2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    3,172名(単体) 6,188名(連結)
  • 平均年齢
    39.6歳(単体)
  • 平均勤続年数
    15.0年(単体)
  • 平均年収
    6,436,000円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

業務&ソリューション

3,184

テクノロジー&ソリューション

1,994

プラットフォーム&サービス

1,010

合計

6,188

 

(注) 従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員数です。

 

(2) 提出会社の状況

2025年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

3,172

39.6

15.0

6,436

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

業務&ソリューション

1,224

テクノロジー&ソリューション

1,116

プラットフォーム&サービス

832

合計

3,172

 

(注) 1 従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員数です。

2 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでいます。なお、年間平均給与は今年度より休業・休職者等を除く正社員のものを記載しています。

 

(3) 労働組合の状況

労使関係については、特に記載すべき事項はありません。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

① 提出会社

 

当事業年度

管理職に占める
女性労働者の
割合(%)
(注)1.

男性労働者の
育児休業
取得率(%)

(注)2.

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.

全労働者

うち正規雇用

労働者

うちパート・
有期労働者

5.0

56.8

80.4

80.0

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。

 

 

② 主要な連結子会社

 

当事業年度

名称

管理職に
占める
女性労働者の
割合(%)
(注)1.

男性労働者の
育児休業
取得率(%)
(注)2.

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.

全労働者

うち正規雇用
労働者

うちパート・
有期労働者

株式会社九州DTS

5.9

100.0

86.0

88.3

59.1

日本SE株式会社

12.8

0.0

88.2

87.3

85.4

株式会社DTS WEST

4.3

0.0

81.9

79.7

184.7

デジタルテクノロジー株式会社

13.2

100.0

87.8

84.4

238.9

株式会社DTSインサイト

1.8

75.0

78.0

76.5

105.9

株式会社アヴァンザ

4.5

100.0

78.2

77.8

株式会社東北システムズ・サポート

21.0

100.0

86.1

89.2

77.0

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方および取り組みは、次のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) サステナビリティ経営

 企業が対応しなければならない社会課題やニーズが複雑化・多様化する中で、当社グループは、この大きな変化の局面をさらなる成長の機会と捉え、長期的な視点を持ったサステナビリティ経営を推進していきます。

 

① ガバナンス

 当社グループは、サステナビリティを重要な経営課題と位置付けています。代表取締役社長のもとにサステナビリティ委員会を設置・運営し、サステナビリティ経営に関する議論、戦略策定およびモニタリング等を実施しています。

 また、当社の取締役会は、サステナビリティ経営の監督機関として機能しており、その進捗状況について定期的に報告されています。

 

② 戦略

 ステークホルダーからの期待等、サステナビリティを取り巻く外部環境の変化を踏まえ、国際的なガイドラインであるGRIスタンダードで提示された特定プロセスにのっとりマテリアリティを特定しました。

 事業セグメント、コーポレート部門や従業員からの意見をふまえ、52の社会課題を抽出。当社グループへの影響度およびステークホルダーへの影響度を評価の上、マテリアリティ・マトリクスを作成し、8つのマテリアリティと16のサブ・マテリアリティを特定しました。

 

取り組み方針

マテリアリティ

サブ・マテリアリティ

共有価値の創造

ITによる豊かな未来の創出

① DXによるビジネスプロセス変革を実現する

・ソリューションやサービスを活用したDXの早期実現

・AIやIoTを活用したソリューションの高度化

・業務のデジタル化による働き方改革

・リアル空間とサイバー空間の融合に対応した官民データ連携

② 社会のITインフラを支える

・金融サービスの安全・安心な利用、その他の社会システムの安定稼働への貢献

③ 安全・安心なIT環境を作る

・サイバー攻撃の増加・深刻化への対応

経済

サステナブルな社会を支える企業の成長

④ 地域の雇用を創出し、地域を活性化させる

・地域経済の活性化による都市と地域の格差縮小

・人口減少地域の雇用創出

環境

事業活動における環境への負荷を低減し、未来に向けた地球環境を保全

⑤ 2030年にカーボンニュートラルを実現する

・再生可能エネルギーの調達によるCO2排出の抑制

・省エネルギーの推進

社会

働きがいのある職場や健全なガバナンスにより、社会的責任を遂行

⑥ 人権を尊重・配慮した労働環境を確保する

・社員満足度の向上による社員の成長促進

・いきいきと働ける職場環境と社員の健康増進

・心理的安全性の確保による労働生産性の向上

⑦ 多様な人材の活躍機会を創出する

・ダイバーシティの実現による組織の活性化

・プロフェッショナル人材・DX人材の育成と活躍機会創出

⑧ 不正・汚職を防止する

・贈収賄を含む腐敗防止の徹底

 

 

③ リスク管理

 サステナビリティリスクとして、「気候変動と持続可能性」、「企業の社会的責任」を事業に関わるリスクの1つとしてリスクマネジメント委員会で統括管理しています。

 

④ 指標と目標

 当社グループは、2025年度から始まる中期経営計画において、マテリアリティ達成にむけた進捗状況をモニタリングするための指標及び目標を設定し、取り組みを推進しています。

 

(2) 気候変動

① ガバナンス

 当社グループは、コーポレート統括責任者をトップマネジメントとする環境マネジメントシステムを構築しています。2022年にESG推進部(現サステナビリティ推進部)を新設し、グループ全体の気候変動への対応や徹底した環境負荷削減の取り組みを推進しています。

 気候変動への対応やカーボンニュートラル実現にむけた進捗状況については、定期的に取締役会、サステナビリティ委員会に報告されています。

 

② 戦略

 気候関連のリスク・機会が当社グループの事業、戦略、財務等に及ぼす影響を把握するため、TCFD提言に沿った気候変動シナリオ分析を行いました。

産業革命前からの気温上昇を1.5℃未満に抑える世界と、このまま化石燃料に依存し気温上昇が4℃を越える世界の2つのシナリオを想定しました。

<1.5℃シナリオ>

低炭素、脱炭素に対する社会的気運がより一層高まる1.5℃の世界では、炭素税などの新たな規制導入によるコスト増加や、投資家等からの気候変動に関する情報開示要請に対して、当社グループの対応に遅れが生じたり、不透明な情報開示を行ったりする場合に企業評価が低下するリスクを想定しました。

一方で、当社グループが気候変動への対応が十分に出来た場合、顧客のサステナビリティ調達における優位性が得られ、業績によい影響をもたらすと想定しました。

<4℃シナリオ>

大型台風や集中豪雨などの自然災害が激甚化、頻発化するとされる4℃の世界では、当社グループの事業拠点への浸水被害等により生産活動が一時的に停止するリスクがあります。このリスクに対して企業の事業継続計画(BCP)の観点で災害対策としてのクラウド導入のニーズがあり、今後もクラウド関連ビジネスの拡大が期待されます。

 

③ リスク管理

 TCFDシナリオ分析に基づき、2030年における気候関連リスク・機会による事業への影響を評価し、気候関連リスクへの対応を進め、機会実現を図っています。当社グループの特定した気候関連リスク・機会およびその財務影響、対応については以下のとおりです。

 

シナリオ

分類

内容

(影響を受ける期間)

2030年の財務影響(推計)

当社の対応

1.5℃

リスク

(移行・規制)

炭素税導入に伴うコスト増加

(中期)

販管費 

+27百万円

・再生可能エネルギーの調達(電力契約の切替、環境価値証書の活用)によるGHG排出量削減

・LED照明など設備更改によるオフィスの省電力化

リスク

(移行・評判)

投資家等からの気候変動関連の情報開示要請に対応出来ないことによる評価の低下

(中期)

株式時価総額

▲17.3億円

・気候変動への対応、情報開示を積極的に行うため、専任組織およびサステナビリティ委員会を設置

・投資家との対話促進

機会

(移行・市場)

当社の気候変動への対応が十分に出来た場合、顧客のサステナビリティ調達における優位性が得られ、売上が増加

(中期)

売上高

+2~4億円

・顧客との対話を十分に行い、気候変動に関連する要請に対応

4℃

リスク

(物理・急性)

大型台風や集中豪雨などの自然災害が頻発し、浸水などにより事業活動が停止

(短期)

売上高

▲16.8億円

・災害時におけるシステム環境維持や初動対応を迅速に行うための対策、訓練の実施

・社員のリモートワーク環境の確立

機会

(製品・サービス)

増加する激甚災害への対策として需要が高まるクラウド関連ビジネスの拡大

(中期)

売上高

+26.2億円

・BCPに貢献する業務に合わせたサービスの提案力を高め顧客ニーズに応える

・人材投資により、クラウド関連技術者やクラウド高度化に備えた人材を育成

 

 

④ 指標と目標

 当社グループは、「Vision2030」のもと、2030年にScope1、Scope2排出量ネットゼロとする目標を設定し、また、Scope3排出量においても基準年度(2021年度)比50%削減することを目指しています。

 

GHG排出量

2030年目標

2050年目標

Scope1+Scope2

ネットゼロ

ネットゼロ

Scope3

50%削減(2021年度比)

ネットゼロ

 

 

目標達成に向け、Scope1の電化、再生可能エネルギーの調達、消費電力の削減、サプライチェーンの排出削減に段階的に取り組む計画です。

 

(3) 人的資本

<DTSの人材戦略>

 当社グループでは、「Vision2030」で掲げる「期待を超える価値を提供するためにチャレンジし続ける企業へ」の実現に向け、社員一人ひとりが常に変化を楽しみながら、さまざまなことに挑戦していくことを目指しています。

 人材は当社グループにおける最重要資本であり、社員の成長が企業価値の源泉であるとの認識のもと、3つの人材戦略に取り組んでいます。

① 人材獲得・育成

② 働き方改革・健康経営

③ 社員エンゲージメント

 

① 人材獲得・育成

・新卒採用

新卒採用では、事業の拡大による会社の安定成長に貢献する人材の確保を目的に、全国各地からさまざまな経歴の選考希望者を広く募り、DX人材の獲得を強化しています。

採用活動においては、当社の魅力を伝えるため、若手社員から管理職に至るまで、人事部だけでなく現場社員を含めた全社員が一丸となって選考や面談、イベント等に力を入れています。

また、多様なバックグラウンドを持つ留学生や留学経験者に対しては、グローバル人材としての採用も推進しています。

 

・キャリア採用

「Vision2030」で目指す事業成長の加速に向け、採用広報(人材紹介、求人媒体、ダイレクトスカウト)、社員紹介、元社員の再雇用など、採用経路の多様化を図り、各事業領域において必要な人材として、現場を支える技術者や高度プロフェッショナル人材の獲得を推進しています。

特に、高度プロフェッショナル人材はフォーカスビジネス領域における市場価値が高いことから、キャリア採用において競争力のある(通常の給与テーブルの枠を超えた)給与体系によるジョブ型(ジョブ・ディスクリプションベース)の人事制度を2022年4月に導入し、採用の強化を図っています。

 

・人材開発

社員の継続的な成長と技術者としてのレベルアップのため、グループ会社の株式会社MIRUCAを通じて、グループ横断で豊富なラインナップの研修を実施しています。当社グループ社員共通の研修、新入社員、中堅社員、幹部社員等の各階層向けの研修、社員一人ひとりのキャリアパスに応じた専門性に関する研修など、研修体系を整備したうえで社員に公開し、社員の成長を支えています。

また、デジタル技術などの最新の技術情報に触れられる、いつでもどこでも受講が可能なオンデマンド型の動画研修等も取り入れ、社員がタイムリーかつ自律的に能力を高めることが可能な環境も提供しています。

さらに、自己研鑽により資格試験に合格した社員には、社内表彰による副賞金を支給するなど、社員のチャレンジを促進しています。

 

・プロフェッショナル認定制度

社員が自分のキャリアプランに従い、自律的に得意分野の伸長・専門性の向上に取り組み、挑戦し、高い成果をあげ、その実績を会社が認めて処遇し、次の成長・活躍ステージを提供するプロフェッショナル認定制度を導入しています。事業環境に合わせた多様な職種を定義し、社員の自らの意思・挑戦に基づくキャリア形成を促進しています。

 

・チャレンジする多様な人材づくり

既存SIのビジネスモデルをトータルSIに進化させ、新規ソリューションやサービスを創出し、事業領域を拡大していくには、果敢にリスクテイクし、新しいことにチャレンジできる人材が必要不可欠であり、「常に変化を楽しむ」ことができる人材が活躍する文化・風土づくりが重要な課題です。

失敗を恐れず将来の成長に向けた新たな技術やソリューションの創出に挑戦する人材が活躍できる環境を整え、高難易度の仕事や新規性などへのチャレンジを重視する評価制度を導入しています。また、従来の労働集約型ビジネスモデルを前提とした仕組みから知識集約型ビジネスモデルへの高度化を進めています。

これらの施策を通じて、社員一人ひとりの行動変容や積極的なチャレンジを促す企業風土への変革を目指していきます。

 

・女性活躍推進

当社は、女性活躍推進に関する優良な取り組み実績が認められ、厚生労働省が推進する「えるぼし」の2段階目の認定を2019年10月に取得しました。当社は、えるぼし認定の5つの評価項目のうち、「1.採用」「2.継続就業」「3.労働時間等の働き方」「5.多様なキャリアコース」の4つが評価されました。

中期経営計画において、女性取締役比率および女性管理職比率の達成目標を掲げるとともに、女性活躍推進法に基づく行動計画においては、そのマイルストーンとして、女性社員比率の向上、女性管理職候補および女性管理職の育成を目標に女性活躍を推進しています。なお、女性取締役比率については2025年3月31日時点で20%と2025年3月期目標である10.0%以上を達成しています。女性管理職比率については2025年4月1日までに6.0%以上とする目標に対し、2025年4月1日時点で5.6%となっています。なお、2025年3月31日時点では5.0%でした。

 

②働き方改革・健康経営

・出産・育児・介護・治療等と仕事の両立支援

当社は、育児と仕事の両立に関する「育児関連制度のより利用しやすい制度・仕組みへの改善」、「早期復職および子育て中のキャリアアップに関する支援」等の優良な取り組み実績が認められ、厚生労働省が推進する「くるみん認定」を2022年11月に取得しました。

2025年3月期は、男性社員の育児休業の利用促進に取り組み、男女の育児休業取得社員の座談会を開催し、その内容を社内ポータルサイトを通じて発信するなど、男女の育児休業取得率の格差解消に向け育児と仕事の両立を支援しています。

また、育児・介護と仕事の両立のために休業や短時間勤務などの制度を整備するとともに、社内研修による取得のための社内手続きの教育や、対象者への個別案内を行っています。

治療が必要な社員には、業務によって疾病を悪化させないよう、適切な配慮を行うため、関係者との調整、事業場における環境整備、社員への個別支援、社内相談窓口の設置を行い、一人ひとりに寄り添って柔軟に対応しています。休職者に対しては、産業医等の助言を基に復職支援プログラムを策定し、職場復帰を支援しています。

 

・健康経営の推進

当社グループは、行動規範の1つである「人権の尊重・働き甲斐のある職場づくり」に基づき、すべての社員が心身ともに健康で活き活きと働き、その能力を発揮することにより、個人も会社も成長し続けることを目指しています。

当社は、2018年11月に社会に対して「健康企業宣言」を行い、健康増進活動の促進に取り組み始めました。この結果、2020年9月に健康優良企業認定(金の認定)を取得、その後も更新を続けています。また、2025年3月には「健康経営優良法人(ホワイト500)2025」に4年連続の認定を取得しました。

 

③社員エンゲージメント

・働きがいのある職場づくり

社員一人ひとりの意欲を高め、組織としての力につなげていくことを目指し、社員エンゲージメントサーベイを実施しています。この結果は経営戦略・人材戦略を推進するための重要な経営データとして活用し、取締役会への報告や社内ポータルサイトの掲載を通じた情報開示、人事施策の企画・立案、各職場における改善活動などの取り組み等に活用しています。

 

・社員還元

当社にとって、人材は貴重な財産であり、長期展望「Vision2030」および中期経営計画においても、人材投資を成長投資の1つとして掲げています。処遇改善等の社員還元も人材投資の一部と位置づけています。

中期経営計画においては、3か年連続して基本給をアップし、特別賞与を支給しています。さらに会社との一体感とともに、自らの会社であるとのオーナーシップ意識を醸成することを目的に、社員に対する長期インセンティブの1つとして、2024年3月期から社員向け譲渡制限付株式交付制度を導入し、2025年3月期も交付を実施しています。

今後も継続的な賃金の引き上げを通じて会社収益の適正な社員還元に取り組んでいきます。