事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
デジタルサービス | - | - | 40,802 | 55.6 | - |
デジタルプロダクツ | - | - | 17,376 | 23.7 | - |
グラフィックコミュニケーションズ | - | - | 15,489 | 21.1 | - |
インダストリアルソリューションズ | - | - | -322 | -0.4 | - |
事業内容
3 【事業の内容】
当社グループは、当連結会計年度末現在、当社及び子会社224社、関連会社18社で構成されております。
当社グループでは、デジタルサービス、デジタルプロダクツ、グラフィックコミュニケーションズ、インダストリアルソリューションズ及びその他において、開発、生産、販売、サービス等の活動を展開しております。
開発については、主として当社が担当しております。また、生産については、当社及び当社の生産体制と一体となっている国内外の生産関係会社が行っております。
また、販売・サービス体制は、国内、米州、欧州・中東・アフリカ、中華圏・アジア等のその他地域にて、世界約200の国と地域で事業を展開しております。
事業区分における主要な製品及び子会社の位置付けは、以下のとおりです。
なお、当連結会計年度より、その他に含まれていたPFUの事業について、デジタルサービス及びデジタルプロダクツへ事業区分変更を行いました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 5 事業セグメント」をご参照ください。
また、事業セグメントとしてのデジタルサービスはオフィスサービス事業及びオフィスプリンティングの販売を主とした事業に限定した事業セグメントであり、当社グループが目指す「はたらく人の創造力を支え、ワークプレイスを変えるサービスを提供するデジタルサービスの会社」への変革、として掲げるデジタルサービスすべてを網羅しているものではありません。当社グループが「デジタルサービスの会社」として掲げる「デジタルサービス」は、事業セグメントではデジタルサービスの他、すべてのセグメントの事業内容に含まれております。
<デジタルサービス>
当事業セグメントは、全世界に広がる顧客基盤をベースに、世界トップシェアを有するオフィス向け複合機・プリンターなどの画像機器及び消耗品の販売をはじめ、お客様のワークフロー全体の変革や働き方改革を支援するIT関連ソリューション、様々な経営課題や生産性向上をデジタルで解決するサービスを提供する事業を展開しております。
<デジタルプロダクツ>
当事業セグメントは、世界トップシェアを有するオフィス向け複合機をはじめ、プリンターなどの画像機器、さらにデジタルによるコミュニケーションを支えるエッジデバイスの開発・生産(OEM含む)に取り組んでいます。
<グラフィックコミュニケーションズ>
当事業セグメントには、商用印刷事業と産業印刷事業があります。
商用印刷事業:印刷業を営むお客様を中心に、多品種少量印刷に対応可能なデジタル印刷関連の製品・サービスを提供しております。
産業印刷事業:建材・家具・壁紙・サインディスプレイ・服飾品生地など、多種多様な印刷を可能とする産業用インクジェットヘッド・インクジェット用インク・産業用プリンターなどを製造・販売しております。
(上記3事業セグメントにおける主要な子会社)
(生産)
(販売・サービス・サポート・その他)
<インダストリアルソリューションズ>
当事業セグメントには、サーマル事業と産業プロダクツ事業があります。
サーマル事業:食品用のPOSラベル・バーコードラベル・配送ラベルなどに利用されているサーマルペーパー・衣料品の値札・ブランドタグ・チケットなどに使われる熱転写リボンを製造・販売しております。
産業プロダクツ事業:光学技術や画像処理技術を活かした精密機器部品などを提供しております。
(主要な子会社)
(生産)
<その他>
当事業セグメントには、Smart Vision事業などの新規事業やデジタルカメラ関連事業があります。
360度カメラにソフトウエアやクラウドサービスを組みあわせ、不動産・建設・土木など現場のデジタル化に向けたプラットフォーム事業を展開するSmart Vision事業、既存の石油由来プラスチックに替わる植物由来の新素材「PLAiR(プレアー)」事業、iPS分化細胞や細胞チップにより創薬を支援するバイオメディカルなどのヘルスケア事業、社会課題に対応し、路面・トンネル・のり面などの点検作業を効率化する社会インフラ事業、環境技術や環境事業の創出など、新たな事業機会の拡大を行っています。また、コンシューマー市場でお客様から支持をいただいているデジタルカメラ関連事業、関連会社が独自に事業拡大を行っている事業なども含まれています。
(主要な子会社)
(生産)
(販売・サービス・サポート・その他)
<事業系統図>
以上に述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 重要性がある会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、株式及び作成方法に関する規則」第93条の規定により国際会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3 重要性がある会計方針」に記載しております。
(2) 経営成績
経営を取り巻く経済環境
当連結会計年度の世界経済は、欧米の高金利・高インフレの継続、中国の景気減速に加え、ロシア・ウクライナ情勢や中東情勢の深刻化等もあり停滞感が強まりました。日本経済は、コロナ禍を乗り越え、企業業績が回復局面にある一方で、物価上昇に伴い消費や投資に力強さを欠く状況も見られます。また、日本を含む先進国においては人口の高齢化に伴って労働力の確保が課題となっており、賃金水準の上昇と価格転嫁による物価上昇が引き続き発生しています。
このような経済情勢の中で、当社グループのメイン市場であるワークプレイスにおいても、リモートワークをはじめとする新しい働き方は定着してきており、ITの進化に伴って業務プロセスも変化し続けています。それによる顧客課題・ニーズも時代とともに変化しており、デジタルサービスの需要はより高まっています。プリンティング需要はフラットな状態を維持しているものの、サービス・ソリューションの提供に不可欠となる人件費の上昇や、局所的な地政学リスクの高まりによる輸送費・部品費の高騰の継続など、事業環境は依然として不透明な状況にあります。
主要通貨の平均為替レートは、対米ドルが 144.53円(前連結会計年度に比べ 9.04円の円安)、対ユーロが 156.74円(同 15.83円の円安)となりました。
当連結会計年度の業績
当社グループは、当連結会計年度より21次中経をスタートしました。
当社グループの使命と目指す姿である「“はたらく”に歓びを」の実現に向けて、中長期目標として「はたらく人の創造力を支え、ワークプレイスを変えるサービスを提供するデジタルサービスの会社」となることを目指しています。また、当連結会計年度は、目指す姿の実現に向けて企業価値向上プロジェクトを開始しました。収益構造の変革を最重要課題とし、当社の強みである顧客基盤及び顧客接点を活かすことができるワークプレイス領域への戦略的な経営資源配分を進めます。
当連結会計年度の連結売上高は、前連結会計年度に比べ 10.1%増加し、23,489億円となりました。(為替影響を除くと 5.0%の増加)。前連結会計年度に影響を受けた商材の供給制約の解消に加え、日本でのスクラムシリーズの好調や欧米での買収効果等によりオフィスサービス事業を中心に売上が増加しました。また、2022年9月に実施した株式会社PFU(以下、PFU)の買収効果や円安の影響等もあり、増加しました。
地域別では、国内は、バックオフィス系DX等顧客課題に合わせたソリューション提供を行うスクラムシリーズが、法改正対応やセキュリティ関連の需要好調を背景に引き続き二桁成長し、オフィスサービス事業の売上が大きく増加しました。また、オフィスプリンティング事業のエッジデバイスの売上も増加しました。加えて、PFUの買収効果等もあり、前連結会計年度に比べ 7.7%の増加となりました。
海外では、米州において、A4複合機を中心とした供給不足の解消に伴いオフィスプリンティング事業のエッジデバイスの販売が増加しました。オフィスサービス事業でも、2022年9月に買収したCenero,LLC.(以下、Cenero)の貢献によるコミュニケーションサービス領域の成長やドキュメント関連業務のアウトソーシングサービスの堅調な伸長により売上が拡大しました。また、プロダクションプリンターの上位機種の市場稼働台数増加に伴う印刷量増加等により、ノンハードを中心に売上が増加しました。加えて、PFUの買収効果や円安の影響もあり、前連結会計年度比 9.8%の増加となりました(為替影響を除くと 3.2%の増加)。欧州・中東・アフリカにおいては買収企業を中心にアプリケーションサービスやITサービスが順調に成長しました。また2023年6月に実施したPFHの買収効果もあり、オフィスサービス事業を中心に売上が増加しました。加えて、円安の影響もあり、前連結会計年度に比べ 14.1%の増加となりました(為替影響を除くと 2.9%の増加)。その他の地域においては、中国でのインクジェットヘッドの販売増加等により売上が増加しました。円安の影響もあり前連結会計年度比 9.2%の増加となりました(為替影響を除くと 5.4%の増加)。
以上の結果、海外売上高全体では前連結会計年度に比べ 11.5%の増加となりました。なお、為替変動による影響を除いた試算では、海外売上高は前連結会計年度に比べ 3.4%の増加となります。
売上総利益は、前連結会計年度に比べ 10.0%増加し 8,200億円となりました。オフィスプリンティング事業の生産調整や複合機の製品ミックスの変動等による影響はあったものの、オフィスサービス事業の成長や継続した体質強化の効果に加えて、PFUの買収効果や円安の影響等により前連結会計年度に比べ利益が増加しました。
販売費及び一般管理費は、PFU等の買収、事業成長やインフレに伴う人件費等の経費の増加、拠点再編に伴う構造改革費用に加え、円安の影響等により前連結会計年度に比べ 11.9%増加し 7,698億円となりました。
その他の収益は、前連結会計年度に日本の土地売却益等の収益を計上しており、前連結会計年度に比べ 91億円減少しました。
営業利益は、売上総利益の増加に対しその他の収益の減少や販売費及び一般管理費の増加が上回り、前連結会計年度に比べて 167億円減少し 620億円となりました。
金融収益及び金融費用は、為替差益の増加等により、前連結会計年度に比べ金融収支が改善しました。持分法による投資損益は、持分法適用会社の利益減少により前連結会計年度に比べ減少しました。
税引前利益は 682億円となり、前連結会計年度に比べて 131億円減少しました。
法人所得税費用は税引前利益が減少したこと等により、前連結会計年度に比べて 17億円減少しました。
以上の結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は 441億円となり、前連結会計年度に比べて 101億円減少しました。
当期包括利益は、在外営業活動体の換算差額の増加等により、1,371億円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。 (単位:百万円)
a. デジタルサービス
当連結会計年度は、国内において、インボイス制度や2024年度に予定される法改正への対応をサポートするソリューションの販売増加等、中小企業を中心にスクラムパッケージが引き続き好調に推移しました。主に中堅企業向けにソリューション提案を行うスクラムアセットも、システム導入後の運用代行サービスやセキュリティ関連の需要好調により、高い伸び率で伸長しました。また、サイボウズ株式会社と共同開発のクラウド型の業務改善プラットフォーム「RICOH kintone plus」の契約数も順調に伸長しました。
米州においては、2022年9月に買収したCeneroによる当社グループ既存顧客へのソリューション導入が進み、ストック収益につながるマネージドAVサービス*の契約数の増加等、コミュニケーションサービスが順調に拡大しています。加えて、ドキュメント関連業務のアウトソーシングサービスも引き続き堅調に推移しています。
欧州・中東・アフリカにおいては、景気弱含みの影響により一部地域でICT商材投資を控える動きがみられるものの、アプリケーションサービスやITサービスが順調に成長を続けています。買収によるオフィスサービス事業の強化を継続しており、2023年6月にはアイルランドのITインフラ、クラウド、マネージドワークプレイスサービスのリーディングプロバイダーであるPFHの買収を完了しました。
デジタルサービスの売上高は、前連結会計年度に比べ 10.0%増加し 18,528億円となりました(為替影響を除くと 4.8%の増加)。
オフィスプリンティング事業では、主にA4複合機の供給不足の解消により、A3複合機を含めた一括商談の納入が進みました。コスト上昇に対する継続的な価格転嫁や付加価値販売等のプライシングコントロールを実施してきた効果もあり、エッジデバイスの売上高が前連結会計年度に比べ増加しました。オフィスサービス事業では、地域に応じた施策の展開により各地で増収となりました。事業成長やインフレ等に伴う経費の増加を吸収し、デジタルサービス全体の営業利益は前連結会計年度から 95億円増加し、408億円となりました。
* マネージドAVサービス: 企業や学校等において、マイク、スピーカー、プロジェクター、ビデオ会議システム等のオーディオ・ビジュアル(AV)機器と運営システムの提供・管理・運用を行うサービス
b. デジタルプロダクツ
当連結会計年度は、複合機の販売台数が計画を下回って推移したことで、上期を中心に当初計画以上の生産調整の影響を受けました。年度末に向けて需要変動に応じた生産・販売体制の連携を立て直し、下期には収益を回復しました。同時に、デジタルサービスを支えるエッジデバイスの製品群を強化しました。
複合機・プリンターでは、高生産性かつサステナビリティに貢献する製品を発売しました。本製品は本体樹脂総重量の約50%に再生プラスチックを使用し、省エネ性能に優れております。特に2024年1月に発売したA3フルカラー複合機「RICOH IM C7010」は、多彩なDX機能、また高速機種でありながら普及クラスに匹敵する省スペース性を兼ね備えた戦略機種となります。
デジタルプロダクツの売上高は、前連結会計年度に比べ 20.5%増加し 959億円となりました。またセグメント間売上高を含む売上高では 1.8%減少の 4,844億円となりました。PFUの買収効果はあったものの、A3複合機の販売在庫の適正化に向けた生産調整等により減収となりました。生産・開発の体質強化の継続による利益改善を進めているものの、前連結会計年度からのA4複合機の生産量回復による製品ミックスの変動や、A3複合機の生産調整により利益率が低下したこと等により、デジタルプロダクツ全体の営業利益は前連結会計年度に比べ 172億円減少し 173億円となりました。
c. グラフィックコミュニケーションズ
商用印刷市場においては、印刷物のデジタル化・ペーパーレス化による小ロットでの発注の増加や、より多様化する印刷物に対し複雑化する作業工程への対応が求められています。また、印刷現場における人手不足から、オペレーションの効率化に対する意識が高まっています。当連結会計年度は、このような多様化するニーズに対応するため、製品ラインアップを一新しました。
2023年8月、カラープロダクションプリンターの新製品として「RICOH Pro C9500」を発売しました。本製品は高画質と安定性に加え、用紙対応力と自動化・効率化機能を強化したフラッグシップモデルです。また、新たに開発した本体の制御システム「RICOH GC OS」により、様々な用紙の設定や調整、機器の利用状況やメンテナンスの管理に特別なスキルが不要となることで、作業工程の効率化・可視化を実現し、印刷オペレーターの負荷軽減や省人化に貢献します。
グラフィックコミュニケーションズの売上高は、前連結会計年度に比べ 11.6%増加し 2,621億円となりました(為替影響を除くと 4.9%の増加)。商用印刷事業では、米州を中心にプロダクションプリンターの販売が引き続き伸長しました。ノンハードの売上も、上位機種の市場稼働台数増加が印刷量増加に貢献し、伸長しました。産業印刷事業では、サイングラフィック向け等の需要が高まり、インクジェットヘッドの販売が好調で伸長しました。新製品発売による開発資産償却費等の増加に加え、拠点再編に伴う一過性の支出もあり費用が増加しましたが、円安効果もありグラフィックコミュニケーションズ全体の営業利益は前連結会計年度に比べ 9億円増加し 154億円となりました。
d. インダストリアルソリューションズ
当連結会計年度は、サーマル事業では、環境負荷を低減するラベルレスサーマルの事業拡大に向け、当社と中本パックス株式会社(以下、中本パックス)にて機能性包材の企画・開発・販売を行う合弁会社「RNスマートパッケージング株式会社」を2023年4月に設立しました。当社の強みであるサーマル技術と、中本パックスの強みである包材設計・機能性コーティング技術及び顧客基盤を組み合わせ、機能性包材市場に新しいパッケージソリューションを展開します。
産業プロダクツ事業では、2023年12月に、車両塗装外観検査装置「RICOH Visual Inspection System 5000」シリーズを発売しました。高い検査精度と生産性の向上により、自動車業界におけるお客様の現場のDXに貢献します。
インダストリアルソリューションズの売上高は、前連結会計年度に比べ 1.6%減少し 1,117億円となりました(為替影響を除くと 5.3%の減少)。サーマル事業では欧米での顧客の在庫調整や需要の低迷等により売上高が減少しました。産業プロダクツ事業では中国におけるプロジェクターの需要減等により産業用光学部品の売上高が減少しました。プライシングコントロールやコストダウン等で利益確保に努めましたが、インダストリアルソリューションズ全体の営業損益は、前連結会計年度に比べ 34億円減少し 3億円(損失)となりました。
なお、産業プロダクツ事業においては、2023年10月に車載ステレオカメラやプロジェクター用光学レンズモジュール等の開発・製造・販売を行うオプティカル事業を譲渡する株式譲渡契約を締結しております。
e. その他
その他の売上高は、前連結会計年度に比べ 21.0%増加し 263億円となりました(為替影響を除くと 17.2%の増加)。カメラ事業が好調で、増収増益となりました。一方で、新規事業創出のための先行投資により、その他全体の営業損益は 105億円(損失)となりました(前連結会計年度 営業損益 92億円(損失))
(注1)事業セグメントとしてのデジタルサービスはオフィスサービス事業及びオフィスプリンティングの販売を主とした事業に限定した事業セグメントであり、当社グループが目指す「はたらく人の創造力を支え、ワークプレイスを変えるサービスを提供するデジタルサービスの会社」への変革、として掲げるデジタルサービスすべてを網羅しているものではありません。当社グループが「デジタルサービスの会社」として掲げる「デジタルサービス」は、事業セグメントではデジタルサービスの他、すべてのセグメントの事業内容に含まれております。
(注2)当連結会計年度より、その他に含まれていたPFUの事業について、デジタルサービス及びデジタルプロダクツへ事業区分変更を行いました。この変更に関して、前連結会計年度についても遡及適用した数値で表示しております。
生産、受注及び販売の実績は、以下のとおりです。
① 生産実績
前連結会計年度及び当連結会計年度における生産実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、以下のとおりです。
(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。また、サービスに係る生産実績は含まれておらず、製造に係る生産実績としております。
2 当連結会計年度より、その他に含まれていたPFUの事業について、デジタルサービス及びデジタルプロダクツへ事業区分変更を行いました。この変更に関して、前連結会計年度についても遡及適用した数値で表示しております。
② 受注実績
当社グループは見込生産を主体としているため、受注状況の記載を省略しております。
③ 販売実績
前連結会計年度及び当連結会計年度における販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、以下のとおりです。
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が10%以上の主要な相手先はありませんので、記載を省略しております。
3 当連結会計年度より、その他に含まれていたPFUの事業について、デジタルサービス及びデジタルプロダクツへ事業区分変更を行いました。この変更に関して、前連結会計年度についても遡及適用した数値で表示しております。
(3) 財政状態
資産合計は、前連結会計年度末に比べ 1,362億円増加し 22,861億円となりました。前連結会計年度末と比較して為替レートが円安となったことから海外資産の換算差額が発生し、資産が増加しました。為替影響を除いた試算では 60億円の減少となります。当連結会計年度の主要通貨の期末日レートは、対米ドルが 151.41円(前連結会計年度に比べ 17.88円の円安)、対ユーロが 163.24円(同 17.52円の円安)となりました。
資産の部では、前連結会計年度末に比べ、現金及び現金同等物が 448億円減少しました。また、生産調整等による在庫適正化により、棚卸資産が 137億円減少しました。一方で、当連結会計年度末にかけての売上高の増加や円安等により、営業債権及びその他の債権が 616億円増加しました。加えて、欧州での買収や円安等により、のれん及び無形資産が 460億円増加しました。
なお、2023年10月にオプティカル事業を譲渡する株式譲渡契約を締結したことに伴い、対象事業の資産及び負債を、売却目的で保有する資産及び売却目的で保有する資産に直接関連する負債に組替えています。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ 291億円増加し 12,210億円となりました。負債の部では、社債及び借入金が 133億円減少しました。一方で、買収や円安等によりその他の流動負債が 389億円増加しました。
資本合計は、前連結会計年度末から 1,070億円増加し、10,651億円となりました。資本の部では、当期利益の増加等により利益剰余金が 304億円増加し、また円安により在外営業活動体の換算差額が 836億円増加しました。他方で株主還元策として自己株式取得を行い、これにより 75億円資本が減少しました。
親会社の所有者に帰属する持分は、前連結会計年度末に比べ 1,071億円増加し 10,387億円となりました。親会社所有者帰属持分比率は 45.4%となり、引き続き安全な水準を維持しています。
(4) キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ現金収入が 589億円増加し 1,256億円の収入となりました。在庫適正化による棚卸資産の減少等により現金収入が増加しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ現金支出が 361億円減少し 978億円の支出となりました。前連結会計年度においては、PFUの買収等により現金支出が増加しておりました。
以上の結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計となるフリー・キャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ現金収入が 950億円増加し 277億円の収入となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ現金支出が 1,183億円増加し 829億円の支出となりました。前連結会計年度においては借入債務の増加等により現金収入が増加しておりましたが、当連結会計年度においては借入債務の返済等により現金支出が増加しました。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、株主還元策としてそれぞれ 300億円及び 75億円の自己株式の取得を実施しております。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末に比べ 412億円減少し 1,696億円となりました。
当社グループでは、事業投資によって創出した営業キャッシュ・フローは、さらなる成長に向けた投資と株主還元に対して計画的に活用していきます。資本政策の詳細については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) リコーの中期展望 ◆成長を支える資本政策」をご覧ください。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
親会社所有者帰属持分比率:親会社所有者帰属持分/資産合計
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/資産合計
債務償還年数:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/支払利息
※いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※キャッシュ・フローは営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
有利子負債は連結財政状態計算書に計上されている負債のうち社債及び借入金を対象としております。
当社グループの流動性と資金源泉は次のとおりです。
事業発展に充分な資金流動性を確保し、堅固な財務体質を維持することが当社グループの方針です。この方針に従って、当社グループはここ数年、連結子会社が保有する流動性資金残高の効率的運用に努めてまいりました。その方策のひとつとして実施しているのが、各地域及びグローバルにおけるキャッシュマネジメントシステムの推進です。各地域にキャッシュマネジメントの要として設置している金融子会社を中心に地域内外のグループ企業間で手元流動性を有効活用するグループ内の資金融通の制度を構築、推進しております。この一環として、グローバルキャッシュプーリングシステムを導入し、グローバルベースでの更なる資金効率向上を実現しました。
また、当社グループは資産並びに負債の管理においてデリバティブを締結しております。為替変動が外貨建て資産と負債に与える潜在的な悪影響をヘッジするため、為替予約等を設定しております。当社グループはリスクの低減を目的として、定められた方針に従ってデリバティブを利用しております。自己売買、あるいは投機目的でデリバティブを利用しておらず、またレバレッジを効かせたデリバティブ取引も行っておりません。
当社グループは主に手元資金及び現金同等物、様々な信用枠及び社債の発行を組み合わせて資金を調達しております。流動性と資金源泉の必要額を判断する際、連結キャッシュ・フロー計算書の現金及び現金同等物の残高、並びに営業活動によるキャッシュ・フローを重視しております。
当連結会計年度末において、現金及び現金同等物の残高は 1,696億円、信用枠は 3,878億円であり、そのうち未使用残高は 3,510億円でありました。当社は 1,500億円(信用枠 3,878億円の一部)のコミットメント・ラインを金融機関との間に設定しております。これらは信用枠の範囲内で、各国市場の金利で金融機関から借入が可能です。
当社及び一部の連結子会社は、銀行借入及び社債の発行により資金を調達しております。また、当社グループはグローバルでキャッシュマネジメントシステムを活用してグループ資金を効率的に管理しております。
当社は大手格付機関(スタンダード・アンド・プアーズ・レーティング・サービス(以下「S&P」)、及び格付投資情報センター(以下「R&I」))から格付を取得しております。2024年6月21日現在、当社の格付はS&Pが長期BBB及び短期A-2、R&Iが長期A+及び短期a-1となっております。
当社グループは現金及び現金同等物、営業活動により創出が見込まれる資金、並びに借入金・社債等の調達資金で少なくとも翌連結会計年度の必要資金を充分賄えると予想しております。お客様の需要が変動し、営業キャッシュ・フローが減少した場合でも、現在の手元資金、及び当社グループが満足できる信用格付けを持つ金融機関に設定している信用枠で少なくとも翌連結会計年度中は事業用資金を充分賄えると考えております。さらに、足元の業務にとって必要な資金、及び事業拡大並びに新規プロジェクトの開発に関連する投資に対し、充分な資金を金融市場又は資本市場から調達できると考えております。各国の経済動向等による金利の変動は、当社グループの流動性に悪影響を及ぼす可能性がありますが、手元の現金及び現金同等物は充分であり、営業活動からも持続的にキャッシュ・フローが創出されキャッシュマネジメントシステムを活用していることから、こうした影響はあまり大きくないと考えております。
セグメント情報
5 事業セグメント
当社グループにおける事業の種類別セグメントは、デジタルサービス、デジタルプロダクツ、グラフィックコミュニケーションズ、インダストリアルソリューションズ、その他で構成されております。
当連結会計年度より、その他セグメントに含まれていたPFUの事業について、デジタルサービス及びデジタルプロダクツへ事業区分変更を行いました。この変更に関して、前連結会計年度についても遡及適用した数値で表示しております。
事業の種類別セグメントの主な事業内容は以下のとおりです。
(注)事業セグメントとしてのデジタルサービスはオフィスサービス事業及びオフィスプリンティングの販売を主とした事業に限定した事業セグメントであり、当社グループが目指す「はたらく人の創造力を支え、ワークプレイスを変えるサービスを提供するデジタルサービスの会社」への変革、として掲げるデジタルサービスすべてを網羅しているものではありません。当社グループが「デジタルサービスの会社」として掲げる「デジタルサービス」は、事業セグメントではデジタルサービスの他、すべてのセグメントの事業内容に含まれております。
セグメント損益は、営業利益で表示しており、当社の経営者により経営資源の配分の決定や業績の評価の目的に使用されております。セグメント損益に含まれない項目としては、主にセグメント間取引における棚卸資産・固定資産の未実現利益の消去となります。
前連結会計年度及び当連結会計年度における事業の種類別セグメント及び地域別情報は以下のとおりです。セグメント間取引は独立企業間価格で行っております。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、連結売上高の 10%以上を占める重要な単一顧客はありません。
(1) 事業の種類別セグメント情報
セグメント間の売上高は、主にデジタルプロダクツからデジタルサービスに対する売上です。
前連結会計年度及び当連結会計年度のセグメントごとの資産合計、資本的支出、減価償却費及び無形資産償却費は以下のとおりです。
各資産は、その資産から主に利益を享受する事業の種類別セグメントに割り当てられております。
本社又は全社に含まれる資産の主なものは、特定のセグメントに属さない現金及び現金同等物、その他の金融資産、持分法で会計処理されている投資、繰延税金資産です。
(2) 製品別売上高情報
製品別の外部顧客に対する売上高は以下のとおりです。
(3) 地域別情報
顧客の所在地別売上高、地域別非流動資産(有形固定資産、使用権資産、のれん及び無形資産)残高は以下のとおりです。