2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    692名(単体) 1,300名(連結)
  • 平均年齢
    43.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    17.0年(単体)
  • 平均年収
    8,772,142円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1)  連結会社の状況

2024年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

日本

1,003

(2,154)

欧州

30

(6)

北米

48

(2)

南米

26

(-)

アジア

184

(8)

全社(共通)

9

(2)

合計

1,300

(2,172)

 

(注) 1.従業員数は、就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、嘱託、臨時雇用者は除き、執行役員は含めております。

   2.臨時雇用者数(定年後の再雇用社員を含む。)は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない当社の社長室及び秘書室に所属しているものであります。

 

(2)  提出会社の状況

2024年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢

平均勤続年数

平均年間給与(円)

692

43歳4ヶ月

17年8ヶ月

8,772,142

(1,330)

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

日本

683

(1,328)

全社(共通)

9

(2)

合計

692

(1,330)

 

(注) 1.従業員数は、就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、嘱託、臨時雇用者は除き、執行役員は含めております。

2.臨時雇用者数(定年後の再雇用社員を含む。)は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない社長室及び秘書室に所属しているものであります。

4.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(3)  労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

(4)  管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 提出会社

当事業年度

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

43.2

66.7

40.5

67.5

27.8

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日時点において当社グループが判断したものであります。

当社グループは、「人は一人では生きていけない」という創業当時からの思いのもと、お互いにおもいやりを持って、支え合い、助け合う心を大切にしております。この度、サステナビリティに関する考え方として、『世界中をみんなの笑顔でつなぐ』∼Sustainability for Smiles∼を策定しました。これからも私たちは、世界中のすべての人と社会に寄り添う取り組みを通じて、次世代に続く笑顔を共創します。

当社グループは、全社横断的な視点からサステナビリティ方針の策定及びサステナビリティに関連するアクションの推進、モニタリングを実施することを目的として、サステナビリティ委員会を設置し、持続可能な事業活動に向けた議論を行っております。

また、10年先にわたる事業環境分析を行い、創出価値により解決に取り組んでいく重要課題「Well-Beingの充足」等と、ESGの観点で解決に取り組んでいく重要課題「地球環境への配慮」等、10の「サンリオ・マテリアリティ」を特定しました。事業活動の創出価値を最大化させるとともに、重要課題の解決に貢献し、世界中で笑顔が生まれる持続可能な社会の発展に貢献することを目指してまいります。「サンリオ・マテリアリティ」のアプローチについては、それぞれの項目にKPIを設定し、進捗を管理しております。

 

サンリオ・マテリアリティ(10の重要課題)

<「創出価値」の観点で取り組む重点テーマ>

マテリアリティ

テーマ

取り組み理由

アプローチ

Well-Beingの充足

すべての人と社会へ寄り添う​

サンリオは創業以来、思いやりを持って助け合う心を大切にしてきました。これからも人々に寄り添う事業を展開し、すべての人と社会を応援します​。

・子どもや若者が「ありのままの自分」を受け入れる気持ち(自己肯定感)を後押しします​

・病気・障がいや、虐待・介護などの困難な状況にいる子どもたちの不安に寄り添います。

クリエイティブの民主化

クリエイティブの楽しさをみんなに​

サンリオの強みであるクリエイティブ力を生かし、その楽しさを多くの人へ知ってもらいたい。その思いを胸に、これからも私たちはクリエイティビティ(創造性)を身近なものにしていきます。

・ファンと企業が共創するための仕組みやプラットフォームを整備し、自己表現を身近なものにします。

・子どものクリエイティビティを育むための機会を提供します。

子どもの教育水準の向上

楽しみながら学べる機会を​

サンリオはエデュテイメント(エンターテイメント×教育)を通して、子どもたちに教育の楽しさを伝えています。これからも、サンリオならではの子どもを惹きつけるノウハウを活かして、子どもたちの教育に向き合っていきます。

・子どもたちが「楽しく学ぶ」ことを可能にする機会を提供します​

・経済的事情などにより、教育/体験の機会が少ない子どもたちを支援します。

国境・世代を超えた社会のつながり強化

世界中の人と人とをつなぐ​

130の国と地域に事業を展開しているグローバルエンターテイメントカンパニーとして、世界の人々のつながりを大切にしています。サンリオのアセットを活かし、これからはデジタルでも人と人をつなげていきます。

・孤独や孤立を抱える人々が国境・世代を超えて、社会的つながりを育む機会と、プラットフォームを提供します​。

・社会課題解決を目的としてソーシャルセクター(NPO・NGOや国際機関など)の基盤強化と連携を図ります。

 

 

マテリアリティ

テーマ

取り組み理由

アプローチ

社内外のヒトへの投資

ヒトへの投資で笑顔をつなげる​

サンリオは、全授業員が笑顔でいるからこそ、世界中の人々を笑顔にできると考えています。また、未来を担う人材への応援を通じて、世界中に笑顔を広げることをめざしています。

・サンリオグループの全授業員が楽しく健康的に働ける環境を整え、エンゲージメント向上に繋げます​

・アスリートやクリエイターの育成支援をはじめ、次世代のエンターテイメントを担う新たな才能を応援します。

ダイバーシティの実現​

企業と社会全体のダイバーシティ実現​

グローバルで活躍する企業として、性別や国籍、障がい等に関わりなく、多様な人々が輝ける社会を目指します。

・多様な人材が真価を発揮できる企業を目指し、活躍しやすい環境を整えます。

・「障がいがあっても楽しめるエンターテイメント」の提供と、コンテンツを通じて障がいやマイノリティへの理解を深められる機会を増やし、社会全体のダイバーシティ実現に貢献します。

 

 

<「ESG」の観点で取り組む重点テーマ>

マテリアリティ

取り組み理由

アプローチ

地球環境への配慮

サンリオの商品・サービスを持続的に提供していくためにも、地球環境に配慮した事業を行うことが私たちの責任だと考えています​。

GHG排出量の削減など、事業活動における環境配慮の取り組みを徹底します。

人権の尊重

企業理念「みんななかよく」を達成するために、サンリオは子どもたちへの模範となる責任があると考えています。人権を尊重し、世の中の規範となるビジネスをめざします​。

人権尊重ルールを明文化し、サプライチェーン全体での遵守を徹底します。

顧客のプライバシー&データセキュリティ

サンリオはSanrio+をはじめとした様々なデジタル分野へ進出しています。これからもお客様に信頼される企業をめざし、安全、安心なサービスをお届けすることが私たちの責任だと考えています​。

お客様への安心・安全なデジタルサービスの提供と、情報セキュリティの徹底

ガバナンスの透明性・可視化

サンリオは、サンリオ・コンプライアンス憲章の遵守をはじめとした、経営の透明性を高めるガバナンス強化を行う責任があると考えています。​

信頼される企業として、透明性のある健全な企業運営を行います。

 

 

(1) ガバナンス

当社グループは「みんななかよく」を企業理念としており、環境・社会問題、労働慣行・人権への配慮を含むサステナビリティは、長年に亘り重要視してきた経営課題であります。グループとして持続可能な社会の実現に貢献することを目的に、解決すべき10の重要課題「サンリオ・マテリアリティ」を特定し、企業価値向上の視点からも積極的に取り組んでおります。具体的には、当社グループのサステナビリティ経営への取組強化を目的として、委員長を代表取締役社長、事業戦略本部担当取締役を副委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置しております(年4回)。営業部門等の担当役員、GM、グループ子会社社長等も含むメンバーで構成され、サステナビリティ課題の特定や見直しを始めとして、気候変動などの「環境問題」、ダイバーシティや労働環境・人権などの「社会問題」に関する施策・方針、取り組み状況などについて同委員会で定期的に議論を行っております。重要事項等については、経営会議での審議・議論を経て、取締役会へ報告されております(年4回)。なお、取締役会は、目標設定や取り組みの進捗状況等について監督の役割を負っております。

 

体制図

 


 

 

(2) 戦略

① サステナビリティ全般

当社グループは、ビジョン実現のための創出価値を「心を癒し、人と環境に寄りそう」「生活に楽しみを増やす」「人と人とをつなげる」「人々の自己表現を後押しする」「エンタメの力で社会課題を解決する」と定めまた、その価値創出の基盤として、「価値創造を行うヒトそのもの」「異なるバックグラウンド・ケイパビリティのヒトによる共創」を重要視しております。また、それらの創出価値を持って対処していくべき重要課題(マテリアリティ)を「Well-Beingの充足」「クリエイティブの民主化」「子どもの教育水準の向上」、「国境・世代を超えた社会のつながり強化」「社内外のヒトへの投資」「ダイバーシティの実現」と定め、創出価値の拡大と重要課題の解決に貢献するための取り組みを推進しております。

 

② 気候変動

当社グループは、TCFD提言に沿ってシナリオ分析などを行い、気候変動にともなうリスクと機会を特定しています。2023年のシナリオ分析では、2035年時点における「脱炭素へ向けた移行リスク・機会」「気候変動の進行による物理リスク・機会」それぞれについて影響度評価を実施しました。

 

(影響度評価に用いたシナリオ)

シナリオ概要

参照

1.5℃・2℃シナリオ

産業革命以前と比較して、世界の平均気温上昇を1.5℃・2℃に抑えるシナリオ。国際的な目標に向けて、厳しい環境規制の導入や環境関連技術への大規模な投資が行われると想定。

・国際エネルギー機関(IEA)

 NZE2050、SDS、STEPS

・気候変動に関する政府間パネル(IPCC)  RCP2.6、SSP1

4℃シナリオ

産業革命以前と比較して、世界の平均気温が4℃以上上昇するシナリオ。環境規制の導入が遅れ、各国が温室効果ガスの排出を抑えることができず、気候変動の進行に伴い、豪雨や洪水等の異常気象が増加すると想定。

・気候変動に関する政府間パネル(IPCC)  RCP8.5、SSP3、SSP5

 

 

移行リスクについては、炭素税の導入や温室効果ガス(GHG)排出規制の強化、再エネ賦課金の負担増加、エネルギーコストの上昇などによって、施設・店舗の運営やサプライチェーンなどにおける財務負担が増加する可能性があると分析しています。また、物理リスクについては、異常気象が増加することで施設・店舗の被害や営業機会の損失が生じる可能性があると分析しています。

一方、機会については、「サンリオピューロランド」のような屋内型テーマパークは、異常気象増加の影響を受けにくいため、競争優位性が向上する可能性があります。また、ショップ展開、商品、デザイン、ライセンスビジネス、価値体験ビジネス、それらを包括するエンターテイメントビジネスすべてにおいて、時代に対応し、先進していくことで、気候変動を含む社会的変化へのレジリエンスが高い組織をつくり競争優位性を向上させられるよう努めていきます。

 

環境データ

 

開示情報

詳細

2022年度

GHG排出量(t-CO2eq)

(注)2、3、4

Scope 1

 

1,597.7

Scope 2

 

9,056.6

Scope 3

 

106,713.8

上流

カテゴリ 1 購入した製品・サービス

92,573.3

カテゴリ 2 資本財

6,141.9

カテゴリ 3 Scope1,2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動

1,855.1

カテゴリ 4 輸送、配送(上流)

5,410.8

カテゴリ 5 事業から出る廃棄物

337.5

カテゴリ 6 出張

113.0

カテゴリ 7 雇用者の通勤

281.4

カテゴリ 8 リース資産(上流)

算定対象外

下流

カテゴリ 9 輸送、配送(下流)

算定対象外

カテゴリ 10 販売した製品の加工

算定対象外

カテゴリ 11 販売した製品の使用

0.9

カテゴリ 12 販売した製品の廃棄

算定対象外

カテゴリ 13 リース資産(下流)

算定対象外

カテゴリ 14 フランチャイズ

算定対象外

カテゴリ 15 投資

算定対象外

Scope1、2、3合計

117,368.2

 

(注)1. 株式会社サンリオ、株式会社サンリオエンターテイメント、三麗鷗(上海)国際貿易有限公司、Sanrio, Inc.にて集計しております。

(注)2. 燃料・電力使用量が不明な場合、電力使用金額から使用量を推計し、使用金額も不明な場合、延床面積から算定を行っております。

(注)3. 電力使用量の分かる拠点は、ロケーション基準にてScope2を算定した結果を集計しております。

(注)4. 三麗鷗(上海)国際貿易有限公司、Sanrio, Inc.はScope1,2のみ算定し、集計に含めております。

 

 

③ 人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略

私たちは「One World,Connecting Smiles.」というビジョンに基づき、一人でも多くの人を笑顔にし、幸せの輪を広げていきます。そのためにも従業員一人ひとりがキャリアを通して成長し、自分らしく働くことが出来る職場環境を実現します。

中期経営計画で掲げるグローバル成長基盤の構築を目指して、強固な人的基盤を整備するべく、人材への投資を継続して参ります。具体的には、人材育成とDEI推進を重要な軸に据え、人材育成に関しましては、グローバル×クリエイティブ人材を創出するべく、戦略的ジョブローテーションの設計、研修プログラムの高度化、海外との人材交流の強化等を計画、実行していくことで、人材育成に向けた幅広い機会を提供してまいります。また、DEI推進に関しましては、一人ひとりの主体的な成長を促進するべく、多様なキャリアや働き方を支える制度、環境を整備することで、キャリアパスの明示、多様な働き方を可能にする制度の充実化を実現することで、中期経営計画で掲げる上級管理職の女性比率の達成等を進めてまいります。

 

(3) リスク管理

当社では、コンプライアンス、環境、災害、品質、情報セキュリティ、輸出入管理といった事業全般に係るリスクマネジメントとコンプライアンス領域を、全社ベースで統合的に管理することを目的として、合同コンプライアンス委員会(年4回開催)を推進組織としております。

合同コンプライアンス委員会は、内部管理担当取締役を委員長として、当社において発生しうるリスクを内外からの情報、内部監査室の監査結果などから洗い出し、その重要性及び発生可能性、財務報告に与える程度を分析して評価しリスク対応策を構築しております。特に、サステナビリティ領域に関しては、物販事業及びライセンス事業におけるサプライチェーン上で労働者の人権侵害をリスクとして認識しております。その対応策として、強制労働・児童労働や長時間労働の禁止、差別・ハラスメントの排除、労働者の健康と安全を担保すること等を明記した「サンリオサプライヤー/ライセンシー行動規範」を新たに策定し、2027年3月末までに当社IPを用いた商品開発に関わる全てのサプライヤーやライセンシーに対し、人権の尊重を要請し上記の行動規範を遵守いただく旨の書面を取り交わすことを目指しております。

当社は気候変動に起因する移行リスク並びに物理的リスクが、環境面のみならず経済面や事業運営面に影響を与えうることを認識しており、今後もサステナビリティ委員会と合同コンプライアンス委員会が連携の上、事業面に及ぼす影響を評価・分析し、そのリスクを管理する体制の構築に努めて参ります。

 

(4) 指標及び目標

① 気候変動

 本社物販事業においては、厳格な在庫管理や廃棄の削減を進めることで二酸化炭素の排出削減を実現し、廃棄額に関しては、2024年3月期に2021年3月期対比で90%超の削減を達成しております。また、当社は、2027年3月期末を目標年度とする温室効果ガス(GHG)排出量の削減目標を設定しています。

 そして、今後サステナブルに「One World, Connecting Smiles.」を達成すべく各種ステークホルダーと協業し、2027年3月期末までに、Scope1-2にかかるGHG排出量を2019年3月期比から6割削減し、2027年3月期末までに、Scope3にかかる売上当たりGHG排出量を2019年3月期比から10%以上削減することを目指しております

 

② 人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標

当社は、前中期経営計画にて、女性管理職比率の目標であった43%を達成し、新たな中期経営計画では、最終年度である2027年3月末までに、上級管理職(執行役員、GM)の女性比率30%以上を目標として掲げております。

 

(女性活躍推進目標)

項目

2024年3月末

2027年3月期目標

上級管理職の女性比率

21.6%

30%以上