リスク
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりです。ただし、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、現時点では重要性が高くないと判断したリスクもあり、予見しがたいリスクも存在します。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 事業内容に関するリスクについて
① 感染症発生、蔓延のリスク
変異株の出現による新型コロナウイルス感染症の再拡大、及び治療法が確立されていない新たな感染症の蔓延等により、新たな行動制限、各種規制等が講じられた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② グローバルWiFi事業におけるリスク
a 通信キャリア等からの仕入条件について
当社グループは、世界各国の通信キャリア等から通信サービスを仕入れておりますが、当社グループが、従前と同様の仕入条件で更新できるという保証はありません。更に、各通信キャリア等の事業方針の変更により、当社グループが従前より不利な仕入条件への変更を余儀なくされる可能性もあります。当社グループの各通信キャリア等からの仕入条件が悪化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
b 為替レートの変動について
当社グループは、外貨建の取引を行っております。これに伴い外貨建の収益・費用及び資産・負債が発生しております。為替レートの変動による影響を軽減すべく為替予約等によりリスクヘッジを行っておりますが、急激な為替変動があった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
c 競合他社の影響について
当社グループと同様に、国内外への渡航者向けにモバイルWi-Fiルーターのレンタル事業を営んでいる競合企業が存在しております。当社グループは、提供エリア数、サービス提供価格、通信速度及び通信品質、付加サービス等の差別化等の取り組みを行っており、今後も更にサービスの向上、ブランド力の強化を図ってまいります。
しかしながら、異業種からの新規参入者等を含め競合他社との競争激化による収益力の低下や、広告宣伝費の増加等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
d 提携・協力関係について
当社グループは国際的な競争力を強化するために、販売代理店、協力企業等のビジネスパートナーと様々な提携・協力を行っており、それらを通じて商品やサービスの開発、販売・サービス体制の整備・拡充の展開を図っております。提出日現在においてビジネスパートナーとの関係性は良好でありますが、期待する効果が得られない場合や何らかの事情により提携・協力関係が解消された場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
e Wi-Fiルーターについて
当社グループは、世界各国の通信キャリア及びメーカーからWi-Fiルーターを仕入れております。Wi-Fiルーターの使用年数は、電池劣化、基盤劣化及び筐体劣化により平均2年程度※でありレンタル資産として計上し償却を行っております。仕入れたWi-Fiルーターの劣化速度が早まった場合や技術革新等によりWi-Fiルーターの開発サイクルが短期化された場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、適切な販売予測に従い仕入を増加し、品切れによる販売機会のロスと過剰在庫の防止を図っておりますが、在庫の増加に伴う管理の煩雑化により、適切な管理に支障をきたす可能性がございます。
※ 電池交換が可能なWi-Fiルーターは2年以上使用できる場合もありますが、傷が多くなる等レンタル商品として見合わない状態になることもあるため2年間程度の使用としております。
f その他、事業を取り巻くリスク
上記のほか、事業を取り巻くリスクとして、テロや戦争等世界情勢の変化や地震・台風等自然災害による渡航インフラへの被害等が発生し、海外渡航に対する意欲の急激な減退が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、ウクライナ情勢、中東情勢、米中間での政治的・経済的な対立、台湾・中国問題、北朝鮮によるミサイル試射等、地政学的リスクの高まりについて特に注視してまいります。
③ 情報通信サービス事業におけるリスク
a 通信キャリア等からの受取手数料について
当社グループは、通信キャリアが提供する通信サービスへの加入契約の取次ぎ等を行うことにより、当該サービスを提供する通信キャリア又は一次代理店より、契約取次ぎの対価として手数料を収受しております。受取手数料の取引条件は、通信キャリアによって異なっており、通信キャリアの経営方針の変更等により、大幅な取引条件の変更が生じた場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
b 情報通信機器の仕入条件について
世界的な半導体不足の影響で、一部の情報通信機器の仕入が困難になるケースが生じております。調達先を一つに依存せず多様化し、代替製品を含めた複数サービスを取り扱う強みを生かし、外部環境の変化に柔軟に対応しておりますが、半導体不足の長期化による納品遅延、競争激化に伴う仕入単価の増加等が想定以上に悪化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ グランピング・ツーリズム事業におけるリスク
a 施設の毀損、劣化について
当社グループは、想定が必要であると考えられる事態につきましては、事業活動への影響を最小限化する体制を敷いておりますが、台風、地震等の天災につきましては、想定の範囲を超える事態が発生することも考えられます。従って、このような事態が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
b 食中毒について
食材の提供を行っており、新たな病原菌や食品衛生管理の瑕疵等により食中毒事案が発生した場合、ブランドイメージの失墜により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。これらの事案発生を未然に防ぐべく、指導や社員教育を定期的に実施し、食品管理意識の向上を図っております。
⑤ 売上債権等の貸倒リスク
当社グループでは、国内外の多くのお客様にサービス提供を行っており、業績の拡大とともに売上債権が増加する傾向にありますが、十分に与信管理を行うとともに、売上債権等に一定の貸倒引当金を計上することで、債権の貸倒れによる損失に備えております。
しかしながら、債務者の状況の変化によって、貸倒損失の発生や貸倒引当金の積み増しを行う場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 業務提携、M&Aに関するリスク
当社グループは、業務提携やM&Aを事業の早期拡大の有効な手段の一つと考えております。実施に際しては、対象企業や事業の財務・法務・ビジネス等について綿密なデューデリジェンスを行い、十分に投資対効果やリスクの把握に努めておりますが、事業環境の変化等で計画どおりに事業が進まない場合や、デューデリジェンスで認識していない問題等が発覚した場合、のれんの減損損失や評価損が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ システム障害に係るリスク
当社グループの事業におきましては、サービスの基盤をインターネット通信網に依存しております。そのため、データベース及び販売用WEBサイトの利用が妨げられるようなシステム障害の発生やサイバー攻撃によるシステムダウン等を回避すべく、稼働状況の監視等により未然防止対策を実施しております。
また、プログラム上の欠陥等偶発的な障害が起こらないよう最善は期しておりますが、万一の場合に備えて迅速なリカバリー対策を構築し、完全オフライン対応が可能な体制を整備しております。
しかしながら、このような対応にもかかわらず大規模なシステム障害が発生した場合には、サービスの提供に支障をきたし、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 人材の確保及び育成に係るリスク
当社グループの更なる販売活動強化及び事業拡大を図るため、新卒者・専門知識保有者・グローバル事業推進のための語学力を有する人材の採用活動の強化に加え、社員の階層に応じた研修を実施する等人的資源の活性化に引き続き注力する方針であります。また、教育体制を強化し、評価の透明化・公平化に努め、専門家と連携して通報・相談窓口を設け、退職の防止に努めております。しかしながら、上記方針に基づく採用計画や人材育成が計画どおり進まない場合、又は予測を超えて退職者が増加した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 法的規制に係るリスク
当社グループの事業におきましては、「不当景品類及び不当表示防止法」「特定商取引に関する法律」「電気通信事業法」「食品衛生法」「旅館業法」等の法的規制を受けております。また、グローバルWiFi事業においては、世界各国の現地通信キャリア等から通信サービスの仕入を行っており、各国の法律等の規制を受けております。今後、これらの法令や規則等の予測不可能な変更あるいは新設が、当社グループの事業活動の制限や法的規制の遵守のための費用の増大等につながり、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 個人情報保護について
当社グループでは、個人情報を保有しておりますが、個人情報漏洩防止に関して個人情報保護に関する法令を遵守するとともに、個人情報保護方針を定め、個人情報の取り扱いには細心の注意を払っております。しかしながら、何らかの原因により大規模な個人情報漏洩事故が発生した場合、当社グループの信用失墜や、損害賠償費用が発生する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 訴訟等について
当社グループでは、行動規範を定め、コンプライアンスの推進により、誠実な事業活動に努めております。しかしながら、当社グループの役員、従業員の法令違反等の有無にかかわらず、利用者、取引先、その他第三者との不測のトラブル、訴訟等の発生のリスクがあるものと考えております。
訴訟の内容及び結果によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) その他
新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社グループは、業績向上への意欲を高めることを目的として、当社グループの役員及び従業員に対して、ストック・オプションによる新株予約権の発行を行っております。2023年12月31日現在、新株予約権の目的となる株式数は、「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2)新株予約権等の状況」に記載のとおりですが、これらの新株予約権が行使された場合、発行済株式総数が増加し、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社グループは、これまで、将来の財務体質の強化と事業拡大のために必要な内部留保を確保しつつ、当社グループを取り巻く事業環境を勘案して、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針とし、配当実施の可能性及びその実施時期等については未定としておりましたが、2024年3月21日開催の取締役会におきまして、次のとおり配当方針を変更しております。
「当社グループは、財務体質の強化と事業拡大のために必要な内部留保を確保しつつ、当社グループを取り巻く事業環境を勘案して、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施していくことを基本方針といたします。この方針に基づき、持続的な成長に向けた戦略投資を最優先とし、企業価値の最大化を図る一方で、資本コストを意識しながら資本効率を高め、安定的かつ持続的な配当の実施と株価形成に繋げていくことを目指し、配当性向30%~40%を目安といたします。
なお、当社の剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回を基本的な方針としております。配当の決定機関は、取締役会であります。また、自己株式の取得・消却につきましては、資本効率の向上及び経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を図るために、適切に実施してまいる所存です。」