2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    2,457名(単体) 52,307名(連結)
  • 平均年齢
    41.4歳(単体)
  • 平均勤続年数
    16.4年(単体)
  • 平均年収
    10,727,000円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社における従業員数

 

 

 

 

 

 

2024年3月31日現在

 

リテール・事業法人

カンパニー

コーポレート&インベストメント

バンキング

カンパニー

グローバルコーポレート

&インベストメント

バンキング

カンパニー

グローバルマーケッツ

カンパニー

アセットマネジメント

カンパニー

その他

合計

従業員数(人)

19,687

3,996

11,675

1,360

1,468

14,121

52,307

[7,405]

[252]

[79]

[43]

[144]

[4,988]

[12,911]

 

(注) 1.従業員数は、連結会社各社において、それぞれ社外への出向者を除き、社外から受け入れた出向者を含んでおります。また、海外の現地採用者を含み、嘱託及び臨時従業員12,846人を含んでおりません。

2.嘱託及び臨時従業員数は、[  ]内に2023年度の平均人員(各月末人員の平均)を外書きで記載しております。

 

(2) 当社の従業員数

 

 

 

2024年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

2,457

41.4

16.4

10,727

[102]

 

 

 

リテール・

事業法人

カンパニー

コーポレート&インベストメント

バンキング

カンパニー

グローバルコーポレート

&インベストメント

バンキング

カンパニー

グローバルマーケッツ

カンパニー

アセットマネジメント

カンパニー

その他

合計

従業員数(人)

173

86

154

11

27

2,006

2,457

[1]

[4]

[5]

[-]

[-]

[92]

[102]

 

(注) 1.従業員数は、社外への出向者を除き、社外から受け入れた出向者を含んでおります。また、執行役員及び専門役員21人、嘱託及び臨時従業員112人を含んでおりません。

2.嘱託及び臨時従業員数は、[ ]内に2023年度の平均人員(各月末人員の平均)を外書きで記載しております。

3.平均勤続年数は、当社、株式会社みずほ銀行、みずほ信託銀行株式会社、みずほ証券株式会社、みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社の間で転籍異動した者については転籍元会社での勤続年数を通算しております。

4.平均年間給与は、3月末の当社従業員に対して支給された年間の給与、賞与及び基準外賃金(株式会社みずほ銀行、みずほ信託銀行株式会社、みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社からの転籍転入者については転籍元会社で支給されたものを含む)を合計したものであります。

5.当社の従業員組合は、みずほフィナンシャルグループ従業員組合と称し、当社に在籍する組合員数(他社への出向者を含む)は2,063人であります。労使間においては、特記すべき事項はありません。

 

(3) 管理職に占める女性の割合、男性の育児休業取得率及び男女の賃金の差異

① 提出会社

 

管理職に占める女性の割合(%)

男性の育児休業

取得率(%)

男女の賃金の差異(%)

部長相当職

課長相当職以上

全労働者

正規雇用労働者

非正規雇用

労働者

7.9

20.9

95

59.1

(55.4)

59.8

(56.5)

57.7

(33.8)

 

(注) 1.対象期間は、2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)です。

2.集計対象には、社外から受け入れた出向者を除き、社外への出向者を含んでおります。

3.賃金は、給与、賞与、手当など(実費弁償分などの経費は対象外)を算出しております。

4.「管理職に占める女性の割合」および「男女の賃金の差異」は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しております。

5.「管理職に占める女性の割合」の「課長相当職以上」は、 2023年度より、算定対象の変更により算出範囲から海外関連会社への出向者を除外しております。

6.「男性の育児休業取得率」は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出しております。

7.「男女の賃金の差異」は、今回より前提条件を変更し算出しております。正規雇用労働者と非正規雇用労働者の区分を一部見直しております。また、短時間勤務者については、正社員の所定労働時間で換算した人員数を基に平均年間賃金を算出しております。表内のカッコ書きの数値は、新たな前提条件で2023年3月期の数値を再計算したものです。

 

② 主要な連結子会社

 

名称

管理職に占める
女性の割合(%)

男性の
育児休業

取得率

(%)

男女の賃金の差異(%)

部長

相当職

課長

相当職以上

全労働者

正規雇用
労働者

非正規

雇用
労働者

補足説明

株式会社みずほ銀行

10.7

20.7

109

46.1

59.1

54.2

-

みずほ信託銀行株式会社

9.8

18.4

111

49.1

58.8

41.7

-

みずほ証券株式会社

11.2

21.9

99

67.3

72.0

48.2

-

みずほリサーチ&
テクノロジーズ株式会社

8.6

14.1

102

81.2

80.0

75.6

-

提出会社および上記の

主要な連結子会社合算

(5社)

10.2

20.1

105

51.8

(48.8)

63.2

(60.6)

30.8

(28.6)

※今回より算出における前提条件を見直ししております。詳細は注7.をご参照ください。
 
■処遇決定方法
〈みずほ〉では、性別に関係なく一人ひとりの職責や職務の内容等に応じて処遇を決定しております。

 

■賃金差異の主要因
男性の方が、①管理職が多いこと②給与水準が高い全国転勤有の区分の社員が多いこと③勤務時間が長いこと等によるものです。
 
■同一の役職での差異
役職毎に比較した場合、各役職における差異は90%前後となっております。なお、差異の主な要因は、転勤区分の有無、勤務時間の差によるものです。
 
■今後の方針
管理職に占める女性の割合については、2030年代の早期に各階層で30%以上とする目標を設定し、戦略的な人材育成や人材配置等により実現を図っていきます。また、現在全国転勤有無の区分の違いにより異なっている給与体系を2024年度に一本化する予定です。あわせて、引き続き、誰もが働きやすい職場づくりを進め、これらの取り組みを通じて、男女の賃金の差異の縮小に努めてまいります。

 

(注) 1.対象期間は、2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)です。

2.集計対象には、社外から受け入れた出向者を除き、社外への出向者を含んでおります。

3.賃金は、給与、賞与、手当など(実費弁償分などの経費は対象外)を算出しております。

4.「管理職に占める女性の割合」および「男女の賃金の差異」は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しております。

5.「管理職に占める女性の割合」の「課長相当職以上」は、 2023年度より、算定対象の変更により算出範囲から海外関連会社への出向者を除外しております。

6.「男性の育児休業取得率」は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出しております。

7.「男女の賃金の差異」は、今回より前提条件を変更し算出しております。正規雇用労働者と非正規雇用労働者の区分を一部見直しております。また、短時間勤務者については、正社員の所定労働時間で換算した人員数を基に平均年間賃金を算出しております。表内のカッコ書きの数値は、新たな前提条件で2023年3月期の数値を再計算したものです。

 

③ その他の連結子会社

 

名称

管理職に

占める女性の

割合(%)

男性の育児

休業取得率(%)

男女の賃金の差異(%)

全労働者

正規雇用
労働者

非正規雇用
労働者

アセットマネジメントOne株式会社

25.8

85

(注)5

78.2

76.4

75.9

みずほドリームパートナー株式会社

40.6

-

-

30.2

46.1

29.5

ユーシーカード株式会社

16.9

70

(注)6

66.1

63.1

77.6

みずほ不動産販売株式会社

12.9

13

(注)5

54.8

54.8

49.3

みずほ証券ビジネスサービス株式会社

61.1

-

-

62.4

64.9

83.2

みずほトラストリテールサポート株式会社

24.1

-

-

54.1

45.6

69.7

みずほビジネス・チャレンジド株式会社

9.7

-

-

101.3

105.0

57.5

みずほビジネスサービス株式会社

56.5

-

-

60.8

77.3

78.9

みずほビジネスパートナー株式会社

11.3

-

-

68.1

60.3

56.0

 

(注) 1.対象期間は、2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)です。

2.集計対象には、社外から受け入れた出向者を除き、社外への出向者を含んでおります。

3.賃金は、給与、賞与、手当など(実費弁償分などの経費は対象外)を算出しております。

4.「管理職に占める女性の割合」および「男女の賃金の差異」は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しております。

5.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出しております。

6.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出しております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

〈みずほ〉は、サステナビリティを「環境の保全および内外の経済・産業・社会の持続的な発展・繁栄、ならびに〈みずほ〉の持続的かつ安定的な成長」と定義しております。サステナビリティへの取り組みを進めることで、様々なステークホルダーの価値創造に配慮した経営と当社グループの持続的かつ安定的な成長による企業価値の向上を実現し、SDGs達成に貢献していくことをめざしております。

本項では、初めにサステナビリティ全般に関し、「ガバナンス」「リスク管理」として経営管理の枠組み、「戦略」としてマテリアリティへの取り組み概要を説明した後、個別テーマである気候変動と人的資本に関する具体的な「戦略」「指標・目標」を概説いたします。

なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであり、今後様々な要因によって大きく異なる結果となる可能性があります。

 

1.サステナビリティ全般に関するガバナンス、リスク管理、戦略

(1) ガバナンス

当社グループのコーポレート・ガバナンス体制は、有価証券報告書「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載の通りです。マテリアリティへの対応をはじめとしたサステナビリティへの取り組みについても、この体制のもとで運営しております。

取締役会においては、サステナビリティへの取り組みに関する基本方針等の決定ならびに取締役及び執行役の職務の執行の監督を行っております。また、取締役会の諮問機関として、リスクガバナンス等に関する決定・監督等に関して取締役会に提言を行うリスク委員会を設置、外部有識者の専門的な知見を活用することで適切な監督機能を発揮可能な態勢を構築しております。取締役会やリスク委員会にて、気候関連リスクをはじめとする主要なサステナビリティ課題について議論のうえ、その内容を定期的に開示しております。

執行においては、経営会議で、サステナビリティに関連する業務執行に関する重要な事項を審議しております。また、経営政策委員会等にて、サステナビリティに関連する全社的な諸課題やグループのビジネス戦略上重要な事項について、総合的に審議・調整を行っております。加えて、執行役社長を委員長とするサステナビリティ推進委員会では、特に気候変動への対応や人権尊重等の環境・社会課題に関する取り組み等に関して、審議・調整を行っております。また、人材戦略会議やダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン推進委員会において、人的資本経営に必要な人材育成方針や社内環境整備方針等の協議、周知徹底、推進を行っております。

また、役員報酬制度においては、業績連動報酬に係る業績評価指標に「みずほフィナンシャルグループ財務」「お客さま」「経済・社会」「社員」の切り口からステークホルダーの持続的な成長・発展を評価する指標を選定しており、特に中長期インセンティブ報酬(株式報酬Ⅱ)には、サステナビリティに関する評価指標を採用しております。

 

(2) リスク管理

当社グループは、事業戦略・財務戦略とリスク管理の一体運営を通じて企業価値の向上を実現する観点から、リスクアペタイト・フレームワーク(RAF)を導入しております。また、リスクの要因別に「信用リスク」「市場リスク」「オペレーショナルリスク」等のリスクカテゴリーに分類し、各リスク特性に応じた管理を行った上で、リスクを全体として把握・評価しリスクを制御していく、総合的なリスク管理態勢を構築しております。当社グループは、こうしたリスク管理フレームワークの中でサステナビリティに関連するリスクを認識し、業務計画遂行上重要なリスクを特定した上で、各リスクカテゴリーの特性や事業戦略を踏まえてリスクをコントロールしております。

また、当社は、当社グループに重大な影響を及ぼすリスク認識を選定する「トップリスク運営」を導入しております。2024年5月現在のトップリスクには、「気候変動影響の深刻化」や「人材不足等による持続的成長の停滞」等が含まれます。選定したトップリスクについては、未然防止策や事後対応等のリスクコントロール強化策の検討、業務計画への反映等を通じ、リスクコントロールやガバナンスの強化に活用しております。当社のトップリスク運営等の詳細については、有価証券報告書「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」をご覧ください。

気候関連リスクについては、発現の蓋然性、時間軸、影響の不確実性や複数のリスク区分に波及すること等の特性を踏まえ「気候関連リスク管理の基本方針」を制定し、管理を強化しております。また、投融資等を通じた環境・社会に対する負の影響を防止・軽減するため、負の影響を助長する可能性が高い事業やセクターを特定し、「環境・社会に配慮した投融資の取組方針」を制定しております。また人的リスクについては、重要なステークホルダーである社員へのリスクを明確化し、人的リスクを人的資本経営と表裏の関係で捉えるとする考え方を反映して「人的リスク管理の基本方針」を改定し、人的リスクの定義を見直しました。

 

(3) 戦略

サステナビリティについての基本的考え方や推進方法等を定めた「サステナビリティへの取り組みに関する基本方針」のもと、グループ全体で戦略と一体的にサステナビリティへの取り組みを推進してまいります。また、社会の期待*1と、当社グループにとっての重要性*2を踏まえて「マテリアリティ」(〈みずほ〉と、お客さま、社員、経済・社会をはじめとするステークホルダーの持続的な成長・発展にとっての中長期にわたる優先課題) を特定するとともに、〈みずほ〉にとってのリスクと機会、および具体的取り組みを明確化しております。サステナビリティへの取り組みにあたっては、長期的な視点に立ち、「マテリアリティ」に取り組むことで、環境の保全および内外の経済・産業・社会の持続的な発展・繁栄に貢献し、様々なステークホルダーの価値創造に配慮した経営と当社グループの持続的かつ安定的な成長による企業価値の向上を目指していきます。

*1:当社グループが社会に与えるインパクトに対するステークホルダーの期待

*2:中長期的な企業価値への影響、当社グループの戦略・事業領域との親和性

 

[〈みずほ〉のマテリアリティ]

 

マテリアリティ

主な取り組み

有価証券報告書に
おける関連記載箇所

少子高齢化と健康・長寿

人生100年時代の一人ひとりに応じた安心・安全・便利

・個人資産形成・運用・承継に対する総合資産コンサルティング

・デジタルチャネル・対面双方の顧客接点の質と利便性の向上

 

 

 

 

第2 事業の状況
1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
(1)経営方針、および(3)対処すべき課題

 

 

 

 

 

気候変動への取り組みについては、後述の2.

産業発展とイノベーション

産業・事業の発展を支え、グローバルに新たな価値を創造

・気候変動対応をはじめとした事業・産業構造転換支援等の産業全体を捉えた仕掛け

・イノベーション企業の成長支援・共創による社会インパクト創出

・技術力ある日本企業の事業承継支援知

健全な経済成長

環境変化に対応する金融インフラ機能の発揮を通じた経済発展への貢献

・中堅上場企業等の企業価値向上に貢献、日本経済を活性化

・運用力強化による資産運用ニーズ対応とO&D活性化

・グローバルな金融資本市場でのCIBビジネスの展開

環境・社会

お客さまと共に環境の保全をはじめとする社会の持続的な発展を実現

・サステナビリティを契機としたソリューション提供や事業構造転換支援、それらの各法人セグメントへの伝播

・環境・気候変動への対応、社会・人権への取り組み

人材

自律的な企業文化のもと多様な社員が活躍し、お客さま・社会とともに成長

・グループ横断的な企業風土改革の取り組み推進

・戦略的ローテーションや人材投資を通じた社会課題解決に対応可能な人材の育成

・多様な人材の活躍を支える働きやすい職場と、インクルーシブな組織づくり

後述の3.

ガバナンス

お客さま・社会に貢献するための強固な企業統治と安定的な業務運営

・オペレーショナル・レジリエンス(平時の危機対応)の強化

・サイバーセキュリティ対策、AML/CFT態勢の更なる強化・拡充

・グローバルガバナンスの強化

第2 事業の状況
3.事業等のリスク

 

マテリアリティに関連する〈みずほ〉にとってのリスクと機会、および主な取り組み等については、2024年7月開示予定の統合報告書をご参照ください。

 

以下、当社のマテリアリティのうち、「環境・社会」に該当する気候変動への取り組み、および「人材」に該当する人的資本への取り組みについて概説します。なお、その他のマテリアリティへの取り組みについては、上述の「有価証券報告書における関連記載箇所」をご参照ください。

 

 

2.気候変動

(1) 戦略

「環境方針」や「2050年ネットゼロに向けた〈みずほ〉のアプローチ」において、脱炭素社会の実現に向けた〈みずほ〉の気候変動への取り組み姿勢や、目指す姿・行動(アクション)を明確化し、グループ一体で取り組みを進めております。2050年の脱炭素社会の実現に向けて、ビジネス機会獲得、リスク管理、実体経済の移行の3つの観点を踏まえた「ネットゼロ移行計画」に基づき、より統合的かつ実効的に気候変動への対応を進め、2050年脱炭素社会の実現や気候変動に対して強靭な社会の構築に貢献してまいります。

 

[ネットゼロ移行計画(概要)]

 


 

[気候変動に関する機会・リスクの認識]

・お客さまによる脱炭素に向けた技術開発・ビジネスモデル構築のための投資をビジネス機会と認識し、お客さまとのエンゲージメント(建設的な対話)を起点に、脱炭素化(トランジション)や気候変動対応の支援に注力しております。

・気候関連リスクとして、気候変動に起因する移行リスクと物理的リスクを認識し、リスク区分毎に想定される影響を整理しております。

-移行リスク:炭素税や燃費規制といった政策強化や脱炭素等の技術への転換の遅れにより影響を受ける投融資先に対する信用リスクや、化石燃料等へのファイナンスに伴うレピュテーショナルリスク等を想定

-物理的リスク:気温上昇や災害の変化に起因する、当社グループの資産の損傷・劣化等に伴うオペレーショナルリスクや、事業停滞や労働力低下でのお客さまの収益減少等に伴う信用リスク等を想定

 

[シナリオ分析]

・気候変動が将来にわたって当社グループのポートフォリオに与える影響を把握するため、移行リスクおよび物理的リスクを対象にシナリオ分析を実施しております。気候変動に関するさまざまな将来の状態に対する計画の柔軟性や戦略のレジリエンスを高めるべく、1.5℃のシナリオを含む複数のシナリオを用いて分析しております。

 

 

(2) 主要な指標・目標

 

指標

目標

直近実績

サステナブルファイナンス/

環境・気候変動対応ファイナンス額

2019年度~2030年度累計:100兆円(うち環境・気候変動対応:50兆円)

2019年度~2023年度累計(速報値) 31.0兆円(うち環境・気候変動対応 14.0兆円)

Scope1,2(グループ7社の温室効果ガス排出量)

2030年度カーボンニュートラル

2022年度 106,750tCO2 (マーケット基準)

Scope3(投融資を通じた排出)

2050年ネットゼロ

(セクター別に実績を開示)

- 電力セクター

2030年度 138-232kgCO2e/MWh

2022年度 368kgCO2e/MWh

- 石油・ガスセクター

2030年度

(Scope1,2) 4.2gCO2e/MJ

(Scope3) 2019年度比△12~△29%

2022年度

(Scope1,2) 5.6gCO2e/MJ

(Scope3) 34.8MtCO2e (2019年度比 △43%)

- 石炭採掘(一般炭)セクター

絶対排出量 2030年度 OECD諸国ゼロ、

2040年度 非OECD諸国ゼロ

2022年度 0.6MtCO2e

 - 自動車セクター

2030年度

(Scope1,2) 2021年度比△38%

(Scope3) 2021年度比△31~△43%

2022年度

(Scope1,2) 831ktCO2e (2021年度比△11%)

(Scope3) 184gCO2e/vkm (2021年度比△7%)

- 海運セクター

2030年度 ポートフォリオ気候変動整合度≦0%

2022年度 -1.55%

- 鉄鋼セクター

2030年度 2021年度比△17~△23%

2022年度 14MtCO2e (2021年度比△18%)

- 不動産セクター

2030年度 33~42kgCO2e/㎡

2022年度 65kgCOe2/㎡

石炭火力発電所向け与信残高*1

2030年度までに2019年度比50%に削減

2040年度までに残高ゼロ

2024/3末 2,408億円

(2019年度比 △20%)

移行リスクセクターにおける
高リスク領域エクスポージャー

中長期的に削減

2024/3末 1.5兆円

 

*1 環境・社会に配慮した投融資の取組方針で禁止している新設・拡張を資金使途とするもの

気候変動に関する戦略および指標・目標の詳細については、2024年6月に発行した気候・自然関連レポート2024をご参照ください。

 

3.人的資本

(1) 戦略

〈みずほ〉の企業価値の源泉である人材に対し、戦略人事を徹底すること、社員ナラティブを重視した人事運営を行うことで、ビジネス戦略に応じた機動的な人事運営の両立を実現させるとともに、社員一人ひとりが自分らしく輝き、会社とともに成長していくことを目指していきます。具体的には、①企業風土変革の取り組み推進、②社会課題解決に対応可能な人材の育成、③働きやすい職場、インクルーシブな組織づくりに取り組んでまいります。

取り組み詳細につきましては、2024年7月開示予定の統合報告書をご参照ください。

 

 

[人材・組織運営における取り組み内容]

 

①グループ横断的な企業風土変革の取り組み推進

全ての基盤であるカルチャー・人材は、戦略遂行の継続性を確実に担保し持続的な成長をするために不可欠であり、誰もが自律的に行動し建設的に議論できる組織を目指して、インターナルコミュニケーション(企業風土変革)とブランドコミュニケーション(ブランド強化)に取り組み

・企業理念の見直しを踏まえた社員一人ひとりへの浸透策を推進

・インターナルな取り組みだけでなく外から見える〈みずほ〉を再認識し、ブランドを再構築

②戦略的ローテーションや人材投資を通じた社会課題解決に対応可能な人材の育成

[人材育成方針]

社員一人ひとりのキャリア志向と、各事業分野における戦略実現を支える人材ニーズが両立した人材ポートフォリオの構築を目指して、社員のキャリア発展段階に応じた事業領域別の計画的な人材育成をグループベースで展開するとともに、事業領域横断的な経営リーダーの育成、サクセッションプランニングに取り組み

・キャリア形成に必要な学びやリスキリング・アップスキリングに必要な人材投資の拡大をすることで人材力を強化

・中長期的な事業戦略にアラインした戦略的ローテーションを推進するとともに、ピープルアナリティクスを高度化

・グループCEOの下、アサインメントや本人の自走を通じた中長期視点での経営リーダー育成プログラムを推進

③多様な人材の活躍を支える働きやすい職場と、インクルーシブな組織づくり

[社内環境整備方針]

すべての社員が、「働きやすさ」を感じながら長く〈みずほ〉で活躍し、会社への貢献意欲や仕事のモチベーションを高めていくことができる職場の実現を目指して、多様な視点や価値観を尊重し、一人ひとりが自分らしさと能力を最大限に発揮できる組織を構築

・社員の挑戦を支え、貢献に報い、働きやすさを感じられるグループ5社共通の人事の枠組みの構築・移行や人事システムの一元化を実施

・「人と人の関係性」に働きかけ、組織全体のモチベーションとパフォーマンスを高める職場主体での組織開発支援

・社員が財産形成を支援する枠組みや、金融教育機会の提供等、ファイナンシャルウェルネスを支える取り組みを実施

 

 

(2) 主要な指標・目標*1

 

指標

目標

直近実績

エンゲージメントスコア *2

2025年度:65%

2023年度:59%

インクルージョンスコア *2

2025年度:65%

2023年度:60%

女性管理職比率 *3

2025年度:部長相当職(部長及び部長に準ずる役職)14%

2023年度 *4 *9:

部長相当職10%

2025年度:課長相当職以上21%

2030年代の早期に30%

課長相当職以上20%

女性新卒採用者比率 *3

30%維持

2023年度 *5:37%

男性育児休業取得率 *3

100%維持

2023年度 *9:105%

海外現地採用社員の管理職比率 *6

83%維持

2023年度:85%

有給休暇取得率 *3 *7

80%維持

2023年度:83%

プレゼンティーズム *8

15%以下

2023年度:20%

 

*1  当グループでの連結ベースでの状況を最も表し得る主要グループ5社(FG・BK・TB・SC・RT)の数値を開示

*2  社員意識調査におけるエンゲージメントおよびインクルージョンに関する各4設問に対する回答の、肯定的回答率(1~5の5段階で4,5を回答した割合)

*3  国内 (FG・BK・TB・SC・RT) 合算

*4  「課長相当職以上」は、 2023年度より、算定対象の変更により算出範囲から海外関連会社への出向者を除外

*5  2024年4月入社

*6  「海外ナショナルスタッフ管理比率」より名称変更、海外 (BK・TB・SC・RT) 合算

*7 2024年度より目標値変更

*8 病気や怪我がない状態を100%とした場合、過去4週間の自分の状態が何%か問うもの、100%から欠ける部分(損失割合)を算出

*9  5[従業員の状況]にも掲載