2025年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

映像関連事業 興行関連事業 催事関連事業 観光不動産事業 建築内装事業
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
映像関連事業 136,340 73.7 33,655 86.9 24.7
興行関連事業 19,180 10.4 782 2.0 4.1
催事関連事業 11,799 6.4 1,269 3.3 10.8
観光不動産事業 7,666 4.1 2,542 6.6 33.2
建築内装事業 9,916 5.4 496 1.3 5.0

事業内容

3【事業の内容】

 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、子会社31社及び関連会社4社の36社で構成されております。

 映像関連事業は映画事業、ドラマ事業、コンテンツ事業、その他で構成されております。映画事業では劇場用映画の製作配給等及び劇場用映画等のポストプロダクション並びにアーカイブ事業を行い、ドラマ事業ではテレビ映画の製作配給等及びこれらのテレビ映画に登場するキャラクターの商品化権許諾等を行っております。コンテンツ事業では映像版権に関する許諾等、DVD・ブルーレイディスクの製作販売等及び劇場用映画等の輸出入、教育映像の製作配給等を行っております。そのほか、各種映像作品の制作請負、広告代理業、テレビコマーシャルの制作等を行っております。

 興行関連事業では、直営劇場やシネマコンプレックスの経営を行っております。また、催事関連事業では、当社グループの製作した作品に登場するキャラクターショーや文化催事の企画・運営等及び東映太秦映画村の運営を、観光不動産事業では、賃貸施設の賃貸を行うとともにホテルの経営を行っております。

 建築内装事業では、建築工事・室内装飾請負等を、その他事業では、物品の販売等を行っております。

 これらを主な内容とし、当社グループの事業に係わる位置づけは次のとおりであります。

映像関連事業  - 会社総数30社

映画事業     映画の製作のうち劇場用映画は主に当社が製作しておりますが、アニメーション作品については主に連結子会社である東映アニメーション㈱が製作しております。劇場用映画の配給は主に当社が行っております。連結子会社である東映ラボ・テック㈱が、劇場用映画等のポストプロダクション並びにアーカイブ事業を行っております。

ドラマ事業    テレビ映画の製作は当社が行っておりますが、一部の作品については連結子会社である㈱東映テレビ・プロダクションに下請させており、アニメーション作品については連結子会社である東映アニメーション㈱が製作しております。配給先のうちには持分法適用関連会社かつその他の関係会社である㈱テレビ朝日ホールディングスの子会社の㈱テレビ朝日があります。

コンテンツ事業  主に当社及び連結子会社である東映アニメーション㈱が所有するコンテンツの映像版権に関する許諾等を行っております。主に連結子会社である東映ビデオ㈱がDVD・ブルーレイディスクの製作販売等を行っております。劇場用映画等の輸出入は主に当社が行っております。また、教育映像の製作配給等は当社が行っております。

(注)当社は、2024年4月1日を効力発生日として、DVD・ブルーレイディスク販売等のパッケージ事業を会社分割(吸収分割)により東映ビデオ㈱に対し承継しております。

その他      当社撮影所において、各種映像作品の制作請負等を行っております。また、連結子会社である㈱東映エージエンシーが広告代理業を、連結子会社である東映シーエム㈱がテレビコマーシャルの制作を行っております。

興行関連事業  - 会社総数3社

主に連結子会社である㈱ティ・ジョイがシネマコンプレックスの経営を行っております。

催事関連事業  - 会社総数2社

主に当社が事業展開を行っております。また、当社の所有する娯楽施設「東映太秦映画村」を連結子会社である㈱東映京都スタジオが賃借し、その経営を行っております。

観光不動産事業 - 会社総数3社

不動産賃貸業については、主に当社が事業展開を行っております。また、ホテル事業については、当社が経営するホテルの営業に関する業務を連結子会社である㈱東映ホテルチェーンに委託しております。

建築内装事業  - 会社総数1社

連結子会社である㈱東映建工が建築工事・室内装飾請負等を行っております。

その他事業   - 会社総数1社

持分法非適用非連結子会社が物品の販売等を行っております。

 

 なお、上記の事業区分は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報等における事業区分と同一であります。

 

 以上に述べた事業の系統図は次の通りであります。

 

 (注)1 事業系統図においては、企業グループの主要な位置づけ及び取引を記載しております。

2 事業区分別の会社総数のうち、映像関連事業、興行関連事業、催事関連事業及び観光不動産事業には東映㈱が重複しております。

3 事業区分別の会社総数のうち、映像関連事業及び観光不動産事業には連結子会社の東映ラボ・テック㈱が重複しております。

4 映像関連事業の映画事業、ドラマ事業、コンテンツ事業及びその他には、連結子会社の東映アニメーション㈱が重複しております。

5 ㈱テレビ朝日ホールディングスは、持分法適用関連会社かつその他の関係会社であります。また、㈱テレビ朝日ホールディングスの子会社の㈱テレビ朝日にテレビ映画を配給しております。

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、インバウンド需要の拡大や、個人消費持ち直しの動きがみられるようになりましたが、資源価格の高騰や米国の今後の政策動向等への懸念により、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 このような状況下で当社グループは、映像関連事業を中心により一層のコンテンツ事業の強化及び効率的な活用を図り、堅実な営業施策に努めました。

 その結果、売上高は1,799億2千2百万円、営業利益は351億5千5百万円、経常利益は399億9千2百万円となり、また、特別利益として投資有価証券売却益を、特別損失として投資有価証券評価損等を計上いたしまして、親会社株主に帰属する当期純利益は157億2千2百万円となりました。

 

売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

親会社株主に帰属する当期純利益

(百万円)

1株当たり

当期純利益

(円)

当連結会計年度

179,922

35,155

39,992

15,722

253.96

前連結会計年度

171,345

29,342

35,317

13,971

225.68

増減率(%)

5.0

19.8

13.2

12.5

12.5

(注)当社は、2024年4月1日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行っております。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり当期純利益を算定しております。

 

② 財政状態の状況

 当連結会計年度末における財政状態の状況については、次のとおりです。

 

資産合計

(百万円)

負債合計

(百万円)

純資産合計

(百万円)

自己資本比率

(%)

1株当たり

純資産額

(円)

当連結会計年度末

463,639

109,315

354,323

57.1

4,274.51

前連結会計年度末

411,406

95,175

316,230

57.5

3,819.35

増減率(%)

12.7

14.9

12.0

11.9

(注)当社は、2024年4月1日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行っております。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額を算定しております。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、次のとおりです。

 

営業活動による

キャッシュ・フロー

(百万円)

投資活動による

キャッシュ・フロー

(百万円)

財務活動による

キャッシュ・フロー

(百万円)

現金及び現金同等物の期末残高

(百万円)

当連結会計年度

33,646

△17,466

△4,620

88,987

前連結会計年度

22,076

△9,805

△7,542

77,929

増減額(百万円)

11,570

△7,660

2,921

11,058

 

④ 生産、受注及び販売の実績

 当社グループの生産・販売品目は、広範囲かつ多種多様であり、受注生産形態をとるものも少ないため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

 このため、生産、受注及び販売の実績については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①経営成績の分析」における各セグメントごとの経営成績に関連付けて示しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 経営成績の分析

 当連結会計年度におけるセグメント別の経営成績は、次のとおりです。

 

売上高

営業利益

前連結会計

年度

(百万円)

当連結会計

年度

(百万円)

増減率

(%)

前連結会計

年度

(百万円)

当連結会計

年度

(百万円)

増減率

(%)

映像関連事業

125,980

134,024

6.4

26,333

33,655

27.8

興行関連事業

20,174

18,966

△6.0

1,907

782

△59.0

催事関連事業

10,085

11,203

11.1

1,422

1,269

△10.8

観光不動産事業

6,494

6,838

5.3

2,569

2,542

△1.1

建築内装事業

8,610

8,890

3.2

397

496

24.9

全社・消去

△3,288

△3,591

連結計

171,345

179,922

5.0

29,342

35,155

19.8

 

〔映像関連事業〕

 映画事業では、提携製作作品等34本を配給し、このうち、『帰ってきた あぶない刑事』『わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー!ドキドキ♡ゲームの世界で大冒険!』『35年目のラブレター』がヒットし、『推しの子-The Final Act-』『室町無頼』『THE FIRST SLAM DUNK 復活上映』『映画 仮面ライダーガッチャード ザ・フューチャー・デイブレイク/爆上戦隊ブンブンジャー 劇場BOON! プロミス・ザ・サーキット』が好稼働いたしました。ドラマ事業では、『科捜研の女 season24』『特捜9 season7』『相棒 season23』『君とゆきて咲く~新選組青春録~』『仮面ライダーガッチャード』『仮面ライダーガヴ』『爆上戦隊ブンブンジャー』『わんだふるぷりきゅあ!』『新☆暴れん坊将軍』『花のれん』等を製作して作品内容の充実と高視聴率の獲得、受注本数の確保に努め、特撮キャラクターの国内商品化権営業は玩具等に関する消費者の嗜好が多様化するなか、堅調に推移いたしました。コンテンツ事業では、国内においては、新作旧作を含む劇場用映画・テレビ映画等の地上波・BS・CS放映権販売、配信事業者向けの配信権販売及びビデオ化権等の販売を行い、『十一人の賊軍』『推しの子-The Final Act-』『THE FIRST SLAM DUNK』『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』『ワンピース』『ドラゴンボール』シリーズ等の配信権販売が好調に推移したことに加え、配信向け映画である『推しの子』『七夕の国』が売上高に貢献しました。その中でも、『推しの子』は日本におけるAmazonオリジナル作品として配信後の30日間・国内視聴数歴代1位を記録しました。ビデオ化権販売においては『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』が売上高に貢献し、ビデオソフト販売においては『帰ってきた あぶない刑事』が売上高に貢献しました。なお、パッケージ業界全体が縮小傾向にある中、当社のパッケージ事業を連結子会社・東映ビデオ㈱に移管することで経営資源を集約しました。更に、新作旧作を含む劇場用映画・テレビ映画等の海外向け上映権・配信権・商品化権等の販売も行い、『ワンピース』『ドラゴンボール』シリーズ、『仮面ライダー』シリーズ、『スーパー戦隊』シリーズ、『ビーロボカブタック』等が好調に稼働いたしました。その他、撮影所事業では、劇場用映画・テレビ映画等の受注製作、部分請負等を行いました。

 以上により、当セグメントの売上高は1,340億2千4百万円(前年度比6.4%増)、営業利益は336億5千5百万円(前年度比27.8%増)となりました。

 

(注)『推しの子』は全体を、『推しの子-The Final Act-』は「推しの子」部分のみを墨付括弧で囲んだものが正式タイトルです。

 

〔興行関連事業〕

 映画興行業では、連結子会社・㈱ティ・ジョイによるシネマコンプレックス(2024年9月24日に開業した「T・ジョイ エミテラス所沢」含め23サイト230スクリーン。共同経営・共同運営含む)の運営が事業の中心となっており、『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』『キングダム 大将軍の帰還』『ルックバック』『ラストマイル』『はたらく細胞』等の大ヒットが業績を牽引したものの、好調だった前年度に比して反動減となりました。

 以上により、当セグメントの売上高は189億6千6百万円(前年度比6.0%減)、営業利益は7億8千2百万円(前年比59.0%減)となりました。

〔催事関連事業〕

 催事事業では、『王様戦隊キングオージャー ファイナルライブツアー 2024』『わんだふるぷりきゅあ!いっしょにあそぼ♪わんだふるワールド』『仮面ライダーガッチャード ファイナルステージ』や人気キャラクターショー等の各種催事が好調に稼働し、また、映画関連商品及び催事関連商品の販売並びにオンラインストアでの販売、仮面ライダーストア等でのキャラクターグッズの販売が堅調に推移しました。東映太秦映画村においては、リニューアル工事により営業エリアの一部を制限しているものの、季節ごとに開催している「太秦江戸酒場」や和製ハロウィン「怪々YOKAI祭」などの施策により、動員数を維持しました。

 以上により、当セグメントの売上高は112億3百万円(前年度比11.1%増)、営業利益は12億6千9百万円(前年比10.8%減)となりました。

 

〔観光不動産事業〕

 不動産賃貸業では、地方圏における人口減少によって需給バランスが崩れつつある中、全国に所有する「東映プラザ(渋谷・福岡・広島・仙台)」「新宿三丁目イーストビル」等の複合商業施設、マンション等の賃貸運営が堅調に推移いたしました。ホテル業においては、インバウンド需要や団体利用の回復が見られる反面、光熱費等の物価高の影響を受けております。このような状況のなか、価格改定やコスト管理の徹底に努めるなど収益の確保に努めました。

 以上により、当セグメントの売上高は68億3千8百万円(前年度比5.3%増)、営業利益は25億4千2百万円(前年度比1.1%減)となりました。

 

〔建築内装事業〕

 建築内装事業では、建設資材費等の高止まりや労務費の上昇等による影響があり、厳しい経営環境が続きました。このような状況でありますが、従来の顧客の確保及び受注拡大を目指して積極的な営業活動を行い、シネマコンプレックス、老健施設、障がい者支援施設の工事等を手掛けました。

 以上により、当セグメントの売上高は88億9千万円(前年度比3.2%増)、営業利益は4億9千6百万円(前年度比24.9%増)となりました。

 

 当社グループの主幹事業である映像関連事業におきましては、その中核を成す劇場用映画がヒットするか否かの予測が困難であり、その好不調がドラマ事業、コンテンツ事業等の映像関連事業全般に広く影響を及ぼすことから、収益の安定化が命題となっております。そのため、より一層の営業努力に邁進し、業界各社との強力な連携を図り、収益力を見極めた企画の選定に注力する一方で、不動産賃貸業にて保有する賃貸資産の有効活用等に努めることで、安定した収益確保に努めて参ります。

 このような状況のなかで当社グループとしては、映像関連事業を中心に、より一層のコンテンツ事業の強化及び効率的な活用に傾注し、また資産の有効活用に努めるとともに、不採算部門の見直し等により、今後も収益基盤の強化に取り組んでまいります。

 なお、中長期的な経営戦略については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載しております。

 

② 財政状態の分析

〔資産〕

 当連結会計年度末における資産合計は、4,636億3千9百万円となり、前期末に比べ522億3千2百万円増加しました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産が49億4千7百万円、商品及び製品が12億5千4百万円、建物及び構築物が27億3千1百万円、土地が16億3千万円、建設仮勘定が12億3千9百万円、投資有価証券が240億4千5百万円、長期預金が185億円増加し、仕掛品が27億5千6百万円、流動資産のその他が24億2千6百万円減少したことによるものであります。

 

〔負債〕

 負債合計は、1,093億1千5百万円となり、前期末に比べ141億4千万円増加しました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が60億7千5百万円、未払法人税等が22億7千5百万円、繰延税金負債が75億9千5百万円、固定負債のその他が15億5千万円増加し、長期借入金が28億5千1百万円減少したことによるものであります。

 

〔純資産〕

 純資産合計は、3,543億2千3百万円となり、前期末に比べ380億9千2百万円増加しました。これは主に、利益剰余金が139億8千2百万円、その他有価証券評価差額金が127億9千5百万円、非支配株主持分が99億1百万円増加したことによるものであります。

③ キャッシュ・フローの状況の分析

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、営業活動によるキャッシュ・フローが336億4千6百万円増加し、投資活動によるキャッシュ・フローが174億6千6百万円減少し、財務活動によるキャッシュ・フローが46億2千万円減少した結果、889億8千7百万円(前年同期は779億2千9百万円)となりました。

 

〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕

 営業活動により得た資金は、336億4千6百万円(前年同期は220億7千6百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益393億1千2百万円、減価償却費43億3千万円、棚卸資産の増減額15億4千1百万円、その他の流動資産の増減額31億7千5百万円、利息及び配当金の受取額33億7千4百万円の増加と、受取利息及び受取配当金21億2千7百万円、持分法による投資損益35億8千1百万円、売上債権及び契約資産の増減額37億6千万円、法人税等の支払額88億4千2百万円による減少があったことによります。

 

〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕

 投資活動により支出した資金は、174億6千6百万円(前年同期は98億5百万円の減少)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入585億4千5百万円による増加と、定期預金の預入による支出662億8千8百万円、有形固定資産の取得による支出82億7千6百万円による減少があったことによります。

 

〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕

 財務活動により支出した資金は、46億2千万円(前年同期は75億4千2百万円の減少)となりました。これは主に、長期借入れによる収入45億円による増加と、長期借入金の返済による支出12億7千6百万円、配当金の支払額17億3千9百万円、非支配株主への配当金の支払額35億9千7百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出20億4千9百万円による減少があったことによります。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

イ 財務戦略の基本的な考え方

 当社グループは、財務の健全性を保ち、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出すことにより、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備資金を調達することが可能であると考えております。なお、映像製作設備や不動産賃貸設備に対する大型投資案件等については、内部資金に加え、必要に応じて金融機関等からの借入等により資金調達することとしております。

 また、資産の有効活用と収益基盤の強化をはかりつつ、適正な手許資金の水準について検証を実施し、企業価値向上のため、重点施策を中心とした成長投資へ優先的にフリーキャッシュ・フローを配分することを財務戦略としており、これによりROE(自己資本利益率)の向上及び長期安定的な株主還元を実現することが重要であると考えております。

 

ロ 資金調達の方法及び状況

 当社グループは、運転資金及び設備資金、大型投資案件等の資金は、内部資金又は金融機関等からの借入により資金を調達しております。また、財務基盤をより堅固なものとするべく、グループ内の資金の一元管理等を含め、資金調達コストの低減をはかり、グループ全体の有利子負債の削減に努めております。

 なお、当連結会計年度末における金融機関等からの借入金については、次のとおりです。

 

前連結会計年度末

(百万円)

当連結会計年度末

(百万円)

増減額

(百万円)

短期借入金

240

200

△40

1年内返済予定の長期借入金

1,207

7,282

6,075

長期借入金

12,779

9,928

△2,851

合計

14,227

17,410

3,183

 

ハ 資金需要の主な内容

 当社グループは、2023年2月に策定した中長期的な経営戦略『東映グループ中長期VISION「TOEI NEWWAVE 2033」』において成長投資を掲げており、2033年に向けた資金需要の主な内容として、コンテンツ投資2,400億円、事業基盤強化に向けた投資600億円(製作設備関連投資360億円、不動産関連投資240億円)を見込んでおります。

 上記のほか、運転資金需要の主な内容としましては、営業活動に係る資金支出における、劇場用映画やテレビ映画等の製作費、DVD・ブルーレイディスクの製作費、配給収入やコンテンツ事業収入に係る配分金、シネマコンプレックスの運営に関わる地代家賃、劇場用映画等の広告宣伝費、人件費等の販売費及び一般管理費があります。また、投資活動に係る資金支出においては、撮影所やシネマコンプレックス等の設備改修等があります。

 

(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1 報告セグメントの概要

(1)報告セグメントの決定方法

 当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績の評価をするために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

 当社グループは、取り扱うサービスの観点から事業を区分し、各事業部門が包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。

 したがって、当社グループは事業別のセグメントから構成されており、「映像関連事業」、「興行関連事業」、「催事関連事業」、「観光不動産事業」及び「建築内装事業」の5つを報告セグメントとしております。

 

(2)各報告セグメントに属する製品及びサービスの種類

 「映像関連事業」は、劇場用映画及びテレビ映画の製作・配給を行っております。また、これらの作品のDVD・ブルーレイディスクの製作・販売及び作品に登場するキャラクターの商品化権許諾や映像版権に関する許諾等を行っております。「興行関連事業」は、直営劇場やシネマコンプレックスの経営を行っております。「催事関連事業」は、当社グループの製作した作品関連のキャラクターショーや文化催事の企画・運営及び東映太秦映画村の運営を行っております。「観光不動産事業」は、商業施設等の賃貸及びホテルの経営を行っております。「建築内装事業」は、建築工事及び室内装飾請負等を行っております。

 

2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法

 報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一です。報告セグメントの利益は営業利益をベースとした数値であります。セグメント間の内部収益及び振替高は市場実勢価格に基づいております。

 

 

3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

映像関連

事業

興行関連

事業

催事関連

事業

観光

不動産

事業

建築内装

事業

調整額

(注)1

連結

財務諸表

計上額

(注)2

売上高

 

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

125,980

20,174

10,085

6,494

8,610

171,345

171,345

セグメント間の内部売上高又は振替高

3,500

225

791

816

174

5,507

△5,507

129,480

20,399

10,877

7,310

8,784

176,852

△5,507

171,345

セグメント利益

26,333

1,907

1,422

2,569

397

32,631

△3,288

29,342

セグメント資産

272,850

18,163

9,485

51,060

8,872

360,432

50,974

411,406

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費

1,552

720

252

870

6

3,402

263

3,665

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

1,871

1,573

388

1,363

3

5,200

190

5,390

 

(注)1 調整額は以下のとおりであります。

(1)セグメント利益の調整額△3,288百万円には、セグメント間取引消去△121百万円、各報告セグメントに配分していない全社費用△3,167百万円が含まれております。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。

(2)セグメント資産の調整額50,974百万円には、各報告セグメントに配分していない全社資産57,248百万円、セグメント間の債権債務相殺消去額△6,273百万円が含まれております。

※全社資産の主なものは、当社の余資運用資金、長期投資資金及び管理部門に係る資産等であります。

(3)減価償却費の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社資産の減価償却費であります。

(4)有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額は、各報告セグメントに配分していない有形固定資産及び無形固定資産の取得額であります。

2 セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。

 

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

映像関連

事業

興行関連

事業

催事関連

事業

観光

不動産

事業

建築内装

事業

調整額

(注)1

連結

財務諸表

計上額

(注)2

売上高

 

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

134,024

18,966

11,203

6,838

8,890

179,922

179,922

セグメント間の内部売上高又は振替高

2,315

214

596

828

1,025

4,980

△4,980

136,340

19,180

11,799

7,666

9,916

184,903

△4,980

179,922

セグメント利益

33,655

782

1,269

2,542

496

38,746

△3,591

35,155

セグメント資産

306,724

20,921

10,227

54,634

7,470

399,978

63,660

463,639

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費

1,533

899

323

875

8

3,640

690

4,330

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

2,484

2,987

1,646

3,750

22

10,891

110

11,001

 

(注)1 調整額は以下のとおりであります。

(1)セグメント利益の調整額△3,591百万円には、セグメント間取引消去△113百万円、各報告セグメントに配分していない全社費用△3,477百万円が含まれております。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。

(2)セグメント資産の調整額63,660百万円には、各報告セグメントに配分していない全社資産72,073百万円、セグメント間の債権債務相殺消去額△8,413百万円が含まれております。

※全社資産の主なものは、当社の余資運用資金、長期投資資金及び管理部門に係る資産等であります。

(3)減価償却費の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社資産の減価償却費であります。

(4)有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額は、各報告セグメントに配分していない有形固定資産及び無形固定資産の取得額であります。

2 セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

1 製品及びサービスごとの情報

 セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2 地域ごとの情報

(1)売上高

(単位:百万円)

 

日本

アジア

北米

その他

合計

118,820

20,527

19,811

12,186

171,345

(注)1 売上高は放映権、商品化権等の許諾地域を基礎とし、国又は地域に分類しております。

2 「アジア」、「北米」につきましては、一区分として管理しており、各国の外部顧客への売上高を区分することは困難であるため、国ごとの金額は記載しておりません。

 

(2)有形固定資産

 本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3 主要な顧客ごとの情報

(単位:百万円)

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

株式会社バンダイナムコエンターテインメント

18,107

映像関連事業及び催事関連事業

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

1 製品及びサービスごとの情報

 セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2 地域ごとの情報

(1)売上高

(単位:百万円)

 

日本

アジア

北米

その他

合計

115,337

21,758

24,614

18,212

179,922

(注)1 売上高は放映権、商品化権等の許諾地域を基礎とし、国又は地域に分類しております。

2 「アジア」、「北米」につきましては、一区分として管理しており、各国の外部顧客への売上高を区分することは困難であるため、国ごとの金額は記載しておりません。

 

(2)有形固定資産

 本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3 主要な顧客ごとの情報

 外部顧客への売上高のうち、特定の顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の10%に満たないため、主要な顧客ごとの情報の記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

全社・消去

合計

 

映像関連

事業

興行関連

事業

催事関連

事業

観光不動産

事業

建築内装

事業

減損損失

166

58

224

224

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

全社・消去

合計

 

映像関連

事業

興行関連

事業

催事関連

事業

観光不動産

事業

建築内装

事業

減損損失

167

45

213

213

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 該当事項はありません。