リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)セグメント別のリスクについて
猟銃事業
① 海外における政治・経済情勢の動向について
猟銃事業では、売上高の90%以上をブローニンググループ向けに販売しており、同グループの主要な販売地域である米国及び欧州をはじめとした海外の政治情勢に起因した市場動向の変化に大きく左右されます。政治情勢が大きく変化することによって、米国または販売地域における銃規制が大幅に強化された場合、新たな規制への対応による費用の増加や同グループからの受注数量が減少する可能性があります。
また、同グループとの輸出取引は円建てで行っており、当社グループとの取引における直接的な為替変動リスクは同グループが背負っております。しかしながら、経済情勢の変化によって為替の変動による急激な円高が起こった場合、または円高傾向が長期にわたる場合には、同グループとの価格交渉が必要となります。
さらに、ロシアによるウクライナ侵攻などの地政学的リスクが高まり、取引先や物流に影響を及ぼす事象が発生する場合などにおいても、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループとしましては、これらの外部要因に対して、OEM供給先であるブローニンググループと定期的な技術会議や月例ビデオ会議を開催することで関係の維持・強化に努め、良好かつ安定的な関係を構築することで、経営環境の変化に対応しております。
② 原材料の調達について
猟銃事業では、海外を含む多数の取引先から年間の生産計画を基に原材料・部品の調達を行っており、原材料・部品の標準化及び共通化、また重要部品調達先の分散、商社の有効利用、納期が遅延しがちな原材料・部品の先行調達等を図っております。
しかしながら、その原材料の特殊性から調達先が少数に限定されていることによるリスクや、規模の小さい調達先の倒産や事業撤退、罹災により納品がされなくなる等のリスクが考えられます。また、海外部品における当該購入国の政治・経済情勢等の変化による調達が困難となった場合や為替の変動による原材料価格の上昇を販売価格に転嫁できない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 製品及びサービスの欠陥について
猟銃事業では、当社製品を購入してくださるお客様に安心して使用していただくため、品質・安全に配慮した製品の開発・製造・販売に努めており、品質保証部を設置し、取引先に対する品質の維持に努めております。また万が一に備え、製造物責任に関する保険に加入しております。
しかしながら、大規模な製品の回収や製造物責任に関する賠償につながるような不具合・欠陥が発生した場合には、社会的信頼性に重大な影響を与えるだけでなく、多額の費用の発生及び売上高の減少等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
工作機械事業
① 顧客ニーズ及び市場動向について
工作機械事業は、深穴加工用ガンドリルマシンの製造、販売のみならず、消耗品であるガンドリルツールの製造、販売、他にも深穴明けの請負加工を中心に国内唯一の総合ガンドリルメーカーとして事業を展開しております。また、今後はさらに収益の拡大に向けて営業活動の強化を図るとともに、常に顧客ニーズや市場動向を的確に把握し、より高品質且つ高付加価値な製品の開発に取り組んでまいります。
しかしながら、業界のニーズの変化に的確に対応できず、またこれら製品開発が期待通りの進捗を見込めないことで市場占有率が低下した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 原材料における市場価格動向について
工作機械事業では、主要な製品の原材料として鋳鉄を多く使用しており、鋼材価格は市況により変動しております。
したがって、予期せぬ経済情勢の変化等により、原材料価格の上昇を販売価格に転嫁できず、またこれらの要因が長期化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
その他の事業
① 特定の取引先への依存について
自動車関連事業では、主力製品であるステアリングハンドルは、すべてトヨタ自動車株式会社で生産されている自動車向けであり、取引先と良好な関係を築いておりますが、さらなる顧客ニーズへの対応として、加飾ハンドルやカーボンニュートラルに対応した新製品の開発等に取り組んでおります。
しかしながら、市場分析や事業計画の予測とは異なる状況の発生等によって、主要取引先の方針変更により製品受注数量が減少した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)当社グループ共通のリスクについて
① 自然災害等について
当社グループは、大規模な自然災害や新型コロナウイルス感染症のような未知の感染症の世界的な流行など、不測の事態による生産活動の中断から生じる損害を最小限に抑えるため、生産設備に対し有効な防災点検及び設備保守、安全対策投資等のみならず、危機管理委員会の設置等、従業員の安全確保及び事業活動が再開できるよう努めております。
しかしながら、突発的に発生する災害や天災等の影響で、生産活動の停止による損害を被った場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 人財の確保及び育成について
慢性的な人財不足が懸念されるなか、当社グループを継続的に成長させるためには、人財の確保や教育、技術の伝承は非常に重要な要素となっております。当社グループは、積極的な採用活動を行うことにより、優秀な人財の確保に努めるとともに、教育研修制度の充実を図り、人財の育成に注力しております。
しかしながら、人財の確保及び育成が計画どおりに行えなかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 情報セキュリティについて
当社グループは、経営情報のみならず、取引先情報、開発情報等の内部機密、さらには従業員の個人情報等、事業を支える重要な情報を保有しており、当社グループが事業活動を継続していくなかで、これらの重要な情報を保護するために、情報セキュリティに関する従業員教育の実施、グループ各社のIT責任者による会議を定期的に行っております。
しかしながら、予測できないサイバー攻撃やコンピュータウイルスの侵入等により、製品開発情報、技術情報や顧客情報などが外部に漏洩した場合、損害賠償等の発生や当社グループのブランド価値の低下を招くなど、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 法令等遵守について
当社グループでは、会社法、金融商品取引法、法人税法、労働基準法等の一般的な法令に加え、各事業の運営に関わる各種法規制に対して常に最新情報の入手、対応に努めております。また、コンプライアンス委員会を設け、グループ全従業員に対してコンプライアンスハンドブックの配付、定期的な教育、啓蒙活動を行うことで、コンプライアンス体制を構築し、法令等遵守の徹底に向けて継続的に取り組んでおります。
しかしながら、万一法令・規則違反を理由とする訴訟や法的手続きにおいて、当社グループにとって不利益な結果が生じた場合には、社会的信用の低下等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、株主への利益還元を重要な経営の基本方針として、業績に応じた配当を安定的に継続することを重視しております。
当社は2007年1月26日開催の第75回定時株主総会において、剰余金の配当等を取締役会決議で行う旨の定款変更をご承認いただいております。当期におきましては、中間配当として1株につき金20.00円(配当金の総額60,033千円)、期末配当として1株につき金25.00円(配当金の総額75,041千円)の年2回の配当をいたしました。
内部留保につきましては、研究開発・生産設備の充実等戦略的な投資や財務体質の強化を図り、今後の事業発展に役立ててまいる所存であります。
なお、当社の剰余金の配当は、毎年10月31日を基準日とする期末配当、毎年4月30日を基準日とする中間配当のほか、基準日を定めて剰余金の配当をすることができる旨を定款に定めております。
また、当社は会社法第454条第5項に規定する中間配当を行うことができる旨、及び会社法第459条第1項の規定に基づき、取締役会の決議をもって剰余金の配当等を行うことができる旨を定款に定めております。
(注) 当期の中間配当に関する取締役会決議日 2023年6月9日
当期の剰余金の配当に関する取締役会決議日 2023年12月8日