リスク
3【事業等のリスク】
1.リスクマネジメント基本方針
MIRARTHホールディングスグループは、お客さま・パートナー・役員・従業員及びその家族の安全の確保及び社会的責任の遂行、地球環境との調和、永続的な事業の継続、企業価値の向上をリスクマネジメントの基本方針とし、各リスクの抽出・管理を行っております。
また、推進体制として「リスクマネジメント委員会」を設置し、グループ全体においてリスクマネジメントの徹底を図っております。
2.リスクマネジメント体制
(1)リスクマネジメント委員会について
当社ではグループの安定的かつ持続可能な成長を支えるために、グループ全体のリスクを統括するリスクマネジメント委員会を定期的に開催することで、積極的かつ戦略的なリスク管理を実践しております。
① 開催頻度
リスクマネジメント委員会は年4回の定例会議に加え、業界や市場の変化等に対応するため必要に応じて開催しております。これにより、リスクに対する迅速な意思決定と適切な対応が確保されております。
② 委員構成
当社のリスクマネジメント委員会は、グループCROを委員長に、グループCFOと2名の社外取締役を委員とする構成となっており、これにより、機動的かつ専門的な視点からリスクを評価・意思決定できる体制となっております。また、法務部門の責任者を委員会に加えることで、法的観点からの検討を強化し、より包括的なリスク管理を実現しています。加えて、監査役がオブザーバーとして参加することで、リスクマネジメントプロセスの監督機能と客観性を確保しております。
③ 議事内容
リスクマネジメント委員会の議事は多岐にわたりますが、主に以下の項目に焦点を当て議事を行っております。
・リスクマネジメント委員会にて、「リスクマップ」としてあげられたリスク項目の対応状況
・上記以外のリスク項目について、対応方針の変更や見直し等のリスク対応状況
・新たなリスクについて、重要度や対応優先度についての協議、決定
・企業戦略とリスクポートフォリオの整合性の確認
・今後のリスクマネジメント運営方針の協議、決定
④ 開催実績
2024年度においては、リスクマネジメント委員会を計5回開催しました。これらの会議では、当社グループの事業を取り巻く多様なリスクを適切に管理し、企業価値の維持・向上を目指し、主に次の点について協議等を行いました。
第1回(4月8日開催):全社的な潜在リスクを網羅的に洗い出し、発生可能性と影響度を評価し、優先対応リスクを特定。
第2回(7月8日開催):リスクアセスメントの有効運用のため、当社グループ全体で四半期ごとのリスク再評価体制を構築し、運用を開始。
第3回(10月15日開催):初回の運用として実施された第2四半期のPDCAサイクル結果を報告・協議し、リスク管理体制の実効性向上と今後の改善方向性を確認。
第4回(12月9日開催):リスク管理規程細則を策定し、管理体制を強化。取締役会決議事項の諮問フローについても協議。
第5回(1月14日開催):2025年度の最重要・重要リスクを評価し、優先順位を見直し。第3四半期のPDCA結果を協議し、実効性のあるリスクマネジメント体制強化を推進。
3.リスクマネジメントプロセス
当社グループのリスクマネジメントプロセスは以下のとおりです。
[概念図]
(1)リスクの特定
リスクマネジメントにおいては、世の中にある無数のリスクの中から、当社が対処すべきリスクの特定と、その優先順位付けが欠かせない要素となっております。当社グループでは以下フローに従い、リスクの特定と優先順位付けを行いました。
[リスク特定のフロー図]
① グループ各社におけるリスクの洗い出し
グループ各社に対し「事業戦略リスク」「オペレーショナルリスク」「ハザードリスク」について網羅的に洗い出し、その「影響度」と「発生頻度」等を評価し定量的なスコアリングを行い、この評価に基づいて優先順位を付けます。高い影響度と頻度を持つリスクは、優先的に対応を検討します。
また、あわせてそれぞれのリスクの現況やリスクシナリオ、機会や対応案についても一次的な検討を行います。
② リスクの抽出
①にて提出されたリスクについて、提出されたリスクを横断的に俯瞰・比較し、50項目を抽出しました。
抽出に際しては内外の環境分析や経営層のヒアリングを行い、優先度はもとより、当社グループの中期経営計画や、置かれている環境等を考慮いたしました。また、一次的な検討を行ったそれぞれのリスクの現況やリスクシナリオ、機会や対応案について、記載レベルの平準化、統一化を行い確定させました。
③ リスクの特定(リスクマップ掲載事項)
②にて抽出された50の重要リスクについて、リスクマネジメント委員会の委員それぞれから、リスクマップに掲載すべき事項、及び最優先事項について個別に意見を聞き、リスクマネジメント委員会での協議を経て、リスクマップに掲載すべき13項目を抽出しました。
④ 最重要リスクの特定
③にて抽出されたリスクマップ掲載事項となる13のリスク項目から、当社グループが最優先で対応し、ウォッチすべき最も重要なリスクを7項目特定しました。
①にて提出された全リスクのうち、リスクマップ掲載事項となる最重要リスク(Aランク)、Aランクを除くリスクマップ掲載事項となる重要リスク(Bランク)、②にて抽出されたリスクからAランクとBランクを除いたリスク(Cランク)の分類は次のとおりです。
|
2024年度 |
2025年度 |
||||
事業戦略リスク |
オペレーショナルリスク |
ハザードリスク |
事業戦略リスク |
オペレーショナルリスク |
ハザードリスク |
|
Aランク |
5個 |
1個 |
- |
7個 |
- |
- |
Bランク |
8個 |
2個 |
- |
6個 |
- |
- |
Cランク |
4個 |
25個 |
2個 |
5個 |
30個 |
2個 |
(2)リスクの評価
リスクの評価方法は、各社各事業部門にて洗い出されたリスクについて、「影響度」と「発生頻度/発生可能性」を掛け合わせてスコアリングを行い、評価しました。
① 「影響度」について
人的な被害や、金銭的な損害、売上・利益の棄損、信用、監督官庁等からの処分・指導の5つの定義に基づき、それぞれの影響の大きさを「大・中・小」の3段階で評価しております。
② 「発生頻度・発生可能性」の評価について
「発生頻度」は当該リスクがどの程度の頻度で発生する可能性があるか、また「発生可能性」については、当該リスクの発生確率を当社所定の基準に従い「高・中・低」の3段階で評価しております。なお、リスクの項目により「頻度」あるいは「可能性」で評価することとしております。
なお、判断基準は次のとおりです。
リスク分析の判断基準
影響度 |
定義 |
||||||
等級 |
表記 |
人 |
金銭 |
売上/利益 |
信用 |
処分・指導 |
|
3 |
大 |
顧客や従業員、ステークホルダーに死傷者が発生するもの。 |
1億円以上の財政的損失 |
売上高の目標(あるいは想定)を、10%以上の下方修正させる要因となるもの。 |
営業利益、経常利益、当期純利益の目標(あるいは想定)のいずれかを、30%以上の下方修正させる要因となるもの。 |
・年単位の長期にわたり売り上げや利益に影響を及ぼす。 ・ステークホルダーとの良好な関係が破綻する。 |
監督官庁等から、免許停止処分以上の処分を受けるもの。 |
2 |
中 |
顧客や従業員、ステークホルダーに身体的・精神的な影響が相当程度およぶもの。 |
1,000万円以上、1億円未満の財政的損失 |
売上高の目標(あるいは想定)を、5%以上10%未満の下方修正させる要因となるもの。 |
営業利益、経常利益、当期純利益の目標(あるいは想定)のいずれかを10%以上30%未満の下方修正させる要因となるもの。 |
・数か月に売り上げや利益に影響を及ぼす。 ・ステークホルダーとの間で一時的に良好な関係が停止する。 |
監督官庁等から、免許業上その他、法令や規約に基づく処分を受ける(処分内容が外部に開示される。) |
1 |
小 |
顧客や従業員、ステークホルダーに身体的・精神的な影響が軽微ながらおよぶもの。 |
1,000万円未満の財政的損失 |
売上高の目標(あるいは想定)を、5%未満の下方修正させる要因となるもの。 |
営業利益、経常利益、当期純利益の目標(あるいは想定)のいずれかを10%未満の下方修正させる要因となるもの。 |
・一時的に売り上げや利益に影響を及ぼす。 ・ステークホルダーが当社に対し、不快な印象を持つ。 |
監督官庁等から、口頭注意、指摘を受ける(外部には開示されない)。 |
発生可能性(頻度) |
発生可能性(確率) |
||||
等級 |
表記 |
内容 |
等級 |
表記 |
内容 |
3 |
高 |
1年に1度以上の頻度 |
3 |
高 |
80%以上の確率で発生 |
2 |
中 |
数年に1度の頻度 |
2 |
中 |
20%以上80%未満の確率で発生 |
1 |
低 |
10年に1度の頻度 |
1 |
低 |
20%未満の確率 |
③ 「リスク」について
抽出された各リスクについて、関係する各社各部門がその現況をどのように理解し認識しているかについて、また当該リスクが顕在化した時に各社各部門において、どのようなことが想定されるのかを取りまとめております。
これらにより、漠然としたリスクを具体化し、リスク対応のイメージをより明確にしております。
④ 「機会」について
当該リスクを「機会」と捉えたときに、どのようなシナリオが想定されるかを具体的にイメージさせ、リスクテイクしていく際の検討資料とします。
(3)リスクの対応
特定されたリスクに対する適切な対策や対処策を策定します。対処策にはリスクの軽減、回避、転嫁、受容などが含まれます。リスクが許容範囲内に収まるようにすべく、アクションレベルで具体的に記載します。
(4)リスクのモニタリングと報告
抽出されたリスク項目の内、リスクマップに掲載した13のリスク項目については、四半期に一度の頻度で開催されるリスクマネジメント委員会において、それぞれのリスクの状況をモニタリングし、必要に応じて戦略やプロセスの修正を行ってまいります。なお、最優先リスクとして特定された7項目につきましては、これらとは別により詳細に現況とリスクシナリオ、機会、リスク対応についての効果を確認することで、リスクの変動を追跡し、報告を行うとともに、必要に応じた修正や調整をより詳細に行います。
[体制図及び運用フロー]
(5)リスクマネジメントの対応状況(2024年度)
※当初の四半期(第2四半期)で多くのリスクへの対応策が「対応済み」となり、その後の進捗は鈍化しているものの、継続的にリスク評価と対応策の見直しを行い、リスクレベルの低減を図っております。また、第3四半期において、より効果的な対応策への見直し等を実施したことから、「対応済み」が減少したケースもあり、運用面での課題やその改善活動を行っております。これらの結果から、リスクマネジメント推進活動は一定の成果を上げつつも、対応の遅れや、理解・運用面の強化が今後の重要課題であると考えております。
4.当社グループの具体的なリスクについて
(1)リスクマップ
リスクマップは、特定されたリスクの重要度と優先順位を可視化し、経営戦略の立案段階からリスク管理の視点を組み込むとともに、実効性のあるリスク対応策を策定・実行するための重要なツールとして活用しております。
(2)リスク見直しの実施
変更前 |
変更後 |
変更理由 |
金利市場の変化 (Aランク) |
金融市場の変化 (Aランク) |
金利のみならず為替や株式市場など金融全般の動向が事業に与える影響が大きく、多角的に捉える必要があるため |
再生可能エネルギー市場の変化 (Bランク) |
再生可能エネルギー市場の変化(Aランク) |
当社が今後注力すべき成長分野であり、経済環境の変動や行政規制の強化が事業運営に重大な影響を及ぼす可能性が高いため |
労務環境 (Aランク) |
人権への対応(労務環境) (Aランク) |
社会的責任の重要性が増す中で人権への対応が企業価値の維持・向上に不可欠な課題であるため |
内部統制機能の維持・強化 (Aランク) |
ガバナンスの強化 (Aランク) |
内部統制に加え、多様なステークホルダーに対する企業の責任を果たすための体制強化と、経営の透明性や健全性の向上のため |
海外事業の展開 (Cランク) |
海外事業の展開 (Bランク) |
昨今のグローバル経済環境の変化や海外市場での事業拡大に伴うリスクが増大していることから、より高いレベルでの管理が必要と判断したため |
※変更点は下線部です。
(3)重要リスク一覧
項番 |
重要リスク |
リスクの内容 |
機会 |
対応 |
関連マテリアリティ |
1 |
不動産市場の動向 |
・経済政策の方針変更(法規制、法令解釈や運用方針の変更) ・ライフスタイルの変化(DINKs、共働き世帯の増加、高齢者のマンションへの住み替え、テレワークの進展) ・住宅ニーズの多様化 ・政治情勢、景気動向の変化 ・人口動態の変更 |
・新商品、サービスによる需要創出、成長機会の獲得 ・減税政策の要件緩和 ・用地、物件取得機会の増加 |
・情報収集活動の強化 ・購買層のニーズ反映 ・多様な商品の提供 ・多様な資金調達手法の取り組み強化 ・継続的なパフォーマンスのモニタリング、対策の実行 |
地域社会の持続的な成長の実現 |
2 |
金融市場の変化 |
・市場金利の上昇局面における資金調達コストの増加 ・住宅ローン金利の変動による顧客購入マインドの変化 |
・価格調整後の実需層による分譲マンション購入機会の増加 ・金利上昇局面で相対的に割安になった不動産リートへの投資 |
・借入抑制による自己資本比率向上 ・金融機関との連携強化による資金調達の多様化 |
地域社会の持続的な成長の実現 |
3 |
ポートフォリオ管理 |
・事業の採算変化 ・事業の継続、撤退の判断時期 ・仕入や投資と回収期間の不均衡の発生 ・企業評価(成長性等)への影響 |
・自社グループ利益体質の最適化、安定化 ・予算精度向上による対外的信用の獲得 |
・社内システム等の活用による、事業部ごと、PJごとの損益、採算性の可視化の推進 ・ポートフォリオ会議等を行い、過度な仕入、投資の抑制 |
コーポレート・ガバナンスの強化 |
4 |
ガバナンスの強化 |
・不正行為、誤報告、情報漏洩等の発生 ・損失の発生、信頼性への影響 |
・業務プロセスの改善による組織全体のパフォーマンス向上 |
・オフサイト監査によるガバナンス体制の維持、強化支援 ・内部統制に関わる組織、人員の連携強化 ・グループ間の連携、管理体制強化 |
コーポレート・ガバナンスの強化 リスクマネジメントの強化 |
項番 |
重要リスク |
リスクの内容 |
機会 |
対応 |
関連マテリアリティ |
5 |
気候変動 |
・自然災害などの発生リスクの増加 ・環境配慮型商品の提供に伴うコスト増加 ・気候変動対策への取組み遅延による投資家からの低評価による株価への影響 ・温室効果ガスの使用、排出規制や省エネルギー規制の強化 ・法規制強化による建築基準の厳格化 ・自然災害の激甚化による各種コスト変動 |
・環境問題への関心の高まりによる再生可能エネルギー市場の活性化 ・環境配慮型商品や、災害に強い商品、建物に対する需要の高まり |
・再生可能エネルギー発電所の開発 ・二酸化炭素排出量の削減 ・気候変動シナリオの分析 ・外部評価機関の基準に沿った社内体制の構築 ・グリーン認証の取得 ・建物や施設の耐震化の推進 ・BCP体制の構築 |
気候変動・脱炭素化への対応 再生可能エネルギーの安定供給と利用促進 |
6 |
人権への対応(労務環境) |
・生産性やモチベーションへの影響 ・人材の流動化 ・ハラスメントの発生 ・労働時間による心身への影響 |
・従業員の満足度とモラルの向上 ・従業員の生産性向上 ・優秀な人材の確保 |
・人権方針の作成、人権デューデリジェンスの実施 ・モニタリングの実施 ・相談通報窓口の整備 ・違反者への罰則 ・規則やポリシーの策定 ・柔軟な労働制度の導入 ・定期的な健康診断やストレス管理プログラム ・福利厚生制度の充実 |
従業員の健康と安全の確保 エクイティ&インクルージョン(DE&I)の推進 |
7 |
再生可能エネルギー市場の変化 |
・政策の変更、FIT制度変更による事業機会の変化 ・原子力発電所の再稼働 ・送電網等インフラ設備の維持管理 ・脱炭素化トレンドの変更 ・発電所開発における生態系への影響 ・新技術の開発、台頭 ・電力会社の出力抑制要請(再生エネルギー電力の供給過多) ・電力グリッドの老朽化、容量不足 |
・再生可能エネルギーニーズの拡大による、売電価格の上昇 ・環境への貢献企業としてのブランディング ・FITに代わる新制度の導入 ・BCP対応に伴う再生可能エネルギーの導入 ・バックアップ電源としての蓄電所の拡大 |
・電源の多様化推進 ・長期売電契約の締結 ・エネルギー企業との提携 ・PPAなど新たな事業への取り組み ・エネルギー事業におけるエリア戦略の実施 ・蓄電池導入による出力抑制時ダウンサイトカバーの検討 |
再生可能エネルギーの安定供給と利用促進 |
項番 |
重要リスク |
リスクの内容 |
機会 |
対応 |
関連マテリアリティ |
8 |
品質管理の維持 |
・顧客満足度への影響 ・法的責任の発生 |
・顧客満足度の向上 ・ブランド価値の向上 |
・厳格な品質管理システムの導入 ・定期的な品質監査と改善活動 ・教育とトレーニングの強化 |
地域社会の持続的な成長の実現 人権の尊重、サプライチェーンへの対応 |
9 |
原材料コストの変動 |
・利益率の変動による業績への影響 |
・コスト削減の機会 ・新たな供給源の開拓 |
・取り組むべきプロジェクトの取捨選択 ・長期契約の締結や価格固定契約の導入 ・商品先物取引やオプション取引の活用 ・予算見直しとプロジェクトの再評価の定期実施 |
地域社会の持続的な成長の実現 |
10 |
新規事業への参入 |
・新規市場や、関連する法規制への理解浸透 ・資金調達 ・新規事業の採算性 ・地域社会との関係 |
・成長の機会の提供 ・競争力の強化 |
・市場のニーズや競合状況の把握 ・地域とのパートナーシップの構築 ・撤退基準の明確化 |
再生可能エネルギーの安定供給と利用促進 地域社会の持続的な成長の実現 |
11 |
DX推進への対応 |
・企業競争力への影響 ・情報管理等に関する評判等への影響 ・業務遂行への影響 |
・コスト削減 ・生産性の向上 ・顧客満足度の向上 |
・DX、ITを推進するための組織文化の変革 ・従業員のスキルアップや継続的な学習の機会の提供 ・適切なセキュリティ対策の実施 |
少子高齢化、労働人口減少への対応 |
12 |
海外事業の展開 |
・進出国の政治、経済情勢、法規制、制度等 ・現地パートナーシップ等の事業運営 ・自然災害の激甚化、テロ、暴動の発生 |
・新規市場開拓による成長可能性 ・ニッチ市場の開拓 ・新規事業展開の可能性 |
・進出国情報の収集、モニタリング ・関係部署間での市場管理、事業運営管理、情報の共有、分析 ・BCP体制の構築 |
地域社会の持続的な成長の実現 |
13 |
人材の確保 |
・人材流出等による人材不足を起因とした労働生産性の低下 ・業務品質、競争力の保持 |
・業務の生産性、品質及び、競争力の向上 ・新しいアイデアやイノベーションの創出 |
・競争力のある待遇や福利厚生の提供 ・教育プログラムやトレーニングの充実化 ・多様な人材を受け入れる文化の醸成と、包括的な職場環境の提供 ・人事制度の適切な評価と運用 ・1on1 ・相談窓口の設置 |
少子高齢化、労働人口減少への対応 |
(4)最重要リスク説明
① 不動産市場の動向
大分類 |
事業戦略リスク |
中分類 |
事業環境リスク |
小分類 |
不動産市場の動向 |
担当部署(本部/部) |
グループ経営企画部 |
発生頻度/可能性 |
高 |
リスク影響度 |
大 |
リスクシナリオ |
当社グループでは不動産関連事業がその収益の多くを占めております。よって、不動産市場の動向を的確に捉えることは、当社の今後を左右する最重要事項であり、特に住宅需要の変化には注視しております。住宅需要は、景気動向をはじめ、お客様のライフスタイルの変化の影響を受けやすく、また、住宅取得に関する国の各種施策や、その他の不動産を取り巻く法規や規制、ルールの制定や改廃、解釈の変更等の影響を受け、更には国や地域の人口動態の影響も看過できないものであります。 具体的なリスクシナリオとしては、景気後退・経済成長鈍化局面での住宅購入・賃貸需要、オフィス需要の減退等不動産取引の停滞、金利上昇局面での資金調達コスト増加、不動産投資利回り悪化、不動産価格下落圧力等、法規制・環境規制強化局面では、建築基準法改正、省エネ基準強化、脱炭素化に向けた規制強化(CO2排出量制限等)による開発計画の見直し、追加コスト発生、また、人口減少・高齢化による住宅需要減退、空き家増加等を想定しております。 |
||
機会 |
新商品や新サービスの創出のきっかけとなり、用地・物件取得機会の増加が見込まれます。 不動産市場動向に左右されない、不動産事業以外の事業の模索や拡大が見込まれます。 |
||
対応策 |
不動産市場の動向については、経営企画部門において、月に1度、外部の専門家を交えた定期的な情報交換を行うとともに、その動向について社内に共有を行っております。市場のトレンドやニーズについては、当社の製販一体のメリットを生かし、顧客趣向や購買動向を、商品企画に反映できる体制を構築しており、これにより多様な商品の提供を行っております。 また、経済動向を見据え多様な資金調達手法について検討と取り組みを強化しており、これにより市場の変動に柔軟に対応できる仕組みづくりを行っております。 また、不動産事業のみに依存しない事業ポートフォリオの構築を進めております。主にはストック事業であるエネルギー事業、フィー事業であるアセットマネジメント事業の拡大を図っており、安定収益の確保に注力しております。 |
② 金融市場の変化
大分類 |
事業戦略リスク |
中分類 |
事業環境リスク |
小分類 |
金融市場の変化 |
担当部署(本部/部) |
グループ財務部 |
発生頻度/可能性 |
高 |
リスク影響度 |
大 |
現況及び リスクシナリオ |
現在の金融市場において、不動産事業は低金利下での価格上昇が続く一方、高価格帯マンションの販売難やリートの価格調整、リモートワークによるオフィス需要の二極化、建築コストの上昇といった課題を抱えています。一方、再生可能エネルギー事業は、脱炭素化の流れと政府の支援策を背景に市場が拡大しており、太陽光発電を中心に導入が進むものの、系統連系や出力安定化、蓄電池導入が重要なテーマとなっています。 両事業における具体的なリスクシナリオとして、金融引き締めによる金利上昇は、不動産事業では資金調達コストの増加、住宅ローン金利上昇による購買意欲の低下、不動産価格の下落を引き起こす可能性があります。再生可能エネルギー事業においても、多額の先行投資を要する事業の資金調達コスト増加に繋がり、さらに政府支援策の変更や技術革新の遅れ、自然災害による設備損壊、電力価格やサプライチェーンへの影響も懸念されます。 |
||
機会 |
金利上昇局面では、価格調整後の実需層による分譲マンション購入機会の増加、相対的に割安になった不動産リートへの投資機会につながり、インフレヘッジとしても期待できます。また、金融市場の変動により、競合他社の事業縮小による当社グループの市場シェア拡大につながる機会となります。 |
||
対応策 |
当社グループは、不動産事業と再生可能エネルギー事業の多角化を進め、ROIC管理徹底や在庫圧縮で財務基盤を強化し、金融市場の変動に強い経営を目指します。市場金利の動向を注視し、金融機関との連携を深めながら、金利上昇に備えた財務健全性の維持や借入手法の多様化、物件価値の維持・向上に努めます。 また、グリーンファイナンス活用による金融機関連携強化、環境負荷低減に取り組み、持続的な成長を目指してまいります。 |
③ ポートフォリオ管理
大分類 |
事業戦略リスク |
中分類 |
事業環境リスク |
小分類 |
ポートフォリオ管理 |
担当部署(本部/部) |
グループ財務部 グループ経営企画部 |
発生頻度/可能性 |
高 |
リスク影響度 |
大 |
現況及び リスクシナリオ |
当社グループでは不動産事業を中心に、エネルギー事業、アセットマネジメント事業に取り組んでおります。これら3つのセグメントにおいて、個別の事業の採算性の検討は非常に重要なテーマであり、これら事業のバランスの良いポートフォリオを保持することは、当社グループの永続的な発展に必要不可欠です。よってこれらそれぞれの事業セグメントにおいては、個別の事業の採算性や、事業の継続・撤退の判断を迅速に行うことが求められ、また、当社グループが目標として掲げている財務指標のコントロールは、リスク管理の観点からは欠かせない要素となります。 具体的なリスクシナリオとしては、採算性の把握や事業の継続、撤退判断、利益率の変動や他ポートフォリオへの資源配分等の最適化、ROEやROIC等企業の評価指標への影響による企業評価(株価)への反映を想定しております。 |
||
機会 |
効果的な資産配分と投資戦略を実施することで、高いリターンを追求できます。また、多様なセグメントに投資することで、リスクを分散しつつ収益機会を広げることができます。 最適な事業ポートフォリオの構築により、収益性の高い事業への集中投資ができるようになり、リターンを増加させる機会となります。 |
||
対応策 |
月に1度、ポートフォリオ会議を開催し、会社の状況を把握し、過度な投資や事業用不動産等の取得を抑制しております。ポートフォリオ、ROEやROIC等企業の評価指標分析を取締役会での経営判断指標として適宜報告、共有しております。また、社内システムを活用し、事業部ごとに事業の採算性が正確に把握できるような仕組みの構築を進めております。 |
④ ガバナンスの強化
大分類 |
事業戦略リスク |
中分類 |
組織・ガバナンスリスク |
小分類 |
ガバナンスの強化 |
担当部署(本部/部) |
グループ経営企画部 グループ内部監査室 |
発生頻度/可能性 |
中 |
リスク影響度 |
大 |
現況及び リスクシナリオ |
内部統制の重要性は論を待たず、当社グループとしてもその拡充はグループ各社にガバナンスを利かせる有効な方策であり、不正行為やコンプライアンス抵触事案の発生抑止、また万一発生した際の迅速な対応へと繋がるものと考えており、今後もその拡充と充実化を図っていきたいと考えております。 具体的なリスクシナリオとして、業務上の誤謬、経営者や従業員による不正行為、コンプライアンス抵触事案が発生するリスクに加え、組織内の監視機能不全による問題の長期化や、リスク顕在化時の迅速な対応ができないことによる被害拡大といったリスクを想定しております。 |
||
機会 |
リスクの早期発見やリスクの適切な管理を行うことで、企業の信頼度の向上とともに、永続的な事業提供に繋がります。また、業務プロセス改善等により、組織全体のパフォーマンスが向上します。 |
||
対応策 |
内部監査室の体制強化を通じて、実効的な監査サイクルの構築、内部監査人の専門性向上、そして必要に応じたオフサイト監査の充実を図ります。これにより、計画外のリスクも継続的に評価し、ガバナンス体制を維持・強化します。また、内部統制システムに関わる組織・人員の連携を強化し、役割範囲の明確化と定期的な情報・課題共有を進めます。さらに、連結グループ会社との連携および管理体制を強化し、グループ全体の統制力を向上させてまいります。 |
⑤ 気候変動
大分類 |
事業戦略リスク |
中分類 |
事業環境リスク |
小分類 |
気候変動 |
担当部署(本部/部) |
サステナビリティ推進室 |
発生頻度/可能性 |
高 |
リスク影響度 |
大 |
現況及び リスクシナリオ |
当社グループでは、気候変動を自然環境と社会構造に大きな変化をもたらし、当社グループの経営とビジネス全体に影響を与える重要な課題であると位置づけています。気候変動における移行リスクと物理リスクは、当社グループの事業へ影響を及ぼす可能性があります。温室効果ガスの使用・排出規制や省エネルギー規制など法規制の厳格化といった移行リスクは、マンション等の建築物に対する省エネルギー基準の厳格化や、環境配慮型商品の採用・提供等が求められることにつながり、これに伴い当社の収益面に影響が生じる可能性があります。気候変動に起因する台風・豪雨などの自然災害の激甚化や事故等の発生といった物理リスクは、建物被害や工事期間の延長によるコスト増等、事業へ悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループにおける気候変動への取組み状況は、投資家の当社への投資判断に影響を及ぼすことが考えられます。 |
||
機会 |
当社グループでは、エネルギー事業を成長事業と位置付けており、再生可能エネルギーの需要拡大は重要な機会として捉えています。発電規模及び関連サービスの提供を拡大することで、他社との差別化を図り競争力を高めることができます。また、低排出な設備や再生可能エネルギー電力の導入、防災への関心の高まりは、住宅においては住み替えや修繕の需要を生み、また、そのような需要を喚起することで、当社事業の成長を促進する機会となります。 |
||
対応策 |
再生可能エネルギー発電所の開発を推進するとともに、気候変動への適応策の構築や環境性能の高い物件開発や物件における再生可能エネルギーの活用を推進し、環境への負荷を最小限に抑える取り組みを徹底します。また、四半期に一度開催されるサステナビリティ委員会にて、気候変動ポリシー・温室効果ガス削減計画に基づく審議を行い、必要な社内体制構築を進めるなど、組織全体で事業推進における温室効果ガス削減に取り組みます。 |
⑥ 人権への対応(労務環境)
大分類 |
事業戦略リスク |
中分類 |
人事労務 |
小分類 |
人権への対応(労務環境) |
担当部署(本部/部) |
グループ人事戦略部 |
発生頻度/可能性 |
中 |
リスク影響度 |
大 |
現況及び リスクシナリオ |
労務環境は、労働者の健康と安全、企業の生産性と持続可能性、法令遵守、社会的評価など多方面に渡り、企業において重要なファクターであると認識しております。 特に昨今では適正労働時間の管理はもとより、リモートワークへの対応や従業員への健康管理等、従業員が健全に就業できる職場環境の構築が、優秀な人材の確保やその定着に大きく影響するものと考えております。 現在当社では Well-beingの方針のもと、その環境構築のため在宅勤務の適用拡大や従業員幸福度のサーベイに基づいた各種施策の投下、またハラスメント防止を目的とした研修などを実施しております。 従業員の健全な労務環境の整備の不備・遅延は、優秀な人材の確保やモチベーション低下による生産性に影響を及ぼすだけではなく、当社の社会的評価の低下にもつながり、事業を継続していくうえで競争劣位になるリスクを含んでいるものと考えております。 |
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機会 |
本リスクに対し、周りに先んじた社会環境に応じた労務環境構築、法令遵守体制が確立された環境を構築することにより、優秀な人材の確保や生産性の向上をもたらし、当社事業継続において優位に働くものと考えております。 |
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対応策 |
当社グループでは、Well-beingの方針のもと、その環境構築のため在宅勤務の適用拡大や、従業員幸福度実施による従業員の状況把握とその結果に基づいた各種施策の投下、またハラスメント防止を目的とした研修等を実施しております。 労働環境においてはグループ人事戦略部にてグループ各社の労働時間の月次管理を行い、そのチェック体制の構築とそのリスクの軽減に努めております。 従業員のエンゲージメントに関しては、人事制度における評価の運用の質の向上や、1on1による風通しの良い職場環境の構築、また幸福度調査実施による従業員の状況把握とその結果に基づいた改善策のKPIを設定し、その推進に務めております。また取締役の評価にも従業員のエンゲージメント向上の項目を組み込んでおり、さらに360度診断の実施、その後の本人への結果フィードバック等経営レベルでの取り組みを行っております。 人権への対応では、人権方針の作成、人権デューデリジェンスを行い、人権尊重の取り組みを進めております。 |
⑦ 再生可能エネルギー市場の変化
大分類 |
事業戦略リスク |
中分類 |
事業環境リスク |
小分類 |
再生可能エネルギー市場の変化 |
担当部署(本部/部) |
グループ経営企画部 |
発生頻度/可能性 |
高 |
リスク影響度 |
大 |
現況及び リスクシナリオ |
当社グループにおいて、再生可能エネルギー事業はコア事業である不動産事業と比して未だ成長段階にありますが、政府としても補助金等を投下することで市場の活性化に務めていることから、さらなる事業規模拡大、事業多角化を見据え、注力しているところであります。 具体的なリスクシナリオとして、政策変更に伴う補助金、FIT制度変更、原子力発電所の再稼働による事業機会の変化による事業採算性、収益性への影響、電力会社が出力抑制を行うことでの売電量のダウンサイドリスク、また、世界的な脱炭素化の潮流が変化し、化石燃料への回帰や新たなエネルギー源の台頭による再生可能エネルギーの優位性が失われた場合の事業継続への影響等を想定しております。 |
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機会 |
売電収入増加や環境貢献ブランディングによる企業価値向上、BCP対応強化や新制度対応を通じた物件競争力向上、さらには蓄電所事業といった新たな収益源を創出する大きな機会となります。 |
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対応策 |
電気事業者(オフテイカー)との長期売電契約を締結することで、安定的な収益確保が可能となり、本リスクを軽減できると考えられます。また、全国規模でエネルギーを供給することで、特定エリアでの出力抑制による収益減少をヘッジし、さらに蓄電池の導入等により出力抑制時の損失をカバーする方策を検討してまいります。 |
5.危機管理体制(クライシスマネジメント)
当社は、不測の事態が発生した場合に迅速かつ的確に対応を行うために、危機管理体制を整備しています。事業にもたらす損害の影響度に応じ危機を以下の4段階の管理レベルに分け、危機管理チームを設置し対応にあたります。
(1)委員会体制
危機が発生した場合、対策組織長が危機の管理レベルに応じて直ちに対策組織の設置を命じ、事態の早期終息を図ります。
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管理レベルA |
管理レベルB |
管理レベルC |
管理レベルD |
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対 策 組 織 |
設置区分 |
対策組織設置 |
各部署 |
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対策組織長(※1) |
社長 |
総務業務管掌役員、経営企画業務管掌役員 |
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事務局長:総務業務管掌役員(※2) |
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事務局 |
総務業務担当部署 |
- |
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主管部署 |
対象危機に対する直接責任部署、または 対策組織に指名された部署 |
連絡窓口 |
総務業務担当部署 |
管理レベルの設定 |
管理レベルの決裁は社長が行う (不在の場合は、グループCROとし、尚も不在の場合には総務業務管掌役員が代行する) |
※1 対策組織長が出張等により不在の場合は、管理レベルA、BについてはグループCROが代行し、尚も不在の場合は総務業務管掌役員がこれを代行する。
管理レベルC、Dにおいては発生した危機に基づく職責に応じた最上位の者が責任者を代行する。
※2 対策組織長を代行する等事務局長が不在の場合、管理レベルA・Bは総務業務担当部署の長が代行する。
(2)委員会構成(メンバー)
危機の管理レベルA、Bは、対策組織長を社長、事務局長を総務業務管掌の本部長として、危機の管理レベルC、Dは、発生した対象危機について業務分掌表に基づく職責ある各部署を主管部署として委員会を構成します。
(3)運用基準
対象危機に対して対策組織長である社長が管理レベルの設定を行います。管理レベルA・Bは、対策組織長を社長として事務局を設置し、管理レベルC・Dは、対策組織長を各事業本部長(または本部長)として責任部署を指名し、危機対応にあたります。
<事業継続計画(BCP)>
当社は、地震などの大規模自然災害や感染症、人為的な災害(戦争、テロ、事故等)の事態が発生した場合において、役員・従業員等の人命の安全を確保し、会社資産の被害を最小限に留め、事業の継続・早期復旧を果たすために、事業継続計画(BCP)策定の取組みをしています。
(1)基本方針
当社は従業員の安全を確保し、組織全体の事業活動を可能な限り維持または早期復旧に努めることで、ステークホルダーに対して社会的責任を果たすことを基本方針とします。
具体的には、以下の3点を柱として事業継続体制を構築・運用してまいります。
① 人命の安全確保を最優先する。
② 重要業務を継続・早期復旧し、経営の損失の最小化を図る。
③ 地域社会の安全や復興に貢献する。
(2)運用体制(サイクル)
当社は、グループ全体に影響を与える可能性のある重大事項等は、即時報告として情報を把握して必要に応じて意思決定を行います。即時報告に該当する項目は以下のとおりです。
項番 |
項目 |
例 |
1 |
人命に関する重大事項 |
従業員や事業に関する者等における死亡者の発生 |
2 |
資産の保全に関する重大事項 |
保有資産・建設現場等に火災・倒壊等の重大被害が発生 |
3 |
事業継続に関する重大事項 |
重要業務が継続困難となる状況の発生(システム障害、資金の枯渇、本社立入禁止等) |
4 |
企業としての信用に関する事項 |
個人情報流出等の法的紛争が生じる危険性を含む事項、顧客トラブル等レピュテーションリスクに繋がる可能性がある事項、対外広報に関する事項 |
5 |
その他グループに重大な損害を生じさせるおそれがある事項 |
即時報告に該当しない項目は、定期報告として発災3時間後を第一報として、以降17時まで3時間ごとに情報を把握し、発災翌日以降から1週間が経過するまで行います。
事業継続計画(BCP)の策定に伴い、事業継続マネジメント(BCM)の体制を構築します。
(3)対象リスク
大地震や風水害等の自然災害に限定せず、当社の操業度を著しく低下させるリスクを対象とします。
(4)BCP対応範囲
当社の組織全体の操業度が著しく低下し、復旧まで時間がかかる局面を対応範囲とします。
(5)発動基準
当社は、日本国内及び海外事業拠点に震度6弱以上の地震の発生時、または不測の事態により組織全体の事業継続が維持できない等の非常事態の発生時に、対策組織長がBCPを発動するものとします。
(6)事業継続マネジメント(BCM)体制の構築
当社は、事業継続計画(BCP)関連文書において、平時の点検や訓練による検証等に基づき、定期的な見直しと改善を図ります。また、事業の大幅な変更・再構築、事業拡大、拠点の移転、重要業務の変更等が生じた場合にも事業継続計画(BCP)を見直すものとします。これらのPDCAサイクルを確立することで、事業継続マネジメント(BCM)体制を構築します。
配当政策
3【配当政策】
利益還元については、会社の最重要課題の一つとして位置づけており、事業展開と経営基盤の強化に必要な内部留保を確保しつつ、業績に応じた適正な配当を安定的、継続的に行うことを基本方針としております。
また、当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。
これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。
当社は、「取締役会の決議により、毎年9月30日を基準日として、中間配当をすることができる。」旨を定款に定めております。
また当社は「剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項について、法令に別段の定めのある場合を除き、取締役会の決議により定めることができる」旨の定款を定めておりますが、当事業年度におきましては、期末配当を株主総会の決議をもって決定しました。
当期においては、外部環境の変化にも自社の企業体力で乗り切れる体制を構築しつつ、今後の再成長のための内部留保とのバランスを考えた配当を行う予定であります。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額(百万円) |
1株当たり配当額(円) |
2024年11月11日 |
949 |
7.0 |
取締役会決議 |
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2025年6月25日 |
3,124 |
23.0 |
定時株主総会決議 |