2024年2月期有価証券報告書より
  • 社員数
    2,737名(単体) 3,157名(連結)
  • 平均年齢
    43.4歳(単体)
  • 平均勤続年数
    17.0年(単体)
  • 平均年収
    6,892,000円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

当連結会計年度の従業員数をセグメントごとに示すと次のとおりです。

2024年2月20日現在

 

事業部門の名称

従業員数(人)

しまむら

1,810

(8,391)

アベイル

389

(1,586)

バースデイ

367

(1,657)

 シャンブル

146

(573)

 ディバロ

25

(41)

日本計

2,737

(12,248)

思夢樂

420

(0)

海外計

420

(0)

合計

3,157

(12,248)

(注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除く。)であり、定時社員(パートタイマー)、アルバイト社

     員、嘱託社員を含んでおりません。

     また、定時社員(パートタイマー)は( )内に正社員換算による年間の平均人員を外数で記載しております。

   2.子会社の思夢樂股份有限公司は2017年9月度よりM社員制度(定時社員制度)を廃止し、パート社員を正社

     員登用しました。

 

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

 

2024年2月20日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

2,737

(12,248)

43.4

17

6,892

(注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除く。)であり、定時社員(パートタイマー)、アルバイト社員、嘱託社員を含んでおりません。
また、定時社員(パートタイマー)は( )内に正社員換算による年間の平均人員を外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(3)労働組合の状況

当社グループは、労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しており、特記すべき事項はありません。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得及び労働者の男女の賃金差異

 ①提出会社

当事業年度

管理職に占める

女性労働者の

割合(%)(注1)

男性労働者の

育児休業

取得率(%)(注2)

労働者の男女の賃金差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期雇用労働者

17.6

48.7

42.1

81.6

103.9

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

   2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的の休暇の取得割合を算出したものであります。

 

<各数値に関する補足説明>

・当社には正規社員、非正規社員共に、給与(賞与)その他賃金に係る処遇において性差はありません。

・当社の正規社員に占める女性の割合は63.4%です。また、独自の人材登用制度の運用により非正規社員から正規社員

 に転じた社員の割合は正規社員の52.8%を占めます。(2024年2月20日時点)

・当社の非正規社員に占める女性の割合は99.3%です。また、全体に占める非正規社員の割合は84.5%となります。

 (2024年2月20日時点)

 

 ②連結子会社

  当社の子会社である思夢樂股份有限公司は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第

  64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働

  省令第25号)の規定による公表義務の対象ではないため、管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休

  業取得率及び労働者の男女の賃金の差異の記載を省略しております。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方や取り組みは以下の通りです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

1)サステナビリティ全般

当社グループは、本業を通じて持続可能な「しまむら流のESG対応」を推し進め、「社員」「お客様」「取引先」「株主」「社会」にとって「いい会社」を造ることで、企業の持続的な成長を目指します。

①ガバナンス

a.取締役会の役割

当社グループのESGに関する方針は、取締役会の諮問機関である経営計画策定委員会で審議したうえで、取締役会で決定しています。当社はESG課題を経営課題と捉えており、経営計画について議論を行う経営計画策定委員会でESG課題についても審議しています。経営計画策定委員会の委員は、取締役全員の計9名です。

取締役会は、年2回以上、各部門やESG推進チームで取り組んだ内容と結果について報告を受け、それをモニタリングし、監督しています。さらに、ESGに関する経営戦略、経営計画等の重要な事項について決定を行っています。

b.グループ経営会議の役割

取締役会で決定された方針は、各部署に伝達され、それぞれの部署方針に組み込んでいます。また、部署を超えて取り組むべき方針については、執行役員が参加するESG推進チームで審議したうえで、各部署と連携して取り組んでいます。

c.サステナビリティ(ESG)推進体制

当社グループは、サステナビリティ方針の基本的な考え方に沿って、ESG課題に対して持続的な活動を行っています。ESG課題に対するテーマ設定や課題への解決プロセス、数値目標などについては、経営計画策定委員会で審議し、取締役会で決定します。

その後、決定された目標に対して、執行役員及び社内各部署が横断的に連携するESG推進チームを設置し、月1回の定期ミーティングで、課題に対する進捗報告や問題提起等を行っています。

ESG推進チームの活動内容については、ESG対応部署である企画室が進捗管理を行い、毎月社長へ報告されます。また、年2回以上、取締役会または経営計画策定委員会へ報告しています。

 

②戦略

当社グループは、持続可能な社会の実現のため、サプライチェーンの各段階における「環境」「社会」「ガバナンス」の諸問題を重点課題と捉え、その課題解決に向けて取り組んでいます。当社グループの経営理念や経営ミッションは、国連の提唱するSDGsの目標に通じており、企業活動や課題解決に向けての取組みがSDGsの達成にも貢献すると考えています。SDGsの17の目標の内、9の目標について、特に関連性が高いと考え、6つをサステナビリティ重点課題に組み込んでいます。

サステナビリティ重点課題

SDGsの目標

環境

サーキュラーエコノミーの推進

11、12、13、14、15

GHG排出量の削減

持続可能な調達

社会

多様な人材活躍

5、8、11、16、17

衣料品インフラの役割強化

ガバナンス

ガバナンスの進化

16、17

 

③リスク管理

当社グループでは、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識しているリスクについては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しています。なお、気候変動に関するリスクと機会については、「2)気候変動への取組み ②戦略 b.特定した気候変動に関する主なリスクと機会」に記載しております。

 

④指標と目標

2030年2月期までの長期目標、2027年2月期までの中期目標、2023年度の数値実績は下記のとおりです。

重点課題

取組み事項

2023年度

数値実績

長期目標2030

中期目標2027

サーキュラー

エコノミーの推進

プラスチックごみの削減

ハンガーの完全循環型リサイクル比率75.0%

(注)1

60.1%

ビニールの完全循環型リサイクル比率50.0%

(注)2

GHG排出量の削減

商品廃棄ゼロの継続と進化

商品廃棄ゼロの継続 (注)3

商品廃棄ゼロ

GHG排出量の削減

GHG排出量(Scope1,2)2013年度比60.0%削減

55.8%

(注)7

持続可能な調達

サステナブル商品の開発と

販売促進

サステナブル商品の仕入比率40.0%

(注)4

35.3%

(注)8

サプライチェーンの人権尊重

サプライヤーCoC遵守体制の継続と強化

多様な人材活躍

ダイバーシティの推進

女性管理職比率23.0% (注)5

17.6%

障がい者雇用率5.0%

4.78%

衣料品インフラの

役割強化

衣料品インフラの役割強化

(主に買い物弱者への対応)

売上計画1.3億円 (注)6

出張販売の実施

買い物ツアーの受け入れ実施

オンラインストアの拡大

ガバナンスの進化

成長戦略・資本政策の継続的な審議と実行

リスク管理の継続と進化

後継者の育成

取締役会の多様性と適正規模の確保

(注)当社グループにおける主要な事業を営む提出会社の状況を記載しております。

(注)1.商品に付属する当社指定色のプラスチックハンガー

2.納品時に使用している商品保護用透明ビニール(ポリプロピレン素材)

3.当社は、今も商品廃棄ゼロ。今後も継続します。

4.全事業のPB商品

5.主幹級以上の女性管理職比率

6.出張販売、買い物ツアー、高齢者向けオンラインストアの合算の売上

7.GHG排出量の削減率は、2022年度実績。

8.しまむら事業PB「CLOSSHI」

 

2)気候変動への取組み

当社グループは、気候変動への対応を重要な経営課題であると考えており、温室効果ガス削減のために独自の合理的な取組みを推し進めています。そのうえで、ESG投資を行う機関投資家などが適切な投資判断を行えるよう、TCFD提言に賛同し、TCFDの4つの開示項目に沿ってその取り組みを開示しています。

なお、気候変動への取組みについては、当社グループにおける主要な事業を営む提出会社の状況を記載しております。

 

①ガバナンス

「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 1)サステナビリティ全般 ①ガバナンス」に記載しています。

 

②戦略

a.シナリオ分析の実施

気候変動リスクには、政策や法規制の変化などがもたらす「移行リスク」と、自然災害の増加による資産の損害といった「物理的リスク」があります。当社は、気候変動に関する主なリスクと機会が事業へ与える影響を特定し、対応戦略を立案するために、シナリオ分析を行いました。なお、シナリオ分析は、下記のプロセスで行っています。

経営企画及びESGを担当する企画室がシナリオ分析を行います。

企画室から取締役会へシナリオ分析結果を報告します。

取締役会で審議されたうえで、決定します。

 

ア.シナリオ分析の前提

・使用したシナリオ

 

国際エネルギー機関(IEA)

WEO 2021

気候変動に関する政府間パネル

(IPCC)第6次評価報告書

脱炭素シナリオ

(1.5℃~2℃)

NZE(実質排出量ゼロシナリオ)

SDS(持続可能な開発シナリオ)

SSP3-7.0,SSP5-8.5

温暖化進行シナリオ

(2.7℃~4℃)

STEPS(公表政策シナリオ)

SSP1-1.9,SSP1-2.6

 

・分析対象

国内事業(株式会社しまむら)

・想定した時期

短期

~2024年2月(中期経営計画の期間)

中期

~2030年2月(長期経営計画の期間)

長期

~2050年

イ.シナリオ分析で想定した世界観(シナリオで想定する気温は、2100年までの平均気温の上昇。)

脱炭素シナリオ

(1.5℃~2℃)

法規制

脱炭素に向けて、炭素税や厳しい法規制が課される。

エネルギー価格

化石燃料から再生可能エネルギーへの転換が進み、電力価格が上昇する。

自然災害

短~中期では、自然災害が頻発・激甚化する。

長期では、温暖化シナリオに比べて、自然災害の激甚化に歯止めがかかる。

温暖化進行シナリオ

(2.7℃~4℃)

法規制

現行の法規制が継続し、炭素税が導入された場合も影響は軽微。

エネルギー価格

化石燃料への依存が継続するため、原油価格が上昇する。

自然災害

長期になる程、自然災害が頻発・激甚化する。

脱炭素シナリオに比べて、発生頻度・被害が大きい。

b.特定した気候変動に関する主なリスクと機会

分類

重要な変化

(発生時期)

内容

影響度

1.5~2℃

2.7~4℃

移行

リスク

炭素税の導入や、

GHG排出規制

(短~長期)

増税やエネルギー価格の上昇で、原材料価格・物流費が上昇することによる、商品調達コスト増加

非常に

大きい

大きい

増税やエネルギー価格の上昇による、光熱費等の店舗・商品センター運営のコスト増加

非常に

大きい

大きい

環境負荷の高い素材等への法規制に伴い、原材料・包装資材等の変更による、商品調達コストの増加

非常に

大きい

大きい

移行

機会

顧客行動の変化

(短~長期)

消費者のサステナビリティへの意識の高まりに伴う、サステナブル商品の販売機会の増加

非常に

大きい

大きい

物理的

リスク

平均気温の上昇

(長期)

農作物収穫量が減少することによる、商品調達コストの増加

大きい

非常に

大きい

夏期が長くなり、冬期が短くなることに伴い、冬物商品の購買動機が縮小することによる販売機会の喪失

大きい

非常に

大きい

降水量の不安定

(短~長期)

農作物収穫量が減少することによる、商品調達コストの増加

大きい

非常に

大きい

台風・豪雨による

自然災害の増加

(短~長期)

被災地の店舗の営業休止による販売機会の喪失

大きい

非常に

大きい

被災地の商品センターの営業休止による、商品供給体制の寸断

大きい

非常に

大きい

被災地の建物被害による、店舗・商品センターの修繕コストの増加

大きい

非常に

大きい

c.当社への財務インパクト(2050年を想定)

炭素税導入

脱炭素シナリオ

(1.5℃~2℃)

1,541百万円

・炭素税250US$/t-CO2(NZE)

・当社GHG排出量(2022年度・Scope1,2):45,867 t-CO2

温暖化進行シナリオ

(2.7℃~4℃)

554百万円

・炭素税:90US$/t-CO2(STEPS)

・当社GHG排出量(2022年度・Scope1,2):45,867t-CO2

災害による損失

脱炭素シナリオ

(1.5℃~2℃)

13百万円

・災害発生率2.7倍(SSP3-7.0,SSP5-8.5)

・当社災害による損失(2013-2022年平均):90百万円

温暖化進行シナリオ

(2.7℃~4℃)

97百万円

・災害発生率1.5倍(SSP1-1.9,SSP1-2.6)

・当社災害による損失(2013-2022年平均):90百万円

 

d.対応戦略

重要なリスク・機会

対応策

商品調達コスト増加

・生産国やサプライヤー(=メーカーや商社など商品の仕入れ先。約600社)の多様化・分散化によるリスク分散

・サプライヤーとの連携により、素材(原材料)が調達できなくなる場合への早期対策(素材の早期予約や、代替素材への変更等)の実施

物流コスト増加

・物流の効率化(商品センターの自社運営、自社共同配送、直接物流、モーダルシフト)

光熱費増加

・電力使用量削減のための設備導入(照明のLED化、省エネ型空調機への入替等)

・サステナブル店舗の開発(省エネ設備の導入、遮熱塗装、断熱材の増加等)

サステナブル商品の

販売機会の増加

・サステナブル商品の開発・販売の強化

冬物商品の

販売機会の喪失

・トレンド商品やキャラクター商品等の企画・提案力の強化により、天候や気温以外の購買動機を創出

店舗の営業休止による

販売機会の喪失

・多店舗展開によるリスク分散(約2,200店舗)

・営業復旧のための体制や実施策について記載したBCP(事業継続計画)の運用

商品センター営業休止に

よる商品供給体制の寸断

・災害時の配送ルート等、体制や実施策について記載したBCP(事業継続計画)の運用

建物被害による

修繕コストの増加

・建物復旧のための体制や実施策について記載したBCP(事業継続計画)の運用

・店舗開発時にハザードマップ等を確認したうえでの出店

・浸水が予想される店舗へ止水シート設置等の災害対策を実施

 

③リスク管理

当社グループでは、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識しているリスクについては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。

 

④指標と目標

当社は、気候変動によるリスクを評価・管理する指標として、温室効果ガス排出量(Scope1、2、3)を算定しています。

a.2022年度のGHG(Greenhouse Gas:温室効果ガス)排出量

ア.Scope1、2

年度

2013

2022

Scope1

2,899

775

Scope2 ロケーション基準

180,957

96,170

Scope2 マーケット基準

163,884

45,867

・範囲

Scope1:灯油・ガス等のエアコン燃料、商品センターのフォークリフトの燃料、社有車のガソリン使用量

(2020年度以前は社有車のガソリン使用量を含んでいません)

Scope2(ロケーション基準):店舗・商品センター・本社の使用電力量×全国平均係数

Scope2(マーケット基準):調整後排出係数(省エネ法の特定事業者定期報告書、Scope1除く)

イ.Scope3

当社は、Scope3の15カテゴリのうち、どのカテゴリが重要であるか特定するために、Scope3の算定を行いました。なお、算定方法は、サプライチェーンに関連する企業が多い(商品の一次サプライヤーのみで約600社)ため、積み上げ式(サプライチェーンの関連取引先への聞き取り調査)ではなく、環境省排出原単位データベースやIDEAv2から引用した排出原単位と支出額等を用いた簡易的な算定方法を用いています。

気候変動の詳細な情報については当社ウェブサイトをご参照ください。

(URL:https://www.shimamura.gr.jp/sustainability/environment03.html

 

b.目標

当社は、気候関連リスク・機会を管理するために、GHG排出量(Scope1、2)、余剰在庫の廃棄量(廃棄ゼロ)、当社指定色ハンガーの完全循環型リサイクル比率、当社指定ビニールの完全循環型リサイクル比率、サステナブル商品の仕入比率の目標を定めており、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 1)サステナビリティ全般 ④指標と目標」に記載しています。

なお、気候変動評価の指標にはこの他に水や土地などがありますが、当社は小売業であり、水や土地の汚染への影響が小さいため、評価指標の対象にしていません。

 

3)人的資本・多様性

当社グループは、社員一人ひとりが長きにわたる人生において、仕事を通じて自己実現を図ると共に、日々の暮らしを安定させ、充実した社会生活を送ることができるよう、労働条件や職場環境の整備に努めることを社員に対する経営ミッションとしています。人的資本への投資を通じて社員一人ひとりの成長を促すことで、生産性や付加価値の向上などの成果を発揮し、当社の持続的な成長を目指します。

なお、人的資本・多様性については、当社グループにおける主要な事業を営む提出会社の状況を記載しております。

 

①ガバナンス

「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 1)サステナビリティ全般 ①ガバナンス」に記載しております。

 

②戦略

a.人材育成方針

当社は、人的資本への投資を通じて社員一人ひとりの成長を促すことで、生産性や付加価値の向上などの成果を発揮し、当社グループの持続的な成長を目指します。

ア.人材育成

当社の社員の成長には、現場経験やOJTを通じた知識や技能の習得に加え、Off-JTにより当社の社員として必要な基礎知識や考え方、倫理観を学び、人材育成の土台を築くことが重要です。これらの人材育成制度により、会社の考えや理念、業務の目的、自身の存在意義などを再確認し、個々の意欲向上にも繋げます。

・M社員制度

当社の従業員の8割以上がM社員(パート社員)です。M社員制度は、店舗で働くパート社員のために作られた制度です。これは、能力があるもののフルタイムで働きにくい主婦層を想定し、高い処遇と家庭生活を両立できる時間シフト制を取り入れた当社独自の制度です。高い能力のM社員と、マニュアルに基づいた店舗運営により、店長1名とM社員6~10名程度という少人数での店舗運営を実現しています。

・店長昇進制度

当社では、M社員の中から有能な人材を店長(正社員)として登用しており、現在の店長の約7割がこの制度から誕生しています。店長昇進後はその上位職に当たるブロックマネージャーや他の職種にも挑戦でき、社員本人の働きやすさと成長を両立した制度です。店長昇進の目標を持つことで、仕事へのモチベーションが上がり、社員一人ひとりの能力向上だけでなく会社の成長にも繋がっています。

・適性に応じた職場配置

当社では積極的な大卒採用を継続的に行い、管理職への登用を行っています。正社員の人事は、入社10年以下は仕事のポストを短期間で変えるジョブローテーションを基本とし、その後は適性のある部署に5年以上所属し、スペシャリストを養成します。ジョブローテーションにより、様々な部署で広い視野と知識・業務スキルを身につけ、常にチャレンジ精神を持ち続ける有能な人材へ成長することが出来ます。

・公平な人事評価

全社員が会社の方針を理解し、直属上司の指示・命令のもとで最高の成果を得るために、そして全社員が能力を充分に発揮するために、公平な人事考課制度を定めています。また社員には、常に広い視野に立って新しいあるべき流通業の姿を求め、自己育成することによって質の高い業務を遂行し、良い業績と社業拡大によって社会的役割を果たすことを期待しており、その結果として賃金を公平に支払うための給与規程を定めています。

・Shimamura Women's empowerment Curriculum (しまむら女性活躍カリキュラム)

当社では、2023年度から女性が活躍できる環境作りの一環として、女性管理職の能力向上を目的とした「しまむら女性活躍カリキュラム」を実施しています。マインドセットプログラムとスキルアッププログラムを通じて、モチベーションの向上や、上位職を目指すうえで必要なスキルの習得を行い、女性管理職の能力向上を行っています。

 

イ.教育制度

当社の教育は、教育全般を階層と内容で分類し、社員を職位や職務に応じて体系的に育成し、所属部署や役割に応じた能力を十分に発揮し、自発的に行動できる社員を育成します。社員が成長するためには、社員一人ひとりの能力開発(自分の能力を自発的に開発する活動)が必要不可欠です。社員が自発的に学習する意欲の向上を図るため、教育を提供し社員個人の能力開発を側面から促進していきます。

・階層別教育(新入社員教育、若手社員研修、中堅社員研修、主幹研修、部長研修)

正社員を対象として階層別教育を実施し、社員全体の能力向上につなげます。

・部署別教育

各部署の業務目的達成に向け、部員がより専門性の高い知識や技術を身に付け、業務遂行能力を高められるように部員能力の底上げを図ることを目的として部署別教育を実施します。部署によって様々な業務内容があるため、各部署教育で業務の基本的考え方や仕事の進め方、業務をする上で必要となる専門的な知識を学びます。

・自己啓発支援

通信教育と資格取得支援制度(正社員のみ)により、社員の自発的な学びの機会を設けます。

ウ.ダイバーシティ

当社は、年齢、性別、雇用形態、障がいを持つ方など多様な生活背景を持つ社員がいます。その社員一人ひとりが能力を発揮し、それぞれの職場で活躍し、新たな価値観を創出できる環境をつくることで企業の持続的な成長に繋げます。

・女性活躍推進

当社は、全従業員の約9割が女性であり、女性活躍推進を重要な取組みと位置づけております。女性の管理職が一層活躍できるよう、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を策定しており、2024年2月現在、課長相当職以上の女性管理職比率17.6%と向上しております。またESG推進チーム内にダイバーシティ推進チームを作り、目標達成に向け各種施策を展開しています。

・障がい者雇用

ダイバーシティ社会の実現を目指し、障がい者の雇用を継続しています。2024年2月現在、831名の障がいのある社員が働いており、法定雇用率を上回る4.78%の雇用率となっております。また当社は、積極的に障がい者雇用を行っており、障がいのある社員の採用や勤務内容等のサポートができる体制を整えています。2021年度より、障がい者採用を担当するブロックマネージャーには「障害者職業生活相談員」取得を推奨しており、2024年2月現在、331名の社員が「障害者職業生活相談員」を取得しています。

・継続雇用

60歳で定年退職を迎えた社員が希望した場合、嘱託社員として満65歳まで継続雇用しています。65歳を迎えた嘱託社員が、さらに継続雇用を希望する場合は、健康状態や就労意欲・能力を上司が評価し、会社が承認した場合に満70歳まで継続雇用します。

b.社内環境整備

当社は、社員一人ひとりが長きにわたる人生において、仕事を通じて自己実現を図ると共に、日々の暮らしを安定させ、充実した社会生活を送ることができるよう、労働条件や職場環境の整備に努めることを社員に対する経営ミッションとしています。

ア.ワークライフバランス

当社は、社員全員が性別に関係なく、仕事と家庭を両立しながら働きがいのある職場環境の実現のために、様々な取組みを行っています。

・育児休業・介護休業

当社は、社員が仕事と育児・介護を両立しながら働く社員を支援する制度を整えています。

・再雇用制度(正社員のみ)

管理職勤務年数が満3年以上あり、結婚・出産・育児、介護または配偶者の転勤を事由に退職する正社員は、退職時に予め申込みをする事で、退職後10年の間、再雇用制度を利用することができます。

 

イ.労働安全衛生

全ての職場で、社員が安全で安心して働ける環境を作ることは、当社を継続的に発展させる上で、重要な基盤となります。法律に基づいて、衛生推進者、安全衛生推進者を選任し、労働災害を防止し、社員が健康で安心して働ける環境、お客様に満足して頂ける清潔な環境を維持します。

・衛生委員会・安全衛生委員会

全ての職場において社員が健康で安心して働ける労働環境の維持に取り組んでいます。毎月、衛生委員会・安全衛生委員会を開催し、衛生管理者や産業医を中心に、健康管理や労働災害防止等について調査審議しています。

・労働災害防止

経営会議で月に1回、担当執行役員が労災発生事例の報告を行い、執行役員全員で労災防止について情報共有と対策を協議しています。また、毎月開催の店長会議で全店長が労災事例を情報共有し、店長が店舗社員へ動画を使用して労災事例を説明するなど、社員全員で労災発生の予防に努めています。

・長時間労働管理・ストレスチェック

過労やストレスが原因の疾患やメンタル不調などを防止するため、産業医による長時間労働の管理とストレスチェック制度を設けています。

 

③リスク

人的資本に関するリスクを当社は認識しており、対策を講じております。詳細については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。

 

④指標及び目標

取組み内容

項目

 

2023年度実績

2024年度目標

人材育成に関する取組み

1人あたりの平均研修時間 (注)1

 

34.0時間

37.6時間

1人あたりの平均研修費用 (注)1

 

50,665円

53,000円

多様性に関する取組み

女性管理職比率 (注)2

 

17.6%

20.0%

女性新卒採用比率

 

58.7%

社員全体に占める女性比率

 

93.7%

障がい者雇用比率

 

4.78%

5.00%

ワークライフバランスに

関する取組み

平均有給休暇取得率

全社員

73.3%

80.0%

平均有給休暇取得日数

全社員

11.5日

育児休業復帰率

全社員

95.0%

100.0%

育児休業取得率

女性全社員(注)3

96.5%

100.0%

男性全社員

(注)4

48.7%

100.0%

労働安全衛生に関する取組み

休業災害度数率

 

1.48

(注)1.パート・アルバイトは除く

2.主幹級以上の女性管理職比率

3.女性全社員の育児休業取得率は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

4.男性全社員の育児休業取得率は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。