2024年2月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

映像関連事業 演劇事業 不動産事業 その他
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
映像関連事業 45,952 52.3 2,561 37.6 5.6
演劇事業 24,515 27.9 -704 -10.3 -2.9
不動産事業 14,766 16.8 5,506 80.9 37.3
その他 2,551 2.9 -556 -8.2 -21.8

事業内容

3【事業の内容】

 当企業グループ(当社及び当社の関係会社、以下は同じ)は、当社、連結子会社16社及び持分法適用関連会社9社により構成されており、映像関連事業、演劇事業、不動産事業、その他を主たる事業としております。

 当企業グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。なお、以下の事業区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

(1) 映像関連事業……主要な業務は劇場用映画の製作・売買・配給・興行、映画劇場・売店の運営、映像版権許諾、テレビ映画の制作・販売、CMの企画・製作、BS・CS・CATVのソフト製作・編集、衛星基幹放送、一般放送、ビデオソフトの製作・買付・販売、宣伝の企画・制作・代理、音楽著作権の利用開発・許諾等であります。

劇場用映画

 当社が製作・売買・配給する他、子会社㈱松竹撮影所が製作し、子会社㈱松竹マルチプレックスシアターズが興行を行っております。なお、当社が行う配給による収入が映画配給収入となり、子会社㈱松竹マルチプレックスシアターズが行う興行による収入が劇場運営収入となります。

劇場売店の運営

 子会社㈱松竹マルチプレックスシアターズが行っております。なお、劇場売店の運営による収入が劇場運営収入となります。

映像版権許諾

 当社及び子会社松竹ブロードキャスティング㈱が保有する映像コンテンツの版権許諾を行っております。なお、映像版権許諾による収入が映像版権許諾収入となります。

テレビ映画

 当社が制作・販売する他、子会社㈱松竹撮影所が制作を行っております。

映画・テレビ等のCMの企画・製作

 子会社㈱松竹撮影所が行っております。

BS・CS・CATVのソフト製作・編集

 当社が製作する他、子会社松竹ブロードキャスティング㈱が製作・編集を行い、子会社㈱松竹映像センターが映像ソフトの企画・製作を行っております。

衛星基幹放送

 子会社松竹ブロードキャスティング㈱、関連会社BS松竹東急㈱及び関連会社インターローカルメディア㈱が行っております。なお、子会社松竹ブロードキャスティング㈱が行う有料放送による収入が、有料放送収入になります。

一般放送

 子会社松竹ブロードキャスティング㈱が行っております。なお、子会社松竹ブロードキャスティング㈱が行う有料放送による収入が、有料放送収入になります。

ビデオソフトの製作・買付・販売

 当社が行っております。

宣伝の企画・制作・代理

 子会社松竹ナビ㈱が行っております。

音楽著作権の利用開発・許諾

 子会社松竹音楽出版㈱が行っております。

(2) 演劇事業……主要な業務は演劇の企画・製作・興行、俳優・タレントの斡旋、舞台衣裳の製作・売買・賃貸、演劇舞台の大道具・小道具・音響の製作・販売、劇場内イヤホンガイドサービス等であります。

演劇の企画・製作・興行、俳優・タレントの斡旋

 当社の他、子会社松竹芸能㈱、㈱松竹エンタテインメントが行っております。なお、当社が行う演劇の企画・製作・興行による収入が、劇場運営収入になります。

舞台衣裳の製作・売買・賃貸

 子会社松竹衣裳㈱、日本演劇衣裳㈱が行っております。

演劇舞台の大道具・小道具・音響の製作・販売

 子会社歌舞伎座舞台㈱、㈱関西美術、松竹ショウビズスタジオ㈱が行っております。

映画配給

 当社が演劇に関する映像コンテンツの配給を行っております。なお、配給による収入が映画配給収入となります。

映像版権許諾

 当社が演劇に関する映像コンテンツの版権許諾を行っております。なお、映像版権許諾による収入が映像版権許諾収入となります。

劇場内イヤホンガイドサービス

 関連会社㈱イヤホンガイドが行っております。

(3) 不動産事業……主要な業務は所有不動産の賃貸、不動産の管理・清掃等であります。

所有不動産の賃貸、不動産の管理・清掃

 当社の他、子会社松竹衣裳㈱、㈱松竹サービスネットワーク、関連会社㈱歌舞伎座、㈱サンシャイン劇場、新橋演舞場㈱が行っております。

(4) その他……主要な業務は、プログラムの製作・販売、キャラクター商品の企画・販売、配信コンテンツの企画・制作、新規事業開発、飲食サービス等であります。

プログラムの製作・販売、キャラクター商品の企画・販売、配信コンテンツの企画・制作、新規事業開発等

 当社が行っております。

コンテンツ制作

 子会社ミエクル㈱が行っております。

(注)㈱歌舞伎座は東京証券取引所スタンダード市場に上場しております。

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 (1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 ①経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国の経済は新型コロナウイルス感染症による行動制限の解除に伴い社会・経済活動の正常化が進み個人消費やインバウンド需要の増加等景気回復の傾向が見られました一方で円安進行による物価上昇や原材料価格の高騰等依然として先行きの不透明な状況が続きました

 このような状況下当企業グループ(当社及び当社の関係会社以下は同じ)はより一層の効率化を図るとともに本格的な事業再開に向けた環境整備に努めて参りました

 以上の結果当連結会計年度は売上高85,428百万円(前連結会計年度比9.2%増)営業利益3,584百万円(前年同期は営業損失776百万円)経常利益2,866百万円(前連結会計年度比110.8%増)となり特別利益4,110百万円及び特別損失1,818百万円を計上し親会社株主に帰属する当期純利益は3,016百万円(前連結会計年度比45.0%減)となりました

 

 

売上高

(百万円)

営業利益又は

営業損失(△)

(百万円)

経常利益

(百万円)

親会社株主に

帰属する当期純利益

(百万円)

1株当たり

当期純利益

(円)

当連結会計年度

85,428

3,584

2,866

3,016

219.56

前連結会計年度

78,212

△776

1,359

5,484

399.30

増減率(%)

9.2

110.8

△45.0

△45.0

 

 ②財政状態の状況

 当連結会計年度末における財政状態の状況については、次のとおりであります。

 

資産合計

(百万円)

負債合計

(百万円)

純資産合計

(百万円)

自己資本比率

(%)

1株当たり純資産

(円)

当連結会計年度末

211,140

116,674

94,466

44.7

6,868.61

前連結会計年度末

178,803

92,320

86,482

48.3

6,289.19

増減率(%)

18.1

26.4

9.2

9.2

 

 ③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、次のとおりであります。

 

営業活動による

キャッシュ・フロー

(百万円)

投資活動による

キャッシュ・フロー

(百万円)

財務活動による

キャッシュ・フロー

(百万円)

現金及び現金同等物

の期末残高

(百万円)

当連結会計年度

8,134

△15,236

11,781

20,692

前連結会計年度

6,061

9,706

△13,507

16,013

 

 ④生産、受注及び販売の実績

 当企業グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であるため単価を特定できるものではなく、また受注生産形態をとるものも少ないため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

 このため生産、受注及び販売の実績については「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①経営成績の分析」における各セグメントの業績に関連付けて示しております。

 

 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①経営成績の分析

 セグメントの業績は次のとおりであります。

 

売上高

セグメント利益又はセグメント損失(△)

 

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減率

(%)

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減率

(%)

映像関連事業

41,284

45,810

11.0

△1,371

2,561

演劇事業

22,668

24,356

7.4

△1,059

△704

不動産事業

12,026

12,839

6.8

5,107

5,506

7.8

その他

2,233

2,422

8.5

△529

△556

全社・消去

△2,924

△3,222

連結計

78,212

85,428

9.2

△776

3,584

 

(映像関連事業)

 配給は、邦画9作品、洋画4作品、アニメ9作品、シネマ歌舞伎、METライブビューイング、松竹ブロードウェイシネマなどの作品を公開しました。当社配給作品の「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」と「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」(バンダイナムコフィルムワークスとの共同配給)が興行収入約40億円の大ヒットしたほか、「なのに、千輝くんが甘すぎる。」「こんにちは、母さん」が興行収入10億円を超えました。また、4月公開の「滝沢歌舞伎ZERO FINAL 映画館生中継!!」も大ヒットとなり、全国の映画館で売り切れとなる上映回が続出するなど収益に貢献しました。

 興行は、㈱松竹マルチプレックスシアターズにて、各劇場で対抗館対策、注力作品での取組みなどで成果を上げており、ヒット作の回数確保や、ファミリー層、シニア層等の幅広い動員獲得を目指して参りました。上記の松竹作品に加え、興行収入100億円を超えた「THE FIRST SLAM DUNK」「名探偵コナン 黒鉄の魚影」「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」をはじめ、アニメ作品が大ヒットとなり、年間興行収入の回復に貢献しました。MOVIX八尾は8月に台風7号の被害を受けた影響により現在休館しておりますが、2024年秋に営業再開を予定しております。

 テレビ制作は、地上波にて、「必殺仕事人」「再雇用警察官5」「警視庁追跡捜査係」、連続ドラマ「やわ男とカタ子」、BS放送にて「悪女について」「無用案隠居修行7」「広重ぶるう」、連続ドラマ「OZU~小津安二郎が描いた物語~」「雲霧仁左衛門6」「めんつゆひとり飯」、CS放送にて「鬼平犯科帳 本所・桜屋敷」等を制作いたしました。番組販売は、新規放送枠としてBS松竹東急㈱に木下恵介アワー「3人家族」(全26話)他8作品を販売し、好調に推移しました。

 映像版権は、DVD・ブルーレイディスク販売にて「ある男」「シャイロックの子供たち」「なのに、千輝くんが甘すぎる。」「交換ウソ日記」「こんにちは、母さん」「REVENGER」「好きな子がめがねを忘れた」などの新作やアニメーションを販売し、好調に推移しました。

 配信は、定額制動画配信に関して、Leminoにて「耳をすませば」、Netflixにて「なのに、千輝くんが甘すぎる。」の独占配信をスタートさせ、売上に大きく貢献しました。都度課金型動画配信は、U-NEXTにて「ある男」「かがみの孤城」「シャイロックの子供たち」「ミンナのウタ」を先行配信する事で売上に貢献しました。権利販売に関しては、小津安二郎監督生誕120周年の当期は、様々なチャンネルで小津監督作品が放送されました。12月には「東京物語」等が3週にわたりNHK BSにて放送され、好評を博しました。国際映画祭では、北京、カンヌ、香港、ヴェネチア、東京などで小津作品が上映され、多くの観衆を魅了しました。

 CS放送は、松竹ブロードキャスティング㈱において、ホームドラマチャンネルの開局25周年を記念した企画で、新規契約者獲得に努めました。また、複数のケーブルテレビ局の新規採用が決定するなど、有料放送市場におけるシェア拡大に努めました。

 この結果、売上高は45,810百万円(前年同期比11.0%増)、セグメント利益は2,561百万円(前年同期はセグメント損失1,371百万円)となりました。

(演劇事業)

 歌舞伎座は、歌舞伎座新開場十周年の本年度であり、新開場記念月の「鳳凰祭四月大歌舞伎」をはじめ、5月「團菊祭」、8月「納涼歌舞伎」、9月「秀山祭」、11月「吉例顔見世」、2月「猿若祭」など、月ごとに彩を変え、話題となる公演を揃えました。今期は、歌舞伎座初となる超歌舞伎の上演など、古典から新作まで幅広い演目を提供し、お客様層の拡大につなげ、2月の「十八世中村勘三郎十三回忌追善公演」を大盛況で千穐楽を迎えることができました。また、6月から一幕見席の再開に加え、前売券を導入し利便性の改善を図りました。増加傾向のインバウンド対応として、10月から英語音声ガイドを開始し、サービスの向上に努めています。

 新橋演舞場は、3月の「ルーザーヴィル」、4月の「滝沢歌舞伎ZERO FINAL」、5月の「少年忍者『俺たちのBANG!!!~大劇場を占拠せよ~』」、7月の新作歌舞伎「刀剣乱舞 月刀剣縁桐」、9月の「ふるあめりかに袖はぬらさじ」、10月の「少年たち」、11月の「シェルブールの雨傘」、12月の新作歌舞伎「流白浪燦星」等が好成績を収めました。1月の「平家女護嶋 恩愛麻絲央源平」、2月のスーパー歌舞伎「ヤマトタケル」、一部公演中止のあった6月の「熱海五郎一座」、8月の「ビートルジュース」等も大変好評を博しました。

 大阪松竹座は、大阪松竹座開場100周年と銘打ち、3月の「東西ジャニーズJr. Spring Paradise」、4月の「ルーザーヴィル」「垣根の魔女」、7月の「七月大歌舞伎」、8月の「One ANOTHER」、9月の「ビートルジュース」、10月の坂東玉三郎演出作品「星降る夜に出掛けよう」、11月の「キャメロット」、12月の「シェルブールの雨傘」等の公演を実施、1月の「坂東玉三郎 初春お年玉公演」を含め、開場100周年に相応しい演目が揃い、新たな顧客層の獲得及び収益増に繋げることができました。

 南座は、3月の「三月花形歌舞伎」やMBSテレビとの共催となる4月「若き日の親鸞」、6月の坂東玉三郎演出作品「星降る夜に出掛けよう」、8月の「坂東玉三郎特別公演」、9月の「新・水滸伝」、10月の藤山直美出演「錦秋喜劇特別公演」、NHK連続テレビ小説「ブギウギ」の効果が顕著にあらわれた11月のOSK「レビュー in Kyoto」等はいずれも好評を博しました。12月の「十三代目市川團十郎白猿襲名披露」、八代目市川新之助初舞台「吉例顔見世興行」は大いに盛り上がり収益増に繋がりました。

 その他の公演に関して、演劇公演では、6月の三越劇場新派公演「三婆」、10月の日生劇場のブロードウェイミュージカル「キャメロット」が、大きな収益を残しました。歌舞伎公演では、1月の「新春浅草歌舞伎」における花形俳優陣の演技が好評を得ました。巡業公演では、公文協歌舞伎巡業東西コースを4年ぶりに再開しました。

 受託製作の歌舞伎公演として、2月に御園座の「十三代目市川團十郎白猿襲名披露」、4月と5月に明治座の「創業百五十周年記念」歌舞伎公演、6月に博多座の「六月博多座大歌舞伎」の公演が行われました。また平成中村座は姫路城や小倉城での公演、4年ぶりの「永楽館歌舞伎」等、それぞれに彩りがあり好評を博しました。

 シネマ歌舞伎は、坂東玉三郎主演・泉鏡花原作の名舞台4作品一挙上映や、宮藤官九郎作・演出の新作歌舞伎「唐茄子屋 不思議国之若旦那」を公開しました。「月イチ歌舞伎」シリーズも継続し、「わが心の歌舞伎座」や「歌舞伎NEXT 阿弖流為<アテルイ>」など幅広いラインナップを上映しました。

 METライブビューイングは、2022-23シーズンではMET初演や新演出を含む7演目の上映や、恒例のアンコール上映のほか、2023-24新シーズンではMET初演の三作品を上映、意欲的な作品で新しい客層に訴求しました。

 配信は、歌舞伎の同時生配信を4月の歌舞伎座「新・陰陽師」、7月の新橋演舞場「刀剣乱舞 月刀剣縁桐」、12月の新橋演舞場の新作歌舞伎「流白浪燦星」、1月の「新春浅草歌舞伎」の4公演で実施しました。特に「刀剣乱舞 月刀剣縁桐」は初日公演、千穐楽昼夜公演と全3公演同時生配信し、いずれも好成績を収めました。また「新春浅草歌舞伎」では、初めてイヤホンガイド解説付きの同時生配信も実施し、好評を博しました。

 「歌舞伎オンデマンド」は、毎月の歌舞伎座の公演を千穐楽の数日後に配信するサービスや、2023年ローンチした海外配信も継続しました。英国アシュモリアン美術館で開催中の「坂東玉三郎歌舞伎衣裳展」と連動する等、認知度向上に努めました。コロナ禍で誕生した歌舞伎俳優によるオンライントークショー「歌舞伎家話」「紀尾井町家話」も継続し、人気コンテンツとなり、安定した収益を残しております。

 この結果、売上高は24,356百万円(前年同期比7.4%増)、セグメント損失は704百万円(前年同期はセグメント損失1,059百万円)となりました。

(不動産事業)

 不動産賃貸では、入居テナントとの綿密なコミュニケーションと良好な関係構築に努めることで、歌舞伎座タワーや銀座松竹スクエアなど主要物件の高稼働により安定収益を確保しました。また、収益向上を目指した資産入れ替えの施策として東銀座エリアに土地建物を取得し、賃貸稼働を開始しました。これらにより、通期では計画を上回る収益貢献となりました。

 中長期戦略である東銀座エリアマネジメント活動においては、一般社団法人とまちづくり推進協議会に賛同・入会いただく企業も増え、街の賑わい創出イベントを開催するなど、地域貢献とエリアの価値向上のための取組みを一層強化しました。

 この結果、売上高は12,839百万円(前年同期比6.8%増)、セグメント利益は5,506百万円(同7.8%増)となりました。

(その他)

 需要の回復が見られる反面、消費行動が多様化する中、各事業におけるオンラインによる販売・配信の強化をはかりつつ、人気シリーズ作品やコア層向けの商品開発・販売を主軸に展開し堅調な推移となりました。プログラム・キャラクター商品に関しては、実写作品では「なのに、千輝くんが甘すぎる。」「東京リベンジャーズ」シリーズ等、アニメ作品では「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」等の作品を中心に収益に貢献しました。

 イベント・オンライン配信は、4月に幕張メッセにて超歌舞伎2023「御伽草紙戀姿絵」を開催し、同時生配信視聴数は過去最高となりました。12月には「十二月大歌舞伎」第一部 超歌舞伎 Powered by NTT「今昔饗宴千本桜」を歌舞伎座で初上演し盛況となりました。ホラーコンテンツ「松竹お化け屋本舗」シリーズは、5月に宿泊型ホラー「インフェルノロッジ」を岐阜県のキャンプ場で開催し人気を博しました。10月には弘法大師空海御誕生1250年特別企画として松本幸四郎出演による新作朗読劇「空海、大唐冒険記」を和歌山県高野山にて上演しました。アニメ作品「ARIA」シリーズによる初のオーケストラコンサート「ARIA The SINFONIA」は、本公演に加えて3面スクリーンでのライブビューイング及び配信も実施し好評を博しました。

 この結果、売上高は2,422百万円(前年同期比8.5%増)、セグメント損失は556百万円(前年同期はセグメント損失529百万円)となりました。

 

(売上高)

 売上高は85,428百万円(前年同期比9.2%増)となりました。当連結会計年度は主に映像作品でヒット作に恵まれたことにより売上高は増加しています。

(売上原価)

 売上原価は49,450百万円(前年同期比6.8%増)となりました。これは主に配分金、仕込費等が増加したためであります。

(販売費及び一般管理費)

 販売費及び一般管理費は32,393百万円(前年同期比0.9%減)となりました。これは主に広告宣伝費が減少したためであります。

(営業利益)

 上記の結果、営業利益は3,584百万円(前年同期は営業損失776百万円)となりました。

(経常利益)

 営業外収益は1,455百万円(前年同期比63.0%減)となりました。これは主に補助金の減少によるものです。また、主に持分法による投資損失が増加したことにより営業外費用は2,173百万円(同20.8%増)となりました。その結果、営業外損益計上後の経常利益は2,866百万円(同110.8%増)となりました。

(特別利益及び特別損失)

 特別利益は投資有価証券売却益2,956百万円、受取補償金540百万円、持分変動利益401百万円等合計4,110百万円を計上しました。また、特別損失は減損損失886百万円、災害による損失655百万円等合計1,818百万円を計上しました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 親会社株主に帰属する当期純利益は3,016百万円(前年同期比45.0%減)となり、1株当たり当期純利益は219円56銭となりました。

 

②財政状態の分析

 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ32,337百万円増加し、211,140百万円となりました。これは主に土地、投資有価証券が増加したこと等によるものであります。

 負債は、前連結会計年度末に比べ24,353百万円増加し、116,674百万円となりました。これは主に借入金が増加したこと等によるものであります。

 純資産は、前連結会計年度末に比べ7,983百万円増加し、94,466百万円となりました。これは主にその他有価証券評価差額金、利益剰余金が増加したこと等によるものであります。

 

③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4,679百万円増加し、20,692百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は8,134百万円(前年同期に得られた資金は6,061百万円)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益5,158百万円の計上等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は15,236百万円(前年同期に得られた資金は9,706百万円)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出15,475百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は11,781百万円(前年同期に使用した資金は13,507百万円)となりました。これは主として、長期借入れによる収入17,000百万円、長期借入金の返済による支出3,984百万円等によるものであります。

(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)

 当企業グループの主な資金需要は運転資金及び設備投資資金であり、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入金によって充当しております。なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は20,692百万円となっております。

 

④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

⑤経営成績等に重要な影響を与える要因について

 経営成績等に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1.報告セグメントの概要

 当企業グループの報告セグメントは、当企業グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

 当企業グループは、取り扱うサービスの観点から事業を区分し、各事業部門が包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。

 したがって、当企業グループは、事業別のセグメントから構成されており、「映像関連事業」、「演劇事業」及び「不動産事業」の3つを報告セグメントとしております。

 「映像関連事業」は、劇場用映画の製作・売買・配給・興行、テレビ映画の制作・販売、BS・CS・CATVのソフト製作・編集、衛星基幹放送、一般放送、ビデオソフトの製作・買付・販売、音楽著作権の利用開発・許諾等であります。「演劇事業」は、演劇の企画・製作・興行、俳優・タレントの斡旋、舞台衣裳の製作・販売・賃貸、演劇舞台の大道具・小道具・音響の製作・販売等であります。「不動産事業」は、所有不動産の賃貸・管理等であります。

 

2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法

 報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一です。報告セグメントの利益は営業利益をベースとした数値であります。

 セグメント間の内部売上高及び振替高は主に市場実勢価格に基づいております。

 

3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報

前連結会計年度(自 2022年3月1日 至 2023年2月28日)

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

映像関連事業

演劇事業

不動産事業

その他

(注)1

合計

調整額

(注)2

連結

財務諸表

計上額

(注)3

売上高

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

41,284

22,668

12,026

2,233

78,212

78,212

セグメント間の内部売上高又は振替高

145

189

1,996

122

2,454

2,454

41,429

22,858

14,023

2,356

80,667

2,454

78,212

セグメント利益又は損失(△)

1,371

1,059

5,107

529

2,148

2,924

776

セグメント資産

33,499

15,225

90,839

1,031

140,594

38,208

178,803

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費

1,617

845

2,582

18

5,062

85

5,147

減損損失

852

852

852

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

639

135

199

19

994

77

1,071

(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、プログラムの製作・販売、キャラクター商品の企画・販売、配信コンテンツの企画・制作、新規事業開発等があります。

2.調整額は以下のとおりであります。

 (1)セグメント利益又は損失(△)の調整額△2,924百万円には、セグメント間取引消去6百万円及び各報告セグメントに配分していない全社費用△2,930百万円が含まれております。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない当社の総務部門等管理部門に係る経費であります。

 (2)セグメント資産の調整額38,208百万円には、各報告セグメントに配分されていない全社資産46,544百万円、セグメント間の債権債務相殺消去額△8,335百万円が含まれております。

 (3)減価償却費の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社の減価償却費であります。

 (4)有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額は、各報告セグメントに配分していない有形固定資産及び無形固定資産の取得額であります。

3.セグメント利益又は損失(△)は、連結損益計算書の営業損失と調整を行っております。

 

当連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

映像関連事業

演劇事業

不動産事業

その他

(注)1

合計

調整額

(注)2

連結

財務諸表

計上額

(注)3

売上高

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

45,810

24,356

12,839

2,422

85,428

85,428

セグメント間の内部売上高又は振替高

141

159

1,927

129

2,357

2,357

45,952

24,515

14,766

2,551

87,785

2,357

85,428

セグメント利益又は損失(△)

2,561

704

5,506

556

6,806

3,222

3,584

セグメント資産

39,779

14,749

102,765

1,499

158,794

52,345

211,140

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費

1,202

856

2,448

20

4,527

92

4,619

減損損失

839

46

-

886

886

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

2,370

197

14,339

3

16,911

88

16,999

(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、プログラムの製作・販売、キャラクター商品の企画・販売、配信コンテンツの企画・制作、新規事業開発等があります。

2.調整額は以下のとおりであります。

 (1)セグメント利益又は損失(△)の調整額△3,222百万円には、セグメント間取引消去1百万円及び各報告セグメントに配分していない全社費用△3,223百万円が含まれております。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない当社の総務部門等管理部門に係る経費であります。

 (2)セグメント資産の調整額52,345百万円には、各報告セグメントに配分されていない全社資産59,537百万円、セグメント間の債権債務相殺消去額△7,191百万円が含まれております。

 (3)減価償却費の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社の減価償却費であります。

 (4)有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額は、各報告セグメントに配分していない有形固定資産及び無形固定資産の取得額であります。

3.セグメント利益又は損失(△)は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。

4.有形固定資産及び無形固定資産の増加額には、資産除去債務相当資産を含めておりません。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2022年3月1日 至 2023年2月28日)

1.製品及びサービスごとの情報

セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2)有形固定資産

本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。

 

3.主要な顧客ごとの情報

    外部顧客への売上のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がいないため、記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)

1.製品及びサービスごとの情報

セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2)有形固定資産

本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。

 

3.主要な顧客ごとの情報

    外部顧客への売上のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がいないため、記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自 2022年3月1日 至 2023年2月28日)

セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)

セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自 2022年3月1日 至 2023年2月28日)

該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)

該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

前連結会計年度(自 2022年3月1日 至 2023年2月28日)

該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)

該当事項はありません。