2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    3,016名(単体) 37,286名(連結)
  • 平均年齢
    44.2歳(単体)
  • 平均勤続年数
    15.8年(単体)
  • 平均年収
    10,396,546円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    6.5%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

① 企業戦略と関連付けた人事戦略

 詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3) 人的資本への対応」をご参照ください。

 

② 給与その他の給付の額および内容の決定に関する方針

 経営戦略の遂行および中長期的な企業価値の向上にあたっては、事業戦略を支える人材の確保・育成・定着を通じて、人的資本の価値を継続的に高めていくことが重要であり、多様な専門性や経験を有する人材が高い意欲とやりがいを持って職務に取り組み、その貢献に報いる報酬制度が、適切に設計され、かつ実効性をもって運用されていることが不可欠です。

 上記の考えに基づき、当社では「職務内容と成果に応じた評価・処遇」を基本方針としています。個人ごとに求められる役割および職務内容に基づき固定給を決定し、その成果に応じて変動給(賞与)を決定する構成としています。評価制度は、当社の全社員を対象としており、賞与については、個人業績評価に加え、会社業績を反映した上で決定しています。また、一部の幹部社員には、経営への参画意識の醸成および中長期的かつ持続的な企業価値向上に向けた主体的な行動の促進を目的として、譲渡制限付株式を用いたインセンティブプランを導入しています。

 

公正な処遇

 個人の目標設定および評価は、上司と合意した目標(成果責任)に対して社員が生み出した成果を評価する「目標貢献度評価」と、職種・等級ごとに期待される役割に基づく行動の発揮状況を評価する「役割行動評価」により構成しています。目標貢献度評価は賞与に反映され、役割行動評価は昇給および昇格に反映されます。

 評価制度が、公平・公正に機能するよう、上司と部下の定期的な面談・対話を重視しています。上司は部下に求める役割および期待水準を職務に即して提示し、部下が最大限の能力を発揮できるように目標を設定します。期中には上司との面談で目標の達成状況を相互に確認し、必要に応じて目標の見直しや支援を行います。期末には評価結果のフィードバックを行うことで、継続的な成長や能力開発につなげています。

 また、上司に対しては、評価者としての制度理解および部下のキャリア支援に必要なスキルの習得を目的とした研修を実施しております。あわせて、部下の視点による上司の行動に関する調査を通じて、人事部門が管理職の行動や意識、職場の実態を把握し、評価制度の実効性向上に努めています。

 

競争力のある報酬水準

 当社では、昨今の物価上昇による社員への影響も考慮しつつ、成長戦略を支える人材への継続的な投資の観点から、当期において初任給を含む基本給の引き上げを実施しました。あわせて、外部労働市場における報酬水準や人材需給の動向について、第三者の報酬調査機関からの調査結果等を参考に、職務および役割の内容や水準に照らして検討を行い、優秀な人材の確保および定着の観点から、競争力のある報酬水準の維持に努めています。

 また、処遇に対する社員の満足度については、従業員エンゲージメントサーベイを通じて把握し、制度の設計および運営の参考としています。

 

 今後も経営環境や事業構造の変化を踏まえつつ、人材戦略と整合した給与等の決定方針を継続的に検討・見直し、適切な人材投資を通じて企業価値の持続的向上を図ってまいります。

 

 

(2)【従業員の状況】

① 連結会社の状況

 

2026年3月31日現在

事業の種類別セグメントの名称

従業員数(人)

法人営業・メンテナンスリース

4,961

不動産

9,186

事業投資・コンセッション

7,794

環境エネルギー

975

保険

2,095

銀行・クレジット

934

輸送機器

325

ORIX USA

2,070

ORIX Europe

1,645

アジア・豪州

4,977

セグメント計

34,962

全社(共通)

2,324

全社計

37,286

(注)1  従業員数は就業人員数です。

2  当連結会計年度における派遣社員およびアルバイト等の平均人員は18,443人です。

 

② 提出会社の状況

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

3,016

44.2

15.8

10,396,546

6.5

 

事業の種類別セグメントの名称

従業員数(人)

法人営業・メンテナンスリース

1,370

不動産

104

事業投資・コンセッション

105

環境エネルギー

267

保険

銀行・クレジット

輸送機器

66

ORIX USA

ORIX Europe

アジア・豪州

52

セグメント計

1,964

全社(共通)

1,052

全社計

3,016

(注)1  従業員数は就業人員数です。

2  平均年間給与は、上記従業員3,016人のうち休職者・会計年度内の途中入社および受入出向者を除いた金額です。

 

③労働組合の状況

  労働組合との間に特記すべき事項はありません。

 

④多様性に関する指標

 

2026年3月31日時点

提出会社および連結子会社

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合

男性社員の

育児休業等

取得率

労働者の男女の賃金の額の差異

全社員

うち

正規雇用社員

うち有期雇用社員・アルバイト

当社

34.1%

98.4%

64.2%

63.6%

78.6%

オリックス自動車株式会社

21.5%

100.0%

70.0%

68.3%

97.4%

オリックス・レンテック株式会社

40.8%

107.6%

68.9%

72.5%

68.0%

オリックス不動産株式会社

21.7%

100.0%

70.2%

70.1%

オリックス環境株式会社

10.0%

100.0%

67.2%

73.2%

52.3%

オリックス生命保険株式会社

21.9%

66.6%

62.4%

62.0%

56.4%

オリックス銀行株式会社

27.7%

105.5%

64.7%

68.0%

60.2%

オリックス・システム株式会社

20.0%

73.3%

70.8%

70.4%

国内グループ8社

29.8%

92.2%

65.0%

65.3%

62.2%

(注)1.管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出しています。なお、出向者を出向元の社員として集計しています。

2.男性社員の育児休業等取得率は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等の取得割合を算出しています。なお、男性社員の育児休業等および育児目的休暇の取得数を合わせた取得率を算出しており、出向者を出向元の社員として集計しています。過年度に配偶者が出産した社員が、当期に育児休業等を取得することがあるため、取得率が100%を超えることがあります。「-」は、対象社員が無いことを示しています。

3.労働者の男女の賃金の額の差異は、男性社員の年間平均賃金に対する女性社員の年間平均賃金の割合を示しています。なお、出向者については、他社から対象会社への受入出向者を含み、対象会社から他社への外部出向者を除いて集計しています。「-」は、対象社員が無いことを示しています。

4.国内グループ8社(当社、オリックス自動車株式会社、オリックス・レンテック株式会社、オリックス不動産株式会社、オリックス環境株式会社、オリックス生命保険株式会社、オリックス銀行株式会社、オリックス・システム株式会社を指す)は、オリックスグループの人事戦略に基づき、当社と人事制度や人事システムの一部を共同で運営しているグループ会社です。

5.上記表記載以外の連結子会社の状況につきましては、「第7 提出会社の参考情報 2 その他の参考情報 2.多様性に関する指標の補足情報」をご参照ください。

 

  当社は、多様なバックグラウンドをもつ社員一人ひとりが、最大限のパフォーマンスを発揮できるよう多様な働き方、職種を用意しており、その機会を提供することで、本人の望むキャリアの実現を支援しています。労働者の男女の賃金の額の差異にかかる主たる要因は、男女間における職種構成が大きく異なることが挙げられます。なお、同一職種等級、同じ役割・職務を担う場合、人事考課による増減を除き、同一賃金となる評価報酬制度であり、部長職の労働者の男女の賃金の額の差異は、94.9%です。オリックスグループでは女性管理職比率全体の向上をESG関連の重要目標として定め、女性登用を推進しています。

  人材戦略、人材戦略にかかる指標および目標につきましては、「第2 事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (3) 人的資本への対応」をご参照ください。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 オリックスグループは、「ORIX Group Purpose & Culture」および中長期的な事業戦略「ORIX Group Growth Strategy 2035」のもと、新しい価値を提供し社会課題解決に貢献して適切な対価を得ること、ならびに提供する価値がステークホルダーの期待を上回り続け、その結果として持続的に企業価値を向上させることを経営の重要テーマと捉えています。一方で、当社の事業経営を取り巻く環境は、地政学的リスクの更なる高まり、技術進化の加速、資源・エネルギー需給の不安定化など、考慮すべきリスクはより複雑になっております。

 

 「ORIX Group Purpose & Culture」や「ORIX Group Growth Strategy 2035」を踏まえ、サステナビリティに関する国内外の情勢やオリックスグループの経営状況を考慮し、当社の重要課題を更新いたしました。更新に際しては、事業本部長クラスによる座談会を複数回開催し、お客様や社会からの期待について討議しました。並行して、オリックスの持続可能性に対して発生しうるリスクおよび機会について、潜在的財務影響と発生可能性を考慮の上、サステナビリティ部においてリスクマッピングを行い、オリックスグループに関連する産業に関するSASBスタンダード(2023年12月最終改訂)も参照しました。これらの検討状況は、2025年11月および2026年3月の取締役会にも報告しています。これらの討議を踏まえ、以下の通り、当連結会計年度末後の2026年5月取締役会において、重要課題の更新を決議しました。

 

 上記の取締役会で決議いたしました更新後の重要課題は、「気候変動対応」「循環型経済」「社会への活力」「ビジネス・エコシステム」「人的資本経営」「ガバナンス」の6項目としております。副題と重要課題とする理由については以下の表をご覧ください。このうち、「人的資本経営」と「ガバナンス」については、成長戦略を支える経営基盤と位置付けています。2021年11月に制定した従前の重要課題14項目のうち、既に方針や目標を実行・実践するフェーズに入っている4項目については重要課題としての優先順序は低下しており、一方で、課題認識を継続する10項目については、更新後の重要課題にその考え方を引き継いでいます。

 

 当社では、2027年3月期以降のサステナビリティ開示基準*の適用に向けて、重要課題それぞれに対応するリスクおよび機会、戦略、指標および目標についての更新を進めます。(当期のサステナビリティ関連記載事項の開示は、サステナビリティ開示基準の全てに準拠したものではございません。)2021年11月に制定し、2026年5月に更新された重要課題は、それぞれ決議時点での中長期的な経営方針および事業環境に基づき決議したものであり、当社の経営方針や外部環境の変化が著しい場合など、今後も定期的に見直しを行います。

 

* 国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)が開発したIFRSサステナビリティ開示基準の内容と整合性があるものとして、我が国のサステナビリティ基準委員会(SSBJ)が開発したサステナビリティ開示基準(日本基準)。

 

 

 

重要課題と副題

重要課題とする理由

気候変動対応

~脱炭素社会の実現に向けた機会を捉え、事業の進化につなげる。

事業

 

当社は、2000年代より再生可能エネルギー事業を国内外で手掛け、現在では蓄電所事業や太陽光発電所の管理受託事業なども手掛けている。

「地球温暖化」をテーマとする課題解決は、「ORIX Group Growth Strategy 2035」における戦略的投資領域の一つであり、先進国・新興国両方での豊富な投資経験や事業運営ノウハウを進化させることで、新たな事業機会を中長期的に獲得できると考えるため。

循環型経済

~目利きと運営力を生かし、資産価値の最大化と循環を実現する。

事業

 

当社は、自ら投資して管理・運営してきた資産を、第三者資金によってファンド化しつつ、引き続きその資産を管理・運営することで、資産価値向上とフィー収益獲得の両方を実現する「事業価値創造モデル」を競争力の源泉の一つとしている。

「限りある資源」をテーマとする課題解決は「ORIX Group Growth Strategy 2035」における戦略的投資領域の一つであり、リース事業や資産管理サービスを通して培ってきた目利き力や運営力を発揮して中長期の事業機会を獲得できると考えるため。

社会への活力

~地域の事業基盤と人材力を活用し、人々の暮らしと経済活動に活力をもたらす。

事業

 

当社は、グループ内外の事業基盤や人材などの経営資源を活用してお客様の課題に解決策を提供し、付加価値を創造する「顧客課題解決モデル」を競争力の源泉の一つとしている。

この価値創造を持続的に行うためには、地域・社会のレジリエンス(強靭さ)の維持・向上が不可欠であり、お客様である中堅中小企業およびその経営者・従業員、地域社会の活力の向上が、当社の持続可能性を高めると考えるため。

ビジネス・エコシステム

~幅広いパートナーとの協業を通じて、新たな価値と解決策を創出する。

事業

 

当社は、商品やサービスを提供するサプライヤーをはじめとする幅広いステークホルダーとの協働を通じて、お客様に対する価値提供を実現している。

こうした協働のもと、環境負荷低減や人権尊重といった課題にも共に取り組むことが、事業基盤の持続性と経営資源の安定的確保につながるとともに、新たな価値や解決策の創出に不可欠であるため。

 

人的資本経営

~多様な人材が活躍できる環境を整え、イノベーションと競争力を高める。

経営

 

当社の人的資本経営とは、「コアバリュー」(独自の価値観から生まれる行動様式)の浸透と、「コアケイパビリティ」(組織的な変革力)の強化、「多様な人材が活躍できる職場づくり」を3つの柱とし、それらを三位一体で進めることで新規事業の創出や既存事業の価値向上を図り、持続的な事業成長に繋げていく経営のあり方である。このような人的資本経営が当社の持続的な成長に資すると考えるため。

ガバナンス

~取締役会の監督機能とコンプライアンス・情報セキュリティに関するリスク管理体制を強化する。

経営

 

当社は、経営の基本方針に沿った事業活動を適切に実行し、経営の公正性を確保するため、コーポレート・ガバナンス体制の強化を経営の重要事項の一つと考え、取締役会の実効性向上を継続的に図り、健全かつ透明性の高いコーポレート・ガバナンス体制を構築している。また、親会社および支配株主を有しないことから、幅広いステークホルダーの信頼を得ることが、経営の独立性や柔軟性を高め、企業価値向上に繋がると考える。

加えて、コンプライアンスや情報セキュリティに関するリスクは当社の事業継続および企業価値に重要な影響を及ぼす可能性があることから、その管理体制の強化が必要であると考えるため。

 

 前述の通り、重要課題の更新は、当連結会計年度末後の2026年5月取締役会にて行われました。一方、以下(1)全体から(4)情報・サイバーセキュリティリスクへの対応に記載した事項につきましては、当連結会計年度において執行した事項であり、当該年度における重要課題および重要目標(いずれも2021年11月制定)に基づいて取り組んでおります。

 

 また、以下の項目では、将来に関する記載が含まれています。

(1)全体④指標および目標

(2)気候変動への対応②戦略、および④指標および目標

(3)人的資本への対応④指標および目標

これらの将来に関する記載は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報および合理的な仮定ならびに推論に基づき記載をしています。各項目の内容に応じて関係部門において検討を行い、サステナビリティ委員会、人的資本協議会、経営情報化委員会、その他の会議体、あるいはグループCEOないしグループCFOによる承認を経ています。ただし、これらの将来に関する記載は、制度変更や社会からの要請などオリックスグループを取り巻く環境の変化や、当社の業績により、事後的に変更する可能性があります。

 

(1) 全体

 

① ガバナンス

 オリックスグループでは、取締役会が、グループ全体のサステナビリティ関連のリスクおよび機会を監督する責任を負っています。取締役会は、サステナビリティ委員会やその他の会議体から定期的に報告を受け、サステナビリティに関する方針の承認を行い、重要課題および重要目標に対する進捗状況について監督および必要な指導を行っています。「統合報告書2025」54ページにおけるスキルマトリクスで示しているとおり、取締役には、ESGに関する豊富な経験を有する者がおり、適切に監督しています。また、監査委員会も、サステナビリティに関する進捗や開示規制等への対応状況につき担当部門や監査部門から定期的に報告を受け、その状況を確認しています。

 

 執行においては、サステナビリティ委員会が、グループ全体のサステナビリティに関連する業務執行に関する重要事項を審議しています。また、そのテーマの特性に応じ、分野ごとに設置された会議体が、サステナビリティ委員会と連携しながら、より専門的な観点から検討・推進を担う場合があります。

 

 サステナビリティ委員会は、サステナビリティを全社横断的に推進するための方針、重要課題および重要目標の検討、ならびに目標達成に向けた戦略、KPIおよび活動手順、推進体制等について討議を行い、その内容を取締役会に報告しています。当期において同委員会は4回開催され、前期活動報告と当期活動方針の他、オリックス自動車株式会社・不動産セグメントのサプライヤー行動指針制定、重要課題更新の進捗等が審議されました。

開催日

審議内容

2025年4月18日

①「オリックス自動車 サプライヤー行動指針」制定

②不動産セグメントにおける「サプライヤー行動指針」制定

2025年5月19日

オリックスグループのサステナビリティ推進活動に関する2025年3月期実績報告と、2026年3月期方針決裁

2025年10月23日

重要課題更新の方向性について

2026年3月24日

重要課題更新の進捗について

 

 2022年3月期からは、執行役(取締役を兼務する者を含む)に対する報酬方針として、ESGへの取り組み状況を年次賞与の定性評価項目に取り入れています。また、2024年3月期から常務以上の執行役について、オリックスグループとしてのESG関連の重要目標の進捗状況を定量評価項目として追加しました。事業部門の取り組みが環境・経済・社会に与える影響を考慮し、中長期的な視点で事業活動を行うことを、役員が率先して推進することを目的としています。

 

 オリックスグループではサステナブルな投融資を推進する目的でサステナブル投融資ポリシーを制定しています。また、人権上の問題が懸念される企業との取引や特定のセクター・事業活動にかかる取引を禁止しています。個別の投資、融資に関する案件は投・融資委員会で審議します。委員会に付議される案件は、オリックスグループ独自のチェックリストや外部ベンダーの情報を用いて、立案部署とサステナビリティ部とで案件を評価しています。評価の結果、環境や社会の観点で懸念がある場合は、投融資に関するその他の情報と合わせて、投・融資委員会に報告されます。

 

 

② 戦略

 持続可能な社会を実現するため、そしてオリックスグループの持続的な成長を実現するため、2021年11月に重要課題を設定しました。前述のとおり、当連結会計年度末後の2026年5月取締役会において重要課題の更新を決議しましたが、ここでは2021年11月制定の重要課題とその取組について記載しています。

 

(a) 気候変動リスク軽減のための重点分野・課題

  ⅰ. GHG排出削減目標を設定する。

  ⅱ. 事業者および投資家として、再生可能エネルギー分野における事業発展に寄与する。

  ⅲ. 気候変動関連リスクの定量化とその削減に努め、TCFDの提言を継続的に順守する。

  ⅳ. 循環型経済の推進と廃棄物削減の適切な処理を継続する。

  ⅴ. 環境リスクの高い事業分野への投融資残高削減を推進するとともに、新規投融資において除外規定を明示
      する。

  ⅵ. 環境への影響を緩和するための商品・サービスの提供により、すべての関係者と共同で環境改善を促進す
      る。

(b) 人権問題を含む社会的リスク軽減のための重点分野・課題

  ⅰ. 新たな社会関連リスク発生を排除するため、サステナブル投融資ポリシーと行動指針および管理体制の強

      化を継続する。

  ⅱ. 国連世界人権宣言の支持、労働者の健康と安全・DE&I(多様性、公平性、包括性)・差別排除などの

      基本的人権の尊重をすべての関係者と共有する。

  ⅲ. 社員の多様性を尊重し、柔軟な働き方の推進・キャリア支援、公正な評価報酬制度・健康管理体制の整備

      を通じて、DE&Iを促進し、社員の働きがいを高める。

 

(c) 透明性、遵法性、誠実性を基本とするガバナンス強化のための重点分野・課題

  ⅰ. 取締役会は独立した客観的な立場から、業務執行に対する実効性の高い適切な監督・指導ができるための

      体制を維持する。

  ⅱ. グループCEOは、取締役会の監督下において、当該重要課題の対応を含め、すべての業務執行の責任を

      担う。

  ⅲ. 顧客満足度を重視した持続可能な商品・サービスの提供を継続する。

  ⅳ. すべての事業において、顧客からの信頼構築に努める。

   ⅴ. 適切な納税を含む、すべての法律・規制などコンプライアンスを重視する遵法精神を構築する。

 

 当期における主な取組は以下の通りです。

 上記「(a)気候変動リスク軽減」に関しては、GHG排出量削減のため、スコープ1排出量の大部分を占める石炭・バイオマス混焼発電所の設備改造による削減を継続的に検討しました。スコープ2排出量削減についても、主たる排出拠点毎に計画を策定し、段階的な削減を進めています。

 また、「(b)人権問題を含む社会的リスク軽減」のため、引き続き人的資本経営に取り組みました。具体的には「コアバリューの浸透」「コアケイパビリティの強化」「多様な人材が活躍できる職場づくり」を3つの柱とし、進捗状況をモニタリングしました。加えて、「人権ポリシー」の理解・浸透のため、研修ツールを製作の上、コンプライアンス研修や階層別研修の中で人権に関する研修も実施しました。

 さらに、「(c)透明性、遵法性、誠実性を基本とするガバナンス強化」のうちコーポレート・ガバナンスに関しては、取締役会と内部機関である三委員会(指名・監査・報酬)において進められました。具体的には、当期、指名委員会においては事業部門COO・グループCFOの選定についての審議や、社外取締役候補者の検討についての審議等が行われました。監査委員会では、決議・報告事項に加え、監査計画や監査活動の振り返りや方向性を検討する機会を定期的に設けました。報酬委員会においては、連結ROE等の業績指標に連動する役員報酬の検討等が行われました。また、グループ全役職員を対象とした「行動指針」を2025年4月に改定し、4つのCompliance Valuesを定めました。

 上記の詳細につきましては、(2)気候変動への対応、(3)人的資本への対応、「第4 提出会社の状況 4 コーポレートガバナンスの状況等」の事項も合わせてご覧ください。

 

 

③ リスク管理

 オリックスグループでは、事業活動に伴う多様なリスクおよび機会を的確に把握し、適切に管理するため、全社的なリスクマネジメント体制を構築しています。

 

 サステナビリティに関連するリスクおよび機会については、事業環境の変化、規制動向や、株主・投資家、地域社会、顧客、社員、サプライヤー・事業パートナー等のステークホルダーとの対話を通じて得られる情報を継続的に収集しています。サステナビリティ委員会では重要目標の達成状況のモニタリングや評価を行っています。また、そのテーマの特性に応じ、分野ごとに設置された会議体が、サステナビリティ委員会と連携しながら、より専門的な観点から検討を行っています。サステナビリティ委員会およびその他の会議体における討議内容は、取締役会に定期的に報告し承認を得ています。

 

 事業部門では各事業の特性に関連する情報を収集し、サステナビリティのリスクおよび機会を継続的に分析しています。

 

 オリックスグループではサステナブルな投融資を推進する目的でサステナブル投融資ポリシーを制定しています。また、人権上の問題が懸念される企業との取引や特定のセクター・事業活動にかかる取引を禁止しています。個別の投資、融資に関する案件は投・融資委員会で審議します。委員会に付議される案件は、オリックスグループ独自のチェックリストや外部ベンダーの情報を用いて、立案部署とサステナビリティ部とで案件を評価しています。評価の結果、環境や社会の観点で懸念がある場合は、投融資に関するその他の情報と合わせて、投・融資委員会に報告されます。

 

 人権については、人権ポリシーを定め人権尊重の取り組みを推進するためのガイドラインとしています。オリックスグループが尊重する人権の範囲を「自社従業員とお取引先」のみならず「サプライヤーや地域社会」まで広げ、教育・研修、救済措置、開示を行う方針を明確にしています。また英国現代奴隷法に関する声明で開示しているように、事業を行っているさまざまなセクターや地域のリスクプロファイルの確認、不当行為等の報告を奨励する通報制度の整備、社員の教育を行っています。

 

 サプライチェーンマネジメントについては、持続可能なサプライチェーンの構築のために、自社とサプライヤーの事業活動を一貫して、労働上の安全衛生や自然環境保護に関する法令遵守を推進しています。2026年3月期はオリックス自動車株式会社、不動産セグメントにおいて「サプライヤー行動指針」を制定しました。

 

 環境関連については、環境方針を定め環境・エネルギー問題の解決、法令遵守、情報開示等を推進しています。

 

 コンプライアンスや情報セキュリティに関しては、それぞれ全社をカバーする体制と社内規程を整備し、また社員に対しては定期的な研修も実施しています。

 

 

④ 指標および目標

 オリックスグループでは、2021年11月に重要目標を設定し、これらの目標について進捗状況を定期的に確認しています。当期は、引き続きスコープ1・2排出量削減に取り組みました。また、女性管理職比率がオリックス(株)単体ならびに国内グループ8社の両方で1年前に比べて上昇した他、女性取締役比率がはじめて30%以上となりました。2027年3月期以降のサステナビリティ開示基準の適用に向けて、2026年5月に更新された重要課題に対応する指標および目標についても検討を行います。その結果、これらの目標が変更になる可能性があります。

 

 

指標

中期目標

長期目標

2026年3月期実績

オリックスグループのGHG(CO2)排出量(スコープ1・2)

2030年3月期までに実質的に50%削減(2020年度比)

2050年3月期までに実質的にゼロ

スコープ1・2排出量:100.5万トン※1、2020年度比20.6%削減

GHG(CO2)排出産業※2に対する投融資残高

2030年3月期までに50%削減(2020年度比)

2040年3月期までにゼロ

中期目標の達成に懸念が無いことを確認済※3

オリックスグループの女性管理職比率

2030年3月期までに30%以上

オリックス(株)単体34.1%、
国内グループ8社※429.8%

社外取締役比率

2023年6月の株主総会までに過半数

60%

女性取締役比率

2030年3月期までに30%以上

30%

※1 2026年3月期実績のスコープ1・2排出量については当社ウェブサイトに掲載しております「温室効果ガス排出量に係る第三者保証情報(2026年3月期)」において、KPMGあずさサステナビリティ株式会社による第三者保証(限定保証)を受けております。第三者保証についての詳細および、スコープ1・2排出量の内訳は「温室効果ガス排出量に係る第三者保証情報(2026年3月期)」をご参照ください。

※2 海外現地法人における化石燃料採掘業やパーム油プランテーション、林業を指す

※3 マレーシア、インドネシア、オーストラリアの現地法人における当該産業向け与信残高の動向把握を行っています。

※4 国内グループ8社:オリックス株式会社、オリックス自動車株式会社、オリックス・レンテック株式会社、オリックス不動産株式会社、オリックス環境株式会社、オリックス生命保険株式会社、オリックス銀行株式会社、オリックス・システム株式会社

 

 重要目標は、各国・各地域の法令および規制を前提として設定していますが、法令に照らしてその適用が難しい国・地域においては、当該目標が適用されないことがあります。

 

 重要目標進捗の詳細は、「統合報告書2025」37ページから39ページをご参照ください。

 

 

(2) 気候変動への対応

 気候変動への対応は、(1)全体に記載したサステナビリティのガバナンスおよびリスク管理の枠組みに基づいて実施し、また、「コーポレートレベル(全社テーマ)」と「事業部門レベル」の両方で行っています。

 

① ガバナンス

 コーポレートレベル(全社テーマ)で気候変動への対応を担うのはサステナビリティ委員会です。同委員会では、TCFD提言に基づくシナリオ分析の実施結果や、GHG排出量削減に向けた取り組みの進捗、世界的な議論や今後想定される規制強化の流れ、取引先から寄せられる要望などについて討議します。また取締役会に討議内容を報告し、適宜指示を受けています。

 

 事業部門では、事業部門長を責任者として、気候変動リスクに対応しています。具体的には、GHG排出量が一定規模以上の事業に関してはその削減策を計画し、その実現を図ります。また、シナリオ分析の実施によって気候変動リスクが自社に一定規模以上の財務影響を生じさせる可能性が認められる場合には、その対応策を検討します。自ら行う事業を通じた取り組みに限らず、投融資先、その他取引先、サプライチェーンへの働きかけなど、各事業の特性に合わせたさまざまな方法を検討していきます。事業部門の取り組みは部門戦略会議でトップマネジメントを含む社内取締役と議論の上で決定し、その内容はサステナビリティ委員会および取締役会にも報告されます。

 

 

② 戦略

 気候変動と関連性が高い事業部門についてはTCFD提言に基づくシナリオ分析を行っています。シナリオ分析の結果、複数部門に共通する主なリスクと機会ならびに想定される影響は以下のとおりです。

 

(a) 移行リスク

 脱炭素社会への移行にともなう規制変更や技術革新、ビジネスモデルの転換等によって、取引先の経営破綻(業績悪化)等の結果、与信関係費用等が増加するリスク。

(b) 物理的リスク

 異常気象や自然災害などにより、業務の一時中断、運営費用の増加または自社の事業運営が困難となるリスク。暴風雨等の異常気象・自然災害等により投資価値・資産価値が毀損するリスク。

(c) 気候関連の機会

 再生可能エネルギーの需要増に伴うビジネス機会の拡大。

 

 これらのリスクおよび機会は、短期(1年以内)において単発的に顕著な財務影響を及ぼす可能性は相対的に低い一方で、中長期(1年超)において複数の要因が累積的に作用することで、影響が顕在化する可能性があると認識しています。また、これらのリスクおよび機会に対処するための主な取組は以下の2点です。

 

・GHG排出量削減の取組:オリックスグループのGHG(CO2)排出量(スコープ1・2)のうち8割弱を占める2基の石炭・バイオマス混焼発電所において、設備改造によるバイオマス専焼化などによる排出量削減を検討しています。その他の主たる排出拠点においても、スコープ2排出量の削減のため、事業投資部門の投資先を含めて計画を策定し、段階的に排出削減を実施しています。

・再生可能エネルギー事業の推進:世界各国で再生可能エネルギー発電事業を行っています。再生可能エネルギーの更なる普及拡大のため、発電所の運営・管理・保守事業、蓄電所事業などの取組を展開しています。

 

シナリオ分析の詳細や上記取組の詳細は「統合報告書2025」40ページから41ページ、84ページから87ページをご参照ください。

 

 

③ リスク管理

 気候変動に関するリスク管理については(1)全体③リスク管理に記載した全社的な枠組みに基づき実施しています。

 

 気候変動に関するリスクについては、サステナビリティ委員会における全社的な評価プロセスの中で位置づけられ、他の重要なサステナビリティ課題とあわせて管理しています。

 

 

④ 指標および目標

 オリックスグループでは、気候変動に関連するリスクおよび機会を評価・管理するため、GHG(CO2)排出量を主要な指標として位置づけ、中長期目標を設定しています。

 

 オリックスグループのGHG(CO2)排出量(スコープ1・2)については、2030年3月期までに2020年度比で実質的に50%削減することを中期目標とし、2050年3月期までに実質的にゼロとすることを長期目標としています。

 

 2026年3月期におけるオリックスグループのGHG(CO2)排出量(スコープ1・2)の合計は100.5万トンとなり、2020年3月期の基準排出量と比較して26.1万トン(約20.6%)の減少となりました。当該排出量のうち、2基の石炭・バイオマス混焼発電所による排出量は78.9万トンで、全体の78.5%に相当します。排出量の推移は、事業ポートフォリオの変化や外部環境の影響等により、今後変動する可能性があります。

 

 また、GHG(CO2)排出産業に対する投融資残高については、2030年3月期までに2020年度比で50%削減、2040年3月期までにゼロとすることを目標としています。

 

 オリックスグループでは2027年3月期以降のサステナビリティ開示基準の適用に向けて、2026年5月に更新された重要課題に対応する指標および目標についても検討を行います。その結果、これらの目標が変更になる可能性があります。

 

※2026年3月期実績のスコープ1・2排出量については、当社ウェブサイトに掲載しております「温室効果ガス排出量に係る第三者保証情報(2026年3月期)」において、KPMGあずさサステナビリティ株式会社による第三者保証(限定保証)を受けております。第三者保証についての詳細および、スコープ1・2排出量の内訳については、「温室効果ガス排出量に係る第三者保証情報(2026年3月期)」をご参照ください。

 

 

(3) 人的資本への対応

① ガバナンス

 人的資本経営に関する重要な基本方針や人事制度については、エグゼクティブ・コミッティにおいて審議を行い、経営として意思決定を行っています。また、人事・総務部門管掌役員が事務局となり、グループCEOや各事業部門COO、グループCFO等が参加する人的資本協議会を定期的に開催し、オリックスグループの人的資本強化への取組状況の確認やエグゼクティブ・コミッティで決定した方針に基づく各種施策の審議を行っています。また、人事戦略における重要事項については人事・総務部門管掌役員より取締役会に報告し、取締役会による適切な監督が行われる体制としています。

 オリックスグループ各社においては、各社の人事担当役員のもと人事関連規則の制定・改訂、人事施策および各種取組について検討を行っています。オリックスグループ各社における重要な人事関連施策等については、原則として当社の人事部門と事前協議もしくは報告を行う仕組みとしており、グループ全体の方針との整合性を確保した上で実施しています。

 

② 戦略

(a) オリックスグループの人的資本経営

  オリックスグループは、金融事業を軸として隣接分野へ事業を拡大し、現在では多角的な事業ポートフォリオを有するユニークな企業グループに成長しました。今後もさまざまな分野で持続的な事業成長を実現するためには、多様な人材がそれぞれの経験やスキルを持ち寄り、イノベーションの創出につながる「知の融合」を加速させる必要があります。

  オリックスグループの人的資本経営とは、「コアバリュー」(独自の価値観から生まれる行動様式)の浸透と、「コアケイパビリティ」(組織的な変革力)の強化、「多様な人材が活躍できる職場づくり」を3つの柱とし、それらを三位一体で進めることで、新規事業の創出や既存事業の価値向上を図り、持続的な事業成長につなげていく経営のあり方です。

 

  ⅰ.コアバリューの浸透

  「ORIX Group Purpose & Culture」の中で定義される3つの価値観に即した行動様式を実践することで、オリックスグループらしい持続的な事業成長を実現していくことを、人的資本経営におけるコアバリューと定義しています。

その実践度合いを示す指標として「ORIX Value Score(OVS)」をモニタリングしています。

人的資本経営において実現を目指す3つの価値観に即した行動様式

価値観

行動様式

多様性を力に変える

既存の枠組みにとらわれない柔軟な発想と幅広い知見を生かす知の融合

挑戦をおもしろがる

未知や困難に対する挑戦をおもしろがり、自ら新たな機会に挑む姿勢

変化にチャンスを見出す

世の中の変化や時代の要請をいち早く察知し、新たなビジネスの芽を見出す嗅覚

 

  ⅱ.コアケイパビリティの強化

  コアケイパビリティとは、オリックスグループが事業成長を実現する過程で培ってきた多種多様な事業ノウハウからなる独自の組織的な変革力です。また3つのコアケイパビリティが重なり合うことで生まれる、経営的な目線で事業全体を牽引する力を「マルチケイパビリティ」と定義しています。

 マルチケイパビリティを有し、経営的な目線で事業成長を牽引する人材を可視化し、計画的に育成するため、サクセッションマネジメントの実効性向上に取り組んでおり、これらの推進状況を把握する指標として、キーポジションに対する「後継者候補準備率」をモニタリングしています。

 

3つのコアケイパビリティ

ビジネスデザイン

 新たな事業・サービスを創る力

市場や顧客の要請を先取りし、新たなビジネス機会を創出することで、オリックスグループの事業拡大に貢献

バリューエンハンスメント

 事業の価値を向上させる力

サービス・事業のクオリティ向上を通じ、既存事業の価値向上や収益性の向上に貢献

リスクマネジメント

 事業リスクを見極め評価する力

事業のリスクとリターンを正確に見極めることで、事業成長のための適切な意思決定に貢献

 

  ⅲ.多様な人材が活躍できる職場づくり

  オリックスグループでは、多様な人材が集まり、組織の壁を越えて議論を重ねながら、新しい事業価値を次々と創造してきました。持続的な事業成長のためには、コアバリューの浸透とコアケイパビリティの強化を実現する土台として、多様な人材が活躍できる職場づくりが不可欠です。そのために、性別・国籍・年齢等によらない多様なバックグラウンドと価値観を持つ人材を受け入れ、社員が安心して自分らしく働くための環境整備を推進しており、社員の働きがいや働きやすさを総合的に測るスコアとして、「エンゲージメントスコア」をモニタリングしています。

 

(b) 具体的な取組と実績

  ⅰ.DE&I(多様性、公平性、包括性)の推進

  社員の多様性を受容・尊重するために働きがいと働きやすさの両輪で各種施策を推進しています。また多様性の確保として当社では、日本国内での新卒採用に加え、キャリア採用(中途採用)や海外での新卒採用にも注力しています。2026年3月期の採用数の61.7%がキャリア採用であり、社員の42.5%はキャリア採用社員、1.9%は海外籍の社員で構成されています。

 

健康的に安心して働くことのできる職場環境づくり

  社員一人ひとりが状況に合わせて人事制度を組み合わせながら活用できるよう幅広い選択肢を整備する方針で、在宅勤務制度、スーパーフレックスタイム制度(コアタイムのないフレックスタイム制度)や時間単位の年次有給休暇制度、フリーアドレスの採用やサテライトオフィスおよびモバイル環境の整備などにより、時間と場所に柔軟な働き方を推進しています。

 

女性活躍推進、共働き・共育てを支える環境整備

  当社は、男女雇用機会均等法が施行(1986年)される以前の1982年から、大卒女性の総合職としての採用を始めるなど、いち早く女性の活躍推進に取り組んでいます。性別に関係なくキャリアを構築し、意思決定の場に参画できるよう、将来の女性リーダーのパイプライン形成に向けた取組を進めています。課長層から部長層にかけて、一段高い視座を学び得るために上位職層とのメンタリングの実施や異業種勉強会を通じた社外交流のほか、選抜研修では社員の男女比率と同等となるよう機会提供に取り組んでいます。あわせて、部門の管掌役員と人事部門でパイプラインを可視化し、職責者への登用や本人の意欲や能力に応じた適切な業務アサインにつなげ、キャリア形成を支援しています。

  また、夫婦参加型の両立セミナー、男性育休の推進など、共働き・共育てを支える環境整備を女性活躍推進の一環として取り組んでおり、女性だけでなく多様な人材が活躍する職場づくりの重要性への意識を、全社員が一層高めるよう推進しています。

 多様なバックグラウンドを持つ社員が「意思決定への参画」や「平等なリーダーシップの機会の提供」を実現できる環境を目指し、そのベンチマークの一つとして女性活躍推進を位置づけ、女性管理職比率の向上を推進しています。

  多様性に関する指標については、「第4 提出会社の概況 5 従業員の状況等 (2)従業員の状況 ④多様性に関する指標」をご参照ください。

 

  ⅱ.人材育成、自律的キャリア形成支援

  当社では、事業活動を通じた経験から得る知見、成長を重視し、育成の柱と考えています。これらを支える基盤として、さまざまな研修制度や自己研鑽支援制度を設けており、社員一人当たりの平均研修時間は37.5時間/年、研修費用は127,825円/年です。また、社員のモチベーションを高める公正な評価報酬制度を設け、社員の育成に責任を持って取り組み、また社員との対話を充実させることで、社員の将来に投資しています。

  同時に社員が中長期的なキャリアを描くための実践的な情報提供や、新しい分野におけるスキル習得機会の提供など、自らの意思でキャリアを選択できる機会や環境を整備することで、社員の成長を支援しています。具体的には、「社内インターンシップ制度」(一定期間、希望する部署で違う業務に従事できる制度)や「キャリアチャレンジ制度」(社員が異動を希望する部門へ直接アピールできる制度)といった、社内にいながらさまざまな職場・仕事に出会える制度に加え、社内外の有資格者に相談できるキャリア相談窓口を設け、社員のモチベーション向上、積極的なチャレンジと自律的キャリア形成につなげています。また、本人が望む異動先を直接人事に申告する「自己申告制度」は年に一度、全社員に申告する機会があり、自身のキャリアを考えるきっかけとして活用されています。

 

 

③ リスク管理

 オリックスグループでは、多様な人材が集まり、それぞれの専門性や価値観を生かしながら新たな事業価値を創造することで、持続的な事業成長を実現してきました。多様なバックグラウンドを持つ社員一人ひとりが、働きがいや働きやすさを感じながら能力を発揮できる職場環境を整えることが、優秀な人材の確保・育成・定着につながると考えています。

 人的資本に関するリスクや社員の意識、職場環境に関する課題を把握するため、オリックスグループ従業員エンゲージメントサーベイ(ORIX Group Employee Engagement Survey)を定期的に実施し、調査結果は部門別・テーマ別に分析を行い経営層に報告しています。

 また、各部門におけるキーポジションの充足状況や後継者候補については、定期的にトップマネジメント間で共有し、経営戦略の実行に必要な人的資本に関する課題を把握するとともに、中長期的な視点でタレントマネジメントを推進しています。

 

 

④ 指標および目標

  人的資本の価値最大化を通じて「ORIX Group Purpose & Culture」の実現と企業価値の向上を図るため、「②戦略(a)オリックスグループの人的資本経営」記載の人的資本に関する3つの柱に対して重要指標を設定し、その進捗状況を継続的にモニタリングしています。

  これらの指標については、前年同水準維持または改善を目標として掲げ、各種取組を推進しています。

 

■ORIX Value Score(OVS)※1

「ORIX Group Purpose & Culture」に基づく行動様式の実践度合

 

実績

2024年3月期

2025年3月期

2026年3月期

オリックスグループ全体

57%

60%

64%

オリックス株式会社

60%

63%

67%

国内外グループ会社

57%

59%

64%

※1 従業員エンゲージメントサーベイにおける質問項目「私の職場では“ORIX Group Purpose & Culture”を実践している」に対し肯定的な回答(5段階評価の上位2段階)を選択した社員の割合。

 

■後継者候補準備率

各事業を牽引する役割を担う人材に対し後継者候補になりうる社員の平均人数

実績

2024年10月末時点

2025年6月末時点

2.3人

2.5人

 

■エンゲージメントスコア※2

社員の働きがいや働きやすさを総合的に測るエンゲージメントスコア

 

実績

2024年3月期

2025年3月期

2026年3月期

オリックスグループ全体

62%

65%

67%

オリックス株式会社

73%

76%

78%

国内外グループ会社

61%

64%

66%

※2 従業員エンゲージメントサーベイにおける質問項目「総合的に見て、当社について、現在どの程度満足していますか?」に対し肯定的な回答(5段階評価の上位2段階)を選択した社員の割合。

 

(4) 情報・サイバーセキュリティリスクへの対応

① ガバナンス

 オリックスグループでは、ISO、NISTなどの情報セキュリティ統制に関する国際的規格に準拠した情報セキュリティ管理体制、基本方針、管理基準、教育および監査等に関する社内規程を制定しています。情報セキュリティ管理規則において、オリックスグループの情報セキュリティに関する戦略・方針およびサイバーインシデントに関する対応方針は経営情報化委員会において討議・決定することとしており、当該委員会は、経営情報化委員会規則に基づき、グループCEO、グループCFOおよびグループCEOが指名する執行役などで構成されています。

 

 サイバーセキュリティインシデントの対応状況については、情報セキュリティ統括部門の管掌役員が監査委員会に報告し適切な情報共有を図っています。また、サイバーインシデントの重大性判断を行い、ディスクロージャー・コミッティに対して適時報告する体制を整備しています。

 

 オリックスグループでは、当社および連結子会社が最低限実施しなければならない全社共通のセキュリティ要求事項を規定し、情報システムの脆弱性管理により各システムが最新の状態を保つことを要求するほか、ネットワーク防御等の技術的施策、外部との物理的および論理的境界に加え内部不正による情報漏えいなども視野に入れたセキュリティログの収集および管理に関する社内規程等を制定しています。

 

② リスク管理

 オリックスグループでは、情報セキュリティ統括部が情報・サイバーセキュリティリスクに関する事項を、経営情報化委員会に報告し、管理しています。

 

 オリックスグループでは、サイバーセキュリティおよび情報セキュリティに関する意識向上教育プログラムを確立しています。当社および連結子会社の全ての従業員、当社のネットワークにアクセスする委託先社員は、少なくとも年に1回のオンライントレーニングの受講を義務付けられています。これらの教育プログラムには、年に数回不定期に実施するフィッシングメールに関するトレーニングも含まれています。また、情報セキュリティインシデント発生時のエスカレーション、対応シミュレーション等の訓練も実施しています。

 

 オリックスグループでは、当社および連結子会社に情報セキュリティ統括責任者を設定し、少なくとも半期に1回、サイバーセキュリティに関する知見、セキュリティ対応に関する対応方針等の共有を行い、グループのサイバーリスク対応の底上げを行っています。また、業務委託、クラウドサービスの利用など、第三者を通じた間接的なサイバーセキュリティリスクに対応するため、取引先、業務委託先に対する定期的なセキュリティに関わるアセスメントを実施しているほか、取引先や業務委託先から提供される情報システム、クラウドサービスの安全性を確認し、情報セキュリティ統括部門がリスク評価する体制を整備しています。

 

 情報・サイバーセキュリティリスクに関する評価と管理は、情報セキュリティ統括部が担っており、特に管理強化が必要な領域や詳細な解析を求める場合は、必要に応じて外部コンサルタントによる支援を受けて対応を行っています。

 

 また、オリックスグループでは、情報セキュリティ統括部門にグループCSIRTを設置する等、情報セキュリティインシデント発生時の対応体制の構築などにより、サイバー攻撃および情報セキュリティの毀損を含むシステム障害や情報漏えいなどのセキュリティ侵害が発生するリスクの軽減を図っています。サイバー攻撃等により情報セキュリティインシデントが発生し、業務運営上の影響度と二次被害発生等の可能性のスコアリングによる判定で中程度(Medium)以上のインシデント発生と判定される場合には、情報セキュリティ統括部門に適時報告を行う体制の整備を行っています。情報セキュリティ統括部門ではインシデントの解析・調査を行う機能を整えるとともに、法務部門およびコンプライアンス部門と連携し、被害の最小化、二次被害防止の対応を図り、重大な事案は都度、経営情報化委員会を通じてグループCEOまで報告を行い、その指示の下、適切な対応を行っています。現情報セキュリティ管掌役員は、オリックス入社以前、10年以上の金融業界での経験を含め、20年以上に亘り様々な外資系企業でシステム開発、プロジェクトマネジメント、セキュリティマネジメントに携わり、その中で培ったITや情報セキュリティに関する豊富な知見を有しています。

 

 なお、当連結会計年度において、経営に重大な影響を与える可能性がある情報セキュリティインシデントは発生していません。