2026年2月期有価証券報告書より
  • 社員数
    529名(単体) 4,088名(連結)
  • 平均年齢
    37.9歳(単体)
  • 平均勤続年数
    9.2年(単体)
  • 平均年収
    9,522,132円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2026年2月28日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

映画事業

1,694

 (2,280)

IP・アニメ事業

464

    (13)

演劇事業

138

 (14)

不動産事業

1,579

 (1,148)

その他

43

(103)

全社(共通)

170

  (1)

合計

4,088

 (3,559)

 

(注) 1 従業員数は就業人員であります。

2 従業員数には嘱託・契約社員568人を含んでおります。

3 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。

 

(2) 提出会社の状況

2026年2月28日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

529

(4)

37.9

9.2

9,522,132

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

映画事業

109

 (1)

IP・アニメ事業

139

(-)

演劇事業

76

 (2)

不動産事業

35

 (-)

その他

 

全社(共通)

170

 (1)

合計

529

 (4)

 

(注) 1 従業員数は就業人員であります。

2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3 従業員数には嘱託・契約社員25人を含んでおります。ただし、平均年齢、平均勤続年数、平均年間給与には嘱託・契約社員を含んでおりません。

4 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。

5 前事業年度末に比べ従業員数が82名増加しております。主な理由は、業容の拡大に伴い期中採用が増加したことによるものであります。

 

 

(3) 労働組合の状況

当社の労働組合は、全国映画演劇労働組合(略称 全映演)東宝支部と称し、2026年2月28日現在の組合員数は255人であります。また、当社グループには合計で8の労働組合がありますが、労使間で特筆すべき事項はありません。

 

 

(4) 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異

 

提出会社及び

連結子会社

管理的地位

にある労働者

に占める女性

労働者の割合

(%)

(注)1

男性労働者

の育児休業

取得率

(%)

(注)2

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)1

補足説明

全労働者

うち正規雇用

労働者

うちパート・

有期労働者

東宝㈱

19.4

87.5

77.3

81.6

52.0

(注)3

TOHOシネマズ㈱

9.8

87.5

63.0

80.1

101.3

(注)3

東宝ファシリティーズ㈱

7.1

66.7

72.9

81.0

64.0

(注)3

東宝ビル管理㈱

14.8

0.0

49.8

85.0

58.9

(注)3

東宝舞台㈱

19.8

0.0

82.1

86.3

78.1

(注)3

TOHOマーケティング㈱

35.0

93.0

89.9

83.2

(注)3、4

 

(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規程に基づき算出したものであります。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規程に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。なお、2025年3月1日~2026年2月28日中に育児休業等(育児を目的とした休暇制度を含む)を取得した男性従業員数÷2025年3月1日~2026年2月28日中に配偶者が出産した男性従業員数として算出しております。

3 労働者の男女の賃金の額の差異については、計算期間を2025年3月1日~2026年2月28日までとしております。なお、賃金において男女間の差異が生じている理由は、管理職に占める男性労働者が多いことが起因しております。また、東宝ビル管理㈱においては、「パート・有期労働者」の多くが時間給制での短時間労働に従事している女性であることも主な要因となっております。

4 「-」は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)において選択公表をしていない、もしくは開示義務のない場合、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務がない場合を示しております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ全般

① ガバナンス

当社グループは、「TOHO VISION 2032 東宝グループ 経営戦略」において、「サステナビリティの基本方針」を「東宝グループは、エンタテインメントの提供を通じて、誰もが幸福で心豊かになれる社会の実現に向けて“朗らかに、清く正しく美しく”貢献します」と定めています。また、当社グループのGROUP VALUEである「朗らかに、清く正しく美しく」を元に4つの重要課題及びその具体的な取り組み目標を設定しております。

 

東宝グループが取り組む4つの重要課題

朗らかに 重要課題  誰もが健康でいきいきと活躍できる職場環境をつくります

清く   重要課題2  地球環境に優しいクリーンな事業活動を推進します

正しく  重要課題3  人権を尊重し、健全で公正な企業文化を形成します

美しく  重要課題4  豊かな映画・演劇文化を創造し、次世代への継承に努めます

 

その推進体制として、経営会議の下にサステナビリティ委員会(委員長:代表取締役社長、委員:経営会議メンバー、オブザーバー:常勤監査等委員)及び専任部署(コーポレートコミュニケーション部サステナビリティ推進室)を設置し、年2回程度の開催頻度でサステナビリティ委員会を開催しております。

同委員会においては、上述の当社グループのサステナビリティの4つの重要課題に関連する「①人的資本 ②気候変動 ③人権 ④文化継承」を含むリスクや機会の把握、それぞれの目標・施策の策定、進捗状況の確認等を実施しております。本委員会で協議した内容は、取締役会にて報告され、当社グループ全体のサステナビリティに関する方針の決定及び監督、進捗の確認を行っております。

 


 

 

② 戦略

当社グループでは、「TOHO VISION 2032 東宝グループ 経営戦略」に連動する形で策定した「サステナビリティの基本方針」に則り、4つの重要課題を設定しております。当社グループのサステナビリティ活動にあたっては、これらの重要課題に沿った施策を推進し、その進捗状況については「東宝グループ 統合報告書 2025」にて開示しております。今後も当社グループのサステナビリティ活動を通じてステークホルダーの皆さまとの対話を活性化させ、社会課題に対する解決策を見出してまいります。

「東宝グループ 統合報告書 2025」はこちらからご確認ください。

https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS05040/2e6c7512/1c98/44f2/b510/34cb40090b81/20250930120909246s.pdf

 

③ リスク管理

当社グループでは、グループ全体の事業の継続と経営の健全性を維持するため「リスクマネジメント基本規程」を定め、代表取締役社長を議長とする「リスクマネジメント会議」を設置しております。本会議は総務部が事務局を担い、年2回開催されております。当社グループのリスクマネジメント体制は「第4[提出会社の状況]4[コーポレート・ガバナンスの状況等](1)[コーポレート・ガバナンスの概要]」の[リスク管理体制の整備]に記載の通りです。

当社グループにおける気候変動に関するリスクや機会の識別・評価及び管理にあたっても、同体制に包含されております。同プロセスによって特定された気候変動に関するリスクは「サステナビリティ委員会」に報告され、同委員会を中心に議論されたのち、重要度が高いと判断されたものについては取締役会へ報告される体制となっております。

また、当社グループでは、不平等を許容せず、グループ事業活動に関わるすべての人々の人権を尊重しなければならないと考え、多様性と包摂性のある持続可能な社会の発展に貢献すべく、サステナビリティの重要課題3に「人権を尊重し、健全で公正な企業文化を形成します」と設定しております。

2023年に制定した「東宝グループ人権方針」や改訂した「東宝憲章」「東宝グループ行動基準」に基づき、従業員への人権教育(オンライン研修等)を継続的に実施しており、当連結会計年度においてはその対象を国内グループ会社の従業員へと拡大し、グループ全体での人権リスクへの意識向上を図りました。さらに、経営層における人権問題への理解とコミットメントを一層深めるため、2025年6月には外部より専門家を招き、ビジネスと人権に関する役員向けのセミナーを実施しました。また、人権デュー・ディリジェンス(人権DD)の取り組みとして、当連結会計年度はグループ会社各社のすべての役員・従業員を対象に人権リスクの調査を実施いたしました。これによりグループ内の潜在的な人権リスクを可視化し、人権侵害の疑いのある事象(過剰・不当な労働時間やハラスメント等を含む)が確認された場合には、事実関係の確認を行った上で注意指導や各社規程の整備を行うなど、適切に予防・是正・救済の措置を講じております。

さらに、グループ全体での人権尊重の取り組みを経営層の深いコミットのもとに推進するため、当連結会計年度より代表取締役社長を委員長とする「グループ人権委員会」を新設いたしました。本委員会にて人権DD実施計画の承認や実施結果の報告等を行うことでPDCAサイクルを回し、実効性のある人権尊重の体制を構築してまいります。

今後は、サプライチェーン上の人権DDをさらに進めていくとともに、気候変動に関するリスク、人権に関するリスクを中心として、引き続きグループ全体でリスク管理体制を構築・強化し、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に努めてまいります。

 

④ 指標及び目標

当社グループは、長期的な社会課題を幅広く検討した後、当社グループにとっての重要な要素を抽出し「TOHO VISION 2032 東宝グループ 経営戦略」の策定と連動する形で特定した4つの重要課題<マテリアリティ>ごとに、具体的な取り組み目標を設定しております。

 

重要課題 <マテリアリティ>

取り組み目標

誰もが健康でいきいきと活躍できる職場環境をつくります

●ジェンダー、キャリア(職歴)、年齢、国籍、障がいの有無を問わない多様性のある活力にあふれた組織の形成

●健康経営の推進と社内コミュニケーション活性化によるウェルビーイングの追求

地球環境に優しいクリーンな事業活動を推進します

●脱炭素の実現に向け、再生可能エネルギー等を活用したCO2排出量の削減

※削減目標:

・2030年度までに2017年度比50%削減

・2050年度までに実質排出量ゼロ

●事業活動における環境負荷の少ない素材の活用や廃棄物の削減等、環境課題の解決

人権を尊重し、健全で公正な企業文化を形成します

●誰一人取り残すことなく、すべてのお客様がエンタテインメントを楽しめる環境づくり

●あらゆるステークホルダーの人権を尊重し、持続的に「健全な娯楽」の提供ができる体制の追求

豊かな映画・演劇文化を創造し、次世代への継承に努めます

●映像原版の保全、演劇作品の継承、知的財産権の保護に努め、日本の映画・演劇文化に貢献

●子どもたちへの原体験の提供やクリエイターの支援・育成による、将来のお客様と未来の才能の創出

 

 

 

(2)気候変動

<TCFDに基づく情報開示>

当社グループは、サステナビリティの基本方針の重要課題2に「地球環境に優しいクリーンな事業活動を推進します」と設定し、脱炭素の実現に向け、再生可能エネルギー等を活用したCO2排出量削減、不動産事業における環境認証の取得促進、事業活動における環境負荷の少ない素材の活用や廃棄物の削減等を推進しております。

地球温暖化への適応及び脱炭素化の推進をはじめとした気候変動課題への取り組みは、2015年のパリ協定の採択や2021年のCOP26における1.5℃目標達成に向けた世界的合意も踏まえ、サステナビリティに関わる社会的な諸課題の中でも特筆して重大なテーマの一つとして認識しております。また、TCFDのフレームワークに即した気候変動リスク及び機会が及ぼす影響の評価と対応策の検討及び事業戦略への統合は、当社グループの企業価値向上と持続可能な社会の実現に資するものと考え、TCFDの提言に賛同し、このフレームワークに基づいた情報開示をしております。引き続き、経営の強靭化と持続可能な社会の実現を目指してまいります。

 

① ガバナンス

当社グループでは、執行側として、経営会議と同メンバーから構成される「サステナビリティ委員会」を設置しております。同委員会では代表取締役社長が委員長を務め、気候変動によるリスクや機会の把握、リスクマネジメント上の観点から、脱炭素やエネルギー効率の向上などの気候変動に関する目標・施策の策定、進捗状況の確認等を実施しております。また、本委員会で協議した内容は、取締役会にて報告され、当社グループ全体の気候変動に関する方針の決定及び監督、進捗の確認を適宜行っております。

また、「中期経営計画 2028」に併せて導入した役員報酬制度「業績連動型株式報酬」においては、その業績指標の一つに「CO2排出量の削減率」を設定し、当社役員(業務執行取締役及び執行役員)の目標達成に向けた行動に対する適切なインセンティブになるよう努めております。

 

② 戦略

当社グループでは、気候変動に起因して将来起こり得る不確実な影響因子及びリスクと機会の特定にあたって国際エネルギー機関(IEA)と気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表する複数の仮説を参考に、シナリオ分析を実施しております。2023年度時点における考察では、地球温暖化が深刻化する世界及び脱炭素化への移行が推進され2050年までにカーボンニュートラルが達成されるとした世界の2つのシナリオ(1.5℃シナリオ*1と4℃シナリオ*2)を設定し、それぞれの前提条件を踏まえた2030年時点における分析評価を実施しております。

また、当社グループでは創立100周年を迎える2032年を見据えた「TOHO VISION 2032 東宝グループ 経営戦略」のもと、お客様の価値観やライフスタイルの変容を踏まえた成長戦略を検討しております。さらにシナリオに基づき、比較的影響が大きい物理的リスクなどに対応するため、気候変動に対するレジリエンス性を確保した戦略の検討を進めております。

さらに2025年4月に公表した「中期経営計画 2028」においても、CO2排出量削減をサステナビリティにおける重要な課題と位置づけております。当社グループの持続的な企業価値向上のためには脱炭素化への貢献が不可欠であると考えており、CO2排出量の削減目標の達成に向けた取り組みを継続的に推進しております。それら取り組みの一環として、当社グループは発電時にCO2を排出しない再生可能エネルギーの導入に積極的に取り組んでおります。不動産事業の保有物件においては、2022年9月より東宝日比谷ビル、東京宝塚ビルで全館使用電力の30%を再生可能エネルギーに切り替えたほか、東宝日比谷プロムナードビルや2024年7月に開業した渋谷アクシュにおいては、使用電力の100%を再生可能エネルギーで供給しております。さらに、当連結会計年度である2025年4月からは、東宝南街ビル及び渋谷ヒカリエにおいても全館の電力を100%再生可能エネルギーに切り替えました。

加えて、エンタテインメント業界全体の脱炭素化を牽引する取り組みとして、東宝スタジオにおける脱炭素化の取り組みを進めております。具体的には、2024年11月より太陽光発電などの再生可能エネルギーと国内初の商用利用*3となる発電時にCO2を排出しない水素を燃料にした火力発電を中心に構成された電気を導入いたしました。最終的には「24/7カーボンフリー電力」*4の実現を目指し、グループ全体で持続可能な地球環境に貢献してまいります。

 

(*1参考シナリオIPCC:RCP2.6 IEA2021:SDS/NZE2050 

*2参考シナリオIPCC:RCP8.5 IEA2021:STEPS

*3JERA調べによる 

*4「24/7 (twenty-four seven )カーボンフリー電力」は、毎日24 時間・毎週7 日間、すなわち年間365 日にわたってCO2

を排出しない電力の名称です。なお、経済産業省の「電力の小売営業に関する指針」に従い、需要電力量の100 %について、

CO2ゼロエミッション電源を電源構成とし、非化石証書の使用による環境価値をともに供給することを意味しており、燃料の

製造・輸送等のライフサイクルを含めてCO2 が排出されないことを意味するものではありません。)

 

③ リスク管理

リスク管理については「(1)サステナビリティ全般」の「③リスク管理」に記載のとおりです。

 

④ 指標及び目標

当社グループでは、映画館運営や不動産賃貸をはじめとして、業務遂行上、保有不動産の稼働やサービスの提供に伴い電力を主として多くのエネルギーを消費しております。これらのエネルギー消費活動から多くのCO2排出量があることを認識しており、これを受け当社グループでは再生可能エネルギーの利用や保有物件の環境認証取得等を通し、CO2排出量を指標とした削減努力を推進しております。

当社グループでは、近年最もCO2排出量の多かった2017年度(第129期)を基準に、毎年その排出量削減の進捗を管理しております。その結果、2022年度(第134期)時点のCO2総排出量が2030年度の当初目標であった「2017年度比30%削減」を達成したことを受け、2023年度(第135期)において新たに削減目標の見直しを実施し、2030年度の目標を「2017年度比50%削減」に変更しております。なお、2050年度までに「実質排出量ゼロ」を目指すという目標に変更はありません。

今後さらに具体的な施策を進め、引き続きCO2削減活動に注力し脱炭素社会の実現に貢献してまいります。

 


 

 

(3)人的資本

① 戦略

1) 多様性の確保を含む人材育成方針

当社グループは、「TOHO VISION 2032 東宝グループ 経営戦略」において、成長戦略の推進役となる多様で優秀な外部人材の採用を強化するとともに、よりクリエイティブな組織へと進化するため、人材育成と働く環境の整備を推進することを「人材と組織の戦略」の基本方針として掲げました。

また、2025年4月に公表した「中期経営計画 2028」においては、重点ポイントに「人への投資とエンゲージメント向上」を掲げるとともに、「心が動き、心を動かす仕事を通じて幸福を得られる会社へ」という新たな「人材と組織のビジョン」を策定いたしました。

さらに、そのビジョンを実現するためのキーワードとして、「少数精鋭から精鋭多数へ」「成長・自律・安心」の2つを掲げました。

具体的には、①成長を推進し、変化に対応できる多様な人材の獲得を促進、②企画力あふれる東宝らしい精鋭人材の育成を強化、③社員の強みを活かし、成長を支援する人事施策を推進、④自らを律し、裁量をもって、安心して活躍できる組織・環境を追求、の4つの方針をもって進めてまいります。

以上を今後の当社グループの人的資本に関する基本戦略として、当社グループで働くすべての社員が、余裕を持ち、朗らかに、いきいきと働ける組織づくりを追求してまいります。

 

  <新人事制度>

「成長・自律・安心」をキーワードに掲げ、個人と組織の持続的な成長を支える基盤とするため、2025年6月より新人事制度の本格運用を開始しました。役割基準の等級制度導入により、年次や性別を問わず自律的なキャリア形成を支援するとともに、報酬体系の刷新による市場競争力の強化を目指しております。評価制度においては、組織目標や事業計画に連動した目標管理制度の導入によって、個人の目標達成が組織の成長に繋がる構造を築き、評価の決定方法と処遇への反映方法を明確化しました。報酬制度、評価制度全体を通じて、透明性・公正性を高めることで、従業員の納得感・安心感が高まりやすい設計としました。

加えて、人材活用においては、すべてのレイヤーを対象とした人事部との直接対話や社内公募制度の活性化を通じて、個人の志向と組織ニーズを統合する双方向型のキャリア形成を推進しております。さらに、自己啓発プログラムの受講を昇格要件に組み込んだ制度運用を通じ、社員の主体的な学びを積極的に支援することで、優秀な人材が定着し、最大限のパフォーマンスを発揮できる組織力の最大化を追求してまいります。

 

  <従業員エンゲージメントの向上>

当社グループでは、サステナビリティの重要課題の一つとして「誰もが健康でいきいきと活躍できる職場環境づくり」を掲げ、組織が成長するための源泉である“人”が情熱を傾けて活躍できる組織づくりを推進しております。

その中核として、2021年より継続しているエンゲージメント調査に基づき、社内でも埋もれがちな挑戦を全社で称賛する「TOHO CHALLENGE AWARD」や、経営トップとの双方向の対話を行う「タウンホールミーティング」を実施しております。さらに、2025年10月には新グループ・スローガン「Moments for Life その時間が、人生の力になる。」を策定。同月に開催した「全社員集会(ALL EMPLOYEE MEETING 2025)」において、経営陣が直接このスローガンに込めた想いを語り、共有したことで、グループとしての一体感とミッションへの共感を醸成しました。

日常的な施策においても、役職や部署を越えた対話と共感を生む場としての「Moments Cafe」の展開に加え、人材と組織のプラットフォームである企業内大学「東宝大学」を活用しております。「東宝大学」では、“心が動く”“見方が変わる”“明日が変わる”をコンセプトに、各分野のトップランナーや創造的な人々の視点・経験に直接触れて学ぶ機会を提供しています。単なる専門知識の共有にとどまらず、部門やグループの垣根を越えたコミュニケーションの活性化や、経営理念への深い理解を促す場へと進化させることで、従業員の自律的な成長とエンゲージメントの向上を後押ししております。

また、役員報酬制度「業績連動型株式報酬」の業績指標の一つに「従業員エンゲージメントスコア」を設定し、経営陣による組織力向上へのコミットメントを明確化しております。今後も多様な施策を通じ、社員が誇りを持って輝ける職場環境の実現に努めてまいります。

 

  <ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン>

当社グループでは、持続的な成長と企業価値向上のためには多様な人材と組織が不可欠と考え、DEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)を人材戦略の重要な要素として推進しております。

「TOHO VISION 2032 東宝グループ 経営戦略」の公表以降、外部専門性を持つ人材のキャリア採用を戦略的に拡大した結果、2026年2月末時点で当社従業員のうちキャリア採用者の占める割合は45.9%(前年同期38.1%)、課長職以上の地位に占めるキャリア採用者の割合も29.4%(前年同期24.6%)へと上昇し、多様な視点が経営判断に活かされる体制が整いつつあります。

ジェンダーギャップの解消については、当社における女性管理職比率は2026年2月末時点で19.4%(前年同期14.7%)と、当初目標の20%には僅かに到達しなかったものの、女性の管理職登用が進み、数値は着実に向上いたしました。これを受け、当社では2026年3月に「2031年3月31日までに女性管理職比率30%以上」という新たな目標を掲げました。今後は、女性社員のキャリアマインド醸成やネットワーク構築といった「ソフト面」の強化に加え、組織的なリーダー育成環境の構築に注力してまいります。

また、次世代育成支援においても高い水準を維持しております。当社における男性従業員の育児休業取得率は87.5%(前年同期66.7%)となっており、新たな行動計画においても2028年2月29日までに70%以上の維持を目標に掲げるとともに、取得日数の確保など「質の向上」を追求しております。加えて、「事実婚」や「同性婚」を福利厚生の対象とする制度改定など、個々の価値観を尊重する環境整備を継続しております。

東宝グループは、これらの取り組みを通じて人材の多様性を競争力の源泉へと昇華させ、新しい時代の価値観に適合した「精鋭多数」の強靭な組織を実現してまいります。

 

2)社内環境の整備に関する方針

当社グループでは、サステナビリティの重要課題1に「誰もが健康でいきいきと活躍できる職場環境をつくります」と設定し、さまざまな取り組みを実施しております。社員が心身ともに健康で、持てる能力を最大限に発揮できる職場環境を実現することが、企業と社員が共に成長するために不可欠と考えております。

また、「中期経営計画 2028」においては、重点ポイントの一つに「人への投資とエンゲージメント向上」を掲げ、「心が動き、心を動かす仕事を通じて幸福を得られる会社へ」という「人材と組織のビジョン」を実現するため、「自らを律し、裁量をもって、安心して活躍できる組織・環境を追求」することを方針としております。

 

  <健康経営>

当社では、従業員を人的資本と捉え、独自の「朗らか健康経営」を推進しております。4年連続の「健康経営優良法人」認定実績を背景に、現在は形式的な外部評価への対応や数値計測よりも、従業員への実効的なケアを持続的に行う方針を強化しており、当連結会計年度は健康経営のテーマに『SUSTAIN』を掲げました。また、受検率が向上しているストレスチェック結果とエンゲージメント調査を統合分析し、各職場にフィードバックすることで、組織課題の可視化と改善に繋げています。

具体的な心身の健康支援として、「心の健康」においては、新たに「心の健康づくり計画 3か年施策」を策定いたしました。一次予防(未然防止)から三次予防(職場復帰支援)までを網羅する体制を構築し、初年度の取り組みとして「メンタルヘルス情報ガイドブック」の公開や、不調時の社内制度の案内、療養から復職までのプロセスの明確化を行いました。一方「体の健康」においては、眼精疲労対策としてのオフィス内「Cマーク」の掲示や、職場での「ながら運動」の推奨、提携スポーツジムの利用促進など、日常的に無理なく継続できるサポートを拡充しております。

このように、心と体の両面から本質的かつ持続可能な健康支援を展開することで、従業員一人ひとりが心身の余裕を持ち、情熱を傾けてエンタテインメントを創り出せる、健康的で朗らかな組織基盤を構築してまいります。

 

 

  <働き方・職場環境の改善>

当社では、全社員が仕事も私生活も楽しむことを目指し、柔軟かつ生産性の高い就労環境の整備を推進しております。有給休暇取得促進施策「ゆうゆうProject 2026」では、有給取得率などの目標数値を設定しました。休暇取得の進捗状況を可視化したWEB上ダッシュボードの導入や、社内コミュニケーションツールを活用した休日・休暇体験記の共有等を通じて、全社を挙げた休みやすい職場文化の醸成に努めております。

また、更年期障害や不妊治療等に対応する「ウェルネス休暇」の運用に加え、ベビーシッター利用支援制度を導入し、多様なライフステージに応じた柔軟な働き方をサポートしております。さらに、「Move&Connect」をコンセプトに、テレワーク制度やコアタイムを設けないフレックスタイム制度を組み合わせるほか、昨年よりシェアオフィスの利用を開始し、従業員一人ひとりが最適な働き方を選択できる環境を整えております。

業務プロセスの見直しにおいては、2026年1月より新設されたIT推進本部を中心にAIの積極的活用や各種デジタルツールの導入を推進し、全社的な業務効率化と生産性向上に取り組んでおります。

 

② 指標及び目標

当社グループは、サステナビリティの重要課題1に「誰もが健康でいきいきと活躍できる職場環境をつくります」と設定しております。この課題や、「中期経営計画 2028」で掲げた「人材と組織のビジョン」を実現するための目標を設定しております。当社においては、多様な人材の獲得・育成からエンゲージメント向上に至る方針を具体的なKPIへと落とし込み、着実な実行とモニタリングを進めております。

なお、当社グループの連結子会社は業種・業態が多岐に渡り、現時点においては当社グループとして統一されたKPIを設定することが困難なため、当該期間では当社のみの指標及び目標としております。将来的には連結子会社を包含した指標や目標を設定できるよう努めてまいります。

 

<人材の確保と育成>

1.人材獲得の促進

当社は、「中期経営計画 2028」において成長を推進し変化に対応する多様な人材の獲得を掲げ、3年間で約200名(新卒・キャリア採用合計)の採用を目標としております。特にコンテンツ、IP、デジタル、海外領域の人材獲得に注力しており、当連結会計年度におきましては、新卒採用21名に加え、外部で高い専門性を培ったキャリア採用98名、合計119名の採用を実施いたしました。今後も多様なバックグラウンドを持つ人材を積極的に迎え入れ、成長を加速させ、変化に柔軟に対応できる強固な組織基盤の確保を進めてまいります。

2.人材育成の拡充

当社は、企画力にあふれる東宝らしい精鋭人材の育成を強化するため、1人あたりの教育研修費を2025年2月期対比で300%増加させる目標を掲げ、さまざまな施策を展開しております。その中核となる、人材と組織のプラットフォームである企業内大学「東宝大学」においては、当連結会計年度に4回の講座を開催し、のべ215名以上の従業員が参加いたしました。各分野のトップランナーの視点や経験に直接触れる機会を提供することで、単なる専門知識の共有にとどまらず、部門の垣根を越えたコミュニケーションの活性化や、グループ理念への深い理解を促す場として機能させております。また、主体的な学習を支援するためのeラーニングシステムの導入など、自律的な学びの環境を整備するとともに、引き続き戦略的人事に注力し、経営人材やマネージャーの早期育成を進めてまいります。

 

<エンゲージメント>

当社では、2021年より従業員エンゲージメント調査を毎月実施しており、職場環境の状況を可視化し、改善に向けたアクションをとるための指標として、そのスコアの推移を重視しております。スコア自体の高低の評価よりも、調査結果に基づいて組織内の対話やコミュニケーションを促進することで、スコアが改善に向かうことを検証することを主目的として活用しております。また、特定の評価項目に着目して、具体的なアクションに注力することで、職場風土・企業文化の改善につなげていくことを目指しています。

さらに当連結会計年度におきましては、本調査を組織の健全性を測る「体温計」として捉え、より実効性の高いアクションへと繋げるための体制強化を図りました。具体的には、2025年4月にシステムをアップグレードし、AIによるスコアの特性診断や分析ヒントの提供機能を導入することで、各組織のマネジメント層がチームの状況を的確に把握し、課題解決に活かしやすい環境を整備いたしました。

 

また、人事部とコーポレートコミュニケーション部が協働する事務局体制を構築し、各部門への個別ヒアリングやスコア分析の伴走支援を行っているほか、エンゲージメント調査とストレスチェック結果のクロス分析を通じたフィードバックを実施するなど、多角的なアプローチで職場環境の改善に取り組んでおります。

今後も、これらのデータ活用を通じた組織内の対話を促進し、持続的な企業価値の向上に資する活力ある組織づくりを推進してまいります。

 

<ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン>

 

「女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画」(2026年3月1日~2031年2月28日まで)

KPI(当社)

1.  管理的地位にあたる労働者に占める女性労働者の割合を30%以上に上昇させる

2.  従業員のひと月あたりの平均残業時間を10時間未満に減少させる

 

当社の女性管理職比率は、これまでの女性活躍推進の取り組みの結果、2026年2月末現在で19.4%(前年同期14.7%)となり、2026年2月末までの計画の目標値であった20%に迫る水準へと着実に向上しております。こうした進捗を踏まえ、新たな行動計画においては目標を30%以上へと引き上げました。柔軟な働き方に関する制度等のハード面が整った現在のフェーズから、今後は女性社員自身のキャリアに対するマインド醸成や、社内外のネットワーク構築といった「ソフト面」の強化を推進し、さらなる女性の管理職登用の機会創出に積極的に取り組んでまいります。

 

「次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画」(2026年3月1日~2028年2月29日まで)

KPI(当社)

1.  男性社員の育児休業等取得率70%以上 且つ 育児関連休暇のみ取得者は3日以上取得する

2.  従業員のひと月あたりの平均残業時間を12時間未満に減少させる

 

当社では、法令を上回る育児関連制度の整備や「出産・育児のガイドブック」の周知等を通じて、男女問わず仕事と育児を両立できる環境づくりに取り組んでおります。当連結会計年度の男性の育児休業等取得率は87.5%(前年同期66.7%)へと大きく改善し、男性の育児参画が着実に定着しつつあります。新たな行動計画では、単なる取得率の維持にとどまらず、一定日数(3日以上)の実質的な取得を促す「質」の向上を目標に掲げました。さらに、育児期にある社員の負担軽減にとどまらず、全社員が能力を発揮し続けられる「持続可能な就労環境」を構築するため、長時間労働の是正を最重要課題と位置づけております。今後も、AIの積極導入などのDX化を通じた業務効率化や、自律的な働き方を推進する新たなルール設定等により、多様な人材が活躍できる働きやすい環境の整備を推進してまいります。

 

<健康経営>

当社では、「朗らか健康経営」推進計画のもと、2025年度の目標達成に向け、「心のケア・働きがい」「生活習慣改善」「健康診断」「働き方」の4項目において目標数値を設定してまいりました。当連結会計年度は本計画の最終フェーズにあたり、これまでの取り組みの成果を検証するとともに、次期計画の策定を見据え、現在、最終年度の実績集計及び組織内に残る課題の抽出・分析を並行して進めております。

 

「朗らか健康経営」推進計画(2025年達成指標と実績)

重点項目

指標(2025年目標)

実績

心のケア・働きがい

① エンゲージメント調査「健康スコア」で全職場のスコア50以上(最高スコア100)

② メンタル不調での1カ月以上の欠勤者0%

① 90/104セクション達成(86.5%)

② 目標未達成

生活習慣改善

・運動習慣で、1日1時間の歩行と同程度の運動を行っている
人の割合 60%

集計中 *1

健康診断

・食生活改善で、血中脂質/BMI異常なしの割合 70%

集計中 *1

働き方

① 1人あたりの時間外勤務:月平均22.2時間以下(2019年比5%減)

② 年次有給休暇取得日数:全員が12日以上

① 23.5時間

② 年平均10.1日

 

*1_従業員数の増加による健康診断の受診形態の変更に伴い、現時点で一部の結果が集計中となっております。

 

 

「心のケア・働きがい」については、エンゲージメント調査の「健康スコア」において、組織規模の拡大に伴い対象が104セクションへ増加したものの、そのうち90セクションにおいて目標を達成いたしました。達成率は86.5%(前年同期80.6%)と順調に推移しております。一方でメンタルヘルス不調者の発生という課題が残っておりますが、これに対しては、産業医との連携を一層強化し、職場環境の個別改善を通じた重点的なケアを講じてまいります。

「働き方」においては、1人あたりの時間外勤務時間が23.5時間(前年同期25.2時間)となり、目標数値(22.2時間)には未達ながらも着実な削減が進んでおります。今後は、DXを活用したさらなる業務プロセスの見直しを加速させ、生産性の向上を図ってまいります。また、年次有給休暇の取得促進については、独自の施策である「ゆうゆうProject」を引き続き強力に推進し、環境整備に努めてまいります。

なお、「生活習慣改善」及び「健康診断」の指標については、現在、実績をシステム集計中であり、その結果を精査した上で次期計画へと反映させる方針です。

今後は、本推進計画を通じて得られた成果と、抽出された課題を現在策定中の次期健康経営の戦略構築へと繋げてまいります。持続的な企業価値向上を支える「人材」への投資を根幹に据え、今後もさらなる健康経営施策の進化を図ってまいります。