事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
| セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
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3 【事業の内容】
当社グループは、当連結会計年度末現在、当社及び子会社229社、関連会社17社で構成されております。
当社グループでは、デジタルサービス、デジタルプロダクツ、グラフィックコミュニケーションズ、インダストリアルソリューションズ及びその他において、開発、生産、販売、サービス等の活動を展開しております。
開発については、主として当社が担当しております。また、生産については、当社及び当社の生産体制と一体となっている国内外の生産関係会社が行っております。
また、販売・サービス体制は、国内、米州、欧州・中東・アフリカ、中華圏・アジア等のその他地域にて、世界約200の国と地域で事業を展開しております。
事業区分における主要な製品及び子会社の位置付けは、以下のとおりです。
また、事業セグメントとしてのデジタルサービスはオフィスサービス事業及びオフィスプリンティングの販売を主とした事業に限定した事業セグメントであり、当社グループが目指す「はたらく人の創造力を支え、ワークプレイスを変えるサービスを提供するデジタルサービスの会社」への変革、として掲げるデジタルサービスすべてを網羅しているものではありません。当社グループが「デジタルサービスの会社」として掲げる「デジタルサービス」は、事業セグメントではデジタルサービスの他、すべてのセグメントの事業内容に含まれております。
<デジタルサービス>
当事業セグメントは、全世界に広がる顧客基盤をベースに、オフィス向け複合機・プリンター・スキャナー等の画像機器及び消耗品の販売・保守サービスをはじめ、プロセスオートメーション、ワークプレイスエクスペリエンス、ITサービスといった領域において、お客様のワークフロー全体の変革や働き方改革を支援するオフィスサービスを提供しております。
<デジタルプロダクツ>
当事業セグメントは、世界トップシェアを有するオフィス向け複合機をはじめ、プリンター・スキャナー等の画像機器、さらにデジタルによるコミュニケーションを支えるエッジデバイスの開発・生産(OEMを含む)に取り組んでおります。
<グラフィックコミュニケーションズ>
当事業セグメントには、商用印刷事業と産業印刷事業があります。
商用印刷事業:印刷業を営むお客様を中心に、多品種少量印刷に対応可能なデジタル印刷関連の製品(プロダクションプリンター等)・サービスを提供しております。
産業印刷事業:建材・家具・壁紙・サインディスプレイ・服飾品生地等、多種多様な印刷を可能とする産業用インクジェットヘッド・インクジェット用インク・産業用プリンター等を製造・販売しております。
(上記3事業セグメントにおける主要な子会社)
(設計及び開発・生産・その他)
(販売・サービス・サポート)
<インダストリアルソリューションズ>
当事業セグメントには、サーマル事業と産業プロダクツ事業があります。
サーマル事業:製造・流通・物流・医療の現場で使われるバーコードラベル用の感熱紙、熱転写リボン、及び機能性包材市場のラベルレスサーマルを製造・販売しております。
産業プロダクツ事業:製造業向けの自動化設備や検査装置、自動車業界向けを中心とした精密部品を製造・販売しております。
(主要な子会社)
(生産・その他)
<その他>
当事業セグメントには、360度カメラにソフトウェアやクラウドサービスを組みあわせ、不動産・建設・土木等の現場のデジタル化に寄与するSmart Vision事業をはじめ、社会課題に対応する新規事業やカメラ関連事業等があります。
(主要な子会社)
(生産・その他)
(販売・サービス・サポート)
<事業系統図>
以上に述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。
業績状況
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 重要性がある会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定により国際会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記3 重要性がある会計方針」に記載しております。
(2) 経営成績
経営を取り巻く経済環境
当連結会計年度の世界経済は、緩やかな物価上昇の継続や主要国における安定した緩和的な金融政策、AI関連の投資の活発化等に支えられ、底堅く推移しました。他方、保護主義的な通商政策や地政学上の緊張等を背景に不確実性が高い状況が続き、金融資本市場でも不安定な動きが見られました。足元でも中東地域における軍事的緊張の高まりを背景に、エネルギー価格の上昇圧力やサプライチェーンへの影響が懸念されています。日本経済は、雇用・所得環境の改善に支えられ緩やかな回復基調を続けていますが、食料品を中心とした物価上昇の影響で、実質賃金が伸び悩む状況が続きました。
このような経済情勢を背景に、当社グループのメイン市場であるワークプレイスにおいても、リモートワークをはじめとする新しい働き方が定着し、AIやITの進化に伴って業務プロセスも変わり続けています。プリンティング需要は減少傾向にあり、顧客課題・ニーズも変化していますが、業務のデジタル化や生産性向上を支えるデジタルサービスへの需要は一層高まっています。
なお、主要通貨の平均為替レートは、対米ドルが 150.79円(前連結会計年度に比べ 1.86円の円高)、対ユーロが 174.81円(同 10.95円の円安)となりました。
当連結会計年度の業績
当連結会計年度は当社グループ(当社及び関係会社)にとって、2023年4月よりスタートした第21次中期経営戦略の最終年度となりました。
当社グループの使命と目指す姿である「“はたらく”に歓びを」の実現に向けて、中長期目標として「はたらく人の創造力を支え、ワークプレイスを変えるサービスを提供するデジタルサービスの会社」となることを目指して取り組みを進めました。
当社グループが注力している領域は、はたらく人を単純作業から解放するプロセスオートメーション、創造性を高めるワークプレイスエクスペリエンス、そしてワークプレイスの基盤となる環境を構築するITサービスの3つです。この注力領域において、グローバルの顧客基盤や顧客の課題把握力・提案力に優れた販売・サービス体制、そして魅力的な自社IP*といった強みを活かしながら、変容するワークプレイスにおいて一貫したサービスをグローバルに提供しています。
*自社IP(Intellectual Property):企業が自らの努力で生み出した知的財産で、ライセンス使用料等収益の源泉となる等の経済価値を有するもの
当連結会計年度は、付加価値の高いストック契約の獲得等、オフィスサービス事業での利益成長を図るとともに、オフィスプリンティング事業においては2024年7月に組成した東芝テック株式会社(以下、東芝テック)との合弁会社「エトリア株式会社」(以下、エトリア)による複合機等の開発・生産でのシナジー効果の創出、及び効率的なMIFマネジメント・顧客ターゲティングの販売施策の徹底により収益維持・改善に取り組みました。なお、2025年10月にはエトリアに沖電気工業株式会社(以下、沖電気)が参画し、開発・生産体制のさらなる強化を進めています。また企業価値向上プロジェクトの活動を確実に実行することに加え、組織力を強化し環境変化への対応力を高めながら、デジタルサービスの会社として相応しい収益構造へと変革を進めてきました。米国の新たな関税政策の導入に対しては、生産・商物流・投入商品・価格政策・販売チャネル等の各軸で対策を機動的に実行し、影響の軽減に取り組みました。
当連結会計年度の連結売上高は、26,083億円となり、前連結会計年度に比べ 3.2%増加となりました(為替影響を除くと 1.8%の増加)。オフィスプリンティング事業ではノンハードの弱含みに加え、米国の関税政策の影響を受けハードの売上が減少しましたが、エトリアから東芝テックや沖電気への製品販売の貢献、及びオフィスサービス事業の成長等もあり、増収となりました。
地域別では、国内は引き続き好調なオフィスサービス事業を中心に売上が増加しました。パソコンの買い替えやセキュリティ強化の需要の取り込みや、それに伴うサービス・サポート契約の獲得も寄与し、ITサービスが伸長しました。また、情報系アプリケーションや法改正に対応したソリューション等が好調で、アプリケーションサービスも増収となりました。さらに、オフィスプリンティング事業のハードの販売増加や、エトリアから東芝テックや沖電気への製品販売等により、前連結会計年度と比べ 9.2%の増加となりました。
海外では、米州においては、関税政策の影響による先行き不透明感から企業投資が弱含み、オフィスプリンティング事業や商用印刷事業においてハードを中心に売上が減少しました。オフィスサービス事業においては、成長領域に経営資源を集中し事業成長を加速させるため、オーディオビジュアル(AV)インテグレーターである米国のPresentation Products, Inc.(以下、PPI)及びカナダのET Groupを買収しワークプレイスエクスペリエンスの成長に向けた取り組みを進めた一方、米国のマネージドITサービス事業を売却しました。これらの結果、米州全体の売上は、前連結会計年度比 4.7%の減少となりました(為替影響を除くと 3.6%の減少)。欧州・中東・アフリカにおいては、米国の関税政策による景況悪化懸念等から、オフィスプリンティング事業のハード・ノンハードが弱含みで推移しました。オフィスサービス事業においては、企業のITインフラ投資に対する慎重姿勢が続いていましたが、当連結会計年度下半期以降は買収企業とのシナジー施策効果の発現やITインフラ需要の改善等により、回復の兆しが見られます。通期ベースでは、円安の影響もあり、売上は前連結会計年度比 3.8%の増加となりました(為替影響を除くと 2.6%の減少)。その他の地域においては、オフィスプリンティング事業における価格競争や、中国での産業用インクジェットヘッドの需要低迷の影響を受け、前連結会計年度比 横ばいとなりました(為替影響を除くと 0.8%の減少)。以上の結果、海外売上高全体では前連結会計年度に比べ 0.5%の減少となりました。なお、為替変動による影響を除いた試算では、海外売上高は前連結会計年度に比べ 2.8%の減少となります。
売上総利益は、オフィスプリンティング事業や商用印刷事業の売上減少の影響はあったものの、オフィスサービス事業の成長や企業価値向上プロジェクトの効果に加え、円安の影響等もあり、前連結会計年度に比べ 2.4%増加し 8,891億円となりました。
販売費及び一般管理費は、事業成長やインフレによる人件費等の経費増加、及び欧州での基幹システム統合に伴う一時費用の計上や円安の影響による増加があったものの、前連結会計年度に実施した企業価値向上プロジェクトの費用が減少したことや、その効果等により、前連結会計年度に比べ 0.5%減少し 8,151億円となりました。
その他の収益には、米国におけるマネージドITサービス事業の譲渡に係る収益や、主に国内で実施した固定資産売却に伴う売却益を計上しております。前連結会計年度には、当社の子会社が提起した仲裁申立の仲裁判断に伴い、過年度に受領していた土地の立退補償金のうち提携協議書解除に伴う違約金への充当分を計上しており*、結果として、その他の収益は前連結会計年度に比べて増加し 237億円となりました。
のれんの減損は、創薬支援事業や一部地域のオフィスサービス事業等においてのれんの減損損失を計上したことにより、損失が増加しました。
*2024年11月25日付で開示した「当社の子会社が提起した仲裁申立の仲裁判断および通期業績予想の修正に関するお知らせ」をご参照ください
以上の結果、営業利益は、前連結会計年度に比べて 268億円増加し 907億円となりました。
金融収益及び金融費用は、為替差益の減少等により、前連結会計年度に比べ金融収益が減少しました。持分法による投資損益は、持分法適用会社の利益減少により前連結会計年度に比べ減少しました。
税引前利益は前連結会計年度に比べ 222億円増加し 922億円となりました。
法人所得税費用は、税引前利益の増加に加え、一部地域における事業環境及び再編等を踏まえ繰延税金資産の回収可能性に関する見積もりを変更したこと等により、前連結会計年度に比べ 111億円増加しました。
以上の結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度に比べて 99億円増加し 556億円となりました。
当期包括利益は、在外営業活動体の換算差額の増加等により、前連結会計年度に比べ増加し 1,494億円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。 (単位:百万円)
a. デジタルサービス
当連結会計年度のオフィスサービス事業は国内においてはセキュリティや働き方改革関連のサービスに加え、パソコンの買い替え需要とそれに伴うサービス・サポート契約の獲得が寄与し、ITサービスが伸長しました。また情報系アプリケーションや法改正に対応したソリューションなどの好調により、アプリケーションサービスも増収となりました。アプリケーションサービスにおいては、2025年4月、インターネットなど外部のネットワーク環境から遮断された社内環境で安心・安全に生成AIを活用するための「RICOH オンプレLLM スターターキット」の提供を開始しました。導入から運用までワンストップで支援します。病院をはじめとしたセキュリティやプライバシー、ガバナンスの観点から外部のネットワーク環境から遮断された社内専用環境でAIを利用したいと考えるお客様への導入を進めました。さらに、2025年10月に金融業に特化した業務内容や専門用語を学習させた「金融業務特化型LLM」を、2025年12月には低コストでのプライベートLLM*導入を可能とするコンパクトで高性能なLLMを開発しました。今後も、業種特化モデルの開発を進めるとともに、当社の強みであるマルチモーダル性能とあわせて、LLMラインアップのさらなる強化を進めます。
米州においては、ワークプレイスエクスペリエンスは成長したものの、BPSの減収に加え、米国のマネージドITサービス事業の売却や円高の影響もあり、売上が減少しました。欧州・中東・アフリカでは、円安の影響により売上が増加したものの、実質では減収となりました。買収会社とのシナジー施策の進展によりITサービスの提供が拡大し、またDocuWareのクラウドサービスが成長をけん引したことで、アプリケーションサービスも伸長しました。一方、米国の関税政策による景況悪化懸念などから需要が弱まり、ITインフラやワークプレイスエクスペリエンスの売上は減少しました。
体制強化においては、ワークプレイスエクスペリエンス領域では、2025年5月にブラジルのGo2neXtを、2026年1月、米国のPPI、さらに2月にカナダのET Groupに加え、チリのValueTechを買収し、注力領域での投資を米州中心に進めました。
オフィスプリンティング事業では、ハードについては日本において堅調に推移したものの、米国では米国関税政策の影響や、欧州では景況感の不透明感などからお客様の投資意欲の弱まりが見られ、海外では減少しました。ノンハードについては、欧州を中心に弱含みが続いており売上は減少しました。
デジタルサービスの売上高は、前連結会計年度に比べ 3.0%増加し 19,885億円となりました(為替影響を除くと 1.4%の増加)。オフィスサービスの利益成長を測るKPIであるストック売上は、前年度に比べ 6%増加し、4,196億円となりました。
営業利益については、国内を中心としたオフィスサービス事業の成長や企業価値向上プロジェクトの効果に加えて、米国におけるマネージドITサービス事業の譲渡に係る収益計上があった一方、オフィスプリンティング事業におけるノンハードの利益減少や、米国の関税政策の影響や資産・体制の見直し・強化に伴う一時費用の計上(欧州における基幹システム統合等)等、下押し要因もありました。これらの結果、デジタルサービス全体の営業利益は 279億円となり、前連結会計年度に比べ 43億円減少しました。
*プライベートLLM:お客様の業務に特化してカスタマイズしたLLM
b. デジタルプロダクツ
当連結会計年度は2024年7月に当社と東芝テックの合弁会社として発足したエトリアに、2025年10月、独自のLED技術などに強みを持つ沖電気が新たに参画し、3社の合弁会社として活動を開始しました。エトリアでは、共通エンジン開発や生産体制の最適化、購買の効率化等、シナジー創出を着実に進めました。
オフィス向けの複合機・プリンターにおいては、新製品を発売しラインアップを拡充しました。2025年5月、高い生産性、DXへの対応力に加え、最新のセキュリティ機能を搭載したA3カラー複合機「RICOH IM C8010/C6510」を、2025年7月、平均86%(質量比)*1の部品リユース率を実現したA3カラー再生複合機「RICOH IM C6000F CE/C2500F CE」を、2026年1月、名刺や小サイズ原稿の読み取りに対応したA3モノクロ複合機「RICOH IM 6010/4510/3510/2510」を発売しました。
株式会社PFUにおいては、2025年10月、廃棄物分別特化AIエンジン「Raptor VISION BATTERY」を発売しました。廃棄物処理施設でごみのX線透過画像を、PFU独自アルゴリズムを用いたAIエンジンにて画像認識処理を行い、リチウムイオン電池の有無を高精度に検知します。今後自治体をはじめ多くの施設における火災を防ぎ、安定稼働に貢献します。
また、産業用コンピュータの製造・販売においては、2025年4月にリコーインダストリアルソリューションズ株式会社と株式会社PFUの産業用コンピュータ事業を統合し、リコーPFUコンピューティング株式会社を設立しました。当年度は、2025年6月に発売した、工作機械や産業用ロボットなどのFA*2機器や医療機器向けの、熱や振動といった厳しい産業環境においても安定稼働が可能な国産の産業用ボードコンピュータ「RICOH IT11」を始めとする産業用コンピュータや組込みコンピュータの新製品を発売しました。
デジタルプロダクツの売上高は、前連結会計年度に比べ 18.7%増加し 1,863億円となりました。またセグメント間売上高を含む売上高では 0.4%増加の 5,871億円となりました。エトリアから東芝テック及び沖電気への製品販売も寄与し売上が増加した一方で、米国の関税政策の影響等により主に海外向けのハードの売上が減少し、セグメント間売上高を含む売上高は微増となりました。前連結会計年度実施した企業価値向上プロジェクトや継続して取り組む生産・開発の体質強化等の効果もあり、デジタルプロダクツ全体の営業利益は 315億円となり、前連結会計年度に比べ 28億円増加しました。
*1 本体標準構成(定期交換部品を除く)でのリユース率
*2 FA:ファクトリーオートメーション
c. グラフィックコミュニケーションズ
商用印刷事業においては、アナログからデジタルへの転換期を迎えており、お客様の様々なデジタル印刷ニーズに応える製品とソリューションの提供が求められています。当連結会計年度は、商用デジタル印刷でトップブランドの地位を確立するため、主力トナー機の先進国でのシェア拡大と新興国での成長、また2023年に発売した高速インクジェット・プリンティング・システム「RICOH Pro Z75」や2024年発売のロール紙専用の高速インクジェット・プリンティング・システムの最上位機種「RICOH Pro VC80000」の販売拡大等、戦略機種の拡販によりノンハード収益の積み上げを図りました。
新製品として、2025年5月に基本性能と印刷品質の向上により、企業内印刷・商用印刷の幅広いニーズに対応したカラープロダクションプリンター「RICOH Pro C5410S/C5400S」を発売しました。
産業印刷事業においては、欧州地域における産業印刷事業を担う新会社Ricoh Printing Solutions Europe Ltd.を設立し、2025年4月から事業活動を開始しました。欧州地域における産業用インクジェットヘッドやテキスタイル印刷機等の販売、エンジニアリングサポート、インク評価等の機能を集約し、お客様への一貫した専門的なサポートを実現します。また、産業印刷のコア技術であるインクジェット技術の知見を高め、本社研究開発部門、他地域拠点との連携により、新たなインクジェットの価値をお客様に提供していきます。
グラフィックコミュニケーションズの売上高は、前連結会計年度に比べ 2.9%減少し 2,840億円となりました(為替影響を除くと 4.1%の減少)。商用印刷事業において、プロダクションプリンターのノンハードは引き続き堅調に推移しましたが、ハードは米国を中心に関税政策の影響による投資控えが見られ、売上が減少しました。経費の抑制や前年度に実施した企業価値向上プロジェクトの効果はあったものの売上の減少による利益減少を吸収し切れず、グラフィックコミュニケーションズ全体の営業利益は 186億円となり、前連結会計年度に比べ 45億円減少しました。
d. インダストリアルソリューションズ
当連結会計年度、サーマル事業においては、国内において環境負荷低減に貢献する剥離紙の無いサーマルラベル等、社会課題解決型製品の販売を伸ばしました。また、メディアに直接印字が可能なラベルレスサーマルは製品の視認性や作業工程の簡素化等の顧客価値が評価され、2025年5月から冷凍弁当の製造・販売を手がける株式会社シルバーライフの冷凍食品のパッケージとして採用されました。冷凍食品のラベルレスサーマルの採用は業界初の取り組みとなります。ラベルレスサーマルの導入により、お客様の工数削減と環境負荷低減を実現しました。
産業プロダクツ事業においては、堅調な事業環境の中、お客様のモノづくり現場の生産効率向上に寄与する自動化設備において、原価低減や設計プロセス変革による収益力強化に取り組みました。
インダストリアルソリューションズの売上高は、前連結会計年度に比べ 5.3%減少し 1,062億円となりました(為替影響を除くと 6.4%の減少)。サーマル事業において、米州における物流需要減少の影響が継続しましたが、日本や欧州では堅調に推移しました。前年度に実施したオプティカル事業の譲渡の影響により売上が減少しましたが、事業譲渡の影響を除くと前年並みの売上となります。コストダウンやプライシングコントロールによる収益性向上に加え、前年度にオプティカル事業の譲渡に伴う一時費用を計上していた反動もあり、インダストリアルソリューションズ全体の営業損益は 24億円となり、前連結会計年度に比べ利益が 42億円増加しました。
e. その他
その他の売上高は、前連結会計年度に比べ 20.3%増加し 431億円となりました(為替影響を除くと 19.4%の増加)。カメラ関連事業がRICOH GRシリーズを中心に好調が継続し、増収増益となりました。新規事業創出のための先行投資や創薬支援事業においてのれんの減損損失を計上したこと等により、その他全体の営業損益は 33億円(損失)となりましたが、事業の選択と集中の効果もあり、前連結会計年度に比べ 22億円改善しました。
f. 消去又は全社
消去又は全社の配賦不能費用には、上記セグメントに帰属しない損益を計上しております。前連結会計年度に国内でのセカンドキャリア支援制度の実施に伴う一時費用を計上していた一方、当連結会計年度は主に国内で実施した固定資産売却益を計上したこと等により、営業損益は前連結会計年度に比べ利益が 263億円増加しました。
(注)事業セグメントとしてのデジタルサービスはオフィスサービス事業及びオフィスプリンティングの販売を主とした事業に限定した事業セグメントであり、当社グループが目指す「はたらく人の創造力を支え、ワークプレイスを変えるサービスを提供するデジタルサービスの会社」への変革、として掲げるデジタルサービスすべてを網羅しているものではありません。当社グループが「デジタルサービスの会社」として掲げる「デジタルサービス」は、事業セグメントではデジタルサービスの他、すべてのセグメントの事業内容に含まれております。
生産、受注及び販売の実績は、以下のとおりです。
① 生産実績
前連結会計年度及び当連結会計年度における生産実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、以下のとおりです。
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。また、サービスに係る生産実績は含まれておらず、製造に係る生産実績としております。
② 受注実績
当社グループは見込生産を主体としているため、受注状況の記載を省略しております。
③ 販売実績
前連結会計年度及び当連結会計年度における販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、以下のとおりです。
(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が10%以上の主要な相手先はありませんので、記載を省略しております。
(3) 財政状態
資産合計は、前連結会計年度末に比べ 1,830億円増加し 25,401億円となりました。前連結会計年度末と比較して、沖電気のエトリア参画に伴い承継資産等が増加しました。為替及び沖電気の承継資産の影響を除いた試算では 170億円の増加となります。主要通貨の当連結会計年度の期末日レートは、対米ドルが 159.88円(前連結会計年度に比べ 10.36円の円安)、対ユーロが 183.41円(同 21.33円の円安)となりました。
資産の部では、現金及び現金同等物が前連結会計年度末に比べ 141億円増加しました。また、国内売上の増加に伴い営業債権及びその他の債権が 472億円増加しました。さらに、沖電気の事業統合や米州における買収等による連結加入に加え、米国関税の影響による仕入コスト増加等により棚卸資産が 320億円増加しました。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ 503億円増加し 13,527億円となりました。主に円安による為替影響により、営業債務及びその他の債務、並びにその他の流動負債が増加しました。一方で、社債及び借入金が流動負債と非流動負債を合わせ 85億円減少しました。
資本合計は、前連結会計年度末から 1,327億円増加し、11,874億円となりました。資本の部では、当期利益の計上及び円安により在外営業活動体の換算差額が増加しました。また、沖電気のエトリア参画に伴い資本剰余金及び非支配持分が増加しました。
結果として親会社の所有者に帰属する持分は、前連結会計年度末に比べ 1,260億円増加し 11,561億円となりました。親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末に比べ 1.8ポイント増加し 45.5%となりました。
(4) キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ現金収入が 212億円増加し 1,581億円の収入となりました。当連結会計年度は、棚卸資産の増加や、前連結会計年度に実施した国内のセカンドキャリア支援制度の退職加算金の支払い等の支出の増加はあったものの、前連結会計年度では当社の子会社が提起した仲裁申立の仲裁判断に伴う預り金の返還により支出が増加しており、結果として現金収入が増加しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ現金支出が 68億円減少し 725億円の支出となりました。前連結会計年度は、オプティカル事業の売却による収入、当連結会計年度は米国のマネージドITサービス事業の売却や主に国内で実施した固定資産の売却による収入等があり、結果として現金支出が減少しました。
以上の結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計となるフリー・キャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ現金収入が 280億円増加し 855億円の収入となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ現金支出が 375億円増加し 830億円の支出となりました。当連結会計年度は、前連結会計年度に比べ借入債務による調達が減少したこと等により現金支出が増加しました。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末に比べ 116億円増加し 1,934億円となりました。
当社グループでは、事業投資によって創出した営業キャッシュ・フローは、さらなる成長に向けた投資と株主還元に対して計画的に活用していきます。資本政策の詳細については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) リコーの中期展望 成長を支える資本政策」をご覧ください。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
親会社所有者帰属持分比率:親会社所有者帰属持分/資産合計
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/資産合計
債務償還年数:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/支払利息
※いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※キャッシュ・フローは営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
有利子負債は連結財政状態計算書に計上されている負債のうち社債及び借入金を対象としております。
当社グループの流動性と資金源泉は次のとおりです。
事業発展に充分な資金流動性を確保し、堅固な財務体質を維持することが当社グループの方針です。この方針に従って、当社グループはここ数年、連結子会社が保有する流動性資金残高の効率的運用に努めてまいりました。その方策のひとつとして実施しているのが、各地域及びグローバルにおけるキャッシュマネジメントシステムの推進です。各地域にキャッシュマネジメントの要として設置している金融子会社を中心に地域内外のグループ企業間で手元流動性を有効活用するグループ内の資金融通の制度を構築、推進しております。この一環として、グローバルキャッシュプーリングシステムを導入し、グローバルベースでの更なる資金効率向上を実現しました。
また、当社グループは資産並びに負債の管理においてデリバティブを締結しております。為替変動が外貨建て資産と負債に与える潜在的な悪影響をヘッジするため、為替予約等を設定しております。当社グループはリスクの低減を目的として、定められた方針に従ってデリバティブを利用しております。自己売買、あるいは投機目的でデリバティブを利用しておらず、またレバレッジを効かせたデリバティブ取引も行っておりません。
当社グループは主に手元資金及び現金同等物の活用と併せて、様々な信用枠及び社債の発行を組み合わせて資金を調達しております。流動性と資金源泉の必要額を判断する際、連結キャッシュ・フロー計算書の現金及び現金同等物の残高、並びに営業活動によるキャッシュ・フローを重視しております。
当連結会計年度末において、現金及び現金同等物の残高は 1,934億円、信用枠は 3,905億円であり、そのうち未使用残高は 3,855億円でありました。当社は 1,500億円(信用枠 3,905億円の一部)のコミットメント・ラインを金融機関との間に設定しております。これらは信用枠の範囲内で、各国市場の金利で金融機関から借入が可能です。
当社及び一部の連結子会社は、銀行借入及び社債の発行により資金を調達しております。また、当社グループはグローバルでキャッシュマネジメントシステムを活用してグループ資金を効率的に管理しております。
当社は大手格付機関(スタンダード・アンド・プアーズ・レーティング・サービス(以下「S&P」)、及び格付投資情報センター(以下「R&I」))から格付を取得しております。2026年6月16日現在、当社の格付はS&Pが長期BBB及び短期A-2、R&Iが長期A+及び短期a-1となっております。
当社グループは現金及び現金同等物、営業活動により創出が見込まれる資金、並びに借入金・社債等の調達資金で少なくとも翌連結会計年度の必要資金を充分賄えると予想しております。お客様の需要が変動し、営業キャッシュ・フローが減少した場合でも、現在の手元資金、及び当社グループが満足できる信用格付けを持つ金融機関に設定している信用枠で少なくとも翌連結会計年度中は事業用資金を充分賄えると考えております。さらに、足元の業務にとって必要な資金、及び事業拡大並びに新規プロジェクトの開発に関連する投資に対し、充分な資金を金融市場又は資本市場から調達できると考えております。各国の経済動向等による金利の変動は、当社グループの流動性に悪影響を及ぼす可能性がありますが、手元の現金及び現金同等物は充分であり、営業活動からも持続的にキャッシュ・フローが創出されキャッシュマネジメントシステムを活用していることから、こうした影響はあまり大きくないと考えております。
セグメント情報
5 事業セグメント
当社グループにおける事業の種類別セグメントは、デジタルサービス、デジタルプロダクツ、グラフィックコミュニケーションズ、インダストリアルソリューションズ、その他で構成されております。
事業の種類別セグメントの主な事業内容は以下のとおりです。
(注)事業セグメントとしてのデジタルサービスはオフィスサービス事業及びオフィスプリンティングの販売を主とした事業に限定した事業セグメントであり、当社グループが目指す「はたらく人の創造力を支え、ワークプレイスを変えるサービスを提供するデジタルサービスの会社」への変革、として掲げるデジタルサービスすべてを網羅しているものではありません。当社グループが「デジタルサービスの会社」として掲げる「デジタルサービス」は、事業セグメントではデジタルサービスの他、すべてのセグメントの事業内容に含まれております。
セグメント損益は、営業利益で表示しており、当社の経営者により経営資源の配分の決定や業績の評価の目的に使用されております。セグメント損益に含まれない項目としては、主にセグメント間取引における棚卸資産・固定資産の未実現利益の消去となります。
前連結会計年度及び当連結会計年度における事業の種類別セグメント及び地域別情報は以下のとおりです。セグメント間取引は独立企業間価格で行っております。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、連結売上高の 10%以上を占める重要な単一顧客はありません。
(1) 事業の種類別セグメント情報
セグメント間の売上高は、主にデジタルプロダクツからデジタルサービスに対する売上です。
消去又は全社には、国内でのセカンドキャリア支援制度の実施に伴う一時費用を含みます。
セグメント間の売上高は、主にデジタルプロダクツからデジタルサービスに対する売上です。
前連結会計年度及び当連結会計年度のセグメントごとの構造改革費用は以下のとおりです。
前連結会計年度の「本社又は全社」には、国内でのセカンドキャリア支援制度の実施に伴う一時費用を含みます。
前連結会計年度及び当連結会計年度のセグメントごとの資産合計、資本的支出、減価償却費及び無形資産償却費は以下のとおりです。
各資産は、その資産から主に利益を享受する事業の種類別セグメントに割り当てられております。
本社又は全社に含まれる資産の主なものは、特定のセグメントに属さない現金及び現金同等物、その他の金融資産、持分法で会計処理されている投資、繰延税金資産です。
(2) 製品別売上高情報
製品別の外部顧客に対する売上高は以下のとおりです。
(3) 地域別情報
顧客の所在地別売上高、地域別非流動資産(有形固定資産、使用権資産、のれん及び無形資産)残高は以下のとおりです。