2024年3月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)価格競争

当社グループが事業を展開している物流業界における価格競争は、生産拠点の海外への移転などによる国内貨物輸送量の減少や、荷主企業による物流業務の集約に伴う競争の激化の影響により収受料金の低下が続き、たいへん厳しいものとなっております。

当社グループでは、物流の一括元請業務である3PL(サードパーティ・ロジスティクス)事業に対応した情報システムを構築し、高品質で高付加価値の物流サービスを提供することにより、物流業界での勝ち組を目指しておりますが、将来においても有利に競争できるという保証はありません。将来的に価格面とサービス面で同業他社と競争できなくなった場合に予想される顧客離れは、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(2)原油価格の高騰

当社グループが行っている事業の内、トラック運送に係る事業は主要事業のひとつでありますが、トラックの燃料である軽油やタイヤの原材料であるナフサは、原油価格が高騰するとそれぞれの価格に転嫁される可能性が非常に高いものであります。軽油やタイヤの価格が高騰すると当社グループのコストも増大するため、トラック運賃への転嫁が進展しない場合、原油価格の高騰は、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(3)事故による影響

当社グループは、安全衛生活動や品質管理活動等を通じ、「安全に対する“見える化”運動の推進」を行い、貨物事故、車両事故、労災事故、金融、書類等に関する事故の撲滅を目指しておりますが、これらの活動により、あらゆる事故がなくなり、また、将来にわたり事故が発生しなくなるという保証はありません。これらの予想される事故に対しては、各種の保険に加入しておりますが、全ての事故について最終的に負担する賠償額を全額カバーできるという保証はありません。多額な損害賠償を伴う事故は、保険の適用範囲でも保険料のアップによりコストが増加し、また、保険の適用範囲を超えた賠償額については特別損失が発生します。さらに顧客の信頼を失墜し、それにより売上が低下することも予想されます。これらの事故の発生は、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(4)情報システム関連

当社グループで主に利用する基幹システム(全社ネットワーク網、物流基幹システム、グループウェア)の災害対策やセキュリティ対策、ノンストップサービスなどは、適切な設備と機能を有するアウトソーシングセンターで運営されております。しかしながら、予想外の災害、あるいはコンピュータウイルスの感染や外部からの不正な侵入などによるデータの喪失・改ざん・漏洩が生じた場合は、その影響度により、システムやサービスの一部を停止いたします。それにより顧客から信頼性を問われる事態となった場合、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(5)法的規制

当社グループは、定款の目的に定める事業を遂行するうえでさまざまな法的規制を受けております。当社グループは、取締役社長が議長を務めるCSR推進会議が管轄するコンプライアンス委員会を設置し、コンプライアンス経営を重要政策の一つとして取り組んでおりますが、法的規制により営業活動等の一部に制限が加えられた場合、または、法令違反が発生した場合、処罰等により、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(6)固定資産の価値

当社グループが保有している固定資産について、時価の下落・収益性の低下等に伴い資産価値が低下した場合、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(7)海外展開

当社グループは、東南アジアを中心に、米国、ヨーロッパにも拠点を有し、グローバル物流事業の拡大を進めています。各地域においては、政治変動、テロ・暴動による治安の悪化、予期しがたい規制の変更、新型感染症などの疾病、為替レートの急激な変動など、様々なリスクがあり、これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(8)特定業界・特定取引先への依存

当社グループでは、化学品関連業界のメーカーに係る事業が売上げに大きいウェイトを占めております。したがって、これらの業界の動向とともに、荷主の合理化要請等が、当社グループの業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(9)退職給付債務の変動による影響

当社グループは、退職給付制度として、確定給付型年金制度および一時金制度等を設けております。

したがって、退職給付債務の割引率および年金資産の運用実績等が変動した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(10)その他の主な変動要因

上記の他、当社グループでは、地震、台風、津波、または火山活動等の自然災害や、火災、紛争等の人的災害により設備の損害や給水、電力供給の制限等の不測の事態が発生する場合、また、新型インフルエンザ、新型コロナウイルス(Covid-19)等の感染症の流行、株式市場や債券市場の大幅な変動等により、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

2019年末に中国で発生し、世界中に感染拡大した新型コロナウイルスに関しては、2020年1月に感染症危機管理委員会を設置し、当社BCP(事業継続計画)感染症編を改訂し、対策を実施してまいりました。

その内容としましては、手洗いやマスクの着用、定期的な換気や消毒といった一般的な衛生管理のほか、「3密」を避けるための時差通勤やテレワークの実施、会議・出張の制限といった取組みを行ってまいりました。なお、各事業所単位においても、それぞれにBCPを策定し、感染者が発生した場合に備えております。

今後も、アフターコロナ、ウィズコロナに対応すべく、政府の掲げる「新しい生活様式」およびトラック協会等の作成する「ガイドライン」をふまえた対応を実施し、リスク低減に向けた取組みを推進いたします。

 

配当政策

3【配当政策】

当社の利益配分につきましては、株主の皆様に対する利益の還元が経営の重要政策の一つであると認識しており、会社の業績と配当性向、株主資本利益率などを総合的に勘案し、長期的に安定した配当を継続することを基本方針としております。

当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。

また、内部留保資金につきましては、倉庫や諸施設の新設、輸送力拡充や環境対応のための車両・機械の購入、さらには高度情報化社会に対応するための情報システムの整備などへの投資を重視し、経営基盤のより一層の強化をはかり長期にわたって安定した業績を維持できる企業を目指してまいります。

この方針に基づき当期の配当は、当期の業績および今後の事業展開を勘案いたしまして、配当額1株当たり年130円(中間配当金60円、期末配当金70円)といたします。

当社は、「取締役会の決議により、毎年9月30日を基準として、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。

当事業年度にかかる剰余金の配当は以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額

(百万円)

1株当たり配当額

(円)

2023年11月8日

1,236

60.0

取締役会決議

2024年6月27日

1,425

70.0

定時株主総会決議