2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    184名(単体) 1,043名(連結)
  • 平均年齢
    41.1歳(単体)
  • 平均勤続年数
    17.0年(単体)
  • 平均年収
    7,622,000円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2024年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

食品事業

 

392

〔204〕

海洋事業

 

274

〔70〕

機械事業

 

112

〔35〕

資材事業

 

26

〔11〕

バイオティックス事業

 

16

〔-〕

物流事業

 

154

〔186〕

その他

 

26

〔-〕

全社(共通)

 

43

〔14〕

合計

 

1,043

〔520〕

 

(注) 1 従業員数は就業人員であります。

2 従業員数欄の〔外書〕は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。

 

(2) 提出会社の状況

2024年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

184

〔71〕

41.07

17.00

7,622

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

食品事業

 

65

〔14〕

海洋事業

 

26

〔19〕

機械事業

 

24

〔13〕

資材事業

 

26

〔11〕

全社(共通)

 

43

〔14〕

合計

 

184

〔71〕

 

(注) 1 従業員数は就業人員であります。

2 従業員数欄の〔外書〕は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。

3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(3) 労働組合の状況

当社グループにはニチモウ労働組合が組織されており、日本労働組合総連合会に属しております。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 ① 提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

0.0

100.0

65.5

70.0

58.3

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

 

 ② 連結子会社

当事業年度

補足説明

名称

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業取得率(%)

(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

ニチモウフーズ㈱

5.6

47.6

76.6

56.1

はねうお食品㈱

14.3

47.6

52.9

66.8

㈱ヤマイチ水産

0.0

34.9

54.3

68.4

㈱小樽フーズ

0.0

29.8

29.8

マルキユー食品㈱

0.0

41.5

86.1

77.2

㈱ちかえフーズ

0.0

40.1

86.0

45.7

オホーツクニチモウ㈱

0.0

44.2

48.3

133.7

北海道ニチモウ㈱

0.0

63.1

64.6

52.6

西日本ニチモウ㈱

10.5

0.0

62.1

59.8

76.0

㈱ニチモウワンマン

0.0

53.1

75.1

29.7

㈱ニチモウマリカルチャー

16.7

56.9

62.1

24.6

㈱ビブン

6.7

71.8

71.1

62.2

㈱ソーエー

0.0

100.0

70.4

70.4

ニチモウバイオティックス㈱

42.9

85.3

85.3

ニチモウロジスティクス㈱

8.7

50.0

46.4

85.1

73.4

日網興産㈱

0.0

61.6

49.9

53.2

ニチモウインターナショナルINC.

28.6

38.2

38.2

ノールイースタントロール
システムズINC.

20.0

123.3

135.2

100.0

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(1) 当社グループのサスティナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

サスティナビリティ基本方針『持続可能な社会への航路を拓く』

当社は、2023年3月期から2025年3月期までの3ヵ年における「第137期中期経営計画(Toward the next

stage)」を2021年12月に策定・公表し、未来に向けた大きなチャレンジとして「サステナブル経営の推進」を掲げています。

① ニチモウが目指すサステナビリティへの考え方

ニチモウグループが目指すサステナブル経営は、創業以来の経営理念に則り、「浜から食卓までを網羅し

繋ぐ」を具現化すべく、グループの連携により、海の豊かな資源の保全および環境に配慮した生産と流通を

サポートする責務を果たすことで、中長期的な企業価値の向上に努めていくことを主眼としています。これ

は昨今の自然環境や天然資源への保全意識が高まっている社会において、漁業・水産業を主たる事業領域と

して事業を展開する当社グループに強く求められているところであり、果たすべき責務であると考えてい

ます。

 企業価値向上の観点から見ると、サステナブル経営を推進していく上で重要視している海面・陸上養殖や

自然環境下で生分解性を有するバイオマス資材など、持続可能な事業に対する注目度は高く、引き合いも

多くいただいております。

 またリスクマネジメントの面から見ると、海洋環境・資源への配慮を怠れば水産物の調達リスクが高まり、

温室効果ガス排出量の削減に向けた取り組みについても、今後導入が検討されている炭素税の導入による

コスト増など、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があり無視できません。

 以上のことから、現行のサステナビリティに配慮した事業活動を推し進めるとともに、新規事業への

取り組みにも着手し、コスト上昇以上の企業価値の向上に努めてまいります。

 また、これらの取り組みにおける計画・目標設定とその進捗・改善は、ISOのPDCAサイクルを活用して

管理・適正化を図ることで、最短ルートでの目標達成を目指してまいります。

② 国連グローバル・コンパクトに署名

当社は、国連グローバル・コンパクト(UNGC)に署名し、2023年5月に参加企業として登録されました。これにより、UNGCが定める「人権・労働・環境・腐敗防止」の4分野に関わる10原則の遵守・実践を通して、サステナブル経営を一層推進していきます。

詳細は以下のリンクからコーポレートサイトをご覧ください。

〇国連グローバル・コンパクトに署名

https://www.nichimo.co.jp/sustainability/policy/

〇人権・労働、環境、腐敗防止の方針

https://www.nichimo.co.jp/sustainability/policy/basic_policy.pdf

人権・労働、環境、腐敗防止の方針に関する詳細な情報については、2024年7月に公表予定の弊社記載の該当HPをご参照ください。

 

③ マテリアリティ(重要課題)

当社グループにおけるマテリアリティ特定のプロセスでは、UNGCが定める10原則を世界共通の課題と捉え、そこから当社グループが事業展開する漁業・水産業における課題と、自社のビジネス環境課題との整合性を意識して重視する課題の絞り込みを実施。2023年度、マテリアリティの決定および目標設定を行いました。今後は有識者やステークホルダーとのエンゲージメント、継続的な改善を実施することで、活動の精度向上に取り組んでいきます。


 

④ マテリアリティの特定プロセス

(a) STEP 1

マテリアリティの特定に際して各部署から担当者を選定し、基礎講座を開催。その後、環境・社会・ガバナンスの観点から、当社グループにおける現状の課題やあるべき姿をリスト化(社会課題の抽出)しました。

(b) STEP 2

この取り組みを中長期的な経営戦略とその計画に落とし込むため、改めて経営層を含めた教育を行い、UNGC4分野10原則やそれに付随する国際宣言・条約なども踏まえ、サステナビリティ推進委員会メンバー主導のもと「当社グループの企業活動における重要度」と「社会やステークホルダーに対する影響度」の2軸で重要課題をマッピングしました。

(c) STEP 3

この結果をもとに事務局でマテリアリティの素案を作成し、本委員会で審議・承認され、正式にマテリアリティとして特定されました。

 


〇マテリアリティの進捗状況

https://www.nichimo.co.jp/sustainability/policy/materiality.pdf

マテリアリティの進捗状況情報については、2024年7月に公表予定の弊社記載の該当HPをご参照ください。

 

(2)ガバナンス

当社グループは「サステナブル経営」の推進にあたり、2024年1月に代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ推進委員会を設置し、四半期ごと(計4回)にサステナビリティに関わる基本方針、事業活動や戦略の審議・監督を行うとともに、取締役会への報告を行います。

取締役会および本委員会は気候変動問題を考慮した目標設定や計画、その進捗管理および投資決定を行います。

また、2022年以降ISO統合マネジメントシステム(ISO9001+14001)を活用し、品質および環境配慮を重視した取り組みを行っております。この取り組みは経営陣のみならず、各部門単位で運営を行うことで、社員一人ひとりのサステナビリティに対する意識を醸成し、全体で持続可能な社会の実現に貢献するものです。


 

<2023年度の活動実績>

内部統制委員会

執行役員会

サステナビリティ推進委員会

開催4回

開催13回

開催1回

 

 


 

 

 

(3)リスク管理

① リスクの選別・評価プロセス

リスクおよび機会につきましては、ISO14001に基づく環境側面(環境に直接・間接に影響を与える要素)、環境法令、業界・事業環境における課題、ステークホルダーのニーズおよび期待などから、気候変動に関するリスクと機会をサステナビリティ推進委員会で、事業リスク等を内部統制委員会でそれぞれ1年に1回以上の頻度で洗い出しています。

② リスクの管理プロセス

気候変動に関するリスクおよび機会を踏まえ、各部門は環境目標を設定し、ISO統合マネジメントシステムに基づいて活動します。環境目標の達成度は四半期ごとに開催されるサステナビリティ推進委員会で進捗管理を行い、1年に1回以上の頻度で取締役会へ報告しています。

③ リスクの選別・評価・管理プロセスと総合的リスク管理の統合

当社グループが直面する具体的なリスクの識別・評価および、方針の決定は、内部統制委員会がその役割を担っております。リスク対策規程において自然災害や製品・サービスの不良・欠陥ならびに法務・コンプライアンス違反など当社グループを取り巻くリスクの管理を経営の重要事項として位置付けています。

また、万が一問題が発生した場合の対応として「危機管理のガイドライン」を定め、不測の事態が発生した場合でも迅速な対応を行い、損失の拡大を最小限に防止する体制を整備しています。

内部統制委員会は取締役会の監督のもと、代表取締役社長を委員長として年4回開催しています。気候関連リスクおよび機会とその対応策は、サステナビリティ推進委員会から内部統制委員会に提出され、全社リスクに統合されます。


 

 

(4) 重要なサスティナビリティ項目

上記、ガバナンス及びリスク管理を通して識別された当社グループにおける需要なサステナビリティ項目は以下のとおりであります。

・気候変動への対応について

・人的資本への対応について

それぞれの項目に係る当社グループのサスティナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 

① 気候変動への対応について

(a) 戦略

TCFDが提唱するフレームワークに則り、シナリオ分析の手法を用いて、将来的に気候変動が当社グループの事業にもたらす影響を特定・評価しました。2023年度の実施においては、気候関連の定量的財務影響の算出の範囲拡大と、リスクと機会に対する対応策の検討に取り組んでいます。シナリオ分析では、国際エネルギー機関(IEA)や、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表する複数の既存シナリオを参照しています。

 

リスク・

機会種類

リスク・

機会要因項目

事業インパクト

政策・

法規制

カーボンプライシングの導入

・カーボンプライシングが導入された場合、化石燃料の調達コストが増大する可能性がある。

※定量的財務影響の算出根拠:2030年度、2050年時点を想定したScope,2排出量にt-CO2あたりの炭素税価格を乗じて試算

再エネ調達比率に対する規制の強化

・再エネ調達比率に関する規制が強化された場合、再生可能エネルギー開発コストや、Jクレジット、グリーン電力証書などの調達コストが増加する可能性がある。

※定量的財務影響の算出根拠:2030年時点に現在と同程度のScope2排出量の再エネ証書(J-クレジット)を購入した場合の試算

化石燃料由来のプラスチックに対する規制の強化

・化石燃料由来のプラスチックに対する規制が強化された場合、包装資材や機資材に使用しているナイロン、ポリエステルなどプラスチック素材の調達コストが増大する可能性がある。

漁獲規制の強化

・漁獲規制の強化に伴う天然魚の漁獲量の減少により売上・収益が減少する可能性がある。

・養殖飼料向け天然原料魚の漁獲量が減少・調達コストが増加する可能性がある。

技術

気候変動に対応した養殖技術の主流化

・気候変動により、海水温の上昇、海洋生物の回遊ルートの変更、海洋の酸性化などにより漁獲高の大幅な減少という影響を受ける可能性がある。その場合気候変動に対応した養殖技術が必要となるが、当社グループがこうした技術への対応に乗り遅れた場合、生産コストが増大する可能性がある。

市場

環境配慮型製品需要の高まり

今後、環境に配慮した養殖用種苗・餌料調達ニーズが高まる可能性がある。当社グループが適した製品を供給できない場合、環境配慮を証明できない商品の需要減退による売上・収益の減少と、市場シェアを失う可能性がある。

急性物理的リスク

異常気象の激甚化

・主要な養殖・加工施設の一部は沿岸部にあり、これらは海抜2~5m程度に存在する。気候変動により台風、洪水等の発生頻度が高まる場合、設備損壊等による稼働停止などのため、売上・収益が減少する可能性がある。

※定量的財務影響の算出根拠:過去の自然災害に伴う休業等による売上損失額に対して、洪水発生頻度を乗じて試算

慢性物理的リスク

・気候変動による生育環境の変化

・海洋環境の変化による水産物の調達リスク

・水温上昇など海洋環境の変化に伴う天然魚・海面養殖魚の漁獲・生産量の減少により売上・収益が減少する可能性がある。

・養殖飼料向け原料魚の漁獲量が減少・調達コストが増加する可能性がある。

 

 

 

リスク・

機会種類

リスク・

機会要因項目

時間軸

発生

確率

影響度

総合

評価

影響額

 実施中・実施予定の対応策

政策・

法規制

カーボンプライシングの導入

中期

1.5℃シナリオ

試算結果

2030年 2.5億円

2050年 4.5億円

・連結範囲を対象にGHG排出量を計測。削減目標を立案し、達成に向けて対応

・再エネ使用、省エネ設備投資(ノンフロン機器への転換、電気使用量の削減等)の推進

・生産工場の最適化による生産効率向上

・包材のプラスチック使用量削減

・輸送効率化

(サプライヤーコスト増加に対して)

・保管料や物流コストの増加に対し、業界動向や関連法規制を注視しながら適宜対応

再エネ調達比率に対する規制の強化

中期

1.5℃シナリオ

試算結果

2030年 0.2億円

化石燃料由来のプラスチックに対する規制の強化

中期

 

漁獲規制の強化

短期

 

・養殖魚への代替に向けた養殖事業への投資・ノウハウの蓄積

技術

気候変動に対応した養殖技術の主流化

短期

 

・養殖魚への代替に向けた養殖事業への投資・ノウハウの蓄積

・水産物加工の安定供給体制の構築に向けた、省エネ化・エコシステムの導入と生産力強化に伴う支出の増加を計画している

市場

環境配慮型製品需要の高まり

中期

 

・食品残渣を活用し、環境に配慮した養殖飼料を研究開発・販売

・人口種苗の増産(ギンザケ・サーモン)による天然種苗の補完・置換え

急性物理的リスク

異常気象の激甚化

短期

2℃シナリオ

試算結果

~2050年 7.6億円

4℃シナリオ

試算結果

~2050年 22.7億円

・本社が主幹となり、各拠点のBCP対策を実施

・高リスク拠点の特定、移転、設備強化

・物流拠点の分散、見直しによるリスクヘッジ

・養殖施設、工場および冷蔵庫施設等の防災対策強化

・精度の高い気象予測での在庫管理

・事業継続計画(BCP)の策定・訓練実施

・物理的被害に備える保険制度への加入・見直し

・産地の分散化や調達先の多様化によるリスク低減

【養殖】

・浮沈式生簀の導入・施設の補強

・赤潮発生を予測し、被害を最小化

・陸上養殖への対応強化

慢性物理的リスク

・気候変動による生育環境の変化

・海洋環境の変化による水産物の調達リスク

短期

 

・外部環境変化に強い屋内での陸上養殖を展開

・投資・ノウハウの蓄積を継続

・代替たんぱく質などの生産および事業化に向けた技術開発

・取扱い水産物の資源状態調査の実施

・調達先の多様化

・代替飼料の開発(低魚粉配合飼料)

 

 

リスク・

機会種類

リスク・

機会要因項目

事業インパクト

製品
および

サービス

認証済み製品や低炭素製品への嗜好変化(陸上養殖)

・温暖化による水温変化などの外部環境に左右されず、省エネ・エコシステムで安定的な生産を行う陸上養殖による売上・収益の増加の可能性がある。

環境配慮型機資材への嗜好変化

・環境配慮認証を得た漁獲水産物・養殖魚や環境配慮型の機資材における需要向上による売上・収益の増加の可能性がある

低炭素製品への嗜好変化

(バイオマス漁網)

・石油由来の従来品のの代替として、製造・廃棄時のCO2排出量を削減する生分解性プラスチックを用いた海洋資材開発に取り組んでいる。これらはプラスチックに関する規制が強化された場合、売上・収益の増加の可能性がある。

低炭素製品への嗜好変化

(リサイクルプラスチック)

・廃棄漁網のリサイクルに取り組んでいる。ここでは高品質の再生ペレットの製造も行うため、プラスチックに関する規制が強化された場合、売上・収益の増加の可能性がある。

・省エネ技術導入、再エネ・燃料転換

・スマート養殖対応によるコスト低減

省エネ技術導入等によるエネルギーの消費量削減、効率化に伴う操業コストの低減の可能性がある

市場

ブルーカーボン市場への参画

・藻場造成における資材の提供やコンサルティング、ブルーカーボンクレジットの販売による売上・利益の増加の可能性がある。

 

 

リスク・

機会種類

リスク・

機会要因項目

時間軸

発生

確率

影響度

総合

評価

影響額

実施中・実施予定の対応策

製品
および

サービス

認証済み製品や低炭素製品への嗜好変化(陸上養殖)

短期

 

・外部環境変化に強い屋内での陸上養殖を展開

・投資・ノウハウの蓄積を継続

・環境配慮商品や認証品の取り扱い拡大

【養殖】

・陸上養殖の対応強化

・高温耐性品種の開発、養殖適地の探索

環境配慮型機資材への嗜好変化

中期

 

・MSCやMELなどの認証を取得、環境に配慮した水産物の取り扱いを継続。

低炭素製品への嗜好変化

(バイオマス漁網)

短期

 

・バイオ生分解性素材を使用し、環境に配慮した養殖機資材の研究開発・販売

・製造・廃棄時のCO2排出量を約50%削減するバイオマス漁網の実用化に向けた支出を計画

低炭素製品への嗜好変化

(リサイクルプラスチック)

短期

 

・廃棄漁網のリサイクルネットワークの構築を推進

・省エネ技術導入、再エネ・燃料転換

・スマート養殖対応によるコスト低減

中期

 

・安定した調達を行うために生産者との協業を強化

・省エネ技術導入やスマート養殖への対応によるコスト低減を提案

・エネルギー高効率な省エネ設備対応

(養殖)・AI、IoTを活用した効率化、省人化

市場

ブルーカーボン事業への参画

中期

 

・藻場造成における資材提供

・藻場が固定した炭素をブルーカーボンクレジットとして活用する計画を検討

 

 

 

 

(b) 指標及び目標

当社グループは、気候変動への対応として、2050年までにカーボンニュートラルを目指して、温室効果ガスの排出を削減し、エネルギーの効率的で持続可能な使用を促進するとともに、気候変動の緩和、適応に貢献する商品およびサービス等の開発・提供に努めます。

2024年に策定した環境方針においても、同内容を掲げ、ホームページ上で公開しています。

https://www.nichimo.co.jp/sustainability/policy/basic_policy.pdf

環境方針に関する詳細な情報については、2024年7月に公表予定の弊社記載の該当HPをご参照ください。

 

Scope1,2算定

当社グループは温室効果ガス排出量の把握を推進しており、今期の取組みとして、2022年度および、2023年度(一部推定値)の消費エネルギー実績をもとに、当社および主要な連結子会社を範囲として、Scope1とScope2の算出を実施いたしました。内訳は以下の通りです。

                                          単位:t-CO2

 

 

2021年度

2022年度

2023年度

Scope1

事業者自らによる
温室効果ガスの直接排出

4,533

5,459

5,857

Scope2(マーケット基準)

他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出

6,109

6,000

5,919

Scope2(ロケーション基準)

5,287

5,153

5,039

Scope1+2(マーケット基準)小計

10,642

11,459

11,777

Scope1+2(ロケーション基準)小計

9,820

10,612

10,896

 

※GHGプロトコルに則り、Scope1,2算定を実施。Scope1,2範囲としては、連結子会社を含む国内主要拠点を対象に算定。事業所、営業所はScope1,2算定対象から除外しています。

※Scope1,2の算定方法および排出係数等は、「地球温暖化対策の推進に関する法律」の「温室効果ガス排出量の算定・報告・公表制度」に基づいて算出。「排出係数算定・報告・公表制度における算定方法・排出係数一覧」および、「電気事業者別排出係数」の調整後排出係数(Scope3マーケット基準)と全国平均係数(Scope3ロケーション基準)、「フロン類算定漏えい量の算定・報告に用いる冷媒種類別GWP一覧」を使用。

※2022年度からScope1算定精度向上のため、フロン類の排出量を含めて算定しております。

※2023年度の算定値は、一部2024年1月~3月の消費エネルギー量を推定値として算定しております。

 

Scope3算定

当社グループはサプライチェーンにおける温室効果ガス排出量の把握に向けて、今回新たな取り組みとして、2022年度のScope3排出量(Scope1、Scope2以外の間接排出:事業者の活動に関連する他社の排出)の算定を実施しました。

単位:t-CO2

2022年度 算定値

Scope1+2(マーケット基準)+3 合計

サプライチェーン排出量

616,884

Scope1+2(ロケーション基準)+3 合計

616,036

Scope3

事業活動に関連する他社の排出

605,425

 

※Scope2マーケット基準の値で合計

単位:t-CO2

カテゴリ1

購入した製品・サービス

596,126

カテゴリ2

資本財

5,180

カテゴリ3

エネルギー関連活動

1,670

カテゴリ4

輸送、配送(上流)

1,960

カテゴリ5

廃棄物

12

カテゴリ6

出張

134

カテゴリ7

従業員の通勤

327

カテゴリ13

リース資産(下流)

16

 

※GHGプロトコルに則り、Scope3算定を実施。Scope3は基本連結での算定とし、カテゴリ5はデータ収集できた拠点のみの算定としています。

※Scope3の算定方法および排出係数等は、「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン」および「IDEA v2」に基づき算出。

※カテゴリ8:該当する活動はScope1,2で計上済み

※カテゴリ9~12、15:今後算定を検討

※カテゴリ14:該当なし

 

 

② 人的資本について

(a) 戦略

ニチモウグループの人材戦略について

100年以上の歴史を歩んできたニチモウグループにとって「従業員」はなによりも重要な経営資源=「人財」として位置付けており、企業価値向上の源泉です。漁業・水産業を主たる事業領域としているニチモウグループの強みは各事業分野における専門性、独自性が挙げられます。その強みを支えているのは、従業員一人ひとりがステークホルダーを巻き込んで業務を遂行する力量です。

これらを踏まえた人材戦略は、第137期中期経営計画の基本構想にもある「浜から食卓までを網羅し繋ぐ」のベースとなる『人(従業員)をより強い個に成長させて繋ぐ』ことです。

具体的に求める人物像は、価値観の異なる相手とも協力していける“柔軟性”、新たなビジネスチャンスに果敢に挑戦する“チャレンジ精神”、最後までやり遂げる“タフネスさ”を兼ね備えた人材を育成していくことです。

この考え方は、従業員一人ひとりの能力を最大限に発揮することで強い個を成長させ、その経験やノウハウを新たな価値を創造する事業に繋げて、中長期的な企業価値の向上、ひいては経営理念である「社会の公器」として業界を牽引していく未来へと繋いでいくということです。

 


 

「浜から食卓までを網羅し繋ぐ」を具現化する人材を育成するために、注力するポイントごとに区分けし、二つのSTAGEで中長期的な人材の育成を行ってまいります。

2023年

STAGE1(~2025年)

STAGE2(~2028年)

~2030年

 

(現状把握)

・全社アセスメント、若手従業員面談などを通した現状における課題・問題の洗い出し

(新たな施策の導入)

・長期的に求める能力の明確化

・新たな教育機会の提供

・人事評価制度の見直し

・社内DX化に向けた取り組み

(人材の新たな活用)

・女性管理職

・グループ間交流

・ジョブローテーション制度

(未来へ繋ぐ)

「浜から食卓までを網羅し繋ぐ」具現化できる人材を創出

 

 

 

 

 

 

 

(b) 指標

全社アセスメント

2022年秋に第一回の全社アセスメントを実施しました。アセスメントでは、自身の担当業務や、人間関係を含む身の回りの職場環境への満足度が高い等、従業員の所属部門レベルでのエンゲージメントの高さを確認できました。その一方で「全社ビジョンの共有」「業務の在り方」「人事評価制度」等に関する改善余地も確認され、具体的な改善対応を進めています。その他、アセスメントを通じ収集した従業員の声に対して、従業員満足度アップに向けた様々な施策に反映してまいりました。例えば、時差出勤制度の導入や、在宅勤務制度の検討、福利厚生(独身寮)の改善、賃金ベースアップ等です。今後も継続的にアセスメントを実施し、従業員意識の変化を観測すると共に、新たな施策の検討に役立ててまいります。

 

業務の可視化

アセスメントを通じ、業務の進め方に関する課題を確認し、業務可視化の取組みを進めています。従業員への個別ヒアリング等を通じ事務業務の実態把握を進める中で、会社全体における改善余地が見えてきました。幅広い事業展開はニチモウグループの大きな特徴で、部門ごとに事業環境に合わせた業務の“個別最適化”が進められてきましたが、業務を全社レベルで平準化するといった“全体最適”の維持・推進が今後の課題となります。ニチモウグループはこれを「業務の属人化の解消」や「業務効率改善」の大きなチャンスであると捉えています。経営テーマである部門連携を業務においても推し進め、適正な役割分担の再考と、組織に横串を刺すシステムの導入により、全社レベルで業務の在り方を改革してまいります。

 

アセスメント


 

 

KPI進捗

 

項目

KPI

進捗

1

人事上の情報、

施策の可視化

KPIISO30414の認証取得

・ISO30414の11領域を参考にニチモウグループの注力領域として「多様性」「生産性」「スキルと能力」「後継者育成」の4つを重点項目に選定

2

グループ全体としての

ビジョン共有

理解度100%

・139期中にパーパス設計し、グループ全体へ発信予定

・グループ内への方針浸透のための新たなサステナブル系研修の枠組みを新設予  定

3

人材定着、

育成プランの作成

離職率5以下

離職率1.8% ※単体実績

・人事評価制度の一部を改定し、業績・戦略・行動の評価バランスを改定

・引き続き、同一労賃等の法対応や社員のキャリア観の変化など、時代環境に即した制度への改定を検討中

・労務管理の徹底は社員定着における大前提と位置付け注力。グループ企業の管理レベルの底上げがテーマ

4

ダイバーシティ

女性採用比率50

女性採用比率22.2

女性管理職比率10%以上

女性管理職比率0%

男性育休取得率100%

男性育休取得率100% ※単体実績

・定着支援策と安定採用を通じ、将来の女性管理職候補を育成中

・育児介護と就労の両立を目的に在宅勤務制度をトライアル中

・単体においては男性育休取得率100%を達成し、グループ企業での推進がテーマ

 

 

また、当社グループでは、上記「②人的資本について(a) 戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標については、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われてはいないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、上記「②人的資本について(b) 指標 KPI進捗」に、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。