リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものであります。
(1)感染症拡大に関するリスク
感染症の拡大により、映画館において営業時間短縮又は臨時休業等の措置が取られた場合、また当社の直営劇場をはじめとする演劇公演について中止又は延期となった場合には当企業グループの経営成績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。当企業グループでは、医療分野の専門家の意見も独自に取り入れながら、各感染症特性及び劇場特性に応じた個別安全施策も加えて感染症対策を徹底して参ります。
(2)劇場用映画の興行成績に関するリスク
映像関連事業における劇場用映画作品の興行成績は、作品による差異が大きく、不安定であり、また、各作品の興行成績を予想することは常に困難であります。当企業グループでは各種データに基づき作品の選定及び編成を行っておりますが、仮に一定の成績に達しない作品が長期にわたり継続した場合には、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)知的財産権の侵害に関するリスク
当企業グループの保有する知的財産権について、海賊版や模倣品による権利侵害が現実に発生しており、そのケースごとに適切な対応をとるように努めておりますが、海外やインターネットにおいては、法規制その他の問題から知的財産権の保護を充分に受けられない可能性があります。仮に、当企業グループが長期にわたり大規模な侵害行為を受けてそれを回避不可能な場合には、その侵害行為が当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)演劇事業の興行成績に関するリスク
当企業グループは演劇事業として歌舞伎及び一般演劇を上演しておりますが、出演俳優の健康上の理由及び不慮の事故等により出演が不可能になる恐れがあります。そのような事態に対しては、常に代役の出演が可能な状況を維持する等の対策を講じてはおりますが、場合によっては当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、常にお客様に満足していただけるような魅力ある公演を提供するよう努力しておりますが、公演及び出演俳優の話題性・認知度やお客様の嗜好の変化等により、入場者数が大きく左右される可能性があります。それに伴い当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)自然災害等の発生に関するリスク
映像関連事業、演劇事業、不動産事業、その他における映画館(シネコンを含む)・演劇劇場、飲食店舗及び事業用テナントビル等、当企業グループは、多数の顧客を収容可能な営業施設等において、自然災害や衛生上の問題等顧客の安全・健康にかかわる予期せぬ事態が発生する可能性があります。万一、そのような事態が発生した場合、当企業グループでは「危機管理計画書」「危機管理ガイドブック」等を作成し被害を最小限に留めるよう安全対策を講じておりますが、その規模等によっては、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)固定資産の減損会計に関するリスク
当企業グループが保有する固定資産において、地価の動向及び対象となる固定資産の収益状況によっては減損処理に伴う損失が発生する可能性があります。当企業グループでは、早期に減損の兆候を把握し適切な対応をしておりますが、減損損失が発生した場合には経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、固定資産の減損損失の計上にあたっての重要な会計上の見積りの前提条件については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(7)保有有価証券に関するリスク
当企業グループは、市場性のある有価証券を保有しております。保有有価証券は四半期ごとに時価評価をはじめ各種検証を行い、特に政策保有株式については、個別銘柄ごとに直近の財務状況、取引関係、配当等を総合的に検証し、定期的に取締役会に報告することによって保有の適否を判断しておりますが、将来大幅な株価下落が続く場合等には保有有価証券に減損又は評価損が発生し、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8)財政状態に関するリスク
1.当社は、長期借入金として金融機関5行との間で108億円の金銭消費貸借契約を締結しており、この契約には下記の財務制限条項が付加されております。当社では、安定した経営による財務体質強化に努めておりますが、それに抵触した場合には借入金の返済を要請される可能性があります。
(イ)各年度の決算期および第2四半期の末日における連結の貸借対照表上の純資産の部の金額を、前年同期比75%以上かつ2022年2月期の決算期の末日における連結の貸借対照表上の純資産の部の金額の75%以上に維持すること。
(ロ)各年度の決算期および第2四半期の末日における単体の貸借対照表上の純資産の部の金額を、前年同期比75%以上かつ2022年2月期の決算期の末日における単体の貸借対照表上の純資産の部の金額の75%以上に維持すること。
2.当社は、長期借入金として金融機関8行との間で68億円の金銭消費貸借契約を締結しており、この契約には下記の財務制限条項が付加されております。当社では、安定した経営による財務体質強化に努めておりますが、それに抵触した場合には借入金の返済を要請される可能性があります。
各連結会計年度及び第2四半期連結会計期間の末日における連結貸借対照表上の株主資本の部の金額を400億円以上に維持すること。
(9)不動産賃貸に関するリスク
当企業グループは全国に賃貸不動産を保有しておりますが、不動産市況によっては賃貸物件の空室率が高くなることや主要テナントの撤退等により期待通りの収益を得られない可能性があります。各テナントと綿密なコミュニケーションを取りながら賃料交渉にも誠実に対応し、また撤退の際には後継テナントを誘致する等で対処をしておりますが、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)繰延税金資産の回収可能性に関するリスク
当企業グループは税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異に対して、解消見込年度のスケジューリング及び将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を検討した上で繰延税金資産を計上しております。解消見込年度のスケジューリング及び将来の課税所得については、経営環境の変化などを踏まえ適宜見直しを行っておりますが、結果として繰延税金資産の全額または一部に回収可能性がないと判断し、繰延税金資産の取崩しが必要となった場合、当企業グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、繰延税金資産の計上にあたっての重要な会計上の見積りの前提条件については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
配当政策
3【配当政策】
当社では、収益状況や経営基盤の強化と将来の事業展開に備えた内部留保の充実状況等を勘案し、安定的に配当を継続していくことを基本方針としております。
当社は、期末配当の年1回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。
剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。
内部留保資金につきましては、映画・演劇のソフトメーカーの本業を堅持しつつ、映像部門では製作能力の強化を図り、演劇部門では斬新な企画と質の高い舞台づくりに励み、保有資産を活用等し、業績の向上に努めて参ります。
当社は、「取締役会の決議により中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。
当社は、連結配当規制の適用会社であります。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり配当額 (円) |
2024年5月28日 定時株主総会決議 |
414 |
30 |