リスク
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 気候変動や自然災害に対するリスク
温室効果ガスの大量排出による気候変動に伴い、建設事業や建物ライフサイクルへの政府の規制強化や、サステナブルな調達に対する要請の高まり等への対応が遅れた場合、売上高の減少、工事採算の悪化等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当該リスクには、再生可能エネルギー電力の使用やZEB(Net Zero Energy Building)の推進をはじめ3つの提供価値(「脱炭素」「廃棄物ゼロ」「防災・減災」)を軸とした長期経営計画を推進することとしております。また、気候変動に伴い激甚化する風水害や、地震、津波等により当社グループの従業員や保有資産が被災するリスクに対して、BCP(事業継続計画)に基づいた訓練計画を行う等、BCM(事業継続マネジメント)にも取り組んでおります。
(2) 金利上昇による資金調達コスト上昇
事業活動推進に必要となる金融機関からの資金調達において、金利上昇による資金調達コストの上昇が要因となり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当該リスクには、資金調達方法を多様化させ、短期社債の発行やグリーンローン借入など、低コストでの資金調達を実施することにより対応しております。
(3) 建設市場の動向
景気変動による国内建設市場の縮小、資材・労務価格等の急激な変動が発生した場合、売上高の減少、工事採算の悪化等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当該リスクには、市場の縮小に対してはイノベーションによる新たな事業領域の拡大、資材・労務価格等の急激な変動に対しては先行調達や代替工法の提案等により対応しております。
(4) 建設産業の構造変化に関するリスク
技能労働者不足による供給力の低下等に伴う、建設産業の構造変化への対応が遅れた場合、売上高の減少等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当該リスクには、協力会社との連携を強化しつつ、建設現場におけるICTの活用等DXによる建設生産システムの変革、生産性の向上により対応しております。
(5) 従業員の確保に関するリスク
労働人口の減少や働き方の多様化、産業間の人材獲得競争が進む中、従業員への処遇改善や、ダイバーシティ&インクルージョンへの対応が遅れることにより、従業員の確保が困難となり人員不足に陥ることが想定されます。また、それに伴う売上高の減少等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当該リスクには、人材育成の強化により従業員一人ひとりの能力をさらに高め、従業員エンゲージメントの向上によりその能力を最大限発揮するとともに、人事制度改革や働き方改革、さらにはダイバーシティ&インクルージョンを推進することで、当社の魅力を高めることにより対応しております。
(6) 施工瑕疵や品質不良
設計、施工における不具合等によりその補修等に多大な費用を要するような重大な瑕疵、品質不良が発生した場合、補修費用の発生による工事採算の悪化や顧客からの信頼喪失による受注機会の減少等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当該リスクには、土木・建築各事業本部との組織連携や、品質管理の活動強化を図り、PDCAサイクルを実践する等、当社が定める品質方針に基づき対応しております。
なお、品質問題の発生および重大化を防ぐため、経営者まで速やかに情報共有される体制の整備や内部通報制度の拡大、施工部門における品質管理の再構築、技量向上を目的とした作業所技術員への人材投資の強化、組織風土の改革といった事項にも取り組んでおります。
(7) 重大な事故・災害
第三者や多数の死傷者を伴う重大な事故・災害の発生及び社会的に影響の大きい工事等における事故が発生した場合、社会からの信頼を喪失し受注機会の減少等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当該リスクには、経営トップの関与をより高めた安全管理体制等、当社が定める安全方針に基づき対応しております。
(8) サイバーリスク
サイバー攻撃などによる機密情報の流出や社内システムの機能障害が発生した場合、顧客や社会からの信頼喪失、事業活動の停滞等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当該リスクには、情報セキュリティ基本方針に基づき、情報漏洩等の問題に対する物理的・人的・ITなどの各側面からの情報セキュリティ対策、e-ラーニングを用いた従業員教育の推進等により対応しております。
(9) 国際事業の展開に伴うリスク
国際事業を展開する上で、海外諸国の政治・経済情勢、為替や法的規制等、事業環境に著しい変化が生じた場合、売上高の減少等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当該リスクには、本社機能を含むガバナンスを充実させリスクマネジメントを強化することにより対応しております。
配当政策
3 【配当政策】
当期の配当につきましては、自己資本配当率(DOE)4.0%以上を目標とした配当を実施するとの基本方針に則り、1株当たり年間配当37円(自己資本配当率(DOE)4.0%)を実施することといたしました。
次期以降の利益配分につきましては、当社は、「長期経営計画 “To zero, from zero.”」に基づき、資本効率の重要性を認識するとともに、短期的な利益のボラティリティにも左右されにくい安定的かつ継続的な株主の皆様への利益還元を重視し、中長期的な業績目標であるROE10%以上と配当性向40%以上とが均衡した自己資本配当率(DOE)4.0%以上を目標とした配当を実施することを基本方針としております。また、自己株式の取得については、機動的に実施を検討することとしております。中間配当につきましては、中間期の業績及び年度の業績見通しを踏まえて実施することといたします。配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会としております。なお、当社は取締役会の決議によって、中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
次期の配当につきましては、この基本方針及び業績予想等を総合的に勘案し、1株当たり中間配当19円、期末配当19円とし、年間配当38円を予定しております。
※自己資本配当率(DOE)=当該事業年度に基準日が属する普通株式に係る1株当たり個別配当金
/1株当たり連結自己資本(期首・期末の平均値)×100(%)
基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。