2025年3月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

 

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループ(当社及び当社の連結子会社)が判断したものであります。当該将来に関する事項は、取締役会等の社内の会議体で合理的な根拠に基づく適切な検討を経たものであり、検討にあたっては、当社グループの事業所ごとに事業を取り巻く環境、事業計画、その他関連する諸条件を総合的に勘案して判断しております。

なお、将来に関する事項につきましては、不確実性を有しており、将来生じる結果と異なる可能性がありますので、記載しております事項に対する判断は、以下記載事項及び本項目以外の記載内容も合わせて慎重に行われる必要があります。

 

(1)  主要なリスク

本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。

 

①  店舗展開に係る事項

当社グループは、主として食料品の販売を中心としたスーパーマーケット事業を営んでおり、多店舗展開を行っているため、以下のような店舗展開に係るリスクがあります。

 

a  出店政策について

出店にあたっては、当社グループのスーパーマーケット店舗を中心とした近隣型ショッピングセンター形態での出店を基本としており、ドミナント・エリア(お客様より圧倒的な支持を得ている地域)を形成しながら出店地域の拡大を図っております。なお、出店の判断にあたっては、地域特性を考慮しつつ、投資回収期間の検討、店舗採算性の検討を重視しており、店舗の統廃合や再配置、改装、移転により経営資源の集中、分散を図り店舗網の整備を行っております。

しかし、経営環境の変化や法的規制、出店地域の確保状況等により出店政策を計画どおり進められなかった場合には、今後の業績に負の影響を与える可能性があり、その程度につきましては、1店舗当たり売上高が10億円から30億円程度と認識しております。なお、当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。当該リスクへの対応については、出店案件について、特定地域に偏らず安定して確保できるよう努めております。

 

b  人材の確保と育成について

当社グループは、「サービス日本一」を目標に掲げ、地域のお客様から親しみを持ってご支持をしていただけるような店舗オペレーションを行うことを重要課題と認識しております。この課題に対し、当社グループの経営方針を理解し実現できる人材の確保に努めるとともに、フレンドリーサービス提供のための様々な教育やTQM(トータル・クオリティ・マネジメント)活動を中心とした人材育成に努めております。

しかし、当該人員の確保と育成が店舗展開に対応できない場合には、今後の業績に負の影響を与える可能性があり、その程度につきましては、状況により様々であると認識しております。なお、当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりませんが、昨今の人手不足は多少なりとも影響が生じております。当該リスクへの対応については、多様な採用手法を活用して安定した人材確保できるよう努めるとともに、補完的な外部サービスの活用も検討してまいります。また、柔軟な雇用形態の設定、福利厚生の充実等、多くの方々から当社グループで働いてみたいと思っていただけるような働きやすい職場環境の整備に努めてまいります。

 

 

c  競合状況の発生について

流通業界、特に食料品小売業におきましては、地域や業態を越えた各企業の出店攻勢が相次ぎ、オーバーストア状態となっている中、企業淘汰や業界再編の様相を呈しております。当社グループの出店地域においても、他社との競合状況が生じており、売上総利益率やお客様一人当たりの買上げ点数及び一品当たりの販売価格に影響を生じております。これに対し、商品やサービスでの差別化を図るとともに、諸経費の見直し等によりローコストオペレーションの実現を図ってまいります。

しかし、新たな競合状況の発生により、今後の業績に負の影響を与える可能性があり、その程度につきましては、競合近隣店舗の1店舗売上高が競合発生初年度において10%前後減少すると認識しております。なお、当該リスクが顕在化する可能性については、例年数店舗発生しております。当該リスクへの対応については、競合発生店舗の販売促進対策等や商品の品質・サービス等の向上により、売上高の回復に努めております。

 

②  商品の安全性

当社グループが取り扱う商品は、主として食料品であるため、以下のような商品の安全性に係るリスクがあります。

 

a  食の安全について

近年、食の安全に対して不信感を生ずる様々な事象が発生しております。これに対し、当社グループは、安全な商品の安定調達ができる仕入ルートの確保及び商品の適切な加工、表示等に努めております。

しかし、食の安全に対し信頼感を損なうような問題が生じた場合、今後の業績に負の影響を与える可能性があり、その程度につきましては、当該事象の事案の内容により様々であると認識しております。なお、当該リスクが顕在化する可能性については、例年、軽微なものが数件発生しております。当該リスクへの対応については、専任部署の設置、法令や社内ルールの徹底、情報システム等を活用した管理の徹底に努めております。

 

b  衛生管理について

当社グループの店舗で販売する商品は、品質保持期限が比較的短い食料品や店内加工を要する食料品が多いため、商品の温度管理や取扱い等をはじめとする衛生管理について厳格な注意を払っており、各種教育やマニュアルの整備を図るとともに、専任の品質管理担当者を配置して指導、改善を行っております。また、設備面においても工夫を加え、衛生管理の充実を図っております。

しかし、衛生面において問題が生じ、店舗の営業に影響が及んだ場合には、今後の業績に負の影響を与える可能性があり、その程度につきましては、当該事象の事案の内容により様々であると認識しております。なお、当該リスクが顕在化する可能性については、例年、軽微なものが数件発生しております。当該リスクへの対応については、専任部署の設置、法令や社内ルールの徹底、情報システム等を活用した管理の徹底に努めております。

 

③  法的規制

当社グループは、事業の運営等に関し数種の法的規制を受けておりますが、主として以下のものがあります。

 

a  大規模小売店舗立地法について

当社グループ店舗の出店及び増床に際しては「大規模小売店舗立地法」(以下「大店立地法」といいます。)の規制対象になっており、店舗面積1,000㎡を超える店舗の新規出店及び増床については、都道府県又は政令指定都市に届出が義務付けられています。また、届出後、駐車台数、騒音対策、廃棄物処理等について、地元住民の意見を踏まえ、審議会の審査が進められ、その結審を経て出店等を行っております。

しかし、審査の状況及び規制の変更等により出店政策に影響が及んだ場合には、今後の業績に負の影響を与える可能性があり、その程度につきましては、1店舗当たり売上高10億円から30億円程度と認識しております。なお、当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。当該リスクへの対応については、出店案件について、法令を遵守し出店地域において良好な関係が築けるよう努めております。

 

 

b  大規模流通事業者の出店規制について

当社グループ店舗の出店については、地元自治体との協議、許可等を必要といたします。

しかし、関係省庁や地元自治体による一定規模以上の出店規制に関する法令の制定により出店政策の変更を余儀なくされ、出店政策に影響が及んだ場合には、今後の業績に負の影響を与える可能性があり、その程度につきましては、1店舗当たり売上高10億円から30億円程度と認識しております。なお、当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。当該リスクへの対応については、出店案件について、法令を遵守し慎重に進めております。

 

(2)  重要事象等

提出会社が将来にわたって事業活動を継続するとの前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況その他提出会社の経営に重要な影響を及ぼす事象はありません。

 

(3)  電子記録移転有価証券表示権利等に関する事項

該当事項はありません。

 

配当政策

 

3 【配当政策】

 

(1)  配当に関する基本方針

当社は、当社グループの持株会社として、グループ全体の財務体質強化と内部留保の確保を図る一方、株主の皆様への利益還元が経営の重要政策の一つであると考え、当社グループ全体の業績の状況や将来の事業展開、配当性向などを総合的に勘案し、株主の皆様へ配当を行うことを基本としております。

当社の剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回を基本としており、配当の決定機関は、中間配当が取締役会、期末配当が株主総会であります。

なお、当社は、会社法第454条第5項に基づき、中間配当について、「当会社は、取締役会の決議によって、毎年9月30日を基準日として中間配当をすることができる。」旨を定款に定めております。

1株当たり年間配当額の決定におきましては、長期的に安定して当社株式を保有していただくため、連結1株当たり当期純利益の概ね30%程度を目安として、毎期の業績に連動した適正な配当を継続的に行うことといたします。

なお、内部留保資金につきましては、店舗の新設及び改装、情報システム、物流等の設備投資や財務体質の強化に活用してまいります。

 

(2)  当事業年度の配当額

当事業年度の配当額につきましては、配当に関する基本方針に鑑み、1株当たり年間配当額を27円(うち、1株当たり中間配当額11円、1株当たり期末配当額16円)といたしました。また、連結ベースの配当性向は27.1%となりました。

基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額

1株当たり配当額

(百万円)

(円)

2024年11月12日

取締役会決議

995

11.00

2025年6月19日

定時株主総会決議(予定)

1,435

16.00

 

(注)1  2024年2月13日開催の取締役会決議に基づき、2024年4月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行っております。上記1株当たり配当額は、当該株式分割後の株式に対する金額であります。

2 「決議年月日 2025年6月19日定時株主総会決議(予定)」は、当該定時株主総会の決議事項(議案)となっているものであり、本有価証券報告書提出日(定時株主総会終結前)において確定したものではありません。

 

(3)  直近事業年度の配当等の状況

①  配当

当社は、2024年4月1日付で当社普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行っております。第70期の事業年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定した場合の1株当たりの配当額の状況、並びに、連結ベースの配当性向を示すと以下のとおりであります。

回次

第70期

第71期

第72期

第73期

第74期

決算年月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

2025年3月

 

 

 

 

(予定)

(分割前ベース)1株当たり配当額

 

 

 

 

 

中間配当額

(円)

25.00

25.00

25.00

30.00

 

期末配当額

(円)

55.00

55.00

55.00

55.00

 

合計・年間配当額

(円)

80.00

80.00

80.00

85.00

 

(分割後ベース)1株当たり配当額

 

 

 

 

 

中間配当額

(円)

6.25

6.25

6.25

7.50

11.00

期末配当額

(円)

13.75

13.75

13.75

13.75

16.00

合計・年間配当額

(円)

20.00

20.00

20.00

21.25

27.00

(連結配当性向)

(%)

22.3

26.1

29.0

26.0

27.1

 

 

(注)1 指標の計算方法は以下のとおりであります。

・ 連結配当性向=1株当たり年間配当額÷連結1株当たり当期純利益

2 第74期の1株当たり配当額27円00銭のうち期末配当額16円00銭については、2025年6月19日開催予定の第74期定時株主総会の決議事項(議案)となっており、本有価証券報告書提出日(定時株主総会終結前)において確定したものではありません。

 

②  総還元性向

また、直近事業年度における取締役会決議に基づく自己株式の取得価額(上限)決議と連結ベースの総還元性向の実績を示すと次のとおりであります。なお、当社は、会社法第165条第2項の規定及び定款の定めに基づき、市場取引等による自己株式の取得を取締役会が決定できる旨を定めております。

回次

第70期

第71期

第72期

第73期

第74期

決算年月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

2025年3月

自己株式の取得価額(上限)決議

(百万円)

1,500

2,000

連結総還元性向

(%)

22.3

26.1

29.0

46.0

35.5

 

(注)1 指標の計算方法は以下のとおりであります。

・ 連結総還元性向=(配当金支払総額(決議ベース)+自己株式取得金額)÷親会社株主に帰属する当期純利益

2 自己株式の取得の詳細は次のとおりであります。

・ 2024年3月期 取得期間(実績:約定日基準)2023年6月14日開始~2023年8月2日終了

・ 2025年3月期 取得期間(実績:約定日基準)2025年2月10日開始~2025年4月28日終了