リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。ただし、将来の業績や財政状態に与えうるリスクや不確実性は、これらに限定されるものではありません。また、以下に記載のリスクの顕在化する可能性の程度や時期、業績に与える影響について、合理的に予測することは困難であるため記載しておりません。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 事業環境
小売業を取り巻く環境について
今後の国内の小売業を取り巻く環境については、少子高齢化、消費構造の二極化、業態を越えた競争の激化など大きな変化が予想され、これらによって当社グループの業績は、少なからず影響を受けることが予想されます。
当社グループでは、こうした環境の変化に対応するため、関西エリアにおいて多彩な顧客接点を持つ特性を活かし、リアル店舗とデジタルを融合したお客様との新しい関係づくりとビジネスモデル構築を図るとともに、コア事業である百貨店事業と食品スーパーを中心とした食品事業の磨き上げと強化を併せて、関西におけるマーケットシェア拡大を実現してまいります。
(2) 法規制及び法改正
① 大規模小売店舗立地法等の法規制について
当社グループにおける百貨店及び食品スーパーの出店については「大規模小売店舗立地法」による規制を受けます。これは売場面積1,000㎡超の店舗を新規出店する場合及び売場面積が1,000㎡超となる既存店舗の増床を行う場合に際し、交通渋滞、騒音、ゴミ対策等について、近隣住民の生活環境を守る立場から都道府県または政令指定都市が審査及び規制を行うものであり、このため当社グループの今後の出店計画はこうした法規制による影響を受ける可能性があります。
このほか、当社グループは、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、下請代金支払遅延等防止法、環境基本法・資源の有効な利用の促進に関する法律・容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律等の環境・リサイクルに関連する法令、不当景品類及び不当表示防止法等の消費者保護に関連する法規制を受け、これらによっても影響を受ける可能性があります。
当社グループでは、これら事業活動に影響する各種の法令改正動向を注視し、適時適切な対応に努めてまいります。
② 税制改正による消費税率の引き上げについて
将来の社会保障の財源を確保するため、消費税率が段階的に引き上げられる可能性があります。これによって個人消費の冷え込みを招き、当社グループの売上高にマイナスの影響を与える可能性があります。
(3) 自然環境・事故
① 自然災害・事故について
当社グループは、百貨店や食品スーパー等の事業を展開しており、地震・洪水・台風及び火事等の不測の災害によって店舗等の事業所が損害を受けた場合、業績にマイナスの影響が及ぶ可能性があります。
特に、関西を中心に事業展開している当社グループにおいては、南海トラフ地震が発生した場合、地震だけでなく津波による被害も予想されており、甚大な人的・物的被害が出る可能性があります。従業員や店舗建物等の甚大な被害は、事業の停止に及ぶことが予想され、業績に大きなマイナス影響を及ぼすことが考えられます。
また、近年、甚大な被害を引き起こす台風や集中豪雨の発生頻度も高くなっています。台風や集中豪雨により、従業員や建物あるいは公共交通機関に影響が出ると、営業停止などの機会損失が発生する可能性があります。
その他、店舗において火災が発生した場合、お客様や従業員、建物や商品等に被害が及ぶと多大な損失が発生する可能性があります。
当社グループでは、これら自然災害及び事故に対する備えとして、対応マニュアル等の策定、安否確認システムや緊急連絡用の通信手段の整備、非常用物資の備蓄、定期的な訓練を実施しているほか、損害保険の付保等の対策を講じております。
② 感染症について
感染症の拡大や長期化は、当社グループの主力事業の一つである百貨店事業を中心に、店舗の営業自粛や国内・インバウンド双方の需要の減少を通じて業績に大きなマイナス影響を及ぼす可能性があります。
新たなパンデミックが発生した際には、新型コロナウイルス感染症への対応で得た感染症拡大状況下での事業継続のノウハウをもとに、人命の安全を最優先するとともに、事業への影響の軽減に努めてまいります。
(4) その他
① 販売商品の安全性について
食中毒・健康被害等の事故の発生、販売商品の欠陥による顧客満足・信用の低下、鳥インフルエンザ等の疫病の発生による一般消費者の食品に対する不安感の高まり等により、当社グループの業績にマイナスの影響を与える可能性があります。販売商品の品質管理・衛生管理については、専門子会社やグループ横断の専門部会を設置するなどにより、商品に対する顧客の安心・安全確保を目的とする施策を積極的に推進しております。
② 顧客情報の管理について
不測の事故または不正アクセス等によって顧客情報が外部に流出した場合、当社グループの信用低下を招き、業績にマイナスの影響を与える可能性があります。顧客情報の管理については、専門部門やグループ横断の専門部会を設置し、個人情報管理規程及び管理マニュアルに基づくルールの厳格な運用と従業員教育の徹底など個人情報の保護に関する法律の遵守に努めるとともに、「コミュニケーションリテイラー」として積極的に顧客データを活用したビジネスを推進していくにあたり、顧客に安心して情報を提供いただけるよう個人情報保護ガバナンスの強化に向けた取り組みを行っております。
③ 海外事業リスクについて
当社グループは、中国で店舗を営業しております。そのため、中国の政治情勢、経済環境、法規制の変更、テロ行為、社会的混乱、その他の要因により、業績及び財政状態にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。
また、中国の店舗における売上高、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表作成のため、円換算しております。換算時の為替の変動により、これらの項目に影響を及ぼす可能性があります。
④ 情報システムについて
当社グループでは、業務の効率化及び高品質なサービスの提供のため、各分野において情報システムを利用していますが、地震・大規模停電や不正アクセス等の不測の事態によって、情報システムの円滑な運用に支障を来した場合、事業活動が制限される可能性があります。上記の事態に備え、グループ横断の専門部会を設置し、グループ全体のセキュリティ事故対応体制の整備など対策を講じております。
⑤ 賃貸借契約の更新拒絶について
当社グループにおける店舗・施設の多くが賃借物件であり、建物や土地の所有者等の賃貸人から、賃貸借期間満了により契約の更新を拒絶(定期建物賃貸借契約の場合は、再契約の不成立)され、店舗等の営業が継続できなくなる可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、中長期にわたる適正な財務体質の構築と成長投資に必要なキャッシュ・フロー、事業年度ごとの業績を勘案しながら安定的な利益還元を行うことを基本に、親会社株主に帰属する当期純利益、連結純資産、連結キャッシュ・フローの実績と中長期の計画から総合的に判断し、資本市場との積極的な対話を行いながら最適な成果配分を行うことを基本方針としております。
配当の回数・時期につきましては、中間配当を11月、期末配当を6月に、それぞれ予定しております。また、当社は、会社法第459条の規定に基づき、取締役会の決議によって剰余金の配当ができる旨を定款に定めております。
なお、当事業年度の連結業績は、親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高となり、当期の1株当たり年間配当額につきましては42円といたします。
(注)基準日が当事業年度に属する取締役会決議による剰余金の配当は、以下のとおりであります。