リスク
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)市場リスク
当社グループは、グローバルに事業展開していることから、当社商品を販売している各国、各地域の経済状況の影響を受けます。顧客にとって当社商品は、日常生活において必ずしも必要不可欠のものではないので、様々な市場の影響を受けて売上高につながらないことがあります。
(2)為替リスク
当社は、中国を中心として海外に8割程度の商品を発注しております。一方、海外売上高比率は約3割で、売上総利益の3割程度が海外地域で発生しております。そのほとんどは海外子会社におけるライセンス事業によるもので、その海外子会社の連結決算過程、またその他本社の外貨建て収支計上において為替変動の影響を受けております。このため外貨収支予測をして債権債務のポジション調整をしておりますが、これにより為替リスクを完全に回避できるとは限らず、また連結財務諸表の作成にあたって適用される為替換算レートにより、海外連結子会社の売上高、売上原価、販売費及び一般管理費等連結財務諸表の各項目について、換算上の影響が生じます。そのことにより、業績に影響を与える可能性があります。
(3)新キャラクター開発力及び人材の確保等事業リスク
当社グループの売上高の大半はキャラクターが関与しております。当社は、キャラクターの開発、育成にあたって、短期の爆発的な人気を追うことよりも、長期安定的な人気を得る方針で、経営を行っております。また、常に新キャラクターの開発の努力を重ねております。しかしながら、各キャラクターの人気には移り変わりがあり、そのことにより業績に影響を受ける可能性があります。
当社のキャラクター開発は、原則として社員が担当しております。そして、開発されたキャラクターは、当社各部門の協力を得て市場に出ることとなります。この場合、著作権は全て当社に帰属します。なお、キャラクター開発部門の重要な人材の安定的な雇用につきましては、各種の動機付けを行う等万全を期しておりますが、雇用を長期に亘って持続できるとは限りません。そのことにより、当社のキャラクター開発力が低下する可能性があります。また、さらに従業員の他社移籍により、他社との開発競争に不利な影響を及ぼす可能性があります。
(4)不良品発生リスク
競合他社との価格競争に対抗すべく商品調達コストの削減をめざして、当社グループは、国内のみならず、中国を中心とした海外メーカーに商品を発注しております。各メーカーに対しては、当社指定の品質基準に従って製造・検品を行い、且つ商品部を通しての安全性や品質向上に向けて最善の注意をいたしております。しかし、不測の品質上の問題が発生した場合には、リコール費用やブランド力低下の影響から売上高の減少により、当社グループの財務状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)災害、事故によるリスク
当社グループは、国内2箇所でテーマパークを営業しており、災害や事故による人身への被害が起こる可能性があります。施設における耐震性確保等安全管理には万全を期しておりますが、予測不能な事態に対しては対応できるとは限りません。その場合において当社グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)知的財産権についてのリスク
当社グループは、第三者の知的財産権を侵害しないように、また競業他社と差別化を図り優位性を保つため、知的財産権の確保及び保護のための体制を整備しております。しかしながら、第三者から知的財産権の侵害を理由とする訴訟が提起されたり、また、第三者から知的財産権の侵害を受けたりする可能性は排除できず、このような事態が生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(7)感染症等偶発的リスクについて
当社グループでは、日本全国に店舗、東京都あきる野市に物流拠点、そして、東京都多摩市と大分県にテーマパーク、海外各地にも拠点となる子会社が存在しているほか、販売先、ライセンス契約先、そのお取引先についても、日本全国及び海外に広がっております。そのため、大地震や豪雨、竜巻などの自然災害や疫病が想定を超えて発生した場合、人的被害、設備の損壊、電力・水・ガス等の供給停止、交通や通信の停止、サプライチェーンの被害等により、取引先への商品・製品の出荷遅延や停止等、また取引先の一時的な営業停止等により、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、取引国間での紛争の発生や、天候不順や自然災害の発生、世界中に感染が拡大した新型コロナウイルス感染症のような新種の疫病発生に伴い、政府による行動制限や社会的な混乱、心理的要因により、消費者の消費行動や購買内容に重大な変化が生じた場合、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、それらの影響による将来の収益見込の悪化等により固定資産の減損等が発生し、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は株主に対する利益還元を経営の重要事項と考えております。当期につきましては、連結業績が大幅に伸長した結果、175億円の親会社株主に帰属する当期純利益を計上いたしましたので、期末の普通配当に関しましては、前期末の1株当たり20円から13.5円増配の1株当たり33.5円といたします。これに加え、ハローキティ50周年記念配当として1株当たり10円と合わせ、43.5円の期末配当とします。これは第2四半期末の1株当たり配当22.5円と合わせて、年間の1株当たり配当金は前期の1株当たり35円から31円増配の1株当たり66円となります。
当社は「会社法第459条第1項の規定に基づき、取締役会の決議をもって剰余金の配当等を行うことができる。」旨定款に定めております。剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回を基本的な方針としております。
なお、第64期剰余金の配当は以下のとおりです。