2024年2月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。

 これらのリスクは発生しうるすべてのリスクを網羅しているものではありません。また、事業上のリスク要因として具体化する可能性は、必ずしも該当しない事項についても、投資判断、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。

 当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項目以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

 なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

 

①オートオークション相場の変動により、適正な粗利が確保できなくなり、業績及び財政状態に影響を与える可能性について

 中古車市場では約230万台の中古車が流通しております。オートオークションでは中古車が年間約800万台が取引され、需要と供給により価格が決定するため、その価格は日々変動しております。

 当社は、変動する中古車相場において、各車両の状況と市場価値を見極め、適正な価格で仕入れ、適正な価格で販売する体制を構築しております。そのため、オークション相場の変化に対する影響は限定的です。急騰、急落などの予期せぬ変動をした場合は、影響を受ける可能性がありますが、短期的なものと考えております。

 

②競合他社との競争が激化して、販売価格が低下し、適正な利益を確保することができなくなり、業績及び財政状態に影響を与える可能性について

 中古車市場は事業者の裾野が非常に広く、大手による寡占化が進んでいないという特徴があります。そのため、大手同士による競争激化の状態にはなく、当社は適正な販売価格を維持しつつ、シェアの拡大を目指すことができると考えております。

 

③景気動向の悪化により、販売台数が低下し、業績及び財政状態に影響を与える可能性について

 中古車は、過去から景気動向に左右されることなく、一定の流通台数があることから、中古車は嗜好品ではなく必需品であると考えられます。このことから、景気悪化により、販売台数の低下があったとしても、中古車需要そのものが消失するものではなく、先延ばしされるものなので、その影響は短期的なものと考えております。

 

④大型店出店後の周辺環境変化などにより、業績及び財政状態に影響を与える可能性について

 当社は、出店物件の選定にあたっては、物件の状況、契約条件、周辺地域の人口やその動態、競合店の状況等を勘案して判断しております。しかしながら、収益性の悪化や市場価値の低減により、保有資産の減損処理が必要となった場合には、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 当社では、資産効率を維持するため、出店にあたり、原則、土地の取得はしておりません。契約期間の途中であっても、契約を終了させられる旨を定める中途解約条項を盛り込むことで、機動的な退店が可能です。そのため、その影響は軽微であると考えております。

 

⑤有利子負債が増加することにより、業績及び財政状態に影響を与える可能性について

 当社は、現状においては、大型店出店に必要な資金を銀行等金融機関からの借入により調達しております。安定的な収益基盤の構築の推進、財務基盤の健全性を確保することにより、金融市場における信用力を強固なものにしてまいります。
 また、資金調達の要否については、出店計画、資金需要の金額と支払タイミング、運転資金、営業キャッシュ・フロー等を総合的に検討して決定してまいります。

 

⑥人材確保が困難になることで、事業運営に必要な人員が不足し、業績及び財政状態に影響を与える可能性について

 当社は、個々人の能力や生産性を加味した上で、人員計画の作成、戦略的な配置、評価制度や働き方の刷新などを機動的に実施することで、適切な人材の育成管理をしております。現状は問題なく優秀な人材の確保ができておりますが、人材教育制度の充実や、従業員が働き甲斐や自己成長を感じられる仕事の仕方や魅力的な職場環境の実現に取り組むことで優秀な人材の安定的な確保を目指してまいります。また、定期的に従業員のエンゲージメント状態の可視化・数値化をすることで、組織における課題発見と課題解決を推進しております。

 

⑦将来、重要な訴訟等が提起されることにより、業績及び財政状態に影響を与える可能性について

 当社は、当連結会計年度末において業績に重要な影響を及ぼす訴訟等は提起されておりません。法務の設置及び顧問弁護士との連携や、必要な社員教育等を行うことで訴訟リスクを軽減するとともに訴訟等の事態が発生した際の損失を最小化するための体制を構築しております。

 

⑧個人情報等が外部に流出するような事態が発生した場合、業績及び財政状態に影響を与える可能性について

 当社は、個人情報の取り扱いについては、個人情報管理規程、情報セキュリティ規程、機密情報管理規程、個人番号及び特定個人情報取扱規程などの社内規程を制定し遵守しております。また、リスク管理体制の強化と従業員教育の徹底に取り組んでおります。

 

⑨台風や大雪といった天候の状況や、自然災害等が発生し、財産の棄損、事業運営に遅延又は障害をきたした場合の業績及び財政状態に影響を与える可能性について

 台風や大雪により店舗が被害を受ける可能性があるものの、事前に対策を講じることが可能であると考えております。

 また、当社の在庫は車両であって移動可能であることから、店舗の移転費用などが発生する可能性はあるものの、通常の投資の範囲内に収まると想定しております。

 

⑩風評被害などで当社の企業イメージが悪化することにより、業績及び財政状態に影響を与える可能性について

 当社は、風評リスクに対処するため、事実に基づいた迅速かつ適切な対応を行うことを基本方針としています。

具体的には、風評被害の発生を未然に防ぐための予防策の策定と実施、および事象発生時には社内外の関係者と適切に連携することで、損害の発生および拡大を最小限に抑えるための体制を整備しています。

 

 

配当政策

3【配当政策】

 当社の配当政策は、連結業績に連動して配当金を決定する「業績連動型配当」を基本方針としております。当社は、「当期の親会社株主に帰属する当期純利益×30%」で算出される金額を配当総額とし、当期の1株当たり配当金を決定する方法を採用しております。
 当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金配当を行うことを基本方針としております。これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。

 当事業年度については、当該基本方針に基づき、2024年5月28日開催の定時株主総会において、1株当たり19.78円の期末配当を決議しております。結果として、当期の1株当たり配当金は年間34.19円(中間14.41円、期末19.78円)とさせていただきました。

 内部留保資金については、将来における更なる利益拡大、企業価値向上を目指し、競争力の強化やサービスの向上を図るため、直営店の新規出店、新規事業開発、社内インフラの強化など、効果的かつ効率的な投資を行ってまいります。

 当社は、「取締役会の決議によって、毎年8月31日を基準日として、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。

 なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。

決議年月日

配当総額

 (百万円)

1株当たり配当額

(円)

2023年10月13日

1,446

14.41

取締役会決議

2024年5月28日

1,986

19.78

定時株主総会決議