2024年6月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,858名(単体)
  • 平均年齢
    42.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    16.7年(単体)
  • 平均年収
    5,255,000円(単体)

従業員の状況

5 【従業員の状況】

(1) 提出会社の状況

2024年6月20日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

1,858

[2,715]

42.0

16.7

5,255

 

(注) 1.従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員であります。

2.従業員数欄の[外書]は、臨時従業員の年間平均雇用人員(月173時間換算)であります。

3.臨時従業員には、時給制社員および日勤社員を含めております。

4.平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。

5.当社は、ホームセンター事業の単一セグメントであるため、セグメント別従業員数の記載を省略しております。

 

(2) 労働組合の状況

当社の労働組合は、日本化学エネルギー産業労働組合連合会に所属しておりましたが、2016年11月15日に同組織を脱退し、組織を解散したため労働組合はなくなっております。以降、当社は労働組合を持たず各職場代表者にて労使交渉にあたっております。

労使関係については良好な関係にあり、特記すべき事項はありません。

 

(3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

当事業年度

管理職に占める

女性労働者の割合(%)

(注)2

男性労働者の

育児休業取得率(%)

(注)3

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注)2

全労働者

正規雇用

労働者

有期労働者等

(注)1

1.9

91.6

58.8

71.8

80.0

 

(注) 1.「有期労働者等」には、時給制社員および日勤社員を含めております。

2.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等および育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社は、サステナビリティ基本方針に基づき、サステナビリティを巡る様々な課題への対応が経営上の重要な課題であると認識し、それらを経営に取り込むことにより「持続可能な社会の実現」と「当社の持続的な成長」を目指しております。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末において当社が判断したものであります。

 

サステナビリティ基本方針

・企業活動によって生じる環境への負荷の低減に取り組み、地球環境への配慮と循環型社会の構築を目指します。

・地域社会への参画を通じて、地域の皆さまのより豊かな生活環境づくりに貢献します。

・安心・安全な商品・サービスを提供し、社会からの信頼を築きます。

・個人の人権や多様な価値観を尊重するとともに、働きがいのある職場環境の実現に努めます。

・すべての法令等および社会規範を遵守し、公正で誠実な企業活動を行います。

 

(1) サステナビリティ全般に関するガバナンス、リスク管理
① ガバナンス

当社は、サステナビリティ基本方針の下、社会的課題における循環型社会の構築に向けた気候変動に関する取り組みや、人権や多様な価値観を尊重し働きがいのある職場環境の醸成等に関する戦略・計画の策定、目標とすべき指標の設定等について検討を行うとともに、実施状況のモニタリング等を行う機関としてリスク・コンプライアンス委員会、サステナビリティ委員会を設置しています。

代表取締役社長は、業務執行の最高意思決定機関である経営会議の議長に就任しているとともに、リスク・コンプライアンス委員会、サステナビリティ委員会の委員長も担っており、リスク・コンプライアンスおよびサステナビリティ課題への対応を経営判断として評価・管理する上で、重要な責務を負っています。

経営会議およびリスク・コンプライアンス委員会、サステナビリティ委員会で協議・決議された内容は、四半期ごとに取締役会に報告しております。

取締役会は、報告をもとにリスクおよび機会に対する取り組みに関し、進捗管理・目標達成状況の監督と対応策の承認および必要な助言を行っております。

 

<組織体制図(2024年6月20日現在)>

 


 

 

② リスク管理

当社は、リスクマネジメント部が主体となり、各部署と連携し、リスク・コンプライアンスおよびサステナビリティに関連するリスクと機会についてリスクマトリクスを作成、その機動的な見直しにより網羅的に抽出し評価・識別しております。評価・識別については、事業への影響度を勘案し、重要なリスクと機会を特定しており、特定したリスクについては、リスク管理規程に基づき管理しております。

気候変動に関するリスクおよび機会に対しては、リスク・コンプライアンス委員会と連携したGX推進チームが事業への影響を把握するため幅広く情報収集・分析を実施しております。今後は、シナリオ分析で抽出した移行リスク、物理的リスク、および機会をより詳細に分析し、重要と評価された項目については、企業のリスクおよび機会として捉え、サステナビリティ委員会を中心にリスク・コンプライアンス委員会等と連携し対応してまいります。

人的資本に関するリスクおよび機会に対しては、リスク・コンプライアンス委員会において、リスクと機会の特定や取締役会への報告を行っており、特定された人的資本リスクと機会について、リスク・コンプライアンス委員会において施策の検討や進捗状況のモニタリングを行っております。また、様々な窓口を開設して、人的リスクと機会の両面から直接的な情報の収集を行い、リスク低減と機会の活用に向けて取り組んでおります。

 

(2) 気候変動に関する取り組み

当社はTCFD提言への取り組みとして、より豊かな未来のため「環境負荷の少ない店舗づくり」や「商品を通じた環境活動の推進」などに取り組み、店舗での商品やサービスの提供のみならず、地域社会を豊かにするための幅広い活動を行っております。

TCFD※1の提言は、気候変動に関する「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の開示を推奨しており、当社はこの提言に沿った情報開示を進めてまいります。また気候変動が事業に与える影響(リスクと機会)についての分析をもとにリスクの低減および機会の獲得に向けた対策に取り組んでまいります。

なお、2023年6月には、TCFD提言への賛同を表明しました。

※1 TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)…気候関連財務情報開示タスクフォース

 

① ガバナンス

気候変動に関するガバナンスは、前述のサステナビリティ課題全般のガバナンスに組み込まれております。

 

② 戦略

TCFD提言では「戦略」の項目において「2℃以下シナリオを含む様々な気候関連シナリオに基づく検討」を行うことを推奨しております。

本提言に基づき、シナリオ分析においては、パリ協定の目標であり移行面で影響がより顕著に顕在化する2℃以下(1.5℃/2℃)シナリオと、物理面での影響がより顕著に顕在化する4℃シナリオの2つを選択し、IEA※2が発行しているWEO※3等のデータをもとに、2050年における財務への影響について定性的に評価しております。

※2 IEA(International Energy Agency)…国際エネルギー機関

※3 WEO(World Energy Outlook)…世界エネルギー見通し

 

2℃以下シナリオの世界

脱炭素社会に向けた規制強化や抜本的な技術革新が進み、社会が変化することで気温上昇が持続可能な範囲で収まるシナリオ

(1.5℃ IEA「Net-Zero Emissions by 2050 Scenario」を参照)

(2℃  IEA「Announced Pledges Case」を参照)

 

4℃シナリオの世界

脱炭素社会に向けて既存政策以外有効な対策が打ち出されず、気温上昇が継続し、異常気象や自然災害が激甚化するシナリオ

(IEA「Stated Policies Scenario」を参照)

 

 

リスク・機会及び財務インパクト評価

 

2℃以下シナリオ

リスク・

機会

リスク・

機会種類

リスク・機会項目

財務

インパクト

評価

時間軸

評価※4

移行リスク

政策・法規制

炭素税導入によるコスト増加

中~長期

プラスチック規制による再生プラスチック、バイオプラスチックへの変更に対する原価コスト増加

中~長期

技術

建物のZEB化対応に向けた投資コスト増加

短~長期

市場

電力価格上昇による電力・商品調達コスト増加

中~長期

評判

気候変動への取り組み遅延や情報開示不足等によるブランド価値の低下

中~長期

機会

資源の効率性

循環経済移行による廃棄物処理コスト削減

中~長期

エネルギー源

ZEB化(太陽光導入+省エネ)によるエネルギーコスト削減

短~長期

製品・サービス

/市場

環境配慮施策の先行取り組みによる企業ブランド価値の向上

中~長期

環境に配慮した商品の早期仕入れ・販売による売上増加

中~長期

 

 

4℃シナリオ

リスク・

機会

リスク・

機会種類

リスク・機会項目

財務

インパクト

評価

時間軸

評価※4

物理的

リスク

慢性リスク

気温上昇による空調運転コスト増加

中~長期

急性リスク

自然災害の影響で休業による売上減少や修繕コスト発生

中~長期

機会

製品・サービス

/市場

自然災害激甚化による防災商品の売上増加

中~長期

強靭性

太陽光・蓄電池を導入し電源確保することで災害時に早期営業再開

短~長期

 

※4 時間軸は以下のように定義

短期:2025年頃

中期:2030年頃

長期:2050年頃

 

 

各シナリオにおける影響と対策・方針

 

2℃以下シナリオ

リスク/機会

既存の取り組み

今後の対策

脱炭素に向けた政策/規制による炭素税導入に対するコスト増加

・屋根上太陽光が設置可能である全ての店舗(11店舗)で稼働済

・CPPA※5や自家発太陽光などを導入することによる電力価格上昇や炭素税のリスクヘッジ

・サプライチェーンの効率化による商品調達コスト削減

電力価格上昇による電力・商品の調達コスト増加

プラスチック規制による原価コスト増加

・飲食店において紙製ストローや木製マドラーの利用に変更済

・プラスチック代替素材の採用・切替え

ZEB化による投資コスト増加

・千葉店でZEB Ready取得済

・吉岡店でGX Store※6営業中

・GX Store※6の推進

環境に配慮した商品の早期販売や環境配慮施策に取り組むことでブランド価値の向上及び売上増加

・電気自動車充電ステーション設置済

・サステナブル商材・サービス導入拡大中

 ※2024年時点 2,014アイテム(2022年比3倍増)

・リサイクルステーション設置済

・自社取り組みをウェブサイトなどで情報発信・開示実施

・サプライヤーの環境商品開発動向を注視し、いち早く導入する体制構築

・新たな付加価値のある商材・サービスの導入

 

※5 CPPA(Corporate Power Purchase Agreement)…企業や自治体などの法人が発電事業者から電力を長期に購入する契約

※6 GX Store…カーボンマイナスを目指す次世代店舗

(※GX Storeは株式会社アイ・グリッド・ソリューションズの登録商標)

 

 4℃シナリオ

リスク/機会

既存の取り組み

今後の対策

気温上昇による空調運転コスト増加

・約半数の店舗で、一部インテリジェント制御を含む空調制御システムを導入済

・順次最新の高効率空調設備への更新

・全店舗への空調インテリジェント制御システム導入

・エアカーテン導入

自然災害激甚化に対応する防災関連商品の需要拡大

・防災関連商品の売場、商品を拡充済

・自治体と災害協定を締結済

・災害時の商品ニーズに合わせ営業早期再開体制を確立済

・気温上昇・防災関連商品開発動向を注視する体制構築

 

 

③ リスク管理

気候変動に関するリスク管理は、前述のサステナビリティ課題全般のリスク管理に組み込まれております。

 

 

④ 指標と目標

温室効果ガス(GHG)排出量を指標としScope1,2に関して2013年度比で2025年に43%削減、2030年に51%削減、さらに2050年までにカーボンニュートラルを目標としております。また、GHG排出量の算定においては、当事業年度中に社内外データ収集の仕組みの構築、算定システムの導入により、Scope3の把握、早期集計・開示を可能にする体制を整備しております。

なお、2025年度目標につきましては、当事業年度中に1年前倒しで目標を達成しており、引き続き2030年度の目標達成、2050年度のカーボンニュートラルを目指し、各施策の取り組みを推進してまいります。

 

実績

GHG排出量

 

2022年度

2023年度

2024年度

Scope1

9,578t-CO2

7,801t-CO2

7,762t-CO2

Scope2

41,417t-CO2

39,421t-CO2

32,796t-CO2

Scope1+2

50,995t-CO2

47,222t-CO2

40,558t-CO2

GHG排出量目標値
に対する削減率

32.9%削減

37.9%削減

46.6%削減

 

 

Scope3

883,227t-CO2

925,754t-CO2

849,045t-CO2

Scope1+2+3

934,222t-CO2

972,976t-CO2

889,603t-CO2

 

 

※ 算定期間は7月~翌年6月

※ Scope3排出量は、算定期間拡大により増加する可能性あり

 

目標

GHG排出量目標値

2025年度

2030年度

2050年度

2013年度比

43%削減

2013年度比

51%削減

カーボン

ニュートラル

 

 

 (3) 人的資本に関する取り組み

① ガバナンス

人的資本に関するガバナンスは、前述のサステナビリティ課題全般のガバナンスに組み込まれております。

 

② 戦略

当社における、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。

 

人材育成方針

・社員の働く環境に配慮し、社員を個人として尊重し、一人ひとりの能力・適性や意思を重視した配置・異動・昇進を行います。

 

当社は、ミッション「『必要必在』と『生活提案』で地域社会の喜びと夢を共創する」等の経営理念に基づき、「人事ポリシー」を制定し、中長期的な視点をもって人材育成に取り組んでおります。急激なスピードで求められている働き方の改革や異業種を含めた企業間競争の激化等の当社を取り巻く社会環境の変化に対応するためには、お客様に満足や喜びを提供するプロフェッショナル集団として、より一層の成長を遂げていかなければなりません。社員が自らの力のみならず、協働者の知識・技術やスキルを総合的に生かしてお客様に満足や喜びを提供できる人となり、チームプレーを通じて組織としての成果をあげていくことができるよう、社員には「自ら考え行動できる人材」としての成長を求め、そのための機会を「未来志向で変化に挑戦する」という行動指針の実践を通じて提供し、プロフェッショナル集団としての人材育成に取り組んでおります。

 

<人事ポリシー>

(コミュニケーション重視と合理性・公正性・透明性の追求)

1.社員とのコミュニケーションを重視し、合理性や公正性そして透明性を追求した人事制度の構築・運用を行うことで、社員への説明責任を誠実にはたしていく

(「職群」を基軸とした人事管理)

2.人事制度の構築と運用にあたっては、業務内容や責任権限の度合い、また期待される役割や貢献のあり方の違いによって社員を類別した「職群制度」を基軸とし、各職群の定義を明確にしたうえで、各職群に相応しい評価、処遇、育成を行っていく

(個の尊重と能力・適性の重視)

3.社員の働く環境に配慮し、社員を個人として尊重し、一人ひとりの能力・適性や意思を重視した配置・異動・昇進を行っていく

(成長機会の提供)

4.社員には「自ら考え行動できる人材」としての成長を求め、そのための機会を「未来志向で変化に挑戦する」という行動指針の実践を通じて提供していく

(職責基準の給与決定)

5.公正性の高い処遇を実現するために、社員各人が担っている職責の大きさとその職責の遂行度を基準とした給与決定を行っていく

(付加価値および経営成果の配分)

6.「人件費の源泉は付加価値である」との考え方のもと、総額人件費は付加価値の大きさによって決定するとともに、「経営成果配分」の考え方のもと、目標を上回る利益があった場合は、その一定割合を社員に配分する

(業績貢献度に応じた賞与決定)

7.社員にはみな「利益創出への貢献」を求め、賞与支給にあたっては、各人の業績貢献度に応じて報いることを基本としていく

(働きがいを高める施策の実行)

8.社員の働きがいの状況については定期的に把握し、働きがいを高めるための施策を不断に考え実行していく

 

社内環境整備方針

・社員とのコミュニケーションを重視し、合理性や公平性、透明性を追求した人事制度の構築と運用を行うこと、また、社員の働きがいの状況について、定期的に把握し、働きがいを高めるための施策を不断に考え実行します。

 

当社は、人材育成方針に沿った取り組みを進めるとともに、個人の人権や多様な価値観を尊重し、働きがいのある職場環境の実現に努め、中核人材の育成および女性・中途採用者が能力を十分に発揮できる環境の整備を推進しております。人事制度の構築と運用にあたっては、コミュニケーション重視と合理性・公正性・透明性を追求し、『職群制度』を基軸とした人事管理を行っていくことで、制度の一貫性や整合性、安定性や継続性を担保し、社員の経営に対する信頼を高めてまいります。また、OJTトレーナーを要所に配置し若手社員の育成、売場運営に必要不可欠な知識・技術等を習得するための多様な研修制度と組み合わせ、人的資本の強化を図っております。プロフェッショナル集団であるためには、社員一人ひとりが働きがいをもち、仕事と会社に誇りや魅力を感じていることが欠かせないため、経営層や管理職は、メンバー全員の力を総合的に生かして業績目標を達成していくことを実践し組織としての成果を上げ、働きがいのある職場環境の実現に努めてまいります。

当社では、テレワーク勤務を採用しております。対象者にはモバイル端末を積極的に貸与することにより、業務効率化や通勤の負担軽減、育児や介護と仕事の両立の一助となるなど、社員にとっての仕事と生活の調和を図るための改善に取り組んでおります。アフターコロナにおいては、一部オフィス回帰の動向もみられるものの、社員それぞれがテレワーク勤務のメリット・デメリットを理解し、また、個別の事情に対応できる働き方として継続してまいります。

これらの取組みを通じて、社員の働き方の選択肢を広げ、個人の能力を十分に発揮できる環境を整備して、社員からの信頼の向上につなげていくとともに、働きがいの状況について定期的に確認することを通じて、働きがいを高めるための施策を不断に考え実行してまいります。

 

<人材の多様性の確保を含む人材の育成・社内環境整備に向けた取り組み>

当社のミッションである「『必要必在』と『生活提案』で地域社会の喜びと夢を共創する」を実現するために、個人の人権や多様な価値観を尊重するとともに、働きがいのある職場環境の実現に努めております。具体的には以下の環境を整備しております。

 

(イ)女性の活躍推進

近年、多くの女性社員が活躍をしておりますが、当社の女性管理職は、現在、4名(1.9%)であり、女性管理職の登用は積極的に取り組む必要があります。ゆえに、管理職に対する自主的かつ測定可能な目標を設定するのではなく、女性管理職の増加・推進のための社内環境を整備することが重要であると考えております。そのため、2021年より、女性活躍推進委員会(現ダイバーシティ推進委員会)を発足させ、問題点を抽出するとともに、改善策を提案し、あるべき姿に向けての実行施策を継続することで、複数人の女性管理職を登用していきたいと考えております。

 

 ダイバーシティ推進委員会

2022年6月期に発足した「働き方改革プロジェクト」を発展的に拡大し、2023年11月よりダイバーシティ推進委員会として組織化しております。現場の問題点を多角的に取り上げ、解決を目指すことで、働きやすさと仕事のやりがいをより実感できる会社にしていく狙いです。女性活躍を推進するのみならず、新入社員から中堅層まで年齢・性別や正規・非正規を問わず、能力をいかんなく発揮できるような組織風土を目指します。

 

※ 女性活躍推進法に基づく情報・行動計画は、以下のウェブサイトで開示しております。

https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp

(上記の「女性の活躍・両立支援総合サイト」にアクセスいただき、企業名「ジョイフル本田」を入力・検索し、「データベース」を選択のうえ、「女性の活躍推進企業データベースサイト」の「働きがいに関する実績(女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供)」「働きやすさに関する実績(職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備)」「その他関連する取組」の情報をご確認くださいますようお願い申し上げます。)

 

(ロ)中途採用者の管理職への登用

2023年6月期においては、2名を管理職として採用しております。また、2024年6月期は、3名を採用しました。現在、管理職に占める中途採用の割合は、47.8%となっております。

 

(ハ)研修制度

当社は、新入社員研修等を定期的に実施するとともに、研修用資料としての業務マニュアル、売場運営に必要不可欠な知識・技術を習得するための動画マニュアルを店舗に配信しております。また、本社に専任のOJTトレーナーを配置することで、組織的にOJTを推進するとともに、店舗においては兼任のOJT担当者を配置し、メンター的な役割を担うことで、人的資本強化に努めております。なお、2024年6月期における研修実績は以下のとおりです。

 

 

研修実績

研修・勉強会名

講義スタイル

対象者

人数

(人)

合計時間

(時間)

中途入社者初任研修

オンライン

中途入社者

50

228

時給制社員新人事制度勉強会

オンライン

時給制社員、正社員(実務職群除く)

4,484

2,989

実務職群 人事制度継続勉強会

オンライン

実務職群

222

148

指導職群・エキスパート職群・技能職群 人事制度継続勉強会

オンライン

指導職群・エキスパート職群・技能職群

1,579

1,579

360度評価 評価者勉強会

オンライン

正社員(実務職群除く)

1,602

1,068

新入社員研修

集合(3泊4日)

新入社員

13

416

OJTマネージャー研修

対面

副店長

35

560

OJTスタッフ講習

オンライン

指導職群・エキスパート職群

678

2,034

SNSの正しい利用・個人情報保護法について

オンライン

全社員

5,145

3,430

ハラスメントについて・知的財産権について

オンライン

全社員

5,145

3,430

不正競争防止法・不正アクセス禁止法・販促活動における法令遵守

オンライン

全社員

5,145

3,430

カスタマーハラスメント研修

オンライン

管理監督職

322

644

GLTD制度 勉強会

オンライン

全社員(60歳以上、アルバイト除く)

4,737

2,368

交通安全定期講習

eラーニング

リフォーム事業部 全社員

449

598

新任マネジメント講座(リフォーム事業部)

オンライン

リフォーム事業部 新任管理監督職者

7

28

マインドセットプログラム

集合(1日)

リフォーム事業部 正社員

176

1,232

ヒューマンエレメントプログラム

集合(1泊2日)

正社員(23名)

23

368

29,812

24,550

 

※ 研修実績は知識・技術研修を除く

 

(ニ)評価制度

当社のはたすべき使命はミッションである、「『必要必在』と『生活提案』で地域社会の喜びと夢を共創する」ことであります。当社の目指す姿であるビジョンに到達するために、ミッションから派生した価値観である行動指針(5か条)が大切であると考えており、その行動指針(5か条)を当社が社員に求める行動特性として評価項目にすることにより、社員の成長、企業の価値向上ひいては、地域のみなさまへの貢献につながるものと考えております。

 

<行動指針(5か条)>

1.お客様基点で全てを発想する

2.お客様の“不”の解消を続ける

3.未来志向で変化に挑戦する

4.常に謙虚な気持ちで感謝を忘れない

5.倫理・道徳を重視し、共に成長する

 

 

(ホ)仕事と家庭の両立支援

社員が子育てと仕事を両立させることができる環境をつくることによって、心理的安全性を高め、すべての社員がその能力を発揮できるよう様々な取り組みを行っております。男性の育児休業等・育児目的休暇取得率は、91.6%(2024年6月期)となっております。また、当社では、育児短時間勤務期間の延長など仕事と育児の両立のための制度を、法定を上回る水準で整備するとともに、男性の育児参加を促進する特別休暇制度を創設するなど、社員それぞれのライフスタイルに応じて、最大限能力を発揮できるよう、仕事と家庭生活の両立支援のための環境整備に取り組んでおります。2022年8月には、その取り組みや育児関連制度などの実績が認められ、「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣の認定(くるみん認定)を受けております。

 

※ 次世代育成支援対策推進法に基づく情報・行動計画は、以下のウェブサイトで開示しております。

https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp

(上記の「女性の活躍・両立支援総合サイト」にアクセスいただき、企業名「ジョイフル本田」を入力・検索し、「両立ひろば」を選択のうえ、「一般事業主行動計画公表サイト」の「企業データ詳細」の情報をご確認くださいますようお願い申し上げます。)

 

(ヘ)働きがい調査の実施

当社の「人事ポリシー」にありますとおり、「働きがいの状況については定期的に把握し、働きがいを高めるための施策を不断に考え実行していく」との考えのもと、毎年「働きがい調査」を実施しております。働きがいのある会社とは、会社や経営者と社員との間に「信頼」があり、一人ひとりの能力が最大限に生かされ、働く楽しさが実感できる企業であると考えております。そして毎年、「信頼」について、現在の状況を知ることで、先々の目指す姿である「国内No.1の“Living Space Innovator”企業となる」への道程を確認することが何より大切であると認識しております。また、働きがい調査は、過半数が社外取締役で構成され、社外取締役を委員長とする任意の報酬委員会が期初に承認する業務執行取締役および執行役員の目標(業績評価)に組み入れております。

 

(ト)健康経営の推進

「健康づくり推進事業所認定証」を取得

当社は、個人の人権や多様な価値観を尊重するとともに、働きがいのある職場環境の実現に努めており、社員一人ひとりの健康づくりの推進に取り組んでおります。また、2023年1月には、全国健康保険協会茨城支部より、当社の社員に対する健康管理、および健康経営への取り組みが積極的であるとの評価をいただき、「健康づくり推進事業所」の認定を受けております。

 

(チ)多様な働き方の推進

当社は、本人の病気および家族の介護等により転勤が困難となった社員や、諸事情により地域を限定して勤務を希望する社員がいる場合、エリアを限定して勤務することができる制度(エリア社員制度)を設けており、様々な働き方をサポートしております。また、テレワーク勤務を採用しており、オフィスでの勤務に比べて、働く時間や場所を柔軟に活用することが可能となっております。通勤時間の短縮および心身の負担の軽減、仕事に集中できる環境による業務効率化やそれに伴う時間外労働の削減、育児や介護と仕事の両立の一助となることも期待されることから、社員にとっての仕事と生活の調和を図る目的で導入しております。

 

(リ)「奨学金返還支援制度」の導入

当社は、社員が返済する奨学金の一部を会社が代理返還する「奨学金返還支援制度」(注)を導入し、運用を開始しております。本制度は、奨学金返済を行う社員の経済的・心理的負担を軽減することにより、安心して業務に専念できるとともに、自身のキャリアプラン・ライフプランを柔軟に描くことができる環境を整備すること、また、優秀な人材の確保や社員定着率の向上により当社の企業価値向上に資することを目的としております。

(注)返還義務のある奨学金の貸与を受け就学し、かつ、学校卒業から5年目までである正社員(新卒・中途採用・正社員登用者)を対象に、合計支援額上限120万円(1回あたり24万円を上限、最大5回まで)の返還を支援する制度。

 

(ヌ)時給制社員の再雇用年齢上限の延長および60歳以降の昇給制度の導入

当社は、時給制社員の再雇用年齢の上限を、現行の「満70歳の誕生日」から、「満75歳の誕生日以降最初に到来する3月15日」に延長いたしました。当社には、有益な技能を有する65歳を超える方が多数在籍しており、健康面においても不安がなく、気力溢れる有能な人材の社外への流出を防ぐこと、継続して当社での勤務を選択していただき能力を発揮していただく下地を作ることを目的としております。また、60歳以降の時給制社員も評価によって昇給ができる制度を導入し、運用を開始しております。

 

③ リスク管理

人的資本に関するリスク管理は、前述のサステナビリティ課題全般のリスク管理に組み込まれております。

 

④ 指標と目標

当社では、上記「①人的資本に関する戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

 

指標

2024年度実績

(2023/6/21-2024/6/20)

目標

女性管理職人数

4

売場責任者における女性比率

13.0

13.0%以上

2026年3月31日までに)

労働者
 男女賃金の
 差異

全労働者

58.8

正社員

71.8

有期労働者等 (注)1

80.0

中途採用者の管理職比率

47.8

平均残業時間

3.8時間/月

6時間/月 以下

有給休暇平均取得率

81.0

60.0%以上

育児休業からの復職率

93.5

95.0%以上

(2026年3月31日までに)

男性育児休業取得率 (注)2

52.7

15.0

(2026年3月31日までに)

働きがい肯定率

34.0

50.0%以上

 

(注) 1.「有期労働者等」には、時給制社員および日勤社員を含めております。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。