ストーリー・沿革
サマリ
東京メトログループは、9路線195.0km、180駅の地下鉄ネットワークを軸に、首都東京の都市機能を支える企業です。安全を最優先に、CBTCシステムやホームドア整備、新乗車サービス、不動産開発を組み合わせます。運輸業を基盤に都市・生活創造事業との相乗効果を高め、次の「あたりまえ」と「ワクワク」を生み出そうとしています。
過去
現在
未来
目指す経営指標
・2027年度までに連結営業利益930億円
・2027年度までに連結EBITDA1,740億円
・2027年度末までに連結純有利子負債/EBITDA倍率6.3倍(新線建設推進長期借入金を除く5.2倍)
・2025〜2027年度の鉄道運転事故件数を毎年0件
・2027年度末までに鉄道駅バリアフリー化率99%
・2027年度末までにCO2排出量29.2万t-CO2以下(2013年度比50%減)
・2030年度までにCO2排出量を2013年度比53%削減
・連結配当性向40%以上を目指す
・DOE3.4%程度を確保
トップメッセージの要約
次の「ワクワク」
たゆみなき「安全」の追求
お客様視点に立った質の高い「サービス」
「プロジェクトは一つの組織だけでは完結しない」
用語解説
東京メトログループのミッション(グループ理念)です。首都圏の鉄道ネットワークの中核を担い、首都東京の都市機能を支え、技術力と創造力で安全・安心で快適なサービスを提供し、人々の毎日に貢献するという会社の存在意義を表した言葉です。
■次の「あたりまえ」と「ワクワク」を
東京メトログループのビジョンです。「次の『あたりまえ』」は、日常の安全や便利さを今より進化させることを指します。「次の『ワクワク』」は、新しい移動体験や沿線の魅力づくりを通じて、出かけたくなる未来を生み出す考え方です。
■サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)
東京メトログループが特に重要だと定めた経営課題です。安全・安定輸送、利便性向上、都市や地域の魅力向上、脱炭素、人権や人財育成などを整理し、その解決を通じて会社が社会に約束する価値を生み出す土台として使っています。
■都市・生活創造事業
鉄道だけでなく、まちの魅力や暮らしの価値もつくる事業領域です。不動産事業とライフ・ビジネスサービス事業で構成され、駅や沿線を起点に都市に新たな価値を生み出し、鉄道事業との相乗効果を高める役割を担っています。
■ライフ・ビジネスサービス事業
駅を中心に、商業施設の運営、駅構内や車両内の広告、光ファイバーケーブルの賃貸などを行う事業です。鉄道の運行そのものではなく、駅や保有資産を活かして利便性や収益機会を広げる東京メトロの非運輸分野の一つです。
■Echika
東京メトロの駅構内で展開している商業施設です。駅を通過する場所ではなく、買い物や飲食もできる場所に変える役割を持ち、駅空間の価値向上とお客様の利便性向上の両方につながるブランドです。
■Run!~次代を翔けろ~
2025年度から2027年度を対象とする新しい中期経営計画の名称です。社長メッセージでは、「かける」をあえて「駆ける」ではなく「翔ける」とし、走って加速し、やがて浮上し、さらに上昇して成長していく意味を込めたと説明しています。
■CBTCシステム
「Communications-Based Train Control」の略で、資料では「無線式列車制御」と説明されています。無線を使って列車の運行を制御する信号システムで、東京メトロでは丸ノ内線で導入した遅延回復効果の高い新しい信号システムとして位置づけられています。
■TBM
「Time-Based Maintenance」の略で、資料では「時間基準保全」と説明されています。一定の期間が過ぎた設備を定期的に交換・整備する保全方式で、東京メトロが従来のメンテナンスの考え方として用いてきたものです。
■CBM
「Condition-Based Maintenance」の略で、資料では「状態基準保全」と説明されています。設備の実際の状態を見ながら必要な時に整備する考え方で、不要な作業やコストを減らしつつ、安全性向上や効率化につなげるために東京メトロが転換を進めている保全方式です。
■GOA
「Grades of Automation」の略で、資料では「自動運転レベル」と説明されています。鉄道の自動運転がどの段階まで進んでいるかを示す考え方で、東京メトロはまず丸ノ内線で、緊急時対応のみ人が担い、それ以外は全自動で運転する仕組みの研究を進めています。
■大家型
社長メッセージで使われている不動産事業のモデル表現です。自社で持つ不動産から賃料収入を得る、いわば「所有資産から収益を得る」型の事業を指します。東京メトロはこの形を基盤にしつつ、次の段階への転換も進めようとしています。
■ノウハウで稼ぐ
東京メトロが不動産事業で目指す新しい方向性を表す言葉です。単に不動産を保有して賃料を得るだけでなく、テナントのリーシングや施設運営を自社で担い、自社保有不動産も活用しながら、運営力そのものを収益源にしていく考え方です。
■東京メトロプライベートリート投資法人
東京メトログループが運用する私募REITです。保有物件をこの投資法人に売却し、その資金を新たな物件の取得や開発に回すことで、不動産事業の資金を循環させる仕組みとして使われています。
沿革
2 【沿革】
(1) 提出会社の沿革
当社は、東京地下鉄株式会社法(平成14年法律第188号)に基づき、帝都高速度交通営団(以下「営団」といいます。)の財産の全部を現物出資により引継ぎ、営団の一切の権利及び義務を承継して2004年4月1日に設立されました。なお、参考として、営団の「沿革」を以下にあわせて記載します。
(2) 営団の沿革
(3) 当社の完全民営化について
東京における地下鉄は、1920年8月29日に創立した当社の前身である民間会社の東京地下鉄道株式会社により、1927年12月30日東洋初の地下鉄として浅草~上野間を開業したことに始まりますが、民間会社では、巨額の資金を必要とする新線建設を進めることは困難でありました。このような情勢の中で、当社の前身である営団は、東京都の区の存する区域及びその付近における交通機関の整備拡充を図るため、地下鉄を建設運営することを目的として、1941年7月4日に設立されました。以来、設立から62年余り、営団は設立目的に従い、地下鉄の建設及び運営を行ってきました。
政府の行政改革の一環として、営団の完全民営化の方針が初めて示されたのは、臨時行政改革推進審議会が1986年6月10日に答申した「今後における行財政改革の基本方向」においてでした。当時は地下鉄ネットワークが整備途上であったこともあり、具体的措置は実施されませんでしたが、南北線、半蔵門線の全区間が着工され、地下鉄ネットワークがほぼ概成される見込みとなったことを受け、1995年2月24日に閣議決定された「特殊法人の整理合理化について」において、営団は完全民営化の第一段階として当時建設中の南北線及び半蔵門線が完成した時点を目途に特殊会社化することとされました。
その後、南北線が全線開業し、半蔵門線についても2003年春に開業が見込まれるという状況の中、特殊法人等改革基本法(平成13年法律第58号)に基づき、2001年12月19日に閣議決定された「特殊法人等整理合理化計画」において、営団について以下のとおり明記されました。
特殊法人等整理合理化計画(平成13年12月19日閣議決定)(抄)
帝都高速度交通営団
完全民営化に向けた第一段階として、現在建設中の11号線が開業した時点から概ね1年後 (平成16年春の予定)に特殊会社化する。
この計画の決定を受け、東京地下鉄株式会社法案が第155回国会に提出され、2002年12月11日に成立し、同18日に公布、施行されました。これにより、2004年4月1日、東京地下鉄株式会社が設立されることとなりました。
さらに、上記の「特殊法人等整理合理化計画」を受け、東京地下鉄株式会社法附則第2条においても、「国及び東京都は、特殊法人等整理合理化計画の趣旨を踏まえ、この法律の施行の状況を勘案し、できる限り速やかにこの法律の廃止、その保有する株式の売却その他の必要な措置を講ずるものとする」旨規定されており、また、東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法においては、令和9年度までに生じた政府が保有する当社株式の売却収入は、復興債の償還費用の財源に充てることとされています。こうした背景から、当社は、株式上場に向けた準備を進めてきました。
その後、2021年7月15日に交通政策審議会が答申した「東京圏における今後の地下鉄ネットワークのあり方等について」(交通政策審議会答申第371号)において、東京8号線の延伸(有楽町線延伸(豊洲・住吉間))や都心部・品川地下鉄構想(南北線延伸(品川・白金高輪間))の必要性が示され、事業主体は当社が適切であるとされました。また、当社が両路線の事業主体になることが完全民営化の方針に影響を与えないよう、「事業主体となることと一体不可分のものとして東京メトロ株式の確実な売却が必要」であり、また、当社株式の売却に当たっては、当社の役割を踏まえ段階的に進めていくこと、具体的には、国及び東京都が当面当社株式の2分の1を保有することが適切であり、その後の当社株式の売却について国と東京都は、これまでの閣議決定や法律において完全民営化の方針が規定されていることを堅持しつつ、その中で、首都の中枢エリアを支える地下鉄の公共性や地下鉄ネットワーク整備の進展を踏まえながら対応することが求められるとの考え方が示されました。
さらに、2022年3月28日に財政制度等審議会が答申した「東京地下鉄株式会社の株式の処分について」及び同日に東京都が公表した「東京地下鉄株式会社の株式の処分の基本的な考え方」において、売却株式数については、「新規公開時においては、売出人である財務省及び東京都が同時・同率にてその保有する株式の2分の1を売却すること」及び「その後の売却においては、国と東京都の協議を踏まえて対応すること」が適当であるという考え方が示されました。この方針に沿って、2024年10月23日、財務大臣及び東京都が保有する当社株式の2分の1については、売出しが実施されました。
当社は、同日に東京証券取引所プライム市場へ上場しましたが、前述の法律の規定及び答申の内容に基づき関係者と連携しながら、引き続き完全民営化に向けた取組を進めていきます。
関係会社
4 【関係会社の状況】
(1) 連結子会社
(注) 1 主要な事業の内容欄には、セグメント情報の名称を記載しています。
なお、流通・広告事業は、2025年4月1日付けでライフ・ビジネスサービス事業に改称しています。
2 当連結会計年度より、新たに設立した東京メトロアセットマネジメント㈱を連結の範囲に含めています。
3 上記子会社のうち特定子会社に該当するものはありません。
4 2025年4月1日付けで、㈱地下鉄メインテナンスは東京メトロ電気メインテナンス㈱に商号変更しています。
(2) 持分法適用関連会社
(注) 議決権の所有割合欄の中で(外書)は緊密な者(公益財団法人メトロ文化財団)の所有割合です。なお、当財団は、1956年に当社の前身である営団が出捐し、設立された財団法人(設立当初の名称は財団法人地下鉄互助会)であり、主に交通文化活動等の社会貢献活動を担っています。また、当社は当財団に地下鉄博物館の運営に供する土地を無償で貸し出しているほか、当連結会計年度において5億1千8百万円の寄付を行いました。