2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    320名(単体) 487名(連結)
  • 平均年齢
    40.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    5.0年(単体)
  • 平均年収
    7,902,346円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    9.6%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

 当社グループは、長期ビジョン2030において掲げる「不動産価値創造を通じた社会貢献」を実現する原動力は「多様なプロフェッショナル人材」であると定義しております。第5次中期経営計画を経営基盤の再構築期と位置づけ、人材投資を「コスト」ではなく「将来の利益を生む資本」と捉え、以下の戦略を推進しております。

①人材戦略と経営戦略の連動

 当社グループは、事業領域の拡大とビジネスモデルの高度化に対応するため、「自律型人材の育成」と「組織機動力の最大化」を重点課題としています。人事管理システムにより、全従業員のスキル・経験を可視化し、経営戦略に基づいた戦略的人員配置と、不足スキルを補うリスキリング(再教育)を連動させております。

②人材育成方針

 プロフェッショナル集団の育成とリスキリングを行い、持続的な付加価値創造のため、以下の4軸で教育投資を強化しております。

•DXによる生産性革命とAIリテラシーの向上

 経営層直轄の「DX・業務改革推進委員会」が主導し、全社的な業務プロセス改革(BPR)を推進しています。各部門のDXリーダーに対し高度なAI研修を実施し、単なる効率化に留まらない「データ駆動型の意思決定」が可能な人材を育成することで、2030年に向けた強固な経営基盤を構築いたします。

•次世代リーダー育成・サクセッションプラン

 「事業構想 北海道イノベーションラボ」や「社長ディスカッション」を通じ、早期から経営マインドを醸成する選抜型教育を実施しております。

•自律的キャリア形成の支援

 eラーニングの活用や階層別研修を通じ、社員一人ひとりが自らの市場価値を高める機会を提供し、高いエンゲージメントに基づいたプロフェッショナルとしての成長を支援しております。

③社内環境整備方針、ウェルビーイングと柔軟な組織文化の醸成

 多様な人材がその能力を最大限に発揮できる「心理的安全性の高い環境」と「成果に報いる仕組み」の構築を進めております。

•ダイバーシティ&インクルージョンの深化

 2026年4月より全社導入したフレックスタイム制や、同年6月運用の「積立休暇制度」は、育児・介護等のライフステージの変化による人材流出を防ぐだけでなく、従業員のウェルビーイング向上を通じた生産性の最大化を目的としております。

 エンゲージメントの向上を目的とした人事制度改革については、役割(ロール)と期待成果を明文化した新制度により、社内の公平性を高め、年次に関わらず高い貢献を示した人材を早期に登用する「実力主義」を徹底しております。

 

 また、当社グループにおける従業員の給与その他の給付の額及び内容については、持続的な企業価値向上へのインセンティブを強化し、株主との利害共有を図ることを基本方針としております。

①評価・報酬体系の高度化

給与体系は、役割の大きさに応じた「基準年俸」と、成果に連動する「報奨金」の二階建てとしております。

•評価の客観性:「実績評価(定量)」と「行動評価(定性)」の比重を職位ごとに最適化し、8段階の絶対評価を実施しています。評価プロセスには複数名による「評価・昇格調整会議」及び「経営会議」での審議を挟むことで、評価のブラックボックス化を排除し、透明性を確保しております。

•成果配分の多様化:従来の賞与に加え、インセンティブ賞与、個別PJ報奨、特別昇給等、個人の貢献を即時かつ多角的に反映する仕組みを構築しております。

②中長期的なインセンティブとリテンション

従業員持株会、株式給付型ESOP信託の活用により、社員が経営参画意識を持ち、中長期的な株価上昇のメリットを享受できる体制を整えております。また、職位別に設定された市場競争力のある給与レンジ(理事以上は上限なし)を維持することで、高度専門人材の獲得およびリテンションを図っております。

 

(2)【従業員の状況】

 

①連結会社の状況

 

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

住宅分譲事業

224

不動産開発事業

不動産賃貸事業

50

資産管理事業

98

報告セグメント計

372

その他

23

全社(共通)

92

合計

487

(注)1 従業員数は就業人員であります。

2 全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。

3 従業員数が前連結会計年度末に比べ12名増加したのは、主に当社における新卒採用及び多面的な事業展開に伴う中途採用によるものであります。

 

②提出会社の状況

 

 

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

320

40歳

10ヶ月

5年

10ヶ月

7,902,346

9.6

 

セグメントの名称

従業員数(人)

住宅分譲事業

201

不動産開発事業

不動産賃貸事業

13

資産管理事業

報告セグメント計

214

その他

14

全社(共通)

92

合計

320

(注)1 従業員数は就業人員であり、子会社への出向者は含まれておりません。

2 平均年間給与は基準外賃金を含んでおります。

3 全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。

4 従業員数が前事業年度末に比べ11名増加したのは、主に当社における新卒採用及び多面的な事業展開に伴う中途採用によるものであります。

 

③労働組合の状況

 労働組合は結成されておりませんが、労使関係は良好であります。

 

 

④使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度の内容

 当社は、従業員のみを対象とした従業員株式所有制度を導入しております。当該従業員株式所有制度の内容については、「1 株式等の状況 (8)役員・従業員株式所有制度の内容」に記載しております。

 

⑤管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異

 提出会社

当事業年度

補足説明

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)

 (注)1.

男性労働者の育児休業取得率(%)

 (注)2.

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)1.

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

7.6

100.0

61.0

59.5

68.4

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。

 

 なお、連結子会社については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 当社グループは、パーパスとして「Ideal to Real」を掲げております。時代と共に変化するニーズに対応し、理想の暮らしを創造するライフ・デベロッパーとして、「サステナビリティ経営」の推進による社会課題への対応を通じた「持続可能な社会の実現」と「持続的成長」を目指してまいります。

 

(1)ガバナンス

①推進体制

 当社は、サステナビリティ推進活動に対する体制の強化、及び経営の関与の明確化を図るため、2025年4月に「サステナビリティ推進委員会」を設置しました。

 本委員会は、代表取締役社長を委員長とし、委員長が指名する委員及び常勤監査等委員などのオブザーバーで構成されます。さらに、本委員会の下部組織として「環境部会」「社会部会」「人権部会」の3部会を設置し、サステナビリティ基本方針に基づく具体的な取組について議論と検討を実施しております。

 本委員会における検討内容は取締役会に報告され、取締役会による確認・監督を受けることで、サステナビリティ経営の推進に関する実効性を確保しています。また、監査等委員会は、「取締役会等の重要会議への出席、重要文書の閲覧」に加えて、「取締役や部署長へのヒアリング」等を通して、取締役の職務の執行の適法性・妥当性を監査・監督しております。

 監査等委員会室および内部監査室は、リスクベースで年度監査計画を策定して、これに基づき業務の適法性・妥当性を監査していますが、必要に応じてサステナビリティへの取組みについても監査を行なっております。

 なお、他の部署や組織にも関わる事項についてはリスク管理委員会等と適宜連携し、全社一体となってサステナビリティ経営を推進しております。

 2026年3月末現在における当社グループのサステナビリティに関するガバナンス体制は、次のとおりです。

 

 

 

②サステナビリティ推進活動に関する経営の関与

 当事業年度に開催された当社取締役会で取り扱ったサステナビリティ(ESG)に関する議題は次のとおりとなります。

 

開催日

議案区分

区分

議案内容

2025年5月30日

報告

全体

2024年度下期ESG活動

報告

社会

安全健康基本方針の制定

2025年6月24日

報告

環境

TCFDに基づく開示の変更

2025年7月25日

報告

全体

FTSEスコアアップに向けた取組

2025年10月24日

報告

全体

2025年度上期サステナビリティ推進活動

2026年1月30日

報告

環境

TCFDに基づく開示の変更

報告

環境

水循環認証取得に向けた取組

報告

人権

2025年度人権デュー・ディリジェンスの取組について

 

(2)戦略

①マテリアリティの特定

 当社グループは、「当社グループの持続的な利益成長」と「持続的な社会への貢献」を両輪で追求することが真の企業価値向上に繋がると考え、「サステナビリティ経営」を行動理念(2023年11月策定)の一つとして定めております。

 また、当社グループは、サステナビリティ経営を着実に進めていくため、ステークホルダー及び当社グループ経営の視点をふまえ、次の3つのステップを経てマテリアリティ(重要課題)を特定し、各マテリアリティに対応する指標及び目標を定め、課題解決に優先的に取り組んでおります。

 

 

②気候変動

 当社グループは、『脱炭素社会の推進』をマテリアリティの一つとして掲げています。

 2022年6月には、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明し、気候変動が事業に与えるリスク・機会に関するシナリオ分析を行うとともに、脱炭素に向けた取組に関する情報開示を進めています。

(ア)シナリオ分析

 気候変動が当社グループ事業にもたらす影響について、TCFDが提言する枠組みに基づき、シナリオを用いた分析を行いました。

 本年は、当社グループの主力事業である住宅分譲事業、不動産開発事業及び不動産賃貸事業を分析対象とし、2030年時点での移行リスクと物理リスク・機会を検討しました。シナリオ分析では脱炭素化が現状以上に進まない3℃シナリオと脱炭素化が進む1.5℃シナリオの2つのシナリオを想定して行いました。

シナリオ

シナリオの概要

3℃シナリオ

・脱炭素について、各国が表明済みの現行の具体的政策が実行され、脱炭素に関わる追加的な政策がとられない場合のシナリオ。国際エネルギー機関(IEA)のシナリオの「公表政策シナリオ(STEPS)」を参照。2030年のGHG排出量は世界全体で2020年比で若干増加。2100年時点で気温は2.4~2.8℃上昇。

・建築物の環境認証基準や省エネ基準は更なる引き上げがされず、省エネ改修への要求も高まっていない。ZEH、ZEBに対応した物件を求める顧客は増加しないと想定。

1.5℃シナリオ

・2050年に世界でGHG排出ネットゼロを達成する場合のシナリオ。IEAのシナリオの「2050年までの排出量実質ゼロ化シナリオ(NZE)」を参照。2030年のGHG排出量は世界全体で2020年比で約4割減少し、炭素税が導入、強化される。建築物からのGHG排出量も2030年までに2020年から約4割減少。2100年時点で気温は1.3~1.5℃上昇。

・新築建物はネットゼロ経路に適合した建物として建設されることが一般的となる。ゼロカーボン準拠の建築物規制が導入され、この規制に適合するよう既存建物についても省エネ改修がされていくと想定。

※IEAより参照した2つのシナリオでは、2030年時点での気温の上昇はいずれも1.5℃程度で大きな差がないことから、2030年時点での物理リスクは1.5℃シナリオ、3℃シナリオともに同程度と想定されるため、2つのシナリオの間でリスクの大きさは区別していません。

 

(イ)シナリオ分析のプロセス

 シナリオ分析はTCFD提言に沿って、以下のプロセスで実施しました。

a.事業にとって重要な気候関連のリスク・機会の検討

 事業に大きな影響を与えうる気候変動リスク・機会を、TCFD提言や関連レポート等の調査によって洗い出しました。

 

b.シナリオの作成

 a.で特定した重要なリスク・機会について、IEA(国際エネルギー機関)のシナリオ等、外部機関の公表する情報を参照し、2030年に想定される状況を3℃シナリオ、1.5℃シナリオのそれぞれで整理しました。

 

c.シナリオに基づく財務影響の試算とリスク・機会の評価

 b.で検討したシナリオに基づいて、事業に与える財務影響を試算し、各リスク・機会について「発生可能性」と「影響度」の二軸でリスクの大きさを評価しました。定量的な財務影響の試算が難しいリスク・機会については定性的な分析を行っています。

 

d.対応策の検討

 事業への影響が大きい気候リスク・機会への対応策として、「脱炭素社会の推進」をマテリアリティの一つとして掲げ、グループ全体の温室効果ガス排出量を2030年度までに40%削減(2022年度対比)を目標とし、ZEHマンションの開発推進や再生可能エネルギーの積極的な活用を推進しております。

 

 

(ウ)シナリオ分析の結果:リスクと機会

 脱炭素社会への移行及び、気候変動によりもたらされる物理リスク・機会について検討し、住宅分譲事業、不動産開発事業及び不動産賃貸事業に2030年までに影響を与える重要なリスク・機会を、発生可能性と影響度の視点で評価して下表のとおり特定しました。

 

リスク

 脱炭素化に伴う移行リスクについては、1.5℃シナリオにおいて影響が大きく現れ、炭素税による鉄鋼・セメント等の炭素集約度の高い建築資材の調達価格が上昇することや、施工や保有物件からのCO2排出への課税に伴うコスト増加が想定されます。また、GHG排出規制の強化により省エネ設備への投資など低炭素化の対応コストが増加することや、顧客ニーズの変化に伴いZEH、ZEBに対応していない物件での空室率の上昇、成約率、賃料、販売価格の低下、当社不動産の脱炭素化が進んでいないことによる資金調達コストの増加の可能性があります。

 物理リスクについては、気象災害の激甚化による開発物件での工期の遅延が生じる可能性や、保有物件の破損や設備故障、機能停止が生じ、修繕費用の発生や被害による評判の低下で空室率が上昇する可能性があります。

 

機会

 当社グループにおける気候変動に関する機会は、CO2排出量の少ない物件の競争力が上昇し、環境認証取得物件の評価向上や集約型で移動距離削減にも寄与し、エネルギーの地産地消や幅広い世代が共存して質の高い生活ができるようなまちづくりの複合開発の機会が拡大する可能性や、気象災害が激甚化することに伴い災害に強い物件の販売機会が拡大する可能性があります。また、環境配慮型の融資の獲得などにより資金調達コストが低減することや自社の脱炭素への取組が投資家に評価され、株価上昇要因になることが考えられます。

 当社グループは、マンションデベロッパーとして、ZEHデベロッパーへの登録を行っており、2026年を目途に、全ての新築分譲マンション(JV事業除く)についてZEH水準の環境性能の実現を目指しています。また、子会社である株式会社エスコンホーム及び株式会社エスコンクラフトにおいて、2020年度以降のZEH普及率を50%とする目標を策定し、ZEHビルダーの登録が完了し、目標達成に向け、環境に配慮した住宅を提供していきます。環境認証取得については、子会社である株式会社エスコンアセットマネジメントを資産運用業務受託者とするエスコンジャパンリート投資法人が保有する地域密着型商業施設が、DBJ Green Building認証を取得しており、今後もこうした認証取得不動産の開発に取り組んでまいります。

 

住宅分譲事業、不動産開発事業及び不動産賃貸事業に2030年までに影響を与える重要なリスク

分類

外部環境の変化

当社グループにとってのリスク

移行

政策・

法規制

炭素税が導入、強化される。

鉄鋼・セメント等の炭素集約度の高い建築資材の調達価格が上昇し、物件施工や保有物件によるCO2排出への課税に伴うコストが増加する。

GHG排出規制の強化や炭素排出枠の設定がされる。既存建築物の環境性能・省エネ改修への要求が高まる。

省エネ設備への投資など低炭素化の対応コストが増加する。保有物件に対する運用・改修コストが増大する。

市場

顧客ニーズが変化し、環境・省エネ性能への要求が高まる。

ZEH、ZEBに対応していない物件が顧客から選ばれなくなり、空室率の上昇、成約率、賃料、販売価格が低下する。

評判

投資家・金融機関からの不動産に対する脱炭素化への圧力が高まる。

保有不動産や販売不動産の脱炭素化が進んでいないことにより、資金調達コストが増加する。自社の脱炭素化の取組が投資家の期待に応えられないことにより、株価に影響を与える。

物理

急性

気象災害が激甚化する。

開発中の不動産の現場作業が中断し、工期が遅延する。

災害が発生しやすい地域に立地している保有物件については、災害に伴い物件の破損、設備故障、機能停止が生じ、修繕費用の発生や被害による評判低下で空室率の上昇などが起こりうる。また、商業施設での災害による人的被害が発生した場合に企業としての責任を問われる展開にもなりうる。

 

 

 

住宅分譲事業、不動産開発事業及び不動産賃貸事業に2030年までに影響を与える重要な機会

分類

外部環境の変化

当社グループにとっての機会

製品・サービス

炭素税や建築物のエネルギー基準等の規制が強化される。

低炭素型建築などCO2排出量の少ない物件の競争力が上昇し、環境認証取得建築物の評価が向上する。

市場

コンパクトシティ構想などの地域・都市開発モデルの推進

集約型で移動距離削減にも寄与し、エネルギーの地産地消や幅広い世代が共存して質の高い生活ができるようなまちづくりの複合開発の機会が拡大する。

脱炭素関連の投融資が拡大し、脱炭素への取組に対する投資家の評価が高まる。

自社の脱炭素への取組が金融機関に評価され、環境配慮型の融資の獲得などにより資金調達コストが低減する。また、投資家からの評価向上で株価上昇要因になる。

レジリエンス

気象災害が激甚化する。

気象災害が生じやすい地域にある物件について、災害に強い物件の販売機会が拡大する。また、災害発生時の地域の復旧拠点としての役割を担うことができることで、地域住民や顧客の支持の獲得につながり、テナントの空室率の低下につながる。

 

(エ)財務影響評価

 入手可能な定量データを踏まえ、2030年に住宅分譲事業、不動産開発事業及び不動産賃貸事業に与える財務インパクトを試算しました。定量的な財務評価が難しいものについては定性的な評価を行いました。

 財務へのマイナスの影響としては、1.5℃シナリオにおいて、炭素税の導入やエネルギー基準等の規制強化に伴う低炭素化のための設備投資などの対応コストの増加、保有物件の運用・改修コストの増大、資金調達コストや株価への影響が大きくなると評価しました。一方で、プラスの影響としては、1.5℃シナリオにおいて、集約型で移動距離削減にも寄与し、エネルギーの地産地消や幅広い世代が共存して質の高い生活ができるようなまちづくりの複合開発の収益機会拡大や脱炭素への取組が評価されることによる資金調達コストや株価への影響が大きくなると評価しました。

 1.5℃シナリオ/3℃シナリオ共通では、気象災害の激甚化による開発中物件の工期遅延による建築コスト増加、災害に伴う物件の修繕費用の発生、被災による評判低下で空室率の上昇、商業施設での災害による人的被害が発生した場合の賠償の影響が大きくなると評価しました。

 

 

分類

当社グループにとってのリスク・機会

財務影響

財務影響の評価結果

3℃

シナリオ

1.5℃

シナリオ

移行

リスク

政策・法規制

鉄鋼・セメント等の炭素集約度の高い建築資材の調達価格が上昇し、物件施工や保有物件によるCO2排出等への課税に伴うコストが増加する。

・資材調達費用の増加

・CO2排出量に関わる費用の増加

省エネ設備への投資など低炭素化の対応コストが増加する。また、保有物件に対する運用・改修コストが増大する。

・設備投資、改修等のコストの増加

市場

ZEH、ZEBに対応していない物件が顧客から選ばれなくなり、空室率の上昇、成約率、賃料、販売価格が低下する。

・賃料、販売価格の低下による売上の減少

評判

保有不動産や販売不動産の脱炭素化が進んでいないことにより、資金調達コストが増加する。自社の脱炭素化の取組が投資家の期待に応えられないことにより、株価に影響を与える。

・資金調達コストの増加

物理

リスク

急性

開発中の不動産の現場作業が中断し、工期が遅延する。

・建築費用の増加

災害が発生しやすい地域に立地している保有物件では、災害に伴い物件の破損、設備故障、機能停止が生じ、修繕費用の発生や被害による評判の低下で空室率の上昇などが起こりうる。また、商業施設での災害による人的被害が発生した場合に企業としての責任を問われうる。

・修繕費用の発生

・空室率の上昇による売上の減少

・賠償費用の発生

機会

製品・

サービス

CO2排出量の少ない物件の競争力が上昇し、環境認証取得建築物の評価が向上する。

・物件の競争力向上に伴う売上の増加

市場

集約型で移動距離削減にも寄与し、エネルギーの地産地消や幅広い世代が共存して質の高い生活ができるようなまちづくりの複合開発の機会が拡大する。

・複合開発の機会拡大による売上の増加

自社の脱炭素への取組が金融機関に評価され、環境配慮型の融資の獲得などにより資金調達コストが低減する。また、自社の脱炭素への取組が投資家に評価され、株価上昇要因になる。

・資金調達コストの低下

レジリエンス

気象災害が生じやすい地域では、災害に強い物件の販売機会が拡大する。また、災害発生時の地域の復旧拠点としての役割を担うことができることで、地域住民や顧客の支持の獲得につながり、テナントの空室率の低下につながる。

・物件の販売機会拡大、テナントの空室率の低下による売上の増加

財務影響評価の程度を以下の通り区分しています。

大:売上高の10%超、中:売上高の3%~10%、小:売上高の3%未満

定量的なデータが入手困難なリスク・機会については、定性的な分析としています。

 

 

(オ)シナリオ分析を踏まえた戦略

対応策例

a.ZEHマンションの開発推進

・2026年を目途に全ての新築分譲マンション(JV事業除く)についてZEH水準の環境性能を実現していく。

 

b.再生可能エネルギーの積極的な活用

・物流施設や商業施設での積極的な太陽光発電導入

・非化石証書の安定的な確保・調達

・中部電力グループと協調した取組の推進

・「まちづくり×環境配慮」の取組可能性の模索

 

c.グループ全体で「現場レベル」での行動(社員意識の浸透・定着)

・早期退社の推奨やこまめな消灯の実施等による電力使用量の削減

・販売促進活動のWEB化等によるペーパーレスの推進

・省エネ性能の高い自動車の活用

 

③人的資本多様性

 当社グループは、『多様な人材の活用』をマテリアリティの一つとして掲げています。「成長を支える人材の確保」「人材育成の強化」「社員の安全・健康の推進」を三位一体で進め、強固な人材基盤を構築してまいります。

(ア)人材の育成に関する方針(人材の多様性の確保を含む)

a. 人材育成の強化(育成基本方針)

 「人材育成の強化(育成基本方針)」については、2023年に人材育成に関する「基本方針<全社員に適用される人材要件>」を制定し、当該育成方針の全社的浸透を促進しています。また、当該育成方針に連動する新卒・中途入社時の研修や職位・役割に応じた階層別研修、eラーニング、各部署でのOJTを通して教育を実施することで、将来の事業成長を支える人材の育成を図っています。

 

基本方針

DNA(価値観)の継承

お客様本位、社会に貢献できるモノづくり・事業を意識し、常に感謝の気持ちを持って仕事に取り組む。

高い志・使命感

仕事を通じて社会的責任を果たす使命感を持っている。

誠実性、聡明さ、気力・体力

誠実かつ聡明、日々の多岐にわたる業務を担うだけの十分な気力と体力。

卓越したリーダーシップ

情熱・想いと数字への意識を常に持ち、人を巻き込み事業・業務を推進する。

先見性・戦略性

常に研鑽し、外部環境の変化に対応する鋭敏さを持つ。

人脈・コミュニケーション力

社内外問わずコミュニケーションをとり、信用信頼され豊かな人間関係を構築する。

革新的な経験

業界の新たなビジネスモデルへの探求心、革新的な事業を実現しようとする努力・挑戦。

 

b.人材の多様性確保

 人材の多様性確保については、「成長を支える人材の確保」を目的として、育児や介護を行う社員が家庭と仕事を両立できるよう支援するとともに、女性を含む全ての人材が継続就業し、活躍できる環境を構築すべく、様々な施策を実施しております。また、豊富な経験を有するシニア社員が定年後も嘱託社員として継続して就労することができるよう再雇用制度を整備し、加えて、障がい者や中途入社者も積極的に雇用する取組を行っております。

 

 

(イ)社内環境整備に関する方針

a.社員エンゲージメントの向上

 当社グループの社員エンゲージメントを視覚化し、組織としての当社グループの強み・弱みを客観的に「見える化(定量的な把握)」をすべく、2024年5月以降、1年に1回、全社員を対象とするエンゲージメントサーベイを実施しており、結果については経営層レベルで把握共有し、エンゲージメント向上に向けた改善施策を推進しています。

 今後も、定期的に調査・確認することで、有用な人事施策の実施に繋げてまいります。

 

b.人権尊重への取組

 当社グループは、国際社会における企業の人権尊重の取組に対する要請の一層の高まりを踏まえ、当社グループの事業活動に関わる全ての方々の人権尊重に取り組んでいます。親会社である中部電力株式会社が定める「中部電力グループ人権基本方針(2023年7月)」においても、人権に関する国際規範の支持・尊重や、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」の実践に努めることが記されており、人権デュー・ディリジェンスの継続的な実施や、社員への教育・研修の実施等、人権尊重に向けた取組を着実に推進します。

 

c.健康経営の推進

 当社グループは、社員の健康保持・増進が労働活力や生産性の向上につながり、事業運営においても良い効果をもたらすと考えています。そのため、2025年5月に策定した「安全健康基本方針」及び「安全健康行動原則」に基づき、社員の健康保持・増進に資する具体的な施策を推進することで、健康経営の実現に向けて取り組んでいます。

 

(3)リスク管理

 当社グループは、サステナビリティに関連するリスク及び機会を適切に識別・評価し、管理することが重要であると認識しております。中長期で顕在化しうるサステナビリティに関連するリスク及び機会を適切にマネジメントすることで、企業価値の持続的な向上を図ります。

 

①リスクを識別・評価・管理する過程

(ア)リスクの識別

 「サステナビリティ推進委員会(原則、半期に1回開催)」の下部組織である「環境部会」「社会部会」「人権部会」において、各分野におけるリスクの識別を行っています。また、サステナビリティ担当役員である専務取締役経営企画本部長とサステナビリティ推進部長が、毎週開催されている取締役と部門責任者による定例会議に出席し、案件やプロジェクト等を精査する過程において、関係法令の遵守、省エネ対応コスト、人的資本に関する課題などを確認することで、多角的にリスクを識別しています。

 

(イ)リスクの評価

 識別されたリスクは、「サステナビリティ推進委員会」に報告され、必要に応じてその影響度について審議・評価されます。本委員会は代表取締役社長を委員長とし、専門的な知見を持つ委員やオブザーバーが参加することで、経営的視点からの客観的な評価を可能としています。また、全社的なリスク管理を担う「リスク管理委員会」と適宜連携し、サステナビリティに関連する重要リスクを全社的リスク管理プロセスへと統合しています。「リスク管理委員会」においては、リスクの「影響度」「発生頻度」「対策の実施状況」「リスク低減の余地」「リスク対策の方向性」を基準に審議し、「リスク管理一覧」へ反映しています。

 

(ウ)リスクの管理

 「サステナビリティ推進委員会」において、各部会の活動内容の共有や進捗管理、リスクの継続的なモニタリングを実施しています。委員会で審議・評価された事項は、定期的(原則、半期に1回)に取締役会へ報告・上程され、社外取締役や監査等委員による独立的・客観的な立場からの意見を踏まえた監督が行われています。

 また、リスク管理委員会では、原則として半期に1回以上の頻度でリスク管理一覧記載のリスクの見直しを検討し、リスク状況(識別・評価)の監視及び全社的情報共有を行っています。また、リスク管理委員会で審議された内容は取締役会へ報告されます。取締役会では、当社のリスク管理の取組に関する重要事項の決定を行うとともに、サステナビリティに関するリスクを含む重要なリスク管理に関する報告を受けています。

 

 

②機会を識別・評価・管理する過程

(ア)機会の識別

 「サステナビリティ推進委員会(原則、半期に1回開催)」の下部組織である「環境部会」「社会部会」「人権部会」において、各分野における機会の識別を行っています。また、サステナビリティ推進部の担当者が、親会社である中部電力株式会社が主催するグループ会社向けの会議等に参加し、脱炭素やエネルギー戦略の動向を把握することで、グループ一体となった機会の識別を行っています。

 

(イ)機会の評価

 識別された機会は、「サステナビリティ推進委員会」に報告され、必要に応じてその影響度や事業への貢献可能性を審議・評価されます。本委員会は代表取締役社長を委員長とし、専門的な知見を持つ委員やオブザーバーが参加することで、経営的視点からの客観的な評価を可能としています。特に、親会社が主導するエネルギーマネジメント等のサービスと、当社の不動産開発事業のシナジーによるビジネスチャンスについては、当社の事業拡大に寄与する可能性があるため、本委員会にて戦略的な妥当性を確認しています。

 

(ウ)機会の管理

 「サステナビリティ推進委員会」において、各部会の活動内容の共有や進捗管理、機会の継続的なモニタリングを実施しています。委員会で審議・評価された事項は、定期的(原則、半期に1回)に取締役会へ報告・上程され、社外取締役や監査等委員による独立的・客観的な立場からの意見を踏まえた監督が行われています。

 

(4)指標及び目標

①マテリアリティに関連する指標及び目標

 当社グループは、特定したサステナビリティに関するマテリアリティ(重要課題)について優先的に取り組んでおり、各マテリアリティに対応する指標及び目標を定め、取組状況のモニタリングをしています。当社グループのマテリアリティに関連する指標及び目標は次のとおりです。

マテリアリティ

指標の内容

目標

達成年度

2025年度実績

コンプライアンスの徹底

中部電力と協調した

コンプライアンス

推進施策の実施

研修・教育

を実施

毎年度

中部電力と協調した研修・講演会を実施

(すべて受講率:100%)

コンプライアンス

研修受講率

100%

毎年度

100%

グループ会社を含むガバナンス・リスク管理の強化

取締役会の実効性向上

と継続的な改善

確実な

向上・改善

毎年度

提出会社

取締役会に関する

実効性確認アンケートを実施

連結子会社

提出会社の担当部署が

各子会社の取締役会に

オブザーバーとして参加

ウェルビーイングな社会の実現

環境・社会に配慮したまちづくりの推進による地域活性化・暮らしやすさ向上への寄与

毎年度

寄与

2030年度

北海道北広島市

「駅西口周辺エリア活性化事業」

大阪府吹田市

「TSUNAGU GARDEN千里藤白台」

 

 

 

②気候変動

 当社グループは、TCFDの提言する情報開示フレームワークに基づき、マテリアリティの一つである「脱炭素社会の実現」に関連する指標としてScope3を含むGHG排出量実績を設定しており、2030年度の達成目標としてScope1及びScope2を対象とする削減目標を設定しております。なお、当社グループにおけるGHG排出量実績の算定体制都合から、2023年度までの実績算定対象範囲は当社のみとなります。

 

指標

(ア)Scope1・2のGHG排出量実績

(単位:t-CO2)

項目

2022年度

(基準年)

2023年度

2024年度

単体

グループ会社

連結

Scope1

3,230

1,977

2,801

38

2,839

Scope2

8,155

9,703

10,032

2,045

12,077

Scope1・2合計

11,386

11,680

12,833

2,082

14,916

 

(イ)Scope3のGHG排出量実績

(単位:t-CO2)

項目

2022年度

(基準年)

2023年度

2024年度

単体

グループ会社

連結

1:購入した製品・サービス

126,470

127,853

147,910

9,560

157,470

2:資本財

1,848

351

2,984

493

3,477

3:Scope1,2に含まれない燃料

    及びエネルギー関連活動

2,423

2,431

2,501

17

2,517

4:輸送、配送(上流)

5:事業から出る廃棄物

2

3

3

3

6:出張

430

623

780

73

853

7:雇用者の通勤

78

93

96

50

146

8:リース資産(上流)

9:輸送、配送(下流)

10:販売した製品の加工

11:販売した製品の使用

659,599

523,281

633,281

30,401

663,682

12:販売した製品の廃棄

104

81

97

8

105

13:リース資産(下流)

15,284

16,563

17,996

17,482

35,478

14:フランチャイズ

15:投資

合計

806,238

671,278

805,649

58,082

863,731

(注)1 2022年度、2023年度は当社単体の数値

2 グループ会社はすべての連結子会社

3 2025年度のGHG排出量実績については、2026年9月に公表予定

 

目標

 当社グループの脱炭素目標は、グループ全体の温室効果ガス排出量(※)を2030年度までに40%削減(2022年度対比)となります。

※Scope1・2が対象。Scope3については今後検討。

 

 

③人的資本多様性

(ア)人材の育成に関する方針(人材の多様性の確保を含む)

 当社は、人材育成の強化に関する施策の進捗状況を確認するための指標として、社員一人当たりのeラーニング研修受講時間と対面研修における対象者の参加率を設定しました。社員の自発的な学習を支援し、各目標の毎年度達成を目指していきます。

 また、「人材の多様性確保」については、次世代育成支援対策推進法及び女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく一般事業主行動計画の中で、次のとおり2つの指標及び目標を定めております。なお、一般事業主行動計画は法人単位で策定することが定められており、当社の連結子会社はいずれも常時雇用する労働者数が100人以下で、一般事業主行動計画の策定が義務付けられていないため、「人材の多様性確保」に関する指標及び目標については、当社のみを対象とした内容を記載しています。

 

方針の内容

マテリアリティ

指標の内容

目標

達成年度

2025年度実績

a

人材育成の強化

(育成基本方針)

社員一人当たりのeラーニング研修受講時間

10時間以上

毎年度

対面研修における

対象者の参加率

100%

毎年度

b

人材の

多様性確保

多様な人材

の活用

採用者に占める

女性の割合

35%以上

毎年度

36.0%

男性の育児休業取得率

及び平均取得日数

取得率:

75%以上

平均取得日数:

14日以上

2026年度

(過去2年度実績)

取得率:

100%

平均取得日数:

50.5日

(注) 一般事業主行動計画の計算期間(2025年4月1日~2027年3月31日)のうち、2026年3月31日までの実績となります。

 

(イ)社内環境整備に関する方針

 当社グループは、「社員エンゲージメント」に関する指標として「エンゲージメントサーベイのレーティング」を定め、2030年度のレーティング評価を確実に向上することを目標としています。また、「人権尊重への取組」として、グループ全社員を対象とした人権研修を継続実施しています。

 サステナビリティ経営上の重点テーマ(マテリアリティ)の一つである「多様な人材の活用」を着実に推進するため、その指標として「健康経営優良法人(大規模法人部門)」の認定継続を掲げており、2023年以降、4年連続で「健康経営優良法人(大規模法人部門)」に認定されています。なお、本認定の根拠となる健康経営度調査への回答は当社単体で行っているため、設定している指標及び目標値についても、当社のみを対象としています。

 

方針の内容

マテリアリティ

指標の内容

目標

達成年度

2025年度

実績

a

社員

エンゲージメント

多様な人材

の活用

エンゲージメント

サーベイのレーティング

サーベイ開始(2024年度)からの確実な向上

2030年度

グループ全体

ランク:BB

(注)

b

人権尊重

への取組

人権研修受講率

100%

毎年度

100%

c

健康経営の推進

多様な人材

の活用

健康経営優良法人

(大規模優良法人部門)

認定

毎年度

認定継続

毎年度

認定取得

(注) 株式会社リンクアンドモチベーションが提供するエンゲージメントサーベイのレーティング