リスク
3【事業等のリスク】
当社グループの経営目標の達成を阻害するさまざまなリスクのうち、特に品質、環境、情報セキュリティ、財務、コンプライアンス、労働災害、災害問題等を主要なリスクとして、これらの部門を担当する各執行役員が責任者となりリスク管理の推進と対応策の整備に努めております。また、事業リスク影響評価への対応・検証については、リスク管理の最高責任者である社長執行役員により年1回開催されるリスクマネジメント定例会で審議しております。審議内容は経営会議に報告され、次期の活動方針の承認を得ております。また、リスク管理に関する方針の策定やリスク対策等のうち、重要案件については取締役会で審議しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 減損会計に関するリスクについて
当社グループでは、事業の用に供する不動産をはじめとするさまざまな資産を所有しております。こうした資産は、時価の下落や、将来のキャッシュ・インフローの状況により、減損処理を行う可能性があり、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、企業買収・資本提携等を実施しております。当社グループ及び出資先企業を取り巻く事業の環境等により、当初期待した成長シナジーが達成できなかった場合、のれん等の減損処理により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 知的財産権について
当社グループは、知的財産権としての特許を重視しており、必要な特許の積極的な取得に努めております。しかし、特許取得により、当社グループの技術情報が開示され、それをもとに他社が関連技術、関連製品の開発を行う特許侵害の可能性があり、その場合は特許係争リスクを抱えることになります。また、製品開発に関しては特許侵害のないように注意を払っておりますが、他社からの特許侵害の訴訟を受ける可能性を完全に払拭することはできません。他社から特許侵害の訴訟を受けた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 製品及びサービスの欠陥について
当社グループは、顧客満足を第一にお客様に安心してお使いいただける製品及びサービスの提供に取り組んでおりますが、これらすべての製品及びサービスに欠陥がなく、リコールが発生しないという保証はありません。当社グループの製品は、ほとんどが生産財であり、また、主要機種は定期的な保守点検を実施しておりますので、大規模なリコールや賠償につながる可能性は少ないと考えております。しかしながら、賠償責任保険でカバーできる範囲を超えるような予想外の重大な欠陥が発生した場合には、直接的な損害にとどまらず、製品及びサービスへの信頼性や評価にも影響を与え、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 災害等について
当社グループは、顧客満足を第一にお客様に安心してお使いいただける製品及びサービスの提供に取り組んでおりますが、大震災等の自然災害が発生した場合、生産、販売、メンテナンス体制等に混乱が生じる可能性があります。お客様に対する製品及びサービスの提供を維持するため、災害発生時の行動基準「ミウラグループ事業継続計画」を制定しており、随時見直しを行っておりますが、特に当社及びグループ企業の本社機能、生産設備に大きな影響を及ぼす災害が発生した場合には、直接的な損害にとどまらず、製品及びサービスへの信頼性や評価にも影響を与え、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 労災・事故について
当社グループは、対人・対物を問わず、事故の防止対策には万全を期しておりますが、生産現場で重要な機械設備に偶発的な故障・事故が発生した場合や、施工現場で重大な労働災害が発生した場合には、生産・営業活動に支障をきたし、復旧活動に係る費用の発生、納期遅延による賠償金の発生並びに社会的な信用失墜により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) カントリーリスクについて
当社グループは、複数の国で事業活動を展開しております。各国の政治・経済・社会・法制度等の変化や暴動・テロ・疫病等(新型コロナウイルス感染症含む)の発生による経済活動の制約及びサプライ・チェーンや流通網の遮断等が発生した場合、当社グループの生産活動、販売活動及びメンテナンス活動に影響を与え、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 原材料価格の変動について
当社グループの主力製品である小型貫流ボイラは、主要缶体部分に鋼板・鋼管を使用しており、また、水管ボイラは受注生産のため、他の製品と比べ納期が長く、特殊な鋼板・鋼管を使用しております。このため、鋼材価格が急激に高騰した場合、製造コストの削減や販売価格への転嫁などで対応できない可能性があります。これら原材料価格の上昇は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) サプライヤからの部品供給について
当社グループは、「ミウラグループ事業継続計画」の策定により安全在庫の確保、サプライヤの代替先の検討といった、有事に備えた対策を講じております。しかし、予期しない政治的・経済的要因の発生、災害や疫病等(新型コロナウイルス感染症含む)によるサプライヤからの部品供給停止といった不測の事態により、調達価格の高騰あるいは調達量、納期の確保が困難となる場合には、生産遅延、販売機会の損失等が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 情報セキュリティについて
当社グループは、生産管理・販売管理及び財務等に関する情報をネットワークを通して管理しており、情報システムの重要性が増大しております。コンピュータウイルスの感染、不正アクセスなどにつきましては、十分な予防措置を講じておりますが、予期し得ない外部からの侵入や攻撃がなされた場合、その内容や規模によっては、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
また、内部統制への対応として、財務報告の信頼性を維持し高めることが求められている中、IT全般統制の視点から情報システムの開発・保守・運用業務の品質向上活動を継続し、適正なIT業務運用に努めております。しかしながら、予期し得ない統制上の問題が生じた場合には、財務報告の信頼性を担保できないような状況が起こり得ることも考えられます。
(10) コンプライアンスについて
当社グループは、事業活動を展開している各国において、さまざまな法的規制を受けております。グループ全体でこれらの規制を遵守すべく、リスク管理体制の整備を進めておりますが、万が一これらの規制を遵守できない事象が発生した場合、当社グループの事業活動が制限される可能性や費用負担の増加につながる可能性があります。特に、関税・輸出入規制や圧力容器及び大気汚染防止規定、化学物質規制などの改正により、機器の生産や販売に大きな影響を受ける可能性があります。
また、従業員に向けて定期的なコンプライアンス教育を実施しておりますが、重大なコンプライアンス違反や事業活動に際し法令等に触れる事態が発生した場合には、当社グループの信用低下や損害の発生により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 為替の変動について
当社グループは、海外における事業も展開しております。各地域において現地通貨にて作成された財務諸表は、連結財務諸表作成のために円換算されております。換算時の為替レートが予想を超えて大幅に変動した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの取り扱い商品の一部は、海外での取引を行っておりますので、大幅な為替相場の変動があった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 人財の確保について
当社グループは、事業継続及び拡大のためには、有能な人財を確保・育成する必要があります。しかしながら労働市場における獲得競争は激化しており、人財の確保・育成や雇用の継続が計画どおり進まない場合には、競争力の低下や労働力不足による製品・サービスの安定供給への支障など、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 新商品の開発について
当社グループは、ボイラを中心とした低炭素・脱炭素を実現する商品・サービスの開発で、顧客の付加価値を最大化できるトータルソリューションに取り組んでおります。これらの開発は不確実なものであり、顧客ニーズに合致した技術や優位性のある商品・サービスをタイムリーに提案できない可能性があります。また、顧客ニーズの変化や技術革新・デジタル革命の進化に追随できない可能性があります。優位性のある新商品・サービスを開発できない場合やトータルソリューションの取り組みが遅延した場合、そして顧客や市場が求めるカーボンニュートラルの取り組みが停滞した場合は、将来の成長と収益性を低下させる等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、利益配分につきましては、安定的な配当の継続を基本に、経営基盤の強化と将来の事業展開に備えるため内部留保の充実も図りつつ、会社の業績に対応した適正な利益還元を行うことが望ましいと考えております。この方針に従って、連結業績や財務状況等を総合的に勘案しながら決定いたします。
剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回を基本的な方針とし、配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会であります。
当事業年度の利益配当金につきましては、1株につき30円とさせていただきました。これに伴い、年間配当金は、中間配当23円と合わせて1株当たり53円となりました。
内部留保金は、新製品・新サービスの研究開発や独創的な技術を得るためのM&Aなど主に事業基盤・競争力の強化のための投資に活用してまいります。また、環境保全、安全、品質等を高めるための投資や生産性向上に向けた情報システムの再構築、従業員教育などにも充当し、企業価値の増大を図ってまいります。
なお、当社は、会社法第459条第1項に基づき、剰余金の配当を取締役会の決議により行うことができる旨を定款に定めております。
(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額(百万円) |
1株当たりの配当額(円) |
|
2023年11月6日 |
取締役会 |
2,539 |
23.00 |
2024年6月27日 |
定時株主総会 |
3,307 |
30.00 |