事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
映画事業 | 212,068 | 65.8 | 50,807 | 70.6 | 24.0 |
演劇事業 | 23,174 | 7.2 | 4,129 | 5.7 | 17.8 |
不動産事業 | 85,104 | 26.4 | 16,826 | 23.4 | 19.8 |
その他 | 1,710 | 0.5 | 162 | 0.2 | 9.5 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社の企業集団は、当社、子会社57社、関連会社10社(うち連結子会社47社、持分法適用関連会社4社)で構成され、映画事業、演劇事業、不動産事業及びその他の事業に携わっております。
各々の事業内容と、当社及び当社の関係会社の、当該事業における位置付け及びセグメントとの関連は次のとおりであります。
なお、当社の企業集団が営んでいる事業内容と、セグメントにおける事業区分は同一であります。
映画事業
当社、子会社27社(うち連結子会社23社)、関連会社8社(うち持分法適用関連会社3社)で構成されております。
事業の内容は、①映画営業事業と②映画興行事業及び③映像事業であります。
①映画営業事業
当社、子会社8社(東宝東和㈱等)、関連会社3社で構成され、当社は、製作した映画の他、国内の製作会社から配給業務を委託された映画を、東宝東和㈱は海外の映画を、当企業集団を始めとする国内の興行会社に配給しております。また、共同製作した劇場用映画の映像配信権の許諾を行っております。
②映画興行事業
子会社3社(TOHOシネマズ㈱等)で構成され、これらが経営する映画館等で、当社及び東宝東和㈱並びに当企業集団以外の配給会社が配給する映画を上映しております。
③映像事業
当社、子会社16社(㈱東宝映像美術、東宝舞台㈱等)、関連会社5社で構成され、共同製作したテレビアニメ作品に関する映像配信権・商品化権の許諾、映像パッケージソフト等の企画・制作・販売等、映画などの美術セット等の製作、各種イベント、広告等の企画・製作から販売に至る各分野に携わっております。
演劇事業
当社、子会社4社(うち連結子会社3社)、関連会社1社で構成されております。
演劇の製作及び興行は主に当社が行っており、㈱東宝エージェンシーは当社が公演する演劇の入場券販売を、東宝芸能㈱は芸能プロダクションの経営を行っております。
不動産事業
当社、子会社24社(うち連結子会社20社)、関連会社1社(うち持分法適用関連会社1社)で構成されております。
事業の内容は、①不動産賃貸事業と②道路事業及び③不動産保守・管理事業であります。
①不動産賃貸事業
当社、子会社4社、関連会社1社で構成され、保有不動産の賃貸を主体とする不動産業に携わっております。
②道路事業
子会社17社で構成され、スバル興業㈱とスバル興業㈱の企業集団が、道路の維持管理・清掃等を主たる事業としております。
③不動産保守・管理事業
子会社3社で構成され、東宝ファシリティーズ㈱及び東宝ビル管理㈱がビルの管理・清掃・警備等に携わっております。
その他事業
子会社3社(うち連結子会社2社)で構成され、東宝共榮企業㈱はスポーツ施設等の経営に、TOHOリテール㈱は物販業に携わっております。その他で㈱東宝ビジネスサポートが会計業務のコンサルティング及び指導等に携わっております。
以上に述べた事項の、当社を中心とした概要図は次のとおりであります。
セグメントごとの非連結子会社及び関連会社の会社数と会社名は次のとおりであります。
(連結子会社については、第1 企業の概況 4 関係会社の状況を参照。)
(注) ※1持分法適用会社
※2「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い」(平成18年9月8日 企業会計基準委員会実務対応報告第20号)の適用により、非連結子会社に含めております。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の概況)
当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境が改善する下で、景気の緩やかな回復基調が見られる一方、海外景気の下振れによる景気の下押しリスクや物価上昇、アメリカの政策動向、金融資本市場の変動の影響などにより、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような情勢下にあって当社グループの当連結会計年度における経営成績は、営業収入は3131億7千1百万円(前年度比10.5%増)、営業利益は646億8千4百万円(同9.2%増)、経常利益は644億5千5百万円(同2.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は433億5千7百万円(同4.3%減)となりました。「中期経営計画 2025」の実現に向けて取り組みを進めた結果、数値目標として掲げていた「営業利益の最高益(528億円)更新」を2年連続で達成することができました。
セグメントごとの経営成績は以下のとおりです。
映画事業
映画営業事業では、東宝㈱において、共同製作や配給した作品のうち、「名探偵コナン 100万ドルの五稜星」が大ヒット、「キングダム 大将軍の帰還」「ラストマイル」「変な家」「映画ドラえもん のび太の地球交響楽」「グランメゾン・パリ」「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト」「劇場版ドクターX FINAL」「機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-」「映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記」「室井慎次 敗れざる者」「室井慎次 生き続ける者」「スオミの話をしよう」「ファーストキス1ST KISS」がヒットいたしました。また、東宝東和㈱において配給した「怪盗グルーのミニオン超変身」もヒットいたしました。前連結会計年度中に公開された「劇場版ハイキュー‼ ゴミ捨て場の決戦」も高稼働となりました。その他、「ゴジラ-1.0」の国内外における配信権収入やテレビ放映権収入が業績に寄与いたしました。これらの結果、映画営業事業の営業収入は55,958百万円(前年度比20.3%増)、営業利益は22,088百万円(同23.3%増)となりました。なお、上記営業収入の主な内訳として、映画館への配給が34,176百万円(前年度比1.6%増)、劇場用映画の国内配信が3,524百万円(同164.3%増)となりました。
映画興行事業では、TOHOシネマズ㈱等において、上記配給作品の他、「はたらく細胞」「インサイド・ヘッド2」「モアナと伝説の海2」等の話題作を上映いたしました。当連結会計年度における映画館入場者数は38,399千人と前年度比6.1%の減少となりました。これらの結果、映画興行事業の営業収入は75,633百万円(前年度比3.6%減)、営業利益は9,772百万円(同11.8%減)となりました。当連結会計年度中の劇場の異動につきましては、2025年1月12日に関西共栄興行㈱が島根県松江市「松江東宝5」(5スクリーン)を閉館いたしました。これにより、当企業集団の経営するスクリーン数は5スクリーン減の全国で717スクリーン(共同経営56スクリーンを含む)となっております。
映像事業では、東宝㈱において、「呪術廻戦」「僕のヒーローアカデミア」「ハイキュー!!」「SPY×FAMILY」「葬送のフリーレン」「薬屋のひとりごと」「怪獣8号」等、製作出資いたしましたTOHO animation作品の国内外の配信・商品化権収入に加え、各種配分金収入が業績に大きく貢献いたしました。パッケージ事業では「ゴジラ-1.0」が好調なセールスとなった他、TOHO animation作品の「劇場版ハイキュー‼ ゴミ捨て場の決戦」「葬送のフリーレン」「ウマ娘 プリティーダービー」等の販売が伸長いたしました。出版・商品事業では、劇場用パンフレット、キャラクターグッズにおいて「劇場版ハイキュー‼ ゴミ捨て場の決戦」「名探偵コナン 100万ドルの五稜星」「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト」をはじめとする当社配給作品の販売が好調に推移いたしました。また、「ハイキュー!!」「呪術廻戦」をはじめとするTOHO animation作品や生誕70周年を迎えた「ゴジラ」を中心とする東宝怪獣キャラクターのキャラクターグッズ販売が大きく伸長し営業収入に寄与いたしました。ゲーム事業では、「呪術廻戦 ファントムパレード」グローバル版の全世界配信を開始いたしました。㈱東宝ステラでは、ECサイトでの販売が好調に推移いたしました。TOHOスタジオ㈱では、制作及びスタジオ事業の一体運営を図り、堅調に稼働いたしました。㈱東宝映像美術及び東宝舞台㈱では、原価管理に努めながら、映画やTV・ライブイベント等での舞台製作・美術製作やテーマパークにおける展示物の製作業務、メンテナンス業務等を受注いたしました。これらの結果、映像事業の営業収入は77,661百万円(前年度比14.5%増)、営業利益は18,946百万円(同20.5%増)となりました。なお、上記営業収入の主な内訳として、アニメコンテンツの利用が33,881百万円(前年度比16.1%増)、パッケージの販売が6,741百万円(同5.0%減)、映像作品等に係る美術製作が9,784百万円(同6.7%増)となりました。
以上の結果、映画事業全体では、営業収入は209,253百万円(前年度比8.5%増)、営業利益は50,807百万円(同13.6%増)となりました。
演劇事業
演劇事業では、東宝㈱の帝国劇場におきまして、「帝国劇場 クロージングラインナップ」として「舞台『千と千尋の神隠し』」「Endless SHOCK(Endless SHOCK/ Endless SHOCK Eternal)」「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」「モーツァルト!」「DREAM BOYS」「Endless SHOCK」「レ・ミゼラブル」「CONCERT THE BEST New HISTORY COMING」を上演し全席完売となりました。なお、帝国劇場は2025年2月28日をもって予定の公演をすべて終了し、再開発のために一時休館することとなりました。シアタークリエにおきましては「ファンレター」「Next to Normal」が満席となった他、「骨と軽蔑」「町田くんの世界」「ナビレラ -それでも蝶は舞う-」「ライムライト」「VOICARION XVⅢ~Mr.Prisoner~」「tick, tick...BOOM!」「VOICARION XIX ~スプーンの盾~」等を上演いたしました。また、「舞台『千と千尋の神隠し』」「モーツァルト!」「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」等の社外公演を展開し、「舞台『千と千尋の神隠し』」はロンドン・コロシアムでのロングラン公演も大盛況となりました。その他、「CONCERT THE BEST New HISTORY COMING」のライブ配信及びライブビューイングや「Endless SHOCK」のライブビューイングなどを実施いたしました。東宝芸能㈱では、所属俳優がCM出演等で堅調に推移いたしました。
以上の結果、演劇事業の営業収入は22,890百万円(前年度比13.6%増)、営業利益は4,129百万円(同32.6%増)となりました。
不動産事業
不動産賃貸事業では、前連結会計年度末に㈱東京楽天地を連結子会社としており、当連結会計年度より経営成績に含んでおります。賃貸用不動産の空室率は、当連結会計年度末において0.9%となりました。再開発物件や新規に取得した物件の寄与がありましたが、建設工事費の高騰や大規模修繕費など一時的な費用の増加もあったことから、不動産賃貸事業の営業収入は37,949百万円(前年度比29.1%増)、営業利益は10,740百万円(同7.3%減)となりました。
道路事業では、公共投資が底堅く推移しましたが、慢性的な建設技能者の不足や建設業界にも適用された「働き方改革関連法」への対応が喫緊の課題となる等、依然として予断を許さない状況が続きました。このような状況の中、スバル興業㈱と同社の連結子会社は、一般競争入札における総合評価落札方式への対応強化を図り各種工事の受注に努めましたが、大型の工事案件の受注が前期と比べ減少いたしました。その結果、道路事業の営業収入は30,274百万円(前年度比3.5%増)、営業利益は4,805百万円(同1.9%減)となりました。なお、営業収入の主な内訳は、道路の維持管理・清掃等28,056百万円(前年度比5.4%増)であり、またその他の収益980百万円(同19.7%増)が含まれております。
不動産保守・管理事業では、東宝ビル管理㈱及び東宝ファシリティーズ㈱において、原材料価格の高騰や人手不足が継続する中、新規受注や品質向上に取り組むとともに請負金額の改定や業務の効率化等に努めました。その結果、営業収入は11,430百万円(前年度比8.8%増)、営業利益は1,280百万円(同14.2%増)となりました。
以上の結果、不動産事業全体では、営業収入は79,653百万円(前年度比15.2%増)、営業利益は16,826百万円(同4.4%減)となりました。
その他事業
東宝共榮企業㈱の「東宝調布スポーツパーク」やTOHOリテール㈱の劇場売店等において、積極的な営業活動に努めました。その結果、その他事業の営業収入は1,372百万円(前年度比9.2%増)、営業利益は162百万円(同6.8%減)となりました。
(財政状態の概況)
当連結会計年度末における財政状態は、前連結会計年度末と比較して、総資産は37,241百万円増加し、653,068百万円となりました。これは主に、現先短期貸付金で20,004百万円の減少がありましたが、受取手形、売掛金及び契約資産で13,905百万円、棚卸資産で7,937百万円、土地で20,916百万円、のれんで16,119百万円の増加があったこと等によるものです。
負債では前連結会計年度末から27,181百万円増加し、158,253百万円となりました。これは主に、未払金で11,877百万円、繰延税金負債で6,359百万円の増加があったこと等によるものです。
純資産は前連結会計年度末と比較して10,059百万円増加し、494,815百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益43,357百万円の計上及び剰余金の配当17,212百万円による利益剰余金26,145百万円の増加の他に、自己株式が22,203百万円の増加、その他有価証券評価差額金で10,561百万円の増加、為替換算調整勘定で4,399百万円の増加、非支配株主持分で9,439百万円の減少があったこと等によるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ5,815百万円減少し、76,608百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金は、税金等調整前当期純利益が66,065百万円、減価償却費が14,363百万円ありましたが、仕入債務の減少が5,842百万円、法人税等の支払額が21,763百万円あったこと等により、51,617百万円の資金の増加(前年度比8,267百万円の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金は、有価証券の売却による収入が55,210百万円ありましたが、有価証券の取得による支出が16,988百万円、有形固定資産の取得による支出が32,532百万円、子会社株式の取得による支出が12,445百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が10,685百万円あったこと等により、18,465百万円の資金の減少(前年度比44,241百万円の増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金は、自己株式の取得による支出が20,060百万円、配当金の支払額が17,188百万円あったこと等により、39,298百万円の資金の減少(前年度比27,667百万円の減少)となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
当企業集団の事業について生産実績を定義することが困難なため「生産の状況」は記載しておりません。
a. 受注実績
(注) 映画事業に含まれる映像事業の内テーマパーク関連事業及び不動産事業に含まれる道路事業における受注実績
を記載しております。
b. 販売実績
(注) 当企業集団の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、重要性の
ある相手先がないため記載を省略しております。
映画事業、演劇事業及びその他事業の販売の相手先は主に不特定の個人であり、不動産事業についても総
販売実績の100分の10以上を占める相手先はありません。
(2) 経営者の視点による当該経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1) 経営成績の分析
当連結会計年度は、「中期経営計画 2025」の最終年度にあたり、長期ビジョンで掲げた成長戦略のキーワードである ①企画&IP、②アニメーション、③デジタル、④海外 を軸に各事業を推進してまいりました。当連結会計年度における当社グループの経営成績は、主力の映画事業において、「名探偵コナン 100万ドルの五稜星」や「キングダム 大将軍の帰還」等が大ヒットとなった他、収益性の高い自社企画・製作作品の貢献がありました。また、「ゴジラ-1.0」では、配信権をはじめとした各種利用が好調となり、業績に寄与いたしました。TOHOシネマズ㈱では、邦画興行が好調に推移し、当社グループ配給作品を中心に興行を牽引いたしました。TOHO animationレーベルでは、劇場用映画「劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト」の劇場公開が高稼働、「呪術廻戦」「ハイキュー!!」「僕のヒーローアカデミア」といった人気シリーズの配信・商品化権収入が国内外で好調であったことに加え、キャラクターグッズ販売が大きく伸長するなど、多面的な展開が順調に拡大し、成長ドライバーとしての成果をあげました。演劇事業では、帝国劇場において「帝国劇場 クロージングラインナップ」として上演した作品が連日完売となり、盛況に推移いたしました。また、ロンドン・コロシアムで上演した「舞台『千と千尋の神隠し』」は高い評価を受け、今後の海外戦略に自信を深めることができました。不動産事業では、前連結会計年度末に連結子会社となった㈱東京楽天地の保有物件や再開発物件の稼働もあり増収となりましたが、建設費やエネルギー価格の高騰により厳しい事業環境が続いております。
この結果、当連結会計年度の営業収入は、前連結会計年度と比べ29,823百万円増収の313,171百万円、営業利益は、前連結会計年度と比べ5,432百万円増益の64,684百万円となりました。映画、アニメ、演劇、不動産それぞれが業績に寄与し、数値目標である「営業利益の最高益(528億円)更新」を2年連続で達成するとともに、長期ビジョンの実現に向けた成長戦略に手応えを感じる結果となりました。
(a) 営業収入
当連結会計年度の営業収入は、前連結会計年度と比べ29,823百万円増収の313,171百万円となりました。
(b) 営業原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の営業原価は、前連結会計年度と比べ15,831百万円増加の168,611百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べ8,559百万円増加の79,875百万円となりました。これは人件費が3,147百万円、広告宣伝費が1,835百万円、減価償却費が1,531百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
(c) 営業利益
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度と比べ5,432百万円増加の64,684百万円となりました。その内訳は、「映画事業」で前連結会計年度と比べ6,097百万円増益の50,807百万円、「演劇事業」で前連結会計年度と比べ1,014百万円増益の4,129百万円、「不動産事業」で前連結会計年度と比べ783百万円減益の16,826百万円、「その他事業」では前連結会計年度と比べ11百万円減益の162百万円でした。
なお、上記事項を含む報告セグメントごとの詳細については、「第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。
(d) 営業外収益、営業外費用及び経常利益
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度と比べ228百万円増加の4,088百万円となりました。これは主として、持分法による投資利益が前連結会計年度に比べ176百万円減少しましたが、前連結会計年度と比べ受取配当金が417百万円増加したこと等によるものであります。
また、営業外費用は、前連結会計年度と比べ4,230百万円増加の4,317百万円となりました。これは主として、当連結会計年度に持分法による投資損失を4,210百万円計上したこと等によるものであります。
この結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度と比べ1,430百万円増加の64,455百万円となりました。
(e) 特別利益、特別損失
当連結会計年度の特別利益は、投資有価証券売却益が前連結会計年度と比べて2,816百万円増加しましたが、前連結会計年度に㈱東京楽天地の株式を公開買付けにより取得し連結子会社化したことに伴う段階取得に係る差益2,281百万円、オーエス㈱の普通株式について阪急阪神ホールディングス㈱による公開買付けに応募し売却したことに伴う関係会社株式売却益1,866百万円等を計上したことにより、前連結会計年度と比べて922百万円減少の3,475百万円となりました。
特別損失は、前連結会計年度と比べ1,444百万円増加の1,865百万円となりました。これは主として、減損損失が前連結会計年度と比べ1,318百万円増加したこと等によるものであります。
(f) 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税、住民税及び事業税23,024百万円、法人税等調整額△1,773百万円、非支配株主に帰属する当期純利益1,458百万円を計上し、前連結会計年度と比べ1,926百万円減少の43,357百万円となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の259.51円から254.75円に減少しました。
2) 財政状態の分析
(a) 資産
当連結会計年度末の総資産は、GKIDS, INC.の連結子会社化に伴い31,865百万円の増加があったこと等により、前連結会計年度末と比べ37,241百万円増加して653,068百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末と比べ6,452百万円減少して202,050百万円となりました。このうち、前連結会計年度末と比べ現先短期貸付金は20,004百万円減少し14,995百万円、受取手形、売掛金及び契約資産は13,905百万円増加し55,981百万円、棚卸資産は7,937百万円増加し21,067百万円となりました。
有形固定資産は、前連結会計年度末と比べ18,650百万円増加の243,502百万円となりました。このうち、前連結会計年度末と比べ、土地は20,916百万円増加し125,456百万円、建設仮勘定は2,043百万円減少し3,694百万円となりました。
無形固定資産は、前連結会計年度末と比べ23,734百万円増加の30,751百万円となりました。これは主に、のれんが連結会計年度末と比べ16,119百万円増加したこと等によるものであります。
投資その他の資産は、前連結会計年度末と比べ1,309百万円増加し176,764百万円となりました。
(b) 負債
当連結会計年度末の流動負債及び固定負債合計額は、GKIDS, INC.の連結子会社化に伴い12,664百万円の増加があったこと等により、前連結会計年度末と比ベ27,181百万円増加の158,253百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末と比べ21,800百万円増加の90,941百万円となりました。このうち、前連結会計年度末と比べて、未払金は11,877百万円増加して15,775百万円、買掛金は2,690百万円増加して35,455百万円となりました。
固定負債は、前連結会計年度末と比べて5,381百万円増加して67,311百万円となりました。これは主に、繰延税金負債が6,359百万円増加して27,887百万円、資産除去債務が1,294百万円増加して9,374百万円となったこと等によるものであります。
(c) 純資産
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比べて10,059百万円増加し、494,815百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益43,357百万円の計上及び剰余金の配当17,212百万円により前連結会計年度末と比べて利益剰余金が26,145百万円増加、自己株式が22,203百万円増加、その他有価証券評価差額金が10,561百万円増加したこと等によるものであります。なお、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末と比べ1.2ポイント減少し、73.3%となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しているとおりであります。
(財務戦略の基本的な考え方)
当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上を進めるにあたり、事業運営上必要な運転資金、設備投資等の資金は、自己資金を原則としておりましたが、今後、コンテンツ・IP関連の成長投資及び不動産事業の再開発等は必要に応じて機動的に金融機関からの借入及び社債発行等による資金調達を行ってまいります。また、グループ内の資金効率を向上させるべく、当社は、資金余剰が生じている子会社から借り入れる一方、資金需要のある子会社に対しては、貸付を行うことがあります。
(資金需要の内容及び経営資源の配分)
当社グループは、2025年に策定した「中期経営計画 2028」において成長投資を掲げており、2028年までの3年間の資金需要の主な内容は、成長投資1,200億円程度(コンテンツ・IP領域のM&Aや戦略出資等1,000億円、新規シネコン出店・既存館への設備投資/デジタル関連投資等200億円)、不動産関連投資として400億円程度の計1,600億円程度を見込んでおります。また、年間85円の配当を下限に配当性向35%以上かつ機動的な自己株式取得の実施により株主還元の充実に努めることとしております。
(資金調達)
当社グループでは、短期及び中期の投資資金としては自己資金を充てることを前提としつつ、必要に応じて銀行借入等金融機関からの調達を行います。また、政策保有株式や保有不動産の売却も検討、実施してまいります。一方、投資回収が長期にわたる大型M&Aに要する資金や大規模な設備投資資金については、案件の特性に応じて社債等の最適な手法により資金調達を行います。そのため、財務健全性や資金調達手段の多様化を考慮し、高い信用格付の維持を目指して、㈱格付投資情報センターより「AA-」の格付を取得しております。なお、当社グループは当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高76,608百万円に対し、有利子負債(リース債務含的)残高は3,014百万円と、自己資金での投資余力を高いレベルで維持しておりますが、今後の更なる成長投資に向け有利子負債の活用も行ってまいります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項](重要な会計上の見積り)」に記載しております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因
「第2[事業の状況]3[事業等のリスク]」に記載のとおりであります。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、製品・サービス別のセグメントから構成されており、「映画事業」、「演劇事業」及び「不動産事業」の3つを報告セグメントとしております。
「映画事業」は、映画館への配給、劇場用映画の国内配信、映画館の経営、アニメコンテンツの利用、パッケージの販売、映像作品等に係る美術製作等を行っております。「演劇事業」は、演劇の製作・興行を行っております。「不動産事業」は、不動産の賃貸、道路の維持管理・清掃等、不動産の保守・管理等を行っております。
2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一です。報告セグメントの利益は営業利益をベースとした数値であります。セグメント間の内部収益及び振替高は市場実勢価格に基づいております。
3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)
(注) 1 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、スポーツ施設の経営事業等を含んでおります。
2 セグメント利益又は損失(△)の調整額△6,358百万円は、セグメント間取引消去3百万円、各報告セグメントに配分していない全社費用△6,361百万円であります。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。
セグメント資産の調整額206,290百万円は、セグメント間取引消去△21,325百万円、各報告セグメントに配分していない全社資産227,616百万円であります。その主なものは、当社での余資運用資金(現金及び預金、有価証券、現先短期貸付金)、長期投資資金(投資有価証券)であります。
3 セグメント利益又は損失(△)は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
4 有形固定資産及び無形固定資産の増加額には新規連結に伴う増加額を含んでおりません。
当連結会計年度(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日)
(注) 1 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、スポーツ施設の経営事業等を含んでおります。
2 セグメント利益又は損失(△)の調整額△7,241百万円は、セグメント間取引消去△2百万円、各報告セグメントに配分していない全社費用△7,239百万円であります。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。
セグメント資産の調整額170,886百万円は、セグメント間取引消去△21,601百万円、各報告セグメントに配分していない全社資産192,487百万円であります。その主なものは、当社での余資運用資金(現金及び預金、有価証券、現先短期貸付金)、長期投資資金(投資有価証券)であります。
3 セグメント利益又は損失(△)は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
4 有形固定資産及び無形固定資産の増加額には新規連結に伴う増加額を含んでおりません。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)
1 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3 主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載しておりません。
当連結会計年度(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日)
1 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
(単位:百万円)
(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類しております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3 主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載しておりません。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日)
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日)
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
該当事項はありません。