人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数979名(単体) 8,987名(連結)
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平均年齢40.8歳(単体)
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平均勤続年数13.0年(単体)
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平均年収9,981,219円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
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2024年12月31日現在 |
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セグメントの区分 |
従業員数(人) |
|
日本地域 |
1,351 |
[321] |
北米地域 |
1,206 |
[193] |
欧州地域 |
1,584 |
[187] |
中華圏地域 |
1,289 |
[85] |
オセアニア地域 |
308 |
[315] |
東南・南アジア地域 |
526 |
[69] |
その他地域 |
713 |
[5] |
全社(共通)等 |
2,010 |
[284] |
合計 |
8,987 |
[1,459] |
(注) 従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しております。
(2)提出会社の状況
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2024年12月31日現在 |
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
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979 |
[62] |
40.8 |
13.0 |
9,981,219 |
(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.セグメントは「全社(共通)等」であります。
(3)労働組合の状況
当社は、アシックスユニオンが結成されており、上部団体UAゼンセン同盟に加入しております。また、一部の子会社において、それぞれ個別に労働組合が結成されております。
なお、労使関係につきましては、とくに記載すべき事項はありません。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
①女性活躍推進法、育児・介護休業法に基づく開示
名称 |
管理職に占める 女性労働者の割合(%) (注)1.4. |
男性労働者の育児休業取得率(%) |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1.2.3.6. |
||
全労働者 |
うち正規雇用 労働者 |
うちパート・有期労働者 |
|||
当社 |
15.7 |
65.0 |
78.1 |
75.1 |
61.8 |
アシックスジャパン㈱ |
23.4 |
28.6 |
71.0 |
71.2 |
97.2 |
㈱ニシ・スポーツ |
3.7 |
0.0 |
72.5 |
71.6 |
76.8 |
アシックス商事㈱ |
13.5 |
63.6 |
48.9 |
55.8 |
71.2 |
山陰アシックス工業㈱ |
11.1 |
50.0 |
77.2 |
81.5 |
80.1 |
(注)1.労働者は、正規雇用の労働者及びフルタイムの無期化した非正規雇用の労働者を含んでおります。
2.パート・有期労働者は、パートタイマー及び有期の嘱託契約の労働者を含み、派遣社員を除いております。
3.全労働者は、正規雇用労働者とパート・有期労働者を含んでおります。
4.管理職に占める女性労働者の割合については、出向者を出向元の労働者として集計しております。
5.男性労働者の育児休職取得率については、育児・介護休業法に基づき算出しており、出向者は出向元の労働者として集計しております。
6.労働者の男女の賃金の差異については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。なお、同一労働の賃金に差はなく、役割別の人数構成に差があることによるものであります。
②連結会社
名称 |
管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1.2. |
男性労働者の育児休業取得率(%) (注)3. |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1.2.4. |
当社及び連結子会社 |
39.5 |
* |
71.6 |
(注)1.正規雇用の労働者及びフルタイムの無期化した非正規雇用の労働者を含めて算出しております。
2.管理職に占める女性労働者の割合については、出向先の労働者として集計しております。
3.「*」は海外関係会社の男性の育児休職取得率の集計を実施していないため、記載を省略していることを示しております。
4.労働者の男女の賃金の差異については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。なお、同一労働の賃金に差はなく、役割別の人数構成に差があることによるものであります。賃金は、基本給及び賞与等のインセンティブを含んでおります。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(Ⅰ)サステナビリティ
創業より、アシックスの使命は人々の心と身体を健康にすることです。そのためには、 人々が快適に運動やスポーツができる地球環境が不可欠です。 健全な心身、健やかな環境が将来世代まで続くよう、アシックスのブランドスローガン「Sound Mind, Sound Body」のもと、「人と社会への貢献」と「環境への配慮」の2つの柱を軸に取り組んでいます。
<マテリアリティ>
アシックスは、ステークホルダーにとっての重要性と企業戦略にとっての重要性の視点からマテリアリティ(重要テーマ)を評価しています。お客様、取引先、サプライヤー、投資家、NGO、業界団体などの外部のステークホルダーと、経営陣や従業員などの内部のステークホルダー、合計約500名に対して、インタビューやアンケートを実施し、その結果について社外の専門家による第三者意見も取り入れながらアシックス内部で議論を重ねてきました。2023年には、中計2026策定に合わせ、また欧州のCSRD※1への準備として、ESRS※2やSASBスタンダードのテーマをもとに、マテリアリティ評価を行い、9の重要テーマとその優先度を決定しました。2024年度にも見直しを行い、変更はありませんでした。今後も、サステナビリティ委員会で審議し、毎年見直しを行います。
※1 CSRD:Corporate Sustainability Reporting Directive.企業サステナビリティ報告指令
※2 ESRS:European Sustainability Reporting Standards.欧州サステナビリティ報告基準
<気候変動への対応>
スポーツは気候変動と密接に関係しています。健やかな心身の実現には、快適に運動・スポーツができる地球環境が不可欠です。その環境を守るためにも、アシックスでは気候変動への対応を最重要課題に位置付けています。
2019年6月、アシックスは「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を、スポーツメーカーとして世界で初めて表明しました。 気候変動関連のリスクと機会に関する情報について、TCFD提言に沿って開示を行っています。
(1)ガバナンス
アシックスでは、サステナビリティは経営に不可欠と考え、コーポレートガバナンスに反映されています。
サステナビリティのガバナンス体制については、取締役会が気候変動に関するリスクと機会を監督し、リスクマネジメント委員会が気候変動に関するリスクを、サステナビリティ委員会がCO₂削減目標の進捗評価・管理を含む気候変動に関する機会を管理しています。両委員会のメンバーは、執行役員と統括部長等で構成されており、代表取締役会長CEOがサステナビリティ委員会の議長を、代表取締役社長COOがリスクマネジメント委員会の議長を務め、両委員会は取締役会に報告を行います。サステナビリティ委員会は、全社のサステナビリティ戦略・目標・ロードマップ・アクションプランとその進捗の評価に加え、マテリアリティ評価とサステナビリティのビジネス戦略への統合に関する責任を負っています。サステナビリティ部は、マテリアリティ評価に基づいた中長期のサステナビリティ戦略設定と管理を担っており、「気候変動への対応」は優先度が高い重要テーマの一つです。委員会のメンバーは議論に参加し、情報・意見の提供、目標に対する進捗と、ロードマップとアクションプランの報告に関する責任を負っています。サステナビリティ部管掌役員は直接代表取締役会長CEO・代表取締役社長COOに報告を行います。各統括部での「気候変動への対応」に関連した目標に対する年間実績は、関連する執行役員・統括部長の報酬を決定する要素の一つです。
また、欧州を中心とした、非財務情報開示をはじめとしたサステナビリティに関する法規制について、アシックスヨーロッパとも連携し、社内でタスクフォースを設立のうえ、法規制内容の把握・対応・開示への準備を行っています。
(2)戦略
アシックスは2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロを目指し、バリューチェーン全体で循環型ビジネスモデルへの転換を進めています。当社の事業は、生産委託先工場をはじめとするグローバルなサプライチェーンに支えられており、各パートナーとの協働が不可欠です。そのため、主要サプライヤーには「グリーン調達方針」を展開し、取引要件として気温上昇を1.5℃に抑制するための排出目標の設定や、再生可能エネルギーの導入を求めています。2023年末時点で、フットウエアの戦略的1次生産委託先工場の80%が目標を設定・開示し、90%が再生可能エネルギーの調達計画を策定し、順次導入を進めています。アシックスは継続的な対話を通じてサプライヤーの現状や課題を把握し、必要なサポートを行いながら、バリューチェーン全体での循環型ビジネスモデルへの移行に取り組んでいます。
■シナリオ分析
経営企画部・経理部・財務部・生産統括部・サステナビリティ部が連携し、シナリオ分析を実施し、原材料価格の変動・製品表示規制の導入といった移行リスク及び気温上昇によるスポーツ時間の減少、台風、洪水の激甚化によるサプライチェーンの操業停止といった物理的リスクを特定しました。また、低炭素製品・サービスの開発・拡大を通じたイノベーション創出や顧客基盤の拡大といった機会も特定しました。リスクと機会の分析に当たっては、2030年・2050年を時間軸として設定し、1.5℃・2℃・4℃シナリオにおけるインパクトを試算し、対応策を策定しました。
この分析結果は代表取締役会長CEO・代表取締役社長COO、執行役員を含む経営層に報告され、事業戦略に統合されます。
※2022年度のデータに基づき算出
■リサイクルできるランニングシューズ「NIMBUS MIRAI」を発売
2024年は、リサイクルできるランニングシューズ「NIMBUS MIRAI」を発売しました。 アシックスを代表する高機能モデルのひとつであるGEL-NIMBUSと同等の品質や性能を保ちながら、アッパーの単一素材化等の取り組みを通じ、各素材をリサイクルできるようにしたのが特徴です。ランナーとともに環境への意識を高めていけるよう、使ったシューズを回収する取り組みも同時に行っています。
■製品のカーボンフットプリント表示
2023年に発売したGEL-KAYANO 30等の製品に、材料調達から廃棄における温室効果ガス排出量(カーボンフットプリント)を表示しています。第三者による認証を受けた計算手法により、何百ものデータを集計して数値を算出し、計算手法も開示しています。製品のカーボンフットプリントを表示することにより、透明性を高め、温室効果ガス排出量削減への知見を深めるとともに、お客様と一緒に気候変動へのアクションを取っていきます。
■パリ2024オリンピック・パラリンピック競技大会 TEAM JAPANへ提供するオフィシャルスポーツウェアでの取組み
パリ2024オリンピック・パラリンピック競技大会に出場するTEAM JAPANが着用するオフィシャルスポーツウェア、シューズ、バッグなどを「パフォーマンスとサステナビリティの両立」をコンセプトに作製・提供しました。「ポディウムジャケット」と「ポディウムパンツ」は、リサイクル材の採用や再生可能エネルギーの活用などさまざまな温室効果ガス排出量の削減施策を行い、前回大会と比較して約34%削減。製品のカーボンフットプリント表示も行い、今回算出したカーボンフットプリントの合計は、122トンCO₂e※でした。パリ2024オリンピック・パラリンピック競技大会の「クライメート・ポジティブな大会」を目指す方針に賛同し、算出したカーボンフットプリントの合計を超える200トンのカーボンクレジットを購入しました。このカーボンクレジットは信頼性や品質が担保されたパキスタンのマングローブ再生プロジェクト「デルタ・ブルー・カーボン」の支援に充てました。
※算出対象:JOCとJPCの全アイテム、AOC(オーストラリアオリンピック委員会)のポディウムジャケット、ポディウムパンツ、シューズ
アシックスはTEAM JAPANゴールドパートナー(スポーツ用品)、JPCオフィシャルスポンサー(スポーツ用品)です。
(3)リスク管理
危機発生の回避および危機発生時の損失を最小化するため、リスクマネジメント委員会を設置し、リスクの特定、分析、評価、リスク低減のためのオーナーの割当、アクション策定とモニタリング、報告を行っています。この内容は年に2回取締役会に報告され、気候関連のリスクもこのリスク管理プロセスに統合されています。
詳細は、当社ウェブサイトのリスクマネジメントをご覧ください。
(4)指標及び目標
当社は、スコープ1,2,3における温室効果ガス排出量について、2050年までにネットゼロを実現することにコミットしており、2030年までに63%削減(2015年比)する目標を掲げScience Based Targets initiative (SBTi)によって承認されています。
<温室効果ガス排出量削減目標>
※対象範囲は「購入した製品・サービス」と「販売した製品の廃棄」
*フットウエア工場の数値。2023年から再生可能エネルギーの導入を開始し、今後継続的に拡大予定
2050年ネットゼロに向けては、まずは2030年63%排出削減に向け、排出量の多いカテゴリでの削減を優先し、取り組んでいます。具体的には、主要サプライヤーへのグリーン調達方針の展開等を通じ、再生可能エネルギーの採用や再生ポリエステル材への切り替えを進めています。今後も、気候移行計画の精緻化と削減施策の実行に取り組んでまいります。
|
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2023年度 |
CO₂排出量 |
スコープ1+2 CO₂排出量(t-CO₂) |
21,659 |
|
スコープ3 CO₂排出量(t-CO₂) |
720,414 |
2023年度の実績は上記のとおりです。2024年度の実績は、2025年6月頃に当社サステナビリティウェブサイトにおいて公表する予定です。
<サプライチェーン上の人権尊重>
当社では2004年に生産委託先工場の監査を開始し、主要工場の約99%がアシックス基準を満たしています。2022年からは、責任ある調達の徹底とトレーサビリティと透明性の確保を目指し、新規工場と主力工場の監査に加え、これまで比較的監査の頻度が低かった低リスク工場についても、より詳細な実態把握を進めています。今後は、この水準を維持しながら、工場の自律的なCSR管理に役立つマネジメントシステムの導入を推進していきます。
(1)ガバナンス
アシックスのガバナンス体制には、人権に関する方針が組み込まれています。2022年に、社内外のステークホルダーとの協働による調査を経て、新たに「アシックス人権方針」を策定しました。この方針は、人権デュー・ディリジェンスの要素や優先領域を定めたもので、株式会社アシックス及びそのグループ会社に適用されます。また、リスクマネジメント委員会の管轄下に人権委員会を設置し、当社のサプライチェーン、社員、お客様を含むバリューチェーン全体の人権課題への取り組みの監督と助言をしています。審議の内容は取締役会へ報告されます。2024年は、サプライチェーン上の優先リスクへの対応、国際的スポーツ大会に関連する人権リスクへのモニタリング状況等が同委員会で報告されました。
(2)戦略
中期経営計画の一環として、当社は、バリューチェーン全体での人権デュー・ディリジェンスの実効性を高めるための取り組みを継続的に行っています。2024年はサプライヤー評価システム・体制の最適化、サプライチェーンでの人権デュー・ディリジェンスの強化、データ分析・活用によるリスクマネジメントの強化に取り組みました。
(3)リスク管理
アシックスはサプライヤー候補との取引を検討する前に、事前スクリーニングとリスク評価を実施しています。社内で承認された国のみから調達を行うことで、リスクの低減に努めています。また、当社は、サプライヤーがアシックスの方針と基準、及び関連法規を守ることを求めています。 そのため、第三者監査も含む定期的な監査によってリスクの把握を行っています。監査で問題が見つかった場合に工場とともに改善を進めるほか、 救済へのアクセスの仕組みも順次対象を拡大しています。また、トレーサビリティを高めることで当社サプライチェーンの透明性の向上を目指しています。
(4)指標及び目標
|
目標 |
2023年度 |
アシックスサステナビリティ基準を満たす1次生産委託先工場の割合(%) |
100 |
99以上 |
2023年度の実績は上記のとおりです。2024年度の実績は、2025年6月頃に当社サステナビリティウェブサイトにおいて公表する予定です。
(Ⅱ)人的資本
アシックスでは、働く従業員一人ひとりが、創業哲学「健全な身体に健全な精神があれかし」から導かれたブランド・スローガン「Sound Mind, Sound Body」を体現する存在であることを重視しています。また、グローバルな競争が激化する中、市場の多様なニーズに的確に対応し、新規ビジネスや付加価値創造を継続的に行っていくために「組織の多様性」も重視しています。中期経営計画2026ではGlobal Integrated Enterprise(GIE)への変革を目指し、「多様なバックグラウンドを持つ優秀な人財が思う存分力を発揮できる環境の整備」のため、3つの観点から取組みを実施し、経営基盤を強化していきます。またこの達成に向け、従来人事部が担っていた機能を2つに分け、ウェルビーイング推進部を新設しました。アシックスの人財戦略は、ブランド・スローガン「Sound Mind, Sound Body」を基盤とし、グローバルな競争力を強化するために、従業員の成長と多様性を重視したアプローチを採用しています。
(1)ガバナンス
・人事委員会の役割
人財育成のための教育投資も積極的に行っています。喫緊の課題は、次世代後継者の育成です。2021年7月に設立した人事委員会では、人財育成の仕組みに加え、グローバルに選抜した後継者候補人財の配置なども議論しています。
・人財開発の基本方針
アシックスは従業員の意欲を高め、個人の成長とともに会社が成長できる企業文化の醸成を目指しています。このために、様々なプログラムを通して、多様性を受け入れ、従業員一人ひとりが互いを尊重し、個性と創造性が発揮できる環境を整えていきます。
(2)戦略
1.従業員によるSound Mind, Sound Bodyの体現
・従業員への還元の実現
・従業員のWell-being推進により、エンゲージメントの高い職場を実現
・デジタルを活用した多様な働き方と成長機会の提供
2.グローバルでダイナミックな人財活用
・全世界からグローバルで活躍できる人財
・オペレーショナルエクセレンスを踏まえた最適人員数の実現
・適材適所に人財を配置し、人件費率13%を実現
3.ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)
・女性管理職比率の向上
・障がい者雇用の促進と環境の整備
・多国籍な役員構成の実現
①従業員によるSound Mind, Sound Bodyの体現
近年、従業員の心身の健康やワークライフバランスの重要性が高まっています。企業にとって、従業員一人ひとりが幸せを感じながら働くことができる環境を整備することは、生産性の向上や優秀な人財の確保・定着化にもつながります。 そこで当社では、従業員のウェルビーイングを重視し、その向上を図るための専門部署「ウェルビーイング推進部」を新設しました。この部門では、従業員の心身の健康管理はもちろん、キャリア形成支援、DE&Iやエンゲージメントの向上などを通じて、従業員が幸せを実感できる様々な施策を企画・実行していきます。
a.業界最高水準の報酬体系
業界最高水準の報酬体系を実現すべく、報酬体系及び報酬水準の見直しを進めています。報酬体系については、2024年度からプロフィットシェア型賞与(グローバル)や持株会を通じた譲渡制限付株式インセンティブ制度(アシックスおよびアシックスジャパン)を導入し、会社として利益を従業員にしっかりと還元すると共に、従業員が株主・投資家の皆様との一層の価値共有を進めていくことで、更なる企業価値向上を目指していきます。また、新卒初任給の引き上げや継続的な賃上げを通して、優秀な人財の獲得・定着を進めていきます。
b.エンゲージメント
・目的・方針
Sound Mind, Sound Bodyの実現に向け社員一人ひとりが仕事を通して働きがいを感じている状態が、イノベーションを促し、生産性を向上させ、お客様により良い製品やサービスを提供できると考えています。ASICSでは、Sound mind, Sound Bodyの実現には従業員のエンゲージメントは欠かせないものととらえ、以下のように重点的な活動をしています。
・重点的な活動内容
グローバル全体の従業員を対象に、年に2回のグローバルエンゲージメントサーベイを実施しています。このサーベイを通して、社員一人ひとりが働きがいを感じているか/組織改善の進捗などを確認するとともに、会社全体としてのアクションの検討をしております。
前回のエンゲージメントサーベイの結果を受けて、対面形式でグローバルミーティングを開催し、サーベイの設問内容を今の経営戦略に合った形でリニューアルしました。執行役員からのビデオメッセージ配信など率直な意見を促す環境整備にも注力した結果、グループ全体の92%の従業員から回答を得ることができました。
2024年のサーベイ結果に基づき、グローバルの強みである「Purpose(やりがい)」と「Empowerment(権限委譲)」の領域はさらに伸ばしていく方針を定めるとともに、課題である「Connection(繋がり)」と「Growth(成長)」の領域については、アクションプランを策定し、改善に向けた取り組みを開始しております。 また、上記の全社的な課題へ対応に加えて、各部門のリーダーが率先してアクションプランを設定・実行することで、エンゲージメントスコアの向上を目指しています。
・推進体制
グローバルエンゲージメントサーベイの結果を基に、人財開発や組織開発、事業の成長に向けた取組みを進めています。サーベイの実行・会社全体の組織状態の分析はエンゲージメント事務局が行い、各組織単位ではその組織長とメンバーがサーベイの結果を基にした対話を重ねることによりエンゲージメントの推進を図っています。
c.ウェルビーイング
・目的・方針
アシックスは、従業員によるSound Mind, Sound Bodyの実現のため、従業員とその家族のWell-being(身体的・精神的・社会的に良好である状態)を目指し、以下の5つの健康推進活動を中心に行っております。
(ⅰ)健康管理・増進体制の拡充
(ⅱ)ヘルスリテラシーの向上支援
(ⅲ)生活習慣の改善支援
(ⅳ)メンタルヘルス対応の強化
(ⅴ)多様な人財が活躍できる職場環境
・重点的な活動内容
2024年度の取組みとして「従業員1人ひとりのヘルスリテラシーの向上と定着」という方針のもと、戦略マップに基づき上記5つを重点項目とした施策を実施、効果検証を行っております。
(ⅰ)健康管理・増進体制の拡充
・健康診断項目、人間ドック補助の検討
・健康管理システムの構築
(ⅱ)ヘルスリテラシーの向上支援
・調べやすい環境の整備(ポータルサイトの整理、興味・関心に合わせた情報発信、情報のアーカイブ化)
・専門スタッフによる健康情報の解説(産業保健スタッフによる情報発信、医師によるセミナー)
(ⅲ)生活習慣の改善支援
・アプリなどを利用した参加型運動イベントの開催
・VDT※症候群に関する情報発信 ※PC/スマートフォン/タブレット等を扱う作業
・卒煙モチベーションに合わせた卒煙サポートプログラムの実施
(ⅳ)メンタルヘルス対応の強化
・日常に取り入れやすいメンタルヘルスケアに関するセミナー
・EAPの周知と活用促進
(ⅴ)多様な人財が活躍できる職場環境
・女性の健康とスポーツ啓発セミナー
・性差や年代におけるヘルスリテラシーセミナー
・推進体制
アシックスの健康推進活動は、Well-being committeeを中心に年度方針と計画に基づいて実行されており、進捗状況やその内容については社長COOが監督を行っています。
②グローバルでダイナミックな人財活用
・目的・方針
タレントマネジメントでは、グローバル経営幹部候補者の育成、及び社員一人ひとりの自律的な成長・キャリア形成を目指し、採用・育成・配置・評価・能力開発に関する仕組みをグローバル横断的に整えています。なお、ここにはサクセッションプラン(後継者育成計画)の推進も含まれます。
具体的には、2021年に立ち上げた人事委員会を中心に選抜された社員を対象としたASICS Academy(次世代リーダー育成選抜型プログラム)の実施や計画的なジョブローテーションによる潜在能力開発、働きやすい環境の整備(ダイバーシティ&インクルージョンや健康経営の推進)、従業員へのグローバルエンゲージメントサーベイの実施・結果分析・施策実施等に取組みなどを実施しています。
今後更に人財育成を加速させるために、サクセッションプランに基づく育成計画を作成し、国内外のチャレンジポストへの登用を実施しています。また上司部間でのキャリア開発プランに関する対話とアクションを通じ、会社全体での「育成・成長カルチャー」の醸成につなげます。
・重点的な活動内容
■次世代リーダー育成
・ASICS Academy
グローバルでビジネスをリードできる人財を、戦略的かつ早期に育成することを目的とし、2016年に「ASICS Academy」を立ち上げました。次世代リーダーとして選抜された社員を対象に、経営知識やDX活用を含む戦略思考を学ぶプログラムを実施しています。管理職以上を対象としたプログラムはグローバル全社から選抜されたタレントが英語を共通言語として参加し、直近3年間で22名が受講しました。また、習得した知識を業務で活用できるようキャリア面談を通してキャリアパスの実現につなげています。
・海外派遣プログラム(EBT)
海外派遣プログラムでは、語学、異文化体験、社会課題の理解、海外事業所メンバーとの交流等の“自分の目で見る経験”を通じて、視野の拡大とリーダーとしての成長を促す機会を提供しています。
・経営基礎研修
育成の機会を通じ、学習意欲や成長意欲を向上し、経営戦略・アカウンティング・データ活用/分析の基礎知識について理解します。
■キャリア開発サポート
・キャリアデザイン
階層別プログラム内や、キャリアの節目にあたるタイミングで、自身のキャリアを改めて考える機会を提供しています。また国内社員に向けたグローバルメンバーとの社内交流の機会も提供しており、外国籍の経営メンバーを交えたキャリアセッションも実施いたしました。
・キャリア面談
アシックスでは社員一人ひとりが自身のキャリアを意識し、成長の速度を上げていく事を目指した「キャリア面談」を導入しています。自身のありたい姿(キャリアビジョン)を描き、上司と共にその実現に必要な知識やスキル・経験を話し合い、今後実施すべきアクションを計画する機会となっています。
・各種ビジネススキル
上司の勧めや本人の希望で受講できる、eラーニングの学習コンテンツを用意しています。自分自身のキャリアを考え、成長に向けてこれらプログラム受講、業務の中で活用していくことで、ありたい姿に一歩ずつ近づいていきます。
■階層別
・新入社員研修
新入社員時には、社会人としての基本的なマナーやビジネススキル、アシックスの社員として働くための必要な知識を習得するためのプログラムを実施しています。また、アシックスがサポートしている各種スポーツイベントなどに派遣するスポーツマーケティング研修や自社工場、店舗での現場研修も実施しています。
・昇格時研修
昇格後の役職に必要なスキルのインプットと、新しく昇格した社員同士のネットワークづくりの場として、昇格時研修を実施しています。
・推進体制
月に1回開催の人事委員会では、副社長及び常務執行役員による組織・人財開発に関する活発な議論を行っています。また、グローバルサミットにおいてはグローバルでのタレントマネジメントについて議論を行います。
人事委員会で議論された人財開発方針や、グローバルで選抜した後継者候補人財の育成等については、取締役会/経営会議の決議を経た上で、人事部門(組織・人財開発機能)が推進・実行に移します。
③ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)
・目的・方針
アシックスは、「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(以下「DE&I」)」推進のビジョンに「One Team Stronger Together」を掲げています。DE&Iの推進は、ニーズの多様化するお客様に対してより良い製品・サービスを提供することにつながるだけでなく、従業員同士が相互の違いを認め、活かし合い、一人ひとりが自分の価値を実感できる環境を整えることにもつながります。最終的に組織内でのイノベーションが促進され、企業価値の向上に寄与すると考えています。 具体的な取り組みとしては役員構成における多国籍化の推進に加え、女性管理職比率グローバルで40%(アシックス単体では25%)以上という目標の達成および社内で障がい者雇用の促進と環境の整備に向けた施策を以下の通り推進しています。
・重点的な活動内容
(ⅰ)女性管理職比率の向上
数値向上に向けてアクションプランを地域ごとに作成し、国籍・性別・経験等多様な経営陣から構成されたグローバルDE&Iステアリングコミッティにて進捗をモニタリングしています。
(ⅱ)障がい者雇用の促進
障がい者雇用においてはグローバルで法定雇用率の有無など状況が異なるため、各地域に合う形で障がい者雇用を進めること、また特に日本においては変化する法定雇用率に対応するため、地域ごとにアクションプランを作成し、女性管理職比率同様にグローバルDE&Iステアリングコミッティにてモニタリングしています。 国内においては神戸2024世界パラ陸上競技選手権大会に国内アシックスグループ全社員が参加し、パラスポーツの魅力を感じる機会を作りました。
・推進体制
様々な性別、地域、カテゴリー出身の経営陣より構成されたグローバルDE&Iステアリングコミッティを中心として戦略が着実に実行されているか管理しながら活動を進めると同時にグローバル目標と各地域課題にアプローチする体制を整備し、グループ全体でDE&Iに取り組んでいます。
(4)人的資本の主な指標及び目標
|
|
2023 |
2024 |
エンゲージメント |
サーベイ回答率 |
89% |
92% |
エンゲージメントスコア |
68 |
73 |
|
コメント比率 |
54% |
58% |
|
DE&I |
女性管理職比率 (グローバル:2026年目標 40%以上) |
38.1% |
38.7% |
障がい者雇用率 (アシックス単体: 2026年目標 4%) |
2.6% |
3.1% |
(Ⅲ)税務方針
当社グループでは、各地域での公正な事業活動によって獲得した利益を、適正な納税を行うことで地域社会に還元し、企業としての社会的責任を果たします。また、各国の税務当局に誠意を持って事実に基づく説明・対応を行い、当局と良好な関係を維持するよう努めています。適時適切な税務申告・納付、税務当局からの求めに応じた税務情報等の提出を通し、指摘事項について合意した事項については適切な是正及び改善措置を講じます。
(1)ガバナンス
税務に関するコーポレート・ガバナンスは、当社グループ全体のガバナンス体制に包含されており、税務リスク等に関しては必要に応じて取締役会に報告を実施する等の監督体制を構築しております。更に、国内外関わらず、グローバルシステムインフラ上で、税務に関する報告を入手する体制を通じて、グローバル税務ガバナンス規程の実行、税務リスク管理を行っており、グループ横断的な税務課題を俯瞰し、税務情報を連携します。
(2)戦略
「アシックスグローバル行動規範」において「あらゆる国で、すべての適用法を確実に遵守して実務を行う」ことを明示しています。納税及び情報開示についても同様に、国、地域ごとの税務関連法令、国際機関等が公表している基準に従い、税務コンプライアンスの維持・向上に努め、適切な納税を行い企業の社会的責任を果たします。
また、OECD(経済協力開発機構)によるBEPS(Base Erosion and Profit Shifting)の趣旨を理解し、グループ間の移転価格取引は、原則として独立企業間価格で行い、国際的な所得の適正配分が実現するよう取り組んでいます。
(3)リスク管理
株主価値向上の観点から、税務リスクを極小化し、かつ、法令上、公正な範囲内で税負担の軽減措置等の適切かつ効果的な利用に努めます。さらに、税務ペナルティや二重課税による企業価値の毀損リスクの防止に努めています。
なお、法令等の趣旨を逸脱する解釈・適用による過度な節税行為である租税回避(タックスヘイブン)は行いません。
(注)1.上記金額は国税庁提出の「国別報告事項」に基づいて作成しており、連結財務諸表との直接的な関連はございません(各社の所在国で地域区分を行っております)。
2.上記開示項目は、EU Public CbCR(Country by Country Report)開示方式を準用しており、開示の義務化に予め対応しております。
3.収入金額は、外部及び内部売上の他、営業外収益と特別利益を含み、グループ間の受取配当金を除きます。
4.発生税額は、2023年12月期の当期利益に係る法人税であり、納付税額とは一致しません。