービスの高度化

銀行アプリ登録数増加

2027年度

175,000件

61,220件

35.0%

法人IB契約先数増加

4,900件

1,901件

38.8%

環境保全対応

GHG排出量Scope1・2カーボンニュートラル達成

2030年度

削減率

100%

▲79.5%

79.5%

脱炭素支援件数

2027年度

700件

426件

60.9%

従業員エンゲージメント向上と多様な人財の活躍推進

ESアンケート(従業員エンゲージメント調査)の満足度

2027年度

80Pt

78.5Pt

前年度比

+0.2pt

戦略リスキリング人財の創出

300名

107名

35.7%

女性管理職比率

18%

13.3%

前年度比

+1.5pt

嘱託員のライン職登用比率

10%

7.1%

前年度比

+0.1pt

ガバナンスの強化

政策保有株式の縮減

FG連結純資産に占める割合

2028年度

20%未満

23.4%

前年度比

▲1.3pt

投資家との対話

継続目標

30回/年

46回

153.3%

コンプライアンス・人権尊重等に関する社内勉強会

2回/年

3回

150.0%

 

(2)気候変動への対応

① ガバナンス

 当社グループでは、「環境保全対応」をマテリアリティの1つとして特定しており、グループサステナビリティ委員会において気候変動に関する取組方針や取組みの進捗状況を協議・報告し、取締役会へ報告しております。詳細については、「(1)サステナビリティ全般 ① ガバナンス」をご参照ください。

 

② 戦略

 第2次中期経営計画では、PBRの水準を引き上げるため、ROE向上の重点施策として、金融・非金融両面から脱炭素関連ソリューションの事業機会の創出を進めております。また、気候変動対応に関するガバナンスの強化、PDCA管理の高度化により、気候変動リスクの低減を図ることでPER改善につなげております。

(イ)気候変動に関連する機会とリスク

 当社グループでは、気候変動に関連する機会とリスクを分析しております。分析においては、短期・中期・長期の時間軸を設定しております。また、不確実性の高い気候変動の影響を捉えるため、IEA(国際エネルギー機関)の1.5℃シナリオ(NZEシナリオ)とIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の4℃シナリオ(SSP5-8.5シナリオ)を用いて影響の程度を大・中・小に分類し、各機会とリスクの影響度の把握に努めております。また、把握した各機会とリスクに対し、サステナビリティ方針に基づいた取組みを行っております。

機会・リスクの分類

内容

リスクの

カテゴリ

シナリオ

影響の程度

時間軸

短期:2028年

中期:2030年

長期:2050年

当社グループの

取組み

1.5℃

4℃超

リスク

移行

リスク

政策と

法規制

炭素税の導入に伴うコスト増加などによる取引先の事業活動への影響

信用リスク

短期~長期

当社グループの営業基盤である愛知県の主要産業である自動車産業をはじめとした製造業の投融資先とのエンゲージメント強化や脱炭素化支援推進

市場

脱炭素社会への移行に伴う原材料価格の上昇による取引先の事業活動への影響

信用リスク

短期~長期

脱炭素社会への移行の影響を受ける産業に関連する保有有価証券などの価値の変動

市場リスク

短期~長期

評判

気候変動や環境保全への適切な対応・開示の遅れによる企業価値の低下

オペレーショナルリスク

短期~長期

・社会的要請などへの適切な対応

・非財務情報開示の充実

物理的

リスク

急性

台風や洪水などの気象現象の深刻化による取引先の事業活動への影響や担保資産の価値棄損

信用リスク

短期~長期

投融資先および当社グループに及ぼす影響額の算定

台風や洪水などの気象現象の深刻化による当社グループの営業拠点の被災

オペレーショナルリスク

短期~長期

当社グループの防災・BCP対策の実施

台風や洪水などの気象現象により取引先の資金繰りが悪化し、当社グループの預金が流出

流動性リスク

短期~長期

投融資先へ物理的リスクの啓蒙、BCP対策の啓発

慢性

平均気温の上昇、海面上昇による取引先の事業活動への影響や担保資産の価値棄損

信用リスク

長期

投融資先へ物理的リスクの啓蒙、BCP対策の啓発

機会

製品・サービス

環境保全への取組みを行う取引先に対し、ESGファイナンスを含む設備投資などの資金需要増加に対する金融仲介機能の発揮

短期~長期

・投融資先への脱炭素への取組啓発

・投融資先への脱炭素支援の推進

・サステナブルファイナンスの拡大

・投融資先への補助金支援

脱炭素化・環境保全への対応に課題を抱える取引先に対するコンサルティング機能の発揮

短期~長期

資産効率

省エネルギー・再生エネルギー・新技術の活用による事業コストの低下

短期~長期

当社グループの新店舗などのZEB化、省エネ化促進

強靭性

気候変動や環境保全への適切な対応・開示に伴う企業価値の向上

短期~長期

非財務情報開示の充実

 

(ロ)シナリオ分析

 気候変動リスクが当社グループに及ぼす影響を把握することを目的に、移行リスクおよび物理的リスクについてシナリオ分析を実施しております。

■移行リスク

 移行リスクの分析対象として、TCFD提言で気候変動の影響を受けやすいとされている業種から、当社グループにおいて移行リスクの影響が大きいと考えられる「電力セクター」「自動車セクター」「不動産セクター」を選定いたしました。分析の詳細は以下の通りであります。

対象セクター

電力セクター・自動車セクター・不動産セクター

選定理由

電力セクター

電力セクターのGHG排出量はセクター別でみた日本の排出量の約40%を占めているため

自動車セクター

当社グループの営業エリアである愛知県における主要産業であるため

不動産セクター

あいち銀行の総貸出残高に対する不動産業の融資残高の占める割合が高いため

シナリオ

IEAの1.5℃シナリオ

分析内容

炭素税の導入による費用増加が財務内容に与える影響を分析

対象期間

2026年3月末基準とし、2050年までを対象期間として試算

分析結果

与信コストへの影響額について、単年度59億円程度の増加(2026年3月末基準)

 

■物理的リスク

 IPCCの4℃シナリオを参考に、洪水発生頻度の上昇を想定したうえで、浸水が想定される当社グループの営業拠点(ハザードマップ参照)の取引先の不動産担保棄損が与信コストに与える影響を分析いたしました。分析の詳細は以下の通りであります。

シナリオ

IPCCの4℃シナリオを参考

分析内容

洪水発生頻度の上昇を想定したうえで、浸水が想定される当社グループの営業拠点(ハザードマップ参照)の取引先の不動産担保棄損が与信コストに与える影響を分析

分析対象

水害、事業性与信を対象に試算

対象期間

2026年3月末基準とし、2050年までを対象期間として試算

分析結果

与信コストへの影響額について、累計15億円程度の増加(2026年3月末基準)

 

 なお、シナリオ分析の結果は、一定の前提条件の下で試算しております。

 今回の前提条件での試算では、当社グループへの影響は限定的なものとなりましたが、分析手法を含む前提条件については、今後も継続的に見直しを検討し精緻化に努めてまいります。

 

(ハ)気候変動に関連するビジネス機会

■お客さまの脱炭素化支援

 企業の脱炭素への取組みは、GHG排出量の①知る、②測る、③減らす、の3つのステップで進めてまいります。当社グループでは、各ステップにおいてお客さまへの支援体制を整え、脱炭素化を支援しております。

取組ステップ

支援メニュー

①知る

①-1情報の収集

気候変動に関する情報や潮流、取引先の動向を把握する

①-2方針の検討

自社の状況を踏まえ、脱炭素で目指す方向性を検討する

・お客さま向けセミナーの開催

・渉外行員による情報提供

・専門コンサルタント(外部提携先)の紹介

・「あいぎん脱炭素宣言サポート」の提供

取引先の脱炭素への取組状況を確認し、見える化した結果をフィードバック、脱炭素経営に向けたソリューション提案を行う。また、「脱炭素経営宣言」の策定を支援。

②測る

②-1排出量の見える化

事業活動におけるGHG排出量を測定する

②-2削減ターゲットの特定

主な排出源となる事業活動や設備を特定し、優先的に取り組む範囲を決める

取引先のGHG排出量算定サポート

・炭素会計プラットフォーム「Persefoni Pro」を活用し、取引先のGHG排出量算定を支援

・Sustech社が提供する「脱炭素スタートパッケージ」の紹介

③減らす

③-1削減計画の策定

削減対策および実施計画を策定する

③-2削減対策の実行

削減対策を実行し、定期的に取組みの見直しを行う

<削減計画策定>

外部提携先コンサルタントとの連携による計画策定支援

<省エネ化>

・省エネ設備・生産設備メンテナンスを取り扱う企業の紹介

・補助金申請支援

<再エネ化>

・PPA(電力購入契約)の紹介

・COフリー電力の紹介

・再エネ設備(太陽光発電など)を取り扱う企業の紹介

・蓄電池を取り扱う企業の紹介

・脱炭素関連の補助金・助成金申請支援

<カーボンオフセット>

・カーボンクレジット創出および調達サービスを行う企業の紹介

・あいぎんJ-クレジット定期預金の取扱い

<資金調達>

サステナブルファイナンスによる資金調達支援

 

■脱炭素化に資するファイナンス提供

 お客さまの脱炭素化に向けた資金需要に対応するため、さまざまな融資商品を提供しております。

商品名

概要

取組金額※

サステナビリティ・リンク・ローン

国際的な指針である「サステナビリティ・リンク・ローン原則」に基づいたSDGsやESGに関連した目標(サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット:SPTs)を設定し、SPTs達成状況に基づき金利のインセンティブを受けることができる融資商品であります。

脱炭素化に向けた目標を貸付条件と連動させることで目標達成への動機付けとなり、お客さまの脱炭素経営の促進に貢献しております。

113億円

サステナ経営応援ローン

SDGsやESGに関連する経営目標(所定項目の中から1項目を選択)を設定し、経営目標達成状況に基づき金利のインセンティブを受けることができる融資商品であります。

経営目標にGHG(温室効果ガス)排出量を設定することにより、お客さまの脱炭素化に向けた取組みの促進に貢献しております。

1,268億円

ポジティブ・インパクト・ファインナンス

国際的な金融原則の枠組みに沿った融資商品で、お客さまの企業活動が環境・社会・経済に及ぼす影響を包括的に分析・評価(以下、「インパクト評価」)いたします。インパクト評価により特定されたポジティブな影響の増大とネガティブな影響の低減に向けた取組みに対して、目標を設定し、モニタリングを実施することで、脱炭素化への取組みを継続的に支援いたします。

169億円

グリーンローン

環境改善を目的とする事業(グリーンプロジェクト)に資金使途が限定される融資商品であります。実行後の資金の追跡管理およびレポーティングによる資金使途の透明性確保を通じて、お客さまの環境に配慮した事業活動を支援いたします。

119億円

グリーンボンド、トランジションボンド、トランジションリンクボンドへの投資

企業や地方自治体などが、環境に配慮した事業(グリーンプロジェクト)に資金を投じるために発行されるグリーンボンドや、脱炭素社会移行(トランジション)のための資金調達を目的として発行されるトランジションボンド、脱炭素社会の実現に向けて企業が設定した目標の達成状況に応じて条件などが変動するトランジションリンクボンドへの投資を通じて、社会の脱炭素化への取組みに貢献しております。

713億円

※2022年4月からの累計金額

 

■脱炭素実現に向けたエンゲージメント戦略

 脱炭素社会への移行に際し、金融機関にとってファイナンスド・エミッションの削減が最も重要であり、お客さまの理解や協力が必要不可欠であります。カーボンニュートラルの実現に向けてお客さまとともに進んでいくためには、お客さまとのエンゲージメントを実践していくことが重要な取組みであると考えております。このような考えのもと、当社グループでは目標達成に向けた最も効果的な手段として、「取引先とのエンゲージメント」をカーボンニュートラル実現に向けた取組みの中核に据えており、2026年1月にカーボンニュートラル達成に向けた具体的な行動計画を示す「カーボンニュートラル達成に向けた移行計画」を策定いたしました。

 また、当社グループの主要営業エリアである愛知県はものづくり産業の集積地であり、サプライチェーン全体でのカーボンニュートラルの取組みが求められております。このような観点からも、対話を通じてお客さまのカーボンニュートラルに関する取組みを前進させることは、地域の競争力と雇用を守り、当社グループの信用リスクを低減するとともに、当社グループにとっても大きなビジネス機会につながると考えております。

 一方で、当社グループの主要なお客さまである中小企業には、資金・人材・情報面などさまざまな制約がありカーボンニュートラルに踏み切れないという現実も存在しております。当社グループでは、このようなお客さまの現状を把握しながら、実務に根ざした対話と伴走を通じて、脱炭素社会の実現に向けて、お客さまとともに一歩ずつ歩みを進めてまいります。

※「カーボンニュートラル達成に向けた移行計画」に関する詳細な情報については、当社グループのウェブサイト(URL https://www.aichi-fg.co.jp/sustainability/files/pdf/library_tcfd_report2026.pdf)をご参照ください。

 

③ リスク管理

(イ)気候変動に関連するリスク

 当社グループでは、気候変動に関するリスクを「信用リスク」、「市場リスク」、「流動性リスク」、「オペレーショナルリスク」の4つに整理しております。気候変動により生じる可能性のある移行リスクおよび物理的リスクの事例は以下の通りであります。

リスク分類

定義

移行リスクの事例

物理的リスクの事例

時間軸

短期:2028年

中期:2030年

長期:2050年

信用リスク

信用供与先の財務状況の悪化などにより、資産の価値が減少ないし消失し、当社グループが損失を被るリスク

政策、規制、顧客の要請、技術開発の変化に対応できないことによる取引先の事業活動や財務への影響

異常気象による顧客資産への直接的な損害や、サプライチェーンへの間接的な影響に伴う、顧客の事業や財務への波及

短期~長期

市場リスク

金利、有価証券などの価格、為替などの様々な市場のリスク・ファクターの変動により、保有する資産・負債の価値が変動し当社グループが損失を被るリスク、および資産・負債から生み出される収益が変動し当社グループが損失を被るリスク

脱炭素社会への移行の影響を受ける産業に関連する保有有価証券の価値の変動

異常気象の影響による市場の混乱、それに伴う保有有価証券の価値の変動

短期~長期

流動性リスク

運用と調達の期間のミスマッチや予期せぬ資金の流出により、必要な資金確保が困難になる、また通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより損失を被るリスク、市場の混乱などにより市場において取引ができなかったり、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることにより損失を被るリスク

脱炭素社会への移行への対応の遅れに伴うレピュテーションの低下による市場調達環境の悪化

異常気象で被災した取引先の復旧・復興に向けた預金引出に伴う資金流出の増加

短期~長期

オペレーショナルリスク

内部プロセス、役職員の行動が不適切であること、もしくはシステムが正しく機能しないこと、または外生的事象により、直接的または間接的に当社グループが損失を被るリスク

脱炭素社会への移行への対応の遅れに伴うレピュテーションの悪化

異常気象による被災に伴う営業拠点やデータセンターにおける業務の中断

短期~長期

 

(ロ)持続可能な社会の実現に向けた投融資方針

 当社グループは、環境・社会に影響を与える可能性のある特定の事業・セクターへの投融資に関し、以下の取組方針に基づき、適切に対応することで持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

<環境・社会にポジティブな影響を与える事業などに対する取組方針>

・脱炭素化社会への移行・省エネルギー・再生可能エネルギーに係る事業活動を積極的に支援いたします。

・森林資源および水資源の保護などの生物多様性の保全に資する事業活動を積極的に支援いたします。

・高齢化・少子化などの課題に対応する医療・福祉・教育の充実に係る事業活動を積極的に支援いたします。

・事業承継、地域社会の発展に寄与する創業、イノベーション創業など持続的な社会形成にポジティブな影響を与える事業活動を積極的に支援いたします。

・社会インフラの維持・発展、地域の防災・減災に資する事業活動を積極的に支援いたします。

 

<環境・社会にネガティブな影響を与える可能性が高い特定の事業・セクターに対する取組方針>

[セクター横断的]

・児童労働・強制労働・人身取引などに関する事業

 当社グループ人権方針や国際的な人権基準(世界人権宣言、ビジネスと人権に関する指導原則など)の主旨に反する児童労働や強制労働・人身取引など、人権侵害が行われている事業への投融資は取り組みません。

・紛争地域における人権侵害に関する事業

 紛争地域においては、人権に関する重大な負の影響を及ぼす可能性があることを認識しております。紛争地域における人権侵害を引き起こす、または助長する事業、あるいは人権侵害と直接的に結びついている事業について、十分注意したうえで慎重に対応いたします。

・その他の事業

 違法または違法目的の事業、公序良俗に反する事業、ワシントン条約に違反する事業、ラムサール条約指定湿地へ負の影響を与える事業への投融資は取り組みません。

 

[特定セクター]

・石炭火力発電事業

 石炭火力発電所の新規建設資金および温室効果ガスの増加に繋がる拡張案件の投融資は取り組みません。ただし、災害時対応や日本政府のエネルギー政策に沿った案件などを例外的に検討する場合は、慎重に対応します。

・石炭採掘事業

 石炭採掘は、採掘現場の運営などが適切に管理されない場合、炭鉱事故による労働災害の発生や有害廃棄物による地域住民・社会、生態系へ負の影響を及ぼす可能性があることを認識しております。石炭採掘事業について、環境および社会配慮の状況に十分注意したうえで慎重に対応いたします。

・石油・ガス採掘、パイプライン敷設事業

 石油・ガス採掘、パイプライン敷設は、流出事故による海洋・河川の汚染や、地域住民・社会などへの負の影響を及ぼす可能性があることを認識しております。石油・ガス採掘、パイプライン敷設事業について、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認のうえ慎重に判断いたします。

・大規模水力発電事業

 水力発電は、ダム建設に伴う生態系への負の影響や、住民移転が地域社会へ負の影響を与える可能性があることを認識しております。新規の大規模水力発電事業(出力30MW以上かつダム壁の高さが15メートル以上)については、環境および社会配慮の状況に十分注意したうえで慎重に対応いたします。

・非人道兵器製造・開発事業

 クラスター弾、核兵器、生物・化学兵器、対人地雷の製造・開発を行う企業への投融資は取り組みません。

・森林伐採事業・パーム油農園開発事業

 木材、パーム油などは日常生活や社会の維持に欠かせない重要な原料である一方、違法伐採などの大規模な森林破壊は気候変動や生態系へ重大な負の影響を及ぼす可能性を認識しております。環境および社会配慮の状況に十分注意したうえで慎重に対応いたします。

 

<炭素関連資産>

 TCFD提言が開示を推奨する炭素関連資産について、セクター毎の融資残高および全セクターに占める割合は、以下の通りであります。

(単位:百万円、%)

 

セクター

融資残高

シェア

エネルギー

石油・ガス

34,332

1.18

3.01

石炭

154

0.01

電力・ユーティリティ

53,549

1.83

運輸

航空貨物

2,652

0.09

9.96

旅客空輸

670

0.02

海上輸送

3,771

0.13

鉄道輸送

44,954

1.54

トラックサービス

116,561

3.99

自動車及び部品

122,380

4.19

素材・建築物

金属・鉱業

44,692

1.53

43.42

化学

59,550

2.04

建設資材

37,111

1.27

資本財

572,021

19.58

不動産管理・開発

554,941

19.00

農業・食料・林産物

飲料

9,968

0.34

2.85

農業

3,967

0.14

加工食品・加工肉

45,255

1.55

製紙・林業製品

24,002

0.82

合計

1,730,530

59.24

*対象アセット:法人・個人事業主向け一般事業性融資

(リパッケージローンなどの政策的貸出除く)

*対象残高:2026年3月末時点の融資残高

*セクター分類方法:当社グループにおける業種分類を環境省が公表している日本標準産業分類とTCFD18分類の紐づけ表により、TCFDが定義するセクター分類へ割り振り

 

④ 指標および目標

(イ)カーボンニュートラルに関連する目標

 当社グループでは、脱炭素社会の実現に向け、GHG排出量(Scope1・2)について2030年度までのカーボンニュートラルを目指すとともに、投融資ポートフォリオのGHG排出量について2050年度までのカーボンニュートラルを目指す目標を掲げております。投融資ポートフォリオGHG排出量のカーボンニュートラルを達成するためのKPIとして、サステナブルに関する投融資および脱炭素支援件数を設定しております。

 

目標

実績

GHG排出量

(Scope1・2)

2030年度までのカーボンニュートラル

2025年度削減率(2013年度比)

▲79.5%

投融資ポートフォリオ

GHG排出量

長期目標:2050年度までのカーボンニュートラル達成

石炭火力発電所向け融資 2038年度を目途に残高ゼロ

サステナブルに関する投融資

(2022~2030年度の累計)

目標 1兆円

うち環境関連 5,000億円

2025年度累計実績

4,220億円

うち環境関連2,356億円

脱炭素支援件数

(2025~2027年度の累計)

目標700件

2025年度累計実績

426件

 

(ロ)GHG排出量(Scope1・2)

 当社グループのGHG排出量(Scope1・2)については、当初「2030年度のGHG排出量を2013年度比70%削減し、2050年度までのカーボンニュートラルを目指す」ことを目標に掲げておりました。しかし、GHG排出量の削減に向けた取組みを進めた結果、2025年2月に目標の上方修正を行い、「2030年度までにカーボンニュートラルを達成する」としております。以下のロードマップのように取組みを進めることで、2030年度までのカーボンニュートラル達成を目指してまいります。

Scope1

営業車両のガソリン車からHV車・EV車への切り替え

Scope2

・既存建物の省エネ化促進(老朽化した空調設備の更新、照明のLED化拡大など)

・COフリー電力の導入拡大

・太陽光発電設置・PPA活用などの検討・実施

・新築建物における省エネ対策(ZEB対応の店舗など)

カーボンオフセット

カーボンオフセット導入に向けた調査・検討・実施

 

<GHG排出量(Scope1・2)>※2025年度は速報値

(単位:t-CO、%)

 

 

2013年度

2018年度

2019年度

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

2025年度

Scope1・2

9,222

8,484

8,052

7,581

5,395

3,722

3,832

4,193

1,895

Scope 1

390

913

880

848

797

821

881

852

776

Scope 2

8,832

7,571

7,171

6,733

4,598

2,901

2,950

3,341

1,119

削減率

0

-8.0

-12.6

-17.7

-41.4

-59.6

-58.4

-54.5

-79.5

*Scope1(直接排出)ガソリン、ガス、重油など

*Scope2(間接排出)電気

*Scope1・2については、2023年度まで合併前の愛知銀行、中京銀行のGHG排出量のみを算定範囲としてまいりましたが、2024年度より算定範囲を当社グループの連結子会社まで拡大いたしました。これに伴い、基準年度の2013年度および2018~2023年度のGHG排出量についても、連結子会社のGHG排出量を合算した数値としております。

*2025年度GHG排出量実績の減少要因は、あいち銀行の店舗および店外ATM、諸施設にCO₂フリー電力を拡大したことによるものであります。

 

<Scope1・2削減に向けた主な取組み>

・2025年4月よりあいち銀行の店舗および店外ATM、諸施設にCO₂フリー電力を拡大

 これにより、あいち銀行の本店、愛知県・岐阜県・三重県・静岡県の店舗および諸施設(テナント店舗・諸施設は除く)においてCO₂フリー電力を利用していることになります。

 また、グループ会社の中京カードにおいてもCO₂フリー電力の利用を開始しております。

・エコカー(HV車、EV車)への切り換えについては、今後の切り替えに向けた方針を策定しております。

 

(ハ)GHG排出量(Scope3)※2025年度は速報値

(単位:t-CO

 

算定項目

2024年度

2025年度

カテゴリ1

購入した製品・サービス

19,121

17,945

カテゴリ2

資本財

4,373

3,076

カテゴリ3

Scope1・2に含まれない燃料およびエネルギー関連活動

1,121

1,001

カテゴリ4

輸送・配送(上流)

2,249

1,397

カテゴリ5

事業活動から出る廃棄物

22

7

カテゴリ6

出張

448

463

カテゴリ7

雇用者の通勤

1,009

1,031

カテゴリ15

投融資(事業性融資)

   (上場株式・社債)

9,191,858

4,070,517

7,785,240

2,374,919

合計

13,290,718

10,185,079

*Scope3 カテゴリ1~5・15の算定対象はあいち銀行のみ、カテゴリ6・7の算定対象はグループ連結子会社を含めたグループ全体

*各カテゴリの主な算定内容および算定方法

・カテゴリ1:通帳、カード、事務用品、修繕代、メンテナンス代など

・カテゴリ2:建物、動産、ソフトウエア

・カテゴリ3:Scope1・2に含まれない電力

・カテゴリ4:行内メール便、郵便代など

・カテゴリ5:産業廃棄物、雑誌、新聞など

・カテゴリ6:GHG排出量=Σ(従業員数×排出原単位)

・カテゴリ7:GHG排出量=(勤務形態・都市階級別)Σ(従業員数×営業日数×排出原単位)

*カテゴリ1~5は、パーセフォニ社が提供する炭素会計プラットフォームを活用し算定

 

(ニ)GHG排出量(Scope3 カテゴリ15:ファイナンスド・エミッション)※2025年度は速報値

 当社グループでは、PCAFに厳密に準拠するパーセフォニ社が提供する炭素会計プラットフォームを活用し、ファイナンスド・エミッションの算定を行っております。

 なお、今回の算定結果は、お客さまによる開示の拡大や推計メソドロジーの進化、業種分類の変更などにより今後大きく変化する可能性があります。

・事業性融資

(単位:kt-CO

 

セクター

Scope1・2

Scope3

GHG排出量

DQスコア

GHG排出量

DQスコア

2024

年度

2025

年度

2024

年度

2025

年度

2024

年度

2025

年度

2024

年度

2025

年度

エネルギー

石油・ガス

109.8

28.0

3.30

3.13

264.0

275.6

3.30

3.13

石炭

6.3

6.5

4.00

4.00

1.5

0.7

4.00

4.00

電力・ユーティリティ

81.6

112.4

2.87

2.37

505.7

551.0

2.87

2.37

運輸

航空貨物

0.8

1.0

3.52

4.00

1.7

1.9

3.52

4.00

旅客空輸

2.7

1.3

2.10

4.92

0.8

0.8

2.10

4.92

海上輸送

18.7

15.3

3.74

3.21

20.0

10.6

3.74

3.21

鉄道輸送

13.6

16.0

2.52

1.88

24.4

37.2

3.09

1.97

トラックサービス

10.1

148.5

3.99

3.99

212.2

198.2

3.99

3.99

自動車及び部品

53.4

67.1

2.83

2.35

677.7

962.0

3.02

2.51

素材・

建築物

金属・鉱業

167.4

114.5

3.45

3.50

325.2

169.3

3.45

3.50

化学

80.4

58.5

3.50

3.36

262.4

229.0

3.50

3.36

建設資材

522.6

212.3

2.73

2.12

157.5

158.2

2.73

2.12

資本財

286.5

168.6

3.89

3.86

2,545.7

1,577.0

3.89

3.86

不動産管理・開発

20.4

26.9

4.05

3.99

184.5

197.6

4.05

4.00

農業・食料・林産物

飲料

6.3

2.4

3.35

2.16

29.7

20.6

3.35

2.16

農業

6.3

5.4

4.03

4.02

23.0

16.2

4.03

4.02

加工食品・加工肉

37.4

23.8

3.83

3.54

213.4

160.4

3.83

3.56

製紙・林業製品

73.3

62.1

3.18

2.91

100.8

96.1

3.18

2.91

その他

409.9

451.4

3.86

3.79

1,734.2

1,600.7

3.87

3.79

合計

1,907.3

1,522.2

3.77

3.66

7,284.5

6,263.1

3.79

3.67

 

・上場株式・社債

(単位:kt-CO

 

セクター

Scope1・2

Scope3

GHG排出量

DQスコア

GHG排出量

DQスコア

2024

年度

2025

年度

2024

年度

2025

年度

2024

年度

2025

年度

2024

年度

2025

年度

エネルギー

石油・ガス

21.3

13.0

1.00

1.03

291.0

194.2

1.00

1.03

石炭

0.0

0.0

0.0

0.0

電力・ユーティリティ

268.8

234.5

2.42

2.19

195.4

125.8

2.42

2.19

運輸

航空貨物

0.0

0.0

0.0

0.0

旅客空輸

3.4

0.8

1.00

4.22

0.7

0.5

1.00

4.22

海上輸送

12.8

9.7

1.00

1.00

3.8

13.1

1.00

1.00

鉄道輸送

2.0

3.1

3.72

3.42

4.6

11.0

3.72

3.42

トラックサービス

1.8

2.0

2.11

4.00

7.4

4.5

2.58

4.00

自動車及び部品

8.4

9.1

1.17

1.04

300.9

326.5

1.17

1.08

素材・

建築物

金属・鉱業

66.2

10.6

2.33

1.79

136.4

81.5

2.33

1.79

化学

40.4

28.1

1.57

1.61

98.2

57.7

1.57

1.61

建設資材

21.0

0.0

2.02

39.9

0.0

2.02

資本財

25.2

25.4

1.69

1.63

2,005.2

637.7

1.70

1.64

不動産管理・開発

0.6

0.5

1.24

1.40

9.5

2.7

1.24

1.40

農業・食料・林産物

飲料

2.1

1.2

1.15

1.18

14.3

7.8

1.15

1.18

農業

0.4

0.4

1.00

1.00

23.2

10.0

1.00

1.00

加工食品・加工肉

4.6

2.4

2.24

2.07

32.9

18.5

2.24

2.07

製紙・林業製品

6.8

4.6

1.56

1.67

7.7

6.9

1.56

1.67

その他

35.5

24.4

2.48

2.38

377.9

506.7

2.48

2.44

合計

521.4

369.9

2.14

2.06

3,549.1

2,005.1

2.15

2.09

*対象アセット:・事業性融資

法人および個人事業主向け一般事業性融資(リパッケージローンなどの政策的貸出を除く)

・上場株式、社債(金融債、事業債、外国債を対象とし、リパッケージ債、私募債を除く)

*対象残高:2026年3月末時点の投融資残高

*データソース:排出量は企業開示データおよびCDPデータ、財務情報は社内データ、企業開示データを使用

*算定方法:ファイナンスド・エミッション=各投融資先の排出量×帰属係数

・各投融資先の排出量

各投融資先の開示値を使用、得られない場合は推計値を使用

・帰属係数

投融資額÷(各投融資先の負債+資本)

*算定カバー率:・事業性融資100%

算定先の融資残高÷融資残高の合計

・上場株式、社債100%

算定先の上場株式、社債÷上場株式、社債の合計

※2024年度のGHG排出量Scope1・2・3の算定結果は、独立した第三者保証機関の保証を受けております。また、2025年度の算定結果は速報値であり、今後保証を取得する予定であります。

 

(ホ)サステナブルに関する投融資の目標および実績

・サステナブルに関する投融資の目標

2022年度から2030年度までに、サステナブルに関する投融資を累計1兆円実行(うち環境関連で5,000億円実行)いたします。

 

・サステナブルに関する投融資の実績

2022~2025年度実績

(単位:億円、%)

 

 

2030年目標

2022~2025年度

累計実績(達成率)

2025年度実績

サステナブルに関する投融資

10,000

4,220

(42.2%)

1,023

 

うち環境関連

5,000

2,356

(47.1%)

811

*サステナブルに関する投融資とは、環境や社会課題の解決につながる投融資などであり、お客さまのESGやSDGsへの取組みを支援する投融資などであります。なお、「うち環境関連」とは、環境課題の解決に繋がる投融資などであります。

*投融資実績は、あいち銀行の2022年4月1日から2026年3月31日までの実績と、旧中京銀行の2022年4月1日から2024年12月31日までの実績を合算しております。

 

(3)自然資本・生物多様性の保全

 近年、持続可能な社会を実現するために、気候変動への対応に加え、自然資本・生物多様性の適切な保全に対する重要性が高まっております。当社グループの事業基盤である愛知県は、多種多様な生態系が存在する地域であり、愛知県を事業基盤とする地域金融機関として、県内の自然資本・生物多様性の保全に取り組んでいくことは不可欠と認識しております。そのような考えのもと、当社グループでは、マテリアリティに「環境保全対応」を掲げ、TNFD提言に賛同し、TNFDフォーラムに参画しております。自然資本・生物多様性の適切な保全に関する取組みを推進することで、地域の持続可能な環境・社会の実現を目指してまいります。

 また、当社グループでは、TNFD提言が推奨するLEAPアプローチに基づく自然資本に関するリスク・機会の分析を進めております。分析結果などについては、「気候・自然関連レポート2026(https://www.aichi-fg.co.jp/sustainability/library/)」に掲載しております。

 

(4)人権尊重の取組み

① 人権方針・マネジメント体制

 当社グループでは、「世界人権宣言」、「労働における基本的原則及び権利に関する国際労働機関(ILO)宣言」、「ビジネスと人権に関する指導原則」などの人権に関する国際的な基準に則った『あいちフィナンシャルグループ人権方針(以下、あいちFG人権方針)』を取締役会にて策定し、人権尊重の取組みを推進しております。あいちFG人権方針では、差別やハラスメント行為、強制労働や児童労働などの人権侵害を容認しないことなどを定め、従業員やお客さま、投融資先、サプライヤーなどのあらゆるステークホルダーの人権を尊重し、人権デューデリジェンスの実施、是正・苦情処理メカニズムの構築に取り組んでおります。

 人権尊重の取組みや施策については、グループサステナビリティ委員会において取組状況のモニタリングを行っております。また、グループサステナビリティ委員会における審議内容は定期的に取締役会へ報告し、監督を受けております。

 

② 人権課題の特定・評価

 当社グループでは、事業活動に関わる人権リスクを特定・評価し、重要な課題に優先的に対応することで人権尊重の取組みをより効果的かつ持続的に推進するため、人権課題マップを作成しております。人権課題マップの結果を踏まえ、優先的に対応すべき人権課題の対応強化を検討しております。

 なお、作成した人権課題マップは、内外の事業環境の変化を踏まえて今後、継続的に見直しを実施してまいります。

 

③ 負の影響の防止・軽減

 当社グループでは、人権課題マップによる人権リスクの特定・評価結果を踏まえ、深刻度および発生可能性の高い課題から優先的に負の影響の防止・軽減策を講じております。従業員、お客さま、投融資先、外部委託先など、当社グループの事業活動により影響を受けるステークホルダーを重視し、それぞれのリスク特性に応じた対策を検討・実施しております。具体的には、2024年度から融資取引先やリース取組先に対して、あいちFG人権方針への準拠状況を確認するプロセスを運用しているほか、2025年度には外部委託先についても、人権尊重の取組状況を確認するプロセスを新たに整備いたしました。これらのプロセスにおいて、人権侵害の可能性が認められる場合には、お客さまとの対話を通じて適切な対応を促すことにより、サプライチェーン全体で人権侵害の未然防止と負の影響の最小化に取り組んでまいります。

 

④ 救済メカニズムと是正措置

 当社グループでは、従業員向けにハラスメント相談窓口や内部通報窓口を設置し、人権に関する各種相談などに対応しております。メールや電話など、さまざまな手段を通じて相談に対応し、相談内容については守秘義務による情報管理を徹底し、相談者・関係者などのプライバシーが保護されるよう努めております。また、あいち銀行では、お客さま相談窓口を設け、お客さま・サプライヤーからの人権侵害に関する相談を受け付けております。顕在化した人権への負の影響のうち、是正が必要なものについては、人権への負の影響の防止・軽減策を強化し、その取組みの実効性を評価していくことで、再発防止に努めております。

 

(5)人的資本

① ガバナンス

 人事基本方針や人財の採用・育成、人事諸制度など人的資本経営にかかる各種施策については、グループ経営会議で協議のうえ、取締役会にて決定しております。

 なお、人財戦略に関する基本方針並びに指標及び目標については、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等」に記載しております。