2024年12月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、財政状態に大きな影響を及ぼす可能性のあるリスクには次のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

(1)為替等のリスク

当社グループの当連結会計年度の売上高に占める米国、アジア、欧州、中近東、オセアニアなど海外市場に対する売上高は59.7%であります。これらの国々との取引におきましては大部分が外貨建ての決済を行っており、外貨建て取引は為替の変動リスクを負っております。これらの取引では先物為替予約などによるヘッジ策を講じておりますが、それにより完全に為替リスクが回避される保証はありません。同様に、樹脂材や板材といった当社製品に使用する輸入部材は日本円以外の通貨で決済しております。そのため、今後当社の予測を超える範囲で為替が変動した場合などは、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(2)カントリーリスク

当社グループは、米国、アジア、欧州、中近東、オセアニアなど世界各国において販売事業を、アジア、欧州において製造事業を展開しております。当社グループでは、これらの国のカントリーリスクを事前に調査、察知して対処するよう努力しておりますが、予測できない急激な政治的・経済的変動、あるいは租税制度などの大幅な改定、テロ・戦争の勃発、感染症などによる社会混乱は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(3)新製品開発

当社グループの主たる事業である筆記具の市場におきましては、付加価値の高い魅力的な商品・サービスを継続的に提供することが将来の成長を支える大きな要因であると考えております。しかしながら、今後ますます消費者のニーズが多様化し、商品サイクルが短縮化することが予想されます。さらに、急激なデジタルシフトにより筆記具に対する需要構造が大きく変化する可能性もあります。これらの市場環境の変化が、今後加速度的に進み、市場ニーズに合った魅力的な商品・サービスをタイムリーに提供できない、あるいは需要を十分にとらえることができない場合、当社グループにおける将来の事業の成長性と収益性に影響を与える可能性があります。

 

(4)資産の減損

 当社グループでは筆記具等の生産のための設備やのれん等を含む固定資産を保有しておりますが、急激な売上げの減少などにより収益性が悪化し、減損損失の認識が必要と判定された場合には、回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として認識いたします。また、当社グループでは市場価格のない株式等以外の有価証券を保有しておりますが、株式相場が大幅に下落した場合には、明らかに回復見込みがある場合を除いて減損処理を行います。これら資産の減損処理は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(5)情報システム

当社グループは、重要な情報の紛失、誤用改ざん等を防止するため、情報システムに対して適切なセキュリティを実施しております。しかしながら、停電、災害、ソフトウェアや情報機器の欠陥、停止、一時的な混乱、内部情報の紛失、改ざん、サイバー攻撃による情報漏洩やシステムの障害などのリスクがあります。このような事象が事業活動に支障をきたした場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(6)棚卸資産

 当社グループでは、「棚卸資産の評価に関する会計基準」を適用しており、販売目的の棚卸資産の収益性を期末において評価し、収益性が低下していると判断される場合には評価損を計上することになります。このため、当社グループの棚卸資産について、市場環境の急激な変化や消費者ニーズの変化により収益性が低下していると判断し評価損を計上する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(7)原材料等の調達や費用の高騰

 当社グループは、主な原材料として原油価格の影響を強く受ける樹脂材、需給バランスに加えて原産地国の資源政策、環境政策の影響を受ける金属材や板材を使用しております。これらの原材料が予期せぬ経済的あるいは政治的な事情により、安定的に調達できなくなった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。現在の原油価格や物流費の高騰が更に長期化する場合は当社グループの総利益や営業利益に影響を与える可能性があります。

 

(8)法規制

当社グループが行っている事業は、国内外の関連法規制を受け、その規制内容には保安安全に係るもの、環境や化学物質に係るもの、その他事業活動に関するものなど様々なものがあります。当社グループは、これらの法規制を遵守し、種々の事業活動を行っておりますが、将来的に法規制の大幅な変更や規制強化が行われた場合は、当社グループの活動の制限やコストの増加につながり、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(9)自然災害

当社グループは、東京に本社機能を持ち、神奈川県、群馬県、山形県及び栃木県に生産及び研究拠点があります。また、中国やベトナム、ドイツにも生産拠点を有しております。当該地域において地震、洪水、台風、津波を始めとする大規模自然災害や感染症などによるパンデミック等が発生した場合、本社機能の麻痺や生産及び研究活動が停止する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(10)サステナビリティに向けた対応

当社グループは、環境・社会に関するリスク評価等、リスク管理に積極的に取り組んでおります。具体的には、サプライチェーン全体での環境負荷低減に取り組むとともに、お客様や社員を始めとする当社を取り巻くステークホルダーとの関係性を通じて中長期的な企業価値向上と持続的な社会の実現に向けた取り組みなどを推進しております。しかしながら、環境・社会に関する法規制や社会要請に十分に対応できていない、またはこれらに違反する事態が発生した場合には、事業活動の大幅な停滞や停止、重大な対策費用の発生、さらには社会的評価の低下等につながり、当社グループの経営成績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)人的資本

当社グループの持続的な成長のためには、多様な人材の活躍が不可欠と考えており、従業員一人ひとりの能力を最大限に活かすことができる職場環境の整備に努めております。しかしながら、労働市場を巡る環境が大きく変化するなかで、適切な人材の採用・育成・定着が困難な状況に陥った場合には、当社グループの事業運営および成長に影響を及ぼす可能性があります。

配当政策

3【配当政策】

当社は、株主の皆様に対する利益還元として、安定的な収益を基盤とした累進配当を継続することを利益配分の基本方針としております。また内部留保金につきましては、収益力及び競争力の強化並びに新市場・新規事業への取り組みを目的として、研究開発、設備投資、販売体制の強化に充てていく所存であります。従いまして、株主の皆様に対する配当につきましては、再投資のための資金確保と安定的な配当継続を念頭におきながら、財政状態、経営成績、配当性向等を総合的に勘案することとしております。

剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回を原則としており、当連結会計年度の配当につきましては、中間配当金として1株当たり21.0円の配当を実施しており、期末配当金につきましては、1株当たり25.0円とすることを決定し、これにより年間配当金は46.0円(前連結会計年度から6円の増配)となり、当連結会計年度の配当性向(連結)は、22.5%となりました。中間配当及び期末配当金につきましては、2023年10月26日に公表いたしました「今後の特別配当の実施予定に関するお知らせ」のとおり、特別配当として合計2.0円を含んでおります。なお、当社は会社法第454条第5項に規定する中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。また、当連結会計年度は、財務状態や株価の推移等を勘案し、利益還元策のひとつとして、2024年8月8日付の書面決議において自己株式の取得を決議し、2024年8月9日から2024年11月29日の期間に643,700株の自己株式を取得いたしました。

次期(2025年1月1日から2025年12月31日まで)につきましては、年間48.0円として、中間配当金24.0円、期末配当金24.0円を予定しております。また、2025年2月13日開催の取締役会において自己株式の取得を決議し、1,000,000株を上限に自己株式の取得を予定しております。

 

なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額

(百万円)

1株当たり配当額

(円)

2024年7月30日

1,224

21.00

取締役会決議

2025年3月27日

1,441

25.00

定時株主総会