2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    3,239名(単体) 18,247名(連結)
  • 平均年齢
    47.8歳(単体)
  • 平均勤続年数
    26.6年(単体)
  • 平均年収
    7,100,235円(単体)

従業員の状況

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

運輸事業

9,009

[

215

]

レジャー事業

3,635

[

1,345

]

不動産事業

326

[

194

]

流通事業

2,107

[

7,041

]

その他事業

2,934

[

2,336

]

一般管理

236

[

]

合計

18,247

[

11,131

]

 

(注)  従業員数は就業人員であり、臨時従業員は[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しております。

 

(2) 提出会社の状況

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

3,239

47.8

26.6

7,100,235

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

運輸事業

2,890

 

レジャー事業

 

不動産事業

113

 

流通事業

 

その他事業

 

一般管理

236

 

合計

3,239

 

 

(注) 1 従業員数は就業人員であり、出向者、休職者及び組合専従者等1,579人を含んでおりません。

2 平均年間給与は、2024年度基準賃金及び基準外賃金の合計額であり、臨時給与を含んでおります。

 

(3) 労働組合の状況

提出会社及び連結子会社には計36の労働組合があり、組合員数の合計は10,384人であります。

提出会社には東武鉄道労働組合があり、2025年3月31日現在の組合員数は、2,978人であります。東武鉄道労働組合の上部団体として東武交通労働組合があり、日本私鉄労働組合総連合会(私鉄総連)に加盟しております。

なお、労使関係について特記すべき事項はありません。

 

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

① 提出会社

当事業年度

管理職に占める

女性労働者の割合(%)

(注)1

男性労働者の

育児休業取得率(%)

(注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1、(注)3

全労働者

正規雇用

労働者(注)4

パート・

有期労働者(注)5

2.8

100.0

85.5

76.8

245.1

 

(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定にもとづき算出したものであります。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定にもとづき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3 労働者の人員数について労働時間を基に換算し算出しております。

4 正規雇用労働者の男女の賃金の差異は、労務構成(勤続、年齢)の偏りによるものであり、賃金水準の決定において、性別による制度の違いはございません。

5 パート・有期労働者の男女の賃金の差異は、賃金水準の高い職種に、女性労働者が多く従事していることによるものであります。

 

② 連結子会社

当事業年度

名称

管理職に占める

女性労働者

の割合(%)

(注)1

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注)2、(注)4

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1、(注)3、(注)4

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

東武ステーションサービス㈱

0.0

100.0

90.5

90.5

朝日自動車㈱

0.0

0.0

79.1

83.5

83.7

東武バス㈱

0.0

50.0

64.9

68.7

58.6

東武バスウエスト㈱

0.0

75.0

93.2

87.3

95.8

東武バスセントラル㈱

0.0

100.0

90.8

90.1

76.5

㈱群馬ロジテム

0.0

0.0

63.3

77.4

94.3

東武トップツアーズ㈱

11.1

55.0

72.1

71.4

71.7

㈱トップ・スタッフ

22.2

0.0

95.6

93.8

97.6

㈱東武ホテルマネジメント

15.3

50.0

92.2

93.1

85.4

金谷ホテル㈱

26.3

69.0

66.4

76.2

東武不動産㈱

2.7

100.0

88.5

65.9

86.3

㈱東武百貨店

19.7

100.0

64.8

69.5

70.4

㈱東武宇都宮百貨店

22.2

78.7

73.1

99.5

㈱東武ストア

6.5

14.3

63.5

74.4

94.2

㈱東武警備サポート

8.3

0.0

81.4

80.1

82.3

東武商事㈱

2.9

0.0

70.2

74.0

99.3

東武食品サービス㈱

5.0

60.0

76.7

86.6

東武建設㈱

3.2

75.0

81.0

77.9

62.1

東武緑地㈱

2.7

66.7

70.4

78.6

86.6

東武ビルマネジメント㈱

0.0

100.0

71.8

81.8

89.7

 

(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定にもとづき算出したものであります。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定にもとづき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3 労働者の人員数について労働時間を基に換算し算出しております。

4 「-」は、対象となる従業員が在籍していないことを示しております。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月24日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理

当社グループは、広域な鉄道ネットワークに広がる沿線地域が事業基盤であり、これまで以上に沿線を中心とした社会の持続的な発展を実現することは、最も重要な課題であると考えております。

当社グループを取り巻く外部環境は、様々な社会課題に直面しており、課題の解決とともに新たなビジネスモデルの構築が必要であります。

当社グループは、1897年の設立以来、事業を通じて社会課題の解決を図り、「人にやさしく 人と地域が共に輝きつづける社会」を実現することで、社会に不可欠な企業集団となることを目指してきました。

この考え方のもと、当社が特定したマテリアリティ(重要課題)と、課題解決により社会の発展と企業価値の向上を持続的に創出するプロセス(価値創造プロセス)については、以下のとおりであります。

「特定したマテリアリティ」

①地域社会の持続的な発展

②企業価値創造に資するコーポレート・ガバナンス

③多様な社員の「能力と可能性」向上

④環境優位性の更なる向上などによる環境負荷の低減

⑤グループ全ての事業の根幹である安全・安心の確保

 


 

「価値創造プロセス」

「人にやさしく 人と地域が共に輝きつづける社会」の実現に向けた価値創造を行ってまいります。

詳細は当社ホームページ「https://www.tobu.co.jp/corporation/management/group/」をご参照ください。

 

当社が特定したマテリアリティは、経営会議において審議するとともに、独立社外取締役が議長を務めるガバナンス委員会において審議、評価を行い、議長からコーポレート・ガバナンスに資する旨、取締役会に報告しております。

また、ガバナンス委員会は年2回開催され、危機管理委員会、コンプライアンス委員会、情報セキュリティ委員会、環境推進委員会等サステナビリティに資する各委員会の委員長から、活動計画及び活動報告、提言を受け、審議、評価を行い、取締役会へ上申しております。

 

(2) 重要なサステナビリティ項目

上記、ガバナンス及びリスク管理を通して識別された当社グループにおける重要なサステナビリティ項目は以下のとおりであります。

・気候変動

・人的資本・多様性

・情報セキュリティ

・コンプライアンス

それぞれの項目に係る当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 

 

① 気候変動

ア.ガバナンス、リスク管理

東武グループでは、鉄道事業を中心とした高い環境優位性を更に向上させ、環境負荷・気候変動リスクの低減につなげております。また、あらゆる事業分野において、GHGの排出量の削減をはじめとした環境保全活動や自然災害によるリスクを低減させる取組みを推進して、持続可能な社会の構築に寄与し、企業の成長との両立を図っております。

当社では、この取組みを推進すべく、環境推進委員会担当執行委員を委員長とし、各本部長及び環境経営に関係する部・室の担当執行役員及び部・室長で構成する環境推進委員会を設置し、気候変動に係るリスク・機会(以下、「気候変動リスク等」と言います。)について議論・検証を行っております。

代表取締役、社外取締役及び常勤監査役を委員とし、社外取締役が議長となり会議を主宰するガバナンス委員会において、環境推進委員会委員長は気候変動リスク等にかかる活動計画及び活動報告、提言を行います。ガバナンス委員会では、その内容について審議、評価を行い取締役会へ報告する等、気候変動リスク等に対する取組みにかかるガバナンス体制を構築しております。

また、気候変動リスク等にかかる取組みについては、東武グループにおける危機管理上重要な事項と捉え、危機管理委員会へ共有を図り、適切に管理される体制を構築しております。

 


 

イ.戦略

a.シナリオ分析

連結決算上、最大の財務的影響を及ぼす当社の鉄道事業を対象に、気候変動の影響について、気候変動研究の分野で用いられる国立環境研究所による社会経済シナリオ(SSPシナリオ)のうち、持続可能な社会シナリオ(SSP1、2℃未満シナリオ)と地域分断社会シナリオ(SSP3、4℃シナリオ)を比較し、それぞれの社会における「リスク」と「機会」並びに「収益」への影響について分析しました。

 

▼SSPシナリオ(Shared Socioeconomic Pathways)


※ IPCC:気候変動に関する政府間パネル

 

 

SSP1とSSP3それぞれに、気候変動による当社鉄道事業への影響を「物理リスク」(洪水や暴風雨をはじめとした異常気象による倒壊など)と「移行リスク・機会」(低炭素経済への移行による規制の強化や新技術の導入、消費者の嗜好・行動の変化による市場や評判の変化など)に分類し、以下のとおり分析を行いました。

 

b.物理リスク

異常気象の増加に伴う水災リスクとして、鉄道事業の「施設」「設備」への財務的影響を分析しました。この分析では、洪水リスク評価モデル(注1)や気候予測データベース(注2)を使用し、鉄道事業に関する個々の資産(駅舎、線路、電気設備等)が洪水によって物理的にどの程度の損害を受けるか評価しております。過去の気象データをもとに、当社線全線における100年に一度レベルでの災害発生による被害額を計算しております。また、災害発生により運行に支障が生じた場合の収入への影響について概算で算出を行いました。

その結果、鉄道事業全体での水災リスクの影響については、SSP1とSSP3ではいずれも被害額が現行よりも増大するリスクがあるものの、SSP1の方が被害額が少ないことがわかりました。そのため、持続可能な社会を実現して気温上昇を2℃未満に抑えることは、当社が事業を営むうえで、水災リスク低減の観点からも重要と認識しております。

なお、当社では法面・橋梁強化、変電所嵩上げといった施設の補強や車両避難計画の策定等、自然災害の被害軽減のための対策にも取組んでおります。今後も環境負荷低減の取組みと合わせて、リスク低減のための取組みも進めてまいります。

 

(注)1 過去の気象データをもとに、数万通りの降水可能性をコンピュータ上で仮想的に再現した評価モデル

2 文部科学省による「気候変動リスク情報創生プロジェクト」等による大規模気候予測データベース

 

c.移行リスク・機会

SSP1では、炭素税の導入や脱炭素に向けた規制強化等により、エネルギーや資材の調達費用が増加し、財務的な負担が増加するリスクがあります。一方、クリーンエネルギー技術の進展等をはじめとした次世代技術の普及、特にMaaSや自動運転の実験など当社で既に取組んでいる施策を機会と捉え、鉄道運行等の関連コストの減少や業務効率化の可能性のほか、鉄道の環境優位性を維持することによる代替輸送機関からの転移等、収益向上の機会を得られることが推定されました。

 

d.収益に与える影響

物理リスク・移行リスクのほかに考慮すべき要素として、将来的な人口動態変化による鉄道収入への影響を分析しました。日本の人口動向は少子高齢化や人口減少は見込まれるものの、社会的に子育て環境を整えるシナリオのSSP1に対して、SSP3では経済停滞等により一層人口減少が進行することが見込まれます。

その結果、SSP1とSSP3では、2050年度には鉄道収入でSSP3の方が大きく減収することがわかりました。そのため、持続可能な社会を実現して気温上昇を2℃未満に抑えることは、当社が事業を営むうえで、将来的な収益確保の観点からも重要と認識しております。

 

以上を踏まえ、今後も地域社会とともに持続的な成長を目指していく東武グループは、事業を運営するうえでSSP1の実現を目指すことが重要と考え、今後も気候変動に関する各種取組みを進めてまいります。

なお、上記シナリオ分析にて抽出したリスクと機会、それぞれの評価と対策の詳細については、当社ホームページ「https://www.tobu.co.jp/corporation/kankyo/tcfd/」をご参照ください。

 

 


 

ウ.指標と目標

当社では、環境優位性のさらなる向上等による環境負荷の低減を解決すべき重要課題として捉えております。当社グループ全体においては、2030年度に、CO2排出量2022年度比30%削減並びに奥日光エリアのカーボンニュートラルを目標として掲げております。当社グループの事業の基盤である鉄道事業では、2030年度にCO2排出量2013年度比約50%削減の達成を見込み、その実現のため「省エネ車両への置き換え・保有車両数の適正化」「駅、車両等の照明LED化」「高効率変圧器への更新」を中心に様々な環境負荷低減への取組みを行っております。特に日光・鬼怒川エリアについては、日光・鬼怒川エリアを走行する電車や都心から同エリアへアクセスする特急列車にかかる電力相当を再生可能エネルギー由来の電力に実質的に置き換えることにより、同エリアの電車運行にかかるCO2排出量実質ゼロを実現しています。これに加え、環境配慮型MaaSである「Nikko MaaS」を基盤としつつ、脱炭素先行地域の取組みを推進する日光市や地域とも連携しながら取組みを加速化し、「国際エコリゾート日光」としてのブランド強化を図ってまいります。

2050年でのCO2排出量実質ゼロに向けて、今後も東武グループでは環境負荷低減のための取組みを進めてまいります。

・2024年度 温室効果ガス排出量

Scope1

112

 千t-CO2

Scope2

385

 千t-CO2

 

※ 各エネルギーの使用量等実績にもとづき、CO2排出量算定・削減支援クラウドサービスにより算出した集計値です。

※ 集計値は第三者保証前の数値であり、集計値が変更となる可能性があります。

確定値については、2025年度下期に発行する統合報告書及びサステナビリティサイトにて開示予定です。

 

② 人的資本・多様性

当社グループは、鉄道事業をはじめ多くの労働力を必要としております。出生率の低下による人口減少と高齢化は、一層早いスピードで進むことが想定され、新たな採用チャネルによる人材確保や働き続けられる制度の最適化、活躍できる人材の持続的な育成は、当社グループの業績にも影響を及ぼす課題として認識しています。

 

長期経営ビジョンのもと、10年後を見据えた経営戦略及び中期経営計画の実現においては、重点戦略(成長戦略)で掲げる「人的資本の強化」は持続的な事業推進の原動力と考えており、そこで求める人材像及びそれに至る人材戦略を明確にし、求める人材に資する社員育成の基本的な考え方を「人材育成方針」として、また、求める人材の育成に必要となる社員支援の基本的な考え方を「社内環境整備方針」として掲げています。経営戦略と連動させた人材戦略及び各方針のもと、「会社と社員の絆・エンゲージメント向上」と「生産性向上」の連動により、社員及び組織のパフォーマンス最大化を目指していきます。

 

ア.人材戦略

当社グループ経営理念である、「奉仕」「進取」「和親」を行動原理とし、長期経営ビジョンで掲げる「挑戦」・「協創」に資する人材こそ、事業と地域社会の持続的成長を担う原動力であるとの信念のもと、3つの戦略的アプローチ『採用』『育成』『能力発揮・定着』と、その連携により、「多様な人材」と「組織」を相互に連動させる“新たな施策”と“支援の強化”をたゆみなく推進することで、顧客創造できる「人材」及び「組織」のパフォーマンス最大化を目指していきます。

 

《経営戦略と人材戦略の連動》

 

 

中でも、中期経営計画の期間中においては、「採用」「育成」「能力発揮・定着」の各戦略的アプローチを連携させながら、以下4つの重点的な取組みを具体的な施策に反映させ実施しております。

 

《4つの重点的な取組み》

 

《中期経営計画期間中の重点的な取組み内容と目標・実績》

取組み① 人材育成・自律的なキャリア形成支援

当社グループの「安全・安心」の磨き上げによる『信頼』の醸成、そして「挑戦」と「協創」を推進し『価値創造』する原動力は、「社員」であることを再認識し、人材育成方針である「自ら考え自ら行動できる人材育成」に向け、社員と伴走するOJT教育の充実に加え、「対話」機会を増やしたoff-JTや社外スクール研修、各種手挙げ式研修の拡充等を積極的に推進しています。特に、2023-2025年度にかけては、人材育成の要となる「管理監督者層支援」を重点的に実施し、人材の基盤整備と挑戦できる風土の醸成を図っています。

 

取組み② ダイバーシティ&インクルージョン推進

当社グループでは、2022年に制定した東武グループダイバーシティ&インクルージョン宣言にもとづき、性別・年齢・国籍・障がい・性的指向・性自認・価値観・働き方等に依らずに、お互いを尊重し、個々人が持つ能力を最大限に発揮しながら共に高め合い協働することで、エンゲージメント向上や生産性向上を目指しています。その実現には、土台となる一人ひとりの意識醸成や意識変革が環境整備や風土醸成につながると考え、当社グループ全従業員を対象とした人権啓発推進教育や、傾聴・対話によるコミュニケーションを通じたキャリア支援策を講じています。

 

取組み③ 人的資本の最適化・制度設計

労働人口の減少や働き方に対する価値観が多様化する中、鉄道事業のみならず、新たな分野に挑戦しうる人材を獲得するため、採用広報活動や社外への情報発信機能を強化し、新卒採用に依らない経験者採用・アルムナイ採用等の採用チャネルを拡大したほか、新卒初任給の引き上げや経験者採用における経験に応じた初任給を設定いたしました。さらには、評価制度の刷新をはじめ、社員一人ひとりがパフォーマンスを最大限発揮し、働き続けられる・続けたいと思えるような制度設計等により、人材の最適化を目指した社内環境整備を図っています。

 

取組み④ 健康経営・ウェルビーイング推進

当社では、社員が心身共に健康で生き生きと働くことで、企業の持続的な成長と中長期的な企業価値向上にもつながると考えており、2021年に健康宣言を制定いたしました。そのために、会社・社員・健康保険組合が一体となり社員とその家族の心身の不調を未然に防ぐとともに、健康意識の向上を図る教育を実施する等、健康面に不安なく自身のパフォーマンスを発揮できるような健康づくりに取組んでいます。なお、健康推進体制の強化をはじめ、特定保健指導の実施率や特定健診受診率の向上、健康施策の実施が評価され、健康経営優良法人(大規模法人部門)を4期連続認定取得しています。

 

 

イ.指標及び目標

重点的な
取組み

取組みの
ねらい

指標

目標

2024年度実績

1.人材育成・自律的なキャリア形成支援

〇すべての事業の根幹となる『安全』や『技術』の伝承のため、設備投資した訓練施設の有効活用

安全教育に資する模擬訓練施設の活用状況

毎年度継続実施
対象社員数80%以上

97.9%

〇人材育成の要となる『管理監督者層支援(次期管理監督者含む)』

対話スキル(傾聴・1on1)研修実施状況

2023~2025年度で
課長補佐・現業長級
対象者全員受講

2024年度内で

全員受講完了
(合計304名)

「グループ会社管理監督者支援研修」実施状況  (注2)

毎年度継続実施

33名
(23社)

〇人材育成方針や社内環境整備方針に沿った『自律的なキャリア形成支援』の拡大

「手挙げ式研修」のグループ会社社員への拡大  (注2)

全参加者の50%以上

52.1%
(552名/1,060名)

2.ダイバーシティ&インクルージョン推進

〇全社員を対象としたD&I教育や人権意識の浸透の仕組み化

ダイバーシティ&インクルージョン・テーマ教育実施状況

対象者全員
年1回受講

100%受講

〇キャリアへの不安解消・離職防止サポート

両立サポート面談によるキャリア支援

毎年度継続実施

31名実施
(参加率70.5%)

〇次期女性管理職の育成と環境整備

女性管理職候補者
[課長補佐]比率

2020年度末実績4.6%
に対し5割増(6.9%)

2020年度末実績4.6%に対し4割増(6.3%)
(2025.4.1現在)

〇多様な社員の活躍

障がい者雇用率

法定雇用率(2.5%)を
上回る水準の継続

3.37%
(2024.6.1現在)

3.人的資本の最適化・制度設計

〇採用チャネルの拡大・獲得

多様な知識・経験を持つ人材の獲得

新卒採用によらない
人材の獲得

30.8%

〇働き続けられる制度の整備

再雇用への移行率

100%に近い水準の
継続

90.1%

男性の育児休業取得率

100%に近い水準の
継続

100%

4.健康経営・ウェルビーイング推進

〇コンディション・パフォーマンスの維持向上

定期健康診断受診率

100%の維持

100%

ストレスチェック実施率

100%に近い水準の
継続

97.1%

1人当たり有給休暇取得日数(注3)

20日以上の取得

22.4日

その他

〇執行役員の現場訪問による社内コミュニケーションの活性化

執行役員等による現場巡回や現業社員との意見交換会の日数(回数)の合計

毎年度継続実施

41日(回)

 

(注) 1 管理職に占める女性労働者の割合及び労働者の男女の賃金の差異についての実績は、「第1 企業の状況 5 従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しております。

 2 当社グループ全体における指標及び目標となります。上記1.人材育成・キャリア形成支援の2項目以外は、当社及び主に鉄道事業に係る業務を担務する東武ステーションサービス株式会社・東武エンジニアリング株式会社・東武インターテック株式会社・東武シェアードサービス株式会社における指標及び目標としております。また、障がい者雇用率については、株式会社シンフォニア東武(特例子会社)を含む指標及び目標としております。

なお、当社グループの多岐にわたる事業特性や事業規模をふまえ、各社で一部関連する指標や具体的な取組みを推進しておりますが、本指標及び目標は必ずしも当社グループ全体での取組みを包含しておりません。

 3 年次有給休暇のほか、当社独自の有給休暇制度を含む1人当たりの取得日数を記載しております。

 

 

《外部評価(支援・取組みの成果)》

当社では、出産・子育てを経ても安心して働き続けられる両立支援を継続して実施したことにより、「プラチナくるみん」を認定取得(2024年2月)したほか、「健康経営優良法人(大規模法人部門)」を4期連続で認定取得しております。

 


 


 

 

③ 情報セキュリティ

ア.ガバナンス・リスク管理

当社グループは、鉄道や電波塔などの重要な社会インフラをはじめとした様々なサービスを提供する企業グループとして、多くの情報システムを使用しております。これらへのサイバー攻撃や不正なアクセス、コンピューターウイルスへの感染や人為的不正操作等により、当該システム機能に重大な障害が発生し事業の運営に支障することで、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、事業を安定かつ継続的に行うべく、情報システム機能の確保を図るために各種の情報セキュリティ対策を講じております。

当社における情報セキュリティマネジメントに関するガバナンス体制として、ICT推進部担当執行役員を委員長とした情報セキュリティ委員会を設置し、情報セキュリティマネジメントの実施状況及び実施計画の報告を行い、同委員会の議事についてはガバナンス委員会に報告を行っております。

当社グループにおいては、「情報セキュリティポリシー」に則り規程類を制定し、適時見直しを行っているほか、グループ事業統括部にてグループ会社の情報セキュリティに関する取組み状況のモニタリングを実施し、PDCAサイクルにより情報セキュリティ対策に取組んでおります。また、定期的にグループ会社に対する教育を行い、役職員の情報セキュリティに対する意識の向上を図っております。

当社においては、重要なインフラである鉄道事業の持続性を確保するため、鉄道運行にかかわる重要なシステムの社外ネットワークとの隔離や許可されたプログラムのみ実行できる環境を構築しております。役員を含めた全パソコンユーザーに対しては、情報セキュリティeラーニング、標的型メール攻撃を模擬した実体験型の訓練を実施しております。あわせて、高度化、複雑化するサイバー攻撃等の情報セキュリティインシデントに対応するため、専門チーム「TOBU-CSIRT」により、「有事における迅速な対応」と「平時における未然防止活動」に取組んでおり、外部専門家が業務用ネットワークを常時監視し、異常検知の際は担当者に発報を行いインシデントに迅速に対応できる体制を確保しているほか、当社内での情報セキュリティインシデント発生を想定したシナリオにもとづく対応訓練を実施しております。また、サプライチェーン対応として、当社との契約にセキュリティ対策を組み入れ、万が一の際に迅速な調査が行える体制を整えております。

 

④ コンプライアンス 

ア.ガバナンス・リスク管理

当社グループにおいては、「東武グループコンプライアンス基本方針」を制定し、法令順守や健全な職場環境の形成などを記載したコンプライアンス・マニュアルの整備や、グループ全社員へコンプライアンス教育の強化を図るなど、法令順守の徹底と不祥事発生の防止に努めるほか、東武グループ全社員に対してコンプライアンスに関する通報・相談窓口である内部通報窓口(コンプライアンス・ホットライン)の周知による利用促進等を行うなど、コンプライアンスの確保に取組んでおります。

当社では、取引先等と相互に信頼関係を構築するために法令及び健全な商習慣に従い、公平・公正かつ透明な選定・取引を行うことをコンプライアンス・マニュアルにおいて定め、研修・教育などを通じ、贈収賄・汚職の防止に取組んでおります。また、インサイダー情報について厳重な管理を行うとともに、eラーニング等を活用した教育などにより、インサイダー取引禁止の徹底を図っております。さらに、当社グループにおいては、反社会的勢力に対し、毅然とした対応を行うとともに、その排除に向け、「東武グループ連絡協議会」を開催し、グループ内において反社会的勢力に対する防備を固め、情報及び対応策などを共有する体制を構築しております。

なお、当社は取引先との共存共栄の構築を目指し、2023年4月に「パートナーシップ構築宣言」を公表いたしました。同宣言の取組みを推進することで、取引先の事業継続と取引適正化に貢献してまいります。

また、当社グループでは、人権に係わる取組みとして、当社グループの事業活動において配慮すべき人権侵害リスクの範囲や対象が拡大していることから、さらなる人権尊重への取組みを推進するため、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に従い、2024年9月に「東武グループ人権方針」を制定いたしました。

 

本方針制定に伴い、当社グループ全社員に対し方針内容の周知浸透を図り、eラーニング等を活用し「人権」の理解と「人権尊重」に向けた取組み内容について理解を深めるとともに、今後も毎年度テーマ設定し継続的な教育を実施してまいります。さらには、当社に設置した人権啓発推進委員会が中心となり、社員一人ひとりの意識啓発はもとより、人権デュー・ディリジェンスによる人権侵害リスクの把握・防止に向けた取組みを把握・推進しております。

加えて、新入社員教育・階層別研修・新任管理者研修等における「人権教育」にて、人権侵害や不当な差別を防止する研修のほか、当社の社員向けに人権尊重を考える機会として社内広報誌等を通じた情報提供・意識啓発に取組んでおります。あわせて、当社グループ社員に対する人権侵害の観点から、2024年9月に「東武グループカスタマーハラスメント対応方針」を制定いたしました。これは、お客様に対しサービスの質を向上させていくとともに、カスタマーハラスメントから社員の人権を守り、安心して働くことでパフォーマンスの向上・人材定着につなげることを趣旨としております。

なお、当社では、「ハラスメント・人権相談窓口」を社内に設置しており、人権に関する相談を受け付ける体制を整え、働きやすい職場づくりに取組んでおります。

当社では、総務法務部担当執行役員を委員長としたコンプライアンス委員会を設置し、コンプライアンス経営の推進、コンプライアンス経営の実施状況の把握、評価及び見直し等を行うとともに、同委員会の議事について社外取締役が議長を務めるガバナンス委員会に報告を行っております。また、コンプライアンス委員会のもとに人事担当執行役員を委員長とした人権啓発推進委員会を設置し、全社的に影響を与える重要な事項については、コンプライアンス委員会に報告のうえ、対応方針を策定することとしております。なお、コンプライアンス上の重大な事象が発生した場合は、コンプライアンス委員会を開催して対応にあたるとともに、危機管理委員会等と連携し、必要に応じて適時ステークホルダーに対して情報開示を行い、事態の早期収束を図る体制を構築しています。