リスク
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)需要変動のリスク
当社グループの製品需要は、地域の政治・経済状況や政策の影響により変動する可能性があります。また、当社グループの売上高の過半を主要顧客が占めているため、顧客の業績、戦略及び設備投資計画などにより需要が変動するリスクがあります。
当社グループの主力製品であるスマートメーターは、国内では計量法で検定有効期間(使用可能期間)が10年と定められており、海外においても一定の使用期間後に取替えが必要となっております。そのため、取替え時期に需要が増大し、その後一定期間は需要が減少する可能性があります。
当社グループは国内全域に加えてオセアニア、欧州、その他新興国などで事業拡大を進めているほか、新製品投入や機能追加などによる需要喚起や新規顧客の開拓にも取り組み、需要変動影響の分散を図っておりますが、需要が著しく変動した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)価格競争のリスク
当社グループの主力製品であるスマートメーターは、国内外で有力企業と競合しており、価格は重要な競争要因となっております。当社グループは価格競争に陥らないように品質、安全性、付加価値などが評価される市場を選択すると共に、製品・サービスの継続的改良に努めておりますが、価格競争を完全に回避することは困難であるため、価格が大幅に下落した場合、又は想定を下回る価格で大量に販売した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)サプライチェーンに関するリスク
a 部材の調達リスク
当社グループは、主力製品であるスマートメーターの機能・品質の向上や原価低減を目的に仕様変更を継続的に行っているため、部材調達においては顧客からの発注予測、調達のリードタイムに加えて、製品の仕様変更時期も考慮しながら、タイムリーな発注と適正な在庫水準の維持に努めております。
しかしながら、需給逼迫などにより必要な部材をタイムリーに調達できない場合、当社グループの生産活動に支障をきたす可能性があります。また、顧客の方針変更に伴う需要予測の減少などにより、不用になった部材が滞留する可能性があります。これらにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
b コスト上昇リスク
当社グループは適切な価格での部材購入に努めておりますが、需給状況やインフレの影響などにより半導体や金属など部材価格が上昇するリスクがあります。また、世界的な原油価格や為替の変動による燃料価格の上昇などにより、物流コストが上昇するリスクがあります。これらのコスト上昇を製品価格に十分に転嫁できない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)海外事業のリスク
当社グループはオセアニア、欧州、その他新興国などを中心に海外事業を展開しており、2024年3月期の連結売上高に占める海外比率は約40%となっております。海外事業を中長期的な成長の柱と位置付け、利益を重視したビジネスの拡大に注力するとともに、最新のリスク情報によるマーケットや販売先の見直しを随時行っております。また、外注を含めた生産拠点を複数国へ分散することによるリスクの低減に取り組んでおります。
しかしながら、海外においては政治・経済情勢や紛争・テロ等の地政学的リスク、法令・制度に関する不確実性が国内に比して高いことから、市場の急激な変化やプロジェクトの遅延などによって事業が想定通りに進展しない場合、生産・出荷面で遅延が生じた場合など、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)為替レートの変動によるリスク
当社グループの海外事業においては、為替レートの変動により在外子会社の収益や資産等が変動する可能性があります。為替変動の影響を軽減するために先物為替予約を行っておりますが、急激な為替レートの変動は当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(6)製品・サービスの品質に関するリスク
当社グループは所定の品質管理水準に基づいて製品を自社生産又は外注しており、瑕疵・欠陥のある製品が市場に流出することのないように厳格な品質管理体制を構築しております。しかし、将来に渡って品質問題が発生しない保証はなく、製品の回収、交換、損害賠償などの事態が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)研究開発のリスク
当社グループは、製品・サービスの競争力を一層高めるべく研究開発を強化しております。技術変化に対する迅速な情報収集や予測、変化に応じた技術開発への適切な投資などに取り組んでおりますが、開発の遅延や技術者の人材不足などにより対応に遅れが生じる可能性があります。また、当社グループの知的財産権が侵害されるリスク、または当社グループが意図せず第三者の知的財産権を侵害することによる訴訟リスクがあります。これらにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)サステナビリティに係るリスク
当社グループは、サステナビリティを巡る課題への対応はリスクの減少や収益機会につながる重要な経営課題であると認識しており、サステナビリティ推進委員会のもと、各課題へ取り組んでおります。
しかしながら、これらの課題への対応が遅れる場合は、当社グループの中長期的な業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)人材に関するリスク
当社グループは中長期的な事業戦略を実現するためには、人材の確保・育成が重要であると認識しており、新卒採用や経験者採用を継続的に行うとともに、さまざまな研修制度や、公正な評価・処遇の制度、働きやすい職場環境の提供に取り組んでおります。
しかしながら、採用競争の激化や労働力人口の減少などにより、経営計画の推進に必要な人材の確保ができない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)災害等によるリスク
当社グループは国内外で事業展開していますが、各国における大規模な地震や台風等の自然災害、火災等の事故災害、疫病の発生・蔓延等により、顧客からの注文の遅延や、生産・出荷を長期間停止せざるを得ないような事態が発生した場合、当社グループの事業活動に支障をきたし、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、株主に対する利益還元を重要な経営政策の一つとして位置付けており、株主の皆様に対し安定的な配当を継続することを前提としつつ、業績に応じた成果の配分を行うことを基本方針としております。
具体的には、DOE(株主資本配当率)2%と、配当性向30%のいずれか高い額を目安に決定します。
また、資本効率向上を目的として、手持ち資金、必要な運転資金、直近の業績や株価、投資案件の有無等を総合的に勘案して、自己株式の取得を継続的に検討します。
また、内部留保については、長期的な企業価値の拡大を目指し、競争力強化のための研究開発投資や設備投資の原資とすると共に、M&Aも含めて今後の事業展開に有効活用し、業績の向上に努めてまいります。
なお、当社は中間配当を行うことができる旨を定款に定めており、剰余金の配当は中間配当及び期末配当の年2回を基本的な方針としております。配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会であります。
(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。