2025年2月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

映像関連事業 演劇事業 不動産事業 その他 映像関連事業 演劇事業 不動産事業
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
映像関連事業 43,922 50.9 435 9.0 1.0
演劇事業 23,946 27.7 -1,182 -24.5 -4.9
不動産事業 15,893 18.4 5,810 120.3 36.6
その他 2,590 3.0 -234 -4.8 -9.0

事業内容

3【事業の内容】

 当企業グループは、当社、連結子会社16社及び持分法適用関連会社9社により構成されており、映像関連事業、演劇事業、不動産事業、その他を主たる事業としております。

 当企業グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。なお、以下の事業区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

(1) 映像関連事業……主要な業務は劇場用映画の製作・売買・配給・興行、映画劇場・売店の運営、映像版権許諾、テレビ映画の制作・販売、CMの企画・製作、BS・CS・CATVのソフト製作・編集、衛星基幹放送、一般放送、ビデオソフトの製作・買付・販売、宣伝の企画・制作・代理、音楽著作権の利用開発・許諾等であります。

劇場用映画

 当社が製作・売買・配給する他、子会社㈱松竹撮影所が製作し、子会社㈱松竹マルチプレックスシアターズが興行を行っております。なお、当社が行う配給による収入が映画配給収入となり、子会社㈱松竹マルチプレックスシアターズが行う興行による収入が劇場運営収入となります。

劇場売店の運営

 子会社㈱松竹マルチプレックスシアターズが行っております。なお、劇場売店の運営による収入が劇場運営収入となります。

映像版権許諾

 当社及び子会社松竹ブロードキャスティング㈱が保有する映像コンテンツの版権許諾を行っております。なお、映像版権許諾による収入が映像版権許諾収入となります。

テレビ映画

 当社が制作・販売する他、子会社㈱松竹撮影所が制作を行っております。

映画・テレビ等のCMの企画・製作

 子会社㈱松竹撮影所が行っております。

BS・CS・CATVのソフト製作・編集

 当社が製作する他、子会社松竹ブロードキャスティング㈱が製作・編集を行い、子会社㈱松竹映像センターが映像ソフトの企画・製作を行っております。

衛星基幹放送

 子会社松竹ブロードキャスティング㈱、関連会社BS松竹東急㈱、インターローカルメディア㈱が行っております。なお、子会社松竹ブロードキャスティング㈱が行う有料放送による収入が、有料放送収入になります。

 2025年2月に当社取締役会にてBS放送事業から撤退することを決議しております。

一般放送

 子会社松竹ブロードキャスティング㈱が行っております。なお、子会社松竹ブロードキャスティング㈱が行う有料放送による収入が、有料放送収入になります。

ビデオソフトの製作・買付・販売

 当社が行っております。

宣伝の企画・制作・代理

 子会社松竹ナビ㈱が行っております。

音楽著作権の利用開発・許諾

 子会社松竹音楽出版㈱が行っております。

(2) 演劇事業……主要な業務は演劇の企画・製作・興行、俳優・タレントの斡旋、舞台衣裳の製作・売買・賃貸、演劇舞台の大道具・小道具・音響の製作・販売、劇場内イヤホンガイドサービス等であります。

演劇の企画・製作・興行、俳優・タレントの斡旋

 当社の他、子会社松竹芸能㈱、㈱松竹エンタテインメントが行っております。なお、当社が行う演劇の企画・製作・興行による収入が、劇場運営収入になります。

舞台衣裳の製作・売買・賃貸

 子会社松竹衣裳㈱、日本演劇衣裳㈱が行っております。

演劇舞台の大道具・小道具・音響の製作・販売

 子会社歌舞伎座舞台㈱、㈱関西美術、松竹ショウビズスタジオ㈱が行っております。

映画配給

 当社が演劇に関する映像コンテンツの配給を行っております。なお、配給による収入が映画配給収入となります。

映像版権許諾

 当社が演劇に関する映像コンテンツの版権許諾を行っております。なお、映像版権許諾による収入が映像版権許諾収入となります。

劇場内イヤホンガイドサービス

 関連会社㈱イヤホンガイドが行っております。

(3) 不動産事業……主要な業務は所有不動産の賃貸、不動産の管理・清掃等であります。

所有不動産の賃貸、不動産の管理・清掃

 当社の他、子会社松竹衣裳㈱、㈱松竹サービスネットワーク、関連会社㈱歌舞伎座、㈱サンシャイン劇場、新橋演舞場㈱が行っております。

(4) その他……主要な業務は、プログラムの製作・販売、キャラクター商品の企画・販売、配信コンテンツの企画・制作、新規事業開発、飲食サービス等であります。

プログラムの製作・販売、キャラクター商品の企画・販売、配信コンテンツの企画・制作、新規事業開発等

 当社が行っております。

コンテンツ制作

 子会社ミエクル㈱が行っておりました。ミエクル㈱につきましては解散及び清算を決定し、2025年4月に清算決了いたしました。

(注)㈱歌舞伎座は東京証券取引所スタンダード市場に上場しております。

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 (1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 ①経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善や、インバウンド需要の増加等により緩やかな回復基調で推移しました。一方で、長期化するウクライナ紛争や中東情勢を背景とした原材料・エネルギー価格の高騰、円安による物価高、金融市場の不安定化等、依然として先行き不透明な状況が続きました。このような状況下、当企業グループ(当社及び当社の関係会社、以下は同じ)は、より一層の効率化を図るとともに、積極的な営業活動を展開して参りました。

 以上の結果、当連結会計年度は、売上高83,974百万円(前連結会計年度比1.7%減)、営業利益1,664百万円

(前連結会計年度比53.6%減)、経常損失2,500百万円(前年同期は経常利益2,866百万円)となり、特別利益

9,122百万円及び特別損失6,192百万円を計上し、親会社株主に帰属する当期純損失は664百万円(前年同期は親会

社株主に帰属する当期純利益は3,016百万円)となりました。

 

 

売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益又は

経常損失(△)

(百万円)

親会社株主に帰属する当期純利益又は

親会社株主に帰属する当期純損失(△)

(百万円)

1株当たり当期純利益又は

1株当たり当期純損失(△)

(円)

当連結会計年度

83,974

1,664

△2,500

△664

△48.34

前連結会計年度

85,428

3,584

2,866

3,016

219.56

増減率(%)

△1.7

△53.6

 

 ②財政状態の状況

 当連結会計年度末における財政状態の状況については、次のとおりであります。

 

資産合計

(百万円)

負債合計

(百万円)

純資産合計

(百万円)

自己資本比率

(%)

1株当たり純資産

(円)

当連結会計年度末

208,900

115,747

93,152

44.55

6,772.01

前連結会計年度末

211,140

116,674

94,466

44.69

6,868.61

増減率(%)

△1.1

△0.8

△1.4

△1.4

 

 ③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、次のとおりであります。

 

営業活動による

キャッシュ・フロー

(百万円)

投資活動による

キャッシュ・フロー

(百万円)

財務活動による

キャッシュ・フロー

(百万円)

現金及び現金同等物

の期末残高

(百万円)

当連結会計年度

△586

△3,659

△1,533

14,912

前連結会計年度

8,134

△15,236

11,781

20,692

 

 ④生産、受注及び販売の実績

 当企業グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であるため単価を特定できるものではなく、また受注生産形態をとるものも少ないため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

 このため生産、受注及び販売の実績については「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①経営成績の分析」における各セグメントの業績に関連付けて示しております。

 

 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①経営成績の分析

 セグメントの業績は次のとおりであります。

 

売上高

セグメント利益又はセグメント損失(△)

 

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減率

(%)

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減率

(%)

映像関連事業

45,810

43,739

△4.5

2,561

435

△83.0

演劇事業

24,356

23,802

△2.3

△704

△1,182

不動産事業

12,839

13,955

8.7

5,506

5,810

5.5

その他

2,422

2,476

2.2

△556

△234

全社・消去

△3,222

△3,164

連結計

85,428

83,974

△1.7

3,584

1,664

△53.6

 

(映像関連事業)

 邦画14作品、洋画6作品、アニメ9作品、シネマ歌舞伎、METライブビューイング、松竹ブロードウェイシネマ等の作品を公開し、「九十歳。何がめでたい」「あのコはだぁれ?」「Mrs. GREEN APPLE // The White Lounge in CINEMA」「劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク」が興行収入10億円を超えるヒットとなり、2025年3月までに「366日」は25億円、「劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師」は30億円を超える大ヒットとなりました。11月公開の「正体」は第48回日本アカデミー賞で最優秀監督賞、最優秀主演男優賞、最優秀助演女優賞を含む最多12部門にて受賞する等、高い評価を受けました。

 興行は、㈱松竹マルチプレックスシアターズにて、各劇場で対抗館対策、注力作品での取り組み等で成果をあげており、ヒット作の確保や幅広い動員獲得を目指して参りました。興行では、興行収入100億円を超えた「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)」「劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」をはじめ、アニメ作品が大ヒットとなり、年間興行収入に貢献しました。また、台風被害により休館していたMOVIX八尾が11月に営業を再開し収益に貢献しました。売店部門ではスマートオーダーの導入を行い、売場での提供環境が改善したことで利用率が向上し収益に貢献しました。

 テレビ制作は、地上波にて連続ドラマ「Qrosの女」、BS放送にて「無用庵隠居修行8」、連続ドラマ「雲霧仁左衛門ファイナル」「めんつゆひとり飯2」、CS放送にて「鬼平犯科帳 でくの十蔵」「鬼平犯科帳 血頭の丹兵衛」を制作いたしました。番組販売では、10年ぶりに、鬼平犯科帳DVDマガジンの再販売や、「鬼平犯科帳第1シリーズ」(全26話)や「必殺仕事人」(全84話)、BS放送局に市原悦子主演「岸壁の母」他を販売し好調に推移しました。

 映像版権に関して、DVD・ブルーレイディスク販売は、邦画「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」「あのコはだぁれ?」「赤羽骨子のボディガード」「恋を知らない僕たちは」、アニメーション作品「ブルーアーカイブ The Animation」「アストロノオト」等、豊富なラインナップで発売し好調に推移しました。旧作では、「男はつらいよ」55周年事業の一環として、第1作を松竹初の4K UHDで発売しました。配信は、定額見放題サービス(SVOD)では、「おまえの罪を自白しろ」をAmazon Prime Videoで独占配信し、売上に大きく貢献しました。また、「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」は、4月にU-NEXTで先行独占配信、8月にはAmazon Prime Videoで独占配信を実施し大きな話題となりました。11月にはU-NEXTで「あのコはだぁれ?」の先行独占配信を実施しました。権利販売は、10月からBSテレ東で「土曜は寅さん!4Kでらっくす」として「男はつらいよ」全作品の4K版の放送を開始しました。また、「幸福の黄色いハンカチ」「遙かなる山の呼び声」を4K修復し、BS放送局を中心に販売しました。今期は「男はつらいよ」55周年にあたり、「Go!Go!寅さん」と題して様々な取り組みを行い、新規ファン層の獲得に貢献しました。

 CS放送は、松竹ブロードキャスティング㈱において、放送料収入の拡大のため、ケーブルテレビ局への新規導入営業に力を入れており、新たに10局程度の導入が決定しました。また、小田和正やTHE ALFEE等、視聴意欲の高いファンが多いアーティストの番組を編成することで、新たな顧客層の獲得に寄与しました。

 この結果、売上高は43,739百万円(前年同期比4.5%減)、セグメント利益は435百万円(前年同期比83.0%減)となりました。

 

(演劇事業)

 歌舞伎座においては、古典から新作歌舞伎まで、幅広い演目をお客様にご提供いたしました。6月の「六月大歌舞伎」では、中村萬壽、中村時蔵襲名披露を行い、祝祭色豊かな興行になりました。8月の「八月納涼歌舞伎」では、京極夏彦脚本の新作歌舞伎「狐花」が上演され、大きな話題となり、盛況となりました。9月の「秀山祭」から2月の「猿若祭」も、各月多彩な公演を揃え、前連結会計年度を上回る成績を収めました。インバウンド対応として、7月から英語字幕タブレットの貸し出しも開始しました。

 新橋演舞場においては、4月の「祭 GALA」、5月の「トンカツロック」、6月の東京喜劇 熱海五郎一座公演、9月の「MASSARA」、10月の「劇走江戸鴉~チャリンコ傾奇組~」、11月の「舟木一夫シアターコンサートin 新橋演舞場」、11月と12月の歌舞伎NEXT「朧の森に棲む鬼」、2025年2月の「三婆」が好成績を収めました。3月のスーパー歌舞伎「ヤマトタケル」、7月の「七夕喜劇まつり」、8月のOSK日本歌劇団「レビュー 夏のおどり」、「カルメン故郷に帰る」、11月の「有頂天家族」、2025年1月の「双仮名手本三升 裏表忠臣蔵」、2月の「浪人街」も大変好評を博しました。

 大阪松竹座においては、3月の「おいでよ!ミナミ笑店街」、4月のOSK日本歌劇団「レビュー 春のおどり」、5月と11月の「松竹新喜劇」、8月の「関西ジュニア サマバケ 2024」、9月の「カルメン故郷に帰る」、11月の「夢見る白虎隊」、12月の「WEST. 10th Anniversary 大阪松竹座公演」等、多様な一般演劇公演を実施しました。歌舞伎公演では、6月のスーパー歌舞伎「ヤマトタケル」、十三代目市川團十郎白猿襲名披露の掉尾を飾る10月の「十月大歌舞伎」に加え、1月の「坂東玉三郎 初春お年玉公演」「片岡仁左衛門 坂東玉三郎 初春特別公演」は大好評を博し、収益増に繋げることができました。

 南座においては、3月の「三月花形歌舞伎」や、6月の「坂東玉三郎特別公演」、7月のOSK日本歌劇団「レビュー in Kyoto」、8月の坂東玉三郎演出作品「星列車で行こう」、9月の九月花形歌舞伎「あらしのよるに」、10月の藤山直美出演「錦秋喜劇特別公演」等はいずれも好評を博しました。12月の松竹創業130周年の劈頭となる「吉例顔見世興行」は大いに盛り上がり収益増に繋がりました。淡路島が舞台となった2025年1月の「松竹新喜劇」、2月の有吉佐和子の名作「三婆」も好評を博しました。

 その他の公演に関しては、一般演劇公演として、9月に日生劇場でミュージカル「三銃士」、2025年1月に三越劇場で「おちか奮闘記」を上演し好評を博しました。歌舞伎公演では、THEATER MILANO-Zaにおける5月の「歌舞伎町大歌舞伎」、2025年1月の「新春浅草歌舞伎」では花形俳優陣の奮闘が好評を得ました。巡業公演では、5年振りとなる「四国こんぴら歌舞伎大芝居」が再開し、7月の中村獅童親子共演による「公文協松竹特別歌舞伎」や、11月の「公文協松竹大歌舞伎」が大きな収益をあげました。

 受託製作の歌舞伎公演は、3月に平成中村座を十八世中村勘三郎十三回忌追善として「名古屋平成中村座 同朋高校公演」、5月に御園座、10月に博多座においてスーパー歌舞伎「ヤマトタケル」、立飛グループ100周年の記念として「立川立飛歌舞伎特別公演」、出石永楽館「第十四回 永楽館歌舞伎」、また2月の博多座では歌舞伎NEXT「朧の森に棲む鬼」が上演され、彩り豊かな公演が並び好評を博しました。

 シネマ歌舞伎は、「刀剣乱舞ONLINE」を歌舞伎化し話題となった「刀剣乱舞 月刀剣縁桐(つきのつるぎえにしのきりのは)」と、片岡仁左衛門、坂東玉三郎が共演した2010年2月歌舞伎座公演「ぢいさんばあさん」を再編集し新たに公開しました。「月イチ歌舞伎」シリーズも継続し、「桜姫東文章 上の巻/下の巻」、NEWシネマ歌舞伎「三人吉三」、「阿古屋」等、根強い人気の作品を上映しました。

 配信に関しては、5年振りの開幕となった「四国こんぴら歌舞伎大芝居」を現地から同時生配信し、特典映像として「ようこそ金丸座へ」を制作しました。松本幸四郎が金丸座の舞台裏を案内する「バックステージ・ツアー」や、 中村雀右衛門、中村鴈治郎ら出演者と関係者が語る「スペシャルインタビュー」等、ここでしか観られない映像をふんだんに使った配信限定コンテンツとして人気を博しました。「歌舞伎オンデマンド」では、毎月の歌舞伎座の公演を翌月配信するサービスや海外配信も継続しました。「流白浪燦星(ルパン三世)」の舞台映像に英語字幕をつけて、世界配信も行いました。歌舞伎俳優によるオンライントークショー「歌舞伎家話」「紀尾井町家話」は引き続き、定番コンテンツとして好評を博しました。

 この結果、売上高は23,802百万円(前年同期比2.3%減)、セグメント損失は1,182百万円(前年同期はセグメント損失704百万円)となりました。

(不動産事業)

 不動産賃貸では、入居テナントとの綿密なコミュニケーションと良好な関係構築に努めることで、歌舞伎座タワーや銀座松竹スクエア、銀座2丁目松竹ビル・同ANNEX等、主要物件の高稼働により安定収益を確保しました。これらにより、通期では当初計画を上回る収益貢献となりました。

 また、まちづくり事業として中長期戦略である東銀座エリアマネジメント活動においては、新たに一般社団法人とまちづくり推進協議会に賛同・入会いただく企業も加わり、街の賑わい創出イベントを開催する等、地域貢献とエリアの価値向上のための取り組みを一層強化しました。

 この結果、売上高は13,955百万円(前年同期比8.7%増)、セグメント利益は5,810百万円(同5.5%増)となりました。

(その他)

 各事業でのオンラインによる商品販売の強化を図りつつ、人気シリーズ作品やコア層向けの商品開発・販売を主軸に展開しました。また、新規事業領域における事業展開については、コストを抑制しつつも、これまでにない企画やコンテンツ開発に注力し、他業種企業との新しい取り組みや基盤づくりを進めました。

 プログラム・キャラクター商品に関しては、「Mrs. GREEN APPLE // The White Lounge in CINEMA」「赤羽骨子のボディガード」「劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師」「劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク」等の作品を中心に収益に貢献しました。

 イベント・オンライン配信は、ホラーコンテンツ「松竹お化け屋本舗」にて、ゲームプラットフォーム「フォートナイト」にオリジナルマップ「呪園」をプロデュースし、4月と5月にリアルイベントを企画・制作しました。また、7月に丸の内ピカデリー100周年記念「浪漫活弁シネマ~ 映画『青春の夢いまいづこ』篇~」、2025年1月に「PSYCHO-PASS サイコパス 京都南座歌舞伎ノ舘×こえかぶ 朗読で楽しむ歌舞伎」を開催、2月に日本の伝統音楽と最新EDMを組み合わせた革新的音楽イベント「ZIPANGU the Party!!」を開催して話題となりました。ゲーム事業においては国内外のデベロッパーと組んでゲームの開発・販売を開始、「バックパック・バトル」「進撃の巨人VR: Unbreakable」等のタイトルが好評を博しました。

 この結果、売上高は2,476百万円(前年同期比2.2%増)、セグメント損失は234百万円(前年同期はセグメント損失556百万円)となりました。

 

(売上高)

 売上高は83,974百万円(前年同期比1.7%減)となりました。これは主に映像作品でのヒット作の状況によるものであります。

(売上原価)

 売上原価は48,126百万円(前年同期比2.7%減)となりました。これは主に配分金、仕込費等が減少したためであります。

(販売費及び一般管理費)

 販売費及び一般管理費は34,183百万円(前年同期比5.5%増)となりました。これは主に広告宣伝費が増加したためであります。

(営業利益)

 上記の結果、営業利益は1,664百万円(前年同期比53.6%減)となりました。

(経常利益)

 営業外収益は1,400百万円(前年同期比3.8%減)となりました。これは主に補助金収入の減少によるものです。また、主に持分法による投資損失が増加したことにより営業外費用は5,565百万円(同156.1%増)となりました。その結果、営業外損益計上後の経常損失は2,500百万円(前年同期は経常利益2,866百万円)となりました。

(特別利益及び特別損失)

 特別利益は投資有価証券売却益4,385百万円、受取補償金4,317百万円等合計9,122百万円を計上しました。また、特別損失は固定資産圧縮損3,708百万円、事業撤退損失引当金繰入額1,560百万円、減損損失514百万円等合計6,192百万円を計上しました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 親会社株主に帰属する当期純損失は664百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益3,016百万円)となり、1株当たり当期純損失は48円34銭となりました。

 

②財政状態の分析

 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ2,240百万円減少し、208,900百万円となりました。これは主に現金及び預金が減少したこと等によるものであります。

 負債は、前連結会計年度末に比べ927百万円減少し、115,747百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金が減少したこと等によるものであります。

 純資産は、前連結会計年度末に比べ1,313百万円減少し、93,152百万円となりました。これは主に利益剰余金が減少したこと等によるものであります。

 

③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ5,779百万円減少し、14,912百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果使用した資金は586百万円(前年同期に得られた資金は8,134百万円)となりました。これは主として、減価償却費4,747百万円があったものの、投資有価証券売却損益4,378百万円の計上等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は3,659百万円(前年同期に使用した資金は15,236百万円)となりました。これは主として、投資有価証券の売却による収入6,841百万円があったものの、投資有価証券の取得による支出4,543百万円、有形固定資産の取得による支出3,811百万円の計上等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は1,533百万円(前年同期に得られた資金は11,781百万円)となりました。これは主として、長期借入れによる収入3,000百万円があったものの、長期借入金の返済による支出5,572百万円の計上等によるものであります。

(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)

 当企業グループの主な資金需要は運転資金及び設備投資資金であり、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入金によって充当しております。なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は14,912百万円となっております。

 

④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

⑤経営成績等に重要な影響を与える要因について

 経営成績等に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1.報告セグメントの概要

 当企業グループの報告セグメントは、当企業グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

 当企業グループは、取り扱うサービスの観点から事業を区分し、各事業部門が包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。

 したがって、当企業グループは、事業別のセグメントから構成されており、「映像関連事業」、「演劇事業」及び「不動産事業」の3つを報告セグメントとしております。

 「映像関連事業」は、劇場用映画の製作・売買・配給・興行、テレビ映画の制作・販売、BS・CS・CATVのソフト製作・編集、衛星基幹放送、一般放送、ビデオソフトの製作・買付・販売、音楽著作権の利用開発・許諾等であります。「演劇事業」は、演劇の企画・製作・興行、俳優・タレントの斡旋、舞台衣裳の製作・販売・賃貸、演劇舞台の大道具・小道具・音響の製作・販売等であります。「不動産事業」は、所有不動産の賃貸・管理等であります。

 

2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法

 報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一です。報告セグメントの利益は営業利益をベースとした数値であります。

 セグメント間の内部売上高及び振替高は主に市場実勢価格に基づいております。

 

3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報

前連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

映像関連事業

演劇事業

不動産事業

その他

(注)1

合計

調整額

(注)2

連結

財務諸表

計上額

(注)3

売上高

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

45,810

24,356

12,839

2,422

85,428

85,428

セグメント間の内部売上高又は振替高

141

159

1,927

129

2,357

2,357

45,952

24,515

14,766

2,551

87,785

2,357

85,428

セグメント利益又は損失(△)

2,561

704

5,506

556

6,806

3,222

3,584

セグメント資産

39,779

14,749

102,765

1,499

158,794

52,345

211,140

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費

1,202

856

2,448

20

4,527

92

4,619

減損損失

839

46

-

886

886

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

2,370

197

14,339

3

16,911

88

16,999

(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、プログラムの製作・販売、キャラクター商品の企画・販売、配信コンテンツの企画・制作、新規事業開発等があります。

2.調整額は以下のとおりであります。

 (1)セグメント利益又は損失(△)の調整額△3,222百万円には、セグメント間取引消去1百万円及び各報告セグメントに配分していない全社費用△3,223百万円が含まれております。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない当社の総務部門等管理部門に係る経費であります。

 (2)セグメント資産の調整額52,345百万円には、各報告セグメントに配分されていない全社資産59,537百万円、セグメント間の債権債務相殺消去額△7,191百万円が含まれております。

 (3)減価償却費の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社の減価償却費であります。

 (4)有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額は、各報告セグメントに配分していない有形固定資産及び無形固定資産の取得額であります。

3.セグメント利益又は損失(△)は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。

4.有形固定資産及び無形固定資産の増加額には、資産除去債務相当資産を含めておりません。

 

当連結会計年度(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日)

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

映像関連事業

演劇事業

不動産事業

その他

(注)1

合計

調整額

(注)2

連結

財務諸表

計上額

(注)3

売上高

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

43,739

23,802

13,955

2,476

83,974

83,974

セグメント間の内部売上高又は振替高

183

144

1,937

114

2,379

2,379

43,922

23,946

15,893

2,590

86,353

2,379

83,974

セグメント利益又は損失(△)

435

1,182

5,810

234

4,829

3,164

1,664

セグメント資産

45,561

13,585

100,722

1,276

161,145

47,755

208,900

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費

1,425

831

2,389

14

4,660

86

4,747

減損損失

304

170

40

514

514

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

3,496

190

872

51

4,610

70

4,680

(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、プログラムの製作・販売、キャラクター商品の企画・販売、配信コンテンツの企画・制作、新規事業開発等があります。

2.調整額は以下のとおりであります。

 (1)セグメント利益又は損失(△)の調整額△3,164百万円には、セグメント間取引消去3百万円及び各報告セグメントに配分していない全社費用△3,168百万円が含まれております。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない当社の総務部門等管理部門に係る経費であります。

 (2)セグメント資産の調整額47,755百万円には、各報告セグメントに配分されていない全社資産56,437百万円、セグメント間の債権債務相殺消去額△8,682百万円が含まれております。

 (3)減価償却費の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社の減価償却費であります。

 (4)有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額は、各報告セグメントに配分していない有形固定資産及び無形固定資産の取得額であります。

3.セグメント利益又は損失(△)は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。

4.有形固定資産及び無形固定資産の増加額には、資産除去債務相当資産を含めておりません。

5.有形固定資産及び無形固定資産の増加額については、受取補償金による圧縮記帳額3,708百万円を控除しております。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)

1.製品及びサービスごとの情報

セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2)有形固定資産

本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。

 

3.主要な顧客ごとの情報

    外部顧客への売上のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がいないため、記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日)

1.製品及びサービスごとの情報

セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2)有形固定資産

本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。

 

3.主要な顧客ごとの情報

    外部顧客への売上のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がいないため、記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)

セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日)

セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)

該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日)

該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

前連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)

該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日)

該当事項はありません。