リスク
3 【事業等のリスク】
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、記載内容及び将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在していること、並びに投資に関連するリスク全てを網羅するものではないことにご留意下さい。
(1) 経済状況
当社グループの各セグメントにおける売上高のうち、重要な部分を占める自動車関連製品の需要は、製品を販売する国や地域の経済状況に大きく左右されます。世界的な景気低迷や感染症の流行等による社会・経済の混乱は、自動車需要及び当社グループ製品の需要を縮小させる可能性があります。特に、自動車関連メーカーの主要市場である日本、北米、中国、アジア、欧州における景気動向は、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 特定の取引先による影響
当社グループは、経営戦略として国内自動車メーカーへの販売拡大で顧客の多様化を推進しています。しかし、現時点では売上の大部分をマツダ株式会社及びその連結子会社・持分法適用会社(以下「同社グループ」)が占めており、2026年3月期における同社グループ向け売上高は、当社グループの連結売上高の74.6%を占めています。このため、同社グループの販売動向に加え、サプライチェーン上の外的要因等により、同社グループの自動車生産台数が減少し、その結果、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 国際的活動及び海外進出に潜在するリスク
当社グループの生産及び販売活動は、日本をはじめとして北米、アセアン、中国で展開しています。これらの海外市場への進出には、事業活動に係る内部リスク以外に、以下のようなリスクが内在しており、これらの事象が発生した場合には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
①予期しえない法規制の変更、不利な影響を及ぼす租税制度の変更
②不利な政治的または経済的要因の発生(関税政策等)
③人材の採用・確保の難しさと労務問題に係るリスク
④社会的共通資本(インフラ)が未整備なことによる事業活動への悪影響
⑤地政学的リスク、自然災害、感染症、その他の要因による社会的または経済的混乱
(4) 人権尊重
当社グループは、人権尊重を企業活動の基本と考え、2025年5月に「人権方針」を策定し、D&I推進プロジェクトを展開するとともに、働き方改革や健康経営にも取り組んでおりますが、グローバルで人権尊重に対する義務化も広がっております。このため、予期しえない法規制により、その対応が遅れた場合、多様な価値観への理解不足・働きやすい環境の整備不十分は人権侵害を招き、社会的信用やブランドイメージの低下により、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 知的財産権
当社グループは、他社製品との差別化のため、製品・製造技術等に関連する特許等の知的財産権を取得しております。また、第三者の知的財産権侵害防止のため、随時特許調査を行っております。
知的財産権による完全な保護が困難であるか、限定的にしか保護されない国または地域で自社特許の製品を生産された場合や当社グループの製品または製造技術が、将来的に第三者の知的財産権を侵害していると判断される場合は、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 新製品開発力・技術力
当社グループは、市場・顧客からの環境対応・軽量化・低価格等のニーズに応えるため、金属やガラスから樹脂への代替製品の開発を積極的に実施・提案及び樹脂の循環サイクル実現に向けた取り組みや地域資源の活用を推進しておりますが、新製品の開発と販売のプロセスは、その性質から複雑かつ不確実なものであり、以下をはじめとするさまざまなリスクが含まれています。
①長期的な投資や資源投入が、新製品や新技術の創出につながる保証はありません。
②新製品や新技術が顧客に支持され、販売が成功する保証はありません。
③技術の進歩や市場変化により、当社製品の価値が急速に低下する可能性があります。
上記のリスクをはじめとして、当社グループが業界と市場の変化を十分に予測できず、魅力ある新製品を開発できない、または顧客に受け入れられてもらえない場合には、将来の成長と収益性を低下させ、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 製品の欠陥
当社グループは、国際的な品質管理基準をはじめ、開発から生産までの品質保証体系に基づいて製品品質の日常管理を行っています。しかしながら、当社グループの製品すべてについて欠陥がなく、将来的にリコールが発生しないという保証はありません。製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、欠陥の内容によっては多額の追加コストが発生し当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 価格競争
当社グループは、環境への配慮、軽量化、低価格等の市場のニーズに応えながら、技術開発で付加価値を高め価格維持に努めておりますが、自動車業界の価格競争の激化を受け、部品メーカーにおいても他社との競合が激化しております。このため、低販売価格での受注により、売上高の維持・拡大、収益性の確保ができなくなる可能性があります。この場合、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 原材料等の供給不足
当社グループは、原材料及び部品等を多数の取引先から調達し製品を生産しておりますが、製品の生産及び販売に使用するいくつかの調達品については、一部の取引先に依存しております。このため、これらの調達品については代替品等のリスク回避や市場動向を注視するとともに、取引先の経営状況確認や品質管理を徹底しながら発注を行っておりますが、原材料、エネルギーの供給不安や、供給元での不慮の事故等により安定的な供給を受けられない場合は、当社グループの生産活動及び販売活動を阻害し、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 人件費の上昇
当社グループは、持続的な成長と生産性向上を図るため、自社の支払余力を勘案の上、労働条件の長期的な安定・向上に向けた賃金改定に取り組んでおりますが、各国の政府方針や物価上昇等の外部要因により、当社の支払余力を超えた賃金引上げを余儀なくされ、かつその増加分を製品価格に転嫁できない場合、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 情報セキュリティ
当社グループは、情報セキュリティのリスクに対して、外部からの不正アクセスに対して侵入防止・検知・排除するしくみを構築し、さらには社員に対する啓発活動・教育等のセキュリティ強化に努めておりますが、サイバー攻撃やコンピュータウイルスによる、外部への機密情報漏洩や情報の喪失、情報システム等に障害が生じる可能性があります。このような状況が発生した場合には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 為替レートの変動
当社グループは、北米、アセアン、中国に複数の海外拠点を有し、外貨建て取引を行っています。外貨建ての営業債権・債務や借入金については、一部の連結子会社で為替予約取引を実施し、為替変動リスクの低減に努めていますが、外貨建て取引の金額や、連結財務諸表作成のための海外関係会社の財務数値は、決済や換算時の為替レートにより円換算後の価値が変動し、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 金利変動
当社グループは、借入金の一部を変動金利で調達していることから、金利の変動によるリスクを負っております。今後の金利情勢如何では当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 退職給付債務
当社グループは、数理計算上設定した退職給付債務の割引率および年金資産の期待運用収益率といった前提条件に基づき退職給付費用および債務を算出しておりますが、実際の運用収益の低下や割引率が変動した場合、退職給付債務が増加し、追加費用の発生や積立不足が生じる可能性があります。これにより、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(15) 固定資産の減損
当社グループは、保有する固定資産について、経営環境の著しい悪化等による収益性の低下や市場価格の下落等により、減損損失が発生した場合、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(16) 法的規制
当社グループは、各国で環境保護や製品安全に関する法規制等を遵守し、厳格なコンプライアンス体制を整備したとしても法令違反リスクは完全に除去することができず、従業員による法令違反やモラルを逸脱した行為・過失による不正や違法行為等が発生した場合は、当社グループの社会的信頼を大きく損ないます。また、急な法改正・強化がされる場合、新たな規制遵守のために発生する追加費用によって当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は持続的な成長を可能とする収益力の強化とグローバル企業としての成長基盤を築き、企業価値の向上に努めてまいります。
株主の皆様への利益還元につきましては、経営の重要課題と位置づけており、資本効率を意識するとともに、財務体質の健全性を維持した上で、安定的・継続的な配当を行うことを基本としております。
この方針に基づき、配当については、連結純資産配当率(DOE)4.0%を下限とし、連結配当性向 40%程度を目安として総合的に勘案していきたいと考えております。
当社は、中間配当及び期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本としております。これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。なお、当社は9月30日を基準日として中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
当事業年度の期末配当金につきましては、直近の配当予想から14円増配し1株当たり33円といたしました。従いまして、中間配当19円と合わせた当期の年間配当は、1株当たり52円といたしました。なお、期末配当は、2026年6月19日開催予定の定時株主総会で決議して実施する予定であります。
(注)基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。