リスク
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりです。このようなリスクが顕在化した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。なお、将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経済、市場の動向に関するリスク
当社グループの事業は、国内外の自動車、建設機械、鉄道、建築、産業機械等の各産業分野に直接的又は間接的に関わっています。これら産業の景気変動及び設備投資動向等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 海外事業展開に関するリスク
当社グループは、成長性・収益性の追求のため、アジア、北米、欧州を中心に積極的な事業展開を図っています。このため、各国の経済・市場の動向に関するリスクだけでなく、テロ、戦争その他の要因による社会的混乱の発生、政治的変動や予期できない法律、規制等の改正が行われる場合があり、各種製品の市場が影響を受け、その結果、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 大規模災害に関するリスク
当社グループは、地震、風水害、パンデミック等各種災害及びテロ、戦争その他の要因による社会的混乱に対して、発生時の損失を最小限に抑えるため、事業継続計画の策定、人的危機事態対応規程の制定、緊急連絡体制の整備や訓練の実施等を進めています。しかし、このような災害による人的・物的被害の発生や資材調達の停滞及び物流網の寸断により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、これらによる損害が損害保険等で十分にカバーされるという保証はありません。
(4) 為替相場の変動に関するリスク
当社グループの海外売上高は、年々高まっています。原材料の海外からの輸入もあり、外貨建て取引に関しては為替予約によるリスクヘッジを行っていますが、当社グループの業績及び財務状況は為替変動による影響を受けています。また、在外子会社の業績及び財務状況についても、円換算にあたり為替変動による影響を受けています。
(5) 調達に関するリスク
当社グループは、原材料、構成部品等の複数購買を推進することにより安定的な調達を図っていますが、部材価格の高騰や一部の部品について供給が滞り代替の調達先が確保できない場合には、製品の利益率の悪化や機会損失の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 製品品質に関するリスク
当社グループは、各種製品について、欠陥が発生しないように万全な品質管理基準のもとに製造しています。しかしながら、万一リコールや製造物責任につながるような重大な欠陥が発生した場合には、多額のコストの発生につながり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 競合に関するリスク
当社グループは、国内外において高い市場占有率を誇る製品を多数保有しており、顧客のニーズを捉えたコスト競争力のある差別化製品の開発に取り組んでいます。しかしながら、新製品開発の遅れ又は他社が画期的な新製品を開発する等により、各種製品の市場占有率が低下した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、事業活動を通して、お客様や取引先の個人情報及び機密情報を入手することがあり、また、営業上・技術上の機密情報を保有しています。当社グループでは、これらの情報に関する管理体制の強化と社員教育を展開し、情報システムのハード面・ソフト面を含めた適切なセキュリティ対策を講じています。しかしながら、予想を超えるサイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウイルス侵入等により、万一これらの情報が流出した場合や重要データの破壊、改ざん、システム停止等が生じた場合には、当社グループの信用低下により業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 知的財産に関するリスク
当社グループは、特許を含む知的財産権により自社技術の保護を図り、これら知的財産権を厳しく管理するとともに、第三者の知的財産権を侵害することのないよう細心の注意を払っています。しかしながら、第三者が当社グループの知的財産権を侵害した場合、又は当社グループが第三者から知的財産権の侵害を主張された場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 法令・規制に関するリスク
当社グループは、世界各地域において事業活動を展開しており、各地域の法令、規制の適用を受けます。当社グループは、事業活動に関連する法令・規制の遵守の徹底はもとより、より高い基準の倫理規範を制定し、コンプライアンス教育の実施、内部通報窓口の整備・運用を通じて、コンプライアンス体制の強化を図っています。しかしながら、これらの対策を講じても、個人的な不正行為等を含めコンプライアンスに関するリスクを完全に回避することは出来ず、重大な法令違反等を起こした場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 環境に関するリスク
当社グループは、事業活動による地球環境への影響を常に認識し、商品の企画・開発・設計にあたっては、エネルギー効率、省資源、有害物質の削減、リサイクル性の向上に努め、商品の生産・販売・物流・サービスにおいては、環境先進技術を積極的に採用し、また工夫することにより、CO₂排出量の削減、資源の有効利用、ゼロ・エミッションへの挑戦等環境負荷の低減に努めています。しかしながら、当社グループの事業活動により環境汚染が生じた場合には、汚染除去費用や損害賠償費用等の発生及び信用の低下により業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 企業買収等に関するリスク
当社グループは、企業買収を通じて、国内外における製品の生産、販売・サービス体制の拡充や技術基盤の強化を図っています。企業買収の検討段階では、対象企業のデューデリジェンスを行い、買収後の対象企業の運営について検証を行っています。しかしながら、企業買収当初に期待した効果が買収後に得られない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 固定資産の減損に関するリスク
当社グループは、有形固定資産、のれん及び無形資産等の固定資産を保有しています。経営環境や事業の状況の著しい変化等により収益性が低下し、十分なキャッシュ・フローを創出できないと判断される場合は、対象資産に対する減損損失の計上により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 人材の確保に関するリスク
当社グループは、製造・開発・販売、その他専門分野に携わる優秀な人材を幅広く採用・育成することで、グローバルな事業活動の推進と競争力の維持向上を図っています。しかしながら、人材の獲得競争の激化や社員の退職等によって十分な人材の確保及び育成ができなかった場合、競争力の低下につながり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、当社グループ全体の業績をベースに、戦略的な成長投資、財務健全性の確保、株主還元のバランス及び安定配当を考慮した企業収益の適正な配分を図っています。
また、2024年度までの中期経営計画期間中の配当方針として、連結配当性向を35%以上とし、上限を設けず1株当たり配当額の継続的な拡大を目指すこととしています。
以上の方針に基づき、当期期末配当は、2024年3月26日の第21回定時株主総会において、1株当たり40円と決議されました。これにより年間の配当金は、中間配当金(1株当たり40円)と合わせて、1株当たり80円としています。
次期における年間配当金は、1株当たり80円(中間配当金40円、期末配当金40円)を予定しています。配当の時期につきましては、6月30日、12月31日を基準日とした年2回の配当を実施する予定です。
なお、当社は会社法第454条第5項に規定する中間配当をすることができる旨を定款に定めています。
(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は以下のとおりです。