事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
-
売上
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利益
-
利益率
最新年度
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
情報コミュニケーション | 16,607 | 47.0 | 594 | 34.1 | 3.6 |
ソリューションセールス | 11,849 | 33.6 | 259 | 14.9 | 2.2 |
半導体関連マスク | 6,081 | 17.2 | 441 | 25.3 | 7.3 |
不動産賃貸 | 775 | 2.2 | 447 | 25.7 | 57.7 |
事業内容
3【事業の内容】
当社グループは、当連結会計年度末において当社および関係会社16社(連結子会社13社、持分法非適用非連結子会社2社、持分法非適用関連会社1社)により構成されており、情報コミュニケーション、ソリューションセールス、半導体関連マスク、不動産賃貸の4つのセグメントにて事業を行っております。主な会社の、それぞれの事業との関わりは次のとおりです。
なお、当連結会計年度より、事業内容を明確に表現するため、セグメント名称を「印刷」から「情報コミュニケーション」、「物販」から「ソリューションセールス」へ変更しております。当該変更は名称変更のみであり、セグメント情報に与える影響はありません。なお、半導体関連マスク、不動産賃貸に変更はありません。
また、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。
①情報コミュニケーションセグメント
竹田印刷株式会社が商業印刷(カタログ、チラシ他)を中心とする各種印刷・ロジスティクス(BPOサポート)・システム関連・プロモーション支援を、日栄印刷紙工株式会社が紙器類の製造及びラベル・シール類の印刷を、株式会社光風企画が広告宣伝や販促プロモーション等の企画・制作を担当しており、東海プリントメディア株式会社は、日刊新聞の印刷を行っております。また、上海竹田包装印務技術有限公司が、中国における包装材・紙器類の企画・販売を、大連光華軟件技術有限公司が、印刷用データの制作を、それぞれ担当しております。TAKEDA PRINTING (Thailand) CO., LTD.は、包装用資材及び印刷物の企画・製造・販売を行っております。株式会社千代田プリントメディアは、商業印刷物、出版印刷物等の企画・制作を行っております。
2024年5月に設立いたしましたTAKEDA PACKAGING (Thailand) CO., LTD.は、本年9月の操業開始を予定にてパッケージ及び紙管の製造を担当いたします。
②ソリューションセールスセグメント
株式会社光文堂が、印刷機械、その周辺機器及び印刷資材の仕入・販売を、株式会社ウィルジャパンが、事務用品類等の企画・販売をそれぞれ担当しております。
③半導体関連マスクセグメント
竹田東京プロセスサービス株式会社が各種電子部品用のスクリーンマスク、フォトマスクの製造・販売等を、株式会社プロセス・ラボ・ミクロンが半導体パッケージ用バンプマスクや電子部品実装用メタルマスクの製造・販売等を、それぞれ行っております。PROCESS LAB.MICRON VIETNAM CO., LTD.は、ベトナムの顧客向けに電子部品実装用等のメタルマスクの製造・販売を行っております。TOKYO PROCESS SERVICE(Thailand)CO., LTD.は、タイにおける精密工業写真製版、スクリーン製版及び製版用資機材の製造・販売を行っております。富来宝米可龍(蘇州)精密科技有限公司は、中国の顧客向けに電子部品実装用等のメタルマスクの製造・販売を行っております。
④不動産賃貸セグメント
当社、および株式会社光風企画にて、連結子会社や外部顧客に対する不動産賃貸事業を行っております。
当社グループにおける事業の系統図は次頁のとおりです。
当社グループにおける事業の系統図
(注)1.無印は連結子会社、*は持分法非適用非連結子会社、**は持分法非適用関連会社であります。
2. → は製品、商品及びサービスの流れを示しています。
3.不動産賃貸セグメントは、竹田iPホールディングス㈱と㈱光風企画の2社で構成しております。
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態および経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が進むなか、個人消費の回復やインバウンド需要の増加などにより、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方で、継続する物価上昇、金融政策の見直し、中国の景気低迷、ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の緊迫化に加えまして、米国の関税政策による景気の下振れリスクが懸念されるなど、依然として先行きは不透明な状況となっております。
当社グループが事業活動を展開する国内の印刷市場では、ペーパーレス化の進展による市場の縮小、競争の激化、価格の低迷という構図が長期にわたり継続し、大変厳しい状況が続いております。また、エネルギー価格や物流費、人件費の高騰のほか、断続的に実施される印刷用紙の値上げが広告宣伝媒体のデジタル化(紙離れ)を一層加速させ、社内報、カタログ、チラシ等の商業印刷物が減少を続けており、以前の水準に回復することは困難な状況です。その一方で、半導体関連マスクにおきましては、世界的な半導体分野に対する成長期待が高まっており、さらなる市場拡大による成長が期待されております。
このような状況において、当社は2024年度を「守りの経営から攻めの経営へ転換する第二の創業年」、そして中長期に目指す姿を「社会の課題解決を総合的に支援するパートナー」として位置づけ、2024年度から2026年度までの3年間を対象とする中期経営計画「Takeda iP Create a Value Project」を推進しております。中期経営計画では、既存事業の収益力強化、大胆な事業ポートフォリオの変革、成長分野への積極投資、株主還元の強化、攻めの経営を可能とするガバナンス体制への変革などを実行し、PBR1倍超の早期実現など、さらなる企業価値の向上を目指しております。また、国内印刷市場の縮小に対応するため、海外事業を強化しております。
さらに、人的資本経営の更なる充実を図るため、当社と竹田印刷㈱にて「健康経営優良法人2024(中小規模法人部門)」の認証を取得するなど、従業員が能力を最大限に発揮できるよう心身の健康を保持増進するとともに、創造性や生産性の高い職場環境を実現する健康経営を進めております。
こうした取り組みの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
当連結会計年度末の資産の部は、受取手形及び売掛金、建物及び構築物、リース資産、投資有価証券などが減少いたしましたが、現金及び預金、機械装置及び運搬具、土地、建設仮勘定などの増加により、前連結会計年度末に比べ0百万円減少し、314億88百万円となりました。
負債の部は、電子記録債務などが増加いたしましたが、短期借入金、リース債務、繰延税金負債、退職給付に係る負債などの減少により、前連結会計年度末に比べ9億58百万円減少し、131億43百万円となりました。
純資産の部は、その他有価証券評価差額金などが減少いたしましたが、利益剰余金などの増加により、前連結会計年度末に比べ9億58百万円増の183億45百万円となり、自己資本比率は57.8%となりました。
b. 経営成績
当社グループの当連結会計年度における売上高は341億98百万円(前期比8.0%増)となりました。このうち、海外売上高は34億16百万円(前期比16.9%増)となり、海外売上比率は10.0%(前期は9.2%)となりました。利益面では、営業利益13億75百万円(前期比67.8%増)、経常利益14億78百万円(前期比58.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は12億48百万円(前期比46.7%増)となりました。
この結果により、中期経営計画の初年度目標を達成するとともに、公表しておりました2年目(2026年3月期)の目標(売上高340億円、営業利益13億円)につきましても、1年前倒しにて達成いたしました。
セグメント別の状況は、以下のとおりです。
当連結会計年度より、事業内容を明確に表現するため、セグメント名称を「印刷」から「情報コミュニケーション」、「物販」から「ソリューションセールス」へ変更しております。当該変更は名称変更のみであり、セグメント情報に与える影響はありません。なお、半導体関連マスク、不動産賃貸に変更はありません。
(情報コミュニケーション)
情報コミュニケーションでは、印刷物に限らない様々なソリューションを複合的かつ効果的に組み合わせたワンストップソリューションの提供により、顧客の課題解決を総合的に支援しております。その事業内容は、商業印刷を中心とする印刷事業、紙器・パッケージを世界へ供給するグローバルパッケージ事業、BPO(事務局、ロジスティクス)・DX・マーケティングを支援するロジスティクス(BPOサポート)事業、WEBサイト・システム・アプリなどの開発と運営を行うシステム関連事業、イベント受託・通販受託・物品製造販売・動画サイネージなどによるプロモーション支援事業で構成しております。これらの取り組みを強力に推進し、顧客にとっての価値(顧客価値)を創造し、その価値に見合った収益に結びつけることで業績向上に努めております。また、次世代を担う人材の採用と育成により、これまでの概念や思考に捉われない自由な発想で、新規顧客の開拓や新たな製品・サービスを提供し、印刷事業への依存度を低減する事業ポートフォリオ改革を進めております。
印刷事業では品質管理と情報セキュリティ管理を徹底し、紙媒体需要を着実に取り込みました。また、人件費の高騰に対する販売価格への転嫁が浸透し、業績が回復しました。グローバルパッケージ事業は国内外で好調に推移し、昨年設立しましたTAKEDA PACKAGING (Thailand) CO., LTD.では、本年9月の操業開始に向けた準備を進めております。ロジスティクス(BPOサポート)事業では、受発注管理システムのプラットフォーム「TS-BASE」にて新規成約の獲得を図るほか、キャンペーン事務局代行などのBPO受託を取り込みました。プロモーション支援事業のイベント受託では、顧客企業からの受託に加えまして、産官学連携のまちづくりプロジェクト「池袋ミステリータウン」に引き続き協賛し、通販受託におきましても堅調に推移しました。
上記の結果、情報コミュニケーションセグメントの売上高は166億7百万円(前期比4.5%増)、営業利益は5億94百万円(前期比69.9%増)となりました。
(ソリューションセールス)
ソリューションセールスでは、国内印刷市場の縮小により厳しい市場環境にありますが、印刷関連総合商社のリーディングカンパニーとして、日本全国に展開する拠点を活用し、顧客ニーズの発掘ときめ細かなフォローの徹底によるシェア拡大を図っております。
昨年3月に徳島営業所を設立し、四国地方にて営業活動を開始しました。また、2025年1月に印刷機材の総合展示会「Print Doors 2025(第61回光文堂 新春機材展)」を開催したほか、全国各地でのイベント出展による広告宣伝活動を積極的に行うとともに、新規顧客の開拓やものづくり補助金制度を活用した販売促進活動を強化しました。その結果、資材販売は堅調、機械販売は大型機械の販売もあり好調に推移したため、増収となりました。利益面では増収効果のほか、利益率の高い自社ブランド製品の販売を相応に確保したため、増益となりました。
上記の結果、ソリューションセールスセグメントの売上高は118億49百万円(前期比12.2%増)、営業利益は2億59百万円(前期比55.7%増)となりました。
(半導体関連マスク)
半導体関連マスクでは、竹田東京プロセスサービス㈱と㈱プロセス・ラボ・ミクロンの国内2社、そして中国と東南アジアに展開する海外3社が連携し、会社の垣根を越えた人事交流や情報共有による課題解決、新製品開発を組織的に取り組み、グループ全体最適とシナジーの最大化を目指しております。
世界半導体市場では回復の兆しが見受けられ、当社グループにおける各種マスク需要は回復基調で推移しました。しかしながら、中国経済の低迷や世界的なEV市場の失速などの影響もあり、本格回復には至りませんでした。分野別ではAIサーバー関連やスマートフォン、通信デバイス向けが好調に推移しましたが、自動車メーカーの品質不正問題に起因する生産停止やEV需要の減速により、自動車分野の出荷が低迷しました。海外では、市場低迷が続く中国におきましても堅実に業績を確保するとともに、タイでは受注が伸長し、ベトナムでは前期並みの業績を確保しました。
上記の結果、半導体関連マスクセグメントの売上高は60億81百万円(前期比10.3%増)、営業利益は4億41百万円(前期比128.1%増)となりました。
(不動産賃貸)
当社グループが保有する土地・建物などの有効活用を目的として、連結子会社や外部顧客に対する不動産賃貸事業を行っております。当連結会計年度の売上高は7億75百万円(前期比4.1%減)、営業利益は4億47百万円(前期比5.8%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ6億70百万円増加し、66億86百万円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、退職給付に係る負債の減少1億90百万円、法人税等の支払額3億59百万円などに対し、税金等調整前当期純利益13億19百万円、減価償却費9億19百万円、売上債権の減少7億16百万円などがあったため、28億16百万円の収入(前期は12億49百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻による収入2億円、補助金の受取額4億90百万円、差入保証金の回収による収入4億7百万円などに対し、定期預金の預入による支出2億円、有形固定資産の取得による支出16億円、差入保証金の差入による支出4億18百万円などがあったため、12億74百万円の支出(前期は6億27百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入2億円などに対し、短期借入金の減少3億10百万円、リース債務の返済による支出3億6百万円、長期借入金の返済による支出2億92百万円、配当金の支払額2億15百万円などがあったため、9億21百万円の支出(前期は6億円の支出)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前期比(%) |
情報コミュニケーション |
16,988 |
4.6 |
ソリューションセールス |
- |
- |
半導体関連マスク |
6,528 |
9.5 |
不動産賃貸 |
- |
- |
合計 |
23,516 |
5.9 |
(注)生産実績は、販売価額により表示しております。
(2)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前期比 (%) |
受注残高(百万円) |
前期比 (%) |
情報コミュニケーション |
16,836 |
23.4 |
2,326 |
10.9 |
ソリューションセールス |
11,900 |
5.9 |
1,008 |
5.3 |
半導体関連マスク |
6,102 |
10.9 |
166 |
15.2 |
不動産賃貸 |
- |
- |
- |
- |
合計 |
34,840 |
14.6 |
3,500 |
9.5 |
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前期比(%) |
情報コミュニケーション |
16,607 |
4.5 |
ソリューションセールス |
11,849 |
12.2 |
半導体関連マスク |
6,081 |
10.3 |
不動産賃貸 |
775 |
△4.1 |
消去 |
△1,115 |
△0.4 |
合計 |
34,198 |
8.0 |
(注)販売実績は、販売価額により表示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度(以下「前期」)に比べ25億28百万円増加し、341億98百万円(前期比8.0%増)となりました。賃上げによる人件費の高騰に対する販売価格への転嫁が浸透し、不動産賃貸以外の主要となる3つのセグメントにおいて増収となりました。また、当社では国内印刷市場の縮小に対応するため、海外事業を強化しており、海外売上高は34億16百万円(前期比16.9%増)、海外売上比率は10.0%(前期は9.2%)となりました。2024年5月に設立しましたTAKEDA PACKAGING (Thailand) CO., LTD.では、本年9月の操業開始に向けた準備を進めており、中期経営計画の経営指標であります海外売上比率12%以上の達成が視野に入ってきており、海外事業の拡充が着実に進んでいると認識しております。
売上原価は増収や賃上げによる影響もあり、前期に比べ17億87百万円増加し、268億87百万円(前期比7.1%増)となりましたが、売上原価率は前期の79.3%から78.6%へ改善しました。販売費及び一般管理費は賃上げの影響もあり、前期に比べ1億84百万円増加し、59億35百万円(前期比3.2%増)となりましたが、販管比率は前期の18.2%から17.4%へ改善しました。この結果、営業利益は前期と比べ5億55百万円増加し、13億75百万円(前期比67.8%増)となりました。
営業外収益は、前期と比べ13百万円減少し、1億47百万円(前期比8.4%減)となりました。営業外費用は、前期と比べ4百万円減少し、44百万円(前期比8.6%減)となりました。この結果、経常利益は前期と比べ5億46百万円増加し、14億78百万円(前期比58.6%増)となりました。営業外収益、営業外費用に特筆すべき事項はありません。
特別利益は、㈱プロセス・ラボ・ミクロンにおける本社工場の建替えおよび設備増強、九州工場のリニューアルなどの設備投資に対する国庫補助金等による補助金収入4億90百万円などを計上したため、前期と比べ2億47百万円増加し、5億47百万円(前期比82.3%増)となりました。特別損失は、前出の補助金により取得した固定資産の圧縮記帳に係る固定資産圧縮損4億64百万円、海外子会社のPROCESS LAB.MICRON VIETNAM CO.,LTD.における業務上横領に関連する特別調査費用等62百万円、当社元名誉会長各務芳樹氏のお別れの会関連費用26百万円、将来発生が見込まれる解体撤去費用引当金繰入額1億13百万円などを計上したため、前期に比べ5億28百万円増加し、7億7百万円(前期比295.7%増)となりました。
法人税等合計は、繰延税金資産の追加計上などにより、法人税等調整額(△は利益)を△2億80百万円計上したため、前期と比べ1億31百万円減少し、65百万円(前期比66.7%減)となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期と比べ3億97百万円増加し、12億48百万円(前期比46.7%増)となりました。
b. 経営成績等に重要な影響を与えた要因
国内の印刷市場では、ペーパーレス化の進展による市場の縮小、競争の激化、価格の低迷という構図が長期にわたり継続し、大変厳しい状況が続いております。また、エネルギー価格や物流費、人件費の高騰のほか、断続的に実施される印刷用紙の値上げが広告宣伝媒体のデジタル化(紙離れ)を一層加速させ、主力製品であります社内報、カタログ、チラシ等の商業印刷物が減少を続けており、以前の水準に回復することは困難な状況です。
その一方で、半導体関連マスクにおきましては、世界的な半導体分野に対する成長期待が高まっており、さらなる市場拡大による成長が期待されております。2024年度における世界半導体市場では回復の兆しが見受けられ、当社グループにおける各種マスク需要は回復基調で推移しました。しかしながら、中国経済の低迷や世界的なEV市場の失速などの影響もあり、本格回復には至りませんでした。
このような大変厳しい状況下において、業績が伸長した要因は、賃上げによる人件費の高騰に対する販売価格への転嫁が浸透したことに加えまして、これまで取り組んでまいりました事業構造改革の成果と認識しております。さらに、2024年5月14日に公表しました2024年度から2026年度までの3年間を対象とする中期経営計画に掲げております既存事業の収益力強化、大胆な事業ポートフォリオの変革、成長分野への積極投資、株主還元の強化、攻めの経営を可能とするガバナンス体制への変革などの各種施策を着実に実行していることも要因であると認識しております。中期経営計画の初年度である2024年度は好調に推移しましたが、今後もPBR1倍超の早期実現など、さらなる企業価値の向上を目指します。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりです。
(情報コミュニケーション)
情報コミュニケーションでは、印刷物の提供により顧客の広告宣伝活動を支援する従来型のビジネスモデルから領域を広げ、印刷物に限らない多種多様なソリューションを複合的かつ効果的に組み合わせたワンストップソリューションの提供により、顧客の課題解決を総合的に支援するパートナーへ、ビジネスモデルの転換を進めています。多様化する製品やサービスの収益性や成長性を見極め、さらなる事業強化と成長分野への積極投資を行っております。また、全体最適での生産設備の見直しによる低コスト生産体制の構築、ビジネスモデルにマッチした製造体制の再構築を進めています。労務費や物流費、原材料やエネルギー価格等の高騰には販売価格への転嫁だけでなく、品質を維持しつつコスト削減を実現するVA提案を積極的に行ってまいります。
今後も紙媒体需要の取り込みを継続してまいりますが、当社が持つ制作体制、情報セキュリティ体制、システム構築力を駆使し、ロジスティクスや各種BPO受託、WEB・システムや動画などのデジタル媒体を強化いたします。また、顧客におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進をビジネスチャンスとして捉えております。物流の課題をワンストップで解決する受発注管理システムのプラットフォーム「TS-BASE」には多くの引き合いをいただいており、サービスメニューの充実を継続しております。これらの取り組みによりセグメント内における事業ポートフォリオ改革を進め、今後も顧客の課題解決を支援してまいります。
また、国内外で紙器・パッケージを製造販売するグローバルパッケージ事業を成長事業として位置づけ、2024年5月にタイに新会社(TAKEDA PACKAGING(Thailand) CO., LTD.)を設立いたしました。当社グループの顧客では、東南アジア地域への事業拡大が進められており、顧客のグローバル生産体制に対応し、顧客ニーズに応えるための供給体制を整え、パッケージ事業の拡大を図ってまいります。他の事業会社とも連携して中核事業に育成するとともに、海外事業を強化します。
(ソリューションセールス)
ソリューションセールスでは、印刷関連総合商社のリーディングカンパニーとして、顧客ニーズの発掘ときめ細かなフォローの徹底によるシェア向上のほか、異業種を含めた新規顧客の開拓、利益率の高い自社ブランド製品の販売強化、それを支える人材育成などによる総合力で他社との差別化を図り、売上高と利益を確保してまいります。
厳しい市場環境にありますが、全国各地でのイベント出展による広告宣伝活動を積極的に行い、新規顧客の開拓やものづくり補助金制度を活用した取り込みを強化しました。また、2024年3月には新たに徳島営業所を開設し、四国地方における営業活動を開始いたしました。
一方、国内印刷市場の縮小による顧客における経営環境の悪化に加えて、新型コロナウイルス感染症の影響による関連倒産が世界的にも不安視されており、今後も与信管理面でも慎重な取引が求められる状況は続いております。
顧客のビジネススタイルや市場環境の変化に対応し、営業スタイルも変革してまいります。従来からの訪問による売り込み型の営業だけではなく、顧客の事業内容を熟知し、最適な製品やサービスを提案する、顧客にとってのナンバーワンのビジネスパートナーを目指しております。今後も常に良質な情報発信を行い、顧客に選ばれ、頼りにされるサプライヤーとしての地位を確立してまいります。
(半導体関連マスク)
半導体関連マスクでは、世界半導体市場において回復の兆しが見受けられましたが、本格回復には至りませんでした。分野別ではAIサーバー関連やスマートフォン、通信デバイス向けが好調に推移する一方で、自動車メーカーの品質不正問題に起因する生産停止やEV需要の減速により自動車分野の出荷が低迷するなど、市場全体としての本格回復にはもう暫く時間を要するものと予想しております。
海外では、市場低迷が続く中国におきましても堅実に業績を確保するとともに、タイでは受注が伸長し、ベトナムでは前期並みの業績を確保するなど明るい材料はありますが、米国の関税政策による景気の下振れリスクが懸念されるなど、先行きは不透明な状況となっております。
この環境下にて、当社グループでは市場が再び成長サイクルに入る機会に備えて生産体制を強化しております。2023年4月1日付けで当社の半導体関連マスク事業と東京プロセスサービス㈱が統合して誕生した竹田東京プロセスサービス㈱では、統合から2年が経過し事業活動が軌道に乗りつつあり、今後は生産性と収益性のさらなる向上を目指してまいります。㈱プロセス・ラボ・ミクロンでは、本社工場の竣工と生産設備の更新を行い、高精細化に対応した微細開口メタルマスクの製造を開始しました。これらの設備投資により生産性を向上させたため、中部テクノロジーセンターを閉鎖し、生産活動を他の工場へ移管するなど、低コスト生産体制の構築を進めております。
印刷事業ではマイナス要因となる「デジタル化の進展」が、本事業では逆に追い風となります。リスク分散の意味合いにおきましても、半導体関連マスクではグループ全体最適とシナジーの最大化を図るとともに、海外事業を強化してまいります。
c. 中長期的な目標に照らした経営成績の分析・評価
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)中長期的な会社の経営戦略」にて、2024年5月14日に公表いたしました、2024年度から2026年度までの3年間を対象とする中期経営計画の概要、「(4)目標とする経営指標」にて目標とする経営指標を記載しております。また、中期経営計画の初年度であります2024年度(2025年3月期)における実績値と進捗状況、今後の見通しについて評価・分析を行いご報告しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報
当連結会計年度におけるフリー・キャッシュ・フローは15億42百万円となり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は66億86百万円となりました。この金額は、運転資金、設備投資に必要な資金、将来の柱となる事業の開発あるいは取得に必要な資金として適正な水準であると考えておりますが、必要に応じて躊躇なく借入などのアクションを取り、タイミングを逃すことなく成長分野やM&A等への事業投資、株主還元の強化、人的資本やDX戦略への投資にも積極的に取り組んでまいります。
その施策の一つとして、今後の積極的な事業展開に必要な資金需要に対し、機動的かつ安定的な資金調達手段を確保することで財政基盤の強化並びに安定性向上を図ることを目的として、株式会社三菱UFJ銀行との間でコミットメントライン契約を締結しております。株式会社三菱UFJ銀行とは契約極度額15億円を個別相対方式、無担保・無保証にて締結しております。なお、当連結会計年度末における借入実行残高はございません。
③ 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。その作成に当たっては、決算日における資産・負債及び当連結会計年度における収益・費用の報告金額、並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会社方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」をご参照ください。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1.報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務諸表が入手可能であり、最高意思決定機関である取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、「印刷」、「物販」、「半導体関連マスク」及び「不動産賃貸」の4つを報告セグメントとしておりましたが、当連結会計年度から、従来、「印刷」としていた報告セグメントの名称を「情報コミュニケーション」に、「物販」としていた報告セグメントの名称を「ソリューションセールス」にそれぞれ変更しております。当該変更は名称変更のみであり、セグメント情報に与える影響はありません。なお、前連結会計年度のセグメント情報についても変更後の名称で記載しております。
2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、連結財務諸表を作成するために採用される会計方針に準拠した方法であります。
報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。
セグメント間の内部収益及び振替高は市場実勢価格に基づいております。
3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自2023年4月1日 至2024年3月31日)
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(単位:百万円) |
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報告セグメント |
計 |
調整額 (注)1 |
連結 財務諸表 計上額 (注)2 |
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情報コミュニケーション |
ソリューションセールス |
半導体関連 マスク |
不動産賃貸 |
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売上高 |
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(1) 外部顧客への売上高 |
15,866 |
10,193 |
5,514 |
95 |
31,669 |
- |
31,669 |
(2) セグメント間の内部売上高又は振替高 |
25 |
372 |
- |
713 |
1,111 |
△1,111 |
- |
計 |
15,892 |
10,565 |
5,514 |
808 |
32,781 |
△1,111 |
31,669 |
セグメント利益 |
349 |
166 |
193 |
475 |
1,185 |
△364 |
820 |
セグメント資産 |
8,283 |
6,935 |
6,129 |
5,305 |
26,653 |
4,835 |
31,488 |
その他の項目 |
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|
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|
|
|
|
減価償却費 |
370 |
42 |
344 |
18 |
775 |
38 |
813 |
のれんの償却額 |
- |
- |
3 |
- |
3 |
- |
3 |
減損損失 |
- |
- |
41 |
- |
41 |
- |
41 |
有形固定資産及び無形固定資産の増加額 |
222 |
19 |
1,144 |
4 |
1,391 |
31 |
1,422 |
(注) 1.調整額は、以下の通りであります。
(1) セグメント利益の調整額△364百万円は、セグメント間取引消去であります。
(2) セグメント資産の調整額4,835百万円は、セグメント間債権の相殺消去△351百万円、各報告セグメントに配分していない全社資産3,295百万円及び各報告セグメントに配分していない持株会社の資産1,891百万円が含まれております。全社資産は、主に長期投資資産(投資有価証券)であります。
(3) 減価償却費の調整額38百万円は、主に報告セグメントに帰属しない減価償却費であります。
(4) 有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額は、報告セグメントに属さない持株会社のものであります。
2.セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
当連結会計年度(自2024年4月1日 至2025年3月31日)
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(単位:百万円) |
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報告セグメント |
計 |
調整額 (注)1 |
連結 財務諸表 計上額 (注)2 |
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情報コミュニケーション |
ソリューションセールス |
半導体関連 マスク |
不動産賃貸 |
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売上高 |
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|
(1) 外部顧客への売上高 |
16,576 |
11,461 |
6,081 |
78 |
34,198 |
- |
34,198 |
(2) セグメント間の内部売上高又は振替高 |
30 |
388 |
- |
696 |
1,115 |
△1,115 |
- |
計 |
16,607 |
11,849 |
6,081 |
775 |
35,313 |
△1,115 |
34,198 |
セグメント利益 |
594 |
259 |
441 |
447 |
1,742 |
△366 |
1,375 |
セグメント資産 |
8,970 |
7,313 |
5,624 |
5,276 |
27,185 |
4,302 |
31,488 |
その他の項目 |
|
|
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|
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|
減価償却費 |
391 |
47 |
417 |
31 |
888 |
31 |
919 |
のれんの償却額 |
- |
- |
3 |
- |
3 |
- |
3 |
減損損失 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
有形固定資産及び無形固定資産の増加額 |
1,046 |
31 |
377 |
103 |
1,559 |
392 |
1,951 |
(注) 1.調整額は、以下の通りであります。
(1) セグメント利益の調整額△366百万円は、セグメント間取引消去であります。
(2) セグメント資産の調整額4,302百万円は、セグメント間債権の相殺消去△209百万円、各報告セグメントに配分していない全社資産2,554百万円及び各報告セグメントに配分していない持株会社の資産1,957百万円が含まれております。全社資産は、主に長期投資資産(投資有価証券)であります。
(3) 減価償却費の調整額31百万円は、主に報告セグメントに帰属しない減価償却費であります。
(4) 有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額は、報告セグメントに属さない持株会社のものであります。
2.セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
製品及びサービスの区分が報告セグメントと同一であるため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1)売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2)有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3.主要な顧客ごとの情報
連結損益計算書の売上高の10%以上を占める顧客が存在しないため記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
製品及びサービスの区分が報告セグメントと同一であるため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1)売上高
(単位:百万円)
日本 |
中国 |
タイ |
ベトナム |
その他 |
合計 |
30,780 |
2,432 |
428 |
377 |
178 |
34,198 |
(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
(2)有形固定資産
(単位:百万円)
日本 |
タイ |
中国 |
その他 |
合計 |
10,293 |
962 |
303 |
5 |
11,565 |
3.主要な顧客ごとの情報
連結損益計算書の売上高の10%以上を占める顧客が存在しないため記載を省略しております。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
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(単位:百万円) |
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情報コミュニケーション |
ソリューションセールス |
半導体関連マスク |
不動産賃貸 |
全社・消去 |
合計 |
当期償却額 |
- |
- |
3 |
- |
- |
3 |
当期末残高 |
- |
- |
3 |
- |
- |
3 |
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
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(単位:百万円) |
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情報コミュニケーション |
ソリューションセールス |
半導体関連マスク |
不動産賃貸 |
全社・消去 |
合計 |
当期償却額 |
- |
- |
3 |
- |
- |
3 |
当期末残高 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。