人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数11,163名(単体) 21,286名(連結)
-
平均年齢43.7歳(単体)
-
平均勤続年数16.0年(単体)
-
平均年収10,116,000円(単体)
従業員の状況
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
|
(2025年3月31日現在) |
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
当社建設事業 |
9,557 |
(247) |
|
当社投資開発事業 |
105 |
(1) |
|
道路舗装事業 |
2,827 |
(534) |
|
その他 |
8,797 |
(1,347) |
|
合計 |
21,286 |
(2,129) |
(注) 従業員数は、( )内に内書きで記載した期末の契約社員数を含む合計人数を記載しております。
なお、契約社員数には再雇用社員数、嘱託社員数を含めて記載しております。
(2) 提出会社の状況
|
|
|
(2025年3月31日現在) |
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(千円) |
11,163 |
43.7 |
16.0 |
10,116 |
(329) |
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
当社建設事業 |
9,557 |
(247) |
|
当社投資開発事業 |
105 |
(1) |
|
その他 |
1,501 |
(81) |
|
合計 |
11,163 |
(329) |
(注)1 従業員数は、( )内に内書きで記載した期末の契約社員数を含む合計人数を記載しております。
なお、契約社員数には再雇用社員数、嘱託社員数を含めて記載しております。
2 平均年齢、平均勤続年数、平均年間給与は、契約社員329人を除く従業員10,834人の状況を記載しており
ます。
3 平均年間給与は、期末手当及び諸手当を含んでおります。
(3) 労働組合の状況
特記事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
①提出会社
当事業年度 |
||||
管理職に占める女性労働者の割合(%)(注1、2) |
男性労働者の育児休業取得率(%)(注3) |
労働者の男女の賃金の差異(%)(注1、4) |
||
全労働者 |
うち 正規雇用労働者 |
うち 有期労働者 |
||
4.9 |
89.3 |
63.6 |
63.5 |
63.1 |
(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2 「管理職に占める女性労働者の割合」については、男女別の雇用人数などによるものであり、適用する登用要件に男女の差異はありません。
3 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
4 「労働者の男女の賃金の差異」については、職種や等級別の人員構成などによるものであり、適用する給与体系に男女の差異はありません。
②連結子会社
当事業年度 |
|||||
名称 |
管理職に占める 女性労働者の割合(%)(注1、2) |
男性労働者の 育児休業取得率 (%)(注3) |
労働者の男女の賃金の差異(%)(注1、4) |
||
全労働者 |
うち 正規雇用労働者 |
うち 有期労働者 |
|||
日本道路㈱ |
1.2 |
36.4 |
55.5 |
54.3 |
58.0 |
㈱シミズ・ビルライフケア |
3.4 |
62.5 |
76.7 |
76.8 |
58.6 |
日本ファブテック㈱ |
6.7 |
18.2 |
79.8 |
79.4 |
63.5 |
㈱ミルックス |
9.8 |
50.0 |
65.8 |
72.3 |
48.7 |
清水総合開発㈱ |
3.3 |
100.0 |
73.8 |
72.4 |
89.4 |
㈱ピーディーシステム |
17.1 |
-(対象者なし) |
74.0 |
72.6 |
60.2 |
丸彦渡辺建設㈱ |
5.3 |
28.6 |
75.4 |
77.7 |
47.0 |
第一設備工業㈱ |
3.4 |
0.0 |
73.7 |
71.3 |
66.5 |
㈱エスシー・マシーナリ |
13.8 |
0.0 |
- |
- |
- |
㈱トータルオフィスパートナー |
46.5 |
- |
- |
- |
- |
日本建設㈱ |
1.4 |
- |
- |
- |
- |
㈱ダイヤビルサービス |
12.0 |
- |
- |
- |
- |
(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2 「管理職に占める女性労働者の割合」については、男女別の雇用人数などによるものであり、適用する登用要件に男女の差異はありません。
3 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
4 「労働者の男女の賃金の差異」については、職種や等級別の人員構成などによるものであり、適用する給与体系に男女の差異はありません。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社は「論語と算盤」を社是とし、その考え方を基に、「真摯な姿勢と絶えざる革新志向により 社会の期待を超える価値を創造し 持続可能な未来づくりに貢献する」ことを、経営理念として定め、サステナビリティを強く意識し、事業活動を行っております。
2024年5月に策定した中期経営計画〈2024‐2026〉では、企業の社会的責任と事業機会の探究を両立し、環境・社会・経済の全てにおいて持続可能性を実現するサステナビリティ経営の推進を掲げております。
(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理
当社では、社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置し、当社グループのサステナビリティに関する方針と重点施策並びにサステナビリティに関する情報開示の審議・決定を行っております。なお、気候変動や人権等に関わるリスク情報などの重要事項については、サステナビリティ委員会から取締役会に報告を行い、監督する体制を構築しております。併せて、社長を委員長とする「リスク管理委員会」にてリスク情報の共有を行っております。
<サステナビリティ推進に関するガバナンス体制図>
(注)体制図は2025年3月31日時点のもの
(2)マテリアリティの特定
当社は、SDGsをはじめとするさまざまな社会課題や当社の社是、経営理念、長期ビジョン等を勘案し、「社会への影響度」と「自社にとっての影響度」の2つの側面から重要度を検討のうえマテリアリティ(重要課題)を特定し、サステナビリティを強く意識した事業活動を推進しております。
<当社のマテリアリティ(7つのカテゴリーに分類して整理)>
「マテリアリティ」の詳細については、下記URLよりご参照ください。
https://www.shimz.co.jp/company/csr/materiality/
(3)環境に関する取組み
グループ環境ビジョン「SHIMZ Beyond Zero 2050」において、当社グループが目指す持続可能な社会を「脱炭素社会」「資源循環社会」「自然共生社会」と定めております。2050年までに自社活動が環境に与える負の影響をゼロにするだけでなく、お客様や社会にプラスの環境価値を提供し、SDGsが目指す持続可能な社会の実現に貢献していきます。
<SHIMZ Beyond Zero 2050>
「SHIMZ Beyond Zero 2050」の詳細については、下記URLよりご参照ください。
https://www.shimz.co.jp/beyondzero/
①気候変動(TCFD※提言に基づく気候関連財務情報開示)
当社グループは、気候変動による事業への影響を重要な経営課題と捉え、TCFD提言に基づく、気候関連のガバナンス体制を整え、リスクと機会を分析のうえ、戦略の立案及びリスク管理を行い、指標と目標を定めて取り組んでおります。2020年からTCFD提言に沿った気候関連の財務情報を開示するとともに、毎年更新しております。
※TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures(気候関連財務情報開示タスクフォース)
a.ガバナンス
長期ビジョン「SHIMZ VISION 2030」と「中期経営計画〈2024‐2026〉」において、気候変動を含む環境問題を経営に重要な影響を与える課題の一つと位置付けております。
「(1) サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理」で示すサステナビリティガバナンス体制に基づき、気候関連の方針、重点施策及び情報開示内容は、サステナビリティ委員会で審議を行い、そのうち重要事項は取締役会に報告され、監督する体制を構築しております。また、本委員会での審議に基づく施策等は、全社及びグループ会社に伝達され、主要サプライヤーも含めた環境に関するガバナンス体系を構築しております。
b.戦略
当社グループの事業に影響を与える気候関連のリスクと機会は、脱炭素社会の構築に必要な政策や規制の強化及び市場の変化等の「移行」に関するものと、地球温暖化による急性的・慢性的な「物理的変化」が考えられます。2024年度は、これまで採用していたシナリオの一部追加を行うとともに、分析結果及び最新の国内外情勢等も踏まえ、事業への影響度、影響時期及び当社の対応の一部見直しを行いました。
<主な変更点>
・採用シナリオ
移行シナリオ :産業革命前から今世紀末の気温上昇を2℃を十分に下回る水準に抑えるシナリオ(IEA-SDS)に加え、同気温上昇を1.5℃未満に抑えるシナリオ(IEA-NZE2050)を追加
物理的シナリオ:同気温上昇が4℃を超えるシナリオ(RCP8.5)(変更なし)
・移行リスク
要因:脱炭素社会に向けた各種規制の強化
国土交通省を中心にCO₂の情報開示制度化が議論されていることを踏まえ、影響度と影響時期を変更
影響度:「中」→「大」、影響時期:「中期~長期」→「中期」
要因:炭素価格付(カーボンプライシング)の導入
GX-ETS制度や炭素賦課金制度の進捗を踏まえ、影響時期を変更
影響時期:「中期~長期」→「短期~中期」
・移行機会
要因:省エネルギービルのニーズ拡大
国土交通省を中心にCO₂の情報開示制度化が議論されていること、特に建築物のライフサイクルカーボン算定・評価の制度化に向けた検討状況が推進されていることを踏まえ、影響時期を変更
影響時期:「中期」→「短期~中期」
・物理的リスク
要因:気象災害の頻発・激甚化
気候変動対策への政治的二極化、気候変動が一層進行する可能性を踏まえ、影響度を変更
影響度:「中」→「大」
<気候関連の主な機会とリスクのうち、当社グループの事業に与える影響度が「大」となる要因と対応>
|
|
要因 |
事業への影響 |
影響 時期※1 |
当社の主な対応(抜粋) |
移行 |
リスク |
脱炭素社会に向けた各種規制の強化 |
・高環境負荷に対する新築ビル規制が導入され、新築ビル建設コストが上昇し、需要が減少する。一方でリニューアル等の需要が増加するため、それに対応する組織体制が必要となる。 |
中期 |
・施設運用サービスを担当するBSP事業を組織 ・リニューアル営業を強化 ・ビルマネジメントの人材育成(グループ会社の技術研修センターを活用) ・コストパフォーマンスを考慮した高い環境性能ビルを提供 |
機会 |
省エネルギービルのニーズ拡大 |
・ZEBの新規案件や省エネルギーリニューアル案件の需要が増加する。 |
短期 ~中期 |
・ZEBの設計施工を推進 ・サステナブル・リノベーションの実績を基に、既存施設のバリューアップを推進 |
|
再生可能エネルギーのニーズ拡大 |
・再生可能エネルギー関連の事業が拡大する。 ・再生可能エネルギー施設建設の需要が増加する。 |
短期 ~中期 |
・太陽光、風力、バイオマス、地熱、小水力等の再生可能エネルギー事業を推進 ・電力小売り事業による低炭素電力の供給 ・大型洋上風力発電施設建設のため、自社保有SEP船「BLUE WIND※2」を活用 ・大型陸上風車建設用タワークレーンの開発・稼働 |
||
物理的 |
リスク |
夏季の平均気温上昇 |
・技能労働者不足の課題が、屋外労働環境の悪化により、さらに深刻化する。 ・屋外での作業者を中心に、熱中症等の健康被害が増加する。 |
中期 |
・ロボット、ICT、AI等を活用し、現場の省人化と生産性の向上を推進 ・働き方改革や熱中症対策など、労働環境を改善 |
気象災害の頻発・激甚化 |
・サプライヤーの被災により、資材や労務等の調達が困難になる。 ・現場の操業が困難になる他、第三者被害を与えるリスクも高まる。 |
短期 ~中期 |
・グループ会社や協力会社を中心に、サプライヤーとの連携を強化 ・施工時の仮設計画で、第三者を含む防災対策を検討 |
||
機会 |
国土強靭化政策の強化 |
・洪水や暴風雨対策のためのインフラ建設やメンテナンス、建物リニューアル工事が増加する。 |
短期 ~中期 |
・インフラ整備事業の受注活動強化 ・災害が多発した場合の復興需要への対応に向けた機動的な体制づくり |
※1 短期:3年以内、中期:3年超~10年以内、長期:10年超と設定
※2 洋上風力発電施設の建設工事において、世界最大級の搭載能力及びクレーン能力を備えた当社保有の自航式SEP船
c.リスク管理
当社グループは、全社的なリスク管理体制及び管理プロセスを通じて、「気候変動リスク」を主なリスクの一つとして捉えたうえで、グループ環境ビジョン「SHIMZ Beyond Zero 2050」の下、気候変動をはじめとする環境に関連する事業リスクの最小化と、機会の最大化を目指しております。
サステナビリティ委員会において、気候関連のリスクについて審議され、重要事項は取締役会に報告、リスク対応の施策等は、全社及びグループ会社に伝達されております。また、本委員会では、地球温暖化に対するリスク管理の一環として、事業によるCO₂排出量の削減目標を設定し、目標を達成するための具体的な施策(建設作業所における使用エネルギーの軽油から電力へのシフト、再生可能エネルギー由来電力の使用拡大等)を決定するとともに、CO₂排出量の定期的監視を実施しております。
これらのリスク管理を通じて、今後、多様化・広域化・激甚化する気候変動に関するリスクに対処していきます。
d.指標と目標
当社グループでは、気候関連のリスクが経営に及ぼす影響を評価・管理するため、CO₂総排出量を指標とし、SBT※に基づいた中長期のCO₂削減目標(SBTイニシアティブから認証を取得)を設定しております。現在の目標がWB2.0℃目標(2℃を十分に下回る水準)に基づいたものであるため、現在、1.5℃目標に基づき見直すとともに、SBTの再認証取得手続きを行っております。
※SBT:Science Based Targets(科学的根拠に基づく目標)。世界の平均気温の上昇を「1.5℃未満」に抑えるための、企業の科学的な知見と整合した温室効果ガスの排出量削減目標
<CO₂削減目標と実績(国内外連結)> (単位:t-CO₂)
対象Scope |
基準排出量 |
排出量実績 |
目標年排出量 |
||
2023年度 |
2024年度実績 |
2024年度 |
2035年度 |
2050年度 |
|
Scope1※1 + Scope2※2 |
325,340 |
算定中 |
310,328 (△4%) |
127,696 (△61%) |
0※5 (△100%) |
Scope3※3 (Category1+11※4) |
9,451,379 |
算定中 |
- |
5,818,505 (△38%) |
0※5 (△100%) |
※1 重機等の燃料使用に伴う排出(直接排出)
※2 購入した電力・熱の使用に伴う排出(電力会社等による間接排出)
※3 サプライチェーンにおけるその他の間接排出
※4 Category1(購入した製品・サービス)建設資材の製造工場等でのCO₂排出量
Category11(販売した製品の使用)施工したビルの運用時CO₂排出量
※5 SBT目標は△90%。残余排出量はCDR(Carbon Dioxide Removal:二酸化炭素除去)技術等で相殺予定
「TCFD提言に基づく気候関連の情報開示」の詳細については、下記URLよりご参照ください。
https://www.shimz.co.jp/company/csr/environment/tcfd/
②自然関連課題(TNFD※提言に基づく自然関連財務情報開示)
当社グループは、気候変動と同様に、自然関連の事業への影響を重要な経営課題と捉え、TNFD提言に基づく自然関連のガバナンス体制を整え、リスクと機会を分析のうえ、戦略の立案及びリスク管理を行い、指標と目標を定めて取り組んでおります。2024年からTNFD提言に沿った自然関連の財務情報を開示するとともに毎年更新しております。
※TNFD:Taskforce on Nature-related Financial Disclosures(自然関連財務情報開示タスクフォース)
a.ガバナンス
長期ビジョン「SHIMZ VISION 2030」と「中期経営計画<2024-2026>」において、気候変動が事業に与える影響と同様に自然関連の影響が経営に重要な影響を与える課題の一つと位置付けております。
「(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理」で示すサステナビリティガバナンス体制に基づき、自然関連の方針、重点施策及び情報開示内容は、サステナビリティ委員会で審議を行い、そのうち重要事項は取締役会に報告され、監督する体制を構築しております。また、本委員会での審議に基づく施策等は、全社及びグループ会社に伝達され、主要サプライヤーも含めた環境に関するガバナンス体系を構築しております。
b.戦略
建設事業、不動産開発事業、洋上風力の施工などを担うエンジニアリング事業及び太陽光発電事業の4事業におけるバリューチェーン上の自然への依存及び影響について、TNFDが推奨するENCORE※12024更新版を使用して分析を行いました。その結果、「バリューチェーン上流における木材への依存と影響」を4事業全てで確認しました。ENCORE2024更新版では「建設工事による土地利用の変化に起因する陸域生態系への影響」は低く評価されることとなりましたが、建設事業を担う企業として、陸域生態系への影響を低減し、ネイチャーポジティブ実現に貢献できるよう当社の対応を継続しております。また、シナリオ分析を用いたリスクと機会の評価については、2024年度に実施した分析結果に対し、IPBES※2「ネクサス評価報告書」に掲載されている6種類のシナリオ群の活用や、TCFDでのシナリオ分析の見直しを反映して更新を行っております。こうしたリスクと機会の定期的な評価や管理により、当社グループのレジリエンス向上を図っております。
木材への依存・影響については、持続可能なコンクリート型枠利用の戦略の下、協力会社へのアンケート調査や勉強会の実施に加え、国産材を中心とする代替材のトライアルを現場で実施するなど、移行に向けた本格的な準備を進めて、建材における気候変動・自然再興・資源循環の統合的解決に向けた取組みをリードする重点施策としております。
また、陸域生態系への影響に対しては、「自然KY※3」を社内ウェブアプリとすることで、誰もが利用可能な状態としております。ミティゲーションヒエラルキー(回避、低減、再生、オフセット)の考えに基づく営業段階からの取組みは実施率を管理値として推進中であります。自然KYを起点とし、重要な自然の毀損を回避するリスク管理や、自然再生の機会を発見することで、グリーンインフラの活用等による自然再興に貢献することを目指します。
※1 ENCORE:Exploring Nature Capital Opportunities, Risks and Exposure(セクター別の自然資本への依存と影響を評価するツール)
※2 IPBES :Intergovernmental Science-Policy Platform on Biodiversity and Ecosystem Services(生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム)
※3 自然KY :ある土地における自然の状態を周辺の植生自然度などを基に評価する自社開発技術
<自然関連の主な機会とリスクのうち、当社グループの事業に与える影響度が「大」となる事象と対応>
|
事象 |
R:リスク O:機会 |
影響 時期※1 |
当社の対応 |
|
上流 |
トレーサビリティや環境認証への要求 |
O |
新技術による優位性の確保 |
短期 ~中期 |
・リサイクル、新建材の技術開発 |
建設資材の入手困難・不安定化(災害、資源枯渇) |
O |
サプライチェーンの再構築・強化、新技術による優位性の確保 |
短期 ~中期 |
・サプライヤーとの関係構築(CSR調達アンケート) ・リサイクル、新建材の技術開発 |
|
直接操業 |
土地改変への強い規制や土地利用の抜本的な見直し |
R |
新規建設需要の減少 |
長期 |
・新たな建設領域への投資(「BLUE WIND」など) ・土地利用高度化に対応する技術力向上 |
下流 |
総量規制を含む再資源化への強い要請 |
R |
設計段階からの強い制約 |
長期 |
・「新Kanたす※2」による副産物管理 ・設計施工から建物解体撤去を見据えた4R活動の徹底 |
O |
解体技術が施工能力に直結 |
長期 |
・リサイクルルートの開拓、積極採用 |
※1 短期:3年以内、中期:3年超~10年以内、長期:10年超と設定
※2 当社が開発した建設副産物総合管理システム
c.リスク管理
上流段階の原材料調達では、調達先企業に「シミズグループCSR調達ガイドライン」に基づいたアンケート調査を実施することで、状況の把握と働きかけを行っております。
直接操業における取組みでは、「自然KY」を活用し周辺の自然度が高い建設現場を網羅的に把握しております。その中で一定の事業規模以上である「建設所」を「優先地域」として特定し、自然環境に関する配慮の状況や事故等の有無を個別にヒアリングしております。
下流段階にあたる建設施設の運営及び解体については、建設副産物の管理システム「新Kanたす」を軸に、法令遵守と建設副産物のより一層の発生抑制と再資源化に取り組んでいきます。
d.指標と目標
自然への依存と影響に関する指標と目標は以下のとおりです。
<自然への依存と影響に関する指標と目標>
自然の変化の要因 |
指標 |
測定項目 |
実績 |
目標 |
陸・淡水・海洋の 利用の変化 |
総空間フットプリント |
工事範囲の面積 |
工事範囲の集計 |
- |
陸・淡水・海洋の利用変化の範囲 |
工事による土地利用変化範囲の面積 |
工事による土地利用変化範囲の集計 |
- |
|
資源の利用 |
陸・淡水・海洋から調達する高リスク天然一次産品の量 |
木材 |
型枠合板の種別内訳 |
2030年、外国産合板(非認証材)ゼロ |
「TNFD提言に基づく自然関連財務情報開示」の詳細については、下記URLよりご参照ください。
https://www.shimz.co.jp/company/csr/environment/tnfd/
(4)人財育成・社内環境整備に関する取組み
当社グループでは、サステナビリティ経営の実現に向けて人財や社内環境の観点から課題を整理し、マテリアリティに定める「働きがいと魅力あふれる職場づくり」「挑戦し共創する多様な人財の育成」「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(以下、「DE&I」という。)及び「人権の尊重」並びに社是「論語と算盤」を基本とした「倫理意識の涵養」を主要テーマとして、人財育成及び社内環境整備に取り組んでおります。
①ガバナンス及びリスク管理
「働きがいと魅力あふれる職場づくり」「DE&I」及び「人権の尊重」についてはサステナビリティ委員会を、「挑戦し共創する多様な人財の育成」については人財開発委員会を、また「倫理意識の涵養」については企業倫理委員会を、それぞれ所管委員会とし、重要な戦略や方針の審議及び重要施策のモニタリングを実施する体制を構築しております。
また、各主要テーマに関するリスクについては、所管の各委員会において、対応策、再発防止策などの処置を講じております。さらに、当社グループの事業遂行上、重大な脅威となりうる事象については、上記に加えて、社長を委員長とするリスク管理委員会においてモニタリングするとともに、取締役会に報告するリスク管理体制を整えております。
②戦略並びに指標と目標
各主要テーマに基づき、以下の人財や社内環境に関する施策を推進しております。
a.働きがいと魅力あふれる職場づくり
当社は、個人の行動変容や職場内・組織間の連携強化による生産性の向上を通じて、企業価値(業績)の創出を行うべく、「働きがい」の継続的な向上に取り組んでおります。当社が目指す姿について従業員の理解を深め、ベクトルを合わせるために「働きがいと魅力あふれる職場づくり」に向けたグランドデザインを策定し、パルスサーベイやエンゲージメント調査を活用した課題の見える化を行うとともに、1on1ミーティングや職場内対話会といった対話施策による意識・行動変革を進めております。
<「働きがいと魅力あふれる職場づくり」に向けたグランドデザイン>
中期経営計画〈2024‐2026〉では、個人の働きがいに加え、職場内・組織間の連携強化にも着目した「エンゲージメントスコア」を新たな管理指標として設定し、全従業員を対象としたエンゲージメント調査を通じて定量的に把握しております。
2026年度までに4.0の達成という高い目標を継続して掲げ、全社一体となって組織風土改革に取り組んだ結果、2024年度の結果は3.6となりました。
<主な取組み>
・働きがいやエンゲージメント等の定量的な把握を目的とした各種サーベイの実施(2018年10月~)
・部下の成長支援や成果創出を促す1on1ミーティングの実施(2022年10月~)
・職場の信頼関係を高め、個人やチームとしての成長を促す職場内対話会の実施(2024年10月~)
<エンゲージメントスコアの状況>
|
2026年度目標 |
2024年度実績 |
エンゲージメントスコア |
4.0以上 |
3.6 |
また、従業員の健康増進に向けて、全社的な推進体制を整備し、必要な施策を継続的に実行しております。
<主な取組み>
・勤務時間中の喫煙禁止と本社の喫煙所の廃止(2021年10月~)
・多様な相談窓口の設置、各拠点への常勤産業保健スタッフの配置などメンタルヘルスの向上をサポートする体制の強化(2022年4月~)
・職場環境改善に向けたフォローの強化(職場巡回、希望者との面談など)(2022年4月~)
・食事・睡眠の質向上に向けた施策の全社展開(2022年10月~)
・自身の健康診断結果等を閲覧できるシステムの導入(2025年3月~)
・健康理解(月経、更年期、不妊治療等)の向上を目的とした社内教育(eラーニング)の実施(2025年3月~)
b.挑戦し共創する多様な人財の育成
当社は、デジタル化・グローバル化といったダイナミックな環境変化に迅速に対応し、変化をビジネスチャンスとして企業の持続的成長に繋げるためには、自律性とチャレンジ精神が重要と考え、優秀な人財の確保・育成に向けて、人財管理の仕組みづくりや計画的かつ継続的な人財投資を行っております。加えて、グローバルに通用し、改革を率先するリーダー人財の育成の場を拡充するとともに、チャレンジする機会を創出し、事業家マインドを持った人財の育成と活用を進めております。
2023年には、イノベーションと人財育成の拠点「温故創新の森 NOVARE」を開設しました。当該施設を活用して、多様なパートナーとの共創、建設事業の枠を超えた活動を実践し、レジリエント・インクルーシブ・サステナブルな社会の実現に向け、50年先・100年先を見据えて、当社と社会の発展に貢献できる人財の育成を目指します。
また、中期経営計画〈2024‐2026〉で掲げる建設事業における技術・品質の追求、収益力向上に向け、挑戦し共創する多様な人財を育成するべく、DXコア人財の育成と建設基幹資格取得率を新たな管理指標として掲げ、デジタル技術とデータを俯瞰的に活かせる人財の増強を図るとともに、当社の事業継続に必要な基幹資格の取得支援に取り組んでおります。
<主な取組み>
・内定期間も含めた新入社員への一級建築士取得支援施策の導入(2020年10月~)
・従業員の起業を支援するコーポレートベンチャリング制度の開始(2022年5月~)
・公募留学制度の開始(2022年5月~)
・公募職務に対して希望者が自ら手を挙げるジョブチャレンジ制度の開始(2022年11月~)
・手上げ式研修(公募型ビジネススキル研修)の実施(2023年7月~)
・シミズ・デジタル・アカデミー「DXコア人財育成プログラム」の開講(2024年10月~)
<建設基幹資格取得率の状況>
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2026年度目標 |
2024年度実績 |
建設基幹資格取得率 |
80%以上維持 |
81.6% |
<DXコア人財の育成の状況>
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2026年度目標 |
2024年度実績 |
DXコア人財の育成 |
120名育成 ・全部門配置 |
47名 |
c.DE&I、人権の尊重
当社は、性別・国籍・障がいの有無といった外面的な多様性のみならず、個々の専門性や価値観、キャリアなど内面的な多様性を尊重することで、自由な発想や新しい挑戦をより一層促進しながら、誰もがいきいきと能力を発揮できる風土の醸成を目指しております。
2024年度はLGBTQ+に関する取組みを実践している企業を顕彰するPRIDE指標において、最高評価であるゴールドを受賞しました。
また、中期経営計画〈2024-2026〉では、女性管理職比率と障がい者雇用率を管理指標として設定し、更なるDE&Iの推進に取り組むことで、企業文化を含む、企業変革を計画的に進めていきます。
<主な取組み>
・障がいのある従業員の活躍推進と全従業員の意識啓発を目的とした「チャレンジフォーラム」の開催(2018年~)
・人権デュー・ディリジェンスの取組み(2019年~)
・LGBTQ+理解促進施策の実施(2019年~)
・改正育児・介護休業法の施行に先駆けた男性版産休制度「パタニティ休業制度」の導入(2021年10月~)
・自身又は配偶者の妊娠がわかった段階で上職者と休業前後の働き方等のすり合わせを行い、対象者が安心して休めることを目的とした「育児とキャリアの面談」の導入(2021年10月~)
・多様な人財確保のための通年採用の実施(2022年4月~)
・社内のジェンダーギャップ解消を目的とした「シン・ダイバーシティ」活動の展開(2022年5月~)
・不妊治療支援金制度の導入(2023年11月~)
<女性管理職比率の状況(2025年3月末時点)>
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2026年度目標 (2030年度目標) |
2024年度実績 |
女性管理職比率 |
6%以上 (10%以上) |
4.9%※ |
※2025年4月1日時点の比率は5.6%であります。
<障がい者雇用率の状況(2025年3月末時点)>
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2026年度目標 |
2024年度実績 |
障がい者雇用率 |
2.7%以上 |
2.5% |