2026年1月期有価証券報告書より
  • 社員数
    52名(単体) 5,375名(連結)
  • 平均年齢
    40.8歳(単体)
  • 平均勤続年数
    11.2年(単体)
  • 平均年収
    8,482,299円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2026年1月20日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

国内飲料事業

3,514

(82)

海外飲料事業

1,147

(-)

医薬品関連事業

355

(11)

食品事業

295

(241)

希少疾病用医薬品事業

12

(-)

全社(共通)

52

(-)

合計

5,375

(334)

 (注)1.従業員数は就業員数であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.全社(共通)として記載されている従業員数は、持株会社である当社の従業員数であります。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

2026年1月20日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

52

40.8

11.2

8,482,299

 

セグメントの名称

従業員数(名)

全社(共通)

52

合計

52

 (注)平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(3) 労働組合の状況

当社グループには、主にダイドードリンコ株式会社及び一部の連結子会社が一体となったダイドー労働組合及びダイドー管理職労働組合が組織されております。2026年1月20日現在の組合員数は合計2,273名で、上部団体はありません。

なお、労使関係は円滑に推移しております。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

①提出会社

「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)(以下、「女性活躍推進法」という。)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)(以下、「育児介護休業法」という。)における公表義務がないことから、提出会社の管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休暇取得率及び労働者の男女の賃金の差異について、記載しておりません。

 

②連結子会社

当事業年度

名 称

管理職に占める女性 

労働者の割合(%) 

(注)1

男性労働者の 

育児休業取得率(%) 

(注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1

全労働者

正規雇用 

労働者

パート・ 

有期労働者

ダイドードリンコ㈱

10.1

60.0

79.7

74.9

53.7

ダイドーアサヒベンディング㈱

0.3

26.5

67.8

71.3

66.6

大同薬品工業㈱

2.9

16.7

78.6

81.1

90.1

㈱たらみ

28.0

83.3

59.7

83.0

74.0

(注)1.女性活躍推進法の規定に基づき算出したものであります。

2.育児介護休業法の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.当社連結子会社であるダイドービバレッジサービス株式会社は、2025年1月21日付で当社の連結子会社であるアサヒ飲料販売株式会社を吸収合併し、ダイドーアサヒベンディング株式会社へ商号変更いたしました。

 

③主要子会社の合計

当事業年度

管理職に占める女性労働者の割合(%)

男性労働者の育児休業取得率(%)

労働者の男女の賃金の差異(%)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

14.4

57.6

73.3

77.8

68.1

(注)ダイドードリンコ㈱、大同薬品工業㈱、㈱たらみ、ダイドーファーマ㈱を主要子会社とし、4社を合計して算出しております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)サステナビリティ

① ガバナンス

 当社グループは、事業を通じて社会的課題の解決に貢献すべくサステナビリティ課題への取り組みを強化し、持続的成長の実現と中長期的な企業価値向上をめざしています。当社グループのサステナビリティ経営全体の方針の検討及び承認、全社的なサステナビリティプログラムの決定及び改善指示等を行うことにより、当社グループのコーポレートブランドの価値向上を図ることを目的として、「グループサステナビリティ委員会」を年2回開催するほか、必要に応じて都度開催することとしています。取締役会は、「グループサステナビリティ委員会」において検討・協議された内容について報告を受け、監督を行う体制としています。なお、代表取締役社長は、当社グループのサステナビリティ経営における最高責任者として、「グループサステナビリティ委員会」の委員長の職務を担っています。

 

 

◇2025年度サステナビリティ委員会・リスク管理委員会の開催状況

会議体名称

開催回数

主な内容

グループサステナビリティ委員会

2

サステナビリティ戦略の進捗確認、気候変動・人的資本等の非財務課題に関する取り組み状況の報告および審議

グループリスク管理委員会

2

全社重要リスクの特定・管理状況の報告および審議

 

② 戦略

 当社グループでは、「グループミッション2030」を実現するために、重要な経営課題として8つのマテリアリティを特定しています。また、グループサステナビリティ委員会において各マテリアリティの進捗状況を評価し、PDCAサイクルを回すことで、マテリアリティに基づく各施策を推進しています。

 

◇マテリアリティの進捗状況

2025年12月に開催したグループサステナビリティ委員会における、各マテリアリティの進捗状況に関する評価は以下の通りです。

マテリアリティ

評価

現状と課題

自販機ビジネスの進化による社会的価値の創造

△

・スマート・オペレーション体制の確立は順調に進んでいるものの、オペレーション生産性のさらなる向上に向けた継続的な改善が課題

・自販機を通した新たな価値創造に向け「Toyota Woven City(トヨタ・ウーブン・シティ)」にて、空間に調和する新しい自動販売機「HAKU」の1号機を設置し、次世代自販機ビジネスの創出に着手

・「ベビー用 紙おむつ自販機」が「フェーズフリー認証(※)商品」に選定

こころとからだにおいしい商品の提供

〇

・飲料・食品を通じた健康価値創出力を高めるための基盤として、「ダイドーグループ未来共創研究所」を設置し、オープンイノベーション型の研究開発活動を推進

・サプリメント通販チャネルでは、「腹部の脂肪」「血糖値」「コレステロール」の機能を持った機能性表示食品のコーヒーとして、日本初の商品「スマートブラック」を上市

・海外飲料事業では、現地水ブランド「Saka」の輸出拡大や日本発健康飲料の販売に着手

・医薬品関連事業や食品事業では、新規カテゴリーへの参入や健康価値の創出、価値提供などが重大な課題と認識

社会的意義の高い医療用医薬品の提供

〇

・2024年に製造販売承認の取得、2025年に日本国内で販売を開始したランバート・イートン筋無力症候群の筋力低下の改善を適応症としたファダプス®の疾患啓発並びに製品の適正使用に係る情報提供を適切に実施

・本製品による治療を選択する患者数が順調に進捗

脱炭素社会・循環型社会への貢献

△

・計画通りのCO₂排出量削減が進んでいないため目標達成に向けた方針の見直しが課題

・国内飲料事業では、一部の事業所で再生可能エネルギー由来の電力の使用が決定

・海外飲料事業では、製造工場の屋根に設置した太陽光パネルの稼働開始や一部商品に軽量化ボトルグラスを採用し環境に配慮した生産体制を推進

・食品事業では、製造工場の屋根に太陽光パネルの設置が決定するなど製造における無駄なエネルギーの削減を継続実施

DX推進とIT基盤の構築

〇

・2023年9月に経済産業省が推進するDX認定制度の「DX認定事業者」に認定

・2024年10月に関西デジタル・マンス実行委員会主催「KANSAI DX AWARD 2024」において金賞(大企業部門)を受賞

・DX推進活動では業務改善・プロセス改善により、月間908時間もの時間創出に成功

品質の追求による安全・安心の提供

〇

・グループ全体での品質管理強化に向け、グループ各社の品質管理担当者が参加する「品質向上連携会」を継続実施

・ファブレス経営の国内飲料事業では、委託先工場との連携による安全・安心の実現に向け、定期的な監査や啓発活動を実施

・医薬品関連事業と食品事業では、品質向上かつ生産性向上に向けた最新機器の導入を推進

・海外飲料事業において、製造体制の強化に向けた新ラインの稼働が開始

・食品事業において、外部倉庫の拡大に向けた在庫管理体制、配送ルートの構築およびシステムによる管理の効率化を推進

 

 

マテリアリティ

評価

現状と課題

従業員のワークライフシナジーの実現/ダイバーシティの推進

〇

・国内飲料事業において「えるぼし認定」の3つ星を取得

・国内飲料事業におけるすべての部門の人財要件を専用ポータルサイトに公開し、社内公募の応募者数が増加

・DE&Iや人権における管理職向け研修を強化

・海外飲料事業では、年齢、性別、国籍、宗教などに依存しない能力に応じた公平な評価を継続実施

コーポレートガバナンスの強化

○

・グループ理念、グループミッション2030と事業セグメントごとに策定した「ありたい姿」の浸透に向けた、持株会社の代表取締役社長による海外子会社の訪問および従業員との対話を実施

・職務権限規程をはじめとする関連規程の再整備を完了し、グループガバナンスの体制を強化

(※)フェーズフリー認証とは、商品やサービスが日常時も非常時も価値を持つことを一般社団法人フェーズフリー協会が認証し、認証されることで「フェーズフリー認証マーク」が使用できるようになる仕組み

 

なお、マテリアリティの特定プロセスに関する詳細は、当社ウェブサイトをご覧ください。

https://holdings.dydo.co.jp/corporate/materiality/

 

③リスク管理

 当社グループでは、グループ全体を対象とした事業等のリスクの分析のほか、TCFDに基づくシナリオ分析を実施しています。詳細については、「第2 事業の状況」の「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)環境」および「3 事業等のリスク」をご参照ください。

 

(2)環境

(2-1)脱炭素・循環型社会

 当社グループは、環境に関するマテリアリティとして「脱炭素社会・循環型社会への貢献」を掲げ、2022年1月に、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)による提言への賛同を表明するとともに、グループとしてのCO2排出削減目標を設定しています。TCFD提言では、「ガバナンス」「リスク管理」「戦略」「指標と目標」の4つの項目に基づいて開示することを推奨しています。当社グループのTCFDのフレームワークに基づく気候関連情報は、以下の通りです。

 

①ガバナンス

  前記「 (1)サステナビリティ ①ガバナンス」に記載の通りです。

 

②リスク管理

ⅰ.気候関連リスクの特定・評価プロセス

 当社グループは、TCFDが提唱するフレームワークに則り、シナリオ分析の手法を用いて2050年時点における外部環境の変化を予測し、気候変動が事業に与えるリスクや機会についての分析を実施しました。2024年1月期には、国内飲料事業、医薬品関連事業及び食品事業に加え、海外飲料事業に関するシナリオ分析を実施したほか、当社グループのビジネスにおいて、最も影響度の高い国内飲料事業における財務インパクトを試算しています。シナリオ分析においては、2025年度に見直しを行っています。

 

ⅱ.気候関連リスクの管理プロセス及びグループリスク管理との統合状況

 事業の持続的成長を実現するためには、環境や社会の変化を適切に把握し、事業におけるリスクの低減と機会の最大化に取り組む必要があるものと認識しています。当社グループは、リスクマネジメントとサステナビリティ経営の推進の進捗管理(サステナビリティプログラム)を連動させるべく、代表取締役社長を委員長とする「グループリスク管理委員会」「グループサステナビリティ委員会」を設置し、両委員会を中心としたそれぞれの取り組みを連動させながらマネジメントを行っています。

 気候関連リスクは中長期的に顕在化する可能性を有することから、短期のみならず、中長期の時間軸で低炭素社会への移行に伴うリスク及び気候変動の顕在化に伴う物理的リスクを評価する体制を構築すべく取り組みを進めています。

 

 

③戦略

ⅰ.当社グループの気候関連のリスクと機会の概要と事業及び財務への影響

 シナリオ分析に基づく気候関連リスク・機会の評価結果は、以下の通りです。

 

(移行リスク)注釈のない記載については、中核事業である国内飲料事業を対象としています。

↑:非常に大きな影響  ↗:やや大きな影響  →:軽微な影響  □:算定済み(非開示)  △:算定検討中

 

リスク/機会項目

考察

事業

インパクト

財務インパクト

現時点で実施している対応策

中分類

小分類

リスク

/機会

2030

2050

1.5℃

4℃

1.5℃

4℃

1.5℃

4℃

政策・

規制

カーボンプライシング

リスク

炭素税導入に伴う、自販機オペレーションコスト、自販機調達にかかるコスト、配送費の増加

↑

↗

約1.5

億円

―

約4億円

―

・スマート・オペレーションの推進

・EV・FCEVトラックの導入

・ダイドー・シブサワ・グループロジスティクス株式会社による配送の最適化

・自販機の長寿命化:2030年までに15年

リスク

炭素税導入に伴う、自販機設置先の電気代負担によるコスト増、自販機引上げリスク

↑

↗

□

□

―

―

・省エネ自販機の展開

・自販機ビジネスのカーボンニュートラルの検討

リスク

水使用量・消費量の削減規制により、各種飲料の生産量が減少

※海外飲料事業

↑

↗

△

△

―

―

・トルコ国外での水源および製造拠点の確保

リスク

炭素税の導入により、原材料コスト、包材コスト、エネルギーコスト、物流費など、製造に関連する全般的な費用が高騰

※医薬品関連事業・食品事業

↑

↗

△

△

―

―

・省エネに向けた改善活動及び再生可能エネルギーの導入検討

・調達先の分散などの検討

機会

炭素税導入に伴う、カーボンニュートラルに対応した自販機のニーズの上昇

↑

↗

□

□

―

―

・計画的な新品自販機の展開

・自販機ビジネスのカーボンニュートラルの検討

市場

需要の

変化

リスク

廃棄処理時に排出するCO2への炭素税導入に伴う、廃棄に関わる処理費用(商品・自販機)の増加

↑

↗

□

□

―

―

・容器のリデュース

・ラベルを極小化した商品展開

・自販機の長寿命化:2030年までに15年

リスク

消費者や自販機設置先から、環境負荷が高い商品や販売チャネルが選ばれなくなる

↑

↗

□

□

―

―

・自販機ビジネスのカーボンニュートラルの検討

・環境配慮型商品の開発

・「みんなの LOVE the EARTH PROJECT※」の推進

機会

消費者や自販機設置先から、環境負荷が低い商品や販売チャネルが選ばれるようになる

↑

↗

□

□

―

―

※従業員一人ひとりが事業活動のみならず、自身の日常生活においても環境配慮を意識した行動を促進する取り組み

(物理的リスク)注釈のない記載については、中核事業である国内飲料事業を対象としています。

リスク/機会項目

考察

事業

インパクト

財務インパクト

現時点で実施している対応策

中分類

小分類

リスク

/機会

2030

2050

1.5℃

4℃

1.5℃

4℃

1.5℃

4℃

慢性

平均気温上昇

リスク

コーヒー豆などの原材料において、調達先が限定されることによる調達コスト増、品質の低下

↗

↑

コーヒー豆の生育適地面積の減少率

・コーヒー豆の分散調達、生産地に対する情報収集

・コーヒーのみに依存しない品揃え

※1

※2

※3

※4

リスク

平均気温の上昇に伴い、特に植物由来の原材料において、調達量の制限並びに大幅な価格上昇

※医薬品関連事業・食品事業・海外飲料事業

↗

↑

□

□

―

―

・複数社購買・産地の分散等の検討

・代替方法の検討

リスク

自販機オペレーション活動が過酷な労働条件になることによる労働者不足

↗

↑

□

□

―

―

・スマート・オペレーションの推進

熱中症搬送人口の増加

機会

熱中症対策飲料のニーズが高まりによる、自販機設置要望の増加

↗

↑

□

□

―

―

・トリプルペット自販機※の導入増

※ペットボトル飲料の販売構成比を上げることを可能にする自販機

汚染・水質悪化

リスク

・土壌汚染や水質の悪化により商品の品質に影響が生じ、製造の停止

・浄化設備の追加設置などのコスト増

※海外飲料事業

↗

↑

△

△

―

―

・複数製造拠点の確保

・製造委託の検討

急性

自然災害の激甚化

リスク

自販機調達先の稼働停止による供給停止

↗

↑

□

□

―

―

・自販機の長寿命化:2030年までに15年

リスク

・洪水・台風により自販機の浸水被害が多発し、収益へ影響

・サプライチェーンが寸断し、お客様へ商品を届けることができなくなり、売上・利益が低減

↗

↑

約1.5億円※5

約3億円※5

約5億円※5

約9億円※5

・スマート・オペレーションの推進

・拠点別ハザードマップの作成

リスク

異常気象(大型台風や局地的な豪雨など)により、工場や倉庫の崩壊、従業員の被災などが発生し、製造が長期間休止する

※医薬品関連事業・食品事業

↗

↑

△

△

―

―

・事業継続計画(BCP)の整備

・外部倉庫拡大検討

※1 ブラジル:△17%、ベトナム:△15%、インドネシア:△11%、コロンビア:△16%、その他:△19%

※2 ブラジル:△28%、ベトナム:△28%、インドネシア:△31%、コロンビア:△22%、その他:△25%

※3 ブラジル:△26%、ベトナム:△25%、インドネシア:△18%、コロンビア:△26%、その他:△31%

※4 ブラジル:△43%、ベトナム:△47%、インドネシア:△51%、コロンビア:△37%、その他:△41%

※5 被害額は2030年もしくは2050年までの累計金額

 

ⅱ.気候関連リスクと機会への対応・戦略のレジリエンス

 当社グループの中核事業である国内飲料事業を担うダイドードリンコ株式会社は、製造と物流を全国各地の協力企業に委託するファブレス経営を採用し、商品開発と主力販路である自販機のオペレーションに経営資源を集中しています。2050年の自販機ビジネスにおけるカーボンニュートラル実現をめざして、気候変動への緩和策と適応策を強化し、脱炭素社会・循環型社会の形成に貢献していくことが当社グループのサステナビリティに係る重要課題であると認識しています。

 低炭素社会への移行リスク(1.5℃シナリオ)といたしましては、炭素税の導入を含む規制強化により配送コストや自販機オペレーションにかかるコストの増加が見込まれるほか、自販機設置先の電気代負担増による引上げリスクが高まる等、国内飲料事業の売上構成比のうち約90%を占める自販機チャネルの事業運営に多大な影響が出ることが想定されますが、営業車両のEV化やスマート・オペレーションの推進による車両台数の削減に取り組むほか、省エネ型自販機の計画的投入やカーボンニュートラルに対応した“お客様と共にサステナブルな未来を創る”自販機「LOVE the EARTHベンダー」の展開等によりお客様とのパートナーシップを推進し、事業機会の創出につなげていきます。

 

 

 気候変動の顕在化に伴う物理的リスク(主に4℃シナリオ)としましては、自然災害の激甚化により自販機の水没や生産工場・配送拠点の浸水等による被害が多発するリスクも想定されます。また、自販機ビジネスは労働集約型産業の側面を持つことから、夏季の平均気温の上昇が自販機オペレーションに係る労働環境に影響を及ぼし、労働力不足のリスクが高まることも懸念されます。

 気候変動による平均気温の上昇は、熱中症対策飲料の販売増が事業機会となり得る一方で、主要原材料であるコーヒー豆の調達に大きな影響が出るものと認識しています。

 当社グループは、これらのリスクと機会に対応していくために日頃からコーヒー豆等の生産地に対する情報収集を行い、分散調達できる体制を築き上げるとともに、コーヒーのみに依存しない魅力ある商品ラインアップの拡充に取り組んでいます。また、スマート・オペレーションの構築に加え、AIの導入によって現場における働き方の多様化を図る等、労働力不足の時代への対応を進めるほか、個々のロケーションの特性にあった品揃えの最適化に努める等、自販機の店舗としての魅力をより高めていきます。

 なお、国内飲料事業においては、全国各地の協力工場へ商品の生産を委託することや、全国広範囲に自販機を設置することによりリスク分散を図っています。

 

 

④指標及び目標

ⅰ.気候関連リスク・機会の管理に用いる指標及び目標

 当社グループは、2022年1月、サステナビリティの観点をより一層事業活動に組み込むため、「脱炭素社会・循環型社会への貢献」を環境に関するマテリアリティとして特定し、環境価値創出に向けた非財務KPIとして、当社グループにおけるCO2排出削減目標を設定しています。

 また、国内飲料事業においては、循環型社会への貢献に向けて、以下の3つの重点目標を設定しています。

 

 

ⅱ.CO2排出量

 当社グループの国内主要グループ会社※におけるScope1、Scope2及び重要なScope3(自販機の電力消費による排出)のCO2排出量は、以下の通りです。

※ダイドードリンコ株式会社、ダイドーアサヒベンディング株式会社、ダイドービジネスサービス株式会社、大同薬品工業株式会社、株式会社たらみ

■ ダイドービバレッジサービス株式会社は、2025年1月21日付でアサヒ飲料販売株式会社を吸収合併し、社名をダイドーアサヒベンディング株式会社に変更しました。

 

CO2排出量実績(2024年4月1日から2025年3月31日)

単位:tCO2

(カッコ内の数値は基準年度からの増減率)

 

国内飲料事業

医薬品関連事業

食品事業

合計

Scope1

7,638

3,687

3,917

15,243

Scope2

1,752

4,379

4,691

10,821

小計

9,390

(97.8%)

8,066

(106.1%)

8,608

(105.5%)

26,064

(102.7%)

 

 

 

 

 

Scope3

(カテゴリ1)

43,137

20,452

10,590

74,179

Scope3

(カテゴリ4)

9,279

420

 

9,699

Scope3

(カテゴリ9)

7,142

73

15,139

22,354

Scope3

(カテゴリ13)

88,065

(90.4%)

 

 

88,065

(90.4%)

 

CO2排出量実績 売上高原単位(2024年4月1日から2025年3月31日)

単位:tCO2/百万円

(カッコ内の数値は基準年度からの増減率)

 

国内飲料事業

医薬品関連事業

食品事業

合計

Scope1

0.07

0.28

0.19

0.11

Scope2

0.02

0.33

0.23

0.08

小計

0.09

(102.7%)

0.61

(83.5%)

0.42

(106.8%)

0.18

(104.9%)

 

 

 

 

 

Scope3

(カテゴリ1)

0.39

1.56

0.51

0.52

Scope3

(カテゴリ4)

0.08

0.03

 

0.07

Scope3

(カテゴリ9)

0.06

0.01

0.73

0.16

Scope3

(カテゴリ13)

0.80

(94.9%)

 

 

0.61

(72.6%)

注1:国内飲料事業における排出量実績は、ダイドードリンコ株式会社、ダイドーアサヒベンディング株式会社及びダイドービジネスサービス株式会社が対象となります。

注2:ダイドードリンコ株式会社、ダイドーアサヒベンディング株式会社及びダイドービジネスサービス株式会社の国内99拠点における温室効果ガス排出量情報について第三者検証を受けています。

注3:売上高原単位は、対象グループ会社の排出量合計(期間=2024年4月1日~2025年3月31日)÷売上高合計(期間=国内飲料事業、医薬品関連事業:2024年1月21日~2025年1月20日、食品事業:2024年1月1日~2024年12月31日)にて算出しています。

 

 今後とも、「DyDoグループSDGs宣言」のもと、企業としての持続的成長と持続的社会の実現に向けた取り組みをさらに強化していきます。

 

(2-2)水資源

DyDoグループでは、工場を保有するセグメントにて水の使用量の把握と適正な利用に取り組んでいます。例えば、食品事業では、過剰な地下水の汲み上げとならないよう貯水タンクの水位に応じて地下水ポンプを自動制御するシステムを導入するとともに、定期的に水位を目視で確認することで水源の持続可能性に貢献しています。また、医薬品関連事業および食品事業では、第三者による水質検査を定期的に実施し、基準に適合しているか確認しています。

 

水の使用量(2024年4月1日から2025年3月31日)

(kl)

国内

海外

計

医薬品関連事業

食品事業

トルコ飲料事業

ポーランド飲料事業

284,010

415,846

1,988,381

680,350

3,368,587

 

 

(3)人的資本経営

 当社グループは、人財に関するマテリアリティとして「従業員のワークライフシナジーの実現/ダイバーシティの推進」を掲げ、以下の考え方や指標及び目標を設定し、人的資本経営を推進しています。

 

①戦略

〔人的資本経営の全体像〕

 グループミッション2030を達成するためには、社会の変化へ柔軟に対応しながら事業変革および新規領域獲得を推進することが重要課題であり、その実現には、多様な価値観や能力を有する人財からなる組織の構築と人財一人ひとりの主体的な成長と活躍が不可欠だと考えています。

 当社グループは、人財に求める資質として「志」を中心に、「チャレンジ精神」「成長意欲」「達成意欲」「自律心」を重視しています。この5つの資質を持つ人財の成長・活躍を支援するために、当社グループは、人財一人ひとりの主体的なキャリア形成を支援する仕組み(DyDoキャリア・クリエイト)を提供します。併せて多様な価値観が尊重され、誰もが能力を発揮できる心理的安全性を重視した組織開発を行い、またワークライフシナジー(心身ともに健やかで生産性高く働ける状態)を実現できる環境を提供します。

 これらの取り組みにより5つの資質を兼ね備え、高い成果を出し続ける人財、すなわち自律型プロフェッショナル人財を育成します。

 当社グループは、この人的資本経営の方針に基づき人財とのエンゲージメントを高めながら、国内外の事業において変化への対応力・価値の創出力を向上させ、事業の持続的な成長を実現していきます。

 

 

 

②指標及び目標

 当社グループがめざす人的資本経営における目標は、多様な自律型プロフェッショナル人財からなる組織を構築し、個人の主体的な成長・活躍により社会の変化に柔軟に対応して、国内外の事業変革・事業創造に貢献することと設定しています。その実現度を図る重要な指標として「従業員エンゲージメントスコア」を設定していますが、その目標数値とその他の指標については「人財戦略」、「DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)※」、「労働環境・企業文化」における対応策の具体化に合わせて、順次適切に設定していきます。なお、現状設定したKPIに対する進捗は、以下の通りです。

※多様性を尊重し、個々の状況に合わせた公平性のある機会を提供し、全員が能力を発揮できる環境を実現するという考え方

 

 

2024年度

2025年度

2030年度目標

正社員女性比率

28.6%

29.2%

35%

女性管理職比率

12.9%

14.4%

20%

男性育児休業取得率

43.3%

57.6%

100%

※ダイドードリンコ株式会社、大同薬品工業株式会社、株式会社たらみ、ダイドーファーマ株式会社の主要子会社を集計対象とし、4社を合計して算出しています。

※「女性管理職比率」は、雇用形態に関係なく、女性管理職の比率を示しています。

 

■人的資本経営の実現に向けた方針と取り組み

ⅰ.人財戦略に関して

 当社グループの人財戦略の方針は、主体的なキャリア形成の支援による、人財の能力とエンゲージメントの向上です。外部環境の変化に対応して目標達成するためには、多様な分野における専門性の強化と様々な環境における組織やプロジェクトのマネジメント力の強化が極めて重要となります。また、グループミッション2030では「海外での事業展開の拡大」を基本方針の一つに掲げており、グローバルな視点を持つ人財の育成・獲得が欠かせません。当社グループは、その実現に向けてこれまでの人財に関する取り組みを進化させ、従業員の主体的キャリア形成を支援する仕組み「DyDoキャリア・クリエイト」を導入しています。国内飲料事業では、すべての部署における人財要件およびそれに連動したオンライン学習のカリキュラムを設定しました。必要とされる要件の明確化や学習支援の強化により、社内公募の応募者数増加につながっています。今後も、グループ全体で個人のキャリア形成に主眼を置いた人事制度・育成プログラム・評価制度等を導入し、これらの運用を通じて求める資質を備えた人財一人ひとりの成長とエンゲージメントの向上を図り、最終的に能力の多様性に富む強い組織の構築をめざします。

 

 

 また、国内飲料事業においては、人事総務部内に自販機事業本部専属のHRBP(ヒューマンリソースビジネスパートナー)を配置し、自販機事業本部傘下の人財マネジメントや育成プログラムの展開を行っています。

 また、国内飲料事業と食品事業においては、副業制度を導入しビジネススキルの習得を支援しています。今後は、グループ全体でさらなる活用促進を図っていきます。

 

ⅱ.DE&Iに関して

 当社グループは、人財一人ひとりの活躍を後押しするために、多様な価値観が尊重され誰もが自由に意見を述べ、能力を発揮できる心理的安全性を重視した組織開発を進めます。多様性の実現に向けた課題は事業毎に異なりますが、2023年1月に新設した「ダイバーシティ推進グループ」を中心にグループ各社のDE&Iにおける課題を把握しながら、解決に必要な制度の拡充、業務プロセスの改善やテクノロジーを活用した効率化を実現し、多様な人財が活躍できる組織作りを推進しています。2025年度は、管理職を対象にDE&I研修の強化やアンコンシャス・バイアスをチェックするAIツールを取り入れ、新たな気づきや自身の言動を振り返る機会を創出しました。

 主要子会社であるダイドードリンコ株式会社では、2025年度に「えるぼし認定」の3つ星を取得しました。今後も、従業員がそれぞれのライフステージで仕事にも私生活にもベストを尽くせるよう、多様な働き方を実現するための制度を拡充するなど、ワークライフシナジーの実現とダイバーシティの推進に取り組んでいきます。

 また、従来は男性中心だった自販機設置先の新規開拓を担う営業職において女性比率を向上させることで、自社における女性人財の活躍推進とともに、女性の視点を生かした新たな価値を提供する自販機の展開を通じて、女性が働きやすい社会・環境づくりへの貢献という付加価値の創出をめざすとともに、女性営業職比率の向上に伴い、女性社員同士でのネットワークの構築や営業スキルアップを目的とした交流会を開催するなど、研修制度の充実化にも取り組んでいます。

 

ⅲ.労働環境・企業文化に関して

 人的資本経営を実行するための基盤となるのが、労働環境・企業文化です。当社グループは、心身ともに健やかでかつ生産性高く働ける状況、すなわちワークライフシナジーを実現できる環境を整備すべく、健康経営の推進やリモートワークなど柔軟な働き方を推進しています。主要子会社ダイドードリンコ株式会社は、経済産業省が推進する「健康経営優良法人認定制度」において、「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」に認定されました。

 

 

 また近年、重要性が高まっているのが、自社やサプライチェーンにおける人権配慮です。当社グループは、創業以来大切にしている「共存共栄の精神」に基づき、一人ひとりの人権が尊重される社会の実現に向け、2024年3月に「DyDoグループ人権方針」を策定しました。これは、当社グループの企業活動における人権尊重を徹底するための最上位方針です。この方針に基づき、グループ会社従業員並びに主要なサプライヤーを対象とする「人権に関するアンケート」を実施し、そのアンケート結果に基づく対応策をグループサステナビリティ委員会の配下に位置する「グループ人権分科会」を中心に協議をし、人権尊重の責任を果たすため取り組みを推進しています。

 

 2024年度に、全従業員を対象に人権に関するアンケートを実施しました。アンケート結果から把握した課題を踏まえグループ共通で対応すべきリスクやセグメント特有のリスクを特定し、2025年度には管理職向けに実践型の人権研修を行いました。今後も、グループ人権分科会を起点としてリスク低減のための具体的な対応策を検討し、実行していきます。また、サプライチェーンにおける人権侵害の把握および是正・予防の取り組みを推進しています。

 人権リスクが特に高いと想定されるコーヒー豆や果物をはじめとする主要原材料調達元に対し、人権に関するアンケートを実施し、対応が不足していると考えられるステークホルダーには啓発や対話を継続的に行っていきます。

 

 

(4)その他

(4-1)DX推進

 日本国内では人口減少による市場の縮小が見込まれるほか、私たちを取り巻く社会は、凄まじいスピードで変化し続けています。そうした事業環境や社会の変化に対応するためには、DX推進を通じてデジタル技術を活用し、お客様や社会のニーズの変化に合わせて、ビジネスモデルを進化し続けることが重要であると考えています。そこで、当社グループでは「グループミッション2030」の実現に向けたマテリアリティの一つに「DX推進とIT基盤の構築」を掲げ、DXビジョンと2030年のDXのゴールを定め、DX活動を推進しています。

 DXの推進体制や活動の内容はダイドーグループ統合報告書2025(P51-52)をご覧ください。

 https://ssl4.eir-parts.net/doc/2590/ir_material_for_fiscal_ym5/183265/00.pdf

 

(4-2)知財

当社グループは、「グループミッション2030」の実現に向けたマテリアリティの一つに、「こころとからだにおいしい商品の提供」を掲げており、飲料・食品を通じた健康価値創出力を高めるための基盤として、2025年3月に「ダイドーグループ未来共創研究所」を設置いたしました。

本研究所では、グループ内の研究開発の知見を有した研究員と、外部の力を活用したオープンイノベーション型の研究開発活動を推進し、飲料・食品に適用可能な新規機能性素材、並びに、それを活かす製造技術及び既存機能性素材の新規活用法などの創出をめざしてまいります。

ダイドーグループ未来共創研究所に関する詳細は、ダイドーグループ統合報告書2025(P27-29)をご覧ください。

https://ssl4.eir-parts.net/doc/2590/ir_material_for_fiscal_ym5/183265/00.pdf