2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    309名(単体) 475名(連結)
  • 平均年齢
    40.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    5.0年(単体)
  • 平均年収
    7,210,535円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

 

(1)連結会社の状況

 

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

住宅分譲事業

220

不動産開発事業

不動産賃貸事業

40

資産管理事業

74

報告セグメント計

334

その他

16

全社(共通)

125

合計

475

(注)1 従業員数は就業人員であります。

2 全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。

3 従業員数が前連結会計年度末に比べ33名増加したのは、主に当社における新卒採用及び多面的な事業展開に伴う中途採用によるものであります。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

 

 

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

309

40歳

5ヶ月

5年

5ヶ月

7,210,535

 

セグメントの名称

従業員数(人)

住宅分譲事業

199

不動産開発事業

不動産賃貸事業

10

資産管理事業

報告セグメント計

209

その他

11

全社(共通)

89

合計

309

(注)1 従業員数は就業人員であり、子会社への出向者は含まれておりません。

2 平均年間給与は基準外賃金を含んでおります。

3 全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。

4 従業員数が前事業年度末に比べ27名増加したのは、主に当社における新卒採用及び多面的な事業展開に伴う中途採用によるものであります。

 

(3)労働組合の状況

 労働組合は結成されておりませんが、労使関係は良好であります。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に占める女性労働者の割合(%)

 (注)1.

男性労働者の育児休業取得率(%)

 (注)2.

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

7.1

50.0

57.6

56.1

60.2

 

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。

 

 なお、連結子会社については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 当社グループは、パーパスとして「IDEAL to REAL」を掲げております。時代と共に変化するニーズに対応し、理想の暮らしを創造するライフ・デベロッパーとして、「サステナビリティ経営」の推進による社会課題への対応を通じた「持続可能な社会の実現」と「持続的成長」を目指してまいります。

 

(1)ガバナンス

①推進体制

 当社グループは、サステナビリティ活動を推進するため、各部署より選抜されたメンバーで構成される「ESG推進担当部」が「E」「S」「G」の各チームに分かれ、「環境」「社会」「ガバナンス」における年度行動計画を設定し、取り組みを推進しております。

 「ESG推進担当部」においては、サステナビリティ担当役員である専務取締役経営企画本部長(以下、「経営企画本部長」という)を責任者として、月1回の定例会議を開催し、各チームの活動内容の共有、進捗管理を行うとともに、サステナビリティに関するリスク及び機会や課題を特定し、重要性が高いものを認識しております。また、リスク及び機会に対応するための戦略立案や、当該戦略のマイルストンとなる指標および目標に対する状況確認を実施しております。定例会議での内容は、サステナビリティ推進部を通して経営企画本部長へ報告され、必要に応じて、経営企画本部長より、執行に関する役員ミーティングへ報告され、対応についての指示等が協議されます。

 取締役会は、「ESG推進担当部」の定例会議での共有および協議内容等について、定期的(原則年2回)に報告を受け、社外取締役や監査等委員による独立的・客観的な立場からの意見も踏まえつつ、サステナビリティに関する重要事項について適切な検討を行うことで、監督を行える体制となっております。

 また、監査等委員会は、取締役会をはじめとする重要会議への出席や経営企画本部長、サステナビリティ推進部長へのヒアリング、重要文書の閲覧等を通して、業務の適法性・妥当性を監査しております。

 2025年3月末現在における当社グループのサステナビリティに関するガバナンス体制は、次のとおりです。

 

 

 なお、サステナビリティ推進活動に対する体制の強化、経営の関与の明確化を図るため、2025年4月25日付で「サステナビリティ推進委員会」を設置いたしました。本委員会は取締役会の下に設置され、代表取締役社長を委員長とし、委員長が指名する委員及び常勤監査等委員などをオブザーバーとして構成されます。サステナビリティ推進委員会は環境部会、社会部会、人権部会から成り、サステナビリティ推進部が運営を行います。サステナビリティ関連の重要事項に関する取締役会への報告、上程のほか、サステナビリティを巡る各課題に関するリスク及び機会の特定ならびにその影響度についての審議などを行います。

 2025年4月25日以降における当社グループのサステナビリティに関するガバナンス体制は、次のとおりです。

 

 

②サステナビリティ推進活動に関する経営の関与

 当事業年度に開催された当社取締役会で取り扱ったサステナビリティ(ESG)に関する議題は次のとおりとなります。

開催日

議案区分

ESG区分

議案内容

2024年5月28日

報告

ESG

2024年度 健康経営活動方針案

2024年7月28日

報告

社内環境把握のためのエンゲージメントサーベイ実施について

2024年9月20日

報告

エンゲージメントサーベイの実施結果について

(社内環境改善に向けた取組み「目安箱」の実施について)

2024年10月25日

報告

ESG

2024年度 上期 ESG活動状況

2024年11月26日

報告

2024年度 健康経営活動方針 上期実績

2025年1月31日

報告

SG

2024年度 人権デュー・ディリジェンスに関する取組み状況

2025年2月28日

報告

北広島市における企業版ふるさと納税について

 

 

(2)戦略

①マテリアリティの特定

 当社グループは、「当社グループの持続的な利益成長」と「持続的な社会への貢献」を両輪で追求することが真の企業価値向上に繋がると考え、「サステナビリティ経営」を行動理念(2023年11月策定)の一つとして定めております。

 また、当社グループは、サステナビリティ経営を着実に進めていくため、ステークホルダー及び当社グループ経営の視点をふまえ、次の3つのステップを経てマテリアリティ(重要課題)を特定し、各マテリアリティに対応する指標及び目標を定め、課題解決に優先的に取り組んでおります。

 

 

②気候変動

 当社グループは、『脱炭素社会の推進』をマテリアリティの一つとして掲げています。

 2022年6月には、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明し、気候変動が事業に与えるリスク・機会に関するシナリオ分析を行うとともに、脱炭素に向けた取り組みに関する情報開示を進めています。

(ア)シナリオ分析

 気候変動が当社事業にもたらす影響について、TCFDが提言する枠組みに基づき、シナリオを用いた分析を行いました。

 本年は、当社グループの主力事業である住宅分譲事業、不動産開発事業及び不動産賃貸事業を分析対象とし、2030年時点での移行リスクと物理リスク・機会を検討しました。シナリオ分析では脱炭素化が現状以上に進まない3℃シナリオと脱炭素化が進む1.5℃シナリオの2つのシナリオを想定して行いました。

シナリオ

シナリオの概要

3℃シナリオ

・脱炭素について、各国が表明済みの現行の具体的政策が実行され、脱炭素に関わる追加的な政策がとられない場合のシナリオ。国際エネルギー機関(IEA)のシナリオの「公表政策シナリオ(STEPS)」を参照。2030年のGHG排出量は世界全体で2020年比で若干増加。2100年時点で気温は2.4~2.8℃上昇。

・建築物の環境認証基準や省エネ基準は更なる引き上げがされず、省エネ改修への要求も高まっていない。ZEH、ZEBに対応した物件を求める顧客は増加しないと想定。

1.5℃シナリオ

・2050年に世界でGHG排出ネットゼロを達成する場合のシナリオ。IEAのシナリオの「2050年までの排出量実質ゼロ化シナリオ(NZE)」を参照。2030年のGHG排出量は世界全体で2020年比で約4割減少し、炭素税が導入、強化される。建築物からのGHG排出量も2030年までに2020年から約4割減少。2100年時点で気温は1.3~1.5℃上昇。

・新築建物はネットゼロ経路に適合した建物として建設されることが一般的となる。ゼロカーボン準拠の建築物規制が導入され、この規制に適合するよう既存建物についても省エネ改修がされていくと想定。

※IEAより参照した2つのシナリオでは、2030年時点での気温の上昇はいずれも1.5℃程度で大きな差がないことから、2030年時点での物理リスクは1.5℃シナリオ、3℃シナリオともに同程度と想定されるため、2つのシナリオの間でリスクの大きさは区別していません。

 

(イ)シナリオ分析のプロセス

 シナリオ分析はTCFD提言に沿って、以下のプロセスで実施しました。

a.事業にとって重要な気候関連のリスク・機会の検討

 事業に大きな影響を与えうる気候変動リスク・機会を、TCFD提言や関連レポート等の調査によって洗い出しました。

 

b.シナリオの作成

 a.で特定した重要なリスク・機会について、IEA(国際エネルギー機関)のシナリオ等、外部機関の公表する情報を参照し、2030年に想定される状況を3℃シナリオ、1.5℃シナリオのそれぞれで整理しました。

 

c.シナリオに基づく財務影響の試算とリスク・機会の評価

 b.で検討したシナリオに基づいて、事業に与える財務影響を試算し、各リスク・機会について「発生可能性」と「影響度」の二軸でリスクの大きさを評価しました。定量的な財務影響の試算が難しいリスク・機会については定性的な分析を行っています。

 

d.対応策の検討

 事業への影響が大きい気候リスク・機会への対応策として、「脱炭素社会の推進」をマテリアリティの一つとして掲げ、グループ全体の温室効果ガス排出量を2030年度までに40%削減(2022年度対比)を目標とし、ZEHマンションの開発推進や再生可能エネルギーの積極的な活用を推進しております。

 

 

(ウ)シナリオ分析の結果:リスクと機会

 脱炭素社会への移行及び、気候変動によりもたらされる物理リスク・機会について検討し、住宅分譲事業、不動産開発事業及び不動産賃貸事業に2030年までに影響を与える重要なリスク・機会を、発生可能性と影響度の視点で評価して下表のとおり特定しました。

 

リスク

 脱炭素化に伴う移行リスクについては、1.5℃シナリオにおいて影響が大きく現れ、炭素税による鉄鋼・セメント等の炭素集約度の高い建築資材の調達価格が上昇することや、施工や保有物件からのCO2排出への課税に伴うコスト増加が想定されます。また、GHG排出規制の強化により省エネ設備への投資など低炭素化の対応コストが増加することや、顧客ニーズの変化に伴いZEH、ZEBに対応していない物件での空室率の上昇、成約率、賃料、販売価格の低下、当社不動産の脱炭素化が進んでいないことによる資金調達コストの増加の可能性があります。

 物理リスクについては、気象災害の激甚化による開発物件での工期の遅延が生じる可能性や、保有物件の破損や設備故障、機能停止が生じ、修繕費用の発生や被害による評判の低下で空室率が上昇する可能性があります。

 

機会

 当社における気候変動に関する機会は、CO2排出量の少ない物件の競争力が上昇し、環境認証取得物件の評価向上や集約型で移動距離削減にも寄与し、エネルギーの地産地消や幅広い世代が共存して質の高い生活ができるようなまちづくりの複合開発の機会が拡大する可能性や、気象災害が激甚化することに伴い災害に強い物件の販売機会が拡大する可能性があります。また、環境配慮型の融資の獲得などにより資金調達コストが低減することや自社の脱炭素への取組みが投資家に評価され、株価上昇要因になることが考えられます。

 当社は、マンションデベロッパーとして、ZEHデベロッパーへの登録を行っており、年間1棟を目標に「ZEH -M(マンション)」の導入、より環境に配慮したマンション開発に取り組んでいます。また、子会社である株式会社エスコンホーム及び株式会社エスコンクラフトにおいて、2020年度以降のZEH普及を50%とする目標を策定し、ZEHビルダーの登録が完了し、目標達成に向け、環境に配慮した住宅を提供してまいります。環境認証取得については、子会社である株式会社エスコンアセットマネジメントを資産運用業務受託者とするエスコンジャパンリート投資法人が保有する地域密着型商業施設が、DBJ Green Building認証を取得しており、今後もこうした認証取得不動産の開発に取り組んでまいります。

 

住宅分譲事業、不動産開発事業及び不動産賃貸事業に2030年までに影響を与える重要なリスク

分類

外部環境の変化

当社にとってのリスク

移行

政策・

法規制

炭素税が導入、強化される。

鉄鋼・セメント等の炭素集約度の高い建築資材の調達価格が上昇し、物件施工や保有物件によるCO2排出への課税に伴うコストが増加する。

GHG排出規制の強化や炭素排出枠の設定がされる。既存建築物の環境性能・省エネ改修への要求が高まる。

省エネ設備への投資など低炭素化の対応コストが増加する。保有物件に対する運用・改修コストが増大する。

市場

顧客ニーズが変化し、環境・省エネ性能への要求が高まる。

ZEH、ZEBに対応していない物件が顧客から選ばれなくなり、空室率の上昇、成約率、賃料、販売価格が低下する。

評判

投資家・金融機関からの不動産に対する脱炭素化への圧力が高まる。

保有不動産や販売不動産の脱炭素化が進んでいないことにより、資金調達コストが増加する。自社の脱炭素化の取組みが投資家の期待に応えられないことにより、株価に影響を与える。

物理

急性

気象災害が激甚化する。

開発中の不動産の現場作業が中断し、工期が遅延する。

災害が発生しやすい地域に立地している保有物件については、災害に伴い物件の破損、設備故障、機能停止が生じ、修繕費用の発生や被害による評判低下で空室率の上昇などが起こりうる。また、商業施設での災害による人的被害が発生した場合に企業としての責任を問われる展開にもなりうる。

 

 

 

住宅分譲事業、不動産開発事業及び不動産賃貸事業に2030年までに影響を与える重要な機会

分類

外部環境の変化

当社にとっての機会

製品・サービス

炭素税や建築物のエネルギー基準等の規制が強化される。

低炭素型建築などCO2排出量の少ない物件の競争力が上昇し、環境認証取得建築物の評価が向上する。

市場

コンパクトシティ構想などの地域・都市開発モデルの推進

集約型で移動距離削減にも寄与し、エネルギーの地産地消や幅広い世代が共存して質の高い生活ができるようなまちづくりの複合開発の機会が拡大する。

脱炭素関連の投融資が拡大し、脱炭素への取組みに対する投資家の評価が高まる。

自社の脱炭素への取組みが金融機関に評価され、環境配慮型の融資の獲得などにより資金調達コストが低減する。また、投資家からの評価向上で株価上昇要因になる。

レジリエンス

気象災害が激甚化する。

気象災害が生じやすい地域にある物件について、災害に強い物件の販売機会が拡大する。また、災害発生時の地域の復旧拠点としての役割を担うことができることで、地域住民や顧客の支持の獲得につながり、テナントの空室率の低下につながる。

 

(エ)財務影響評価

 入手可能な定量データを踏まえ、2030年に住宅分譲事業、不動産開発事業及び不動産賃貸事業に与える財務インパクトを試算しました。定量的な財務評価が難しいものについては定性的な評価を行いました。

 財務へのマイナスの影響としては、1.5℃シナリオにおいて、炭素税の導入やエネルギー基準等の規制強化に伴う低炭素化のための設備投資などの対応コストの増加、保有物件の運用・改修コストの増大、資金調達コストや株価への影響が大きくなると評価しました。一方で、プラスの影響としては、1.5℃シナリオにおいて、集約型で移動距離削減にも寄与し、エネルギーの地産地消や幅広い世代が共存して質の高い生活ができるようなまちづくりの複合開発の収益機会拡大や脱炭素への取組みが評価されることによる資金調達コストや株価への影響が大きくなると評価しました。

 1.5℃シナリオ/3℃シナリオ共通では、気象災害の激甚化による開発中物件の工期遅延による建築コスト増加、災害に伴う物件の修繕費用の発生、被災による評判低下で空室率の上昇、商業施設での災害による人的被害が発生した場合の賠償の影響が大きくなると評価しました。

 

 

分類

当社にとってのリスク・機会

財務影響

財務影響の評価結果

3℃

シナリオ

1.5℃

シナリオ

移行

リスク

政策・法規制

鉄鋼・セメント等の炭素集約度の高い建築資材の調達価格が上昇し、物件施工や保有物件によるCO2排出等への課税に伴うコストが増加する。

・資材調達費用の増加

・CO2排出量に関わる費用の増加

省エネ設備への投資など低炭素化の対応コストが増加する。また、保有物件に対する運用・改修コストが増大する。

・設備投資、改修等のコストの増加

市場

ZEH、ZEBに対応していない物件が顧客から選ばれなくなり、空室率の上昇、成約率、賃料、販売価格が低下する。

・賃料、販売価格の低下による売上の減少

評判

保有不動産や販売不動産の脱炭素化が進んでいないことにより、資金調達コストが増加する。自社の脱炭素化の取組みが投資家の期待に応えられないことにより、株価に影響を与える。

・資金調達コストの増加

物理

リスク

急性

開発中の不動産の現場作業が中断し、工期が遅延する。

・建築費用の増加

災害が発生しやすい地域に立地している保有物件では、災害に伴い物件の破損、設備故障、機能停止が生じ、修繕費用の発生や被害による評判の低下で空室率の上昇などが起こりうる。また、商業施設での災害による人的被害が発生した場合に企業としての責任を問われうる。

・修繕費用の発生

・空室率の上昇による売上の減少

・賠償費用の発生

機会

製品・

サービス

CO2排出量の少ない物件の競争力が上昇し、環境認証取得建築物の評価が向上する。

・物件の競争力向上に伴う売上の増加

市場

集約型で移動距離削減にも寄与し、エネルギーの地産地消や幅広い世代が共存して質の高い生活ができるようなまちづくりの複合開発の機会が拡大する。

・複合開発の機会拡大による売上の増加

自社の脱炭素への取組みが金融機関に評価され、環境配慮型の融資の獲得などにより資金調達コストが低減する。また、自社の脱炭素への取組みが投資家に評価され、株価上昇要因になる。

・資金調達コストの低下

レジリエンス

気象災害が生じやすい地域では、災害に強い物件の販売機会が拡大する。また、災害発生時の地域の復旧拠点としての役割を担うことができることで、地域住民や顧客の支持の獲得につながり、テナントの空室率の低下につながる。

・物件の販売機会拡大、テナントの空室率の低下による売上の増加

財務影響評価の程度を以下の通り区分しています。

大:売上高の10%超、中:売上高の3%~10%、小:売上高の3%未満

定量的なデータが入手困難なリスク・機会については、定性的な分析としています。

 

 

(オ)シナリオ分析を踏まえた戦略

対応策例

a.ZEHマンションの開発推進

・2026年を目途に全ての新築分譲マンションについてZEH水準の環境性能を実現していく。

 

b.再生可能エネルギーの積極的な活用

・物流施設や商業施設での積極的な太陽光発電導入

・非化石証書の安定的な確保・調達

・中部電力グループと協調した取り組みの推進

・「まちづくり×環境配慮」の取り組み可能性の模索

 

c.グループ全体で「現場レベル」での行動(社員意識の浸透・定着)

・早期退社の推奨やこまめな消灯の実施等による電力使用量の削減

・販売促進活動のWEB化等によるペーパーレスの推進

・省エネ性能の高い自動車の活用

・「ESG経営レポート」における年次での定量実績等の開示

 

③人的資本多様性

 当社グループは、『多様な人材の活用』をマテリアリティの一つとして掲げています。「成長を支える人材の確保」「人材育成の強化」「社員の安全・健康の推進」を三位一体で進め、強固な人材基盤を構築してまいります。

(ア)人材の育成に関する方針(人材の多様性の確保を含む)

a. 人材育成の強化(育成基本方針)

 当社グループは、「人材育成の強化」を図るため、2023年に人材育成に関する「基本方針<全社員に適用される人材要件>」を制定し、当該育成方針の全社的浸透を促進しています。また、当該育成方針に連動する新卒・中途入社時の研修や職位・役割に応じた階層別研修、E‐ラーニング、各部署でのOJTを通して教育を実施することで、将来の事業成長を支える人材の育成を図っています。

 

基本方針

DNA(価値観)の継承

お客様本位、社会に貢献できるモノづくり・事業を意識し、常に感謝の気持ちを持って仕事に取り組む。

高い志・使命感

仕事を通じて社会的責任を果たす使命感を持っている。

誠実性、聡明さ、気力・体力

誠実かつ聡明、日々の多岐にわたる業務を担うだけの十分な気力と体力。

卓越したリーダーシップ

情熱・想いと数字への意識を常に持ち、人を巻き込み事業・業務を推進する。

先見性・戦略性

常に研鑽し、外部環境の変化に対応する鋭敏さを持つ。

人脈・コミュニケーション力

社内外問わずコミュニケーションをとり、信用信頼され豊かな人間関係を構築する。

革新的な経験

業界の新たなビジネスモデルへの探求心、革新的な事業を実現しようとする努力・挑戦。

 

b.人材の多様性確保

 当社グループは、「成長を支える人材の確保」を目的として、育児や介護を行う社員が家庭と仕事を両立できるよう支援するとともに、女性を含む全ての人材が継続就業し、活躍できる環境を構築すべく、様々な施策を実施しております。さらに、豊富な経験を有するシニア社員が定年後も嘱託社員として継続して就労することができるよう再雇用制度を整備し、また、障がい者や中途入社者も積極的に雇用することで、多様な人材を確保できるよう取り組んでおります。

 

 

(イ)社内環境整備に関する方針

a.社員エンゲージメントの向上

 当社グループのエンゲージメントを視覚化し、組織としての当社グループの強み・弱みを客観的に「見える化(定量的な把握)」をすべく、2024年5月に全社員を対象とするエンゲージメントサーベイを実施しました。結果については経営層レベルで把握共有し、エンゲージメント向上に向けた改善施策を推進しています。

 今後も、定期的に調査・確認することで、有用な人事施策の実施に繋げてまいります。

 

b.人権尊重への取組み

 当社グループは、国際社会における企業の人権尊重の取り組みに対する要請の一層の高まりを踏まえ、当社グループの事業活動に関わる全ての方々の人権尊重に取り組んでいます。中部電力グループが定める「中部電力グループ人権基本方針(2023年7月)」においても、人権に関する国際規範の支持・尊重や、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」の実践に努めることが記されており、人権デュー・ディリジェンスの継続的な実施や、社員への教育・研修の実施等、人権尊重に向けた取り組みを着実に推進します。

 

c.健康経営の推進

 当社グループは、社員の健康保持・増進に取り組むことは労働活力や生産性の向上につながり、事業運営においても良い効果をもたらすと考えています。当社グループは、「社員の安全・健康の推進」のため、2021年7月に健康文化醸成チームを設立し、社員の健康保持・増進に資する施策を検討することで、健康経営の実現に取り組んでいます。

 

(3)リスク管理

 当社グループは、サステナビリティに関連するリスク及び機会を適切に識別・評価し、管理することが重要であると認識しております。サステナビリティに関連する中長期で顕在化しうるリスク及び機会も適切にマネジメントすることで、企業価値の持続的な向上を図ります。

 

①リスクを識別・評価・管理する過程

(ア)リスクの識別

 経営企画本部長とサステナビリティ推進部長が、毎週開催されている取締役と部門責任者による定例会議に出席し、案件やプロジェクト等を精査する過程において、関係法令の遵守や省エネ対応関連のコスト、人員面の課題などを確認することで、サステナビリティに関するリスクの識別を行っています。また、「ESG推進担当部」における月1回の定例会議においても、各チームからの報告をふまえて、サステナビリティに関するリスクを識別しています。

 

(イ)リスクの評価

 取締役と部門責任者による定例会議および「ESG推進担当部」における月1回の定例会議において、識別したリスクを評価しています。また、当社グループの組織横断的リスク状況の監視および全社的情報共有は、「リスク管理委員会」にて行っているため、サステナビリティ関連の重要と判断したリスクに関しても、サステナビリティ推進部からリスク管理委員会へ連携しています。

 リスク管理委員会においては、識別したリスクの「影響度」「発生頻度」「対策の実施状況」「リスク低減の余地」「リスク対策の方向性」を基準に審議(評価)し、「リスク管理一覧」に反映しています。また、各サステナビリティに関するリスクへの対策を策定することで、全社的なリスク管理プロセスへと統合いたします。

 

(ウ)リスクの管理

 毎週開催されている取締役と部門責任者による定例会議において、サステナビリティに関する最新の動向や社会情勢をふまえ、識別したリスクの継続的なモニタリングを実施しています。

 また、リスク管理委員会では、原則として半年に1回以上の頻度でリスク管理一覧記載のリスクの見直しを検討し、リスク状況(識別・評価)の定期的な管理を行っています。また、リスク管理委員会で審議された内容は取締役会へ報告されます。取締役会では、当社のリスク管理の取組みに関する重要事項の決定を行うとともに、サステナビリティに関するリスクを含む重要なリスク管理に関する報告を受けております。

 

 

②機会を識別・評価・管理する過程

(ア)機会の識別

 サステナビリティ推進部に所属する担当者が、親会社である中部電力が主催するグループ会社向けの会議などに参加し、脱炭素やエネルギーの戦略的な動向を確認しています。それらの動向をふまえ、毎週開催されている取締役と部門責任者による定例会議や「ESG推進担当部」における月1回の定例会議などで共有することで、サステナビリティに関する機会を識別しています。

 

(イ)機会の評価

 識別した潜在・顕在機会については、各定例会議にて不動産事業における役割やビジネスチャンスを評価しています。特に、親会社が主導するエネルギーマネジメント等のサービスが、当社の開発事業の拡大に寄与する可能性があるため、サステナビリティ推進部として連携に努めております。

 

(ウ)機会の管理

 毎週開催されている取締役と部門責任者による定例会議において、サステナビリティに関する最新の動向や社会情勢をふまえ、識別した機会の継続的なモニタリングを実施しています。今後、識別・評価した機会を具体的な行動計画に反映し、さらに適正な管理に繋げていくようにいたします。

 

(4)指標及び目標

①マテリアリティに関連する指標及び目標

 当社グループは、特定したサステナビリティに関するマテリアリティ(重要課題)について優先的に取り組んでおり、各マテリアリティに対応する指標及び目標を定め、取組み状況のモニタリングをしています。当社グループのマテリアリティに関連する指標及び目標は次のとおりです。

マテリアリティ

指標の内容

目標

達成年度

2024年度実績

コンプライアンスの徹底

中部電力と協調した

コンプライアンス

推進施策の実施

研修・教育

を実施

毎年度

中部電力と協調した研修・講演会を実施

(すべて受講率:100%)

コンプライアンス

研修受講率

100%

毎年度

100%

グループ会社を含むガバナンス・リスク管理の強化

取締役会の実効性向上

と継続的な改善

確実な

向上・改善

毎年度

提出会社

取締役会に関する

実効性確認アンケートを実施

連結子会社

提出会社の担当部署が

各子会社の取締役会に

オブザーバーとして参加

ウェルビーイングな社会の実現

環境・社会に配慮したまちづくりの推進による地域活性化・暮らしやすさ向上への寄与

毎年度

寄与

2030年度

総合施設開発

「SAKURA MIRAI SHIN ŌMURA」

(地域活性化に向けたまちづくりプロジェクト)

JR北広島駅周辺開発における

「記憶継承家具製作プロジェクト」

 

 

 

②気候変動

 当社グループは、TCFDの提言する情報開示フレームワークに基づき、マテリアリティの一つである「脱炭素社会の実現」に関連する指標としてScope3を含むGHG排出量実績を設定しており、2030年度の達成目標としてScope1及びScope2を対象とする削減目標を設定しております。なお、当社グループにおけるGHG排出量実績の算定体制を整備中のため、2025年3月現在時点の実績算定対象範囲は当社のみとなりますが、2025年4月以降、順次、当社グループの主要子会社にも対象範囲を拡大し、GHG排出量の削減目標を達成するための各種施策を検討してまいります。

 

指標

(ア)Scope1・2のGHG排出量実績

(単位:t-CO2)

項目

2022年度

(基準年)

2023年度

Scope1

3,230

1,977

Scope2

8,155

9,703

Scope1・2合計

11,386

11,680

※1 2022年度の対象期間は2022年1月~2022年12月、2023年度の対象期間は2023年4月~2024年3月

※2 2024年度のGHG排出量実績については、2025年9月に公表予定

 

(イ)Scope3のGHG排出量実績

(単位:t-CO2)

項目

2022年度

2023年度

1:購入した製品・サービス

126,470

127,853

2:資本財

1,848

351

3:Scope1,2に含まれない燃料

    及びエネルギー関連活動

2,423

2,431

4:輸送、配送(上流)

5:事業から出る廃棄物

2

3

6:出張

430

623

7:雇用者の通勤

78

93

8:リース資産(上流)

9:輸送、配送(下流)

10:販売した製品の加工

11:販売した製品の使用

659,599

523,281

12:販売した製品の廃棄

104

81

13:リース資産(下流)

15,284

16,563

14:フランチャイズ

15:投資

合計

806,238

671,278

※1 2022年度の対象期間は2022年1月~2022年12月、2023年度の対象期間は2023年4月~2024年3月

※2 2024年度のGHG排出量実績については、2025年9月に公表予定

 

目標

 当社グループの脱炭素目標は、グループ全体の温室効果ガス排出量(※)を2030年度までに40%削減(2022年度対比)となります。

※Scope1・2が対象。Scope3については今後検討。

 

 

③人的資本多様性

(ア)人材の育成に関する方針(人材の多様性の確保を含む)

 「人材の多様性確保」については、次世代育成支援対策推進法及び女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく一般事業主行動計画の中で、次のとおり2つの指標及び目標を定めております。なお、一般事業主行動計画は法人単位で策定することが定められており、当社の連結子会社はいずれも常時雇用する労働者数が100人以下で、一般事業主行動計画の策定が義務付けられていないため、「人材の多様性確保」に関する指標及び目標については、当社のみを対象とした内容を記載しています。

方針の内容

マテリアリティ

指標の内容

目標

達成年度

実績

a

人材育成の強化

(育成基本方針)

2025年4月25日に設置いたしましたサステナビリティ推進委員会にて検討を進め、指標及び目標を設定予定となります。

b

人材の

多様性確保

多様な人材

の活用

採用者に占める

女性の割合

35%以上

毎年度

30.8%

(2024年度)

男性の育児休業取得率と

育児休暇取得率の合計

50%以上

2024年度

(過去2年度実績)

75% ※

※一般事業主行動計画の計画期間(2023年1月1日~2025年3月31日)の実績となります。

 

(イ)社内環境整備に関する方針

 当社グループは、「社員エンゲージメント」に関する指標として「エンゲージメントサーベイのスコア」を定め、2030年度の評価ランクを確実に向上することを目標としています。

 また、「健康経営の推進」については、「健康経営優良法人(大規模法人部門)」の認定継続をその指標及び目標としています。当社は、経済産業省が実施している健康経営度調査に毎年度回答しており、2023年以降、3年連続で「健康経営優良法人(大規模法人部門)」に認定されています。なお、健康経営度調査では当社のみの状況を回答しているため、当社のみを対象として指標及び目標を設定しております。

方針の内容

マテリアリティ

指標の内容

目標

達成年度

2024年度

実績

a

社員

エンゲージメント

多様な人材

の活用

エンゲージメント

サーベイのスコア

サーベイ開始(2024年度)からの確実な向上

2030年度

グループ全体

ランク:B

(注)

b

人権尊重

への取組み

人権研修受講率

100%

毎年度

100%

c

健康経営の推進

多様な人材

の活用

健康経営優良法人

(大規模優良法人部門)

認定

毎年度

認定継続

毎年度

認定取得

(注) リンクアンドモチベーション社が提供するエンゲージメントサーベイ