2024年3月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)公共事業の発注減少

当社グループの土木事業において、公共事業への依存度が高く、予想以上に公共事業の削減が行われた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)競争の激化

当社グループが属する建設業界において、市場の縮小や受注競争の激化が生じた場合には、受注機会の逸失、工事採算の悪化等により業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)海外展開に伴うカントリーリスク

当社グループは、アジア・アフリカを中心に様々な地域で事業を展開しているため、これらの国の政治・経済情勢の急激な変化、大幅な法規制の予期せぬ変更等が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)取引先の信用不安

景気の減速や建設市場の縮小等により、発注者、協力業者、共同施工会社等の取引先が信用不安に陥った場合には、工事代金の回収不能や工事遅延等の事態が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)労務費及び資材価格の変動

請負金額に転嫁することが困難になるほど労務費及び原材料価格が高騰した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)工事災害の発生

労働災害等を未然に防ぐ様々な安全対策の徹底を図っておりますが、重大事故や人身事故が発生した場合、その復旧に多大な費用負担や工事遅延が生じ、当社グループの業績や工事成績等の企業評価に影響を及ぼす可能性があります。また、指名停止等による受注機会の逸失も想定されます。

 

(7)契約不適合責任及び製造物責任

品質管理には万全を期しておりますが、契約不適合責任及び製造物責任に起因する多額の損害賠償が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)法的規制等

当社グループが属する建設業界において、建設業法、建築基準法、宅地建物取引業法、国土利用計画法、都市計画法、労働安全衛生法、独占禁止法等により法的規制を受けております。当社グループにおいて違法な行為があった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、これらの法規の改廃や新たな規制等が行われた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)訴訟等

国内外の事業等に関連しての訴訟、紛争、その他法的手続きに係る判決、和解、決定等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。とりわけ、独占禁止法違反から派生する指名停止等により、受注機会が減少する可能性があります。

 

(10)人財の確保

当社グループが属する建設業界においては、人財の確保が課題となっています。当社グループは、業務の効率化・IT化を進めておりますが、2024年4月から建設業界に時間外労働の上限規制が適用されることもあり、継続的に必要な人財を確保できない場合には、事業規模の縮小を余儀なくされ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

(11)金利の変動

当社グループの土木事業における工事の大型化・長期化に伴い、工事代金の回収期間が長期化しているため借入金が増加しています。そのため、経済環境等の変化により借入金の金利が予想以上に高騰した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)保有資産の価格及び収益性の変動

予想を超える経済的な変動により当社の保有資産の価格の時価が著しく下落した場合、又は収益性が著しく低下した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)大規模災害の発生

事業に関し大規模災害が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、大震災又は自然災害等の発生により、経営機能や事業拠点が莫大な損傷を受けた場合、若しくは事業領域における経済活動が停滞等した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)感染症の蔓延

新たな感染症が蔓延した場合、従業員等の感染による事業停止等、円滑な事業推進が困難になる可能性に加え、建築事業の主な発注者である民間事業者の事業計画が縮小又は変更となる可能性があります。その場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)情報セキュリティ

当社グループは、事業活動の多くをITシステムに依存しており、停電、災害、ソフトウェアや機器の欠陥、サイバー攻撃等によって、事業活動の混乱、機密情報の喪失、個人情報の漏洩、詐欺被害等が発生する可能性があります。このようなリスクが顕在化した場合には、事業の中断、損害賠償請求や情報セキュリティ対策費用の増加等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

配当政策

3【配当政策】

当社は株主に対する配当政策を最重要課題の一つとして位置づけており、健全な経営基盤を維持するため、内部留保を確保しつつ、継続的かつ安定的な配当を実施していくことを基本方針としております。また、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本にしており、これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については配当政策の機動的な遂行を対応可能とするため取締役会としております。なお、当社グループは2022年度を開始年度とする「中期経営計画2022(2022年度~2024年度)」を策定しており、計画期間においての配当性向については、単年度で40%以上を目指すこととしております。

当期の配当金につきましては、「中期経営計画2022(2022年度~2024年度)」の株主還元策及び当期業績の利益増加等を総合的に勘案し、期末配当金は普通株式1株当たり27円の期末配当を実施することを決定いたしました。これにより、すでに実施いたしました中間配当金17円と合わせた年間配当金は普通株式1株当たり44円の配当金となっております。

また、内部留保につきましては、企業価値の最大化へ向け、PC(プレストレストコンクリート)技術を応用した新工法・新技術の開発、工場の再構築、情報関連投資等に活用して、経営基盤の強化を図るとともに、当社グループの今後の事業展開及び企業競争力の強化に努めていく所存であります。

当社は、会社法第454条第5項に規定する取締役会の決議により、毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。

なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。

決議年月日

株式の種類

配当金の総額

(百万円)

1株当たり配当額

(円)

2023年11月9日

普通株式

805

17.0

取締役会

2024年6月21日

普通株式

1,279

27.0

定時株主総会決議